JP4275475B2 - インナーミラーの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインナーミラーの取付構造に関し、特にヘッダパネルに対する取付位置よりも車両後方にミラーが位置するインナーミラーの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車におけるインナーミラーの取付構造としては、図5に示すように、フロントヘッダパネル21に基板22を取付け、基板22に車両前方に延出するステー部23を取付け、このステー部23の先端部にミラー24を取付け、かつミラー24が車両走行中の振動に共振してびびるのを防止するため、ステー部23の先端とフロントウインドガラス25との間に弾性体26を介装したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図5において、27はルーフパネル、28は成形天井、29は成形天井28に形成されたインナーミラー取付用の開口を覆うカバーである。
【0004】
また、ヘッダパネルにステー部を締結固定するものにおいて、ステー部の基部で隠れる箇所に貫通穴を設けて弾性片を挿入し、ヘッダパネルとともにステー部がびびるのを防止するようにしたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
一方、インナーミラーの取付構造として、図6に示すように、ヘッダパネル31に基板32を取付け、基板32に車両後方に延出するステー部33を取付け、このステー部33の先端部にミラー34を取付け、ミラー34をフロントウインドガラス35から後方に離れた位置に配設したものが考えられている。
【0006】
図6において、36はルーフパネル、37は成形天井、38は成形天井37に形成されたインナーミラー取付用の開口39を覆うカバーである。
【特許文献1】
実公昭60−11846号公報
【特許文献2】
実公昭61−43631号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示したインナーミラーの取付構造においては、基板32をヘッダパネル31に締結固定して取付けているだけであり、かつその基板32とミラー34との間に距離があるため、車両の走行中にミラー34にびびりが生じるのを避けることができないという問題がある。
【0008】
一方、図5に示したような特許文献1に開示された技術手段では、ステー部23の先端部とフロントウインドガラス25との間に弾性体26を介装することでミラー24のびびりを防止しているが、図6に示すように、ミラー34を後方に離れた位置に配置したレイアウトの場合には効果を発揮できず、発揮させるような構成にしようとすると見栄えが著しく悪くなるという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に開示された技術手段では、インナーミラーの取付点と弾性体の配置位置が重複しているため、ミラーのびびり対策として充分な効果を得ることができないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、ミラーが基板の取付位置よりも車両後方側に位置する場合でも効果的にびびりの発生を抑制することができるインナーミラーの取付構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のインナーミラーの取付構造は、成形天井内に配設され、かつ、前方側の接合フランジがルーフパネルの前端の接合フランジに、後方側の接合フランジがルーフパネルの内面にそれぞれ一体接合されたヘッダパネルにインナーミラーを取付ける構造において、前記ヘッダパネルに固定される基板と、基板に取付けられ、先端にミラーが取付けられるステー部とを備え、ミラーがヘッダパネルに対する基板の取付位置よりも車両後方に位置するインナーミラーの取付構造であって、ミラーのびびり防止用の弾性体を、基板またはステー部と、ルーフパネルに接合された前記後方側の接合フランジとの間に介装した状態で取付け、かつこの弾性体を基板のヘッダパネルに対する取付位置よりも車両後方に配置したものである。
【0012】
この構成によると、ミラーがヘッダパネルに対する基板の取付位置よりも車両後方に位置していても、弾性体を基板のヘッダパネルに対する取付位置から車両後方に間隔をあけて配置したことでミラーのびびりを効果的に抑制することができる。
【0013】
また、弾性体を、基板またはステー部と、ルーフパネルに接合された前記後方側の接合フランジとの間に介装した状態で取付けているので、弾性体が剛性の高いボデー部材で支持される結果、びびり防止効果が大きい。また弾性体を成形天井内に隠すことができて見栄えも良い。
【0014】
また、ヘッダパネルにインナーミラーを取付けるために成形天井に形成された開口とこの開口を貫通するステー部との間に生じた隙間を、ステー部の車両前方部及び両側部については、成形天井に着脱自在に装着されるカバーで覆い、ステー部の車両後方部はステー部に突出成形した被覆突部にて覆うと、成形天井の開口を1つのカバーで、隙間なしに見栄え良く隠すことができる。特に、本発明では弾性体を後方に配置しているのでステー部後方の隙間が大きくなり、かつこの隙間は車室内から見え易いため、隙間があいたままでは著しく見栄えが悪化するが、ステー部に設けた被覆突部でこの隙間を覆うことにより、簡単にかつ見栄え良く覆うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインナーミラーの取付構造の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
【0016】
図1において、1はインナーミラーであり、基板2とステー部3とミラー4にて構成されている。5はインナーミラー1を取り付けるフロントヘッダパネルで、その前方側の接合フランジ5aがルーフパネル6の前端の接合フランジ6aに、後方側の接合フランジ5bがルーフパネル6の内面にそれぞれ一体接合され、ボックス型のフロントヘッダ7が構成されている。
【0017】
フロントヘッダ7の前端にはシール材8を介してフロントウインドガラス9が接合されている。10は車室の天井面を形成する成形天井で、ルーフパネル6の内側に適当間隔あけて配設され、その前端はフロントウインドガラス9の上端部に接続されている。成形天井10のインナーミラー1の配設部には、フロントヘッダパネル5の後部に設けられたミラー取付座12とその後方に隣接する接合フランジ5bの部分を車室側に露出させる開口11が形成されている。
【0018】
基板2は頂部を前方に向けて配置した略二等辺三角形状で、3つの角部がフロントヘッダパネル5のミラー取付座12にボルト(図示せず)にて締結固定されている。ステー部3は、その取付基部3aを基板2の後部の中央部に所定以上の衝撃荷重が作用したときに円滑に離脱する固定具(図示せず)にて固定することで取り付けられている。また、ステー部3はこの取付基部3aから下方後方に向けて延出する取付腕3bを有し、その先端部にミラー4を任意の向きを調整可能に装着するユニバーサルジョイント3cが設けられている。
【0019】
ステー部3には、取付基部3aから後方に向けて支承突部13が突設され、その上面に弾性体15を装着する装着座14が形成されている。弾性体15は筒状の防振ゴムから成り、装着座14にはこの弾性体15の中空部に嵌入して保持する保持突部14aが突設されている。弾性体15は装着座14とフロントヘッダパネル5の後方の接合フランジ5bとの間に所定の圧縮力を発生した状態で介装されている。
【0020】
また、ステー部3の取付腕3bの成形天井10の下面に対応する位置には、取付腕3bと同じ幅で後方に延び、先端部が成形天井10の開口11の後縁部に下方から丁度係合する被覆突部16が設けられ、この被覆突部16にて取付腕3bと開口11の後縁との間に生じている隙間を覆っている。
【0021】
また開口11の前縁と両側縁とステー部3の取付腕3bとの間に生じた隙間は、図2、図4に示すように、平面形状略コ字状のカバー17にて覆っている。カバー17を成形天井10に装着するため、カバー17の上面の両側後部には、成形天井10の上面に先端部が係合するへ字状の弾性係合片18が後方に向けて延出され、上面の前端部の中央には成形天井10の開口11の前縁に係合する係合凹部19aを有する楔状の係合フック19が突設されている。
【0022】
以上の構成のインナーミラー1を取り付けるには、フロントヘッダパネル5のミラー取付座12に成形天井10の開口11を通して基板2を取り付け、次にこの基板2に対して、先端部にミラー4が装着され、装着座14に弾性体15を保持させたステー部3を固定することにより、装着座14と接合フランジ5bとの間で弾性体15を圧縮させた状態でステー部3を装着する。その後、成形天井10の開口11とステー部3との間の隙間を覆うようにカバー17を装着することにより取り付けが完了する。
【0023】
このインナーミラー1においては、ミラー4がフロントヘッダパネル5に対する基板2の取付位置よりも車両後方に位置しているが、基板2のヘッダパネルに対する取付位置より車両後方に間隔をあけた位置で、支持剛性の高いフロントヘッダパネル5の後側の接合フランジ5bとルーフパネル6の接合部と、ステー部3との間に弾性体15が圧縮状態で介在されていることで、ステー部3に常に一方向の回転モーメントが作用しているため、車両走行中のミラー4にびびりが発生するのを効果的に抑制することができる。
【0024】
また、ステー部3は、ミラー4に所定以上の衝撃荷重が作用したときに確実に離脱するように基板2に取付けられているため、基板2に対するステー部3の取付部がミラー4のびびりの原因になり易いが、本実施形態ではステー部3とフロントヘッダパネル5の後側の接合フランジ5bとの間に弾性体15を介在させているので、確実にびびりを防止することができる。
【0025】
また、弾性体15が成形天井10内に配置されているので弾性体15は車室内からは見えず、またインナーミラー1を取付けるために成形天井10に形成された開口11とこの開口11を貫通するステー部3との間に生じた隙間を、ステー部3の車両前方部及び両側部については、成形天井10に着脱自在に装着されるカバー17で覆い、ステー部3の車両後方部はステー部3に突出成形した被覆突部16にて覆っているので、成形天井10の開口11を1つのカバー17を装着するだけで、隙間なしに隠すことができ、簡単な構成でかつ作業性良く、見栄えの良い状態でインナーミラー1を配設することができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、弾性体15をステー部3とボデー部材との間に介在させた例を示したが、基板2の一部を後方に延出し、その先端部とフロントヘッダパネル5の後側の接合フランジ5bとの間に弾性体15を介在させても、同様にミラー4のびびりを抑制することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明のインナーミラーの取付構造によれば、ミラーがヘッダパネルに対する基板の取付位置よりも車両後方に位置していてもミラーのびびりを効果的に抑制することができると共に、弾性体を成形天井内に隠すことができて見栄えも良い。
【0029】
また、ヘッダパネルの開口とステー部との間に生じた隙間を、ステー部の車両前方部及び両側部については、成形天井に着脱自在に装着されるカバーで覆い、ステー部の車両後方部はステー部に突出成形したカバー突部にて覆うと、成形天井の開口を1つのカバーで、隙間なしに見栄え良く隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインナーミラーの取付構造の一実施形態の縦断面図である。
【図2】同実施形態の要部の分解斜視図である。
【図3】図1のA−A矢視図である。
【図4】図1のB−B矢視図である。
【図5】従来例のインナーミラーの取付構造の縦断面図である。
【図6】本発明の対象としての他の従来例のインナーミラーの取付構造の縦断面図である。
【符号の説明】
1 インナーミラー
2 基板
3 ステー部
4 ミラー
5 フロントヘッダパネル
5b 後側の接合フランジ
6 ルーフパネル
10 成形天井
11 開口
15 弾性体
16 被覆突部
17 カバー
Claims (2)
- 成形天井内に配設され、かつ、前方側の接合フランジがルーフパネルの前端の接合フランジに、後方側の接合フランジがルーフパネルの内面にそれぞれ一体接合されたヘッダパネルにインナーミラーを取付ける構造において、前記ヘッダパネルに固定される基板と、基板に取付けられ、先端にミラーが取付けられるステー部とを備え、ミラーがヘッダパネルに対する基板の取付位置よりも車両後方に位置するインナーミラーの取付構造であって、ミラーのびびり防止用の弾性体を、基板またはステー部と、ルーフパネルに接合された前記後方側の接合フランジとの間に介装した状態で取付け、かつこの弾性体を基板のヘッダパネルに対する取付位置よりも車両後方に配置したことを特徴とするインナーミラーの取付構造。
- ヘッダパネルにインナーミラーを取付けるために成形天井に形成された開口とこの開口を貫通するステー部との間に生じた隙間を、ステー部の車両前方部及び両側部については、成形天井に着脱自在に装着されるカバーで覆い、ステー部の車両後方部はステー部に突出成形した被覆突部にて覆ったことを特徴とする請求項1記載のインナーミラーの取付構造。
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