JP2016179963A - コアシェル構造体を含有する製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】
コアシェル構造体を含有する製剤であって、保存安定性に優れる製剤を提供する。
【解決手段】
コア部が薬物を、かつ
シェル部が界面活性剤を
それぞれ含有するコアシェル構造体
を含有する製剤であって、
コアシェル構造体を含有する製剤組成物の粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする、製剤。
【選択図】なし
コアシェル構造体を含有する製剤であって、保存安定性に優れる製剤を提供する。
【解決手段】
コア部が薬物を、かつ
シェル部が界面活性剤を
それぞれ含有するコアシェル構造体
を含有する製剤であって、
コアシェル構造体を含有する製剤組成物の粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする、製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、コアシェル構造体を含有する製剤に関する。
コア部が薬物を、かつシェル部が界面活性剤をそれぞれ含有するコアシェル構造体を含有する製剤が提案されている(特許文献1及び2)。
コアシェル構造体を含有する製剤において、時間の経過とともに形状変化がみられることがある。
本発明は、コアシェル構造体を含有する製剤であって、保存安定性に優れる製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ね、薬物を含有するコアシェル構造体が存在している製剤中の相(製剤の態様によっては、コアシェル構造体のみが単体で存在している相である場合もあるし、基剤を基本成分とする相の中にコアシェル構造体が分散している相である場合もある。このような相のことを本発明において「薬物含有相」という。)の粘度を従来よりも高くすることにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてさらなる試行錯誤を経て完成されたものであり、以下の態様を含む。なお、本発明において、薬物含有相の粘度をはじめとする特性について言及するとき、本発明の製剤から取り出してきた状態の薬物含有相の特性をいうものとする。
項1.
コア部が薬物を、かつ
シェル部が界面活性剤を
それぞれ含有するコアシェル構造体
を含有する薬物含有相
を含む製剤であって、
前記薬物含有相の粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする、製剤。
項2.
前記粘度が1500mPa・s以上である項1に記載の製剤。
項3.
前記薬物が、親水性薬物である、項1又は2に記載の製剤。
項4.
前記薬物が、メマンチン及び/又はその塩である、項1〜3のいずれか一項に記載の製剤。
項5.
経皮吸収性製剤である、項1〜4のいずれか一項に記載の製剤。
項1.
コア部が薬物を、かつ
シェル部が界面活性剤を
それぞれ含有するコアシェル構造体
を含有する薬物含有相
を含む製剤であって、
前記薬物含有相の粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする、製剤。
項2.
前記粘度が1500mPa・s以上である項1に記載の製剤。
項3.
前記薬物が、親水性薬物である、項1又は2に記載の製剤。
項4.
前記薬物が、メマンチン及び/又はその塩である、項1〜3のいずれか一項に記載の製剤。
項5.
経皮吸収性製剤である、項1〜4のいずれか一項に記載の製剤。
本発明によれば、保存安定性に優れる外用剤を提供できる。
1. 製剤の構成
本発明の製剤は、薬物含有相を有し、薬物含有相が、少なくとも下記のコアシェル構造体を含有する。
1.1 コアシェル構造体
コアシェル構造体は、コア部が薬物を、かつシェル部が界面活性剤をそれぞれ含有する。
本発明の製剤は、薬物含有相を有し、薬物含有相が、少なくとも下記のコアシェル構造体を含有する。
1.1 コアシェル構造体
コアシェル構造体は、コア部が薬物を、かつシェル部が界面活性剤をそれぞれ含有する。
コアシェル構造体は、薬物を含有するコア部を、シェル部の界面活性剤が一部もしくは全面を被覆しているコアシェル構造を有する。コアシェル構造体がこのような構成を有していることにより、皮膚に適用した場合、本発明の製剤は、コア部の薬物を徐放させることができる。
本発明の製剤は、薬物含有相の粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする。この特徴により、本発明の製剤を、形状変化が生じにくいという点で保存安定性に優れるものとすることができる。その理由は定かではないが、例えば、シェル部の固定により、製剤中でのコア部の薬剤放出が抑制されるためと推測される。
本発明の薬物含有相の粘度としては、上記範囲内であれば特に限定されないが、下限は、50mPa・sであることが好ましく、150mPa・sであることが更に好ましく、1500mPa・sであることが特に好ましい。粘度の上限は、特に限定されないが、2000万mPa・sであることが好ましく、1500万mPa・sであることが更に好ましく、1000万mPa・sであることが特に好ましい。
本発明において、粘度は、1000mPa・s以上では規格JIS Z 8803:2011「液体の粘度測定方法」に準拠し、円すい−平板形(コーンプレート形)回転粘度計にて、1000mPa・s未満では球回転式粘度計により、それぞれ25℃で測定した値を意味する。
本発明の薬物含有相の粘度は、特に限定されないが、特に基剤を選択することによって適宜達成できる。
本発明の製剤は、薬物含有相の粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする。この特徴により、本発明の製剤を、形状変化が生じにくいという点で保存安定性に優れるものとすることができる。その理由は定かではないが、例えば、シェル部の固定により、製剤中でのコア部の薬剤放出が抑制されるためと推測される。
本発明の薬物含有相の粘度としては、上記範囲内であれば特に限定されないが、下限は、50mPa・sであることが好ましく、150mPa・sであることが更に好ましく、1500mPa・sであることが特に好ましい。粘度の上限は、特に限定されないが、2000万mPa・sであることが好ましく、1500万mPa・sであることが更に好ましく、1000万mPa・sであることが特に好ましい。
本発明において、粘度は、1000mPa・s以上では規格JIS Z 8803:2011「液体の粘度測定方法」に準拠し、円すい−平板形(コーンプレート形)回転粘度計にて、1000mPa・s未満では球回転式粘度計により、それぞれ25℃で測定した値を意味する。
本発明の薬物含有相の粘度は、特に限定されないが、特に基剤を選択することによって適宜達成できる。
本発明の製剤に含まれるコアシェル構造体は、特に限定されないが、通常、個数平均粒子径が、1nm〜50000nmでありえる。持続性及び経皮吸収性、並びに保存安定性の点では、本発明の製剤に含まれるコアシェル構造体の個数平均粒子径が、5nm〜10000nmであれば好ましく、10nm〜5000nmであればより好ましい。
ただし、上記において個数平均粒子径は、溶媒分散時の動的光散乱法により算出したものである。
本発明の製剤に含まれるコアシェル構造体は、特に限定されないが、本発明の効果の点で、コア部とシェル部の比率(コア部:シェル部)が、重量比で、1:3〜1:100であれば好ましく、1:5〜1:70であればより好ましく、1:10〜1:50であればさらに好ましい。
ただし、上記において個数平均粒子径は、溶媒分散時の動的光散乱法により算出したものである。
本発明の製剤に含まれるコアシェル構造体は、特に限定されないが、本発明の効果の点で、コア部とシェル部の比率(コア部:シェル部)が、重量比で、1:3〜1:100であれば好ましく、1:5〜1:70であればより好ましく、1:10〜1:50であればさらに好ましい。
1.1.1 コア部
薬物は、特に限定されず、幅広く選択することができる。
薬物は、好ましくは、親水性薬物である。
薬物は、親水性薬物である場合、特に限定されないが、典型的には、以下の特性を有する:
分子量が10000以下であり、かつ
オクタノール水分配係数が−8〜6である。
薬物は、特に限定されず、幅広く選択することができる。
薬物は、好ましくは、親水性薬物である。
薬物は、親水性薬物である場合、特に限定されないが、典型的には、以下の特性を有する:
分子量が10000以下であり、かつ
オクタノール水分配係数が−8〜6である。
上記において、分子量は、好ましくは、1000以下であり、より好ましくは500以下である。分子量の下限は特に限定されないが、通常、50以上である。
上記において、オクタノール水分配係数は、好ましくは、−6〜5であり、より好ましくは−5〜4である。
なお、本発明において、オクタノール水分配係数は、オクタノールとpH7の水系緩衝液を入れたフラスコ中に薬物を添加後、振とうし、それぞれの相の薬物濃度から以下の式で算出したものとする。
オクタノール水分配係数=Log10(オクタノール相中濃度/水相中濃度)
薬物としては、特に限定されないが、全身作用や局所作用が求められるものが好適に用いられる。
薬物の具体例としては、特に限定されないが、メマンチン、ニトログリセリン、リドカイン、フェンタニル、男性ホルモン類、女性ホルモン類、ニコチン、メマンチン塩酸塩、塩酸ドネペジル、クロミプラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ナルフラフィン塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、フェソテロジンフマル酸塩、タンドスピロンクエン酸塩、ベラプロストナトリウム、タルチレリン、ルラシドン塩酸塩、ネファゾドン塩酸塩、リファキシミン、ベニジピン塩酸塩、ドキサゾシンメシル酸塩、ニカルジピン塩酸塩、フォルモテロールフマル酸塩、ロメリジン塩酸塩、アムロジピンベシル酸塩、モンテルカストナトリウム、バルデナフィル塩酸塩、ガバペンチン、リセドロン酸塩及びオクトレオチド酢酸塩等が挙げられる。なお、薬物として、上記の薬理学的に許容される塩も用いることができる。
コアシェル構造体に含まれる薬物の量は、薬物の種類にもよるが、コアシェル構造体の全体に対して、例えば、0.1〜30重量%とすることができる。
コア部は、必要に応じて、二種以上の薬物を含有していてもよい。この場合、本発明の製剤は、配合剤として使用できる。
コア部は、薬物に加えてさらに他の成分を少なくとも一種さらに含有していてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、安定化剤、経皮吸収促進剤、皮膚刺激低減剤及び防腐剤等が挙げられる。
安定化剤は、コアシェル構造を安定化させる作用を有し、コアシェル構造の意図せぬ早期の崩壊を防止し、薬物の徐放効果を担保する役割を有する。
安定化剤としては、特に限定されないが、具体的には、多糖類、タンパク質、及び親水性高分子材料等が挙げられる。安定化剤は、1種または2種以上を含有してもよい。安定化剤のコア部における含有量は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、薬物と安定化剤の重量比が、100:1〜1:10となるように配合することもできる。
経皮吸収促進剤としては、特に限定されないが、具体的には、高級アルコール、N−アシルサルコシン及びその塩、高級モノカルボン酸、高級モノカルボン酸エステル、芳香族モノテルペン脂肪酸エステル、炭素数2〜10の2価カルボン酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、乳酸、乳酸エステル、並びにクエン酸等が挙げられる。経皮吸収促進剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。経皮吸収促進剤のコア部における含有量は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、薬物と経皮吸収促進剤の重量比が、100:1〜1:50となるように配合することもできる。
皮膚刺激低減剤としては、特に限定されないが、具体的には、ハイドロキノン配糖体、パンテチン、トラネキサム酸、レシチン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸水素ナトリウム、大豆レシチン、メチオニン、グリチルレチン酸、BHT、BHA、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、並びにメルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。皮膚刺激低減剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。皮膚刺激低減剤のコア部における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜50%となるように配合することもできる。
防腐剤としては、特に限定されないが、具体的には、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール及びチモール等が挙げられる。防腐剤のコア部における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.01%〜10%となるように配合することもできる。防腐剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。
1.1.2 シェル部
界面活性剤は、コアシェル構造のシェル部を形成できるものであればよく、特に限定されない。
界面活性剤は、コアシェル構造のシェル部を形成できるものであればよく、特に限定されない。
また、複数種の界面活性剤を併用してもよい。
界面活性剤は、HLB値が10以下、好ましくは5以下のものを用いることができる。
界面活性剤は、皮膚透過性の点で、融点が50℃以下のものであれば好ましく、40℃以下のものであればより好ましい。
界面活性剤として、好ましくは、HLB値が10以下であり、かつ融点が50℃以下のものを使用でき、より好ましくは、HLB値が5以下であり、かつ融点が50℃以下のものを使用でき、さらに好ましくは、HLB値が5以下であり、かつ融点が40℃以下のものを使用できる。
本発明におけるHLB(Hydrophile Lypophile Balanceの略)値は、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので、0〜20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。本発明においては下記Griffin式より算出される。
HLB値=20×{(親水部分の分子量)/(全分子量)}
また、本発明における融点は、示差走査熱量計(DSC)測定における吸熱ピークにより求められる。
界面活性剤は、皮膚透過性の点で、融点が50℃以下のものであれば好ましく、40℃以下のものであればより好ましい。
界面活性剤として、好ましくは、HLB値が10以下であり、かつ融点が50℃以下のものを使用でき、より好ましくは、HLB値が5以下であり、かつ融点が50℃以下のものを使用でき、さらに好ましくは、HLB値が5以下であり、かつ融点が40℃以下のものを使用できる。
本発明におけるHLB(Hydrophile Lypophile Balanceの略)値は、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので、0〜20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。本発明においては下記Griffin式より算出される。
HLB値=20×{(親水部分の分子量)/(全分子量)}
また、本発明における融点は、示差走査熱量計(DSC)測定における吸熱ピークにより求められる。
界面活性剤は、特に限定されず、例えば、外用剤として使用可能なもののなかから幅広く選択することができる。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグリコシド及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、糖脂肪酸エステルが好ましい。特に、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、エルカ酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸等の脂肪酸とショ糖とのエステル等が挙げられる。
その他の脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、グリセリン、ポリグリセリン、ポリオキシエチレングリセリン、ソルビタン、及びポリオキシエチレンソルビット等のうち少なくとも一種と脂肪酸とのエステル等が挙げられる。特に、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩及びリン酸エステル塩等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩及びアミン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン及びアルキルアミンオキシド等が挙げられる。
界面活性剤の配合量は、本発明の効果が奏される範囲内において適宜設定することができるが、例えば、薬物との重量比を1:3〜1:100とすることができる。このとき、本発明の製剤は、経皮吸収性が優れている。この点では、薬物との重量比を1:5〜1:70とすることが好ましい。
界面活性剤は、特に限定されないが、アルキル鎖を有するものであってもよい。アルキル鎖長は、特に限定されないが、8〜30の中から幅広く選択でき、特に10〜24であれば好ましい。
アルキル鎖を有する界面活性剤のみを用いる場合、あるいはアルキル鎖を有する界面活性剤をその他の界面活性剤と組み合わせて用いる場合、薬物と界面活性剤に含まれるアルキル鎖の合計の重量比が、1:1〜1:70であれば、本発明の製剤は、経皮吸収性が優れている。この点では、同重量比を1:2〜1:50とすることが好ましい。
シェル部は、界面活性剤に加えてさらに他の成分を少なくとも一種さらに含有していてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、皮膚刺激低減剤、鎮痛剤、経皮吸収促進剤、安定化剤及び防腐剤等が挙げられる。
皮膚刺激低減剤としては、特に限定されないが、具体的には、ハイドロキノン配糖体、パンテチン、トラネキサム酸、レシチン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸水素ナトリウム、大豆レシチン、メチオニン、グリチルレチン酸、BHT、BHA、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、並びにメルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。皮膚刺激低減剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。皮膚刺激低減剤のシェル部における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜50%となるように配合することもできる。
鎮痛剤としては、特に限定されないが、具体的には、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン及びプリロカイン等の局所麻酔薬及びその塩等が挙げられる。鎮痛剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。鎮痛剤のシェル部における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜30%となるように配合することもできる。
経皮吸収促進剤としては、特に限定されないが、具体的には、高級アルコール、N−アシルサルコシン及びその塩、高級モノカルボン酸、高級モノカルボン酸エステル、芳香族モノテルペン脂肪酸エステル、炭素数2〜10の2価カルボン酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、乳酸、乳酸エステル、並びにクエン酸等が挙げられる。経皮吸収促進剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。経皮吸収促進剤のシェル部における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1%〜30%となるように配合することもできる。
安定化剤は、コアシェル構造を安定化させる作用を有し、コアシェル構造の意図せぬ早期の崩壊を防止し、薬物の徐放効果を担保する役割を有する。
安定化剤としては、特に限定されないが、具体的には、脂肪酸及びその塩、メチルパラベン,プロピルパラペン等のパラヒドロキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ペンジルアルコール,フェニルエチルアルコール等のアルコール類、チメロサール、無水酢酸、ソルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、プチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、酢酸トコフェロール、dl−α−トコフェロール、タンパク質及び多糖類等が挙げられる。安定化剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。安定化剤のシェル部における含有量は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、界面活性剤と安定化剤の重量比が、1:0.01〜1:50となるように配合することもできる。
防腐剤としては、特に限定されないが、具体的には、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール及びチモール等が挙げられる。防腐剤は、1種又は2種以上を含有してもよい。防腐剤のシェル部における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.01%〜10%となるように配合することもできる。
1.1.3 薬物含有相
本発明の製剤は、薬物含有相を含む。薬物含有相は、少なくともコアシェル構造体を含有する。薬物含有相は、必要に応じて、さらに基剤を含有していてもよい。この場合、分散剤にコアシェル構造体が分散している。
本発明の製剤は、薬物含有相を含む。薬物含有相は、少なくともコアシェル構造体を含有する。薬物含有相は、必要に応じて、さらに基剤を含有していてもよい。この場合、分散剤にコアシェル構造体が分散している。
基剤は、特に限定されず、外用剤として使用可能なもののなかから幅広く選択することができる。
基剤は、コアシェル構造体を分散させるのに適切なものの中から使用目的等に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。
また、複数種の基剤を併用してもよい。
基剤としては、特に限定されないが、例えば、植物油、動物油、中性脂質、合成油脂、ステロール誘導体、ワックス類、炭化水素類、モノアルコールカルボン酸エステル類、オキシ酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル類、シリコーン類、高級(多価)アルコール類、高級脂肪酸類及びフッ素系油剤類等が挙げられる。
植物油としては、特に限定されないが、例えば、大豆油、ゴマ油、オリーブ油、やし油、バーム油、こめ油、綿実油、ひまわり油、コメヌカ油、カカオ脂、コーン油、べに花油及びなたね油等が挙げられる。
動物油としては、特に限定されないが、例えば、ミンク油、タートル油、魚油、牛油、馬油、豚油及び鮫スクワラン等が挙げられる。
中性脂質としては、特に限定されないが、例えば、トリオレイン、トリリノレイン、トリミリスチン、トリステアリン及びトリアラキドニン等が挙げられる。
合成油脂としては、特に限定されないが、例えば、リン脂質及びアゾン等が挙げられる。
ステロール誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸及びコレステリルリノレート等が挙げられる。
ワックス類としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス及びエチレン・プロピレンコポリマー等が挙げられる。
炭化水素類としては、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン及び固形パラフィン等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果の点で、特に限定されないが、白色ワセリン等が好ましい。
モノアルコールカルボン酸エステル類としては、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル及びクエン酸トリエチル等が挙げられる。
オキシ酸エステル類としては、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル及びモノイソステアリン酸水添ヒマシ油等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル類としては、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール及びジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン又はアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性又はポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性又はポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性又はポリエーテル変性シリコーン及びポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等が挙げられる。
高級(多価)アルコール類としては、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール及びダイマージオール等が挙げられる。
高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸及び水素添加ダイマー酸等が挙げられる。
フッ素系油剤類としては、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン及びパーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
また、その他の基剤としては、特に限定されないが、軟膏剤、クリーム剤、エアゾール剤、テープ剤、パッチ剤、パップ剤、ゲル剤又はマイクロニードル等に使用される基剤等が挙げられる。
基剤としては、上記に例示したものに加えて、適宜他の成分を含有するものを用いてもよい。特に、本発明の効果の点で、製剤の粘度を所定範囲内とすることができるように、ゲル化作用を有する添加剤(ゲル化剤)等をさらに含有するものであってもよい。そのような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、樹脂及びシリコーン等の炭化水素、アミノ酸、環状ペプチド、エポキシ、ロジン、メラミン、及び多糖類、界面活性剤等のペクチン、アルギン酸、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が使用できる。樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、及びポリウレタン等が挙げられる。このような樹脂を含有する基剤として、特に限定されないが、例えば、これらの添加剤を0.1〜50%、好ましくは1〜30%含む基剤を使用できる。このような基剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、シクロヘキサン、n−オクタン、トルエン、及びキシレン等の炭化水素系基剤、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル及びトリエチルヘキサノイン等のエステル系基剤等が好ましく用いられる。特に限定されないが、このような基剤の具体例として、例えば、流動パラフィン95%、ゲル化剤としてポリエチレン樹脂5%を含む、プラスチベース(Plastibase)(登録商標)(Bristol Myers Squibb)等の炭化水素ゲル軟膏基剤等を使用できる。
基剤としては、上記に例示したものに加えて、適宜他の成分を含有するものを用いてもよい。特に、本発明の効果の点で、製剤の粘度を所定範囲内とすることができるように、ゲル化作用を有する添加剤(ゲル化剤)等をさらに含有するものであってもよい。そのような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、樹脂及びシリコーン等の炭化水素、アミノ酸、環状ペプチド、エポキシ、ロジン、メラミン、及び多糖類、界面活性剤等のペクチン、アルギン酸、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が使用できる。樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、及びポリウレタン等が挙げられる。このような樹脂を含有する基剤として、特に限定されないが、例えば、これらの添加剤を0.1〜50%、好ましくは1〜30%含む基剤を使用できる。このような基剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、シクロヘキサン、n−オクタン、トルエン、及びキシレン等の炭化水素系基剤、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル及びトリエチルヘキサノイン等のエステル系基剤等が好ましく用いられる。特に限定されないが、このような基剤の具体例として、例えば、流動パラフィン95%、ゲル化剤としてポリエチレン樹脂5%を含む、プラスチベース(Plastibase)(登録商標)(Bristol Myers Squibb)等の炭化水素ゲル軟膏基剤等を使用できる。
1.1.4 その他の添加成分
本発明の製剤は、その剤形や使用目的等に応じて、その他の添加成分を含有していてもよい。
本発明の製剤は、その剤形や使用目的等に応じて、その他の添加成分を含有していてもよい。
添加成分としては、特に限定されないが、賦形剤、着色剤、滑沢剤、結合剤、乳化剤、増粘剤、湿潤剤、安定剤、保存剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、pH調整剤、ゲル化剤、粘着剤、酸化防止剤、経皮吸収促進剤、刺激緩和剤、防腐剤、キレート剤及び分散剤等が挙げられる。
2. 製剤の製造方法
本発明の製剤は、特に限定されないが、例えば以下のようにして製造することができる。
本発明の製剤は、特に限定されないが、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、特に限定されないが、本発明のコアシェル構造体を、例えば以下のようにして製造することができる。薬物並びに所望により安定化剤、経皮吸収促進剤及び皮膚刺激低減剤等の添加成分を純水又はリン酸緩衝液等の溶媒に溶解する。これに、界面活性剤並びに所望により皮膚刺激低減剤、鎮痛剤、経皮吸収促進剤及び安定化剤等の添加成分を、シクロヘキサン、ヘキサン又はトルエン等の溶剤に溶解した溶液を加え、ホモジナイザー撹拌する。その後に凍結乾燥し、必要に応じてミリスチン酸イソプロピル等の溶媒に分散させて、フィルター等の濾過処理やクロマトグラフィー、遠心分離処理等を実施することによって本発明のコアシェル構造体を調製できる。コアシェル構造体の生成は、粒度測定や光学顕微鏡を用いて確認することができる。
コアシェル構造体を用いて、例えば、以下のような経皮吸収型製剤を製造できる。必要に応じて上記液状基剤や軟膏剤等の基剤、さらに経皮吸収促進剤、増粘剤及びゲル化剤等の添加成分とともにコアシェル構造体を所定の割合になるように添加して混合することによってコアシェル構造体を含有する組成物を得る。このようにして得られた組成物は、そのまま用いてもよいし、用途に応じて、ガーゼ若しくは脱脂綿等の天然織物部材、ポリエステル若しくはポリエチレン等の合成繊維織物部材、又はこれらを適宜組み合わせて織布若しくは不織布等に加工したもの、又は、透過性膜等に積層や含浸等して保持させた状態とし、さらに粘着カバー材等で覆って使用することもできる。
また経皮吸収型製剤を製造する別の方法としては、例えば、溶液塗工法等が挙げられる。例えば、まず、本発明のコアシェル構造体に加えてさらに所望により上記基剤、並びに経皮吸収促進剤、増粘剤及びゲル化剤等の添加成分を所定の割合になるようにヘキサン、トルエン又は酢酸エチル等の溶剤に添加し、攪拌して均一な溶液を調製する。溶液中の固形分濃度は、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%である。次に、各成分を含有する上記溶液を、例えばナイフコーター、コンマコーター又はリバースコーターなどの塗工機を用いて、剥離ライナー(シリコーン処理したポリエステルフィルム等)上に均一に塗布し、乾燥して薬剤含有層を完成させ、該層の上に支持体をラミネートすることにより、経皮吸収型製剤を得ることができる。支持体の種類によっては、支持体に上記層を形成した後、上記層の表面に剥離ライナーをラミネートしても良い。
また経皮吸収型製剤を製造する別の方法としては、例えば、溶液塗工法等が挙げられる。例えば、まず、本発明のコアシェル構造体に加えてさらに所望により上記基剤、並びに経皮吸収促進剤、増粘剤及びゲル化剤等の添加成分を所定の割合になるようにヘキサン、トルエン又は酢酸エチル等の溶剤に添加し、攪拌して均一な溶液を調製する。溶液中の固形分濃度は、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%である。次に、各成分を含有する上記溶液を、例えばナイフコーター、コンマコーター又はリバースコーターなどの塗工機を用いて、剥離ライナー(シリコーン処理したポリエステルフィルム等)上に均一に塗布し、乾燥して薬剤含有層を完成させ、該層の上に支持体をラミネートすることにより、経皮吸収型製剤を得ることができる。支持体の種類によっては、支持体に上記層を形成した後、上記層の表面に剥離ライナーをラミネートしても良い。
このようにして得られた経皮吸収型製剤は、使用用途に応じて楕円形、円形、正方形、長方形などの形状に適宜裁断する。また、必要に応じて周辺に粘着剤層等を設けてもよい。
3. 製剤の用途
本発明の製剤は、特に限定されないが、経皮吸収性製剤として用いることができる。この場合、通常、1日〜1週間持続性であり、好ましい態様では1日〜1週間あたり1回適用されるように用いられる。
本発明の製剤は、特に限定されないが、経皮吸収性製剤として用いることができる。この場合、通常、1日〜1週間持続性であり、好ましい態様では1日〜1週間あたり1回適用されるように用いられる。
対象疾患は、薬物の種類によって異なる。
本発明の経皮吸収性製剤は、特に限定されないが、テープ剤(リザーバー型、マトリックス型等)、軟膏剤、ローション剤、エアゾール剤、硬膏剤、水性バップ剤、クリーム剤、ゲル剤、エアゾール剤、パッチ剤及びマイクロニードル等として使用できる。
以下、本発明を実施例及び試験例を例に挙げて詳しく説明するが、本発明がこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
塩酸メマンチン0.1gを40gの純水に溶解し、これに、ショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ社製、ER−290;HLB値2、融点4℃程度)3gをシクロヘキサン80gに溶解した溶液を加え、ホモジナイザー撹拌(10,000rpm)した。この後に2日間凍結乾燥することによって、コアシェル構造体を調製した。50mgの炭化水素ゲル軟膏基剤(大正製薬社製、プラスチベース)に当該生成物50mgを分散し、外用剤を製造した。
塩酸メマンチン0.1gを40gの純水に溶解し、これに、ショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ社製、ER−290;HLB値2、融点4℃程度)3gをシクロヘキサン80gに溶解した溶液を加え、ホモジナイザー撹拌(10,000rpm)した。この後に2日間凍結乾燥することによって、コアシェル構造体を調製した。50mgの炭化水素ゲル軟膏基剤(大正製薬社製、プラスチベース)に当該生成物50mgを分散し、外用剤を製造した。
実施例2
炭化水素ゲル軟膏基剤の量を60mg、コアシェル構造体の量を40mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
炭化水素ゲル軟膏基剤の量を60mg、コアシェル構造体の量を40mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
実施例3
炭化水素ゲル軟膏基剤の量を70mg、コアシェル構造体の量を30mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
炭化水素ゲル軟膏基剤の量を70mg、コアシェル構造体の量を30mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
実施例4
炭化水素ゲル軟膏基剤の量を90mg、コアシェル構造体の量を10mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
炭化水素ゲル軟膏基剤の量を90mg、コアシェル構造体の量を10mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
実施例5
ミリスチン酸イソプロピル(和光純薬工業社製)にパルミチン酸デキストリン(千葉製粉社製、レオパールKL2)を15重量%加え、120℃で溶解させた後、室温で一晩静置させて得られたゲル40mgに、コアシェル構造体60mgを分散させたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
ミリスチン酸イソプロピル(和光純薬工業社製)にパルミチン酸デキストリン(千葉製粉社製、レオパールKL2)を15重量%加え、120℃で溶解させた後、室温で一晩静置させて得られたゲル40mgに、コアシェル構造体60mgを分散させたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
実施例6
プラスチベースを流動パラフィン(和光純薬工業社製)にし、コアシェル構造体の量を75mg、流動パラフィンの量を25mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
プラスチベースを流動パラフィン(和光純薬工業社製)にし、コアシェル構造体の量を75mg、流動パラフィンの量を25mgにしたこと以外は実施例1と同様にして外用剤を製造した。
実施例7
流動パラフィンをオリーブ油(和光純薬工業社製)にしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
流動パラフィンをオリーブ油(和光純薬工業社製)にしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
実施例8
オリーブ油をスクワラン(日光ケミカルズ社製、NIKKOL 精製オリーブスクワラン)にしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
オリーブ油をスクワラン(日光ケミカルズ社製、NIKKOL 精製オリーブスクワラン)にしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
比較例1
オリーブ油をミリスチン酸イソプロピルにしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
オリーブ油をミリスチン酸イソプロピルにしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
比較例2
オリーブ油をトリ2‐エチルヘキサン酸グリセリル(高級アルコール工業社製、TOG)にしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
以下の表1には実施例1〜8、比較例1、2により得られたそれぞれの外用剤の粘度を測定した結果と、安定性の結果について記している。なお、製造した評価サンプルの粘度の測定は、実施例1〜5については、外用剤を0.4gとり、JIS Z8803(2011年)に準拠し、円すい‐平板形(コーンプレート形)回転粘度計(東機産業社製、TPE100、20rpm)により25℃で行った。また、実施例6〜8、比較例1、2については、外用剤を1gとり、球回転式粘度計(京都電子工業社製、EMS‐1000、1000rpm、球状プローブφ2mm)により25℃で行った。また、製造した外用剤安定性の確認は、光学顕微鏡(接眼レンズ10倍、対物レンズ20倍)を用いた製剤の形状を指標として行った。
オリーブ油をトリ2‐エチルヘキサン酸グリセリル(高級アルコール工業社製、TOG)にしたこと以外は実施例6と同様にして外用剤を製造した。
以下の表1には実施例1〜8、比較例1、2により得られたそれぞれの外用剤の粘度を測定した結果と、安定性の結果について記している。なお、製造した評価サンプルの粘度の測定は、実施例1〜5については、外用剤を0.4gとり、JIS Z8803(2011年)に準拠し、円すい‐平板形(コーンプレート形)回転粘度計(東機産業社製、TPE100、20rpm)により25℃で行った。また、実施例6〜8、比較例1、2については、外用剤を1gとり、球回転式粘度計(京都電子工業社製、EMS‐1000、1000rpm、球状プローブφ2mm)により25℃で行った。また、製造した外用剤安定性の確認は、光学顕微鏡(接眼レンズ10倍、対物レンズ20倍)を用いた製剤の形状を指標として行った。
40℃条件下で1週間経過したものを初期状態の形状と比較し、その指標には下記の評価項目を用いた。
(形状評価項目)
◎:変化なし
○:1割未満で変化あり
△:3割未満で変化あり
×:5割以上変化あり
◎:変化なし
○:1割未満で変化あり
△:3割未満で変化あり
×:5割以上変化あり
表1にあるように、粘度が50mPa・s以下である比較例1、2は形状の変化が著しく見られたのに対して、粘度が50mPa・s以上である実施例1〜8の製剤は形状安定であることが確認された。
Claims (5)
- コア部が薬物を、かつ
シェル部が界面活性剤を
それぞれ含有するコアシェル構造体
を含有する製剤であって、
粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする、製剤。 - さらに基材を含有する、コアシェル構造体を含有する製剤組成物の粘度が1500mPa・s以上である請求項1に記載の製剤。
- 前記薬物が、親水性薬物である、請求項1又は2に記載の製剤。
- 前記薬物が、メマンチン及び/又はその塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製剤。
- 経皮吸収性製剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製剤。
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-
2015
- 2015-03-24 JP JP2015061771A patent/JP2016179963A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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