JP6097109B2 - ターボ冷凍機 - Google Patents
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Description
しかしながら、回転体の軸封部分や前述の均圧管(油タンク均圧管)を経由して一部の油が冷媒系統に漏洩することは完全には回避できない。冷媒系統への油の漏洩が継続すると、油タンクに保有する油が減少して軸受と増速機への給油が不可能となり、ターボ冷凍機の運転を継続することができなくなる。そのため、ターボ冷凍機においては、冷媒系統からの油回収機能が非常に重要な役割を果たす。
従来の油回収方法は、圧縮機の吐出ガスを駆動用ガスとしたエジェクタで油が最終的に滞留する蒸発器或いは圧縮機サクションベーン二次側から油を含んだ冷媒を油タンクに回収する。
また、冷凍機のヘッド条件、すなわち、冷却水温度条件によってエジェクタの駆動圧力が決まるため、エジェクタの性能ピーク点での運転ができない場合があり、エジェクタの油回収機能を有効に活用できない。そのため、油タンクに油を充分に回収することができなくなり、油タンクに保有する油が減少して軸受と増速機への給油が不可能となり、ターボ冷凍機の運転を継続することができなくなるという問題がある。
本発明によれば、エジェクタの駆動圧力源を高圧部(圧縮機吐出圧)と中間圧力(エコノマイザ圧)とに切り替える制御を実施することができるため、環境条件(冷却水温度条件)に寄らず充分な油回収機能を確保することが可能となり、冷凍機の安定運転が可能になる。
本発明によれば、ターボ冷凍器のサクションベーン二次側に滞留する油を含んだ冷媒を油タンクに回収できる。
本発明によれば、エコノマイザからエジェクタへの冷媒ガスの供給とターボ圧縮機からエジェクタへの冷媒ガスの供給との切替えを二つの電磁弁の開閉で行うことができるため、安価である電磁弁を利用することで低コストで冷凍機の安定運転と効率向上が見込める利点がある。
本発明の好ましい態様は、前記制御装置は、前記凝縮器の圧力(Pc)と前記蒸発器の圧力(Pe)とから算出した値に基づいて前記切替えを行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記凝縮器の圧力(Pc)と前記蒸発器の圧力(Pe)とから算出した値は、圧力比(Pc/Pe)であり、該圧力比が所定値以上の場合に前記エコノマイザから前記エジェクタへの冷媒ガスの供給を行い、所定値未満の場合に前記ターボ圧縮機から前記エジェクタへの冷媒ガスの供給を行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、冷媒がR134aである場合、前記圧力比(Pc/Pe)の所定値は約1.7であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ターボ圧縮機の多段圧縮段の中間部分における羽根車の吸込風量を制御するベーンを設けたことを特徴とする。
図1は、本発明に係るターボ冷凍機の第1実施形態を示す模式図である。図1に示すように、ターボ冷凍機は、冷媒を圧縮するターボ圧縮機1と、圧縮された冷媒ガスを冷却水(冷却流体)で冷却して凝縮させる凝縮器2と、冷水(被冷却流体)から熱を奪って冷媒が蒸発し冷凍効果を発揮する蒸発器3と、凝縮器2と蒸発器3との間に配置される中間冷却器であるエコノマイザ4とを備え、これら各機器を冷媒が循環する冷媒配管5によって連結して構成されている。
本発明においては、エコノマイザ中間吸込管の冷媒ガスの一部をエジェクタ20の駆動用ガスとして流用するため、圧縮機の二段目羽根車の動力を低減でき、冷凍機の効率向上も可能となる。なお、本発明の冷凍機は、エコノマイザ圧力が凝縮圧力と蒸発圧力のほぼ中間の圧力になるために、二段圧縮機の二段目羽根車の風量制御機構としての二段目サクションベーン14Bがあることも特徴である。
図5は、2つの電磁弁SV1,SV2の切替制御の方法を示すグラフである。図5において、横軸は凝縮器2の圧力Pcと蒸発器3の圧力Peの圧力比Pc/Peを示し、縦軸は2つの電磁弁SV1,SV2の開閉状態を示す。
冷凍機は冷水、冷却水温度条件によって、圧縮機吐出圧=凝縮圧力Pcと蒸発圧力Peが決まる。圧力比Pc/Peが所定の設定値以上の場合、エコノマイザ圧力でも充分な駆動圧として油回収用エジェクタ20を機能させることが可能となる。
1)圧力比Pc/Peが所定の設定値以上、すなわち1.7以上の場合には、電磁弁SV1を閉じ、電磁弁SV2を開くことにより、エジェクタ駆動圧にエコノマイザ圧を利用する。
2)圧力比Pc/Peが設定値未満、すなわち1.7未満の場合(低冷却水温度等の冬期,中間期)には、電磁弁SV1を開き、電磁弁SV2を閉じることにより、エジェクタ駆動圧に圧縮機吐出圧を利用する。
2 凝縮器
3 蒸発器
4 エコノマイザ
5 冷媒配管
5BP 冷媒供給配管
6 配管
8 冷媒配管
8BP 冷媒供給配管
10 制御装置
11 一段目羽根車
12 二段目羽根車
13 圧縮機モータ
14A 一段目サクションベーン
14B 二段目サクションベーン
15 ギアケーシング
16 油タンク
17 均圧管
20 エジェクタ
20d ディフューザ
20n ノズル
20s エジェクタ吸引部
S1 圧力センサ
S2 圧力センサ
SV1 電磁弁
SV2 電磁弁
Claims (9)
- 冷水から熱を奪って冷媒が蒸発し冷凍効果を発揮する蒸発器と、冷媒を多段の羽根車によって圧縮するターボ圧縮機と、圧縮された冷媒ガスを冷却水で冷却して凝縮させる凝縮器と、凝縮した冷媒液の一部を蒸発させて蒸発した冷媒ガスを前記ターボ圧縮機の多段圧縮段の中間部分に供給する中間冷却器であるエコノマイザとを備えたターボ冷凍機において、
冷媒ガスを駆動用ガスとして蒸発器に滞留する油を含んだ冷媒を吸引してターボ圧縮機の油タンクに回収するエジェクタと、
前記エコノマイザから前記エジェクタに冷媒ガスを供給する冷媒供給配管とを備え、
前記エジェクタの駆動用ガスとして、前記エコノマイザから前記ターボ圧縮機の多段圧縮段の中間部分に供給する冷媒ガスを用いるようにし、
前記ターボ圧縮機から前記エジェクタに冷媒ガスを供給する冷媒供給配管を設け、
前記エジェクタの駆動用ガスとして、前記ターボ圧縮機から吐出される冷媒ガスを用いることを可能とし、
前記エコノマイザから前記エジェクタへの冷媒ガスの供給と前記ターボ圧縮機から前記エジェクタへの冷媒ガスの供給との切替えを行う制御装置を設けたことを特徴とするターボ冷凍機。 - 前記蒸発器と前記エジェクタとを接続する配管に、前記ターボ圧縮機のサクションベーン二次側を接続したことを特徴とする請求項1に記載のターボ冷凍機。
- 前記切替えは、前記二つの冷媒供給配管の各々に設けられた電磁弁を開閉することにより行うことを特徴とする請求項1に記載のターボ冷凍機。
- 前記制御装置は、前記凝縮器の圧力と前記蒸発器の圧力に基づいて前記切替えを行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のターボ冷凍機。
- 前記制御装置は、前記凝縮器の圧力(Pc)と前記蒸発器の圧力(Pe)とから算出した値に基づいて前記切替えを行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のターボ冷凍機。
- 前記凝縮器の圧力(Pc)と前記蒸発器の圧力(Pe)とから算出した値は、圧力比(Pc/Pe)であり、該圧力比が所定値以上の場合に前記エコノマイザから前記エジェクタへの冷媒ガスの供給を行い、所定値未満の場合に前記ターボ圧縮機から前記エジェクタへの冷媒ガスの供給を行うことを特徴とする請求項5に記載のターボ冷凍機。
- 前記圧力比(Pc/Pe)の所定値は、冷媒の種類により変わることを特徴とする請求項6に記載のターボ冷凍機。
- 冷媒がR134aである場合、前記圧力比(Pc/Pe)の所定値は約1.7であることを特徴とする請求項7に記載のターボ冷凍機。
- 前記ターボ圧縮機の多段圧縮段の中間部分における羽根車の吸込風量を制御するベーンを設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のターボ冷凍機。
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