JP2017165699A - 有効成分含有粒子及び製剤 - Google Patents

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大地 川村
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和志 伊藤
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隆之 赤峰
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紗織 利根
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Abstract

【課題】有効成分を効率的に体内に移行させることを可能とする、有効成分含有粒子を提供する。【解決手段】有効成分を含有する、粒子本体と、前記粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備え、前記粒子本体の半径に対する前記被覆層の厚みの比が、1.2以下である、有効成分含有粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、有効成分含有粒子及び該有効成分含有粒子を含む製剤に関する。
従来、皮膚等から吸収された薬剤が体循環に移行することで全身作用を示す外用剤(全身作用型外用剤)や、皮膚等から吸収された薬剤が局所的に薬効を示す外用剤(局所作用型外用剤)が用いられている。また、有効成分を経皮吸収させることを意図した化粧品が用いられている。
下記の特許文献1には、薬剤含有複合体が、油相に溶解または分散しているS/O型の外用剤が開示されている。上記薬剤含有複合体は、親水性薬剤及び界面活性剤を含み、固体状である。上記親水性薬剤は、上記界面活性剤によって被覆されている。特許文献1では、上記のようにして構成される外用剤が、優れた経皮吸収性を有する旨が記載されている。
国際公開第2006/25583号
しかしながら、特許文献1の外用剤を皮膚に適用した場合、皮膚中におけるバースト速度、すなわち有効成分の放出速度が十分でない場合があった。そのため、有効成分の体内への移行性を十分に高めることができない場合があった。
本発明の目的は、有効成分を効率的に体内に移行させることを可能とする、有効成分含有粒子及び該有効成分含有粒子を含む、製剤を提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有効成分を含有する粒子本体と、該粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備える有効成分含有粒子において、粒子本体の半径に対する被覆層の厚みの比、粒子本体に対する被覆層の体積比、及び被覆層の厚みのうち少なくとも1つを特定の範囲とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明の広い局面では、有効成分を含有する、粒子本体と、前記粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備え、前記粒子本体の半径に対する前記被覆層の厚みの比が、1.2以下である、有効成分含有粒子が提供される。好ましくは、前記粒子本体に対する前記被覆層の体積比(被覆層/粒子本体)が、6.0以下である。好ましくは、前記被覆層の厚みが、5nm以下である。
本発明の他の広い局面では、有効成分を含有する、粒子本体と、前記粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備え、前記粒子本体に対する前記被覆層の体積比(被覆層/粒子本体)が、6.0以下である、有効成分含有粒子が提供される。
本発明の別の広い局面では、有効成分を含有する、粒子本体と、前記粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備え、前記被覆層の厚みが、5nm以下である、有効成分含有粒子が提供される。
本発明に係る有効成分含有粒子のある特定の局面では、前記粒子本体がコア部であり、前記被覆層がシェル部であり、コアシェル構造を有している。
本発明に係る有効成分含有粒子は、好ましくは、個数平均粒子径が、1nm以上、500nm以下である。
本発明に係る製剤は、上記本発明に従って構成される有効成分含有粒子を含む。
本発明に係る製剤は、好ましくは、前記有効成分に対する界面活性剤の重量比(界面活性剤/有効成分)が、3以上、100以下である。
本発明によれば、有効成分を効率的に体内に移行させることを可能とする有効成分含有粒子を提供することができる。
本発明に係る有効成分含有粒子の断面における概略構成図を示す図である。 実施例1の有効成分含有粒子の小角X線散乱スペクトルである。 実施例2の有効成分含有粒子の小角X線散乱スペクトルである。 実施例3の有効成分含有粒子の小角X線散乱スペクトルである。 薬物皮膚透過試験セルの概略構成図である。 シェル部厚みと48時間後累積透過量の関係を示す図である。 コア部に対するシェル部の体積比と48時間後累積透過量の関係を示す図である。 コア部の半径に対するシェル部の厚みの比と48時間後累積透過量の関係を示す図である。 シェル部厚みと24時間後放出割合(%)の関係を示す図である。 コア部に対するシェル部の体積比と24時間後放出割合の関係を示す図である。 コア部の半径に対するシェル部の厚みの比と24時間後放出割合の関係を示す図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
[有効成分含有粒子]
本願の第1の発明に係る有効成分含有粒子は、有効成分を含有する粒子本体と、界面活性剤を含有する被覆層とを備える。粒子本体の表面の少なくとも一部は、被覆層によって被覆されている。第1の発明では、上記粒子本体の半径に対する上記被覆層の厚みの比が、1.2以下である。
本願の第2の発明に係る有効成分含有粒子は、有効成分を含有する粒子本体と、界面活性剤を含有する被覆層とを備える。粒子本体の表面の少なくとも一部は、被覆層によって被覆されている。第2の発明では、上記粒子本体に対する上記被覆層の体積比(被覆層/粒子本体)が、6.0以下である。
本願の第3の発明に係る有効成分含有粒子は、有効成分を含有する粒子本体と、界面活性剤を含有する被覆層とを備える。粒子本体の表面の少なくとも一部は、被覆層によって被覆されている。第3の発明では、上記被覆層の厚みが、5nm以下である。
第1〜第3の発明は、それぞれ単独で実施してもよく、2種以上を組み合わせて実施してもよい。また、第1〜第3の発明を総称して本発明と称するものとする。
上記粒子本体と上記被覆層とは、分子間力などによって結び付きあって集合体を形成していてもよい。もっとも、有効成分の吸収性及び徐放性をより一層高める観点から、粒子本体の表面の30%以上が、被覆層によって被覆されていることが好ましい。より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上が被覆されている。もっとも、粒子本体の表面が被覆層によって完全に被覆されていてもよい。本発明の有効成分含有粒子の態様としては、例えば、粒子本体がコア部であり、被覆層がコア部を包摂しているシェル部である、コアシェル構造体が挙げられる。
本発明においては、上記のように、粒子本体の半径に対する被覆層の厚みの比、粒子本体に対する被覆層の体積比、及び被覆層の厚みのうち少なくとも1つが、上記特定の範囲内とされている。そのため、外用剤や化粧品として皮膚に適用した場合、皮膚中におけるバースト速度、すなわち有効成分の放出速度を高めることができる。皮膚中における有効成分の放出速度を高めることができるので、本発明の有効成分含有粒子は、有効成分を効率的に体内に移行させることができる。
この理由については、以下のように説明することができる。
本発明の有効成分含有粒子においては、油層中への分配や拡散を早める目的で、シェル部などの被覆層によって、コア部などの粒子本体の少なくとも一部が覆われている。しかしながら、被覆層の厚みが厚すぎると、粒子本体に含まれる有効成分の放出を被覆層が妨げてしまうものと考えられる。従って、例えば被覆層の厚みを特定の厚み以下とすることで、皮膚中におけるバースト速度を速めることができ、有効成分を効率的に体内に移行させることができるものと考えられる。
有効成分をより一層効率的に体内に移行させる観点から、上記粒子本体の半径に対する上記被覆層の厚みの比は、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.1以下である。また、油層中への分配や拡散をより一層速める観点から、上記比は、0.001以上であることが好ましい。
有効成分をより一層効率的に体内に移行させる観点から、上記粒子本体に対する上記被覆層の体積比(被覆層/粒子本体)は、好ましくは6.0以下、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.2以下である。また、油層中への分配や拡散をより一層速める観点から、上記体積比(被覆層/粒子本体)は、0.003以上であることが好ましい。
有効成分をより一層効率的に体内に移行させる観点から、上記被覆層の厚みは、好ましくは4.5nm以下であり、さらに好ましくは2nm以下であり、特に好ましくは1nm以下である。また、油層中への分配や拡散をより一層速める観点から、上記被覆層の厚みは、0.6nm以上であることが好ましい。
なお、粒子本体の半径や被覆層の厚みは、例えば、小角X線散乱測定により得られた散乱スペクトルをNANO−Solver解析、一層球モデルによるモデルフィッティング解析、二層球モデルによるモデルフィッティング解析、分布のある一層球モデルフィッティング解析、又は分布のある二層球モデルフィッティング解析等することにより求めることができる。例えば、二層球モデルフィッティング解析では、以下のようにして求めることができる。
図1は、本発明に係る有効成分含有粒子の断面における概略構成図である。図1の概略構成図で示すように、粒子本体の半径をRとし、有効成分含有粒子全体の半径をRとする。
小角X線散乱測定により得られる有効成分含有粒子の散乱スペクトルを、分布のある二層球モデルを用いて解析することでR及びRを求めることができる。分布のある二層球モデルは式(1)で表される。なお、式(1)は正規分布であると仮定したときの式である。
Figure 2017165699
ここで、分布のある二層球モデルの各パラメータは以下の通りである。
:粒子本体の半径(nm)
:有効成分含有粒子全体の半径(nm)
ρ:粒子本体の電子密度(e/nm
ρ:有効成分含有粒子全体の電子密度(e/nm
ρsol:溶媒の電子密度(e/nm
σ:分布の標準偏差(nm)
上記のうち、ρsolは一般的なアルキル化合物が示す値である280e/nmとし、ρは320e/nmとし、残りのパラメータであるR、R、ρ、σを変数として、小角X線散乱測定により得られる有効成分含有粒子の散乱スペクトルを分布のある二層球モデルを用いてフィッティングすることで、RおよびRが得られる。
上記のようにして、粒子本体の半径(R)を求めることができ、RとRとの差(R−R)から、被覆層の厚みを求めることができる。
また、粒子本体及び被覆層の体積は、以下のようにして求めることができる。
粒子本体の体積は、(4/3)πR により求められ、有効成分含有粒子全体の体積と粒子本体の体積の差((4/3)πR −(4/3)πR )から、被覆層の体積を求めることができる。
なお、小角X線散乱測定において、X線源としては、特に限定されず、シンクロトロン放射光X線源や、回転Cu陰極特性X線源を用いることができる。なかでも、輝度がより一層高いことから、シンクロトロン放射光X線源を用いることが好ましい。
シンクロトロン放射光とは、電子シンクロトロンに伴ってシンクロトロン放射される光である。シンクロトロン放射光は、単色、高輝度及び指向性が高いという特徴を有するさまざまな波長の電磁波を含んでおり、X線領域についても、単色、高輝度及び指向性の高い光を含んでいる。そのため、このようなX線を用いることで、X線管を用いた通常のX線と比べて、より多くの散乱プロファイルを取得することができる。従って、シンクロトロン放射光X線源は、本発明のように極めて薄い被覆層の厚みを測定する場合に、好適に用いることができる。
本発明において、被覆層の厚みは、例えば、粒子本体の有効成分と被覆層の界面活性剤との会合力を調整することによって、制御することができる。上記会合力が強いほど、粒子本体に対してより多くの界面活性剤などが会合できるようになるので、被覆層の厚みが厚くなる。なお、上記会合力は、粒子本体及び被覆層の仕込み比、有効成分の種類、界面活性剤の種類及び粒子本体及び被覆層に含まれる他の添加剤の種類により制御することができる。
本発明においては、有効成分をより一層効率的に体内に移行させる観点から、有効成分含有粒子の個数平均粒子径が、1nm以上、500nm以下であることが好ましい。個数平均粒子径は、より好ましくは2nm以上、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下、さらに好ましくは30nm以下、さらに好ましくは15nm以下、特に好ましくは10nm以下である。有効成分含有粒子の個数平均粒子径は、例えばスクワランなどの溶媒に有効成分含有粒子を分散させた状態で、動的光散乱法により、1nm〜500nmでピークを示す分画の数平均粒子径を算出したものである。
有効成分含有粒子の形状は、特に限定されない。有効成分含有粒子の形状としては、例えば、球状、ロッド状、キュービック状、レンズ状又はウニ状などが挙げられる。
本発明の有効成分含有粒子は、有効成分を効率的に体内に移行させることができるので、製剤に好適に用いることができる。なかでも、化粧品や外用剤などに好適に用いることができる。
以下、粒子本体及び被覆層のそれぞれについて詳述する。
(粒子本体)
粒子本体は、少なくとも有効成分を含む。
有効成分は、生理活性を有する成分である限り、特に限定されない。好ましくは、生理活性の発揮を目的として配合される成分である。有効成分としては、例えば医薬品や、化粧品等に有効成分として配合される成分が挙げられる。医薬品や化粧品の有効成分の多くは、有機物であることから、有効成分は有機物であってもよい。
また、有効成分と界面活性剤との会合力を調整することにより、被覆層の厚みを調整することができる。この会合力は有効成分が持つ水素結合性官能基と、界面活性剤が持つ水素結合性官能基との間の水素結合により生じるものであるため、有効成分の水素結合性官能基の数を減らすことで有効成分と界面活性剤との会合力が弱くなり、結果として被覆層の厚みを薄くすることができる。ここで、有効成分の水素結合性官能基の数とは、有効成分の化学構造中の電気陰性度の高い原子(フッ素、酸素、若しくは窒素等)と共有結合を形成している水素原子(水素結合供与体)の数に、電気陰性度の高い原子(フッ素、酸素、若しくは窒素等の水素結合受容体)の数を加えたものである。
医薬品に配合される有効成分としては、全身作用が求められるもの、及び局所作用が求められるもののいずれも用いることができる。
医薬品に配合される有効成分の具体例としては、特に限定されないが、例えば、認知症治療薬、抗てんかん薬、抗鬱薬、抗パーキンソン病薬、抗アレルギー薬、抗癌剤、糖尿病治療薬、降圧剤、ED治療薬、皮膚疾患薬、局所麻酔薬、ペプチド薬又はそれらの薬学上許容される塩等が挙げられる。より具体的には、メマンチン、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、ニトログリセリン、リドカイン、フェンタニル、男性ホルモン類、女性ホルモン類、ニコチン、クロミプラミン、ジフェンヒドラミン、ナルフラフィン、メトプロロール、フェソテロジン、ルデナフィル、ナルフラフィン、タンドスピロン、ベラプロストナトリウム、タルチレリン、ルラシドン、ネファゾドン、リファキシミン、ベニジピン、ドキサゾシン、ニカルジピン、フォルモテロール、ロメリジン、アムロジピン、バルデナフィル、オクトレオチド、テリパラチド、ブクラデシン、クロモグリク酸、サンドスタチン、テリパラチド、リキセナチド、エキセナチド、リラグルチド、ランレオタイド、グルカゴン、オキシトシン、カルシトニン、エルカトニン又はグラチラマーや、これらの薬学上許容される塩等が挙げられる。
薬学上許容される塩としては、特に制限されるものではなく、酸性塩及び塩基性塩のいずれも用いることができる。酸性塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩又はパラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。また、塩基性塩の例としては、ナトリウム若しくはカリウムなどのアルカリ金属塩、又はカルシウム塩若しくはマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
上記有効成分の塩としては、例えば、メマンチン塩酸塩、ドネペジル塩酸塩、酒石酸リバスチグミン、臭化水素酸ガランタミン、クロミプラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ナルフラフィン塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、フェソテロジンフマル酸塩、ルデナフィル塩酸塩水和物、ナルフラフィン塩酸塩、タンドスピロンクエン酸塩、ベラプロストナトリウム、ルラシドン塩酸塩、ネファゾドン塩酸塩、ベニジピン塩酸塩、ドキサゾシンメシル酸塩、ニカルジピン塩酸塩、フォルモテロールフマル酸塩、ロメリジン塩酸塩又はアムロジピンベシル酸塩等が挙げられる。
化粧品に配合される有効成分としては、特に限定されず、例えば、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン成分、ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン等の保湿成分、トラネキサム酸、アルブチン等の美白成分、ミノキシジル等の発毛成分、FGF(線維芽細胞増殖因子)若しくはEGF(表皮細胞増殖因子)等の美容成分、又はそれらの塩や誘導体等が挙げられる。
有効成分としては、親水性のものが好ましい。
有効成分が親水性薬物である場合、特に限定されないが、例えば分子量が10000以下であり、かつオクタノール水分配係数が−6〜6であるものを用いることができる。上記分子量は、好ましくは5000以下であり、より好ましくは2000以下であり、さらに好ましくは1000以下である。分子量の下限は特に限定されないが、通常、50である。また、上記オクタノール水分配係数は、好ましくは、−3〜5であり、より好ましくは−1〜4である。
なお、本発明において、オクタノール水分配係数は、オクタノールとpH7の水系緩衝液を入れたフラスコ中に薬物を添加後、振とうし、それぞれの相の薬物濃度から以下の式で算出したものとする。
オクタノール水分配係数=Log10(オクタノール相中濃度/水相中濃度)
有効成分含有粒子に含まれる有効成分の量は、有効成分の種類にもよるが、例えば、原料仕込み重量として、0.1〜30重量%(有効成分含有粒子に含まれる全原料の総重量を基準とする)とすることができる。
粒子本体は、有効成分として、必要に応じて、2種以上の有効成分を含有していてもよい。
粒子本体は、有効成分に加えて、さらに少なくとも1種以上の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、安定化剤、吸収促進剤、刺激低減剤又は防腐剤等が挙げられる。
安定化剤は、粒子の構造を安定化させる作用を有し、粒子の構造の意図せぬ早期の崩壊を防止し、有効成分の徐放効果を担保する役割を有する。
安定化剤としては、特に限定されないが、具体的には、多糖類、タンパク質又は親水性高分子材料等が挙げられる。安定化剤は、1種又は2種以上を含有することができる。安定化剤の粒子本体における含有量は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、有効成分と安定化剤の重量比(有効成分:安定化剤)が、1:0.1〜1:10となるように配合することができる。
吸収促進剤としては、特に限定されないが、具体的には、高級アルコール、N−アシルサルコシン若しくはその塩、高級モノカルボン酸、高級モノカルボン酸エステル、芳香族モノテルペン脂肪酸エステル、炭素数2〜10の2価カルボン酸若しくはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル若しくはその塩、乳酸、乳酸エステル、又はクエン酸等が挙げられる。吸収促進剤は、1種又は2種以上を含有することができる。吸収促進剤の粒子本体における含有量は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、有効成分と吸収促進剤の重量比(有効成分:吸収促進剤)が、1:0.01〜1:50となるように配合することができる。
刺激低減剤としては、特に限定されないが、具体的には、ハイドロキノン配糖体、パンテチン、トラネキサム酸、レシチン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸水素ナトリウム、大豆レシチン、メチオニン、グリチルレチン酸、BHT、BHA、ビタミンE若しくはその誘導体、ビタミンC若しくはその誘導体、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル、又はメルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。刺激低減剤は、1種又は2種以上を含有することができる。刺激低減剤の粒子本体における含有割合は、その種類にもより、適宜設定できるが、例えば、0.1重量%〜50重量%となるように配合することができる。
防腐剤としては、特に限定されないが、具体的には、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール又はチモール等が挙げられる。防腐剤の粒子本体における含有割合は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、0.01重量%〜10重量%となるように配合することができる。防腐剤は、1種又は2種以上を含有することができる。
(被覆層)
被覆層は、少なくとも界面活性剤を含む。
界面活性剤は、HLB値の加重平均値が好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下のものを用いることができる。
本発明におけるHLB(Hydrophile Lypophile Balanceの略)値は、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので、0〜20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。
本発明において、HLB値は、下記Griffin式により算出される。
HLB値=20×{(親水部分の分子量)/(全分子量)}
HLB値の加重平均値は、例えば以下の算出式を用いて算出することができる。
例えば、HLB値A、B、Cの界面活性剤原料があり、それぞれの粒子合成時の仕込み重量がx、y、zであったときの加重平均値の算出式は、(xA+yB+zC)÷(x+y+z)である。
また、有効成分と界面活性剤との会合力を調整することにより、被覆層の厚みを調整することができる。この会合力は有効成分が持つ水素結合性官能基と、界面活性剤が持つ水素結合性官能基との間の水素結合により生じるものであるため、界面活性剤の水素結合性官能基の数を減らすことで有効成分と界面活性剤との会合力が弱くなり、結果として被覆層の厚みを薄くすることができる。
ここで、界面活性剤の水素結合性官能基数とは、界面活性剤の化学構造中の電気陰性度の高い原子(フッ素、酸素、若しくは窒素等)と共有結合を形成している水素原子(水素結合供与体)の数に、電気陰性度の高い原子(フッ素、酸素、若しくは窒素等の水素結合受容体)の数を加えたものである。
界面活性剤は、吸収性の観点から、融点が50℃以下のものであれば好ましく、40℃以下のものであればより好ましい。
界面活性剤は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば、医薬品や化粧品として使用可能なもののなかから幅広く選択することができる。また、複数種の界面活性剤を併用してもよい。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグリコシド及び脂肪酸アルカノールアミド、並びにポリオキシエチレンヒマシ油又は硬化ヒマシ油等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、糖脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、エルカ酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸又はベヘニン酸等の脂肪酸と、ショ糖とのエステル等が挙げられる。
その他の脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、グリセリン、ポリグリセリン、ポリオキシエチレングリセリン、ソルビタン、及びポリオキシエチレンソルビット等のうち少なくとも1種と脂肪酸とのエステル等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩又はリン酸エステル塩等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩又はアミン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン又はアルキルアミンオキシド等が挙げられる。
界面活性剤としては、特に、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油又は硬化ヒマシ油が好ましく用いられる。
界面活性剤は、特に限定されないが、炭化水素鎖(アルキル鎖、アルケニル鎖、アルキニル鎖等)を有するものであってもよい。炭化水素鎖長は、特に限定されないが、主鎖上の炭素原子数が8〜30の中から幅広く選択でき、特に10〜24であれば好ましい。
炭化水素鎖を有する界面活性剤のみを用いる場合、あるいは炭化水素鎖を有する界面活性剤をその他の界面活性剤と組み合わせて用いる場合、有効成分含有粒子における吸収性の持続性をより一層高める観点から、有効成分と界面活性剤に含まれる炭化水素鎖の合計の重量比(有効成分:炭化水素鎖)は、1:1〜1:70であることが好ましい。上記重量比(有効成分:炭化水素鎖)は、より好ましくは1:2〜1:70、さらに好ましくは1:2〜1:50、さらに好ましくは1:3〜1:30、特に好ましくは1:5〜1:20である。
被覆層は、界面活性剤に加えて少なくとも1種の他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、刺激低減剤、鎮痛剤、吸収促進剤、安定化剤又は防腐剤等が挙げられる。
刺激低減剤としては、特に限定されないが、具体的には、ハイドロキノン配糖体、パンテチン、トラネキサム酸、レシチン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸水素ナトリウム、大豆レシチン、メチオニン、グリチルレチン酸、BHT、BHA、ビタミンE若しくはその誘導体、ビタミンC若しくはその誘導体、ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル又はメルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。刺激低減剤は、1種又は2種以上を含有することができる。刺激低減剤の被覆層における含有割合は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、0.1重量%〜50重量%となるように配合することができる。
鎮痛剤としては、特に限定されないが、具体的には、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン若しくはプリロカイン等の局所麻酔薬又はその塩等が挙げられる。鎮痛剤は、1種又は2種以上を含有することができる。鎮痛剤の被覆層における含有割合は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、0.1重量%〜30重量%となるように配合することができる。
吸収促進剤としては、特に限定されないが、具体的には、高級アルコール、N−アシルサルコシン若しくはその塩、高級モノカルボン酸、高級モノカルボン酸エステル、芳香族モノテルペン脂肪酸エステル、炭素数2〜10の2価カルボン酸若しくはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル若しくはその塩、乳酸、乳酸エステル、又はクエン酸等が挙げられる。吸収促進剤は、1種又は2種以上を含有することができる。吸収促進剤の被覆層における含有割合は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、0.1重量%〜30重量%となるように配合することができる。
安定化剤は、コアシェル構造を安定化させる作用を有し、コアシェル構造の意図せぬ早期の崩壊を防止し、有効成分の徐放効果を担保する役割を有する。
安定化剤としては、特に限定されないが、具体的には、脂肪酸若しくはその塩、メチルパラベン,プロピルパラベン等のパラヒドロキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ペンジルアルコール,フェニルエチルアルコール等のアルコール類、チメロサール、無水酢酸、ソルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、プチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、酢酸トコフェロール、dl−α−トコフェロール、タンパク質又は多糖類等が挙げられる。安定化剤は、1種又は2種以上を含有することができる。安定化剤の被覆層における含有量は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、ショ糖脂肪酸エステルと安定化剤の重量比(ショ糖脂肪酸エステル:安定化剤)が、1:0.01〜1:50となるように配合することができる。
防腐剤としては、特に限定されないが、具体的には、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノール又はチモール等が挙げられる。防腐剤は、1種又は2種以上を含有することができる。防腐剤の被覆層における含有割合は、その種類にもより適宜設定できるが、例えば、0.01重量%〜10重量%となるように配合することができる。
[製剤]
本発明の製剤は、少なくとも上記有効成分含有粒子を含有する。
製剤における上記有効成分含有粒子の含有割合は、特に制限されないが、貼付剤、軟膏剤、クリーム剤又はゲル剤の場合は、好ましくは10重量%以上70重量%以下、より好ましくは20重量%以上50重量%以下である。
製剤における有効成分に対する界面活性剤の重量比(界面活性剤/有効成分)は、本発明の効果が奏される範囲内において適宜設定することができるが、例えば2〜100とすることができる。このとき、本発明の製剤は、吸収性が優れている。吸収性をより一層高める観点から、上記重量比を3〜100とすることが好ましく、3〜50とすることがより好ましく、5〜30とすることがさらに好ましい。
本発明の製剤は、有効成分の種類に応じて、例えば皮膚外用薬、点眼薬、点鼻薬、座薬又は口腔薬などの外用剤や化粧品など、経皮吸収や経粘膜吸収を意図した幅広い用途に用いることができる。
本発明の製剤は、特に限定されないが、通常、1日〜1週間持続性であり、好ましい態様では1日〜1週間あたり1回適用されるように用いられる。
本発明の製剤が外用剤である場合、対象疾患は、有効成分の種類によって異なる。
本発明の製剤は、特に限定されず、貼付剤(プラスター剤、硬膏剤等のテープ剤(リザーバー型、マトリックス型等)、パップ剤、パッチ剤、マイクロニードル等)、軟膏剤、外用液剤(リニメント剤、ローション剤等)、スプレー剤(外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤等)、クリーム剤、ゲル剤、点眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、坐剤、直腸用半固形剤又は注腸剤等として使用できる。
本発明の製剤は、好ましくは、水分含有率が20重量%以下であり、より好ましくは実質的に水を含有しない。これにより、有効成分含有粒子の形状保持性をより一層高めることができ、有効成分含有粒子が本来有する形状保持性と相まって、有効成分含有粒子からの有効成分の漏出、ひいては有効成分の結晶化をさらに抑制することができ、結果としてさらに高い吸収性を発揮することが可能である。この観点から、本発明の製剤は、水分含有率が20重量%以下に調整される剤(より好ましくは実質的に水を含有しない剤)として使用されることが好ましい。例えば、プラスター剤、パッチ剤、軟膏剤又はゲル剤等として使用されることが好ましい。
(基剤相)
本発明の製剤は、基剤相を含有し、該基剤相が有効成分含有粒子を含有するものであってもよい。このとき、有効成分含有粒子は、基剤相中に分散又は溶解されている。
基剤は、特に限定されず、医薬品(特に外用薬)や化粧品として使用可能なもののなかから幅広く選択することができる。
基剤は、有効成分含有粒子を分散又は溶解させるのに適切なものの中から使用目的等に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。
また、複数種の基剤を併用してもよい。
基剤としては、特に限定されず、油性基剤や、水性基剤等が挙げられる。油性基剤としては、例えば植物油、動物油、中性脂質、合成油脂、ステロール誘導体、ワックス類、炭化水素類、モノアルコールカルボン酸エステル類、オキシ酸エステル類、多価アルコール脂肪酸エステル類、シリコーン類、高級アルコール類、高級脂肪酸類又はフッ素系油剤類等が挙げられる。水性基剤としては、水や、(多価)アルコール等が挙げられる。
植物油としては、特に限定されないが、例えば、大豆油、ゴマ油、オリーブ油、やし油、バーム油、こめ油、綿実油、ひまわり油、コメヌカ油、カカオ脂、コーン油、べに花油、ひまし油又はなたね油等が挙げられる。
動物油としては、特に限定されないが、例えば、ミンク油、タートル油、魚油、牛油、馬油、豚油又は鮫スクワラン等が挙げられる。
中性脂質としては、特に限定されないが、例えば、トリオレイン、トリリノレイン、トリミリスチン、トリステアリン又はトリアラキドニン等が挙げられる。
合成油脂としては、特に限定されないが、例えば、リン脂質又はアゾン等が挙げられる。
ステロール誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸又はコレステリルリノレート等が挙げられる。
ワックス類としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス又はエチレン・プロピレンコポリマー等が挙げられる。
炭化水素類としては、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ポリブテン、スクワラン、オリーブ由来スクワラン、スクワレン、ワセリン又は固形パラフィン等が挙げられる。
モノアルコールカルボン酸エステル類としては、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、又はクエン酸トリエチル等が挙げられる。
オキシ酸エステル類としては、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、又はモノイソステアリン酸水添ヒマシ油等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル類としては、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール又はジネオペンタン酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコン若しくはアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性若しくはポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性若しくはポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性若しくはポリエーテル変性シリコーン又はポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体等が挙げられる。
高級アルコール類としては、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール又はダイマージオール等が挙げられる。
高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸、アンテイソヘンイコサン酸、長鎖分岐脂肪酸、ダイマー酸又は水素添加ダイマー酸等が挙げられる。
フッ素系油剤類としては、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン又はパーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
(多価)アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール又はポリエチレングリコール等が挙げられる。
また、その他の基剤としては、特に限定されないが、貼付剤(プラスター剤、硬膏剤等のテープ剤(リザーバー型、マトリックス型等)、パップ剤、パッチ剤、マイクロニードル等)、軟膏剤、外用液剤(リニメント剤、ローション剤等)、スプレー剤(外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤等)、クリーム剤、ゲル剤、点眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、坐剤、直腸用半固形剤又は注腸剤等に使用される基剤等が挙げられる。
(その他の添加成分)
本発明の製剤は、その剤型や使用目的等に応じて、その他の添加成分を含有していてもよい。
添加成分としては、特に限定されないが、賦形剤、着色剤、滑沢剤、結合剤、乳化剤、増粘剤、湿潤剤、安定剤、保存剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、pH調整剤、ゲル化剤、粘着剤、酸化防止剤、吸収促進剤、刺激緩和剤、防腐剤、キレート剤又は分散剤等が挙げられる。
また、本発明の製剤は、上記基剤相を含有しない場合は有効成分含有粒子が、あるいは上記基剤相を含有する場合は有効成分含有粒子を含有した状態の基剤相が(以下、これらを総称して「粒子含有基本成分」ということがある。)、さらに他の成分に分散されているものであってもよい。この場合、本発明の製剤は、有効成分含有粒子もしくは粒子含有基本成分が完全溶解しない成分に、有効成分含有粒子又は粒子含有基本成分を混合分散又はエマルション化等させることにより提供される。剤型により適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、貼付剤(プラスター剤、硬膏剤等のテープ剤(リザーバー型、マトリックス型等)、パップ剤、パッチ剤、マイクロニードル等)、軟膏剤、外用液剤(リニメント剤、ローション剤等)、スプレー剤(外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤等)、クリーム剤、ゲル剤、点眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、坐剤、直腸用半固形剤又は注腸剤等として提供するため、それぞれの剤型に使用される基剤等に、有効成分含有粒子又は粒子含有基本成分を、混合分散又はエマルション化等させることができる。
[製造方法]
本発明の有効成分含有粒子は、特に限定されないが、例えば水相に有効成分を含有するW/Oエマルションを乾燥する工程を備える方法によって、製造することができる。
W/Oエマルションは、いわゆる油中水滴エマルション、具体的には水性溶媒の液滴が油性溶媒中に分散した状態のエマルションである限り特に制限されない。
水相に有効成分を含有するW/Oエマルションは、有効成分を含有する例えば水や緩衝水溶液等の水性溶媒と、界面活性剤を含有する例えばシクロヘキサン、ヘキサン若しくはトルエン等の油性溶媒とを混合することによって得ることができる。有効成分を含有する水性溶媒は、有効成分の他に、必要に応じて安定化剤、吸収促進剤又は刺激低減剤等の添加成分を含有していてもよい。また、界面活性剤を含有する油性溶媒も、界面活性剤の他に、必要に応じて、刺激低減剤、鎮痛剤、吸収促進剤又は安定化剤等の添加成分を含有していてもよい。混合の方法としては、W/Oエマルションを形成できる方法である限り特に限定されず、例えばホモジナイザー等による撹拌が挙げられる。
ホモジナイザー撹拌時の条件は、例えば、5000〜50000rpm程度、より好ましくは、10000〜30000rpm程度である。
上記W/Oエマルションにおける有効成分に対する界面活性剤の重量比(界面活性剤/有効成分)は、特に限定されないが、例えば好ましくは2〜100、より好ましくは3〜50、さらに好ましくは5〜30である。
水相に有効成分を含有するW/Oエマルションの乾燥の方法としては、該エマルション中の溶媒(水性溶媒及び油性溶媒)を除去できる方法である限り特に限定されず、例えば凍結乾燥又は減圧乾燥等が挙げられ、好ましくは凍結乾燥が挙げられる。
また、得られる有効成分含有粒子の個数平均粒子径をより一層小さくする観点から、水相に有効成分を含有するW/Oエマルション又は該W/Oエマルションの乾燥物を加熱処理する工程をさらに備えることが好ましい。加熱処理温度は、例えば30〜60℃、好ましくは35〜50℃、より好ましくは35〜45℃である。
加熱処理時間は、加熱処理温度に応じて適宜調整されるものであるが、例えば1〜30日間、好ましくは2〜15日間、より好ましくは3〜7日間である。なお、該W/Oエマルションを加熱処理した場合は、処理後、上記乾燥を行うことによって、本発明の有効成分含有粒子を得ることができる。
また、得られる有効成分含有粒子の個数平均粒子径をより一層小さくする別の方法としては、水相に有効成分を含有するW/Oエマルション又は該W/Oエマルションの乾燥物を必要に応じて溶媒等に分散後、フィルタ等で濾過する方法や、遠心処理分離を行う方法が挙げられる。フィルタ濾過の場合のフィルタ孔径は、例えば1μm以下、好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
本発明の有効成分含有粒子はそのまま用いてもよいが、上記基剤等に分散して用いてもよい。
また、本発明の有効成分含有粒子を用いて、例えば、溶液塗工法より製剤を製造できる。溶液塗工法では、本発明の有効成分含有粒子及び基剤に加えてさらに所望の吸収促進剤、増粘剤又はゲル化剤等の添加成分を所定の割合になるようにヘキサン、トルエン又は酢酸エチル等の溶剤に添加し、攪拌して均一な溶液を調製する。溶液中の固形分濃度は、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜60重量%である。
次に、各成分を含有する上記溶液を、例えばナイフコーター、コンマコーター又はリバースコーターなどの塗工機を用いて、剥離ライナー(シリコーン処理したポリエステルフィルム等)上に均一に塗布し、乾燥して薬剤含有層を完成させ、該薬剤含有層の上に支持体をラミネートすることにより、製剤を得ることができる。支持体の種類によっては、支持体に上記層を形成した後、上記層の表面に剥離ライナーをラミネートしてもよい。
また、別の方法としては、例えば、本発明の有効成分含有粒子に必要に応じて基剤や吸収促進剤、安定剤、増粘剤又はゲル化剤等の添加成分を加えて混合し、用途に応じて、ガーゼ若しくは脱脂綿等の天然織物部材、ポリエステル若しくはポリエチレン等の合成繊維織物部材、又はこれらを適宜組み合わせて織布若しくは不織布等に加工したもの、又は透過性膜等に積層や含浸等して保持させた状態とし、さらに粘着カバー材等で覆って使用することもできる。
このようにして得られた製剤は、使用用途に応じて、楕円形、円形、正方形又は長方形などの形状に適宜裁断する。また、必要に応じて周辺に粘着剤相等を設けてもよい。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ドネペジル塩酸塩(東京化成工業社製、分子量:416、水オクタノール分配係数:4.3)0.1gを40gの純水に溶解し、これに、ショ糖オレイン酸エステル(三菱化学フーズ社製、O−170;HLB値1)1.0gをシクロヘキサン80gに溶解した溶液を加え、ホモジナイザー撹拌(10,000rpm)した。この後に2日間凍結乾燥することによって、コア部(粒子本体)に有効成分を含有し、シェル部(被覆層)に界面活性剤を含有するコアシェル構造を有する有効成分含有粒子を調製した。得られた有効成分含有粒子において、動的光散乱装置(スペクトリス社製、品番「ゼータサイザ−ナノS」)を用いて、動的光散乱法により算出した個数平均粒子径は、9nmであった。
(実施例2)
ショ糖オレイン酸エステルの代わりに、ショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ社製、ER−290;HLB値2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして有効成分含有粒子を得た。動的光散乱法により算出した個数平均粒子径は、4nmであった。
(実施例3)
ショ糖オレイン酸エステルの代わりに、ショ糖エルカ酸エステル(三菱化学フーズ社製、ER−290;HLB値2)を用い、該ショ糖エルカ酸エステルの添加量を0.5gとしたこと以外は、実施例1と同様にして有効成分含有粒子を得た。動的光散乱法により算出した個数平均粒子径は、12nmであった。
(評価)
小角X線散乱による解析;
実施例1〜3で得られた有効成分含有粒子について、小角X線散乱法により解析を行った。小角X線散乱法による測定条件は以下の通りである。
X線源:高輝度光科学研究センター Spring−8、ビームライン:BL40B2
カメラ長:2.25m
X線波長:1.0Å
ビームサイズ(半値全幅):0.2mm×0.2mm
測定時間:30〜300秒/1検体
測定温度:25℃
測定溶媒:流動パラフィン(和光純薬工業社製、密度(20℃):0.800〜0.835g/ml)
得られたデータに基づいて、横軸(常用対数軸)に散乱ベクトルq(nm−1)の大きさを表し、縦軸(常用対数軸)に散乱強度を表した散乱スペクトルを作成した。なお、q=(4π/λ)sin(θ/2)(X線の波長をλ、θを散乱角とする)である。
実施例1〜3の有効成分含有粒子の小角X線散乱スペクトルをそれぞれ順に図2〜4に示す。ここで、縦軸は散乱ベクトルqにおける散乱強度を示しており、有効成分含有粒子からの散乱を得るために溶媒のバックグラウンドを引いている。なお、図2〜4において、白丸で実施例1〜3の有効成分含有粒子の小角X線散乱スペクトルを示し、実線で分布のある二層球モデルによるフィッティング曲線を示している。得られた散乱スペクトルから、以下のようにして、有効成分含有粒子全体の半径及びコア部の半径、シェル部の厚み(シェル部厚み)、コア部及びシェル部の体積を求めた。結果を下記の表1に示す。なお、表1中の比(コア部:シェル部)は、仕込み比である。
小角X線散乱測定により得られる実施例1〜3の有効成分含有粒子の散乱スペクトルを、分布のある二層球モデルを用いて解析することでR及びRを求めた。分布のある二層球モデルは式(1)で表される。なお、式(1)は正規分布であると仮定したときの式である。
Figure 2017165699
ここで、分布のある二層球モデルの各パラメータは以下の通りである。
:粒子本体(コア部)の半径(nm)
:有効成分含有粒子全体の半径(nm)
ρ:粒子本体の電子密度(e/nm
ρ:有効成分含有粒子全体の電子密度(e/nm
ρsol:溶媒の電子密度(e/nm
σ:分布の標準偏差(nm)
上記のうち、ρsolは一般的なアルキル化合物が示す値である280e/nmとし、ρは320e/nmとし、残りのパラメータであるR、R、ρ、σを変数として、小角X線散乱測定により得られる有効成分含有粒子の散乱スペクトルを分布のある二層球モデルを用いてフィッティングすることで、R及びRを得た。
上記のようにしてコア部の半径(R)を求め、RとRとの差(R−R)から、シェル部厚みを求めた。また、有効成分含有粒子全体の体積((4/3)πR )とコア部の体積((4/3)πR )との差((4/3)πR −(4/3)πR )から、シェル部の体積を求めた。
vitro試験;
図5に示す薬物皮膚透過試験セルにヘアレスラット皮膚(日本エスエルシー社製、HWY/Slc8週齢より摘出)をセットした。この装置の上部に実施例1〜3の有効成分含有粒子が製剤の全体重量に対して1重量%となるようにプラチナベース(大正製薬社製)を加え、混合及び分散して製造した製剤を0.3g(3.14cm)適用した。下部のレセプター層においては、蒸留水中にNaHPOを5×10−4M、NaHPOを2×10−4M、NaClを1.5×10−4M、硫酸ゲンタマイシン(和光純薬社製、G1658)を10ppm含有させた液をNaOHでpH7.2に調整したリン酸緩衝液をいれ、試験開始後より32℃に保たれた恒温槽中に装置を設置した。試験開始後、48時間後に下部のレセプター層より槽中の液のうち1mlを採取し直後に、同じ組成の液を1ml補充した。回収した各々のレセプター液試料にメタノールを添加して溶出脂質等を抽出し遠心分離した後に、上清中の有効成分濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した(装置:システムコントローラー、島津製作所社製、品番「CBM−20A」、送液ユニット;島津製作所社製、品番:LC−20AD、カラムオーブン;島津製作所社製、品番:CTO−20A、検出器;島津製作所社製、品番「SPD−20A」、検出波長;271nm、使用カラム:Thermoscientific社製、品番「Hypersi GOLD」、150×4.6mm、3μm)。
上記のようにして求められた48時間後累積透過量(mg/cm)の結果を下記の表1に示す。また、シェル部厚みと48時間後累積透過量の関係を図6に、コア部に対するシェル部の体積比(シェル部/コア部)と48時間後累積透過量の関係を図7に、コア部の半径に対するシェル部の厚みの比と48時間後累積透過量の関係を図8に示す。
バースト試験;
スクリュー管(マルエム社製、品番:NO.4)に、蒸留水中にNaHPOを5×10−4M、NaHPOを2×10−4M、NaClを1.5×10−4M、及び硫酸ゲンタマイシン(和光純薬社製、G1658)を10ppm含有させた液をNaOHでpH7.2に調整したリン酸緩衝液を4ml入れ、下部レセプター相を作製した。実施例1〜3の有効成分含有粒子を流動パラフィン(和光純薬社製、密度:(20℃)0.800〜0.835g/ml)に有効成分が製剤中に0.8mg含むように加え、混合及び分散して製造した製剤を、レセプター相の上部に1ml適用し、試験開始後より32℃に保たれた恒温槽中に設置した。試験開始後、24時間後に下部のレセプター層より0.1mlを採取した。採取液中の有効成分濃度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した(装置:システムコントローラー、島津製作所社製、品番「CBM−20A」、送液ユニット;島津製作所社製、品番「LC−20AD」、カラムオーブン;島津製作所社製、品番「CTO−20A」、検出器;島津製作所社製、品番「SPD−20A」、検出波長;271nm、使用カラム:Thermoscientific社製、品番「Hypersi GOLD」、150×4.6mm、3μm)。
上記のようにして求められた24時間後放出割合(%)の結果を下記の表1に示す。また、シェル部厚みと24時間後放出割合の関係を図9に、コア部に対するシェル部の体積比(シェル部/コア部)と24時間後放出割合の関係を図10に、コア部の半径に対するシェル部の厚みの比と24時間後放出割合の関係を図11に示す。
Figure 2017165699

Claims (9)

  1. 有効成分を含有する、粒子本体と、
    前記粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備え、
    前記粒子本体の半径に対する前記被覆層の厚みの比が、1.2以下である、有効成分含有粒子。
  2. 前記粒子本体に対する前記被覆層の体積比(被覆層/粒子本体)が、6.0以下である、請求項1に記載の有効成分含有粒子。
  3. 前記被覆層の厚みが、5nm以下である、請求項1又は2に記載の有効成分含有粒子。
  4. 有効成分を含有する、粒子本体と、
    前記粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備え、
    前記粒子本体に対する前記被覆層の体積比(被覆層/粒子本体)が、6.0以下である、有効成分含有粒子。
  5. 有効成分を含有する、粒子本体と、
    前記粒子本体の表面の少なくとも一部を覆っており、かつ界面活性剤を含有する、被覆層とを備え、
    前記被覆層の厚みが、5nm以下である、有効成分含有粒子。
  6. 前記粒子本体がコア部であり、前記被覆層がシェル部であり、コアシェル構造を有している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有効成分含有粒子。
  7. 個数平均粒子径が、1nm以上、500nm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有効成分含有粒子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有効成分含有粒子を含む、製剤。
  9. 前記有効成分に対する界面活性剤の重量比(界面活性剤/有効成分)が、3以上、100以下である、請求項8に記載の製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016117681A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 積水化学工業株式会社 コアシェル構造体を含有する製剤
JP2019069913A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 株式会社シャネル化粧品技術開発研究所 非水系皮膚外用組成物の製造方法
JP2019069912A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 株式会社シャネル化粧品技術開発研究所 非水系皮膚外用組成物およびその製造方法

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