JP2007000767A - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量を抑制しながら、難分解性有機物を十分に分解することのできる水処理方法を提供すること。
【解決手段】被処理水をラジカルにより浄化する水処理方法であって、糖類、アミノ酸、脂質、フミン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される電子供与物質を前記被処理水に注入することを含む水処理方法である。ラジカルは、オゾンと過酸化水素とを併用することにより生成させることが好ましい。また、電子供与物質は、0.1μmol/L〜30μmol/Lとなるように被処理水に注入されることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、臭素イオン被処理水を効率よく浄化する水処理方法および水処理装置に関する。
オゾン処理は、高度浄水処理の主要プロセスである。オゾンは、浄水原水などの被処理水の殺菌、脱臭および脱色に有効であるが、被処理水中の臭素イオンは酸化されて発ガン性の疑いのある臭素酸イオンを生成する。臭素酸イオンの生成は、臭素イオンおよびオゾンによる生成経路(オゾンルート)と、臭素イオンおよびオゾンの自己分解により生成するヒドロキシラジカル(・OH)などラジカル種による生成経路(ラジカルルート)の2種類の経路がある。オゾンルートでは、被処理水中の臭素イオン(Br)は、オゾンと反応して次亜臭素酸イオン(OBr)を生成し、次亜臭素酸イオンはオゾンによりさらに酸化されて臭素酸イオン(BrO )が生成する。ラジカルルートでは、ラジカルおよびオゾンにより臭素酸イオンが生成する。臭素酸イオンは、主にラジカルルートで生成することが報告されている。
そして、平成16年の水道法の水質基準の改正にともない、臭素酸イオンは10μg/L以下に規制され、浄水場では臭素酸イオンの生成を抑制する様々な対策がとられている。具体的な対策としては、オゾン注入率制御や溶存オゾン濃度制御などが挙げられる。
近年、河川水、湖水等の被処理水には、農薬類などオゾンでは分解されにくい難分解性有機物が溶存していることが問題となっており、これらを分解除去するためには高いオゾン注入率が必要となる。臭素酸イオンの生成量はオゾン注入率が高くなるほど増大することから、オゾン単独処理で難分解性有機物を分解除去すると同時に臭素酸イオンの生成を抑制することは難しい。そこで、オゾンよりも酸化力の強いラジカルを用いて難分解性有機物を分解除去する促進酸化処理技術を、浄水処理に適用する試みがなされている(例えば、特許文献1、2および3を参照)。これらの促進酸化処理技術は、オゾンでは分解されにくい難分解性有機物を分解除去するのに有効であるが、ラジカルにより臭素酸イオン生成が増大する恐れがある。河川水や湖水中の難分解性有機物は低濃度であるため、難分解性有機物の分解除去に必要なラジカルは微量である。しかし、従来の促進酸化処理技術では、難分解性有機物の分解除去に必要以上のラジカルが生成されため、臭素酸イオンの生成量が増大するという問題があった。
そこで、臭素酸イオンの生成を抑制する対策として、促進酸化処理技術の1つであるオゾン/過酸化水素処理において、過酸水素注入率を増大することにより臭素酸イオンの生成を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。しかし、過酸化水素注入率を増大することにより難分解性有機物の分解除去率が低下することが報告されており、また薬液費用の増加や余剰の過酸化水素の除去が必要となってコストが掛かるという欠点があった。そのため、促進酸化処理技術にはラジカル反応を最適化する処理方法が望まれていた。
特開2003−1279号公報 特開2002−35775号公報 特開2002−11485号公報 特表2002−514134号公報
河川水や湖水中の難分解性有機物は低濃度であるため、これらの有機物は微量のラジカルで分解除去できると考えられる。しかし、従来の促進酸化処理技術においては、難分解性有機物の分解除去に必要以上のラジカルが生成されるので、余剰のラジカルにより臭素酸イオンが生成するとともに、過酸化水素の消費量が増大するという問題があった。そこで、ラジカルが極めて低い濃度で生成される状態を維持することができれば、難分解性有機物を十分に分解除去する処理時間を確保でき、臭素酸イオンの生成量および過酸化水素の消費量を抑制することができる。すなわち、臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量を抑制しながら、難分解性有機物を十分に分解するためには、ラジカル反応を制御することが不可欠である。
そこで、本発明者らは、河川水、湖水等の被処理水をラジカルにより浄化する水処理方法について鋭意検討した結果、被処理水に特定の電子供与物質を注入することで、難分解性有機物を安全な濃度域まで十分に分解でき、かつ臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量が顕著に低減することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、被処理水をラジカルにより浄化する水処理方法であって、糖類、アミノ酸、脂質、フミン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される電子供与物質を前記被処理水に注入することを含む水処理方法である。
また、本発明は、被処理水をラジカルにより浄化する水処理装置であって、糖類、アミノ酸、脂質、フミン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される電子供与物質を前記被処理水に注入する電子供与物質注入手段を備える水処理装置である。
本発明によれば、生成するラジカルを極めて低い濃度に維持することができるので、臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量を抑制しながら、難分解性有機物を十分に分解することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る水処理装置を説明するためのフロー図である。
図1において、実施の形態1に係る水処理装置は、被処理水導入ライン1と、被処理水導入ライン1の下流側に接続されたオゾン接触槽2と、オゾン接触槽2に接続された排水ライン3とを備えており、水質計4が被処理水導入ライン1の上流側に配設され、さらに水質計4の下流側に電子供与物質注入手段としての電子供与物質注入ライン5と、過酸化水素注入ライン6とが順次接続されている。そして、水質計4は、電子供与物質制御装置7を介して電子供与物質注入ライン5と接続されている。また、オゾン接触槽2内には、散気板8が配設されており、散気板8にはオゾンガス供給管9を介してオゾン発生器10が接続されている。さらに、オゾン接触槽2の上部には、排オゾンガス排出管11が接続されている。
次に、上記のように構成された水処理装置による水処理方法について説明する。まず、臭素酸イオンの生成源となる物質を含む被処理水が、被処理水導入ライン1に導入され、次いで、電子供与物質注入ライン5から電子供与物質および過酸化水素注入ライン6から過酸化水素がそれぞれ注入される。
電子供与物質の注入量は、水質計4で測定された被処理水の水質に合わせて、電子供与物質制御装置7で調整される。ここで、電子供与物質の注入量は、好ましくは、被処理水の全有機性炭素(TOC)濃度が5mg/Lを超えない範囲で、かつ好ましくは、0.1μmol/L〜30μmol/L、より好ましくは、3μmol/L〜30μmol/Lとなるように被処理水に注入すればよい。電子供与物質の注入量が0.1μmol/L未満であると、ラジカル反応の制御が不十分となる場合があり、30μmol/Lを超えると、被処理水中のTOC濃度が高くなってTOC除去処理コストがかさむ恐れがある。また、過酸化水素の注入量は、0.05〜5mg/Lであることが好ましい。
ここで用いられる電子供与物質は、糖類、アミノ酸、脂質、フミン酸およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである。糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、でんぷん、セルロース、アルギン酸ナトリウム、キチン、キトサンが挙げられる。アミノ酸としては、トリプトファン、ロイシン、リジン、イソロイシン、バリン、スレオニン、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、アルギニン、シスチン、チロシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、ロイシン、トレオニンの20種が挙げられる。脂質としては、例えば、レシチン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが挙げられる。
続いて、電子供与物質および過酸化水素が注入された被処理水は、オゾン接触槽2内に導入されるとともに、オゾン発生器10で発生されたオゾンガスが、オゾンガス供給管9を通って散気板8からオゾン接触槽2内に吹き込まれ、被処理水中に溶解される。ここでオゾンガスの注入量は、0.1〜5.0mg/Lであることが好ましい。このように過酸化水素とオゾンとを併用することでラジカルが生成され、このラジカルにより難分解性有機物の分解反応が進行する。溶解しきれなかったオゾンガスや未反応のオゾンガスは、排オゾンガスとして排オゾンガス排出管11を介して系外に排出される。本実施の形態1では、被処理水に電子供与物質が注入されているので、難分解性有機物の分解除去効果を維持しつつ、過酸化水素の消費量および臭素酸イオンの生成量を大幅に低減することができ、より安全性の高い処理水とすることができる。また、過酸化水素の消費量が大幅に低減されるので、過酸化水素注入量を抑制することができ、薬液費用および余剰の過酸化水素を除去する費用を抑えることができる。
そして、被処理水は、オゾン接触槽2内に一定時間滞留した後、難分解性有機物が分解除去された処理水として排水ライン3から系外に排水される。
このように本実施の形態1によれば、糖類、アミノ酸、脂質、フミン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される電子供与物質を被処理水に注入することで、生成するラジカルを極めて低い濃度に維持することができ、臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量を抑制しながら、難分解性有機物を十分に分解することができる。これに対して、従来のオゾン/過酸化水素処理では、過酸化水素注入量を可能な限り小さくすることにより生成するOHラジカルの絶対量を抑制していたが、過酸化水素注入量を抑制するだけでは、OHラジカルが瞬時に生成されて反応に消費されるため、難分解性有機物を安全な濃度域まで分解除去する処理時間を確保できなかった。さらに、過酸化水素の残留濃度が低下すると臭素酸イオンが急激に生成されるため、過酸化水素注入量を抑制することにより臭素酸イオン生成が増大する恐れがあった。すなわち、従来のオゾン/過酸化水素処理では、過酸水素注入量を低減すると、難分解性有機物を十分に分解できないうえに、臭素酸イオンの生成を抑制することはできないのである。
なお、本実施の形態1において、被処理水への電子供与物質と過酸化水素との注入順序に特に制限はなく、過酸化水素を注入した後に電子供与物質を注入してもよく、電子供与物質を注入した後に過酸化水素を注入してもよく、あるいは過酸化水素と電子供与物質とを同時に注入してもよい。また、電子供与物質の注入場所は、被処理水導入ライン1に限定するものではなく、オゾン接触槽2に直接注入することもできる。
また、本実施の形態1では、ラジカルによる被処理水の浄化法として、オゾン/過酸化水素処理を採用したが、オゾン/紫外線処理、紫外線/過酸化水素処理、オゾン/紫外線/過酸化水素処理などにおいても、難分解性有機物の分解除去、過酸化水素消費量低減、臭素酸イオン生成抑制を同時に達成することができる。また、本発明では、難分解性有機物の分解例を示したが、被処理水の殺菌、脱臭や脱色にも適用することができる。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る水処理装置を説明するためのフロー図である。
図2において、実施の形態2に係る水処理装置は、オゾン接触槽2内に設置された紫外線ランプ12と、紫外線ランプ12を取り囲むようにオゾン接触槽2内に設置された紫外線ランプ保護管13と、紫外線ランプ12に接続され、オゾン接触槽2外に設置された紫外線ランプ電源14とから構成される紫外線照射装置を備えている。その他の構成については、図1に示す構成と同様であるので、本実施の形態では、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
次に、上記のように構成された水処理装置による水処理方法について説明する。まず、被処理水が、被処理水導入ライン1に導入され、次いで、電子供与物質注入ライン5から電子供与物質が注入される。電子供与物質の注入量は、実施の形態1と同様である。また、電子供与物質としては、実施の形態1で例示したものを同様に用いることができる。
続いて、電子供与物質が注入された被処理水は、オゾン接触槽2内に導入されるとともに、オゾン発生器10で発生されたオゾンガスが、オゾンガス供給管9を通って散気板8からオゾン接触槽2内に吹き込まれ、被処理水中に溶解される。溶解しきれなかったオゾンガスや未反応のオゾンガスは、排オゾンガスとして排オゾンガス排出管11を介して系外に排出される。ここでオゾンガスの注入量は、0.1〜5.0mg/Lであることが好ましい。ここでは、オゾンガスが被処理水中に溶解されるのと同時に、オゾン接触槽2内に設置された紫外線照射装置から紫外線を照射することでラジカルが生成され、このラジカルにより難分解性有機物の分解反応が進行する。本実施の形態2では、被処理水に電子供与物質が注入されているので、難分解性有機物の分解除去効果を維持しつつ、臭素酸イオンの生成量を大幅に低減することができ、より安全性の高い処理水とすることができる。
そして、被処理水は、オゾン接触槽2内に一定時間滞留した後、難分解性有機物が分解除去された処理水として排水ライン3から系外に排水される。
このように本実施の形態2によれば、オゾン/紫外線処理過程において、電子供与物質を被処理水に注入することで、生成するラジカルを極めて低い濃度に維持することができ、臭素酸イオン生成量を抑制しながら、難分解性有機物を十分に分解することができ、より安全性の高い処理水とすることができる。これに対して、従来のオゾン/紫外線処理では、オゾンとラジカルが共存するという処理方法の特性のため、臭素酸イオンの生成を抑制するための具体的な対策がなかった。
なお、本実施の形態2において、オゾン接触槽2内に設置される紫外線ランプ12の本数は特に限定されるものではなく、必要に応じて紫外線ランプ12を設置すればよい。
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3に係る水処理装置を説明するためのフロー図である。本実施の形態3では、オゾン接触槽として、一般的な大規模浄水場向けの横流式向流二段オゾン接触槽を用いている。図3において、実施の形態3に係る水処理装置は、横流式向流二段オゾン接触槽2Aと、横流式向流二段オゾン接触槽2Aの一段目オゾン接触槽に接続された被処理水導入ライン1と、横流式向流二段オゾン接触槽2Aの二段目オゾン接触槽に接続された排水ライン3とを備えており、水質計4が被処理水導入ライン1の上流に配設されている。そして、水質計4は電子供与物質制御装置7を介して電子供与物質注入ライン5と接続され、この電子供与物質注入ライン5は第1の電子供与物質注入ライン5aと第2の電子供与物質注入ライン5bとに分岐して、一段目および二段目オゾン接触槽内にそれぞれ設置されている。また、過酸化水素注入ライン6も第1の過酸化水素注入ライン6aと第2の過酸化水素注入ライン6bとに分岐して、一段目および二段目オゾン接触槽内にそれぞれ設置されている。さらに、一段目および二段目オゾン接触槽内には、散気板8がそれぞれ配設されており、散気板8にはオゾンガス供給管9を介してオゾン発生器10が接続されている。横流式向流二段オゾン接触槽2Aの上部には、排オゾンガス排出管11が接続されている。
次に、上記のように構成された水処理装置による水処理方法について説明する。まず、被処理水が、被処理水導入ライン1を介して横流式向流二段オゾン接触槽2A内に導入される。次いで、第1および第2の電子供与物質注入ライン5a,5bから電子供与物質、および第1および第2の過酸化水素注入ライン6a,6bから過酸化水素がそれぞれ被処理水に注入される。
電子供与物質および過酸化水素の注入量は、実施の形態1と同様である。また、電子供与物質としては、実施の形態1で例示したものを同様に用いることができる。
続いて、オゾン発生器10で発生されたオゾンガスが、オゾンガス供給管9を通って散気板8から横流式向流二段オゾン接触槽2A内に吹き込まれ、被処理水中に溶解される。ここでオゾンガスの注入量は、実施の形態1と同様である。このように過酸化水素とオゾンとを併用することでラジカルが生成され、実施の形態1と同様に、ラジカルにより難分解性有機物の分解反応が進行する。溶解しきれなかったオゾンガスや未反応のオゾンガスは、排オゾンガスとして排オゾンガス排出管11を介して系外に排出される。
そして、被処理水は、横流式向流二段オゾン接触槽2A内に一定時間滞留した後、難分解性有機物が分解除去された処理水として排水ライン3から系外に排水される。
このように本実施の形態3によれば、電子供与物質を被処理水に注入することで、生成するラジカルを極めて低い濃度に維持することができ、臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量を抑制しながら、難分解性有機物を十分に分解することができる。これに対して、従来のオゾン/過酸化水素処理では、過酸化水素注入量を可能な限り小さくすることにより生成するOHラジカルの絶対量を抑制していたが、過酸化水素注入量を抑制するだけでは、OHラジカルが瞬時に生成されて反応に消費されるため、難分解性有機物を安全な濃度域まで分解除去する処理時間を確保できなかった。さらに、過酸化水素の残留濃度が低下すると臭素酸イオンが急激に生成されるため、過酸化水素注入量を抑制することにより臭素酸イオン生成が増大する恐れがあった。すなわち、従来のオゾン/過酸化水素処理では、過酸水素注入量を低減すると、難分解性有機物を十分に分解できないうえに、臭素酸イオンの生成を抑制することはできないのである。
なお、本実施の形態3において、被処理水への電子供与物質と過酸化水素との注入順序に特に制限はなく、過酸化水素を注入した後に電子供与物質を注入してもよく、電子供与物質を注入した後に過酸化水素を注入してもよく、あるいは過酸化水素と電子供与物質とを同時に注入してもよい。また、電子供与物質は、ラジカル処理をする時点で被処理水に注入されていればよいため、電子供与物質の注入場所を横流式向流二段オゾン接触槽2A内に限るものではなく、被処理水導入ライン1で予め注入することができる。また、電子供与物質および過酸化水素の注入は、複数箇所に分けて同時にまたは別々に行ってもよいし、1箇所から注入してもよい。また、オゾン接触槽2がn個の多段槽の場合、電子供与物質の注入場所をn個設けることが望ましく、過酸化水素の注入場所も同様にn個設けることが望ましい。過酸化水素および電子供与物質の注入ラインがn個ある場合、注入箇所全ての注入量を一定にする必要はなく、個別に調整することができる。
〔実施例1および比較例1〕
図1に示したのと同じ構成の水処理装置を使用して、河川水をオゾン/過酸化水素処理した実験結果の例を示す。このときの実験条件を表1に示す。実施例1では、難分解性有機物のモデル物質としてジェオスミン(臭気物質)を用い、電子供与物質としてスクロースを0.03〜300μmol/L注入した。比較例1では、難分解性有機物のモデル物質としてジェオスミン(臭気物質)を用い、従来の処理方法通りに電子供与物質を注入しなかった。
Figure 2007000767
スクロース注入量を3μmol/Lとしたときの、実施例1および比較例1のオゾン注入量に対するジェオスミン濃度、臭素酸イオン生成量および過酸化水素濃度の変化を図4、図5および図6にそれぞれ示した。この実験は半回分式、すなわち一定量の水を蓄えた容器にオゾンガスを連続的に通気したものであり、図4〜6の横軸は注入したオゾンの累積量、あるいは経過時間と読み替えることができる。これらの図から、実施例1では、スクロースを注入することによりジェオスミン分解速度は比較例1よりわずかに遅くなったものの、臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量が低減したことが分かる。特に臭素酸イオン生成量は、比較例1より顕著に低減した。
また、異なる過酸化水素注入量における臭素酸イオン生成量の変化を図7に示した。オゾン注入量は5mg/Lである。従来の処理方法である比較例1では、過酸化水素注入量を多くすることで(H/O=0.4g/g以上)、臭素酸イオン生成量が低減したが、実施例1では、過酸化水素注入量が低いにもかかわらず臭素酸イオン生成を抑制することができた。
異なるスクロース濃度におけるジェオスミン残存率の比較を図8に示した。オゾン注入率は1mg/Lまたは5mg/Lである。スクロースの注入量を0.03〜30μmol/Lとすることで、ジェオスミンが特に効率よく分解された。また、異なるスクロース濃度における臭素酸イオン生成量の比較を図9に示した。スクロースの注入量を0.1μmol/L以上とすることで、臭素酸イオン生成量を10μg/L以下に抑制することができた。これらの結果から、5mg/L以下のオゾン注入量で、ジェオスミンを基準値以下にまで分解し、かつ臭素酸イオンの生成を抑制するためには、電子供与物質を0.1〜30μmol/Lの濃度範囲で注入することがより望ましいことが分かった。
以上の結果から、ラジカルにより被処理水を浄化する際に、電子供与物質としてスクロースを注入することで、生成するラジカルを低い濃度に維持することができたので、ジェオスミンを十分に分解除去すると同時に、臭素酸イオン生成量および過酸化水素消費量を大幅に抑制することができた。
本実施例では、難分解性有機物のモデル物質としてジェオスミンを用いたが、2−MIB、環境ホルモン、農薬類においても同様の効果が得られた。
〔実施例2および比較例2〕
純水系で難分解性微量有機物をオゾン/紫外線半回分処理した実験結果の例を示す。このときの実験条件を表2に示す。実施例2では、難分解性微量有機物のモデル物質としてジェオスミンを用い、電子供与物質としてスクロースを0.03〜30μmol/L注入した。比較例2では、難分解性微量有機物のモデル物質としてジェオスミンを用い、従来の処理方法と同様に電子供与物質を注入しなかった。
Figure 2007000767
スクロース注入量を3μmol/Lとしたときの、実施例2および比較例2のオゾン注入量に対するジェオスミン分解特性、臭素酸イオン生成特性および過酸化水素濃度変化を図10、図11および図12それぞれに示した。これらの図から、実施例2では、スクロースを注入することによりオゾン注入量に対するジェオスミン分解速度が比較例2よりわずかに遅くなったものの、臭素酸イオン生成が顕著に低減したことが分かる。また、オゾン/紫外線処理過程で過酸化水素が生成されるが、実施例2と比較例2ではその生成特性も異なることが分かった。
また、従来のオゾン/紫外線処理では、オゾンとラジカルが共存するという処理方法の特性のため、臭素酸イオンの生成を抑制するための具体的な対策がなかった。しかし、オゾン/紫外線処理過程において、電子供与物質を注入することで、臭素酸イオン生成を抑制できることが分かった。
本発明の実施の形態1に係る水処理装置を説明するためのフロー図である。 本発明の実施の形態2に係る水処理装置を説明するためのフロー図である。 本発明の実施の形態3に係る水処理装置を説明するためのフロー図である。 実施例1および比較例1のオゾン注入量に対するジェオスミン濃度の変化を示す図である。 実施例1および比較例1のオゾン注入量に対する臭素酸イオン生成量の変化を示す図である。 実施例1および比較例1のオゾン注入量に対する過酸化水素濃度の変化を示す図である。 異なる過酸化水素注入量における臭素酸イオン生成量の変化を示す図である。 異なるスクロース濃度におけるジェオスミン残存率の比較を示す図である。 異なるスクロース濃度における臭素酸イオン生成量の比較を示す図である。 実施例2および比較例2のオゾン注入量に対するジェオスミン分解特性を示す図である。 実施例2および比較例2のオゾン注入量に対する臭素酸イオン生成特性を示す図である。 実施例2および比較例2のオゾン注入量に対する過酸化水素濃度の変化を示す図である。
符号の説明
1 被処理水導入ライン、2 オゾン接触槽、2A 横流式向流二段オゾン接触槽、3 排水ライン、4 水質計、5 電子供与物質注入ライン、5a 第一の電子供与物質注入ライン、5b 第二の電子供与物質注入ライン、6 過酸化水素注入ライン、6a 第一の過酸化水素注入ライン、6b 第二の過酸化水素注入ライン、7 電子供与物質制御装置、8 散気板、9 オゾンガス供給管、10 オゾン発生器、11 排オゾンガス排出管、12 紫外線ランプ、13 紫外線ランプ保護管、14 紫外線ランプ電源。

Claims (4)

  1. 被処理水をラジカルにより浄化する水処理方法であって、
    糖類、アミノ酸、脂質、フミン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される電子供与物質を前記被処理水に注入することを含む水処理方法。
  2. 前記ラジカルは、オゾンと過酸化水素とを併用することにより生成させたラジカルである請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記電子供与物質は、0.1μmol/L〜30μmol/Lとなるように前記被処理水に注入される請求項1または2に記載の水処理方法。
  4. 被処理水をラジカルにより浄化する水処理装置であって、
    糖類、アミノ酸、脂質、フミン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される電子供与物質を前記被処理水に注入する電子供与物質注入手段を備える水処理装置。
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