JP6097581B2 - キーボード装置 - Google Patents

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本発明は、ノート型パソコンやタブレット端末等に用いられるキーボード装置に関するものである。
ノート型パソコンやタブレット端末等に用いられるキーボードとして、対向する面にそれぞれ接点を有する一対のシートと、一対のシートの間に介在され、接点に対応する箇所に開口を有するスペーサとからなる回路基板と、回路基板上に設けられるキートップを有し、キートップを回路基板から離隔方向に付勢する付勢手段が設けてあるキーボード装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−060112号公報
上記のキーボード装置では、キートップを回路基板から離隔方向に付勢する付勢手段を有しているため、薄型化出来ないという問題がある。また、薄型化するために、上記のキーボード装置から付勢手段を除いて薄型化しただけでは、適切にスイッチングが出来ないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、薄型化しつつも適切にスイッチングが可能なキーボード装置を提供することである。
本発明者らは、上記のキーボード装置から付勢手段を除いて、薄型化しただけでは、適切にスイッチングができないという課題が生じる原因について検討した。
上記のキーボード装置では、キートップが押圧されると、キートップから付勢手段に力が伝わり、付勢手段に設けられた押圧部から回路基板に力が伝わり、一対のシートに設けられた接点同士が接触しスイッチングを行う。従って、付勢手段の押圧部の下のみに、開口を有しておけば適切にスイッチングが行われた。
一方、上記のキーボード装置から付勢手段を除いた場合、押圧部を介さずキートップから直接回路基板に力が加わるため、上記開口の大きさをキートップ以上の大きさにしないと、そもそもスイッチングが適切に行われない。
しかしながら、開口の大きさをキートップ以上にすると、開口が大きくなったため接点同士が接触する面積も増えてしまい、接触部分において真空状態に近い状態になってしまう。そうすると、押圧を開放しても、空気が開口内に流入せず接点同士が離間した状態に戻らず、スイッチングを適切に行うことができなかった。
そこで、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち本発明は、第1の接点が形成されている第1のシート、前記第1のシートに対向して設けられる第2の接点が形成された第2シート、及び、前記第1のシートと前記第2のシートとの間に介在され前記第1の接点及び第2の接点に対応した個所に第1開口を有するスペーサと、を有する回路基板と、前記回路基板よりも上方に設けられるキートップとを備えたキーボード装置であって、平面視において、前記キートップの外縁が、前記第1開口内に収まっており、前記キーボード装置は、前記第1シート及び前記第2シートの間であって、前記第1の接点及び前記第2接点の周囲に形成されている複数のドットをさらに備え、前記第1のシートと前記スペーサの間の少なくとも一部、及び、前記第2シートと前記スペーサの間の少なくとも一部には、接着層が介在されており、前記ドットの厚さは、前記接着層の厚さよりも厚く、前記ドットは、前記スペーサよりも相対的に硬いことにより上記課題を解決する。
上記発明において、前記ドットは、前記第1のシートと前記スペーサの間、及び、前記第2シートと前記スペーサの間の少なくとも一方に配置することができる。
上記発明において、前記キートップの幅W2と、前記第1及び前記第2の接点の幅W3とが、下記の(1)式を満たすことができる。
W2×0.8≦W3<W2 …(1)
本発明では、平面視すると、キートップの外縁がスペーサの開口内に収まるように形成されており、キートップに加わった押圧力を回路基板に直接伝えることができるため付勢手段が不要になる。その結果、薄型化することができる。
そして、第1シート及び第2シートの間であって、第1の接点及び前記第2接点の周囲に、複数のドットを形成したので、接点同士が接触した場合でも、ドット周辺においては、一定の空気層のスペースを確保することができる。従って、押圧を開放した時、このスペースを起点として、開口に空気が流入するため、接点同士が離間した状態にすぐに戻る。
従って、薄型化しつつも適切なスイッチングをすることができる。
図1は、本発明の実施形態におけるキーボード装置の部分断面図である。 図2は、本発明の実施形態におけるキーボード装置の分解斜視図である。 図3は、本発明の実施形態における接着層の変形例を示す平面図である。 図4(a)〜図4(c)は、本発明の実施形態における接点の構造の他の例を示す図であり、図4(a)は、第1の接点と第2の接点を重ねた場合の平面図であり、図4(b)は、第2の接点を示す平面図であり、図4(c)は、第1の接点を示す平面図である。 図5は、本発明の実施形態におけるドットの変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態におけるキーボード装置の構成を示す部分断面図、図2は本実施形態におけるキーボード装置の分解斜視図である。
本実施形態におけるキーボード装置1は、ノート型パソコンやタブレット装置等に用いられるキーボードであり、図1に示すように、回路基板10と、キートップ20と、ドット30を備えており、実際には、多数のキートップ20が配列されている(図示せず)。
回路基板10は、第1のシート11と、第1のシート11に対向して設けられる第2のシート12と、第1のシート11と第2のシート12の間に介在する第1開口14が形成されたスペーサ13と、を有している。
第1のシート11は、可撓性の第1基板15と、第1基板15の一方の主面に形成された第1の接点16と、からなる。
同様に、第2のシート12は、可撓性の第2基板17と、第2基板17の一方の主面に形成された第2の接点18と、からなる。
スペーサ13は、第1の接点16及び第2の接点18が形成されている箇所を含む領域に第1開口14が形成されている。
第1のシート11とスペーサ13の間には、これらを接着させる接着層19が形成されている。接着層19は、第1のシート11とスペーサ13の間を接着させることができるのであれば、全面に形成されている必要はなく、少なくとも一部に形成されていればよい。
同様に、第2のシート12とスペーサ13の間には、これらを接着させる接着層19が形成されている。接着層19は、第2のシート12とスペーサの間を接着させることができるのであれば、全面に形成されている必要はなく、少なくとも一部に形成されていればよい。
第1基板15、第2基板17、及び、スペーサ13は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)やポリエチレンナフタレート(PEN:Polyethylene naphthalate)から構成されている。また、第1基板15、第2基板17、及び、スペーサ13の厚さとしては、例えば、50〜200μmとされる。
第1の接点16及び第2の接点18は、例えば、銀、銅等から構成される。第1の接点16及び第2の接点18の厚さとしては、例えば、5〜30μmとされる。
接着層19は、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤等から構成される。接着層19の厚さとしては、例えば、10〜30μmとされる。
回路基板10は、キートップ20が押圧されると、第1開口14に対応する位置の第1のシート11が撓み、第1の接点16と第2の接点18が接続され、導通することで、スイッチングを行う。
キートップ20は回路基板10の第1のシート11の上面に形成されており、平面視において、キートップ20の外縁は、第1開口14内に収まっている。これにより、キートップ20のいかなる場所が押圧されても第1のシート11が撓み適切なスイッチングを行うことができる。
ドット30は、スペーサ13と第2シート12の間に形成されており、図2に示すように、第1の接点16及び第2の接点18の周囲に複数形成されている。
ドット30は、例えば、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂から構成されており、スペーサ13や接着層19よりも相対的に硬くなっている。このドット30の厚さは、10〜100μmであり、好ましくは、20〜70μmである。
また、図2に示すように本実施形態においては、スペーサ13に空気が流入するためのスリット141が形成されている。なお、接着層19を、第1のシート11とスペーサ13の間に部分的に形成したり、第2のシート12とスペーサ13の間に部分的に形成してもよく、この場合には、スペーサ13にスリット141に形成しなくてもよい。
例えば、図3に示すように、第2のシート12とスペーサ13の間において、接着層19を第1開口14の周囲に間欠的に配置することで、ドット30同士の間やドット30と接着層19の間に形成された間隙191を介して第1開口14に空気を流入出させることができる。
キーボード装置1においては、図1に示すように、第1開口14の幅W1の方が、キートップ20の幅W2よりも、広くなっている。これにより、キートップ20のいかなる場所が押圧されても第1のシートが撓み適切なスイッチングを行うことができる。
また、キートップ20の幅W2の方が第1の接点16及び第2接点18の幅W3よりも広くなっている。ただし、W3の幅は、W2の幅の80%以上である。
本実施形態によれば、平面視すると、キートップ20が、スペーサ13の第1開口14内に収まるように形成されており、キートップ20の下にスペーサ13が存在せず、キートップ20に加わった押圧力を回路基板10に直接伝えることができるため付勢手段が不要になる。その結果、薄型化することができる。そして、第の2シート12とスペーサ13の間であって、第1の接点16及び前記第2の接点18の周囲に、複数のドット30を形成したので、接点同士が接触した場合でも、ドット30の周辺においては、一定の空気層からなるスペースを確保することができる。従って、押圧を開放した時、このスペースを起点として、第1開口14に空気が流入するため、すぐに接点同士が離間した状態に戻る。従って、薄型化しつつも適切なスイッチングを行うことができる。
また、本実施形態によれば、第の2シート12とスペーサ13の間にドット30が形成されているため、第1開口14内にドット30が形成されず、押圧された際に、ドット30による違和感を防止することができる。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述の実施形態におけるキーボード装置1において、第1の接点16と第2の接点18は、一様に形成されているが、図4(a)に示すように、第1の接点16と第2の接点18とが重なると格子状になるように形成してもよい。具体的には、図4(b)に示すように、第2の接点18として、格子状の一方向に延びる線をすべて形成し、図4(c)に示すように、第1の接点16として、他方向に延びる線をすべて形成することができる。この際、格子状の外周については、第1の接点16及び第2の接点18の両方ともに形成する。
また、例えば、上述の実施形態におけるキーボード装置1においてドット30の高さは、接着層19の高さと同じであるが、図5に示すように、ドット30の高さh1を接着層19の高さh2よりも高くした方が好ましい(h1>h2)。この場合、接点同士が接触した際の、ドット30の周辺にできる、空気層からなるスペースが大きくなるため、より接点同士が離間した状態に早く戻すことができる。
また、例えば、上述の実施形態におけるキーボード装置1においてドット30は、第2のシート12とスペーサ13の間に形成されたが、第1のシート11とスペーサ13の間でもよく、第1開口14内に形成されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態におけるキーボード装置1においてキートップ20と第1基材15は、直接接触しているが、キートップ20と第1基材15の間に、介在層を設けてもよい。
1…キーボード装置
10…回路基板
11…第1のシート
12…第2のシート
13…スペーサ
14…第1開口
141…スリット
15…第1基板
16…第1の接点
17…第2基板
18…第2の接点
19…接着層
191…間隙
20…キートップ
30…ドット

Claims (3)

  1. 第1の接点が形成されている第1のシート、前記第1のシートに対向して設けられる第2の接点が形成された第2シート、及び、前記第1のシートと前記第2のシートとの間に介在され前記第1の接点及び第2の接点に対応した個所に第1開口を有するスペーサ、を有する回路基板と、
    前記回路基板よりも上方に設けられるキートップとを備えたキーボード装置であって、
    平面視において、前記キートップの外縁が、前記第1開口内に収まっており、
    前記キーボード装置は、前記第1シート及び前記第2シートの間であって、前記第1の接点及び前記第2接点の周囲に形成されている複数のドットをさらに備え
    前記第1のシートと前記スペーサの間の少なくとも一部、及び、前記第2シートと前記スペーサの間の少なくとも一部には、接着層が介在されており、
    前記ドットの厚さは、前記接着層の厚さよりも厚く、
    前記ドットは、前記スペーサよりも相対的に硬いことを特徴とするキーボード装置。
  2. 請求項1に記載のキーボード装置であって、
    前記ドットは、前記第1のシートと前記スペーサの間、及び、前記第2シートと前記スペーサの間の少なくとも一方に配置されていることを特徴とするキーボード装置。
  3. 請求項1又は2に記載のキーボード装置であって、
    前記キートップの幅W2と、前記第1及び前記第2の接点の幅W3とが、下記の(1)式を満たすことを特徴とするキーボード装置。
    W2×0.8≦W3<W2 …(1)
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