JP6095037B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水質や流量の変動に合わせて適正なオゾン注入制御をリアルタイムで実現する制御水処理装置および水処理方法に関するものである。
上水原水中に含まれるフミン物質は、トリハロメタン(以下、THMと称す)の前駆物質として知られている。このフミン物質は、難分解性の有機物のひとつであり、従来の浄水処理では除去することが難しく、消毒のために塩素処理すると、THMの生成を増大させる原因になっていた。
THMは、発がん性物質のため、その生成抑制対策として、オゾン高度浄水処理が浄水場に導入されている。このオゾン高度浄水処理は、オゾンの強い酸化力を用いて、上水原水中の有機物を酸化分解する。オゾンが上水原水中のフミン物質を分解除去するため、オゾン処理は、トリハロメタン生成能(THMFP)の低減に効果がある。
このようなオゾン処理では、被処理水に注入したオゾンが有機物と反応して消費され、未反応のオゾンが溶存オゾンとして検出される。このため、溶存有機物の分解のために、必要量以上のオゾンを被処理水に注入すると、溶存オゾン濃度が増大する。そして、溶存オゾン濃度が高くなると、被処理水中の臭化物イオンが酸化されて、臭素酸等の消毒副生成物が生成されてしまう。
臭素酸は、発がん性の疑いがあるため、水道法による水質基準で、上水の臭素酸が10μg/L以下に規制されている。また、臭素酸の生成を抑制するためには、オゾン注入率を制御する必要がある。一般的には、処理水の溶存オゾン濃度に基づいて、オゾンの注入率を制御する溶存オゾン濃度一定制御が行われている。
また、この溶存オゾン濃度一定制御では、溶存オゾン濃度をできるだけ低く制御することで、臭素酸の生成を抑制している。しかしながら、夏季のような高水温期では、溶存オゾンの検出と同時に、臭素酸が基準値以上に生成される場合がある。これは、オゾンの自己分解速度が大きいため、溶存オゾン濃度の測定時点と比べて、処理水の溶存オゾンが高く制御されているためと考えられる。
また、溶存オゾン濃度を低く制御することは、臭素酸の生成抑制には有効だが、オゾン処理の本来の目的であるTHMFPを十分低減できないおそれがある。
そこで、被処理水の水質に応じたオゾン注入率の制御が検討されており、被処理水と処理水のそれぞれの波長254nmの紫外吸光度の関係に基づく方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、被処理水の蛍光強度とオゾン消費効率の関係に基づいて、オゾン注入率を制御する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平2−277596号公報 特許第4660211号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1におけるオゾン注入率制御方法は、あらかじめ被処理水とオゾンの反応特性を求める実験を行い、その実験結果に基づいて、オゾン注入率を制御している。このため、天候や季節変化によって被処理水の水質が変動すると、オゾン注入率を適正に制御できない問題がある。
一方、特許文献2は、オゾン消費効率に基づいて、オゾン注入率を制御している。すなわち、オゾン注入率の制御に注入オゾンガス濃度、排オゾンガス濃度、および溶存オゾン濃度などのオゾン処理の結果が反映される。このため、被処理水の水質変動に合わせた適正なオゾン注入率となるように、リアルタイムに制御できない問題がある。さらに、オゾン消費効率の算出には、溶存オゾン濃度の値を用いる。このため、夏季のような高水温期では、臭素酸の生成が増大してしまうおそれがあった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、水質や流量の変動に合わせて適正なオゾン注入率となるようにリアルタイムで制御するとともに、高水温期においても臭素酸の生成を抑制し、有機物を分解除去することのできる水処理装置および水処理方法を得ることを目的とする。
本発明に係る水処理装置は、被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、複数の地点における被処理水の紫外吸光度を、少なくとも第1の波長を用いて測定する測定部と、測定部により測定された複数の地点における測定結果に基づいて、処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度の残存率を推定し、推定した残存率を用いてオゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラとを備え、被処理水は、第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物およびフミン物質を含有し、測定部は、処理槽に導入される被処理水に関して、第1の波長および第2の波長を含む2種類以上の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器とを有し、第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、第2の波長は、200nm以上230nm以下とし、コントローラは、推定した残存率に基づくオゾン注入率の制御を行う際に、第1の測定器による第2の波長の測定値から、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値を算出して目標値として設定し、第3の測定器の第1の波長の測定値を第1の測定器の第1の波長の測定値で除算することで、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値を算出し、目標値として設定した第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値と、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値との差が最小となるように、オゾン注入率を制御するものである。
また、本発明に係る水処理装置は、被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、処理槽に導入される被処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と、第1の測定器および第3の測定器による測定結果に基づいて、オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと、被処理水を導入してオゾン処理を実施し、オゾン処理の結果に基づいてオゾン注入率の目標値をリアルタイムで算出する小型水処理装置とを備え、被処理水は、第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物を含有し、第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、コントローラは、第3の測定器の第1の波長の測定値を第1の測定器の第1の波長の測定値で除算することで、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値を算出し、小型水処理装置で算出されたオゾン注入率の目標値と、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値との差が最小となるように、オゾン注入率を制御するものである。
また、本発明に係る水処理方法は、被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、処理槽に導入される被処理水に関して、第1の波長および第2の波長を含む2種類以上の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、処理槽でオゾン処理された処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と、第1の測定器および第3の測定器による測定結果に基づいて、オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラとを備えた水処理装置を用いて、第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物およびフミン物質を含有する被処理水に適用される水処理方法であって、第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、第2の波長は、200nm以上230nm以下とし、コントローラにおいて、第1の測定器による第2の波長の測定値から、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値を算出して目標値として設定するステップと、第3の測定器の第1の波長の測定値を第1の測定器の第1の波長の測定値で除算することで、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値を算出するステップと、目標値として設定した第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値と、処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値との差が最小となるように、オゾン注入率を制御するステップとを有するものである。
また、本発明に係る水処理方法は、被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、処理槽の入口に設けられた第1測定地点における被処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、処理槽内に設けられた第2測定地点における被処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第2の測定器と、処理槽の出口に設けられた第3測定地点における処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と、第1の測定器、第2の測定器、および第3の測定器による測定結果に基づいて、オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラとを備えた水処理装置を用いて、第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物を含有する被処理水に適用される水処理方法であって、第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、コントローラにおいて、第1の測定器による測定値から、第1測定地点における被処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率を第1残存率として算出するステップと、第2の測定器による測定値から、第2測定地点における被処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率を第2残存率として算出するステップと、第3の測定器による測定値から、第3測定地点における処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率を第3残存率として算出するステップと、第1残存率と第2残存率とから導かれる1次関数を作成するステップと、第3残存率を従属変数とした場合の1次関数における独立変数を算出するステップと、算出した独立変数に基づいてオゾン注入率を制御するステップとを有する水処理方法。
本発明によれば、被処理水中の有機物の分解に必要なオゾン注入率を被処理水の水質から推定する構成を備えている。この結果、水質変動に合わせた適正なオゾン注入率となるようにリアルタイムで制御でき、有機物の分解に必要なオゾンを過不足なく被処理水に注入することができるとともに、有機物を十分分解し、かつ臭素酸の生成を抑制できる水処理装置および水処理方法を実現できる。
本発明の実施の形態1による水処理装置の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る水処理装置による水処理方法の一連動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る水処理装置において、河川を水源とした被処理水を用いてオゾン処理したときのオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度のそれぞれの関係を示した図である。 本発明の実施の形態1において、波長200nmから波長300nmに対する3種の被処理水の吸光度変化を示す図である。 本発明の実施の形態1において、被処理水のUV210と変曲点のUV254残存率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2による水処理装置の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において、被処理水の水温に対する臭素酸の生成量の関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る水処理装置による水処理方法の一連動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態3による水処理装置の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3における小型水処理装置の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3に係る水処理装置による水処理方法の一連動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態4による水処理装置の構成を説明するための図である。 本実施の形態4における分光光度測定部42の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態4に係る水処理装置による水処理方法の一連の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態4に係る水処理装置において、被処理水3を用いてオゾン処理したときのオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度のそれぞれの関係を示した実験結果の図である 本発明の実施の形態4に係る水処理装置において、被処理水3をオゾン処理した際にオゾン注入率が不足している場合における、オゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度のそれぞれの関係を示した図である。 本発明の実施の形態5に係る水処理装置による水処理方法の一連の動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態5に係る水処理方法において、所定の水温以下で被処理水3を用いてオゾン処理したときのオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾンの変化をそれぞれ示した図である。
以下、本発明の水処理装置および水処理方法の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による水処理装置の構成を説明するための図である。本実施の形態1における水処理装置は、オゾン処理と生物活性炭処理とを組み合わせた高度浄水処理に適用される。ただし、生物活性炭処理については、必ずしも必要としない。
図1に示した水処理装置は、被処理水配管1がオゾン処理槽2に接続され、オゾン処理槽2の後段に、処理水配管4が接続されている。オゾン処理槽2には、被処理水3が収容される。
被処理水配管1には、第1の被処理水分岐配管5が接続され、第1の被処理水分岐配管5は、第1の懸濁物質除去器8を介して第1の紫外吸光度測定器9に接続されている。第1の紫外吸光度測定器9から伸びる第2の被処理水分岐配管6は、オゾン処理槽2の反応槽上部空間7に接続されている。
一方、処理水配管4には、第1の処理水分岐配管16が接続されている。そして、第1の処理水分岐配管16は、第2の懸濁物質除去器18を介して第2の紫外吸光度測定器19に接続されている。第2の紫外吸光度測定器19には、第2の処理水分岐配管17が接続されている。
第1の紫外吸光度測定器9および第2の紫外吸光度測定器19で測定された測定値は、制御部(コントローラ)10に送られる。制御部10は、第1のオゾン注入器11に接続されている。ここで、第1のオゾン注入器11は、オゾン発生器12、オゾンガス配管13、およびオゾンガス散気管14を含んで構成されている。なお、オゾンガス散気管14は、オゾン処理槽2の底部に配置されている。また、オゾン処理槽2の上部には、排オゾンガス処理装置15が接続されている。
第1の紫外吸光度測定器9は、被処理水3の2種類以上の任意の波長の紫外吸光度を測定する。この測定に当たって、本実施の形態1では、第1の波長の測定範囲は、溶存有機物と相関のある240nmから270nmとし、第2の波長の測定範囲は、200nmから230nmとする。
また、第2の紫外吸光度測定器19は、処理水の任意の波長の紫外吸光度を測定する。ただし、本実施の形態1では、この波長の測定範囲を、有機物と相関のある240nmから270nmとする。なお、第1の紫外吸光度測定器9あるいは第2の紫外吸光度測定器19の代わりに、蛍光強度測定器を用いてもよい。
図2は、本発明の実施の形態1に係る水処理装置による水処理方法の一連動作を示したフローチャートである。なお、この図2のフローチャートのステップS101において、オゾン処理槽2には被処理水3が収容されており、被処理水3に対してオゾン処理を実施している状態で、本実施の形態1の水処理方法が開始されるものとする。
図2では示していないが、被処理水3の紫外吸光度を測定するための前処理として、第1の紫外吸光度測定器9の前段では、第1の懸濁物質除去器8により、被処理水3の懸濁物質が除去される。そして、第1の紫外吸光度測定器9は、ステップS102において、懸濁物質が除去された被処理水3に関して、波長254nmの紫外吸光度(以下、UV254と称す)を測定し、A254iniとする。
また、第1の紫外吸光度測定器9は、ステップS105において、波長210nmの紫外吸光度(以下、UV210と称す)を測定する。ステップS102およびステップS105におけるこれらの測定は、並行して実施される。このため、図2では、ステップS102とステップS105に分岐する横線を、二重線で示している。
続いて、ステップS106において、制御部10は、第1の紫外吸光度測定器9により測定された被処理水3のUV210を用いて、処理水のUV254残存率推定値A254estを推定する。
また、図2では示していないが、処理水の紫外吸光度を測定するための前処理として、第2の紫外吸光度測定器19の前段では、第2の懸濁物質除去器18により、処理水中の懸濁物質が除去される。そして、第2の紫外吸光度測定器19は、ステップS103において、懸濁物質が除去された処理水に関して、UV254を測定し、A254finとする。
そして、ステップS104において、制御部10は、UV254残存率A254resultを、下式(1)により算出する。
UV254残存率A254result
=A254fin/A254ini×100 (1)
なお、紫外吸光度の測定に使用した被処理水3および処理水は、廃水してもよく、あるいは水処理工程に戻してもよい。また、ステップS102およびステップS105の処理、およびこれらに続く処理を、連続処理としてもよい。
次に、ステップS107において、制御部10は、ステップS104で算出されたUV254残存率A254resultと、ステップS106で推定されたUV254残存率推定値A254estとの関係を、下式(2)で比較する。
UV254残存率推定値A254est
=UV254残存率A254result±B (2)
上式(2)におけるBは、紫外吸光度の測定値のばらつきや誤差を考慮した誤差範囲であり、0〜10%、さらに望ましくは、3〜5%に設定される。処理水のUV254残存率A254resultが、上式(2)で規定される範囲内に適合する場合には、現状のオゾン注入率が維持され、ステップS102およびステップS105の処理に戻る。
一方、適合しない場合には、ステップS108に進み、制御部10は、UV254残存率A254resultとUV254残存率推定値A254estとの関係を、下式(3)で比較する。
UV254残存率推定値A254est
>UV254残存率A254result±B (3)
そして、制御部10は、処理水のUV254残存率A254resultが、上式(3)に適合する場合には、ステップS109に進み、オゾン注入率を低減するように制御し、適合しない場合には、ステップS110に進み、オゾン注入率を増大するように制御する。
このようにして、本実施の形態1における水処理装置は、被処理水3と処理水の紫外吸光度を連続的に測定し、それらの測定結果に基づいてオゾン注入率を制御する。すなわち、本実施の形態1における水処理装置は、UV254残存率A254resultを、オゾン処理槽2の滞留時間に相当する時間だけ前に推定したUV254残存率推定値A254estと比較し、その比較結果に基づいてオゾン注入率の制御を行うことで、被処理水の水質変動に対応した適正なオゾン注入率の制御を行うことができる。
さらに、本実施の形態1における水処理装置は、被処理水の水質から有機物の分解に必要なオゾン注入率を推定することにより、オゾン処理に必要なオゾン注入率となるようなフィードフォワード制御を行うこともできる。
また、被処理水3の流入水流量が変動する場合には、被処理水3の流入水量が増大すると、被処理水3へのオゾン注入率が不足することとなる。このため、被処理水3のUV210から推定したUV254残存率推定値A254estと比べて、処理水のUV254残存率A254resultが増大する。そこで、このような場合には、ステップS110で示したように、オゾン注入率を増大するような制御が行われる。
一方、被処理水3の流入水量が低減すると、被処理水3へのオゾン注入率が過剰になることとなる。このため、被処理水3のUV210から推定したUV254残存率推定値A254estと比べて、被処理水3のUV254残存率A254resultが低減する。そこで、このような場合には、ステップS109で示したように、オゾン注入率を低減するような制御が行われる。このようにして、本実施の形態1における水処理装置は、被処理水3の流入水流量の変動に対応して、適正なオゾン注入率に制御することができる。
さらに、オゾン処理では、従来技術で説明したように、夏季のような高水温期において、溶存オゾンの検出と同時に臭素酸が基準値以上に生成される場合がある。このため、溶存オゾンが検出されないオゾン注入率の範囲内で、水質指標の変化に基づいてオゾン注入率を制御することにより、臭素酸の生成を抑制できる。
すなわち、溶存オゾン濃度が検出されないオゾン注入率の範囲であっても、水質指標の変化に基づいてオゾンを注入することにより、オゾンの注入率が不足して、オゾン処理の本来の目的である有機物の分解が達成されない状態を防止することができる。さらに、溶存オゾン濃度が検出されないオゾン注入率の範囲で、有機物の分解に必要なオゾンを注入することにより、オゾンの過剰注入が防止されて臭素酸の生成を抑制することができる。
そこで、溶存オゾン濃度が検出されないオゾン注入率の範囲において、紫外吸光度を用いてオゾン注入率を制御するために、オゾン注入率に対するUV254残存率の変化と溶存オゾン濃度のそれぞれの関係を、実験に基づいて調査した。この実験には、水源の異なる3種類の被処理水を用いた。その結果を、図3から図5に示す。
なお、3種の被処理水(1)〜(3)は、以下の物を採用した。
被処理水(1):河川を水源とした被処理水
被処理水(2):雨水や家庭排水が流入したものを水源とした被処理水
被処理水(3):生物処理水が流入したものを水源とした被処理水
図3は、本発明の実施の形態1に係る水処理装置において、被処理水(1)を用いてオゾン処理したときのオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度のそれぞれの関係を示した図である。なお、図3においては、オゾン注入率に対するUV254残存率の実験結果が、黒丸としてプロットされており、オゾン注入率に対する溶存オゾン濃度の実験結果が、白三角としてプロットされている。
高水温期を想定して、処理水の水温を30℃とした。オゾン注入率の増大に伴い、UV254残存率は低下し、オゾン注入率0.8mg/L以上では、オゾン注入率に対するUV254残存率の傾きが緩やかになった。
オゾン注入率に対するUV254残存率の傾きが緩やかになる点を、ここでは変曲点と呼ぶ。この変曲点のUV254残存率は、48%であった。被処理水(1)とは水源が異なる被処理水(2)および(3)についても、同様の実験を行い、変曲点のUV254残存率をそれぞれ求めたが、図示は省略する。
変曲点以下のオゾン注入率では、オゾンと容易に反応する有機物と、オゾンとの反応が完了しており、変曲点以上のオゾン注入率では、オゾンとの反応が遅い有機物と、オゾンとが反応していると考えられる。THMFPのような有機物質は、オゾンとの反応が速いため、変曲点のオゾン注入率で十分分解されていると考えられる。このため、変曲点のオゾン注入率に相当するオゾンを被処理水3に注入すると、THMFP等の有機物の低減を達成できると考えられる。
一方、溶存オゾンは、オゾン注入率1.2mg/L以上で検出された。図3に示すように、溶存オゾンが検出されたオゾン注入率と比べて、変曲点におけるオゾン注入率は小さいことがわかる。このことから、溶存オゾンが検出されなかったオゾン注入率の範囲において、UV254残存率を指標としてオゾン注入率を制御できると考えられる。
よって、溶存オゾンが検出されないオゾン注入率の範囲において、有機物の分解に必要なオゾンを注入するためには、被処理水3の変曲点におけるUV254残存率およびオゾン注入率の把握が必要である。
図4は、本発明の実施の形態1において、波長200nmから波長300nmに対する3種の被処理水の吸光度変化を示す図である。いずれの被処理水(1)〜(3)においても、吸光度は、波長が長いほど低下する傾向があった。また、波長200nmから波長230nmまでの波長範囲では、被処理水によって吸光度が大きく異なっていた。この波長範囲での吸収の違いは、被処理水に含まれるフミン物質によると考えられる。
図5は、本発明の実施の形態1において、被処理水のUV210と変曲点のUV254残存率との関係を示す図である。UV210の吸光度が高い被処理水ほど、変曲点のUV254残存率が低くなっている。被処理水(1)は、河川を水源としており、溶存有機物は、主にフミン酸やフルボ酸などフミン物質で構成されていると考えられる。フミン酸やフルボ酸のような有機物は、芳香環を含むため、UV210が高くなると考えられる。
芳香環を含む有機物質は、オゾンとの反応性が高い。このため、フミン物質の割合が高い被処理水(1)では、変曲点のUV254残存率が低かったと考えられる。また、被処理水(2)の水源には、雨水や家庭排水が流入しており、被処理水(1)と比べて、フミン物質が少なく、界面活性剤等を含むと考えられる。
一方、被処理水(3)は、生物処理水を水源とするため、主な溶存有機物は、親水性の有機酸と考えられる。親水性有機酸は、フミン酸と比べて、波長230nm以下の吸収が低く、また、オゾンとの反応性も低い。このため、親水性有機酸の割合が高い被処理水(3)では、変曲点のUV254残存率が高くなったと考えられる。
被処理水のUV210と変曲点のUV254残存率との関係は、図5中において点線で示された直線の方程式として、下式(4)で近似して表される。
変曲点のUV254残存率
=33.6×UV210+67.94 (4)
従って、上式(4)の直線近似を用いることにより、被処理水のUV210から、変曲点のUV254残存率を推定して、処理水のUV254残存率推定値A254estを目標値に設定できる。この処理が、先の図2におけるステップS105、ステップS106の処理に相当する。
以上のように、本実施の形態1による水処理装置は、紫外吸光度測定器により測定された被処理水のUV210から処理水のUV254残存率を推定し、その推定値と処理水のUV254残存率の差が最小となるように、オゾン注入率を制御する構成を備えている。この結果、被処理水のUV210に基づいて、オゾン注入率を適正値に制御することができるため、被処理水の水質や流量の変動に合わせて、適正なオゾン注入率に設定できる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2による水処理装置の構成を説明するための図である。本実施の形態2の水処理装置が特徴とするところは、第1のpH調整器20、水温計21、第1の溶存オゾン濃度計22、第1の曝気機23および第2のpH調整器24をさらに加えたことである。
水処理装置の被処理水配管1には、第1の被処理水分岐配管5が接続され、第1の懸濁物質除去器8を介して第1の紫外吸光度測定器9に接続されている。第1の懸濁物質除去器8と第1の紫外吸光度測定器9との間には、第1のpH調整器20が配置されている。第1の紫外吸光度測定器9から伸びる第2の被処理水分岐配管6は、オゾン処理槽2に接続されている。
オゾン処理槽2には、水温計21が配置されている。なお、水温計21は、被処理水配管1、第1の被処理水分岐配管5、第2の被処理水分岐配管6、処理水配管4、第1の処理水分岐配管16あるいは第2の処理水分岐配管17に配置してもよい。
一方、処理水配管4には、第1の溶存オゾン濃度計22を介して第1の処理水分岐配管16が接続されている。第1の処理水分岐配管16は、第2の懸濁物質除去器18および第1の曝気機23を介して第2の紫外吸光度測定器19に接続されている。さらに、第1の曝気機23と第2の紫外吸光度測定器19との間には、第2のpH調整器24が配置されている。また、第2の紫外吸光度測定器19から伸びる第2の処理水分岐配管17は、オゾン処理槽2に接続されている。
なお、第1の溶存オゾン濃度計22は、オゾン処理槽2内の処理水出口近傍、処理水配管4と第1の処理水分岐配管16の接続部の後段、あるいは第1の処理水分岐配管16の第2の懸濁物質除去器18の前段に配置してもよい。あるいは、オゾン処理槽2内の被処理水3の溶存オゾン濃度を測定する構造としてもよい。
さらに、本実施の形態2における水処理装置では、水温計21および第1の溶存オゾン濃度計22による測定値が、制御部10に送られている。
本実施の形態2においては、第2の被処理水分岐配管6および第2の処理水分岐配管17が、オゾン処理槽2に接続されている。このような構成とすることにより、オゾンを注入した被処理水3を逆流させて、第1の紫外吸光度測定器9および第2の紫外吸光度測定器19を洗浄することができる。あるいは、第1の被処理水分岐配管5または第2の処理水分岐配管17にオゾンガスを注入する構造としてもよい。これにより、紫外吸光度測定器9、19の汚れを除去でき、紫外吸光度測定器9、19の測定精度を維持できる。
第1のpH調整器20は、被処理水3に酸やアルカリを添加して、所定pHに調整する機能を有している。これにより、第1の紫外吸光度測定器9で測定する被処理水3のpHを、6.5から8.5、さらに望ましくは、7.4から7.8に調整することができる。
被処理水のpHを調整する理由は、溶存有機物の置換基や官能基は、pHによってイオン化する割合が変化することにより、吸光度が変化することがあるためである。従って、第1のpH調整器20を備えることにより、紫外吸光度の測定精度が向上し、より適正なオゾン注入率に制御することができる。
また、第2のpH調整器24は、第1のpH調整器と同様に、処理水のpHを所定値に調整することができる機能を有している。この結果、処理水の紫外吸光度の測定精度が向上し、より適正なオゾン注入率に制御することができる。
第2の紫外吸光度測定器19の前段に第1の曝気機23を設けることにより、処理水中に溶存しているオゾンを除去できる。オゾンは、波長254nmに吸収を示すため、処理水中にオゾンが残存していると、処理水のUV254残存率にプラスの誤差を与える。このため、処理水を曝気して、溶存オゾンを除去することにより、処理水のUV254残存率の測定精度を向上させることができる。
図7は、本発明の実施の形態2において、被処理水3の水温に対する臭素酸の生成量の関係を示す図である。なお、図7に示した臭素酸の生成量は、溶存オゾン濃度と時間の積が10mg/L・min-1での値を示している。また、被処理水3には、純水を用いた。
図7に示すように、水温10℃から30℃の範囲における臭素酸の生成量を比較すると、水温20℃以上で臭素酸の生成量が増大する傾向があり、水温25℃以上で臭素酸の生成量が急激に増大する結果となっている。このため、水温25℃以上では、溶存オゾンが検出されないオゾン注入率の範囲でオゾン処理を実施する。これにより、有機物を分解し、かつ臭素酸の生成を抑制することができる。
一方、水温が10℃未満では、図7に示すように、臭素酸の生成量が低減する傾向があった。ただし、低水温時の溶存オゾン濃度制御では、溶存オゾンが検出されていたとしても、臭素酸の生成量は少ないものの、かび臭のような臭気物質が十分分解されないことが知られている。よって、水温10℃以下のような低水温期では、溶存オゾン濃度が検出されるオゾン注入率の範囲も含めて、UV254残存率に基づいてオゾン処理を実施する。
なお、溶存オゾンが検出されるオゾン注入率の範囲でオゾン処理を実施する場合には、第2の紫外吸光度測定器19の前段の第1の曝気機23で溶存オゾンを処理水から除去することにより、第2の紫外吸光度測定器19による紫外吸光度の測定精度を向上させることができる。
図8は、本発明の実施の形態2に係る水処理装置による水処理方法の一連動作を示したフローチャートである。なお、本実施の形態2における図8のフローチャートは、先の実施の形態1における図2のフローチャートに対して、ステップS202〜ステップS205が追加されている点が異なっており、ステップS102〜ステップSS110は、同じである。そこで、追加されたステップを中心に、以下に説明する。
なお、この図8のフローチャートのステップS201において、オゾン処理槽2には被処理水3が収容されており、被処理水3に対してオゾン処理を実施している状態で、本実施の形態2の水処理方法が開始されるものとする。
ステップS202において、制御部10は、水温計21の計測値を読み取り、3つのケースに場合分けをする。ケース1として、被処理水3の水温が10℃以上25℃未満の場合には、ステップS203に進み、制御部10は、溶存オゾン濃度一定制御を実施する。その後、ステップS102移行の処理に移行する。
また、ケース2として、被処理水3の水温が25℃以上の場合には、ステップS204に進み、制御部10は、被処理水3に残存オゾンが検出されないオゾン注入率の範囲で、オゾン注入率制御を実施する。すなわち、制御部10は、溶存オゾン濃度が第1の溶存オゾン濃度計22による検出下限値以下となるように、オゾン注入率の制御を行う。その後、ステップS102移行の処理に移行する。
また、ケース3として、被処理水3の水温が10℃未満の場合には、ステップS205に進み、制御部10は、第1の溶存オゾン濃度計22による測定値を上式(4)に代入することで、変曲点のUV254残存率を推定し、推定したUV254残存率に基づいてオゾン注入率制御を実施する。その後、ステップS102移行の処理に移行する。
このようにして、本実施の形態2における水処理装置は、水温計21および第1の溶存オゾン濃度計22によるそれぞれの測定値に基づいて、適切なオゾン注入制御を実施することができる。
以上のように、本実施の形態2による水処理装置では、処理水の水温に基づいて溶存オゾン濃度一定制御と紫外吸光度によるオゾン注入率制御とを切り替えることができる。また、第2の紫外吸光度測定器の前段に被処理水を曝気する手段を備えることにより、被処理水に残存しているオゾンを除去できるため、紫外吸光度をより正確に測定できる。
また、被処理水および処理水のpHを所定値に調整した後に、紫外吸光度を測定することにより、測定精度を向上させることができる。これらの構成を備えることで、被処理水の水温、水質、流量の変動に合わせて、適正なオゾン注入率を達成できる。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3による水処理装置の構成を説明するための図である。本実施の形態3の水処理装置が特徴とするところは、小型水処理装置25を加えたことである。小型水処理装置25において、変曲点のUV254残存率をリアルタイムに求めることができる。
小型水処理装置25は、第3の被処理水分岐配管26を介して、被処理水配管1に接続されている。なお、小型水処理装置25は、第1の被処理水分岐配管5、あるいは第2の被処理水分岐配管6に接続される構成であってもよい。
水処理装置の被処理水配管1には、第1の被処理水分岐配管5が接続され、第1の被処理水分岐配管5は、第1の懸濁物質除去器8を介して第1の紫外吸光度測定器9に接続されている。第1の紫外吸光度測定器9から伸びる第2の被処理水分岐配管6は、被処理水配管1と第1の被処理水分岐配管5の分岐点の後段の被処理水配管1に接続されている。
一方、処理水配管4には、第1の処理水分岐配管16が接続され、第1の処理水分岐配管16は、第2の懸濁物質除去器18を介して第2の紫外吸光度測定器19に接続されている。第2の紫外吸光度測定器19から伸びる第2の処理水分岐配管17は、処理水配管4と第1の処理水分岐配管16の分岐点の後段の処理水配管4に接続されている。
図10は、本発明の実施の形態3における小型水処理装置25の構成を説明するための図である。第3の被処理水分岐配管26は、第1の切替弁27を介して第3の懸濁物質除去器28に接続されている。第3の懸濁物質除去器28の後段には、第3の紫外吸光度測定器29を介して第2の切替弁30が接続されている。第2の切替弁30には、第4の被処理水分岐配管31および第5の被処理水分岐配管32が接続されている。
第5の被処理水分岐配管32には、処理槽33が接続されている。処理槽33から伸びる第3の処理水分岐配管34は、第2の溶存オゾン濃度計35を介して第2の曝気機36に接続され、その後段で、第1の切替弁27に接続されている。
また、処理槽33には、第2のオゾン注入器37が接続されている。なお、第2のオゾン注入器37で生成されるオゾンガスの代わりに、第1のオゾン注入器11から分岐したオゾンガスを用いてもよい。
小型水処理装置25は、第3の被処理水分岐配管26を介して被処理水3を導入し、オゾン処理を開始する。まず、被処理水3のUV254を測定するため、第1の切替弁27は、第3の懸濁物質除去器28の方向に開き、被処理水3の懸濁物質を除去する。第3の懸濁物質除去器28を経由した被処理水は、第3の紫外吸光度測定器29によりUV254が測定される。
測定後、第2の切替弁30を処理槽33側に開くことで、被処理水3が、処理槽33に導入される。処理槽33内の被処理水3には、第2のオゾン注入器37から任意の注入率のオゾンが注入される。
所定時間が経過した後、第2の溶存オゾン濃度計35で処理水の溶存オゾン濃度を測定し、オゾン注入率に対する溶存オゾン濃度を求める。処理水の溶存オゾンは、第2の曝気機36を用いて除去する。そして、除去後の処理水は、第1の切替弁27を介して、第3の紫外吸光度測定器29に導入される。そして、第3の紫外吸光度測定器29は、オゾン処理水のUV254を測定し、オゾン注入率に対するUV254残存率を求める。
本実施の形態3における小型水処理装置25は、1点以上の任意のオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度をそれぞれ求める。これにより、図3に示すようなオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度の関係を求めることができる。
上述したように、オゾン水処理と並行して、小型水処理装置25を用いて、変曲点のUV254残存率をリアルタイムに求めることにより、オゾン注入率の目標値の設定精度を向上させることができる。
図11は、本発明の実施の形態3に係る水処理装置による水処理方法の一連動作を示したフローチャートである。なお、本実施の形態3における図11のフローチャートは、先の実施の形態1における図2のフローチャートのステップS105、ステップS106の代わりに、ステップS302を用いている点が異なっており、その他のステップは、同じである。そこで、ステップS302を中心に、以下に説明する。
なお、この図11のフローチャートのステップS301において、オゾン処理槽2には被処理水3が収容されており、被処理水3に対してオゾン処理を実施している状態で、本実施の形態3の水処理方法が開始されるものとする。
本実施の形態3の水処理方法は、基本的には、先の図2を用いて説明した実施の形態1の一連動作と同様に進める。ただし、本実施の形態3では、処理水のUV254残存率推定値A254estを、被処理水のUV210から推定する代わりに、小型水処理装置25を用いて、ステップS302においてリアルタイムに算出している。
以上のように、本実施の形態3では、小型水処理装置25を用いて被処理水の変曲点のUV254残存率をリアルタイムで求める構成を備えている。この結果、被処理水の水質変動に対応して、より適正なオゾン注入率の制御を行うことができる。
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4による水処理装置の構成を説明するための図である。本実施の形態4の水処理装置が特徴とするところは、オゾン処理槽2の出入口と、中間の1点以上とからなる、少なくとも3点以上で、分光光度を測定することである。多段式のオゾン処理槽2において、1槽目と2槽目にオゾンガスを注入する場合を例として、以下に説明する。
図12において、水分岐配管38から分岐した3つの配管として、第1の分岐配管39、第2の分岐配管40、および第3の分岐配管41が示されている。そして、オゾン処理槽2の被処理水配管1には、第1の分岐配管39が接続される。また、第2の分岐配管40が、オゾン処理槽2の中間地点の被処理水3中に伸びるようにして接続され、さらに、第3の分岐配管41が処理水配管4に接続される。第1の分岐配管39〜第3の分岐配管41にはそれぞれ第1の弁39a、第2の弁40a、および第3の弁41aが設けられる。
水分岐配管38は、分光光度測定部42に接続される。分光光度測定部42による測定値は、ケーブル43を介して制御部10に送られる。制御部10は、ケーブル44を介して第1のオゾン注入器11に接続される。そして、第1のオゾン注入器11のオゾンガス散気配管14は、オゾン処理槽2の1槽目と2槽目の底部にそれぞれ配置される。
図13は、本実施の形態4における分光光度測定部42の構成を説明するための図である。分光光度測定部42は、第4の紫外吸光度測定器45、第4の懸濁物質除去器46、第4の曝気機47、および吸水ポンプ48から構成される。第4の紫外吸光度測定器45の代わりに、第1の蛍光強度測定器を用いてもよい。
第1の分岐配管39〜第3の分岐配管41の先端部は、オゾン処理槽2内の被処理水3中に配置され、それぞれ、第1の測定地点39b、第2の測定地点40b、および第3の測定地点41bが設けられる。各測定地点39b〜41bの被処理水3は、各測定地点に接続される配管に配置された弁39a〜41aのいずれかひとつが開いて吸水ポンプ48の働きにより、分光光度測定部42に送られる。
分光光度測定部42は、第4の懸濁物質除去器46により、被処理水3中の懸濁物質が除去され、第4の曝気機47により、溶存オゾンが除去される。その後、第4の紫外吸光度測定器45により、被処理水3の吸光度(UV254)が測定される。なお、第3の測定地点41bでは、溶存オゾン濃度計49を配置することで、溶存オゾン濃度を測定してもよい。
あるいは、溶存オゾン濃度を、次にようにして求めてもよい。すなわち、第3の測定地点41bで、採水した被処理水3の懸濁物質を除去した後、曝気をする前段で、1回目のUV254を測定する。続いて、1回目のUV254が測定された被処理水3を曝気して、溶存オゾンを除去した後、第4の紫外吸光度測定器45により、2回目のUV254を測定する。
そして、1回目と2回目のUV254測定値の差分から、溶存オゾン濃度を求めてもよい。後者の場合には、溶存オゾン濃度計49を設置しなくても溶存オゾン濃度の測定が可能となり、装置構成を簡素化できる。
図14は、本発明の実施の形態4に係る水処理装置による水処理方法の一連の動作を示したフローチャートである。また、図15は、本発明の実施の形態4に係る水処理装置において、被処理水3を用いてオゾン処理したときのオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度のそれぞれの関係を示した実験結果の図である。
図15には、オゾン注入率に対して、UV254残存率が黒丸●として、溶存オゾン濃度が白三角△として、それぞれプロットされている。図14、図15を用いて、実施の形態4の水処理方法を、以下に詳細に説明する。
本実施の形態4における図14中のステップS102は、先の実施の形態1における図2中のステップS102と同じである。また、本実施の形態4における図14中のステップS203は、先の実施の形態2における図8中のステップS203と同じである。そこで、追加されたステップを中心に、以下に説明する。
なお、図14のフローチャートのステップS401において、オゾン処理槽2には、被処理水3が収容されており、被処理水3に対してオゾン処理を実施している状態で、本実施の形態4の水処理方法が開始されるものとする。
よって、溶存オゾン濃度一定制御から本実施の形態4の水処理方法に切り替わった直後として、説明を実施する。このため、オゾン処理水中には、溶存オゾン濃度が検出されている状態で、本実施の形態4の水処理方法が開始されるものとする。
ステップS402において、制御部10は、水温が所定温度以上の場合に、本実施の形態4の水処理方法を開始する。夏季のような高水温期の場合、溶存オゾン濃度が検出されないにもかかわらず、臭素酸の生成が増大することがある。ここでは、所定温度を水温25℃以上として、以下に説明する。また、紫外吸光度測定器45で波長254nmの吸光度(UV254)を測定した場合を例に説明する。
本実施の形態4における分光光度測定部42は、オゾン処理槽2の3ヶ所以上で波長254nmの吸光度測定を行う。ここでは、オゾン処理槽2の入口を第1の測定地点39b、中間を第2の測定地点40b、出口を第3の測定地点40cとする。以下の説明では、第1の測定地点39bを測定地点A、第2の測定地点40bを測定地点B、第3の測定地点41bを測定地点Cとして、説明する。
また、これらの測定地点A、BおよびCにおいてUV254を測定し、各地点のUV254残存率を、それぞれUV%a、UV%bおよびUV%cとする。
水温が25度以上の場合には、ステップS102に進み、第4の紫外吸光度測定器45は、測定地点Aにおいて、懸濁物質が除去された被処理水3に関して、UV254を測定し、ステップS403に進む。なお、水温が25度未満の場合には、ステップS203に進み、制御部10は、先の図8のステップS203と同様に、溶存オゾン濃度一定制御を実施する。
次に、ステップS403において、第4の紫外吸光度測定器45は、オゾン処理槽2の中間地点Bでのオゾン注入率ObおよびUV254bを測定し、残存率UV%bを算出する。
次に、ステップS404において、制御部10は、測定地点A、Bのそれぞれにおけるオゾン注入率の測定結果、および残存率の算出結果を用いて、オゾン注入率をX、UV254残存率をYとしたときの変化曲線を、下式(5)の一次関数を用いて作成する。
Y=−aX+UV%a (5)
さらに、第4の紫外吸光度測定器45は、ステップS405において、測定地点Cにおけるオゾン注入率OcおよびUV254cを測定し、残存率UV%cを算出する。そして、制御部10は、ステップS406において、ステップS404で作成した一次関数の従属変数YとしてUV%cを代入し、独立変数Xとしてのオゾン注入率Xcを求める。
次に、制御部10は、ステップS407において、下式(6)を用いて、オゾン注入率Xuvを求める。
(溶存オゾン0.1mg/Lを検出したオゾン注入率Oc
+オゾン注入率Xc)/2 = オゾン注入率Xuv (6)
上式(6)における溶存オゾン0.1mg/Lを検出したオゾン注入率Ocは、本実施の形態4に切り替わる直前まで実施していたオゾン注入率一定制御でのオゾン注入率を利用することができる。
すなわち、オゾン注入率一定制御では、オゾン処理水中に溶存オゾンが0.1mg/L検出されるようにオゾン注入率を制御している。このため、本実施の形態4に切り替えた直後は、オゾン注入率一定制御のオゾン注入率が、オゾン注入率Ocとして利用できる。
次に、ステップS408において、制御部10は、オゾン注入率Xuvを、オゾン注入率Ocに設定して、本実施の形態4による水処理を継続する。続いて、ステップS409において、制御部10は、測定地点Cでの溶存オゾン濃度を測定し、溶存オゾン検出の有無を判定する。
溶存オゾンが検出された場合には、ステップS402に進み、制御部10は、本実施の形態4によるオゾン注入率の制御を繰り返し実行する。一方、溶存が検出されない場合には、ステップS410に進み、制御部10は、オゾン注入率Ocとオゾン注入率Xcの関係を、下式(7)を用いて比較する。
オゾン注入率Oc>オゾン注入率Xc (7)
そして、制御部10は、オゾン注入率Ocが上式(7)に適合する場合には、ステップS402に戻り本実施の形態4によるオゾン注入率の制御を繰り返し実行する。一方、適合しない場合には、ステップS411に進み、制御部10は、上式(7)に適合するまでオゾン注入率を増大する。
連続的に水処理を実施する場合には、被処理水3の水質および流入水量が変動する。このため、制御部10は、一定時間毎に、溶存オゾン濃度が検出された場合(ステップS409でYesと判定された場合に相当)、あるいは上式(7)のオゾン注入率Oc>オゾン注入率Xcの関係が成立した場合(ステップS410でYesと判定された場合に相当)には、現状のオゾン注入率を維持するように制御する。
このようにして、本実施の形態4における水処理装置は、オゾン処理槽2の出入口および1点以上の中間点からなる少なくとも3ヶ所以上でUV254を測定し、それらの測定結果に基づいて関係式を作成して、オゾン注入率を制御する。
すなわち、本実施の形態4における水処理装置は、上式(5)〜(7)を用いて、オゾン注入率に対するUV254残存率の傾きが小さくなるオゾン注入率を推定し、その推定したオゾン注入率を目標値として、オゾン注入率を制御する。
図15に示すように、夏季のような高水温期では、溶存オゾンが未検出のオゾン注入率の範囲において、図3に示したようにオゾン注入率に対するUV254残存率の傾きが小さくなる変曲点がある。よって、夏季のような高水温期では、UV254残存率を指標としてオゾン注入率を制御することで、溶存オゾン検出の有無にかかわらず、有機物の分解に必要なオゾンを被処理水に注入できる。
測定地点Aは、反応槽入口のため、オゾン注入率0mg/L、UV254残存率100%である。そこで、制御部10は、測定地点A、BのUV254残存率を用いて、オゾン注入率に対してUV254残存率が低減する上式(5)を作成する。さらに、制御部10は、測定地点CのUV%cを、上式(5)のYに代入して、オゾン注入率Xcを求める。これらの値を用いたオゾン注入率の算出方法を、以下に示す。
水温が25℃以上に上昇すると、制御部10は、オゾン注入率の制御指標を溶存オゾン濃度からUV254残存率に切り替える。次に、制御部10は、切替直前のオゾン注入率、すなわち、溶存オゾン0.1mg/Lが検出されたオゾン注入率Ocを用いて、(Xc+Oc)/2(上式(6)に相当)からオゾン注入率Xuvを設定する。そして、制御部10は、Xuvのオゾン注入率を目標にして、本実施の形態4によるオゾン注入率を制御する。
オゾン注入率の制御方法について、測定地点Cで溶存オゾン濃度が検出される場合には、オゾン注入率が過剰のため、溶存オゾン濃度制御から本実施の形態4のオゾン注入率制御に切り替えた直後と同じ要領で、オゾン注入率を設定する。
図16は、本発明の実施の形態4に係る水処理装置において、被処理水3をオゾン処理した際にオゾン注入率が不足している場合における、オゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾン濃度のそれぞれの関係を示した図である。
なお、図16においては、オゾン注入率に対するUV254残存率の実験結果が、黒丸●としてプロットされており、オゾン注入率に対する溶存オゾン濃度の実験結果が、白三角△としてプロットされている。
オゾン注入率Ocとオゾン注入率Xcが同等の場合、すなわち、上式(5)の一次関数の直線上に測定地点CのUV%cが存在する場合には、オゾン注入率が不足していることになる。そこで、制御部10は、オゾン注入率Oc>オゾン注入率Xcの関係が成立するまで、オゾン注入率を増大させる。
なお、本実施の形態4における水処理では、分光光度測定部42に紫外吸光度測定器45を用いた場合を例に説明したが、分光光度測定部に蛍光強度測定器を用いてもよい。蛍光強度測定器を用いた場合には、被処理水中のフミン物質と相関の高い波長200nm〜370nmの任意の波長の光で励起することで、波長400nm〜460nmの任意の波長の蛍光を測定する。
好ましくは、波長260nmの光で励起することで、波長450nmの蛍光を測定する。蛍光強度は、溶存酸素、温度、濃度および共存物質による消光現象が知られている。このため、蛍光強度で本実施の形態4による水処理を実施する場合には、測定サンプルに所定濃度の蛍光物質を添加し、測定値は、添加した蛍光物質の蛍光強度との相対値として評価する。
蛍光物質は、処理水を曝気して溶存オゾンを除去後に、処理水に添加される。フミン物質と相関の高い蛍光強度測定では、溶存オゾンの影響を受けない。しかしながら、処理水中に溶存オゾンが残存していると、オゾン処理水に添加した蛍光物質が、オゾンにより分解される可能性がある。
そこで、オゾン処理水を曝気して溶存オゾンを処理水から除去した後、オゾン処理水に蛍光物質を添加する。これにより、蛍光物質がオゾンで分解されるのを防止できる。さらに、蛍光強度を測定する前に懸濁物質を除去することで、蛍光強度の相対評価の精度が向上する。
本実施の形態4における水処理装置は、各測定地点A〜Cの蛍光強度を測定し、各測定地点での相対蛍光強度を算出した後、UV254を用いた場合と同様の方法で、オゾン注入率に対する相対蛍光強度の残存率の傾きが小さくなるオゾン注入率を推定する。そして、制御部10は、この推定したオゾン注入率を目標として、オゾン注入率を制御する。
このように、実施の形態4の水処理方法では、オゾン処理槽2の複数地点で有機物濃度と相関のある波長の紫外吸光度、あるいは蛍光強度を測定する構成を備えている。これにより、溶存オゾンが検出されないオゾン注入率の範囲において、被処理水の水質に合わせて、オゾン注入率を制御できる。さらに、被処理水中の有機物を分解しつつ、副生成物である臭素酸の生成を抑制できる。
また、被処理水の水温が所定温度以上か否かに応じて、溶存オゾン濃度一定制御と本実施の形態4によるオゾン注入率制御とを切り替えることにより、水質変動および水量変化に合わせたオゾン注入率の制御ができる。
実施の形態5.
本実施の形態5では、水温が所定温度以下の場合におけるオゾン注入率制御について説明する。図17は、本発明の実施の形態5に係る水処理装置による水処理方法の一連の動作を示したフローチャートである。図18は、本発明の実施の形態5に係る水処理方法において、所定の水温以下で被処理水3を用いてオゾン処理したときのオゾン注入率に対するUV254残存率と溶存オゾンの変化をそれぞれ示した図である。
図17、図18を用いて、実施の形態5について、以下に説明する。なお、本実施の形態5による水処理装置が特徴とするところは、オゾン処理槽2の出入口と中間の1点以上とからなる、少なくとも3点以上で分光光度を測定し、所定水温以下において溶存オゾンが検出されるオゾン注入率であっても、UV254残存率を用いてオゾン注入率を制御することである。
本実施の形態5における図17中のステップS102は、先の実施の形態1における図2中のステップS102と同じである。また、本実施の形態5における図17中のステップS203は、実施の形態2における図8中のステップS203と同じである。さらに、本実施の形態5における図17中のステップS403〜S406、S410、S411は、先の実施の形態4における図14中のステップS403〜S406、ステップS410、ステップS411と同じである。そこで、追加されたステップを中心に、以下に説明する。
なお、図17のフローチャートのステップS501において、オゾン処理槽2には、被処理水3が収容されており、被処理水3に対してオゾン処理を実施している状態で、本実施の形態5の水処理方法が開始されるものとする。
よって、溶存オゾン濃度一定制御から本実施の形態5の水処理方法に切り替わった直後として、説明を実施する。このため、オゾン処理水中には、溶存オゾン濃度が検出されている状態で、本実施の形態5の水処理方法が開始されるものとする。
ステップS502において、制御部10は、水温が所定温度未満の場合に、本実施の形態5の水処理方法を開始する。冬季のような低水温期の場合、オゾンの自己分解が抑制されるため、少ないオゾン注入率で溶存オゾンが検出され、有機物の分解に必要なオゾンが被処理水に十分注入されないことが懸念される。ここでは、所定温度を水温10℃として、以下に説明する。また、紫外吸光度測定器45で波長254nmの吸光度(UV254)を測定した場合を例に説明する。
図17に示す実施の形態5によるフローチャートにおけるステップS102、S403〜S406の一連処理は、図14に示す先の実施の形態4によるフローチャートと同じである。そして、制御部10は、ステップS406において、オゾン注入率Xcを求めた後、ステップS410に進む。
そして、制御部10は、ステップS410において、オゾン注入率Ocが上式(7)に適合する場合には、ステップS502に戻り、本実施の形態5によるオゾン注入率の制御を繰り返し実行する。一方、適合しない場合には、ステップS411に進み、制御部10は、上式(7)に適合するまでオゾン注入率を増大する。
次に、ステップS503において、制御部10は、測定地点Cにおいて、溶存オゾン濃度が所定濃度以下として検出されるか否かを判定する。そして、溶存オゾン濃度が所定濃度以下の場合には、ステップS502に戻り、制御部10は、本実施の形態5によるオゾン注入率の制御を繰り返し実行する。
一方、溶存オゾン濃度が所定濃度以下でない場合には、ステップS504に進み、制御部10は、溶存オゾンが所定濃度以下になるまで、オゾン注入率を低減する。ここでは、測定地点Cにおいて検出される溶存オゾン濃度の所定濃度としては、0.1mg/L〜2.0mg/Lの範囲が考えられる。そして、好ましくは、制御部10は、溶存オゾン濃度を0.5mg/L以下に制御する。
図18に示すように、冬季のような低水温期では、溶存オゾンが検出されるオゾン注入率の範囲において、図3に示したような、オゾン注入率に対するUV254残存率の傾きが小さくなる変曲点がない。これは、冬季のような低水温期では、オゾンの自己分解速度が遅いため、少ないオゾン注入率で溶存オゾンが検出されるためである。
測定地点Aは、反応槽入口のため、オゾン注入率0mg/L、UV254残存率100%である。そこで、制御部10は、測定地点A、BのUV254残存率を用いて、オゾン注入率に対してUV254残存率が低減する上式(5)を作成する。ここで、測定地点CのUV%cを、上式(5)のYに代入して、オゾン注入率Xcを求めると、上式(7)の関係が成立しない。
このため、制御部10は、上式(7)の関係が成立するまで、測定地点Cでのオゾン注入率を増大し、上式(7)の関係が成立するオゾン注入率をXuvに設定する。このとき、測定地点Cにおいて、溶存オゾンが所定濃度を超えて検出される場合には、制御部10は、溶存オゾン濃度が所定濃度以下となるまで、オゾン注入率を低減し、上式(7)の関係が成立し、かつ、溶存オゾンが所定濃度以下となる最大のオゾン注入率をXuvに設定する。
このように、溶存オゾン濃度をオゾン注入率の上限として利用することにより、溶存オゾンが検出されるオゾン注入率であっても、臭素酸の生成量を増大させ過ぎずに、有機物の分解と臭素酸の生成抑制とを両立させることができる。
本実施の形態5では、溶存オゾンが検出されるオゾン注入率において、UV254残存率を測定する。このため、採水した被処理水3を曝気して溶存オゾンを除去した後で、UV254を測定する。これにより、UV254の変化を精度よく測定することができる。
溶存オゾン濃度一定制御の場合、被処理水中の有機物の分解に必要なオゾンが注入されているか、わからなかった。これに対して、本実施の形態5では、有機物と相関のあるUV254残存率を指標としてオゾン注入率を制御することで、溶存オゾン検出の有無にかかわらず、有機物の分解に必要なオゾンを被処理水に注入できる。
なお、本実施の形態5における水処理では、分光光度測定部42に紫外吸光度測定器45を用いた場合を例に説明したが、分光光度測定部に蛍光強度測定器を用いてもよい。蛍光強度測定器を用いた場合には、被処理水中のフミン物質と相関の高い波長200nm〜370nmの任意の波長の光で励起することで、波長400nm〜460nmの任意の波長の蛍光を測定する。
好ましくは、波長260nmの光で励起することで、波長450nmの蛍光を測定する。蛍光強度は、溶存酸素、温度、濃度および共存物質による消光現象が知られている。このため、蛍光強度で本実施の形態5による水処理を実施する場合には、測定サンプルに所定濃度の蛍光物質を添加し、測定値は、添加した蛍光物質の蛍光強度との相対値として評価する。
蛍光物質は、処理水を曝気して溶存オゾンを除去後に、処理水に添加する。フミン物質と相関の高い蛍光強度測定では、溶存オゾンの影響を受けない。しかしながら、処理水中に溶存オゾンが残存していると、オゾン処理水に添加した蛍光物質が、オゾンにより分解される可能性がある。
そこで、オゾン処理水を曝気して溶存オゾンを処理水から除去した後、オゾン処理水に蛍光物質を添加する。これにより、蛍光物質がオゾンで分解されるのを防止できる。さらに、蛍光強度を測定する前に懸濁物質を除去することで、各測定地点での蛍光強度の相対評価の精度が向上する。
本実施の形態5における水処理装置は、各測定地点A〜Cの蛍光強度を測定し、各測定地点での相対蛍光強度を算出した後、UV254を用いた場合と同様の方法で、オゾン注入率に対する相対蛍光強度の残存率の傾きが小さくなるオゾン注入率を推定する。そして、制御部10は、この推定した推定したオゾン注入率を目標として、オゾン注入率を制御する。
このように、実施の形態5の水処理方法では、オゾン処理槽2の複数地点で有機物濃度と相関のある波長の紫外吸光度あるいは蛍光強度を測定する構成を備えている。これにより、被処理水の水質に合わせてオゾン注入率を制御することができる。
さらに、水温が低く、少ないオゾン注入率で溶存オゾンが検出される場合に、溶存オゾンが検出されるオゾン注入率の範囲においても、被処理水中の有機物の分解に必要なオゾン注入率を維持することができる。
また、被処理水の水温が所定温度未満か否かに応じて、溶存オゾン濃度一定制御と本発明の実施の形態5によるオゾン注入率制御とを切り替えることにより、水質変動および水量変化に合わせた制御ができる。

Claims (15)

  1. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    複数の地点における前記被処理水の紫外吸光度を、少なくとも第1の波長を用いて測定する測定部と、
    前記測定部により測定された前記複数の地点における測定結果に基づいて、前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を推定し、推定した前記残存率を用いて前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと
    を備え、
    前記被処理水は、第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物およびフミン物質を含有し、
    前記測定部は、前記処理槽に導入される前記被処理水に関して、
    前記第1の波長および第2の波長を含む2種類以上の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、
    前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と
    を有し、
    前記第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、前記第2の波長は、200nm以上230nm以下とし、
    前記コントローラは、推定した前記残存率に基づく前記オゾン注入率の制御を行う際に、
    前記第1の測定器による前記第2の波長の測定値から、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値を算出して目標値として設定し、
    前記第3の測定器の前記第1の波長の測定値を前記第1の測定器の第1の波長の測定値で除算することで、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値を算出し、
    前記目標値として設定した前記第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値と、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値との差が最小となるように、前記オゾン注入率を制御する
    水処理装置。
  2. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    複数の地点における前記被処理水の紫外吸光度を、少なくとも第1の波長を用いて測定する測定部と、
    前記測定部により測定された前記複数の地点における測定結果に基づいて、前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を推定し、推定した前記残存率を用いて前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと
    を備え、
    前記被処理水は、第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物を含有し、
    前記測定部は、前記複数の地点を、前記処理槽の入口に設けられた第1測定地点、前記処理槽内に設けられた第2測定地点、および前記処理槽の出口に設けられた第3測定地点からなる3地点とした場合に、
    前記第1測定地点における前記被処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、
    前記第2測定地点における前記被処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第2の測定器と、
    前記第3測定地点における前記処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と
    を有し、
    前記第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、
    前記コントローラは、
    前記第1の測定器による測定値から、前記第1測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を第1残存率として算出し、
    前記第2の測定器による測定値から、前記第2測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を第2残存率として算出し、
    前記第3の測定器による測定値から、前記第3測定地点における前記処理水の前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を第3残存率として算出し、
    前記第1残存率と前記第2残存率とから導かれる1次関数を作成し、
    前記第3残存率を従属変数とした場合の前記1次関数における独立変数を算出し、算出した前記独立変数に基づいて前記オゾン注入率を制御する
    水処理装置。
  3. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    複数の地点における前記被処理水の蛍光強度を、少なくとも第1の波長を用いて測定する測定部と、
    前記測定部により測定された前記複数の地点における測定結果に基づいて、前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の蛍光強度の残存率を推定し、推定した前記残存率を用いて前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと
    を備え、
    前記被処理水は、第1の波長の蛍光強度と相関のある有機物を含有し、
    前記測定部は、前記複数の地点を、前記処理槽の入口に設けられた第1測定地点、前記処理槽内に設けられた第2測定地点、および前記処理槽の出口に設けられた第3測定地点からなる3地点とした場合に、
    前記第1測定地点における前記被処理水に関して、前記第1の波長の蛍光強度を測定する第1の測定器と、
    前記第2測定地点における前記被処理水に関して、前記第1の波長の蛍光強度を測定する第2の測定器と、
    前記第3測定地点における前記処理水に関して、前記第1の波長の蛍光強度を測定する第3の測定器と
    を有し、
    前記第1の波長の励起光は、波長200nm以上370nm以下とし、前記第1の波長の蛍光は、波長400nm以上460nm以下とし、
    前記コントローラは、
    前記第1の測定器による測定値から、前記第1測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の蛍光強度の残存率を第1残存率として算出し、
    前記第2の測定器による測定値から、前記第2測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の蛍光強度の残存率を第2残存率として算出し、
    前記第3の測定器による測定値から、前記第3測定地点における前記処理水の前記第1の波長の蛍光強度の残存率を第3残存率として算出し、
    前記第1残存率と前記第2残存率とから導かれる1次関数を作成し、
    前記第3残存率を従属変数とした場合の前記1次関数における独立変数を算出し、算出した前記独立変数に基づいて前記オゾン注入率を制御する
    水処理装置。
  4. 前記被処理水の水温を測定する水温計をさらに備え、
    前記コントローラは、
    前記被処理水の水温が第1の温度範囲にある場合には、前記被処理水の溶存オゾン濃度に基づいて前記オゾン注入率を制御し、
    前記被処理水の水温が前記第1の温度範囲よりも温度が高い範囲である第2の温度範囲にある場合には、前記溶存オゾン濃度が検出下限値以下になるように、前記オゾン注入率を制御し、
    前記被処理水の水温が前記第1の温度範囲よりも温度が低い範囲である第3の温度範囲にある場合には、紫外吸光度または蛍光強度の測定値に基づいてオゾン注入率を制御する
    請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  5. 前記コントローラは、前記水温計により測定された0℃以上50℃未満の温度範囲の水温に関して、
    前記第1の温度範囲を、10℃以上25℃未満とし、
    前記第2の温度範囲を、25℃以上50℃未満とし、
    前記第3の温度範囲を、0℃以上10℃未満として規定する
    請求項に記載の水処理装置。
  6. 前記第1の測定器の前段と前記第3の測定器の前段のそれぞれに、懸濁物質を除去するための懸濁物質除去器
    をさらに備える請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  7. 前記第1の測定器の前段と前記第3の測定器の前段のそれぞれに、pH値を所望の値に調整するためのpH調整器
    をさらに備える請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  8. 前記pH調整器は、前記所望の値を7.4〜7.8の範囲として、前記被処理水および前記処理水のpH値を調整する
    請求項に記載の水処理装置。
  9. 前記第3の測定器の前段に、前記処理水を曝気するための曝気機
    をさらに備える請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  10. 前記第1の測定器と前記第3の測定器を、オゾンを含む水で洗浄する洗浄機構
    をさらに備える請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  11. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    前記処理槽に導入される前記被処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、
    前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と、
    前記第1の測定器および前記第3の測定器による測定結果に基づいて、前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと、
    前記被処理水を導入してオゾン処理を実施し、前記オゾン処理の結果に基づいてオゾン注入率の目標値をリアルタイムで算出する小型水処理装置と
    を備え、
    前記被処理水は、第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物を含有し、
    前記第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、
    前記コントローラは、
    前記第3の測定器の前記第1の波長の測定値を前記第1の測定器の第1の波長の測定値で除算することで、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値を算出し、
    前記小型水処理装置で算出された前記オゾン注入率の目標値と、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値との差が最小となるように、前記オゾン注入率を制御する
    水処理装置。
  12. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    前記処理槽に導入される前記被処理水に関して、第1の波長および第2の波長を含む2種類以上の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、
    前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と、
    前記第1の測定器および前記第3の測定器による測定結果に基づいて、前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと
    を備えた水処理装置を用いて、前記第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物およびフミン物質を含有する被処理水に適用される水処理方法であって、
    前記第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、前記第2の波長は、200nm以上230nm以下とし、
    前記コントローラにおいて、
    前記第1の測定器による前記第2の波長の測定値から、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値を算出して目標値として設定するステップと、
    前記第3の測定器の前記第1の波長の測定値を前記第1の測定器の第1の波長の測定値で除算することで、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値を算出するステップと、
    前記目標値として設定した前記第1の波長の紫外吸光度の残存率推定値と、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値との差が最小となるように、前記オゾン注入率を制御するステップと
    を有する水処理方法。
  13. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    前記処理槽の入口に設けられた第1測定地点における前記被処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、
    前記処理槽内に設けられた第2測定地点における前記被処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第2の測定器と、
    前記処理槽の出口に設けられた第3測定地点における前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と、
    前記第1の測定器、前記第2の測定器、および前記第3の測定器による測定結果に基づいて、前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと
    を備えた水処理装置を用いて、前記第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物を含有する被処理水に適用される水処理方法であって、
    前記第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、
    前記コントローラにおいて、
    前記第1の測定器による測定値から、前記第1測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を第1残存率として算出するステップと、
    前記第2の測定器による測定値から、前記第2測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を第2残存率として算出するステップと、
    前記第3の測定器による測定値から、前記第3測定地点における前記処理水の前記第1の波長の紫外吸光度の残存率を第3残存率として算出するステップと、
    前記第1残存率と前記第2残存率とから導かれる1次関数を作成するステップと、
    前記第3残存率を従属変数とした場合の前記1次関数における独立変数を算出するステップと、
    算出した前記独立変数に基づいて前記オゾン注入率を制御するステップと
    を有する水処理方法。
  14. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    前記処理槽の入口に設けられた第1測定地点における前記被処理水に関して、第1の波長の蛍光強度を測定する第1の測定器と、
    前記処理槽内に設けられた第2測定地点における前記被処理水に関して、前記第1の波長の蛍光強度を測定する第2の測定器と、
    前記処理槽の出口に設けられた第3測定地点における前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の蛍光強度を測定する第3の測定器と、
    前記第1の測定器、前記第2の測定器、および前記第3の測定器による測定結果に基づいて、前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと
    を備えた水処理装置を用いて、前記第1の波長の蛍光強度と相関のある有機物を含有する被処理水に適用される水処理方法であって、
    前記第1の波長の励起光は、波長200nm以上370nm以下とし、前記第1の波長の蛍光は、波長400nm以上460nm以下とし、
    前記コントローラにおいて、
    前記第1の測定器による測定値から、前記第1測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の蛍光強度の残存率を第1残存率として算出するステップと、
    前記第2の測定器による測定値から、前記第2測定地点における前記被処理水の前記第1の波長の蛍光強度の残存率を第2残存率として算出するステップと、
    前記第3の測定器による測定値から、前記第3測定地点における前記処理水の前記第1の波長の蛍光強度の残存率を第3残存率として算出するステップと、
    前記第1残存率と前記第2残存率とから導かれる1次関数を作成するステップと、
    前記第3残存率を従属変数とした場合の前記1次関数における独立変数を算出するステップと、
    算出した前記独立変数に基づいて前記オゾン注入率を制御するステップと
    を有する水処理方法。
  15. 被処理水を導入して収容する処理槽にオゾンガスを注入するオゾン注入設備と、
    前記処理槽に導入される前記被処理水に関して、第1の波長の紫外吸光度を測定する第1の測定器と、
    前記処理槽でオゾン処理された後の処理水に関して、前記第1の波長の紫外吸光度を測定する第3の測定器と、
    前記第1の測定器および前記第3の測定器による測定結果に基づいて、前記オゾン注入設備によるオゾン注入率を制御するコントローラと、
    前記被処理水を導入してオゾン処理を実施し、前記オゾン処理の結果に基づいてオゾン注入率の目標値をリアルタイムで算出する小型水処理装置と
    を備えた水処理装置を用いて、前記第1の波長の紫外吸光度と相関のある有機物を含有する被処理水に適用される水処理方法であって、
    前記第1の波長は、240nm以上270nm以下とし、
    前記コントローラにおいて、
    前記第3の測定器の前記第1の波長の測定値を前記第1の測定器の第1の波長の測定値で除算することで、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値を算出するステップと、
    前記小型水処理装置で算出された前記オゾン注入率の目標値と、前記処理水の第1の波長の紫外吸光度の残存率測定値との差が最小となるように、前記オゾン注入率を制御するステップと
    を有する水処理方法。
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