JP6094524B2 - 車両のフロントヘッダ構造 - Google Patents
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Description
通常、この種のサンバイザは、フロントヘッダに台座部を介して固定された略L字状の軸部材と、この軸部材の軸心に対して上下方向に回動自在に装着されたサンバイザ本体部とを備え、このサンバイザ本体部をルーフパネルに沿った格納位置からフロントウインドガラスに沿った使用位置まで回動可能に構成されている(特許文献1参照)。
しかし、フロントヘッダにはサンバイザの台座部が固定されるため、フロントヘッダを後方移行させた場合、サンバイザがフロントヘッダの後方移行に伴って車体後方へ移行して乗員の頭部に接近することから、サンバイザの操作時、眩光を遮蔽するための適切な使用位置にサンバイザ本体部を配置できない虞がある。
また、サンバイザの台座が従来よりも後方に固定されたとしても、サンバイザ本体部を前後方向へ拡幅することで、眩光を遮蔽するための適切な使用位置に配置可能ではあるが、サンバイザ本体部の回動軌跡に乗員の頭部が干渉する場合には、乗員の快適性が阻害される虞もある。
しかし、特許文献2,3の技術では、クランク状の軸部材や軸部材の枢支機構等種々の部品が必要になるため、部品点数の増加に伴いサンバイザの製造コストが増加する虞がある。
これにより、ポケット部を利用してフロントウインドガラスの位置決め孔や車体溶接時の治具側位置決めピン孔を形成することができる。
これにより、剛性を維持しつつ、ルーフパネルの前縁の左右両端部を一層後方移行させることができる。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
図1〜図9に示すように、車両Vは、車体の天部外郭を構成するルーフパネル1と、このルーフパネル1の前端部分に配置されたフロントヘッダ2と、このフロントヘッダ2の左右両端部に前端部が連結されるようにルーフパネル1の左右両側に夫々配設された左右1対のルーフサイドレール3と、これら1対のルーフサイドレール3とフロントヘッダ2との連結部に上端部が夫々接続された左右1対のフロントピラー4と、左右1対のサンバイザ5を備えている。尚、図において、矢印Fは前方を示し、矢印Lは左方を示している。
左右1対のルーフサイドレール3は、ルーフサイドレールインナ3aとルーフサイドレールアウタ3b(図6参照)とにより前後方向に延びる閉断面部材に夫々構成されている。
左右1対のルーフサイドレール3は、左右1対の側端フランジ部1cの下面に夫々溶接にて接合されている。
アシストグリップ用ブラケット6は、本体部分から車幅方向内側に延びる前側脚部6aと後側脚部6bを備え、両脚部6a,6bがルーフサイドレールインナ3aに接合されている。
フロントウインドガラス7の上側及び左右両側の外縁部分には、セラミック等による被覆部7aが一様に形成されている。
図2〜図9に示すように、フロントヘッダ2は、車幅方向に延びる断面逆ハット状に構成され、車幅方向に亙って延びる前後方向断面略矩形状の立体断面部Sと、左右1対の前後方向断面略矩形状のポケット部Pとを形成している。
立体断面部Sは、フロントヘッダ2とルーフ本体部1aの前端部分とによって形成され、平面視にて、前方に突出して緩湾曲するように略弓状に構成されている。
フロントヘッダ2は、フロントヘッダパネル11と、このフロントヘッダパネル11の左右両端部に連なる左右1対のフロントヘッダコーナレインフォースメント(以下、コーナレインと略す)12と、ポケット部Pを形成するポケット形成部13とを有している。
ヘッダ本体部11aの前端部は、フロントウインドガラス7の上端部に略沿うように形成され、ヘッダ本体部11aの底壁の車幅方向中間部分には、左右1対のフック取付孔11cが形成されている。ヘッダフランジ部11bは、前端フランジ部1bの下面に溶接によって接合されている。
図3〜図9に示すように、コーナレイン12は、断面略コ字状のコーナレイン本体部12aと、このコーナレイン本体部12aの前端部に連なって前方に張り出したコーナレイン前端フランジ部12bと、コーナレイン本体部12aの右端部に連なって右方に張り出したコーナレイン右端フランジ部12cとを備えている。
コーナレイン右端フランジ部12cは、ルーフサイドレールインナ3aとフロントピラーインナ4aとの連結部分に重なり合うように接合され、連結部分の後側においてルーフサイドレールインナ3aとの間にアシストグリップ用ブラケット6の前側脚部6aを挟み込むように接合されている。
尚、本実施例では、立体断面Sの車幅方向端部の前後幅をコンパクトにしてデザイン自由度を高めることを優先し、両側に隣り合うヘッダ本体部11aの前端部を結ぶ曲線Lよりも前側に突出するように配設され、立体断面部Sの左右両端部分において立体断面部Sから前側に突出するように連なっているが、立体断面部Sの、ルーフサイドレールインナ3aとフロントピラーインナ4aとの連結面積を増やして、ルーフサイドレール3とフロントピラー4の少なくとも一方とフロントヘッダ2との連結剛性を高めるようにしても良い。
ポケット部Pの上壁を形成する前端フランジ部1bの車幅方向中央部分には、台座締結孔12eの前側近傍位置にフロントウインドガラス7に装着された位置決め基準ピン7b(図4参照)が挿通可能な基準孔1dが設けられている。尚、基準孔1dを台座締結孔12eに対向するように設けて、溶接治具用の位置決めピン孔として用いても良い。
左右1対のサンバイザ5は、ルーフパネルに沿った格納位置からフロントウインドガラスに沿った第1使用位置又はドアガラス(図示略)に沿った第2使用位置まで回動可能に構成されている。尚、左右1対のサンバイザ5は、左右対称の構造のため、以下、主に右側のサンバイザ5について説明する。
サンバイザ本体部21は、ウレタンフォームが表皮で被覆され、各使用位置において光を完全に遮蔽するように構成されている。
アーム部22がフック24に係合された状態であっても、サンバイザ本体部21をアーム部22の長尺状先端部分の軸心回りに上下方向に回動して第1使用位置に操作可能に構成されている。
支持部23bのボス部12cと反対側の端部には、フランジ部23aに向けて突出した楔状の係合片23dが形成されている。
この車両Vのフロントヘッダ構造では、ヘッダ本体部11aがポケット形成部13の車幅方向内側の前端部形状に沿う形状に延ばした仮想線よりも前側に突出するように形成されたポケット形成部13を有するため、フロントヘッダ2を車体後方へ移行した場合でも、サンバイザ5の台座部23を固定するためのポケット形成部13を立体断面部Sよりも車体前方に配設することができ、従前のサンバイザ5であっても、眩光を遮蔽するために適切な使用位置にサンバイザ本体部21を配置することができる。これにより、コスト増加を抑制しつつ、乗員の上方視界確保とサンバイザ5の適切配置との両立することができる。
1〕前記実施形態においては、サンバイザ本体部がルーフパネルに沿った格納位置からフロントウインドガラスに沿った第1使用位置及びドアガラスに沿った第2使用位置に操作可能なサンバイザの例を説明したが、ルーフパネルに沿った格納位置とフロントウインドガラスに沿った第1使用位置との間のみ操作可能なサンバイザであっても良い。
また、平面視にて略扁平状のポケット部の例を説明したが、平面視にて部分円弧状又は台形状等デザイン要件に合わせて種々の形状を採用することができる。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
S 立体断面部
P ポケット部
L 曲線
1 ルーフパネル
1b 前端フランジ部
1d 基準孔
2 フロントヘッダ
3 ルーフサイドレール
3a ルーフサイドレールインナ
4 フロントピラー
4a フロントピラーインナ
5 サンバイザ
12 コーナレイン
13 ポケット形成部
21 サンバイザ本体部
23 台座部
Claims (3)
- ルーフパネルの前端部に、このルーフパネルとヘッダ本体部とによって形成された立体断面部を有する車両のフロントヘッダ構造において、
前記ヘッダ本体部が、前記ルーフパネルの前端フランジ部と協働して前記立体断面部に連なり且つ車幅方向外側端部近傍に位置するポケット部を形成するポケット形成部を有し、
前記ポケット部が前記ポケット形成部よりも車幅方向内側に配設された前記ヘッダ本体部の前端部形状に沿う形状に延ばした仮想線よりも前側に突出するように形成され、
前記ポケット形成部にサンバイザを支持するための台座部の少なくとも一部が固定されたことを特徴とする車両のフロントヘッダ構造。 - 前記ルーフパネルの前端フランジ部のうち前記ポケット部を形成する前端フランジ部分に組立作業用の基準孔が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のフロントヘッダ構造。
- 前記フロントヘッダの車幅方向両端部分がフロントピラーとルーフサイドレールとの連結部分に固定するために車幅方向外側へ延設され、
前記フロントピラーとルーフサイドレールとの連結部分近傍部における前記立体断面部が前記連結部分近傍部以外の立体断面部に比べて前後方向長さが小さく且つ上下方向長さが大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のフロントヘッダ構造。
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