JP6881661B2 - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents
多層フィルム及び包装体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6881661B2 JP6881661B2 JP2020135944A JP2020135944A JP6881661B2 JP 6881661 B2 JP6881661 B2 JP 6881661B2 JP 2020135944 A JP2020135944 A JP 2020135944A JP 2020135944 A JP2020135944 A JP 2020135944A JP 6881661 B2 JP6881661 B2 JP 6881661B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- resin
- multilayer film
- multilayer
- crystalline resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Packages (AREA)
Description
先ず、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の構成について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、第1のフィルム2と、第2のフィルム3と、を備え、第1のフィルム2と第2のフィルム3とが交互に繰り返し積層されて概略構成されている。本実施形態の多層フィルム1は、食品や医薬品等を包装するために用いられる包装袋、包装容器のような包装体の材料として用いることができる。
第1のフィルム2は、後述する第2のフィルム3と交互に積層されており、多層フィルム1に優れたガスバリア性を付与する。
第1のフィルム2は、結晶性樹脂を有する樹脂膜である。結晶性樹脂としては、結晶性を有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、ポリメチルペンテン樹脂のようなポリオレフィン系樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂のようなポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレート樹脂のようなポリエステル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグリコール酸樹脂ポリカプロラクトン樹脂、及び上記樹脂を形成するモノマーを含む共重合体樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上を組み合せて用いることができる。
なお、以下において、第1のフィルム2が有する結晶性樹脂を、「結晶性樹脂A」と記す。
第2のフィルム3は、上述した第1のフィルム2と交互に積層されている。第2のフィルム3で第1のフィルム2をはさむことにより、第1のフィルム2の厚みを維持し、第1のフィルム2中において、結晶性樹脂Aの結晶成分の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した状態又は水平方向に配向した状態で、結晶性樹脂Aを結晶化することができる。すなわち、第2のフィルム3により、第1のフィルム2を延伸させることなく結晶化することができるため、第1のフィルム2の優れたガスバリア性を発揮させることができる。さらに、第1のフィルム2を延伸させる必要がないため、多層フィルム1に優れた成形加工性を付与することができる。
なお、以下において、第2のフィルム3が有する熱可塑性樹脂を、「熱可塑性樹脂B」と記す。
本実施形態の多層フィルム1は、上述の第1のフィルム2と第2のフィルム3とを交互に繰り返し積層した繰り返し部4を備える。繰り返し部4内に積層される第1のフィルム2及び第2のフィルム3の積層数の上限値は、特に限定されないが、20000が好ましく、10000がより好ましい。積層数が上限値以下であることにより、優れたガスバリア性を維持しつつ、多層フィルム1を薄型化することができる。
本実施形態の多層フィルム1では、第1のフィルム2及び第2のフィルム3において、それぞれ、結晶性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bが結晶化することが好ましいが、これら結晶性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bの結晶成分の配向状態は、X線回折により評価する。また、配向結晶の傾きは広角散乱測定(wide angle X−ray scattering;WAXS)や小角散乱測定(small angle X−ray scattering;SAXS)により評価する。
なお、X線回折は、市販のX線回折装置(例えば、リガク社製、「NANO Viewer」等)を用いて測定することができる。
したがって、主に、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧上のいずれか1種類以上の形状に出現することがより好ましい。これにより、多層フィルム1が、球晶を多く有する従来の高分子材料よりも優れたバリア性を発揮することができる。
Π=(180−H)/180 ・・・(1)
次に、上述した多層フィルム1の製造方法について説明する。
多層フィルム1の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法が挙げられ、なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚み制御に優れる点で特に好ましい。
次に、マルチプライヤーにより、フィルムの切断と積層を繰り返して、樹脂を交互に積層し、多層フィルムを成形する。
以上により、多層フィルム1を作製することができる。本実施形態により作製した多層フィルム1は、フィルムを延伸していないため、成形加工性に優れる。
次に、本発明を適用した一実施形態である包装体11の構成について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、本発明を適用した実施形態である包装体11の斜視図である。また、図3は、図2の包装体11のA−A線における模式断面図である。図3に示すように、本実施形態の包装体11は、第1のフィルム2と、第2のフィルム3と、を交互に繰り返し備え、さらにカバーフィルム12と、収納部13と、を備え概略構成されている。すなわち、本実施形態の包装体11は、上述した多層フィルム1と、カバーフィルム12と、収納部13と、を備えて概略構成されている。よって、重複する部分については説明を省略する。本実施形態の包装体11は、ブリスターパックとしてのPTPフィルム(包装容器)であり、収納部13に錠剤14を密封収納することができる。
次に、上述した包装体11の製造方法について説明する。
包装体11の製造方法としては、特に限定されないが、一般的に使用されるPTP包装機が用いられる。
具体的には、先ず、真空成形、圧空成形、又はプラグ成形等により、多層フィルム1に収納部13を成形する。
次に、多層フィルム1及びカバーフィルム12に、ミシン刃やハーフカット刃を用いてスリット15を入れる。
以上の工程により、包装体11が製造される。
(実施例1)
結晶性樹脂Aとして高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)(プライムポリマー社製、「SP60101」、密度:955kg/m3、重量平均分子量:50,000、MFR:9.0g/10min)を用意した。
また、熱可塑性樹脂Bとしてポリプロピレン樹脂(PP樹脂)(プライムポリマー社製、「J106G」、密度:910kg/m3、重量平均分子量:214,000、MFR:15.0g/10min)を用意した。
なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。
結晶性樹脂Aとして高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)(プライムポリマー社製、「2100J」、密度:953kg/m3、重量平均分子量:6,3000、MFR:5.8g/10min)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。
結晶性樹脂Aとして高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)(旭化成ケミカルズ社製、「B161」、密度:963kg/m3、重量平均分子量:112,900、MFR:1.35g/10min)を用意した。
また、熱可塑性樹脂Bとしてポリプロピレン樹脂(PP樹脂)(プライムポリマー社製、「E122V」、密度:910kg/m3、重量平均分子量:400,000、MFR:1.8g/10min)を用意したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。
積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=1:4になるように吐出量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。
結晶性樹脂Aとして高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)(プライムポリマー社製、「3300F」、密度:950kg/m3、重量平均分子量:150,000、MFR:1.1g/10min)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして多層フィルムを作製した。
なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。
結晶性樹脂として高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)(プライムポリマー社製、「SP60101」、密度:955kg/m3、重量平均分子量:50,000、MFR:9.0g/10min)を用意した。
なお、単層フィルムの厚みは300μmであった。
結晶性樹脂Aとして高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)(プライムポリマー社製、「3300F」、密度:950kg/m3、重量平均分子量:150,000、MFR:1.1g/10min)を用いたこと以外は、比較例2と同様にして単層フィルムを作製した。
なお、単層フィルムの厚みは300μmであった。
各実施例及び各比較例で作製した多層フィルム又は単層フィルムの積層数は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡(日本電子社製、「JSM‐7500FA」)を用いて観察することにより求めた。また、各層の結晶構造について、上記電子顕微鏡を用いて観察することで、第1のフィルム、第2のフィルムにおける傾斜方向に及び水平方向に配向した異方性結晶の有無を観察した。具体的には、フィルム断面を1000〜100000倍に拡大観察した。
各実施例及び各比較例で作製した多層フィルム又は単層フィルムの第1のフィルム及び第2のフィルムにおける配向度(Π)を、X線回折像を一次元化して得られる回折ピークの半値幅(H)を用いて下記式(1)により求めた。
Π=(180−H)/180 ・・・(1)
各実施例及び各比較例で作製した多層フィルム又は単層フィルムの水蒸気バリア性は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、「PERMATRAN‐W(登録商標)3/33」)を用いて、JIS K7126(B法、等圧法)に記載の方法に準拠して評価した。
各実施例及び各比較例で作製した多層フィルム又は単層フィルムを備えた包装体の水蒸気バリア性を評価した。具体的には、先ず、各フィルムについて、それぞれ、ブリスタ包装機(CKD社製、「FBP−300E」)を用いて、長手方向に沿って5つ、短手方向に沿って2つずつ並ぶように計10つの収納部(φ10.0mm×4.5mm)を形成した。次に、10つの収納部にそれぞれゼオライト(φ7.0mm×7.0mm)を充填した状態で、アルミ製のカバーフィルムを用いて収納部の開口を密封することで包装体を作製した。
以上の各実施例及び各比較例の評価結果を表1に示す。
各実施例及び各比較例で作製した多層フィルムを、X線回折装置(リガク社製、「NANO Viewer」)を用いて評価した。
2…第1のフィルム
3…第2のフィルム
4…繰り返し部
11…包装体
12…カバーフィルム
13…収納部
14…錠剤
15…スリット
Claims (4)
- 重量平均分子量が50,000〜120,000である結晶性樹脂を有す第1のフィルムと、
前記結晶性樹脂とは異なる結晶性の熱可塑性樹脂を有す第2のフィルムと、
を交互に繰り返し積層した繰り返し部を備える多層フィルムであって、
厚みが300nm以下の前記第1のフィルムが1000層以上積層されており、
前記第2のフィルムの積層数が200以上であり、
前記多層フィルムの水蒸気透過度が、前記多層フィルムの厚さが100μmである場合に換算して、0.4g(m 2 −day) −1 以下であり、
前記第1のフィルムの前記結晶性樹脂が配向した異方性結晶の配向度、及び、前記第2のフィルムの前記熱可塑性樹脂が配向した異方性結晶の配向度が、0.80以上、1.00未満である、多層フィルム。 - 前記結晶性樹脂が、ポリオレフィン系結晶樹脂である、請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記第2のフィルムの重量平均分子量が200,000〜350,000である、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多層フィルムを備える包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020135944A JP6881661B2 (ja) | 2020-08-11 | 2020-08-11 | 多層フィルム及び包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020135944A JP6881661B2 (ja) | 2020-08-11 | 2020-08-11 | 多層フィルム及び包装体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015108614A Division JP2016221755A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 多層フィルム及び包装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020196267A JP2020196267A (ja) | 2020-12-10 |
JP6881661B2 true JP6881661B2 (ja) | 2021-06-02 |
Family
ID=73647603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020135944A Active JP6881661B2 (ja) | 2020-08-11 | 2020-08-11 | 多層フィルム及び包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6881661B2 (ja) |
-
2020
- 2020-08-11 JP JP2020135944A patent/JP6881661B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020196267A (ja) | 2020-12-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6645019B2 (ja) | 多層フィルムおよび包装体 | |
JP6369064B2 (ja) | 多層フィルム、成形フィルムおよび包装体 | |
JP6927263B2 (ja) | 未延伸多層フィルムおよび包装体 | |
JP2006281675A (ja) | 易開封性共押出フィルムならびに該フィルムを用いた蓋材および深絞り成形容器 | |
US20220118746A1 (en) | Multilayer film and package | |
JP2016221755A (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP6369063B2 (ja) | 多層フィルム、成形フィルムおよび包装体 | |
JP6988078B2 (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP6881661B2 (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP2016221760A (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP2020199775A (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
WO2015137429A1 (ja) | 多層フィルム、成形フィルムおよび包装体 | |
JP6318725B2 (ja) | 多層フィルム、成形フィルム、包材および包装体 | |
JP6369097B2 (ja) | 多層フィルム、成形フィルムおよび包装体 | |
JP2017193100A (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP7081247B2 (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
WO2020196700A1 (ja) | フィルム成形体及び包装体 | |
JP6859699B2 (ja) | 再封性シーラントフィルム | |
JP6369062B2 (ja) | 多層フィルム、成形フィルムおよび包装体 | |
JP2019209694A (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP6863031B2 (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP2019182446A (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP2019166748A (ja) | 多層フィルム及び包装体 | |
JP2020157495A (ja) | ラミネートチューブ原反 | |
JP2020157681A (ja) | 多層フィルム及び包装体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200903 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210419 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6881661 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |