JP6096405B2 - 金属板製引き出し - Google Patents

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Description

本発明は,各種のキャビネット又は机のような什器又は家具等に使用される金属板製の引き出しに関するものである。
什器又は家具等に使用される金属板製の引き出しを,
「底面板に,その周囲における前面板(鏡板),後面板及び左右両側面板を一体に連接し,これら前面板(鏡板),後面板及び左右両側面板を,前記底面板に対して起立するように折り曲げて成る。」
という構成にすることは,特許文献1,2等に記載されている。
この場合,特許文献1には,
「前記底面板の周囲における前面板(鏡板) と左右両側面板との相互間,及び左右両側面板と後面板との相互間の各々を,コーナー部材にて連結・結合する。」
という構成にすることが記載されている。
また,特許文献2には,その図5に示すように,
「前記前面板の左右両端に,後向きの直角に折り曲げた連結片を一体に設ける一方,前記後面板の左右両端に,前向きの直角に折り曲げた連結片を一体に設け,これらの各連結片を,前記左右前側面板の外表面に重ね合わせたのち,両側面板に対してリベットにて結合する。」
という構成にすることが記載されている。
特開2008−119167号公報 実関平05−080334号公報
前記特許文献1の場合,前面板,後面板及び左右両側面板の相互間の結合にコーナー部材を必要とし,部品点数が多くなるから製造価格の大幅なアップを招来するのであり,しかも,前記コーナー部材の一部が前記左右両側面板及び後面板における外表面より突出していて,引き出しを出し入れする際に,前記コーナー部材が引っ掛かって引き出しの出し入れ操作を姐害するばかりか,前記コーナー部材が外れ落ちるおそれがあるという問題があった。
他方,特許文献2,部品点数の増加はなく,しかも,前面板,後面板及び左右両側面板の相互間を,前記連結片にて強固に結合することができるという利点を有する。
しかし,その反面,前記連結片が,その板厚さの分だけ前記左右両側面板における外表面より突出していることにより,この連結片が,引き出しの出し入れ操作の際に引っ掛かる頻度が高いから,引き出しの出し入れ操作を著しく阻害するのであり,しかも,前記連結片の左右両側面板に対する重ね結合がリベット結合であるために,この重ね結合に多大の手数を必要としてコストの大幅なアップを招来するばかりか,リベットが引き出しの出し入れ操作を更に阻害するという問題があった。
また,前記左右の両側面板の後端に,内向きの直角に折り曲げた連結片を一体に設けて,この連結片を,前記後面板における外表面に重ね合わせたのち,後面板に対して結合するという構成にした場合は,前記連結片が,その板厚さの分だけ前記後面板における外表面より突出することになるから,同様の問題がある。
本発明は,これらの問題を解消した引き出しを提供することを技術的課題としている。
請求項1の発明に係る金属板製の引出しは, 平面視矩形の底面板と,前記底面板の左右両側端に一体に設けられた上向きの側面板と,前記底面板の後端縁に一体に設けられた上向きの後面板とを有しており,前記底面板と左右側面板と後面板とで囲われた内側を収納部と成して,前記後面板の左右側部に,前記側面板の外表面に接合された前向きの後部連結片を設けている構成であって,
前記後部連結片は,前記底面板との間に間隔を空けた状態に形成されている一方,
前記左右側面板のうち前記後部連結片が重なった部位は,その下方の部位から少なくとも板厚分だけ前記収納部に入り込んだ内向きの凹所になっていて,前記凹所は前記側面板の前後全長にわたって形成されており,
前記後部連結片は,前記側面板のうち前記凹所の下方の部位の外表面から外側に突出しない状態で前記凹所の後部に接合されている。
請求項2の発明は,請求項1において,前記後部連結片は,前記側面板の上端との間にも間隔が空くように形成されている一方,
前記凹所も,前記側面板の上端との間にも間隔が空くように形成されており,このため,前記凹所は溝状に形成されており,前記後部連結片は,前記側面板のうち前記凹所の上方の部位から外側に突出しない状態で前記凹所に接合されている。
請求項3の発明は,請求項1において,前記左右側面板の凹所には,内側に突出した凹み溝部が前後全長にわたって形成されており,このため前記後部連結片は前記凹み溝部の個所では凹所に重なっておらず,かつ,前記凹み溝部に,左右横長の中仕切り板を上から抜き差し自在な縦溝孔が前後方向に複数形成されている。
請求項4の発明は,請求項1又は3において、前記底面板の前端縁に上向きの前面板が一体に形成されており,前記前面板の左右両側部には,前記凹所に完全に嵌まり込んだ後ろ向きの前部連結片が一体に形成されていて,前記前部連結片は,前記側面板のうち前記凹所の下方の部位から外側に突出しない状態で前記凹所に接合されている。
本願発明では,後面板及び前面板の左右両端に一体に設けた連結片を,左右両側面板の外表面に重ね接合する場合に,前記連結片が前記左右両側面板の外表面から突出しないように構成している。
これにより,引き出しの出し入れ操作の際に,前記連結片が引っ掛かることの頻度を低減できるから,引き出しの出し入れ操作の円滑性を大幅に向上できる。
また,本願各発明では,前記連結片と側面板との重ね接合スポット溶接とすることにより,この重ね接合に要する手数及びコストを,リベット接合の場合に比べて大幅に低減できるとともに,引き出しの出し入れ操作を更に向上できる。
また,本願発明では,前記凹所は,前記左右両側面板の全長にわたって延びる構成であるため,前記左右両側面板のうち前記凹所が設けられていない部分は,前記左右両側面板の全長にわたって直線的に延びていて,この直線的に延びる部分が引き出しを出し入れ操作するときのガイドを構成するから,前記引き出しの円滑な出し入れを実現できる。また,各発明とも,前記凹所にて,前記左右両側面板を補強することができる。
請求項2によると,前記側面板のうち引き出しのガイドをなす部分が,引き出しの底部に近い部分と,これより高い部分との二箇所に設けられているから,そのガイド性を更に向上できる利点がある。
第1実施形態の引き出しを示す斜視図である。 図1のII-II 視拡大断面図である。 図1のIII-III 視拡大断面図である。 図1のIV-IV 視拡大断面図である。 図1のV-V 視拡大断面図である。 前記引き出しの展開斜視図である。 引き出しの左右両側面板を曲げ加工した状態を示す展開斜視図である。 引き出しの前面板及び後面板を曲げ加工した状態を示す展開斜視図である。 第2実施形態の引き出しを示す斜視図である。 図9のX-X 視拡大断面図である。 図9のXI-XI 視拡大断面図である。 曲げ加工の途中の状態を示す斜視図である。 参考例の引き出しを示す斜視図である。 図13のXIV −XIV 視拡大断面図である。 図13のXV−XV視拡大断面図である。 図13,図14及び図15のXVI −XVI 視拡大断面図である。 図13,図14及び図15のXVII−XVII視拡大断面図である。
以下の本発明の実施の形態を,図面に基づいて説明する。
(1).第1実施形態
図1〜図5は,第1実施形態の金属板製の引き出し1を示している。
この引き出し1は,平面視において長方形等の矩形にした底面板2と,この底面板2の前側における前面板(鏡板) 3と,前記底面板2の後側における後面板4と,前記底面板2の左右両側における側面板5とによって,内部を収納部としたトレー型に構成されている。
前記前面板3は,前記底面板2の前端に一体に連接して上向きに折曲げて成る構成であり,その上端縁には,安全性(当該上端縁が刃物にならないこと)と,当該前面板3の補強を兼ねた断面下向きコ字状の折り返し板3aが一体に設けられ,この前面板3における略中央部分には,把手孔3bが穿設されている。なお,前記折り返し板3aは,後述する前部連結片6の上端部を囲う構成である。
前記後面板4は,前記底面板2の後端に一体に連接して上向きに折り曲げて成る構成であり,その上端縁には,同じく安全性と補強とを兼ねた内側への折り返し板4aが一体に設けられている。
前記左右両側面板5は,前記後面板4と同様に,前記底面板2の周囲に一体に連接して上向きに折り曲げて成る構成であり,その上端縁には,安全性と補強とを兼ねた内側への折り返し板5aが一体に設けられている。
前記前面板3の左右両端には前部連結片6が一体に設けられている。この後部連結片6は,前記前面板3を前記底面板2に対して上向きに折り曲げたときに,前記左右両側面板5外表面5b又は内表面に重なるように,後向きの直角に折り曲げられている。
また,前記後面板4の左右両端には後部連結片7が一体に設けられている。この後部連結片7は,前記後面板4を前記底面板2に対して上向きに折り曲げたときに,前記左右両側面板5外表面5b対して重なるように,前向きの直角に折り曲げられている。
そして,前記連結片6,7は,前記左右両側面板5外表面5bに重ね合わせられ,この状態で,前記左右両側面板5スポット溶接にて接合されている。
そして,前記左右両側面板5のうち前記各連結片6,7が重なる部分は,少なくとも前記各連結片6, 7の板厚さtだけ収納部に入り込んだ凹所8に形成されており,前記各連結片6,7は,この凹所8に嵌まった状態で,この凹所8内において前記左右両側面板5に対してスポット溶接にて接合されている。
この場合,第1実施形態では,凹所8を以下に述べる構成にしている。
すなわち,凹所8を,前記底面板2よりも適宜寸法H1だけ上方の部分において凹ませると共に,前記側面板5の前端から後端まで前後全長にわたって延びる溝型に構成している。
この構成において,前部連結片6は,前記側面板5に凹み形成した凹所8の前部に嵌まっていることにより,前部連結片6が前記側面板5の外表面5bから突出しないように構成されている。
一方,後部連結片7も,凹所8の後部に嵌まっていることにより,後部連結片7が前記側面板5の外表面5bから突出しないように構成されている。
これにより,前記引き出し1の出し入れの際に,前記各連結片6, 7が引っ掛かることの頻度を低減できるから,引き出し1の出し入れの円滑性を大幅に向上できる。
更にまた,前記各連結片6,7が嵌まる凹所8は,前記側面板5における前端から後端にまで延びる溝型の構成であることにより,前記側面板5を前記凹所8によって段付き状に屈曲する部分が,前記側面板5の強度アップに寄与する一方,前記側面板5 における外表面5bは,前記引き出し1における底の部分において,前記側面板5における前端から後端にまで全長にわたって直線的に延びる形態になって,この直線的に延びる部分が,前記引き出し1を出し入れするときに,前記引き出し1を円滑にガイドする作用を行なう。
第1実施形態においては,前記左右両側面板5における凹所8内の部分に,側面板5の補強を兼ねて内向きへの凹み溝部9を設け,この凹み溝部9に,複数本の縦溝孔10を遣宜ピッチの間隔で穿設することにより,前記各縦溝孔10に,引き出し1における中仕切り板Wを着脱可能に装着できるように構成している。
(2).第1実施形態の製造方法
第1実施形態の引き出し1は,以下に述べる方法にて製造される。
先ず,図6に示すように,素材の金属板を,底面板2の周囲に前面板3,後面板4及び左右両側面板5が一体に連接されると共に,前記前面板3及び後面板4の両端に連結片6が一体に連接された状態(展開された状態)に打ち抜く。
次いで,前記前面板3に折り返し板3a及び把手孔3bを設ける加工,前記後面板4に折り返し板4aを設ける曲げ加工,及び前記左右再側面板5に折り返し板5a及び凹所8を設ける曲げ加工を施す。
なお,これら前面板3,後面板4及び両側面板5に対する各種の加工は,各々別々に行なうようにしても良いが,一挙に行なうようにしても良い。
次いで,図7に示すように,前記左右両側面板5を,前記底面板2に対して起立するように,折り曲げ線11に沿って直角の上向きに折り曲げる一方,前記前面板3の前部連結片6及び前記後面板4の後部連結片7の各々を,折リ曲げ線15,16に沿って直角の上向きに折り曲げる。
なお,前記両側面板5の折り曲げと前記各連結片6,7の折り曲げとは,同時に行なうようにしても良い,別々に行なうようにしても良い。
次いで,図8に示すように,前記前面板3を,前記底面板2に対して起立するように,折り曲げ線12に沿って直角の上向きに折り曲げる一方,前記後面板4を,前記底面板2に対して起立するように,折り曲げ線13に沿って直角の上向きに折り曲げる。
なお,前記前面板3の折り曲げと前記後面板4の折り曲げとは,同時に行なうようにしても良い,別々に行なうようにしても良い。
この場合,別の製造方法として,前記前面板3及び前記後面板4を前記側面板2に対して起立するように曲げ加工する前に,これらの上面又は下面に,図6に二点鎖線で示すように,第1の金型Aを密接し,この状態で前記第1の金型Aの横方に配設した第2の金型を上下動することによって,前記前面板3及び前記後面板4の起立曲げ加工と,これら前面板3及び後面板4における各連結片6, 7の曲げ加工とを同時(一挙)に行なうようにすることができる。
このようにして,前記前面板3及び前記後面板4を折り曲げることにより,これらに設けた各連結片6,7は,前記左右両側面板5に凹み形成されている凹所8内に嵌まって重なることになるから,この状態で,前記各連結片6, 7を,前記両側面板5に対してスポット溶接にて接合するのであり,このスポット溶接の痕跡を符号17で示している。
これら一連の工程を経ることにより,図1に示す構成の引き出し1を製造することができる。
(3).第2実施形態
9〜図12は,第2実施形態の引き出し1′を示している。
この第2実施形態による引き出し1′は,
「金属板製の底面板2′の周囲に,前面板3′,後面板4′,及び左右両側面板5′を一体に連接し,これら前面板3′,後面板4′及び左右両側面板5′を,前記底面板2′に対して起立するように上向きに折り曲げし,前記前面板3′及び後面板4′の左右両端に,前記左右前側面板5′における外表面5b′に重ねてスポット溶接にて接合される連結片6′,7′を一体に設けて成る。」
という構成である点において前記第1実施形態と同様であるが,以下に述べるように,前記左右両側面板5′における外表面5b′に凹み形成する凹所8′の形態において相違している。
すなわち,本実施形態では,前記左右両側面板5′の外表面5b′凹所8′を,底面から適宜高さH1と,側面板5′の上端縁から適宜高さH2との間の部分に,溝型の断面にしている点で相違している。側面板5′の前端から後端にまで全長にわたって延びるように構成した点は,第1実施形態と同じである。
この構成によると,前記側面板5′には,前記凹所8′によって段付き状に屈曲する部分が,高さ方向の二箇所,つまり,底部寄りと上端部寄りとの二箇所に設けられることになるから,前記側面板5′の強度を更にアップすることができる。
これに加えて,前記左右両側面板5′外表面5b′は,前記凹所8′の下側の部分と上側の部分との二箇所において,前記側面板5′の全長にわたって一連に延びるという構成になるから,引き出し1′の出し入れ操作に際しての摩擦抵抗を低減できるとともに,引き出し1′の左右へのガタ付きを低減できる利点がある。
そして,この第2実施形態の引き出し1′の製造方法は,前記第1実施形態の引き出し1の場合と同様に,
(i) .素材の金属板を打ち抜いて,底面板2′周囲に,前部連結片6′付き前面板3′,後部連結片7′付き後面板4′及び左右両側面板5′を一体に連接した状態に製造する工程。
(ii).前記前面板3′前記後面板4′及び前記左右両側面板5′に対して施す各種の曲げ加工等の工程。
(iii) .前記左右両側面板5′を,前記底面板2′に対して起立するように折り曲げ加工する工程。
(iv) .前記前面板3′の前部連結片6′及び前記後面板4′の後部連結片7′を,上向きに折り曲げ加工する工程。
(v) .これらに次いで,図12に示すように,前記前面板3′及び後面板4′を,折り曲げ線12′,13′に沿って,前記底面板2′に対して起立するように折り曲げ加工することによって,前記各連結片6′,7′を,前記両側面板5′の外表面5bに重ね合わせる工程。
(vi).前記各連結片6′,7′を,前記両側面板5′に対してスポット溶接にて合する工程。
を有しており,これらの工程を経て製造される。
(4).参考例
次に,図13〜図17では,参考例の引き出し1″を示している。
この参考例の引き出し1″は,
「金属板製の底面板2″の周囲に,前面板3″,後面板4″,及び左右両側面板5″を一体に連接し,これら前面板3″,後面板4″及び左右両側面板5″を,前記底面板2″に対して起立するように折り曲げし,前記前面板3″の左右両端に,前記左右前側面板5″の外表面5b″に重ねてスポット溶接にて接合される前部連結片6″を一体に設ける一方,前記左右両側面板5″の後端に,前記後面板4″の外表面4b″に重ねてスポット溶接にて接合される後部連結片7″を一体に設けて成る。」
という構成である。
この参考例の引き出し1″においては,前記左右の両側面板5″に,その内表面側に密着する折り返し板5a″を一体に設けて,この折り返し板5a″を側面板5″に対してスポット溶接にて固着する一方,前記折り返し板5a″の前端を,前記側面板5″よりも前方に突出させて,この前端の部分に対して,図13及び図16に示すように,前記前面板3″に一体に設けた前部連結片6″を重ね合わせてスポット溶接することによって,前記前面板3″と両側面板5″との相互間を連結するという構成にしている。
この構成にすることにより,前記折り返し板5a″のうち側面板5″より前方に突出する部分が,前記側面板5″の外表面5b″より凹んだ凹所8″の形態になるから,この凹所8″によって,前部連結片6″が前記左右両側面5″の外表面5b″から突出することがない構成にできる。
なお,前記両側面板5″の内表面側への折り返し板5a″には,前記第1の実施形態の引き出し1の場合と同様に,側面板5″の補強を兼ねて内向きへの凹み溝部9″を設け,この凹み溝部9″に複数本の縦溝孔10″を適宜ピッチの間隔で穿設することにより,前記各縦溝孔10″に中仕切り板W″を着脱可能に装着できる構成にしている。
更に,参考例の引き出し1″においては,前記後面板4″のうち底面板2″から適宜高さH1だけ高い部分を,外表面4b″から適宜寸法だけ内向きに凹ませて凹所8a″に形成し,前記両側面板5″の後端に一体に設けた後部連結片7″を,前記凹所8a″内に嵌めた状態で,前記後面板4″に対して重ね合わせてスポット溶接にすることによって,両側面板5″と後面板4″との相互間を連結するという構成にしている。
これにより,後部連結片7″が後面板4″の外表面4b″から突出しないように構成することができる。
また,参考例においては,前記第1実施形態のように前面板3に把手孔3bを穿設することに代えて,前記前面板3″の上端を,前向きにL字状に折り曲げることによって把手3b″を設けるという構成にしている。
そして,この参考例の引き出し1″の製造に際しては,前記第1及び第2の実施形態による場合と略同様に,少なくとも,
(i) .素材の金属板を打ち抜いて,底面板2″の周囲に,前部連結片6″付き前面板3″,後面板4″及び後部連結片7″付き左右両側面板5″が一体に連接され,更に,前記側面板5″に折り返し板5a″が一体に連接された状態に製造する工程。
(ii).前記前面板3″,前記後面板4″及び前記左右両側面板5″に対して施す縁曲げ加工,及び,前記両側面板5″に対する折り返し板5a″の曲げ加工とスポット溶接,並びに,前記前面板3″に対する把手3b″,前記連結片6″,7″の曲げ加工等の工程。
(iii) .前記後面板4″を,前記底面板2″に対して起立するように折り曲げ加工する工程。
(iv). 前記両側面板5″を,前記底面板2″に対して起立するように折り曲げ加工して,この側面板5″の後部連結片7″を,前記後面板4″に重ね合わせてスポット溶接する工程。
(v) .前記前面板3″を,前記底面板2″に対して起立するように折り曲げ加工して,この前面板3″の前部連結片6″を,前記両側面板5′の折り返し板5a″に重ね合わせてスポット溶接する工程。
という工程を経ることにより製造される。
1,1′,1″ 引き出し
2,2′,2″ 底面板
3,3′,3″ 前面板
4,4′,4″ 後面板
5,5′,5″ 側面板
5b,5b′,5b″ 側面板の外表面のうち凹所でない部分
6,6′,6″ 前部連結片
7,7′,7″ 後部連結片
8,8′,8″ 凹所
9 凹み溝部
10 縦溝孔

Claims (4)

  1. 平面視矩形の底面板と,前記底面板の左右両側端に一体に設けられた上向きの側面板と,前記底面板の後端縁に一体に設けられた上向きの後面板とを有しており,前記底面板と左右側面板と後面板とで囲われた内側を収納部と成して,前記後面板の左右側部に,前記側面板の外表面に接合された前向きの後部連結片を設けている構成であって,
    前記後部連結片は,前記底面板との間に間隔を空けた状態に形成されている一方,
    前記左右側面板のうち前記後部連結片が重なった部位は,その下方の部位から少なくとも板厚分だけ前記収納部に入り込んだ内向きの凹所になっていて,前記凹所は前記側面板の前後全長にわたって形成されており,
    前記後部連結片は,前記側面板のうち前記凹所の下方の部位の外表面から外側に突出しない状態で前記凹所の後部に接合されている,
    金属板製の引出し。
  2. 前記後部連結片は,前記側面板の上端との間にも間隔が空くように形成されている一方,
    前記凹所も,前記側面板の上端との間にも間隔が空くように形成されており,このため,前記凹所は溝状に形成されており,前記後部連結片は,前記側面板のうち前記凹所の上方の部位から外側に突出しない状態で前記凹所に接合されている,
    請求項1に記載した金属板製の引出し。
  3. 前記左右側面板の凹所には,内側に突出した凹み溝部が前後全長にわたって形成されており,このため前記後部連結片は前記凹み溝部の個所では凹所に重なっておらず,かつ,前記凹み溝部に,左右横長の中仕切り板を上から抜き差し自在な縦溝孔が前後方向に複数形成されている,
    請求項1に記載した金属板製の引出し。
  4. 前記底面板の前端縁に上向きの前面板が一体に形成されており,前記前面板の左右両側部には,前記凹所に完全に嵌まり込んだ後ろ向きの前部連結片が一体に形成されていて,前記前部連結片は,前記側面板のうち前記凹所の下方の部位から外側に突出しない状態で前記凹所に接合されている,
    請求項1又は3に記載した金属板製の引出し。
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