JP6095251B1 - 糖尿病の改善予防剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然物を利用し、副作用が無く、安全に糖尿病の改善予防を行うことが可能な糖尿病の改善予防剤及び糖尿病の改善予防方法の提供。【解決手段】イガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末を混合した混合粉末を含み、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が40%〜60%であり、全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%〜100%である組成物。【選択図】図4
Description
本発明は、糖尿病の改善予防剤に関する。
近年、糖尿病、肥満等の生活習慣病患者のための加工食品用原料粉が注目されている。例えば、特開2003−180293号公報(特許文献1)には、菊芋と桑葉とが含まれていることを特徴とする加工食品が開示されている。加工食品には、菊芋の乾燥粉末と、菊芋の抽出エキスの乾燥粉末と、桑葉の乾燥粉末と、桑葉の抽出エキスの乾燥粉末とが含有されている。これにより、糖尿病予防効果をより高くするとともに、他の健康増進作用を得ることが出来るとしている。
又、特開2008−79606号公報(特許文献2)には、イヌリンを主成分とする食用粉末、及びふすまの粉末からなることを特徴とする加工食品用原料粉が開示されている。この食用粉末が菊芋根茎の粉末であり、この加工食品用原料粉が、肥満、高血糖、高中性脂肪等の生活習慣病の予防並びに改善に寄与するとしている。
一方、イガイは、一般に、蛋白質、脂質、炭水化物の三大栄養素がバランス良く含まれており、例えば、国際公開第2008/035756号公報(特許文献3)には、イガイ肉抽出物とレシチンとを含む抗血管新生組成物が開示されている。
近年の食生活の欧米化、労働の事務化、運動不足等により、高血糖の成人が増加しており、日常的な高血糖は、成人に肥満を引き起こし、糖尿病を罹患させる。糖尿病は、悪化すると、網膜症、神経障害及び腎症の三大合併症を引き起こす。更に、他の合併症として脳卒中、動脈硬化等の血管系疾患及び高血圧症が知られている。
このような糖尿病の治療には、インスリン注射が知られているが、これは、患者に負担が掛かるという課題がある。又、スルホニル尿素剤、ビグアナイド系薬剤、α−グルコシダーゼ阻害剤等の経口投与用の糖尿病薬剤も存在するが、これらは、合成物であり、副作用の課題がある。一方、現在、副作用が少ない天然物由来の薬剤が着目されており、糖尿病又は肥満に効果を奏し、更に、安全な天然物由来の薬剤が切望されている。
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、天然物を利用し、副作用が無く、安全に糖尿病の改善予防を行うことが可能な糖尿病の改善予防剤を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、本発明に係る新規な糖尿病の改善予防剤を完成させた。即ち、本発明に係る糖尿病の改善予防剤は、細断されたイガイ肉の粉末を凍結させて真空状態にし、当該イガイ肉中の水分を昇華させることで乾燥状態にしたフリーズドライ状態のイガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末を混合した混合粉末を含み、前記混合粉末に対する前記イガイ肉の粉末の重量比が40%〜70%であり、全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%〜100%であり、本改善予防剤は、前記混合粉末を含む粉末を溶かした食用油を内容物としてカプセル皮膜で覆ったソフトカプセルであり、糖尿病の対象者に経口投与される。
又、前記食用油は、オリーブ油である。前記オリーブ油を含む本改善予防剤の全重量に対する前記オリーブ油の重量比が40%〜60%である。又、本発明に係る糖尿病の改善予防剤は、細断されたイガイ肉の粉末を凍結させて真空状態にし、当該イガイ肉中の水分を昇華させることで乾燥状態にしたフリーズドライ状態のイガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末を混合した混合粉末を作製し、当該混合粉末に、サラシアレティキュラータエキスの粉末と、グリセリン脂肪酸エステルの粉末と、植物レシチンの粉末と、ミツロウと、オリーブ油とを添加物として添加し、前記混合粉末に対する前記イガイ肉の粉末の重量比が60%であり、全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%であり、本改善予防剤は、前記混合粉末と前記添加物とを溶かしたオリーブ油を内容物としてカプセル皮膜で覆ったソフトカプセルであり、糖尿病の対象者に経口投与される。
本発明によれば、天然物を利用し、副作用が無く、安全に糖尿病の改善予防を行うことが可能となる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明者は、自身で糖尿病を患っており、毎日のインスリンの投与を非常に苦痛に思い、糖尿病に効果を有する天然物食品を探し求めてきた結果、意外にも、イガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末の組み合わせが、糖尿病の患者に有効であることを見出し、後述する実施例に基づいて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る糖尿病の改善予防剤は、イガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末を混合した混合粉末を含み、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が40%〜60%であり、全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%〜100%であり、糖尿病の対象者に経口投与される。
ここで、イガイ肉は、三大栄養素がバランスよく含まれており、タウリン、ベタイン、ビタミンB12、Mg、Zn、長鎖ω3脂肪酸(EPA、DHA等)、リン脂質、海洋性ステロール等の脂質等を多く含んでいる。このイガイ肉は、貧血、眼精疲労の改善、疲労回復、肝機能強化等に効果を奏すると言われており、糖尿病や肥満の予防に有用とも言われているが、効果を示すデータが殆ど無い。
一方、菊芋根茎の粉末は、イヌリンを多く含有し、このイヌリンは、消化され難く、消化されても、体内に吸収され難いオリゴフルクトースにしかならないとされている。イヌリンは、天然のインスリンと言われる程、血糖値及び糖化ヘモグロビン濃度(HbA1c)の低下に効果を有するが、効果が表れる摂取期間が、対象者の体重や年齢、性別に応じて、1ヵ月〜1年以上とも言われ、その間、菊芋根茎の粉末を摂取し続ける必要がある。菊芋根茎の粉末は、イヌリン以外に、K、Ca、Mg、P等のミネラル、β−カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビオチン、ビタミンC等のビタミン、イヌラーゼ、プロティナーゼ、インベルターゼ、ホスホリラーゼ、フェノラーゼ等の酵素、コリン、ベタイン、サポニン等が含まれている。
本発明者は、自身の体験も考慮して、イガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末を同時に摂取することで、イガイ肉の粉末又は菊芋根茎の粉末のいずれかの単独摂取よりも、血糖値及びHbA1cを短期間で効果的に正常にすることを見出した。又、副次的に、BMIを効果的に正常にし、肥満気味の体重を減少させることも発見した。そのため、イガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末を混合することで、糖尿病の改善予防に特化した改善予防剤を完成させたのである。
ここで、糖尿病の対象者とは、血糖値が110mg/dlを超え、且つ、HbA1cが6.5%を超えていることを意味する。血糖値は、血液中のブドウ糖の濃度を示し、80mg/dl〜110mg/dlの範囲内であれば、正常値と判断される。一方、血糖値が110mg/dlを超えると、膵臓から分泌されるインスリンが不十分であるか、適切に作用していないことが考えらえるため、糖尿病に罹患していると判断される。又、HbA1cは、血糖状態のコントロールの指標であり、6.5%以下の範囲内であれば、正常値と判断される。一方、HbA1cが6.5%を超えると、血糖状態のコントロールが不適切であると考えられるため、糖尿病に罹患していると判断される。血糖値は、飲食の時期に応じて変動するが、HbA1cは、飲食の時期に変動することなく測ることが出来るため、糖尿病を見極める際の重要な指標である。
又、肥満の対象者とは、BMI(Body Mass Index)が25を超えていることを意味する。BMIは、身長と体重から計算される肥満度の指標である。高血糖が日常的になると、肥満になるため、BMIは、糖尿病の予備段階であるか判断することが出来る。
尚、本発明では、血糖値、HbA1c、BMIをそれぞれ正常値の範囲内にする効果があるが、更に、最高血圧、最低血圧、血中中性脂肪、血中総コレステロール等を正常値に近づけても良い。
又、本発明では、混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が40%〜60%と設定している。これにより、イガイ肉の粉末を菊芋根茎の粉末と同時に摂取する場合は、本発明者の体験から、上述の範囲でイガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末を摂取した方が、血糖値及びHbA1cの正常化に寄与することが出来るのである。
そして、本発明では、全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%〜100%と設定している。これにより、上述のイガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末との相乗効果を得ることが出来る。一方、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が40%未満である場合は、上述の相乗効果を十分に得られない可能性がある。
ここで、イガイ肉とは、イガイの内蔵部分を含めた全ての貝肉部分を意味する。イガイ肉の粉末は、1種類又は複数種類のイガイから貝肉部分を収集し、ブレンダー等で細断し、フリーズドライ又は風乾により得られる。フリーズドライは、例えば、細断されたイガイ肉の粉末を凍結させて真空状態にし、イガイ肉中の水分を昇華させることで乾燥状態にすることを意味する。そのため、イガイ肉の粉末はフリーズドライ状態である。このように、イガイ肉の粉末がフリーズドライ状態であると、イガイ肉の粉末から水分が除去された状態であるため、吸湿性の高い菊芋根茎の粉末と混合しても、菊芋根茎の粉末がイガイ肉の粉末の中で偏在せずに均一に混合することが出来る。
又、イガイは、紫イガイ、緑イガイを含み、産地を問わない。又、菊芋根茎の粉末は、菊芋根茎を細断し、殺菌処理、減圧乾燥後、粉砕加工することで得られる。菊芋根茎は、産地を問わない。
又、改善予防剤の混合粉末以外の添加物は、特に限定は無いが、例えば、イガイ肉の粉末の比重は菊芋根茎の粉末の比重と異なることから、混合粉末の全体として均一性を保つための比重調整剤が挙げられる。
又、比重調整剤以外の添加物として、例えば、にがうり果汁の粉末、グアバ葉の抽出物(ポリフェノール含有)の粉末、難消化性デキストリン(食物繊維)、サラシアレティキュラータエキスの粉末、グリセリン脂肪酸エステルの粉末、植物レシチンの粉末、もろみ酢の粉末、キトサンの粉末、玉ねぎの皮(ケルセチン含有)の粉末、レズベラトロールの粉末、茶カテキンの粉末、91種類の野草発酵のエキスの粉末等を挙げることが出来る。これらは、単独でも組み合わされても良い。
尚、サラシアレティキュラータエキスの粉末は、糖質をブドウ糖に分解する酵素の働きを止める作用があり、グリセリン脂肪酸エステルの粉末は、食品用乳化剤であり、植物レシチンの粉末は、レシチン補充である。レシチンの不足は、疲労、免疫力低下、不眠、凹脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着など、多くの症状の原因になる。
又、粉末以外の添加物として、例えば、オリーブ油、ミツロウを挙げることが出来る。特に、混合粉末以外の添加物のうち、オリーブ油が添加される場合、全重量に対するオリーブ油の重量比が40%〜60%であると好ましい。オリーブ油は、イガイ肉と菊芋根茎との相性が良く、組み合わせで優れた糖尿病の予防に効果がある。又、ミツロウは、保湿効果、殺菌効果を有する。
又、改善予防剤は、粉末状の全ての原材料を撹拌、造粒、乾燥、整粒することで顆粒状又は粉末状として得ることが出来る。この原材料には、例えば、上述の比重調整剤の他に、甘味料、着色料、香料、酸化防止剤、保存剤、賦形剤等を含有させても良い。更に、この原材料に、食用油を含有させてもよい、食用油には、上述のオリーブ油の他に、ごま油、綿実油、落花生油、パーム油、菜種油、コーン油、亜麻仁油、小麦胚芽油、ダイズ油、ヒマシ油、米油、アーモンド油、カカオ脂、ココナツ油、ケシの実油、ヒマワリ油、茶の実油等が挙げられる。これらは、単独でも組み合わされても良い。
又、改善予防剤の経口摂取方法に特に限定は無いが、例えば、対象者がそのまま経口摂取しても良いし、水等の溶液に改善予防剤を混ぜて飲んでも良いし、食品に改善予防剤を添加して食べても良い。食品は、例えば、パン類でも米類でも良い。又、改善予防剤の経口摂取時期に特に限定は無いが、例えば、食前、食間、食後、就寝前のいずれか又はこれらの組み合わせを挙げることが出来る。
又、改善予防剤は、例えば、粉末のまま瓶や容器に大量に収納しても良いが、一回の摂取量だけ分包しても良い。更に、改善予防剤は、粉末のままでも良いが、飲み易さを考慮して、錠剤又はカプセル剤にする方が好ましい。特に、イガイ肉の粉末は魚貝類の独特の臭いであり、又、菊芋根茎の粉末も土壌特有の臭いがあり、更に、イガイ肉の粉末も菊芋根茎の粉末も美味と言えないため、両者を合わせた改善予防剤の粉末はそのまま経口摂取するのに抵抗が生じる可能性が高い。そこで、改善予防剤を錠剤又はカプセル剤とすると、異臭や味を気にすることなく容易に経口摂取することが出来る。
ここで、改善予防剤をカプセル剤にする場合は、例えば、イガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末が食用油に適切に溶けることから、改善予防剤は、前記混合粉末を含む粉末(全粉末)溶かした食用油を内容物としてカプセル皮膜で覆ったソフトカプセルとすることが出来る。これにより、粉末状態と比較してイガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末の臭いや味を気にせず経口摂取することが出来るとともに、食用油でカプセル内を満たすことで、カプセル内の気密性の高さにより酸化(劣化)を防止し、賞味期限を延長させることが可能となり、サプリメントとして提供し易くなる。
尚、食用油は、イガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末との相乗効果が期待出来るオリーブ油が好ましいが、上述した他の食用油でも構わない。又、この食用油には、イガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末の溶解を助長するために食用乳化剤が含まれていても良い。更に、カプセル皮膜は、ゼラチン、多価アルコール等を挙げることが出来る。ゼラチンは、例えば、豚由来、魚由来、牛由来等を挙げることが出来る。
又、改善予防剤の経口摂取量に特に限定は無いが、例えば、1日の経口摂取に対して0.6g〜10.0gであると好ましく、又、1回の経口摂取量は、例えば、1回の経口摂取に対して0.1g〜1.5gであると好ましい。改善予防剤は美味と言えないため、上述の摂取量にすることで、摂取対象者の負担を軽減させつつ、効果的に血糖値及びHbA1cの正常化を図ることが出来る。
又、改善予防剤の摂取回数は、1日の経口摂取量を考慮して適宜決定されるが、例えば、少なくとも1日1回の食事時に摂取すれば良く、血糖値や体重が気になる対象者であれば、朝・昼・夕の1日3回の食事時に摂取しても良い。改善予防剤は、1日1回の食事時に継続して摂取することが好ましく、このような摂取回数を少なくとも1週間以上の摂取期間で継続して行うことで、本発明の作用効果を得ることが可能となる。摂取期間は、対象者の体調に応じて、1週間、2週間、3週間、1ヵ月、3カ月、6ヵ月、1年等、適宜設計すれば良い。本発明に係る改善予防剤は、医薬品と異なり、人体に安全な天然物のイガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末を有効成分としていることから、摂取量が多くても、単に排出されるだけで、体内に残らず、副作用が無いという利点がある。
又、本発明に係る糖尿病の改善予防方法は、イガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末を混合した混合粉末を含み、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が40%〜60%であり、全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%〜100%である改善予防剤を、糖尿病の対象者に経口投与させる。このように構成しても、本発明の作用効果を得ることが出来る。
以下、実施例、比較例等によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<実施例1>
イガイ肉の粉末を3g、菊芋根茎の粉末を2g秤量し、混合して、図1に示すように、5gの混合粉末を作製し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例1の改善予防剤)とした。イガイ肉の粉末は、フリーズドライ状態である。実施例1では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が60%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が100%である。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢64歳、女性、血糖値=388mg/dl、HbA1c=16.2%、BMI=27.8、体重=66.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。摂取期間中、定期的に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重の変動を計測した。
イガイ肉の粉末を3g、菊芋根茎の粉末を2g秤量し、混合して、図1に示すように、5gの混合粉末を作製し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例1の改善予防剤)とした。イガイ肉の粉末は、フリーズドライ状態である。実施例1では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が60%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が100%である。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢64歳、女性、血糖値=388mg/dl、HbA1c=16.2%、BMI=27.8、体重=66.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。摂取期間中、定期的に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重の変動を計測した。
<比較例1>
菊芋根茎の粉末のみを2g秤量し、これを一回の摂取量のサンプル(比較例1の改善予防剤)とした。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢62歳、女性、血糖値=355mg/dl、HbA1c=17.5%、BMI=30.4、体重=67.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。実施例1と同様に定期的に血液検査を行った。
菊芋根茎の粉末のみを2g秤量し、これを一回の摂取量のサンプル(比較例1の改善予防剤)とした。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢62歳、女性、血糖値=355mg/dl、HbA1c=17.5%、BMI=30.4、体重=67.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。実施例1と同様に定期的に血液検査を行った。
<比較例2>
イガイ肉の粉末のみを3g秤量し、これを一回の摂取量のサンプル(比較例2の改善予防剤)とした。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢65歳、女性、血糖値=375mg/dl、HbA1c=15.9%、BMI=29.0、体重=65.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。実施例1と同様に定期的に血液検査を行った。
イガイ肉の粉末のみを3g秤量し、これを一回の摂取量のサンプル(比較例2の改善予防剤)とした。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢65歳、女性、血糖値=375mg/dl、HbA1c=15.9%、BMI=29.0、体重=65.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。実施例1と同様に定期的に血液検査を行った。
<参考例1>
実施例1の改善予防剤を、糖尿病でも肥満でも無い健康な対象者(年齢61歳、女性、血糖値=105mg/dl、HbA1c=6.1%、BMI=19.5、体重=54.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。実施例1と同様に定期的に血液検査を行った。
実施例1の改善予防剤を、糖尿病でも肥満でも無い健康な対象者(年齢61歳、女性、血糖値=105mg/dl、HbA1c=6.1%、BMI=19.5、体重=54.0kg)に1日1回の食事時に摂取させ、この摂取形態を1ヵ月間継続させた。実施例1と同様に定期的に血液検査を行った。
<検査結果>
ここで、実施例1、比較例1、2では、ほぼ同等の健康状態の対象者を選択した。参考性1では、実施例1、比較例1、2の対象者と同等の年齢の対象者を選択した。サンプルの経口摂取による血糖値及びHbA1cの変化を見てみると、図2に示すように、比較例1では、血糖値が、摂取期間開始から摂取期間が長くなる程、緩やかに減少して、1ヵ月後に正常値の110mg/dl以下となった。一方、HbA1cは、摂取期間が長くなる程、緩やかに減少して、正常値の6.5%へ向かうが、所定の摂取期間を過ぎると、正常値の6.5%へ行かずに一定になった。又、比較例2では、血糖値及びHbA1cは、摂取期間が長くなる程、比較例1よりも緩やかに減少し、所定の値になることが理解される。
ここで、実施例1、比較例1、2では、ほぼ同等の健康状態の対象者を選択した。参考性1では、実施例1、比較例1、2の対象者と同等の年齢の対象者を選択した。サンプルの経口摂取による血糖値及びHbA1cの変化を見てみると、図2に示すように、比較例1では、血糖値が、摂取期間開始から摂取期間が長くなる程、緩やかに減少して、1ヵ月後に正常値の110mg/dl以下となった。一方、HbA1cは、摂取期間が長くなる程、緩やかに減少して、正常値の6.5%へ向かうが、所定の摂取期間を過ぎると、正常値の6.5%へ行かずに一定になった。又、比較例2では、血糖値及びHbA1cは、摂取期間が長くなる程、比較例1よりも緩やかに減少し、所定の値になることが理解される。
一方、実施例1では、血糖値が、摂取期間開始から数日後(約1週間後)に、急激に減少して、正常値の110mg/dl以下となった。そして、正常値以下の血糖値は、摂取期間が長くなる程、緩やかに減少して、正常値の範囲内を保つことが分かった。又、HbA1cは、血糖値と同様に、数日後に、急激に減少し、正常値の6.5%に近接した。その後、摂取期間開始から約2週間後には、HbA1cは、正常値の6.5%以下となり、正常値の範囲内となった。
このように、イガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末を同時に摂取する方が、イガイ肉の粉末又は菊芋根茎の粉末のいずれかの単独摂取よりも、血糖値及びHbA1cを短期間で効果的に正常にすることが理解される。一方、参考例1では、血糖値が、摂取期間が長くなる程、緩やかに減少して、正常値の範囲内を保った。又、HbA1cは、摂取期間が長くなっても、殆ど変らずに、正常値の範囲内を保った。
ここで、実施例1の改善予防剤は、糖尿病に罹患している対象者が経口摂取すると、高い血糖値及びHbA1cを効果的に下げる一方、糖尿病に罹患していない健常者が経口摂取しても、血糖値及びHbA1cを更に下げることなく、正常値に保つことが理解される。これは、実施例1の改善予防剤が天然物のイガイ肉と菊芋根茎で構成されているためと推察している。
次に、サンプルの経口摂取による体重及びBMIの変化を見てみると、図3に示すように、比較例1では、体重は、摂取期間が長くなる程、緩やかに減少したが、BMIは、緩やかに減少するものの、1ヵ月後では、正常値の25より低下しなかった。又、比較例2では、体重及びBMIは、比較例1よりも緩やかに減少することが理解される。
一方、実施例1では、体重が、摂取期間開始から数日後(約1週間後)に、急激に減少して、BMIは、数日後には、正常値の25以下となった。そして、体重は、摂取期間が長くなる程、緩やかに減少し、BMIは、正常値の範囲内となった。
このように、イガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末を同時に摂取する方が、イガイ肉の粉末又は菊芋根茎の粉末のいずれかの単独摂取よりも、体重を効果的に減少させ、BMIを正常にすることが理解される。一方、参考例1では、体重及びBMIは、摂取期間が長くなっても、殆ど変らずに、正常値の範囲内を保った。
ここで、上述と同様に、実施例1の改善予防剤は、肥満の対象者が経口摂取すると、体重及びBMIを効果的に下げる一方、肥満で無い健常者が経口摂取しても、体重及びBMIが殆ど変らずに、正常値に保つことが理解される。これは、実施例1の改善予防剤は、副作用が無く、極めて安全であることを示している。
<実施例2>
イガイ肉の粉末を4g、菊芋根茎の粉末を4g混合して8gの混合粉末を作成し、その混合粉末に、にがうり果汁の粉末を2g添加し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例2の改善予防剤)とした。実施例2では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が50%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が80%である。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢45歳、男性、血糖値=251mg/dl、HbA1c=10.1%、BMI=32.0、体重=70.0kg、最高血圧=160mmHg、最低血圧=100mmHg、血中中性脂肪=2097mg/dl、血中総コレステロール=390mg/dl)に1日3回の食事時に摂取させ、この摂取形態を2週間継続させた。摂取期間完了時に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重、最高血圧、最低血圧、血中中性脂肪、血中総コレステロールの変動を計測した。
イガイ肉の粉末を4g、菊芋根茎の粉末を4g混合して8gの混合粉末を作成し、その混合粉末に、にがうり果汁の粉末を2g添加し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例2の改善予防剤)とした。実施例2では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が50%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が80%である。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢45歳、男性、血糖値=251mg/dl、HbA1c=10.1%、BMI=32.0、体重=70.0kg、最高血圧=160mmHg、最低血圧=100mmHg、血中中性脂肪=2097mg/dl、血中総コレステロール=390mg/dl)に1日3回の食事時に摂取させ、この摂取形態を2週間継続させた。摂取期間完了時に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重、最高血圧、最低血圧、血中中性脂肪、血中総コレステロールの変動を計測した。
<検査結果>
摂取期間完了時の血糖値は、55mg/dl、HbA1cは、7.9%、BMIは、25.5、体重は、63.0kg、最高血圧は、114mmHg、最低血圧は、68mmHg、血中中性脂肪は、118mg/dl、血中総コレステロールは、172mg/dlであった。どの項目も正常値に近い値を示し、糖尿病が大きく改善され、肥満も改善された。
摂取期間完了時の血糖値は、55mg/dl、HbA1cは、7.9%、BMIは、25.5、体重は、63.0kg、最高血圧は、114mmHg、最低血圧は、68mmHg、血中中性脂肪は、118mg/dl、血中総コレステロールは、172mg/dlであった。どの項目も正常値に近い値を示し、糖尿病が大きく改善され、肥満も改善された。
<実施例3>
イガイ肉の粉末を2.4g、菊芋根茎の粉末を1.6g混合して4gの混合粉末を作成し、その混合粉末に、グアバ葉の抽出物を1gと難消化性デキストリンを1g添加し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例3の改善予防剤)とした。実施例3では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が60%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が66%である。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢63歳、女性、血糖値=260mg/dl、HbA1c=8.5%、BMI=28.0、体重=55.0kg、血中中性脂肪=107mg/dl)に1日3回の食事時に摂取させ、この摂取形態を2週間継続させた。摂取期間完了時に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重、血中中性脂肪の変動を計測した。
イガイ肉の粉末を2.4g、菊芋根茎の粉末を1.6g混合して4gの混合粉末を作成し、その混合粉末に、グアバ葉の抽出物を1gと難消化性デキストリンを1g添加し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例3の改善予防剤)とした。実施例3では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が60%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が66%である。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢63歳、女性、血糖値=260mg/dl、HbA1c=8.5%、BMI=28.0、体重=55.0kg、血中中性脂肪=107mg/dl)に1日3回の食事時に摂取させ、この摂取形態を2週間継続させた。摂取期間完了時に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重、血中中性脂肪の変動を計測した。
<検査結果>
摂取期間完了時の血糖値は、85mg/dl、HbA1cは、6.4%、BMIは、24.8、体重は、51.5kg、血中中性脂肪は、71mg/dlであった。どの項目も正常値に近い値を示し、糖尿病が大きく改善され、副次的に、肥満も改善された。
摂取期間完了時の血糖値は、85mg/dl、HbA1cは、6.4%、BMIは、24.8、体重は、51.5kg、血中中性脂肪は、71mg/dlであった。どの項目も正常値に近い値を示し、糖尿病が大きく改善され、副次的に、肥満も改善された。
<実施例4>
イガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末とを3:2の比率で混合した混合粉末を作製し、その混合粉末にサラシアレティキュラータエキスの粉末と、グリセリン脂肪酸エステルの粉末と、植物レシチンの粉末と、ミツロウを添加物として添加し、混合粉末と添加物を食用油のオリーブ油で溶かし、その溶かしたオリーブ油を内容物としてカプセル皮膜で覆い、図4に示すように、ソフトカプセルを作製し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例4の改善予防剤)とした。実施例4では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が60%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が40%である。具体的には、300mgの1つのソフトカプセルに対して、イガイ肉の粉末が72mg、菊芋根茎の粉末が48mg、サラシアレティキュラータエキスの粉末が5mg、グリセリン脂肪酸エステルの粉末が13mg、植物レシチンの粉末が3mg、ミツロウが13mg、オリーブ油が146mgである。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢60歳、男性、血糖値=120mg/dl、HbA1c=7.5%、BMI=30.0、体重=60.0kg)に、1日3回の食事時に2粒摂取させた。つまり、1日、6粒のサンプルを摂取させた。そのため、図4に示すように、瓶に酸化防止剤と180粒程度のサンプルを充填した物を対象者に渡し、この摂取形態を1ヵ月(4週間)継続させた。摂取期間完了時に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重の変動を計測した。
イガイ肉の粉末と菊芋根茎の粉末とを3:2の比率で混合した混合粉末を作製し、その混合粉末にサラシアレティキュラータエキスの粉末と、グリセリン脂肪酸エステルの粉末と、植物レシチンの粉末と、ミツロウを添加物として添加し、混合粉末と添加物を食用油のオリーブ油で溶かし、その溶かしたオリーブ油を内容物としてカプセル皮膜で覆い、図4に示すように、ソフトカプセルを作製し、これを一回の摂取量のサンプル(実施例4の改善予防剤)とした。実施例4では、前記混合粉末に対するイガイ肉の粉末の重量比が60%であり、改善予防剤の全重量に対する混合粉末の重量比が40%である。具体的には、300mgの1つのソフトカプセルに対して、イガイ肉の粉末が72mg、菊芋根茎の粉末が48mg、サラシアレティキュラータエキスの粉末が5mg、グリセリン脂肪酸エステルの粉末が13mg、植物レシチンの粉末が3mg、ミツロウが13mg、オリーブ油が146mgである。このサンプルを糖尿病と診断された肥満気味の対象者(年齢60歳、男性、血糖値=120mg/dl、HbA1c=7.5%、BMI=30.0、体重=60.0kg)に、1日3回の食事時に2粒摂取させた。つまり、1日、6粒のサンプルを摂取させた。そのため、図4に示すように、瓶に酸化防止剤と180粒程度のサンプルを充填した物を対象者に渡し、この摂取形態を1ヵ月(4週間)継続させた。摂取期間完了時に血液検査を行い、血糖値、HbA1c、BMI、体重の変動を計測した。
<検査結果>
摂取期間完了時の血糖値は、80mg/dl、HbA1cは、6.2%、BMIは、25.4、体重は、55.0kgであった。どの項目も正常値に近い値を示し、糖尿病が大きく改善され、副次的に、肥満も改善された。
摂取期間完了時の血糖値は、80mg/dl、HbA1cは、6.2%、BMIは、25.4、体重は、55.0kgであった。どの項目も正常値に近い値を示し、糖尿病が大きく改善され、副次的に、肥満も改善された。
このように、本発明に係る糖尿病の改善予防剤は、副作用が無く、安全に糖尿病の改善予防を行うことが出来ることが明らかとなった。
以上のように、本発明に係る糖尿病の改善予防剤は、食品分野はもちろん、医薬分野、健康分野、衛生分野、美容分野等に有用であり、天然物を利用し、副作用が無く、安全に糖尿病の改善予防を行うことが可能な糖尿病の改善予防剤として有効である。
Claims (3)
- 細断されたイガイ肉の粉末を凍結させて真空状態にし、当該イガイ肉中の水分を昇華させることで乾燥状態にしたフリーズドライ状態のイガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末を混合した混合粉末を含み、
前記混合粉末に対する前記イガイ肉の粉末の重量比が40%〜70%であり、
全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%〜100%であり、
本改善予防剤は、前記混合粉末を含む粉末を溶かした食用油を内容物としてカプセル皮膜で覆ったソフトカプセルであり、
糖尿病の対象者に経口投与される糖尿病の改善予防剤。 - 前記食用油は、オリーブ油である、
請求項1に記載の糖尿病の改善予防剤。 - 細断されたイガイ肉の粉末を凍結させて真空状態にし、当該イガイ肉中の水分を昇華させることで乾燥状態にしたフリーズドライ状態のイガイ肉の粉末及び菊芋根茎の粉末を混合した混合粉末を作製し、当該混合粉末に、サラシアレティキュラータエキスの粉末と、グリセリン脂肪酸エステルの粉末と、植物レシチンの粉末と、ミツロウと、オリーブ油とを添加物として添加し、
前記混合粉末に対する前記イガイ肉の粉末の重量比が60%であり、
全重量に対する前記混合粉末の重量比が40%であり、
本改善予防剤は、前記混合粉末と前記添加物とを溶かしたオリーブ油を内容物としてカプセル皮膜で覆ったソフトカプセルであり、
糖尿病の対象者に経口投与される糖尿病の改善予防剤。
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JP2002000216A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-08 | Nippon Tonyo Shokken Kk | 菊芋の加工品およびその製造方法 |
US20020187201A1 (en) * | 2001-03-30 | 2002-12-12 | Department Of Biotechnology And Council Of Scientific And Industrial Research | Process for the cure and control of diabetes mellitus using natural products from perna viridis |
JP2011045350A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Shoji Sawada | 天然イヌリン含有粉末の製造方法 |
CN104784192A (zh) * | 2015-03-25 | 2015-07-22 | 中山大学 | 蚌肉寡糖在制备降血糖药物中的应用及其制备方法 |
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