JP6097340B2 - 製剤 - Google Patents

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本発明は、製剤に関し、特に、外用薬や化粧品として用いられる製剤に関する。
皮膚から吸収された薬物が体循環に移行することで全身作用を示す外用薬(全身作用型外用薬)や、あるいは皮膚から吸収された薬物が局所的に薬効を示す外用薬(局所作用型外用薬)が用いられている。また、有効成分を経皮吸収させることを狙った化粧品(経皮吸収型化粧品)も用いられている。これらの製剤においては、有効成分の保存安定性や皮膚透過性が主要な技術的課題となっており、コア部が有効成分を、かつシェル部が界面活性剤をそれぞれ含有するコアシェル構造体を含有する製剤が提案されている(特許文献1及び2)。
コアシェル構造体を含有する製剤において、時間の経過とともに形状変化がみられることがある。
特開2004−8837号公報 国際公開第2006/025583号
本発明は、有効成分及び界面活性剤を含有する粒子を含む製剤であって、保存安定性に優れる製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ね、基剤として、最長直鎖部分の炭素数が5以上のアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を二以上有し、かつ前記アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基のうち炭素数が最長のものと最短のものとの間の炭素数差が5未満であるエステル化合物を含有する粒子を用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてさらなる試行錯誤を経て完成されたものであり、以下の態様を含む。
項1.
有効成分及び界面活性剤を含有する粒子、並びに
基剤
を含有する製剤であって、
前記基剤がエステル化合物を含有し、該エステル化合物が、最長直鎖部分の炭素数が5以上の、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群より選択される少なくとも一種である炭化水素基を、合計で二以上有し、かつ前記炭化水素基のうち最長直鎖部分が最長のものと最短のものとの間の、最長直鎖部分における炭素数差が5未満である、製剤。
項2.
前記エステル化合物の溶解パラメーター(SP値)が7〜10(cal/cm1/2である、項1に記載の製剤。
項3.
前記基剤が、前記エステル化合物として、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール及びトリエチルヘキサノインからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、項1又は2に記載の製剤。
本発明によれば、保存安定性に優れる製剤を提供できる。
1. 製剤の構成
本発明の製剤は、少なくとも下記の粒子を含有する。
1.1 粒子
粒子は、有効成分及び界面活性剤を含有する。より詳細には、粒子は、有効成分を含む第1画分、及び界面活性剤を含む第2画分という少なくとも2つの画分からなる。
粒子は、有効成分を含有する第1画分を、第2画分の界面活性剤が一部もしくは全面を被覆している粒子を有する。粒子がこのような構成を有していることにより、皮膚に適用した場合、本発明の製剤は、第1画分の有効成分を徐放させることができる。
なお、第1画分と第2画分とは、互いに結びつきあって集合体を形成していればよく、第1画分の全表面が第2画分で覆われている必要はない。
粒子の態様の例として、第1画分がコア部、第2画分がコア部を包摂するシェル部に相当するコアシェル構造体が挙げられる。コアシェル構造体においては、必ずしもコア部の全表面がシェル部で覆われている必要はない。
1.1.1 第1画分
第1画分は、少なくとも有効成分を含む。
有効成分としては、薬物である場合、全身作用が求められるもの、及び局所作用が求められるもののいずれも用いることができる。
有効成分は、特に限定されず、幅広く選択することができる。
有効成分は、好ましくは、親水性である。
有効成分は、親水性である場合、特に限定されないが、典型的には、以下の特性を有する:
分子量が10000以下であり、かつ
オクタノール水分配係数が−8〜6である。
上記において、分子量は、好ましくは、5000以下であり、より好ましくは2000以下である。分子量の下限は特に限定されないが、通常、50以上である。
上記において、オクタノール水分配係数は、好ましくは、−6〜5であり、より好ましくは−5〜4である。
なお、本発明において、オクタノール水分配係数は、オクタノールとpH7の水系緩衝液を入れたフラスコ中に有効成分を添加後、振とうし、それぞれの相の有効成分濃度から以下の式で算出したものとする。
オクタノール水分配係数=Log10(オクタノール相中濃度/水相中濃度)
有効成分としては、薬物である場合、特に限定されないが、全身作用や局所作用が求められるものが好適に用いられる。
薬物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、メマンチン、ドネペジル、リバスチグミン及びガランタミン等の認知症治療薬、抗てんかん薬、抗鬱薬、抗パーキンソン病薬、抗アレルギー薬、抗癌剤、糖尿病治療薬、降圧剤、ED治療薬、皮膚疾患薬、局所麻酔薬、並びにそれらの薬学上許容される塩等が挙げられる。薬学上許容される塩としては、特に限定されず、例えば、塩酸メマンチン、塩酸ドネペジル等の塩酸塩、酒石酸リバスチグミン等の酒石酸塩及び臭化水素酸ガランタミン等の臭化水素酸塩等が挙げられる。
有効成分としては、化粧品用途である場合、皮膚透過が求められるものであれば特に限定されず、例えば、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン成分、ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン等の保湿成分、トラネキサム酸、アルブチン等の美白成分、ミノキシジル等の発毛成分、FGF(線維芽細胞増殖因子)、EGF(表皮細胞増殖因子)等の美容成分、並びにそれらの塩や誘導体等が挙げられる。
粒子に含まれる有効成分の量は、有効成分の種類にもよるが、粒子の全体に対して、例えば、0.1〜50重量%とすることができる。
第1画分は、必要に応じて、二種以上の有効成分を含有していてもよい。この場合、本発明の製剤は、配合剤として使用できる。
第1画分は、有効成分に加えてさらに他の成分を少なくとも一種さらに含有していてもよい。
他の成分としては、特に限定されないが、例えば、安定化剤、経皮吸収促進剤、皮膚刺激低減剤及び防腐剤等が挙げられる。
安定化剤は、粒子の構造を安定化させる作用を有し、粒子の意図せぬ早期の崩壊を防止し、有効成分の徐放効果を担保する役割を有する。
安定化剤としては、特に限定されないが、具体的には、多糖類、タンパク質、及び親水性高分子材料等が挙げられる。安定化剤は、1種または2種以上を含有してもよい。安定化剤の第1画分における含有量は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、有効成分と安定化剤の重量比が、100:1〜1:10となるように配合することもできる。
経皮吸収促進剤としては、特に限定されないが、具体的には、高級アルコール、N−アシルサルコシン及びその塩、高級モノカルボン酸、高級モノカルボン酸エステル、芳香族モノテルペン脂肪酸エステル、炭素数2〜10の2価カルボン酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、乳酸、乳酸エステル、並びにクエン酸等が挙げられる。経皮吸収促進剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。経皮吸収促進剤のコア部における含有量は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、有効成分と経皮吸収促進剤の重量比が、100:1〜1:50となるように配合することもできる。
皮膚刺激低減剤としては、特に限定されないが、具体的には、ハイドロキノン配糖体、パンテチン、トラネキサム酸、レシチン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸水素ナトリウム、大豆レシチン、メチオニン、グリチルレチン酸、BHT、BHA、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、並びにメルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。皮膚刺激低減剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。皮膚刺激低減剤の第1画分における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜50%となるように配合することもできる。
防腐剤としては、特に限定されないが、具体的には、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール及びチモール等が挙げられる。防腐剤の第1画分における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.01%〜10%となるように配合することもできる。防腐剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。
1.1.2 第2画分
第2画分は、少なくとも界面活性剤を含む。
また、複数種の界面活性剤を併用してもよい。
界面活性剤は、HLB値の加重平均値が10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下のものを用いることができる。
界面活性剤は、皮膚透過性の点で、融点が50℃以下のものであれば好ましく、40℃以下のものであればより好ましい。
界面活性剤として、好ましくは、HLB値の加重平均値が10以下であり、かつ融点が50℃以下のものを使用でき、より好ましくは、HLB値の加重平均値が5以下であり、かつ融点が50℃以下のものを使用でき、さらに好ましくは、HLB値の加重平均値が5以下であり、かつ融点が40℃以下のものを使用できる。
本発明におけるHLB(Hydrophile Lypophile Balanceの略)値は、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので、0〜20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。本発明においては下記Griffin式より算出される。
HLB値=20×{(親水部分の分子量)/(全分子量)}
HLB値の加重平均値は、以下のようにして算出する。
例えば、HLB値A、B、Cの界面活性剤原料があり、それぞれの粒子合成時の仕込み重量がx、y、zであったときの加重平均値の算出式は、
(xA+yB+zC)÷(x+y+z)
また、本発明における融点は、示差走査熱量計(DSC)測定における吸熱ピークにより求められる。
界面活性剤は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば、外用薬や化粧品として使用可能なもののなかから幅広く選択することができる。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグリコシド及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、糖脂肪酸エステルが好ましい。特に、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、エルカ酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸等の脂肪酸とショ糖とのエステル等が挙げられる。
その他の脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、グリセリン、ポリグリセリン、ポリオキシエチレングリセリン、ソルビタン、及びポリオキシエチレンソルビット等のうち少なくとも一種と脂肪酸とのエステル等が挙げられる。特に、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩及びリン酸エステル塩等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩及びアミン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン及びアルキルアミンオキシド等が挙げられる。
界面活性剤の配合量は、本発明の効果が奏される範囲内において適宜設定することができるが、例えば、有効成分との重量比を1:3〜1:100とすることができる。このとき、本発明の製剤は、経皮吸収性が優れている。この点では、有効成分との重量比を1:5〜1:70とすることが好ましい。
界面活性剤は、特に限定されないが、アルキル鎖を有するものであってもよい。アルキル鎖長は、特に限定されないが、8〜30の中から幅広く選択でき、特に10〜24であれば好ましい。
アルキル鎖を有する界面活性剤のみを用いる場合、あるいはアルキル鎖を有する界面活性剤をその他の界面活性剤と組み合わせて用いる場合、有効成分と界面活性剤に含まれるアルキル鎖の合計の重量比が、1:1〜1:70であれば、本発明の製剤は、経皮吸収性が優れている。この点では、同重量比を1:2〜1:50とすることが好ましい。
第2画分は、界面活性剤に加えてさらに他の成分を少なくとも一種さらに含有していてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、皮膚刺激低減剤、鎮痛剤、経皮吸収促進剤、安定化剤及び防腐剤等が挙げられる。
皮膚刺激低減剤としては、特に限定されないが、具体的には、ハイドロキノン配糖体、パンテチン、トラネキサム酸、レシチン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸水素ナトリウム、大豆レシチン、メチオニン、グリチルレチン酸、BHT、BHA、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、並びにメルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。皮膚刺激低減剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。皮膚刺激低減剤の第2画分における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜50%となるように配合することもできる。
鎮痛剤としては、特に限定されないが、具体的には、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン及びプリロカイン等の局所麻酔薬及びその塩等が挙げられる。鎮痛剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。鎮痛剤の第2画分における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜30%となるように配合することもできる。
経皮吸収促進剤としては、特に限定されないが、具体的には、高級アルコール、N−アシルサルコシン及びその塩、高級モノカルボン酸、高級モノカルボン酸エステル、芳香族モノテルペン脂肪酸エステル、炭素数2〜10の2価カルボン酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、乳酸、乳酸エステル、並びにクエン酸等が挙げられる。経皮吸収促進剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。経皮吸収促進剤のシェル部における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜30%となるように配合することもできる。
安定化剤は、粒子を安定化させる作用を有し、粒子の意図せぬ早期の崩壊を防止し、薬物の徐放効果を担保する役割を有する。
安定化剤としては、特に限定されないが、具体的には、脂肪酸及びその塩、メチルパラベン,プロピルパラペン等のパラヒドロキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ペンジルアルコール,フェニルエチルアルコール等のアルコール類、チメロサール、無水酢酸、ソルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、プチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、酢酸トコフェロール、dl−α−トコフェロール、タンパク質及び多糖類等が挙げられる。安定化剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。安定化剤の第2画分における含有量は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、界面活性剤と安定化剤の重量比が、1:0.01〜1:50となるように配合することもできる。
防腐剤としては、特に限定されないが、具体的には、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール及びチモール等が挙げられる。防腐剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。防腐剤の第2画分における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.01%〜10%となるように配合することもできる。
1.1.3 基剤相
本発明の製剤は、さらに基剤を含有する相(基剤相)を含有し、前記基剤相が少なくとも前記粒子を含有する。このとき、前記粒子は、前記基剤相中に分散している。
基剤は、エステル化合物を含有し、該エステル化合物は、最長直鎖部分の炭素数が5以上の、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群より選択される少なくとも一種である炭化水素基を、合計で二以上有し、かつ前記炭化水素基のうち最長直鎖部分が最長のものと最短のものとの間の、最長直鎖部分における炭素数差が5未満である。
本発明のエステル化合物を基剤に用いることにより、保存安定性に優れる製剤を提供できる。具体的には、粒子が時間の経過とともに形状変化(例えばワイヤー状に変形すること等)する現象を抑えることができる。このように本発明は、製剤としての粘度等を良好に維持したまま形状変化を抑制できるので、保存安定性を向上できる点で特に優れている。
本発明において、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基とは、エステル結合R−COO−R’におけるR基及びR’基を意味する。ただし、R基又はR’基の中にエステル結合r−COO−r’が介在している場合は、末端側に位置するr基又はr’基を意味する。また、r基又はr’基の中にさらに別のエステル結合が介在している場合は、上記のR及びR’をそれぞれr及びr’と読み替えたうえで同様の定義が該当するものとする。
例えば、トリエチルヘキサノインの場合、アルキル基は3つ存在し、それぞれの主鎖の炭素数はいずれも6である。
アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基の主鎖の炭素数とは、エステル結合R−COO−R’におけるR基の場合は、主鎖の炭素数に1を足した数を、R’基の場合は、主鎖の炭素数自体を、それぞれ意味する。r基及びr’基についても同様とする。
アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。
アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基の主鎖の鎖長は特に限定されず、本発明の効果が得られる範囲内において適宜選択することができる。例えば、主鎖の鎖長は、2〜20であってもよく、2〜15であってもよい。
本発明のエステルは、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を、2〜4個有するものであれば好ましく、2〜3個有するものであればより好ましい。
本発明のエステルは、Okitsuの式により算出される溶解度パラメーター(SP値)が、本発明の効果の面で、好ましくは7〜10(cal/cm1/2である。
本発明のエステルの具体例としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール及びトリエチルヘキサノイン等が挙げられる。
なお、Okitsuの式により算出されるSP値とは、親水性を表す指標であり、Okitsuの式とは、下記式で表される溶解度パラメータにおいて、ΔFを算出する手法である(参考:沖津 俊直、日本接着学会誌、vol.29,No.5,204−211(1993))。
Δδ=ΔF/ΔV
上記式中、δは溶解度パラメータを表し、Fはモル引力定数を表し、Vはモル容積を表す。
また、複数種の本発明のエステル化合物を組み合わせて含んでいてもよい。
また、本発明のエステル化合物とは異なるその他基剤成分を含んでいてもよい。
基剤相に含まれる、本発明のエステル化合物の配合量は、本発明の効果が奏される範囲内において適宜設定することができるが、例えば、10%〜100%となるように配合することもできる。
以下、基剤相に含まれる、本発明のエステル化合物とは異なるその他の基剤について説明する。
その他の基剤は、特に限定されず、外用薬や化粧品として使用可能なもののなかから幅広く選択することができる。
その他の基剤は、粒子を分散させるのに適切なものの中から使用目的等に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。
また、複数種のその他の基剤を併用してもよい。
その他の基剤としては、特に限定されないが、例えば、植物油、動物油、中性脂質、合成油脂、ステロール誘導体、ワックス類、炭化水素類、モノアルコールカルボン酸エステル類、オキシ酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル類、シリコーン類、高級(多価)アルコール類、高級脂肪酸類及びフッ素系油剤類等が挙げられる。
植物油としては、特に限定されないが、例えば、大豆油、ゴマ油、オリーブ油、やし油、バーム油、こめ油、綿実油、ひまわり油、コメヌカ油、カカオ脂、コーン油、べに花油及びなたね油等が挙げられる。
動物油としては、特に限定されないが、例えば、ミンク油、タートル油、魚油、牛油、馬油、豚油及び鮫スクワラン等が挙げられる。
中性脂質としては、特に限定されないが、例えば、トリオレイン、トリリノレイン、トリミリスチン、トリステアリン及びトリアラキドニン等が挙げられる。
合成油脂としては、特に限定されないが、例えば、リン脂質及びアゾン等が挙げられる。
ステロール誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸及びコレステリルリノレート等が挙げられる。
ワックス類としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス及びエチレン・プロピレンコポリマー等が挙げられる。
炭化水素類としては、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、サトウキビ由来スクワレン、ワセリン及び固形パラフィン等が挙げられる。
モノアルコールカルボン酸エステル類としては、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル及びクエン酸トリエチル等が挙げられる。
オキシ酸エステル類としては、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル及びモノイソステアリン酸水添ヒマシ油等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル類としては、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール及びジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン又はアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性又はポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性又はポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性又はポリエーテル変性シリコーン及びポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等が挙げられる。
高級(多価)アルコール類としては、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール及びダイマージオール等が挙げられる。
高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸及び水素添加ダイマー酸等が挙げられる。
フッ素系油剤類としては、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン及びパーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
また、その他の基剤としては、特に限定されないが、軟膏剤、クリーム剤、エアゾール剤、テープ剤、パッチ剤、パップ剤、ゲル剤又はマイクロニードル等に使用される基剤等が挙げられる。
基剤としては、上記に例示したものに加えて、適宜他の成分を含有するものを用いてもよい。ゲル化作用を有する添加剤(ゲル化剤)等をさらに含有するものであってもよい。そのような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、樹脂及びシリコーン等の炭化水素、アミノ酸、環状ペプチド、エポキシ、ロジン、メラミン、及び多糖類、界面活性剤等のペクチン、アルギン酸、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が使用できる。樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、及びポリウレタン等が挙げられる。このような樹脂を含有する基剤として、特に限定されないが、例えば、これらの添加剤を0.1〜50%、好ましくは1〜30%含む基剤を使用できる。このような基剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、シクロヘキサン、n−オクタン、トルエン、及びキシレン等の炭化水素系基剤、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、及びエチルヘキサン酸セチル等のエステル系基剤が好ましく用いられる。特に限定されないが、このような基剤の具体例として、例えば、流動パラフィン95%、ゲル化剤としてポリエチレン樹脂5%を含む、プラスチベース(Plastibase)(登録商標)(Bristol Myers Squibb)等の炭化水素ゲル軟膏基剤等を使用できる。
1.1.4 その他の添加成分
本発明の製剤は、その剤形や使用目的等に応じて、その他の添加成分を含有していてもよい。
添加成分としては、特に限定されないが、賦形剤、着色剤、滑沢剤、結合剤、乳化剤、増粘剤、湿潤剤、安定剤、保存剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、pH調整剤、ゲル化剤、粘着剤、酸化防止剤、経皮吸収促進剤、刺激緩和剤、防腐剤、キレート剤及び分散剤等が挙げられる。
2. 製剤の製造方法
本発明の製剤は、特に限定されないが、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、特に限定されないが、本発明の粒子を、例えば以下のようにして製造することができる。有効成分並びに所望により安定化剤、経皮吸収促進剤及び皮膚刺激低減剤等の添加成分を純水又はリン酸緩衝液等の溶媒に溶解する。これに、界面活性剤並びに所望により皮膚刺激低減剤、鎮痛剤、経皮吸収促進剤及び安定化剤等の添加成分を、シクロヘキサン、ヘキサン又はトルエン等の溶剤に溶解した溶液を加え、ホモジナイザー等で撹拌する。その後に凍結乾燥等し、必要に応じてミリスチン酸イソプロピル等の溶媒に分散させて、フィルター等の濾過処理やクロマトグラフィー、遠心分離処理等を実施することによって本発明の粒子を調製できる。粒子の生成は、粒度測定や光学顕微鏡を用いて確認することができる。
粒子を用いて、例えば、以下のような経皮吸収型製剤を製造できる。本発明のエステル化合物、及び、必要に応じて上記液状基剤や軟膏剤等の基剤、さらに経皮吸収促進剤、増粘剤及びゲル化剤等の添加成分とともに粒子を所定の割合になるように添加して混合することによって粒子を含有する組成物を得る。このようにして得られた組成物は、そのまま用いてもよいし、用途に応じて、ガーゼ若しくは脱脂綿等の天然織物部材、ポリエステル若しくはポリエチレン等の合成繊維織物部材、又はこれらを適宜組み合わせて織布若しくは不織布等に加工したもの、又は、透過性膜等に積層や含浸等して保持させた状態とし、さらに粘着カバー材等で覆って使用することもできる。
また経皮吸収型製剤を製造する別の方法としては、例えば、溶液塗工法等が挙げられる。例えば、まず、本発明の粒子及び本発明のエステル化合物に加えてさらに所望により上記その他の基剤、並びに経皮吸収促進剤、増粘剤及びゲル化剤等の添加成分を所定の割合になるようにヘキサン、トルエン又は酢酸エチル等の溶剤に添加し、攪拌して均一な溶液を調製する。溶液中の固形分濃度は、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%である。次に、各成分を含有する上記溶液を、例えばナイフコーター、コンマコーター又はリバースコーターなどの塗工機を用いて、剥離ライナー(シリコーン処理したポリエステルフィルム等)上に均一に塗布し、乾燥して有効成分含有層を完成させ、該層の上に支持体をラミネートすることにより、経皮吸収型製剤を得ることができる。支持体の種類によっては、支持体に上記層を形成した後、上記層の表面に剥離ライナーをラミネートしても良い。
このようにして得られた経皮吸収型製剤は、使用用途に応じて楕円形、円形、正方形、長方形などの形状に適宜裁断する。また、必要に応じて周辺に粘着剤層等を設けてもよい。
3. 製剤の用途
本発明の製剤は、有効成分の種類に応じて、外用薬や化粧品等の幅広い用途に用いることができる。本発明の製剤は、特に限定されないが、経皮吸収性製剤として用いることができる。この場合、通常、1日〜1週間持続性であり、好ましい態様では1日〜1週間あたり1回適用されるように用いられる。
本発明の製剤が外用薬である場合、対象疾患は、有効成分の種類によって異なる。
本発明の経皮吸収性製剤は、特に限定されないが、テープ剤(リザーバー型、マトリックス型等)、軟膏剤、ローション剤、エアゾール剤、硬膏剤、水性バップ剤、クリーム剤、ゲル剤、エアゾール剤、パッチ剤及びマイクロニードル等として使用できる。
以下、本発明を実施例及び試験例を例に挙げて詳しく説明するが、本発明がこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
塩酸メマンチン0.1gを40gの純水に溶解し、これに、ショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ社製、ER−290;HLB値2、融点4℃程度、)3gをシクロヘキサン80gに溶解した溶液を加え、ホモジナイザー撹拌(10,000rpm)した。この後に1日間凍結乾燥することによって、コアシェル構造体を調製した。当該生成物150mgを850mgのイソノナン酸イソノニル(高級アルコール工業社製、KAK99;SP値8.2、最長直鎖アルキル基部分における最長最短の炭素数差0)に分散し、製剤を製造した。
実施例2
イソノナン酸イソノニルをイソノナン酸イソトリデシル(高級アルコール工業社製、KAK139;SP値8.2、最長直鎖アルキル基部分における最長最短の炭素数差4)にしたこと以外は実施例1と同様にして製剤を製造した。
実施例3
イソノナン酸イソノニルをジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(高級アルコール工業社製、NPDIN;SP値6.7、最長直鎖アルキル基部分における最長最短の炭素数差0)にしたこと以外は実施例1と同様にして製剤を製造した。
実施例4
イソノナン酸イソノニルをトリエチルヘキサノイン(高級アルコール工業社製、TOG;SP値8.9、最長直鎖アルキル基部分における最長最短の炭素数差0)にしたこと以外は実施例1と同様にして製剤を製造した。
比較例1
イソノナン酸イソノニルをミリスチン酸イソプロピル(高級アルコール工業社製、IPM;SP値8.3、最長直鎖アルキル基部分における最長最短の炭素数差12)にしたこと以外は実施例1と同様にして製剤を製造した。
比較例2
イソノナン酸イソノニルをネオペンタン酸イソデシル(高級アルコール工業社製、ネオライト100P;SP値7.4、最長直鎖アルキル基部分における最長最短の炭素数差7)にしたこと以外は実施例1と同様にして製剤を製造した。
以下の表1には実施例1〜4、並びに比較例1及び2により得られたそれぞれの製剤の安定性の結果について記している。なお、製造した評価サンプルの安定性の確認は、光学顕微鏡を用いた製剤の形状を指標として行った。
25℃条件下で1週間経過したものを初期状態の形状と比較し、その指標には下記の評価項目を用いた。
(形状評価項目)
○:変化なし
×:変化あり
表1にあるように、比較例1及び2では形状の変化が著しく見られた。これらの結果から、本発明のエステルを用いた実施例1〜4の製剤は形状安定であることが確認された。
Figure 0006097340

Claims (2)

  1. 有効成分及び界面活性剤を含有する粒子、並びに
    基剤
    を含有する製剤であって、
    前記基剤がエステル化合物を含有し、該エステル化合物が、最長直鎖部分の炭素数が5以上の、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群より選択される少なくとも一種である炭化水素基を、合計で二以上有し、かつ前記炭化水素基のうち最長直鎖部分が最長のものと最短のものとの間の、最長直鎖部分における炭素数差が5未満であり、前記エステル化合物として、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール及びトリエチルヘキサノインからなる群より選択される少なくとも一種を含有する、製剤。
  2. 前記エステル化合物の溶解パラメータ(SP値)が7〜10(cal/cm1/2である、請求項1に記載の製剤。
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