JP6093755B2 - 急性骨髄性白血病を治療するためのサパシタビンとデシタビンの組合せの投与計画 - Google Patents

急性骨髄性白血病を治療するためのサパシタビンとデシタビンの組合せの投与計画 Download PDF

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Description

本発明は、がん及び他の増殖性障害の治療に好適な新規投与計画に関する。
DNAメチルトランスフェラーゼは、DNAの分子中の特定のヌクレオチド塩基へのメチル基の共有結合的付加を促進する酵素の1つのファミリーである。既知のDNAメチルトランスフェラーゼは全て、メチル供与体としてS−アデノシルメチオニン(SAM)を使用する。4つの活性DNAメチルトランスフェラーゼが、哺乳動物において同定されている。これらは、DNMT1、DNMT2、DNMT3A及びDNMT3Bと命名されている。
DNMT1は、哺乳動物細胞において最も豊富なDNAメチルトランスフェラーゼであり、哺乳動物における重要な維持メチルトランスフェラーゼ(maintenance methyltransferase)であると考えられている。これは主に、哺乳動物のゲノムにおいてヘミメチル化CpGジヌクレオチドをメチル化し、発生において確立されるメチル化パターンの維持に関与している。この酵素は、長さがアミノ酸約1620個であり、最初の1100個のアミノ酸が制御ドメインを構成し、残りの残基は触媒ドメインを構成している。これらは、Gly−Lys反復によって連結されている。DNMT1の触媒機能には、両方のドメインが必要である。DNMT3は、ヘミメチル化CpGと非メチル化CpGを同じ速度でメチル化し得るDNAメチルトランスフェラーゼの1つのファミリーである。DNMT3酵素の構造は、DNMT1と類似しており、制御ドメインが触媒ドメインに結合している。
最近の研究から、DNAメチル化とクロマチン構造が分子レベルでどのように関連しているか、また、いかなるメチル化異常が腫瘍形成及び遺伝的疾患の直接的な因果的役割を果たしているかが明らかになった。さらに、DNAメチルトランスフェラーゼに関して、哺乳動物の発生における役割、及びそれらが相互作用することが知られているタンパク質の型の観点から、多くの新しい情報が明らかになった。複製後にメチル化パターンをコピーするように単独で作用する酵素ではなく、これまでに発見された相互作用の型は、DNAメチルトランスフェラーゼが、転写制御及びクロマチン構造調節に能動的に関与する比較的大きい複合体の構成要素であり得ることを示している。これらの発見は、疾患におけるDNAメチル化の多種多様な役割に対する理解を深めると同時に、これらの欠損を防止又は修復するための新規治療法につながるはずである。
小分子DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、当技術分野において詳細に記述されており、その例としては、例えば、デシタビン、アザシタビン、ゼブラリン、プロカインアミド、プロカイン、ヒドララジン、((−)−エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)及びRG108が挙げられる。
デシタビン又は5−アザ−2’−デオキシシチジン(商標名Dacogen)は、化合物4−アミノ−1−(2−デオキシ−b−D−エリスロ−ペントフラノシル)−1,3,5−トリアジン−2(1H)−オンである。
アザシチジン(商標名Vidaza)は、化合物4−アミノ−1−β−D−リボフラノシル−s−トリアジン−2(1H)−オンであり、下記構造
を有する。
アザシチジンは、正常血球細胞の産生不足をもたらす骨髄造血細胞の異常に起因する疾患である骨髄異形成症候群のいくつかのサブタイプの治療に用いられる、抗悪性腫瘍性ピリミジンヌクレオシド類似体である。この薬物は、急速に分裂する細胞(がん性細胞を含む)に対して細胞毒性効果を及ぼし、適切な細胞分化及び増殖を制御する遺伝子に正常機能を回復させるのに役立ち得る。
アザシチジンは、特に以下の骨髄異形成症候群サブタイプ:不応性貧血、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(好中球減少症若しくは血小板減少症を伴う又は輸血を必要とする場合)、芽球増加を伴う不応性貧血、移行期の芽球増加を伴う不応性貧血及び慢性骨髄単球性白血病の治療に適応がある。
アザシチジンは、DNAの低メチル化、及び骨髄の異常造血細胞に対する直接細胞毒性を引き起こすことによって、抗腫瘍効果を及ぼすと考えられている。インビトロにおける最大のDNAメチル化阻害に必要なアザシチジンの濃度でも、DNA合成の大きな抑制を引き起こさない。低メチル化は、分化又は増殖にとって重要な遺伝子の機能を回復させることができる。アザシチジンの細胞毒性効果は、正常な成長制御メカニズムにはもはや応答しないがん細胞を含めた、急速に分裂する細胞を死滅させる。非増殖性細胞は、アザシチジンに対して比較的非感受性である。
別の既知のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、ゼブラリンである。これは、1−(β−D−リボフラノシル)−1,2−ジヒドロキシピリミジン−2−オン又は2−ピリミドン−1−β−D−リボシドとしても知られており、下記の構造
を有する。
他の既知のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、非ヌクレオシド類似体、例えば、プロカインアミド、プロカイン、ヒドララジン及び((−)−エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)である。
プロカインアミド(商標名Pronestyl、Procan、Procanbid)は、化合物4−アミノ−N−(2−ジエチルアミノエチル)ベンズアミドであり、下記構造
を有する。
プロカインアミドは、DNAメチルトランスフェラーゼ活性を阻害し、且つがん細胞においてCpGアイランドの過剰メチル化を元に戻すことによって、サイレンシングされている遺伝子発現を再活性化することが示されている。プロカインアミドは、複製中におけるDNAメチル化パターンの維持に関与していると考えられる哺乳動物の酵素である、DNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)のヘミメチラーゼ活性を特異的に阻害する。
プロカインは、化合物2−(ジエチルアミノ)エチル−4−アミノベンゾエートであり、下記構造
を有する。
プロカインは、DNA脱メチル化剤であり、酵素活性を妨げることによってDNAメチルトランスフェラーゼを阻害すると理解されている。
ヒドララジン(アプレゾリン)は、化合物1−ヒドラジノフタラジン一塩酸塩であり、下記構造
を有する。
((−)−エピガロカテキン−3−ガレート(EGCG)は、下記構造
を有するカテキン類似体である。
EGCGは、DNMT活性を阻害し、且つがん細胞中の、メチル化サイレンシングされている遺伝子を再活性化すると理解されている。
別の既知のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、RG108である。これは、N−フタリル−1−トリプトファンとしても知られており、下記構造
を有する。
RG108は、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤であり、酵素活性を妨げることによってDNAメチルトランスフェラーゼを阻害すると理解されている。特に、RG108は、腫瘍細胞において、DNA脱メチル化によって、腫瘍抑制因子の遺伝子発現(p16、SFRP1、分泌フリッツルド(frizzled)関連タンパク質−1、及びTIMP−3)を再活性化すると考えられている。また、RG108は、ヒト腫瘍細胞株(HCT116、NALM−6)の増殖を阻害し、培養における倍加時間を増加させる。
治療計画を最適化するために、活性医薬品は多くの場合、組合せて投与し得ることが、当技術分野において確立されている。
Qin T et al (2007, 13, Clin. Cancer Res. 4225-4232)は、種々のヒト白血病細胞株におけるシタラビンとデシタビンの組合せの効果を開示している。同様に、Kong XB et al (1991, Molecular Pharmacol. 39, 250-257)は、5−アザシチジンが、シタラビンに耐性を示す細胞株においてdCKの上方制御を引き起こし、シタラビンのIC50値を12.5μMから0.55μMに低下させることを示唆している。
DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤と1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−N4−パルミトイルシトシン(「CYC682」又はサパシタビンとしても知られている)又はその代謝産物との組合せが、国際公開第2009/150405号パンフレット(Cyclacel Limited社)に記載されている。また、このような組合せを含む医薬組成物及び種々の増殖性障害の治療におけるそれらの使用も、国際公開第2009/150405号パンプレットに記載されている。
国際公開第2009/150405号パンフレット
Qin T et al, 2007, 13, Clin. Cancer Res. 4225-4232 Kong XB et al, 1991, Molecular Pharmacol. 39, 250-257
本発明は、増殖性障害(特に、急性骨髄性白血病(AML))の治療に特に好適である既知の医薬品の新規投与計画を提供しようとするものである。より詳しくは、本発明は主に、特定の医薬品の組合せ使用に関連する驚くべき且つ予想外の効果を対象とする。
本発明の第1の態様は、対象におけるAMLの治療方法であって、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、治療有効量の(i)サパシタビン又はその代謝産物と(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含み、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間(rest period)を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
方法に関する。
本発明の第2の態様は、老齢対象におけるAMLを治療する方法であって、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、治療有効量の(i)サパシタビン及び(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含み、
前記第1の治療周期が、デシタビンを約20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
方法に関する。
本発明の第3の態様は、AMLの治療に使用するための、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンであって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンに関する。
本発明の第4の態様は、老齢対象におけるAMLの治療に使用するための、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンであって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり約20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンに関する。
本発明の第5の態様は、AMLの治療のための医薬の調製における、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンの使用であって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
使用に関する。
本発明の第6の態様は、老齢対象におけるAMLの治療のための医薬の調製における、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンの使用であって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり約20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
使用に関する。
本発明の第7の態様は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物と、
(ii)デシタビンと、
(iii)少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するための取扱説明書と
を含み、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビンを、週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
キットオブパーツに関する。
本発明の第8の態様は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物と、
(ii)デシタビンと、
(iii)少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従ってサパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するための取扱説明書と
を含み、
前記第1の治療周期が、デシタビンを約20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
キットオブパーツに関する。
薬物の組合せ効果は、本質的に予測不可能であり、1つの薬物は他の薬物の効果を部分的又は完全に阻害する傾向があることが多い。本発明は、特定の投与計画に従って1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンとデシタビンを投与すると、2つの作用剤間において有害な相互作用が生じないという驚くべき観察に基づく。このような拮抗的相互作用が予想外に存在しないことは、臨床応用に重要である。
好ましい一実施形態において、本発明の投与計画は、いずれか一方の薬物が単独で投与される場合と比較して、増強された効果をもたらす。この観察の驚くべき性質は、先行技術に基づいて予想されるものと対照をなす。
さらに、本出願において特許請求の範囲に記載した投与計画は、忍容性が高く、優れた奏効率及び良好な全生存率をもたらし、重複又は累積毒性を引き起こさない。
2’−シアノ−2−デオキシ−N−パルミトイル−1−β−D−アラビノフラノシルシトシンとしても知られる1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N−パルミトイルシトシン(I)(Hanaoka, K., et al, Int. J. Cancer, 1999:82:226-236;Donehower R, et al, Proc Am Soc Clin Oncol, 2000: abstract 764;Burch, PA, et al, Proc Am Soc Clin Oncol, 2001: abstract 364)は、ヌクレオシドCNDAC、1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−シトシンの、経口投与される新規な2’−デオキシシチジン代謝拮抗物質プロドラッグである。
1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N−パルミトイルシトシン(I)(「CYC682」又はサパシタビンとしても知られる)は、自発的なDNA鎖切断作用を有するために種々の細胞株、異種移植片及び転移性がんモデルにおいて強力な抗腫瘍活性をもたらす点で、ゲムシタビンなどの他のヌクレオシド代謝産物と比較して独特の作用様式を有する。
1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N−パルミトイルシトシン(I)は、固形腫瘍の臨床前データに基づき、その経口バイオアベイラビリティ並びにゲムシタビン(主要な市販ヌクレオシド類似体)及び5−FU(広範に使用されている代謝拮抗薬)と比較してその活性が改善されていることに鑑みて、多くの研究の焦点となっている。最近になって、研究者は、(I)が大腸がんのモデルにおいて強い抗がん活性を示すことを報告した。同じモデルにおいて、(I)は、生存期間の増加及びまた、肝臓への大腸がん転移の拡大予防の観点から、ゲムシタビン又は5−FUのいずれよりも優れていることが判明した(Wu M, et al, Cancer Research, 2003:63:2477-2482)。今日まで、種々のがんを有する患者からの第1フェーズデータは、(I)は、用量規定毒性としての骨髄抑制を有するヒトにおいて忍容性が高いことを示唆している。
本発明の投与計画において使用するDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤は、デシタビンである。デシタビン又は5−アザ−2’−デオキシシチジン(商標名Dacogen)は、化合物4−アミノ−1−(2−デオキシ−b−D−エリスロ−ペンタフラノシル)−1,3,5−トリアジン−2(1H)−オンであって、下記構造を有する。
デシタビンは、治療歴がある及び治療歴がない、新規及び二次性の、全てのFrench−American−BritishサブタイプのMDS(不応性貧血、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、芽球増加を伴う不応性貧血、移行期の芽球増加を伴う不応性貧血及び慢性骨髄単球性白血病)並びに国際予後スコアリングシステム(International Prognostic Scoring System)の中間リスク−1群、中間リスク−2群及び高リスク群を含む、骨髄異形成症候群(MDS)の治療に適応がある。
デシタビンは、リン酸化及びDNAへの直接取り込み後に抗腫瘍効果を及ぼすと考えられている。デシタビンはDNAメチルトランスフェラーゼを阻害して、DNAの低メチル化及び細胞分化又はアポトーシスを引き起こす。腫瘍細胞におけるデシタビン誘発低メチル化は、細胞分化及び増殖の制御に重要な遺伝子に、正常機能を回復させ得る。急速に分裂する細胞において、デシタビンの細胞毒性はまた、DNAメチルトランスフェラーゼとDNAに組み込まれた化合物との間の共有結合的付加物の形成に起因する可能性がある。非増殖性細胞は、デシタビンに対して比較的非感受性である。
本明細書中で使用する「医薬の調製」という表現は、このような医薬の調製の任意の段階における本発明の構成要素の使用に加えて、本発明の構成要素の、医薬としての直接使用も包含する。
好ましい一実施形態において、デシタビン及び1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンはそれぞれ、個々の構成要素に関する治療有効量で投与する。すなわち、デシタビン及び1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンは、構成要素を組合せ以外の方法で投与しても治療的に有効である量で投与する。
別の好ましい実施形態において、デシタビン及び1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンはそれぞれ、個々の構成要素に関する治療量以下の量で投与する。すなわち、デシタビン及び1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンは、構成要素を組合せ以外の方法で投与した場合には治療的に有効でない量で投与する。
好ましくは、1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンとデシタビンとは、相乗的に相互作用する。本明細書中で使用する用語「相乗的(な)」は、1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンとデシタビンが、組合せて使用した場合に、2つの構成要素の個々の効果を加えることから予想されるよりも大きい効果を及ぼすことを意味する。有利には、相乗的相互作用は、より低用量の各構成要素を患者に投与することを可能にし、その結果、同じ治療効果を及ぼし且つ/又は維持しながら、化学療法の毒性を減少させることができる。したがって、特定の好ましい一実施形態において、各構成要素は、治療量以下の量で投与し得る。
AMLの具体的な投与計画
出願人によるこれまでの研究は、AML細胞株において、サパシタビンの活性代謝産物、CNDAC、は低メチル化剤と相乗的であること、及び細胞が低メチル化剤で最初に処置される場合には相乗作用はより明白であることを示している。
したがって、本発明の一態様は、対象におけるAMLを治療する方法であって、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、治療有効量の(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含み、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
方法に関する。
以下に記載する好ましい実施形態は、本発明の全ての態様に等しく当てはまる。
好ましい一実施形態において、第2の治療周期は、治療有効量のサパシタビンを投与することを含む。
本出願の特許請求の範囲に記載した投与計画に従ってデシタビンとサパシタビンを交互周期で連続的に投与することにより、両薬物の有効性が最大限に生かされ、骨髄抑制の重複が最小限に抑えられる。
第1及び第2の治療周期は、連続した周期間に休薬期間を挟んで連続的に繰り返す。すなわち、デシタビンの投与最終日と第2の治療終期の第1日目との間に休薬期間を設け、同様に、サパシタビンの投与最終日と次の(第1の)治療周期の第1日目との間にも休薬期間を設ける。好ましくは、休薬期間は、いかなる治療関連毒性も解消するのに十分なものである。
本明細書中で使用する「治療関連毒性」は主に、骨髄抑制とそれに伴う合併症である。
好ましい一実施形態において、第1の治療周期は、治療有効量のデシタビンを連続5日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む。
好ましい一実施形態において、第1の治療周期は、治療有効量のデシタビンの5日間投与及びそれに続く3〜5週間の休薬期間を含む。
より好ましい一実施形態において、第1の治療周期は、治療有効量のデシタビンの5日間投与及びそれに続く3週間の休薬期間を含む。
好ましい一実施形態において、第1の治療周期は、治療有効量のデシタビンを連続10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む。
別の好ましい実施形態において、第1の治療周期は、治療有効量のデシタビンの10日間投与及びそれに続く4週間の休薬期間を含む。
好ましい一実施形態において、第2の治療周期は、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間の休薬期間を含む。
より好ましい一実施形態において、第2の治療周期は、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2週間の休薬期間を含む。
好ましい一実施形態において、この方法は、各治療周期を2回以上、より好ましくは各治療周期を3回以上、4回以上又は5回以上含む。
非常に好ましい一実施形態において、この方法は、各治療周期を4回以上含む。
非常に好ましい一実施形態において、この方法は、各治療周期を2〜4回含む。
好ましい一実施形態において、デシタビンは静脈内投与する。
好ましい一実施形態において、デシタビンは1日当たり約10〜約20mg/mの用量で投与する。
より好ましい一実施形態において、デシタビンは1日当たり約20mg/mの用量で投与する。特定の好ましい実施形態において、デシタビンの投与量は、副作用を軽減するために同一スケジュール内で個々の患者に合わせて調整することができる。例えば、特定の好ましい実施形態において、デシタビンの投与量は、1日当たり約20mg/mの出発用量から1日当たり約15mg/mまで又は1日当たり約10mg/mまで低減することができる(典型的には5mg/m刻みで)。
好ましい一実施形態において、デシタビンは1日当たり3時間以下の期間にわたって、より好ましくは1日当たり2時間以下の期間にわたって、さらに好ましくは1日当たり約1時間の期間にわたって投与する。
好ましい一実施形態において、第1の治療周期は、治療有効量のデシタビンを約20mg/mの投与量で10日間投与すること及びそれに続く4週間の休薬期間を含む。
好ましい一実施形態において、サパシタビン又はその代謝産物は経口投与する。
好ましい一実施形態において、サパシタビン又はその代謝産物は、1日2回約100〜400mgの用量で、より好ましくは1日2回約250〜300mgの用量で投与する。
より好ましい一実施形態において、サパシタビン又はその代謝産物は、1日2回約300mgの用量で投与する。特定の好ましい実施形態において、サパシタビンの投与量は、副作用を軽減するために同一スケジュール内で個々の患者に合わせて調整することができる。例えば、特定の好ましい実施形態において、サパシタビンの投与量は、1日2回約300mgの出発用量から1日2回約250mgまで又は1日2回約200mgまで又は1日2回約150mgまで又は1日2回約100mgまで低減することができる(典型的には50mg刻みで)。
好ましい一実施形態において、対象は老齢対象である。本明細書中で使用する用語「老齢対象」は、年齢60才以上の対象を指す。より好ましくは、対象は年齢65才以上、さらに好ましくは年齢70才以上、さらに好ましくは年齢75才以上である。
本発明のさらなる態様は、老齢対象におけるAMLを治療する方法であって、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、治療有効量の(i)サパシタビン及び(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含み、
前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり約20mg/mの用量で連続5日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
方法に関する。
非常に好ましい一実施形態において、投与計画は、デシタビンを1日当たり20mg/mで4週間周期(奇数周期(odd cycle))の連続5日にわたって投与するステップと、連続して、サパシタビンを1日2回300mgで週に3日間、4週間周期(偶数周期(even cycle))のうちの2週間にわたって経口投与するステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、老齢対象におけるAMLを治療する方法であって、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、治療有効量の(i)サパシタビン及び(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含み、
前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり約20mg/mの用量で連続10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
方法に関する。
非常に好ましい一実施形態において、投与計画は、デシタビンを1日当たり20mg/mで4週間周期(奇数周期)の連続10日にわたって投与するステップと、連続して、サパシタビンを1日2回300mgの用量で週に3日間、4週間周期(偶数周期)のうちの2週間にわたって経口投与するステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、AMLの治療に使用するための、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンであって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンに関する。
本発明の別の態様は、老齢対象におけるAMLの治療に使用するための、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンであって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり約20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンに関する。
本発明のさらなる態様は、AMLの治療のための医薬の調製における、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンの使用であって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
使用に関する。
本発明の別の態様は、老齢対象におけるAMLの治療のための医薬の調製における、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンの使用であって、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり約20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
使用に関する。
キットオブパーツ
本発明のさらなる態様は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物と、
(ii)デシタビンと、
(iii)少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、サパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するための取扱説明書と
を含み、
前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを週に連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を、週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
キットオブパーツに関する。
本発明の別の態様は、
(i)サパシタビン又はその代謝産物と、
(ii)デシタビンと、
(iii)少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従ってサパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するための取扱説明書と
を含み、
前記第1の治療周期が、デシタビンを約20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回約300mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む
キットオブパーツに関する。
好ましくは、キットオブパーツは、対象、好ましくは老齢対象におけるALMの治療への使用を目的とする。
代謝産物
本明細書中で使用する用語「代謝産物」は、1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンの代謝によって産生される、化学修飾物質を包含する。
本発明の特に好ましい一実施形態において、1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンの代謝産物は、2’−C’−シアノ−2’−ジオキシ−1−β−D−アラビノ−ペンタフラノシルシトシン(CNDAC)である。
本発明の別の特に好ましい実施形態において、1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンは、細胞内で活性代謝産物CNDAC−トリホスフェート(CNDACTP)に代謝され、プロセスは、パルミトイル部分の切断とヌクレオシドキナーゼの作用によるCNDACTPへの活性化の両方を含む。
塩/エステル
本発明の作用剤は、塩又はエステル、特に医薬として許容される塩又はエステルとして存在できる。
本発明の作用剤の医薬として許容される塩としては、それらの好適な酸付加塩又は塩基塩が挙げられる。好適な医薬の塩の総説は、Berge et al, J Pharm Sci, 66, 1-19(1977)に見出すことができる。塩は、例えば、強無機酸、例えば、鉱酸、例えば、硫酸、リン酸又はハロゲン化水素酸によって;強有機カルボン酸、例えば、置換されていない若しくは置換されている(例えば、ハロゲンによって)炭素数1〜4のアルカンカルボン酸、例えば、酢酸によって;飽和若しくは不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸又はテトラフタル酸によって;ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はクエン酸によって;アミノ酸、例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸によって;安息香酸によって;又は有機スルホン酸、例えば、置換されていない若しくは置換されている(例えば、ハロゲンによって)(C−C)−アルキルスルホン酸若しくはアリールスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸)によって形成される。
エステルは、エステル化される官能基に応じて、有機酸又はアルコール/水酸化物のいずれか一方を用いて形成される。有機酸としては、カルボン酸、例えば、置換されていない若しくは置換されている(例えば、ハロゲンによって)炭素数1〜12のアルカンカルボン酸、例えば、酢酸;飽和若しくは不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸若しくはテトラフタル酸;ヒドロキシカルボン酸、例えば、アスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸若しくはクエン酸;アミノ酸、例えば、アスパラギン酸若しくはグルタミン酸;安息香酸;又は有機スルホン酸、例えば、置換されていない若しくは置換されている(例えば、ハロゲンによって)(C−C)−アルキルスルホン酸若しくはアリールスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸)が挙げられる。好適な水酸化物としては、無機水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムが挙げられる。アルコールとしては、置換されていなくても置換されていてもよい(例えば、ハロゲンによって)炭素数1〜12のアルカンアルコールが挙げられる。
鏡像異性体/互変異性体
適切な場合には、本発明はまた、作用剤の全ての鏡像異性体及び互変異性体を含む。当業者ならば、光学的性質(1つ又は2つ以上のキラル炭素原子)又は互変異性を有する化合物がわかるであろう。該当する鏡像異性体及び/又は互変異性体は、当技術分野において知られている方法によって単離/調製できる。
立体異性体及び幾何異性体
本発明の一部の作用剤は、立体異性体及び/又は幾何異性体として存在し得る。例えば、それらは、1つ又は2つ以上の不斉中心及び/又は幾何中心を有することができ、したがって、2つ以上の立体異性体及び/又は幾何学的形態で存在し得る。本発明は、これらの阻害剤の個々の立体異性体及び幾何異性体全て並びにそれらの混合物の使用を企図する。特許請求の範囲において使用する用語は、これらの形態が適切な機能活性(必ずしも同程度ではなくても)を保持するならば、これらの形態を包含する。
本発明はまた、作用剤又はその医薬として許容される塩の全ての好適な同位体変種(isotopic variation)を含む。本発明の作用剤又はその医薬として許容される塩の同位体変種は、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが自然界で通常見られる原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられているものと定義する。作用剤及びその医薬として許容される塩に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、イオウ、フッ素及び塩素の同位体、例えば、それぞれH、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F及び36Clが挙げられる。作用剤及びその医薬として許容される塩の特定の同位体変種、例えば、H又は14Cなどの放射性同位元素が組み込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織分布の研究において有用である。トリチウム標識、すなわち、H、及び炭素−14、すなわち、14C同位元素は、調製し易さ及び検出性のために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち、Hなどの同位元素による置換は、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加又は必要用量の減少を提供でき、したがって、場合によっては好ましい可能性がある。本発明の作用剤及びその医薬として許容される塩の同位体変種は一般に、好適な試薬の適切な同位体変種を用いて常法によって調製できる。
溶媒和物
本発明はまた、本発明の作用剤の溶媒和物の形態を含む。特許請求の範囲において使用する用語は、これらの形態を包含する。
多形体
本発明はさらに、種々の結晶形態、多形形態並び無水形態及び水和形態の本発明の作用剤に関する。このような化合物の合成による調製に使用される溶媒からの精製及び/又は単離方法をわずかに変更することによって、このような形態のいずれかで化合物を単離できることは、製薬業界においては十分に確立されている。
プロドラッグ
本発明は、プロドラッグの形態の本発明の作用剤をさらに含む。このようなプロドラッグは一般に、ヒト又は哺乳動物対象への投与後に修飾形態が元の形態に復元され得るような、1つ又は2つ以上の適切な基が修飾されている化合物である。インビボで復元を行うために第2の作用剤をこのようなプロドラッグと一緒に投与することも可能であるが、このような復元は通常、このような対象にもともと存在する酵素によって行われる。このような修飾形態の例には、復元がエステラーゼなどによって実施され得るエステル(例えば、前述したもののいずれか)が含まれる。他のこのような系は、当業者によく知られている。
投与
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、膣、非経口、筋肉内、腹腔内、動脈内、髄腔内、気管支内、皮下、皮内、静脈内、鼻腔内、頬側又は舌下投与経路に適合させることができる。
経口投与のためには、圧縮錠、丸剤、錠剤、ゲル剤(gellules)、ドロップ剤及びカプセル剤を特に使用する。好ましくは、これらの組成物は、1用量当たり有効成分を1〜2000mg、より好ましくは50〜1000mg含有する。
他の投与形態は、静脈内、動脈内、髄腔内、皮下、皮内、腹腔内又は筋肉内に注射可能であって、滅菌溶液又は滅菌可能な溶液から調製される液剤又は乳剤を含む。本発明の医薬組成物はまた、坐剤、膣座剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、噴霧剤、液剤又は粉末散剤(dusting powder)の形態でよい。
代替的な経皮投与手段は、皮膚パッチの使用による。例えば、有効成分を、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性エマルジョンからなるクリーム剤に組み込むことができる。有効成分はまた、1〜10重量%の濃度で、白ろう又は白色ワセリン基剤からなる軟膏剤中に、必要とされる可能性がある安定剤及び保存剤と一緒に組み込むことができる。
注射可能な形態は、有効成分を1用量当たり10〜1000mg、好ましくは10〜500mg含有し得る。
組成物は、単位剤形に、すなわち、単位用量又は多回用量若しくは単位用量のサブユニットを含有する別個の部分の形態で製剤化し得る。
特に好ましい一実施形態において、本発明の組合せ又は医薬組成物を、静脈内投与する。
投与量
当業者ならば、対象に投与するための本発明の組成物の1つの適切な用量を、過度の実験を行わずに容易に決定できる。典型的には、医師は、個々の患者に最も好適な実際の投与量を決定する。実際の投与量は、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用時間の長さ、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事又は食餌、投与の方法及び時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度、並びに治療法を受けている個体を含む種々の要因によって異なる。本明細書中に開示した投与量は、平均的な事例を例示するものである。言うまでもなく、より高い又はより低い範囲がふさわしい個々の場合もあり得、このような範囲は本発明の範囲内である。
必要に応じて、作用剤は、0.1〜30mg/kg体重、例えば、2〜20mg/kg体重、より好ましくは0.1〜1mg/kg体重の用量で投与し得る。
指針として、1−(2−C−シアノ−2−ジオキシ−β−D−アラビノ−ペンタフラノシル)−N4−パルミトイルシトシンは典型的には、医師の指示に従って、1日当たり100mg〜800mgの総投与量で投与する。好ましくは、用量は経口投与する。用量は、週に5日、4週間にわたって、又は週に3日、4週間にわたって投与できる。投与量及び適用頻度は典型的には、患者の全身病状及び引き起こされる有害作用(特に造血系、肝臓系及び腎臓系に引き起こされるもの)の重症度に適合させる。総一日量は、単一用量として投与することもできるし、又は1日2回、3回若しくは4回投与される別個の投与量に分割することもできる。
DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、デシタビン(Dacogen(登録商標))は典型的には、医師の指示に従って皮下又は静脈内に投与する。指針として、デシタビンの推奨用量は、8時間ごとに繰り返し3時間にわたって3日間、静脈内持続注入によって投与する場合、15mg/mである(デシタビン臨床ラベル; Fenaux P. (2005) Nature Clinical Practice, 2, S36-44)。この周期を好ましくは、6週間ごとに繰り返す。進行した固形腫瘍を有する患者には典型的には、デシタビンを20〜30mg/m/日で72時間注入する。
別法として、デシタビンは、20mg/mの用量で、毎日繰り返し1時間にわたって5日間、静脈内持続注入によって投与できる。この周期は好ましくは、4週間ごとに繰り返す(FDAに認可された、デシタビンの薬物ラベルを参照のこと)。
本発明を、一例として、以下の図を参照してさらに説明する。
HL60細胞において72時間後の、細胞周期プロフィール及びアポトーシス誘導に対する、CNDACと組み合わされたアザシチジンの効果を示すグラフである。(A)HL60細胞を、128nMアザシチジンで24時間、続いて128nMアザシチジン及び133nM CNDACでさらに48時間処置した。細胞を固定し、ヨウ化プロピジウムでDNAを染色した。単剤対照も含めた。(B)HL60細胞を、128nMアザシチジンで24時間、続いて128nMアザシチジン及び133nM CNDACでさらに48時間処置した。細胞を、アポトーシス細胞を検出するアネキシンV及び生細胞を検出するためのヨウ化プロピジウムで染色した。単剤対照も含めた。データは、2つの試料の平均値であり、少なくとも2つの独立した実験を代表する。 HL60細胞において96時間後の、細胞周期プロフィール及びアポトーシス誘導に対する、CNDACと組み合わされたアザシチジンの効果を示すグラフである。(A)HL60細胞を、128nMアザシチジンで24時間、続いて128nMアザシチジン及び133nM CNDACでさらに72時間処置した。細胞を固定し、ヨウ化プロピジウムでDNAを染色した。単剤対照も含めた。(B)HL60細胞を、128nMアザシチジンで24時間、続いて128nMアザシチジン及び133nM CNDACでさらに72時間処置した。細胞を、アポトーシス細胞を検出するアネキシンV及び生細胞を検出するためのヨウ化プロピジウムで染色した。単剤対照も含めた。データは、2つの試料の平均値であり、少なくとも2つの独立した実験を代表する。 HL60細胞における分子事象(molecular event)に対する、CNDAC及びアザシチジンの単独又は組合せの効果を示す時間経過を示す図である。HL60細胞を、以下のように処置した:DMSO(D)でモック処置;アザシチジン(0.5×IC50:128nM)のみで処置(A);培地で24時間、続いてCNDAC(1×IC50:133nM)で処置(C);又は、アザシチジン(128nM)で24時間、続いてCNDAC(133nM)で処置(AC)。試料は、CNDAC添加後の種々の時点で(図示の通り)収集した。細胞を溶解させ、SDS−PAGEによって分画し、ニトロセルロースに転写し、切断されたPARP(アポトーシスのマーカー)を精査した。データは、2つの独立した実験を代表する。
[実施例]
材料及び方法
細胞株及び試薬
MV4−11、HL60及びCEM細胞は、ECACC(Salisbury、UK)ATCCから購入した。細胞は、10%ウシ胎児血清(FCS)を含有するRPMI1640培地中で37℃において5%CO2を用いて培養した。細胞は、細胞0.2×10〜1×10個/mlの密度に保持した。
CNDACは、欧州特許第535231号明細書(Sankyo社)に記載された方法に従って調製した。CYC682(サパシタビン)は、欧州特許第536936号明細書(Sankyo社)に記載された方法に従って調製した。デカシタビン及びアザシチジンは、Sigma-Aldrich社から購入した。全ての化合物の原液は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で10mMで調製した。全ての試薬は、特に明記しない限りSigma社(Poole、UK)から購入した。
細胞培養/細胞毒性アッセイ
組合せ研究を完成させるために、個々の化合物の細胞毒性効果を判定した。各化合物の72時間におけるIC50を確定するために、96ウェルプレートにおいて実験を実施した。細胞株は、MV4−11及びHL60細胞については細胞5,000個/ウェルの密度で、CCRF−CEM細胞については細胞6,000個/ウェルの密度で播種した。各細胞株において、72時間処理IC50値は、各化合物についてアラマーブルーアッセイを用いて決定した。
各薬物の希釈系列は、培地中で調製した。播種の2時間後、等容量の各化合物を、所望の濃度の2倍で加え、72時間インキュベートした。全ての処置は、三重反復で行った。インキュベーション終了時に、アラマーブルー(Roche社、Lewes、UK)の20%原液(stock)を培地中で調製し、等容量を各ウェルに加え、3時間インキュベートした。吸光度を、544〜595nmで読み取り、データを解析して(Excel Fit v4.0)、各化合物のIC50(細胞成長を50%阻害する化合物の濃度)を決定した。
次に、CNDACを、デシタビン又はアザシチジンと組合せて、3つの異なる治療計画を用いて試験した:併用、CNDACによる前処置とそれに続くメチルトランスフェラーゼ阻害剤、及びメチルトランスフェラーゼ阻害剤による前処置とそれに続くCNDAC。
Calcusyn薬物組合せプロトコール
組合せ治療を、以下のように評価した:細胞毒性アッセイを、細胞を様々な濃度範囲の2種の薬物で処置して用い、中央値効果モデル(median effect model)(Chou and Talalay, 1984)を用いて解析を行った。細胞毒性アッセイに関しては、処置は、併用(例えば、ヌクレオシド類似体+DMTi)、又はヌクレオシド類似体の24時間前処置とそれに続く両作用剤(ヌクレオシド類似体−DMTi)の72時間併用処置及びその逆(DMTi−ヌクレオシド類似体)のいずれかとした。単に連続的な処置は、懸濁細胞株での実施が可能でなかった。使用した投薬は、およそIC50に基づき72時間とした。
MV4−11、HL60及びCCRF−CEM細胞は96ウェルプレートに付着しないので、ウェルからの培地の吸引は実際的ではなく、前処置化合物は組合せ実験中において除去されていなかった。組合せの解析に関しては、各化合物の2倍系列希釈を用い、単剤の濃度範囲は、その化合物のIC50値に及ぶように選択した。CNDAC、デシタビン及びアザシチジンは、DMSOで溶解させてから、培地に化合物を加えた。
併用処置に関しては、プレーティングの24時間後に、連続希釈のCNDAC、メチルトランスフェラーゼ阻害剤、又は両薬物を同時に細胞に加え、37℃において72時間放置した。
前処置計画においては、細胞のプレーティングの直後に第1の薬物を加え、24時間放置した。次いで、第2の薬物を含有する新鮮な培地を加え、72時間インキュベートした。各連続処置に対する2つの対照は、薬物処置の1つを培地で置換することを含んでいた。全ての処置を三重反復で行った。
薬物処置後、次に、各ウェル中の細胞数の評価を、10%アラマーブルー(Roche社、Lewes、East Sussex、U.K.)を含有する培地中で細胞を約6時間インキュベートし且つ544〜595nmの吸光度を読み取ることによって行った。薬物相互作用は、Chou及びTalalayの中央値効果モデル(Chou, T.C. & Talalay, P. (1984) Adv. Enzyme Regul. 22, 27-55. Quantatative analysis of dose-effect relationships: the combined effects of multiple drugs or enzyme inhibitors)に基づく市販ソフトウェアパッケージCalcusynを使用して解析した。組合せ指数(C.I.,Combination Index)1は、相加的薬物相互作用を示すのに対して、1より大きいC.I.は拮抗的であり、1未満のスコアは相乗的であった。CI値の定義は以下の通りである:1.45〜1.2は中等度に拮抗的であり、1.2〜1.1はわずかに拮抗的であり、1.1〜0.9は相加的であり、0.9〜0.85はわずかに相乗的であり、0.85〜0.7は中等度に相乗的であり、0.7〜0.3は相乗的である。
細胞周期の解析
細胞処置は次の通りとした:単剤の評価に関しては、HL60細胞を、培地中細胞0.3×10個/mlの濃度で三重反復で播種し、128nM(0.5×IC50)アザシチジン又は133nM(1×IC50)CNDAC若しくはDMSOのみで48時間又は72時間処置してから、フローサイトメトリーのために採取した。組合せの解析に関しては、細胞をアザシチジンで24時間、続いてアザシチジン及びCNDACでさらに48時間又は72時間処置した。対照に関しても、各薬物の単剤処置を実施した。インキュベーション終了時に、細胞を、PBS中での2回洗浄並びに70%エタノールでの固定及び−20℃における保存によって採取した。解析の前に、細胞を、1%BSAを含有するPBS中で2回洗浄し、続いて0.1%Triton X-100を含有するPBS中でヨウ化プロピジウム(50μg/ml)及びリボヌクレアーゼA(50μg/ml)で染色し、細胞周期プロフィールをフローサイトメトリーによって決定した。
アネキシンV染色
HL60細胞を、128nMアザシチジン(0.5×IC50に等しい)で24時間前処置し、続いて128nMアザシチジン及び133nM CNDAC(1×IC50に等しい)で48時間又は72時間併用処置した。単剤処置も対照として実施した。インキュベーション後、細胞を500gで5分間遠心分離し、PBS中で2回、アネキシン緩衝液(10mM Hepes(pH7.4)、2.5mM CaCl及び140mM NaCl)中で1回洗浄した。細胞を1×10/mlで再懸濁させ、100μlを5mlチューブに移してから、アネキシンV−FITC染料(Beckton Dickinson社)5μl及びヨウ化プロピジウム[50mg/ml]10μlと共に、室温において暗所で10分間インキュベートした。アネキシン緩衝剤(1ml)を加え、細胞をフローサイトメトリーによって解析した。アネキシンV陽性細胞(アポトーシス細胞)を、緑色蛍光に基づいて指摘し、ヨウ化プロピジウム(死滅)陽性細胞を、赤色蛍光に基づいて指摘した。
細胞可溶化物の調製及び免疫ブロットによる解析
細胞を、T25フラスコ中において細胞0.3×10個/mlで播種し、DMSOでの処置、又は128nM(0.5×IC50に等しい)のアザシチジンで24時間及びそれに続く128nMアザシチジン及び133nM CNDAC(1×IC50に等しい)を併用してさらに24、36、40、48及び72時間の処置のいずれかを行った。
細胞を、500gで5分間の遠心分離によって採取し、氷冷PBSで1回洗浄し、溶解用緩衝液(lysis buffer)(50mM HEPES(pH7.0)、20mM NaCl、1mM DTT、1xプロテアーゼ阻害剤、10mMピロリン酸ナトリウム、10mM NaF及び1mM NaVO)100μl中に再懸濁させた。試料は全て、超音波処理(設定値5アンペアでSanyo社のSoniprep 150を用いて2×3秒バースト)によって溶解させた。各可溶化物のタンパク質濃度を、BCAアッセイ(Perbio Science社、Northumberland、U.K.)を用いて決定した。
可溶化物(30μg)を、還元剤を含有するゲルローディング用緩衝液と混合し、10%又は12%ポリアクリルアミドゲル上で変性電気泳動条件を用いて製造業者(Invitrogen社、Glasgow、UK)の取扱説明書に従って分離させた。タンパク質を、湿式電気泳動転写(wet electrophoretic transfer)を用いてニトロセルロース膜(Hybond ECL社、Amersham、Chalfont St.Giles、UK)に転写した。膜は、ポンソーSで染色して、等しいローディングを確認してから、0.1%Tween 20を含むPBS(PBSTM)中の5%脱脂乳中で1時間ブロックした。膜を、PBSTM中で希釈された一次抗体と共に4℃において終夜インキュベートした。この研究に用いた抗体は、切断PARP(Becton Dickinson社)であった。膜を、PBS及び0.1%Tween 20(PBST)で洗浄し、西洋わさびペルオキシダーゼ結合二次抗体を含有するPBSTM中で1時間インキュベートした。膜を洗浄し、ECL溶液(Amersham社)と共にインキュベートし、X線フィルム(Amersham社)に曝露した。
結果
血液学的な細胞株におけるCNDACとデシタビンとの組合せ
CNDACをデシタビンと組合せて、AML細胞株HL60及びMV4−11並びにALL細胞株CCRF−CEM中で3つの異なる処置計画を用いて試験した。各薬物処置からの組合せ指数値を、表1においてED50、ED75及びED90値(細胞の50%、75%及び90%が死滅した曲線上の点)について示す。データは、3つの独立した実験の平均値である。
CNDAC及びデシタビンは、試験した3つの細胞株全てにおいて中等度〜強い相乗作用を生じた。CNDAC前処置及びデシタビン前処置はいずれも、この組合せに特に有効な処置計画であった。これらの結果は、血液学的な細胞株においてCNDACをデシタビンと組合せるという考えを裏付けている。
血液学的な細胞株におけるCNDACとアザシチジンとの組合せ
CNDACをアザシチジンと組合せて、AML細胞株HL60及びMV4−11並びにALL細胞株CCRF−CEM中で3つの異なる処置計画を用いて試験した。各薬物処置からの組合せ指数値を、表2においてED50、ED75及びED90値(細胞の50%、75%及び90%が死滅した曲線上の点)について示す。データは、3つの独立した実験の平均値である。
CNDAC及びアザシチジンは、試験した3つの細胞株全てにおいて中等度〜強い相乗作用を誘発した。アザシチジン前処置がHL60及びCEM細胞において強い相乗作用を生じたのに対し、CNDAC前処置はMV4−11及びCEM細胞において中等度の相乗作用をもたらした。これらの結果は、血液学的な細胞株においてCNDACをアザシチジンと組合せるという考えを裏付けている。
細胞周期の解析
HL−60又はMV4−11細胞を、図1A及び2Aに示すように、DMSO、CNDAC又はアザシチジンで処置した。評価した化合物濃度は、HL−60細胞ではアザシチジン0.5×IC50=0.13μM;CNDAC IC50=0.13μMとし、MV4−11細胞ではCNDAC IC50=0.46μmとした。細胞周期プロフィールを、示された条件下での処置後に解析した。
アザシチジン単独による処置は、72時間及び96時間の両曝露で見られるsub−G1、G2/M及び>G2/Mにおける細胞の集積を引き起こした(図1A及び2A)。CNDAC処置単独は、48時間までに、sub−G1における細胞のわずかな誘導と共にG2/Mにおける細胞の蓄積を引き起こした。作用剤の組合せは、sub−G1における細胞のわずかなさらなる増加を示したが、48時間までに細胞周期の他の期においてはほとんど変化が認められなかった。72時間までに、作用剤の組合せは、アザシチジン及びCNDACそれぞれ9%及び7%の単剤処置と比較して、sub−G1において45%の細胞に相当する、より劇的な増加を示した。総合すれば、これらのデータは、組合せ処置が、いずれかの作用剤単独よりも大きい、細胞死の経時的な増加を引き起こすことを示唆している。
アネキシンVの解析
細胞死をより詳細に評価するために、HL60におけるアザシチジン及びCNDACの単剤処置及び組合せ処置を、アポトーシスのマーカーであるアネキシンVによって測定した。細胞を、アザシチジン(128nM)に合計96時間曝露した。24時間後の組合せ処置に関しては、アザシチジンの存在下においてCNDAC(133nM)をさらに72時間添加した。アザシチジンによる単剤処置は、72時間及び96時間までにアポトーシス細胞の割合をわずかに増加させた(図1B及び2B)。CNDAC単独は、48時間又は72時間のいずれの時点でも対照に比較してほとんど効果を示さなかった(図1B及び2B)。作用剤の組合せは、作用剤単独(アザシチジン30.5%及びCNDAC 16.5%)よりも大きい効果(66%)を示し、最も長い合計96時間の処置時点で単剤と組合せとの間に最大の差が認められた(図2B)。
ウエスタンブロット実験
細胞周期の解析を補足するために、単剤又は組合せで処置したHL60細胞を、様々な時点で切断PARP(アポトーシスのマーカー)の誘導について判定した(図3)。
HL−60細胞を、DMSO、0.13μMアザシチジン、0.13μM CNDAC又は両方の作用剤(AC)で処置した。スケジュールは、アザシチジン又はDMSOによる24時間の前処置と、それに続く、示した時間にわたるCNDAC又はDMSOの添加を含んでいた。細胞を、48時間〜96時間の総処置時間後に採取した。得られた可溶化物(20μg)を、12%のアクリルアミドBis-Trisゲル上で分離し、ニトロセルロース膜に転写し、図3に示した抗体で精査した。結果から、アザシチジン単独での処置は、初期の時点においてに切断PARPのわずかな誘導をもたらすことが示された。切断PARPは、組合せ処置においても見られた。それより後の時点において、CNDACもまた、切断PARPを誘導した。組合せによる処置は、作用剤単独よりも切断PARPに対して大きい効果を示した。結果は、CNDACとアザシチジンの組合せは、アポトーシスを誘導するが、Bcl−2ファミリーのタンパク質をモジュレートしないことを示している。
AMLに対する投薬スケジュール
AML細胞株において、サパシタビンの活性代謝産物、CNDACは、低メチル化剤と相乗的であり、その相乗作用は、細胞を最初に低メチル化剤で処置した場合により明白である。
新たに診断された老齢者のAMLにおける、サパシタビンとデシタビンの交互周期での投与の安全性及び有効性を評価するために、第1/2フェーズ研究を行った。デシタビンは、第1の周期及び奇数周期の間に、1日当たり20mg/mの用量で連続5日間静脈内に注入し、続いて3週間を休薬期間とする。サパシタビンは、第2の周期及び偶数周期の間に、1日2回300mgの用量を週に3日間、2週間投与し、続いて2週間を休薬期間とした。第1フェーズ部分において6例の患者のうちの2例以下でDLTが起こる場合、これらの用量は忍容性があるとみなす。第2フェーズの症例数は患者24例とし、これらには、第1フェーズ部分において同一用量の両薬物を投与された患者を含める。これは、適格基準が両部分について同じであるためである。主要有効性エンドポイントは、奏効率(CR、CRp、PR又は主要HI)である。副次的有効性エンドポイントは、全生存期間の中央値である。用量規定毒性が患者の33%未満で起こり且つ8週死亡率が37%未満である場合、投与計画は忍容性があるとみなす。8週死亡率、又は死亡率を、研究への患者の登録の日から60日以内に起こるいかなる原因によるものであっても、死と定義する。
方法:適格患者は、治療歴のない70才以上のAML患者であって、最適な治療が低強度療法であるか又は標準的導入化学療法を拒絶した患者でなければならず、MDS又はMPDの病歴があって低メチル化剤を投与された患者は除外する。
結果:25例の患者を前記用量のデシタビン及びサパシタビンで治療し、16例には60日以上の追跡調査を行った。年齢の中央値は、76才である。用量規定毒性は観察されず、8週死亡率は12.0%であった。奏効率(CR、CRp、PR又は主要HI)は、40%であった。3例の患者がCRを達成し、2例の患者がPRを達成し、1例の患者が血小板において主要HIを達成した。奏効到達時間は、2〜4周期である。8例の患者に、4周期以上の治療を行った。3例の患者は60日以内に死亡したが、死亡は、研究者の評価によれば、治験薬とは無関係であった。一般的な有害事象(因果関係にかかわらず)には、衰弱、食欲不振、嘔気、下痢、脱水、呼吸困難、浮腫、肺炎、発熱性好中球減少症、好中球減少症、血小板減少症、貧血及び低カルシウム血症(これらのほとんどは強度が中等度である)を含めた。これらの中間データは、この治療計画が老齢者のAMLにおいて安全且つ有効であることを示唆している。
別個の臨床研究において同一の投与計画及び少なくとも60日間の追跡調査で治療した、さらに21例の患者において、用量規定毒性の発現頻度は9.5%であり、8週死亡率は14.3%であった。前述の通り、患者には、デシタビンを1日当たり20mg/mで、4週周期(奇数周期)の連続5日間にわたって静脈内投与し、連続してサパシタビンを1日2回、300mgで週に3日間、4週周期(偶数周期)の2週間にわたって経口投与した。
この投与計画で治療した46例全ての患者にわたる30日死亡率は5%であった。
本発明の種々の変更形態及び変形形態は、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関して記載したが、特許請求の範囲に記載した本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定すべきでないことを理解すべきである。実際に、記載した、「本発明を実施するための形態」の種々の変更形態は、関連分野の当業者には明らかであり、本発明によって網羅されるものとする。

Claims (27)

  1. (i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンを含む、対象におけるAMLを治療するための組合せ製剤であって、以下の方法に用いられることを特徴とする前記組合せ製剤。
    少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、前記組合せ製剤における、治療有効量の(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含む方法であって、
    前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、前記治療関連毒性が、骨髄抑制とそれに伴う合併症である、前記方法
  2. 第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビンを投与することを含む、請求項1に記載の組合せ製剤。
  3. サパシタビンの代謝産物がCNDACである、請求項1又は2に記載の組合せ製剤。
  4. 第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組合せ製剤。
  5. 第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを5日間投与すること及びそれに続く3週間の休薬期間を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の組合せ製剤。
  6. 第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを10日間投与すること及びそれに続く4週間の休薬期間を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組合せ製剤。
  7. 第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2週間の休薬期間を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の組合せ製剤。
  8. 各治療周期を2回以上含む、請求項1〜7のいずれかに記載の組合せ製剤。
  9. 各治療周期を3回以上、4回以上又は5回以上含む、請求項1〜8のいずれかに記載の組合せ製剤。
  10. 各治療周期を2〜4回含む、請求項1〜8のいずれかに記載の組合せ製剤。
  11. デシタビンが静脈内投与される、請求項1〜10のいずれかに記載の組合せ製剤。
  12. デシタビンが10〜20mg/mの用量で投与される、請求項1〜11のいずれかに記載の組合せ製剤。
  13. デシタビンが1日当たり20mg/mの用量で投与される、請求項1〜12のいずれかに記載の組合せ製剤。
  14. サパシタビン又はその代謝産物が経口投与される、請求項1〜13のいずれかに記載の組合せ製剤。
  15. サパシタビン又はその代謝産物が、1日2回100〜400mgの用量で投与される、請求項1〜14のいずれかに記載の組合せ製剤。
  16. サパシタビン又はその代謝産物が、1日2回250〜300mgの用量で投与される、請求項1〜15のいずれかに記載の組合せ製剤。
  17. サパシタビン又はその代謝産物が、1日2回300mgの用量で投与される、請求項1〜16のいずれかに記載の組合せ製剤。
  18. 対象が老齢対象である、請求項1〜17のいずれかに記載の組合せ製剤。
  19. 対象が、年齢65才以上である、請求項1〜18のいずれかに記載の組合せ製剤。
  20. 対象が、年齢70才以上である、請求項1〜19のいずれかに記載の組合せ製剤。
  21. (i)サパシタビン及び(ii)デシタビンを含む、老齢対象におけるAMLを治療するための組合せ製剤であって、以下の方法に用いられることを特徴とする前記組合せ製剤。
    少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、前記組合せ製剤における、治療有効量の(i)サパシタビン及び(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含む方法であって、
    前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり10〜20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回100〜400mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、前記治療関連毒性が、骨髄抑制とそれに伴う合併症である、前記方法
  22. (i)サパシタビン及び(ii)デシタビンを含む、老齢対象におけるAMLを治療するための組合せ製剤であって、以下の方法に用いられることを特徴とする前記組合せ製剤。
    少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って、前記組合せ製剤における、治療有効量の(i)サパシタビン及び(ii)デシタビンを対象に投与するステップを含む方法であって、
    前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり10〜20mg/mの用量で連続5又は10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回100〜400mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、前記治療関連毒性が、骨髄抑制とそれに伴う合併症である、前記方法
  23. AMLの治療のための医薬の調製における、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンの使用であって、前記サパシタビン又はその代謝産物及び前記デシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
    前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記治療関連毒性が、骨髄抑制とそれに伴う合併症である、
    使用。
  24. 老齢対象におけるAMLの治療のための医薬の調製における、(i)サパシタビン又はその代謝産物及び(ii)デシタビンの使用であって、前記サパシタビン又はその代謝産物及び前記デシタビンが、少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従って投与され、
    前記第1の治療周期が、デシタビンを1日当たり10〜20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回100〜400mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記治療関連毒性が、骨髄抑制とそれに伴う合併症である、
    使用。
  25. (i)サパシタビン又はその代謝産物と、
    (ii)デシタビンと、
    (iii)少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従ってサパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するための取扱説明書と
    を含少なくとも1回の前記第1の治療周期及び少なくとも1回の前記第2の治療周期を含む投与計画に従ってサパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するためのキットであって、
    前記第1の治療周期が、治療有効量のデシタビンを連続5〜10日間投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記第2の治療周期が、治療有効量のサパシタビン又はその代謝産物を週に連続3日間、2週間にわたって投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記治療関連毒性が、骨髄抑制とそれに伴う合併症である、
    キット。
  26. (i)サパシタビン又はその代謝産物と、
    (ii)デシタビンと、
    (iii)少なくとも1回の第1の治療周期及び少なくとも1回の第2の治療周期を含む投与計画に従ってサパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するための取扱説明書と
    を含少なくとも1回の前記第1の治療周期及び少なくとも1回の前記第2の治療周期を含む投与計画に従ってサパシタビン又はその代謝産物及びデシタビンを投与するためのキットであって、
    前記第1の治療周期が、デシタビンを10〜20mg/mの用量で連続5〜10日間静脈内投与すること及びそれに続く3〜5週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記第2の治療周期が、サパシタビンを1日2回100〜400mgの用量で週に連続3日間、2週間にわたって経口投与すること及びそれに続く2〜4週間又は治療関連毒性が解消されるまでのいずれか長い方の期間の休薬期間を含み、
    前記治療関連毒性が、骨髄抑制とそれに伴う合併症である、
    キット。
  27. 対象におけるAMLの治療に使用するための、請求項25又は26に記載のキット。
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