JP6092570B2 - 鋼棒の被膜形成方法と、被膜形成鋼棒の生産方法 - Google Patents
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Description
このようなボックスカルバート工の連結継手鋼棒において、国上交通省発注工事では防錆・防水のために厚さ1mmのアスファルト系被膜の仕様となっている。
そのアスファルト系被膜の形成は、鋼棒に刷毛で塗って、アスファルトを乾燥させながら1本ずつ所定の厚さになるまで重ね塗りを行っている。
しかも、手塗りのため、塗膜厚さに均等性を欠き、過剰に塗り重ねるために、材料のロスが多い。
そして、塗膜厚さに信頼性を欠くため、品質管理の頻度を増やさなければならない。
以上のことから、アスファルト材料費及び労務費にロスが多く、製造コストが高くなっている。
さらに、本発明は、被膜材料のロスを抑えて、よりコストダウンを図ることを課題としている。
鋼棒を回転させながら、その周囲に被膜を形成するための塗料を吹き付けまたは塗布する鋼棒の被膜形成方法であって、
鋼棒の両端部を保持する保持部と、前記保持部の少なくとも一方に回転駆動力を伝達する回転駆動機構と、を備え、前記保持部をほぼ水平方向に複数組並べて配置して、前記ほぼ水平方向に複数組の保持部を上下方向に互い違いに2段配置した鋼棒の回転装置を用い、
前記ほぼ水平方向に複数組並べて前記上下方向に互い違いに2段配置した前記保持部により両端部で保持された複数本の前記鋼棒を同時に回転させながら、その周囲に前記塗料を吹き付けまたは塗布することを特徴とする。
鋼棒を回転させながら、その周囲に塗料を吹き付けまたは塗布して被膜を形成する被膜形成鋼棒の生産方法であって、
鋼棒の両端部を保持する保持部と、前記保持部の少なくとも一方に回転駆動力を伝達する回転駆動機構と、を備え、前記保持部をほぼ水平方向に複数組並べて配置して、前記ほぼ水平方向に複数組の保持部を上下方向に互い違いに2段配置した鋼棒の回転装置を用い、
前記ほぼ水平方向に複数組並べて前記上下方向に互い違いに2段配置した前記保持部により両端部で保持された複数本の前記鋼棒を同時に回転させながら、その周囲に前記塗料を吹き付けまたは塗布して乾燥させ、
前記吹き付けまたは塗布及び乾燥を繰り返すことで、前記鋼棒の周囲に所定厚の前記被膜を形成した被膜形成鋼棒を生産することを特徴とする。
さらに、被膜材料のロスを抑えて、よりコストダウンすることができる。
(実施形態1)
図1は本発明を適用した鋼棒の回転装置の一実施形態の構成を示すもので、Rは丸い鋼棒、1は鋼棒Rの回転装置、2は作業台、3は鋼棒Rの一端部を保持する保持部、4は鋼棒Rの他端部を保持する保持部、5は回転駆動機構である。
この鋼棒Rは、その両端部の雄ねじ部nを除き、本発明の被膜形成方法によって、図2下部に示したように、周囲に防錆・防水用のアスファルト系塗料で厚さ1mm程度の被膜cが形成された被膜形成鋼棒となる。
さらに、チェーン55の浮き上がりを防止する複数(図示例では2枚)のスプロケット56及び1個のローラ57が設けられている。
そして、この上下2段の回転駆動機構5・5を、図5に示したように、各々のスプロケット53の間にスプロケット53が位置するように互い違いに配置する。これにより、上下2段の保持部3・4が互い違いに配置された構成となっている。
ここで、使用するアスファルト系塗料、例えばゴムとアスファルトを主原料としたエマルジョンタイプの一液性ゴムアスファルト系塗料は、図示しない塗料槽及びヒーター等で予め所定温度に加熱しておく。
すなわち、作業台2の上下の各ラック21の上面において、鋼棒Rの雄ねじ部nの一方を鞘管41に通してから、雄ねじ部nの他方を鞘管31に通して大径ナット32または小径ナット33のいずれかにねじ込む。
こうして、上下10本ずつで計20本の鋼棒Rを回転装置1に平行にセットする。
これにより、保持部3の大径ナット32または小径ナット33のいずれかに雄ねじ部nをねじ込んだ、上下10本ずつ平行配置された計20本の鋼棒Rが同時に回転する。
この工程を所定の塗膜厚(実施形態では1mm程度)になるまで繰り返す。
1)吹き付けにより、塗布作業時間を短縮できる。
2)鋼棒Rの回転により被膜cの塗膜厚を均―にできる。
3)鋼棒Rの回転により液だれを抑制し、材料ロスを低減できる。
4)同時に複数(実施形態では20本)の被膜形成鋼棒Rの製作ができる。
5)上段及び下段の鋼棒Rを互い違いに配置したので、塗料を無駄なく吹き付けられる。
以上の実施形態1においては、保持部を上下方向に互い違いに2段配置したが、保持部を単純に上下2段配置としてもよく、さらに、保持部は1段のみの配置であってもよい。
また、実施形態1では、塗料の吹き付けとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、刷毛による塗料の塗布であってもよい。
さらに、鋼棒の本数、保持部、回転駆動機構の構成、被膜(塗料)の種類等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
図6から図8は実施形態2の鋼棒Rの回転装置101及び塗料槽107等の構成を示す三面図で、102は作業台、103は鋼棒Rの両端部を保持する保持部、104はサイドガイド、105は回転駆動機構、106はローラである。
すなわち、保持溝141は、鋼棒Rの両端部の雄ねじ部nをその径の相違に応じて保持できる略V字状に形成されている。また、鋼棒Rの両端部の雄ねじ部nは、隣り合う2個のローラ106の間に各々保持されて回転する。
すなわち、作業台102の上部の一側に固定されたモータ151の駆動軸に備えるスプロケット152と、その上方で作業台102に軸受されたスプロケット153とに歯付きベルト155が巻き付けられている。
さらに、作業台102の両側において、このスプロケット156と、作業台102の上部において、水平方向に等間隔あけて並べて軸受された複数(図示例では10枚)のスプロケット157と、その複数のスプロケット157を挟んでスプロケット156に対向するスプロケット158とにチェーン159が巻き付けられている。
鋼棒Rは、作業台102の上の両側のサイドガイド104の略V字状の保持溝141において、スプロケット157と一体に回転するローラ106の隣り合う2個の間に雄ねじ部nが各々保持されて回転する。
この塗料槽107は、作業台102の内部の前後左右に配置したジャッキ108により四隅部で昇降可能に支持されている。このジャッキ108は、実施形態では手動式だが、油圧または電動等による自動式でもよい。
ここで、塗料槽107内のアスファルト系塗料は、ヒーター109により予め所定温度に加熱しておく。
すなわち、作業台102上の両側のサイドガイド104の保持溝141に、鋼棒Rの両端部の雄ねじ部nをそれぞれ挿入して隣り合う2個のローラ106の間に各々保持させる。
こうして、10本の鋼棒Rを回転装置101に平行にセットする。
すなわち、ローラ106を全て回転して、両側において、隣り合う2個のローラ106の間に両端部の雄ねじ部nで各々保持した、平行配置された10本の鋼棒Rが同時に回転する。
この工程を所定の塗膜厚(実施形態では1mm程度)になるまで繰り返す。
1)浸漬により、塗布作業時間を短縮できる。
2)鋼棒Rの回転により被膜cの塗膜厚を均―にできる。
3)鋼棒Rの回転により液だれを抑制し、材料ロスを低減できる。
4)同時に複数(実施形態では10本)の被膜形成鋼棒Rの製作ができる。
5)塗料に浸漬したので、塗料を無駄なく使用できる。
以上の実施形態2においては、塗料槽を上下動したが、鋼棒の回転装置を上下動してもよい。
また、塗料槽または鋼棒の回転装置の上下動に代え、浸漬後に塗料槽から塗料をドレーンさせてもよい。この方が装置の構成が簡素でコスト上も有利となる。
さらに、鋼棒の本数、保持部、回転駆動機構の構成、塗料槽の構成等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
n 雄ねじ部
c 被膜
1 鋼棒の回転装置
2 作業台
21 ラック
3 保持部
31 鞘管
32 大径ナット
33 小径ナット
4 保持部
41 鞘管
5 回転駆動機構
51 モータ
52 スプロケット
53 スプロケット
54 スプロケット
55 チェーン
56 スプロケット
57 ローラ
6 スプレーガン
101 鋼棒の回転装置
102 作業台
103 保持部
104 サイドガイド
141 保持溝
105 回転駆動機構
151 モータ
152 スプロケット
153 スプロケット
154 長尺軸
155 チェーン
156 スプロケット
157 スプロケット
158 スプロケット
159 チェーン
106 ローラ
107 塗料槽
108 ジャッキ
109 ヒーター
Claims (2)
- 鋼棒を回転させながら、その周囲に被膜を形成するための塗料を吹き付けまたは塗布する鋼棒の被膜形成方法であって、
鋼棒の両端部を保持する保持部と、前記保持部の少なくとも一方に回転駆動力を伝達する回転駆動機構と、を備え、前記保持部をほぼ水平方向に複数組並べて配置して、前記ほぼ水平方向に複数組の保持部を上下方向に互い違いに2段配置した鋼棒の回転装置を用い、
前記ほぼ水平方向に複数組並べて前記上下方向に互い違いに2段配置した前記保持部により両端部で保持された複数本の前記鋼棒を同時に回転させながら、その周囲に前記塗料を吹き付けまたは塗布することを特徴とする鋼棒の被膜形成方法。 - 鋼棒を回転させながら、その周囲に塗料を吹き付けまたは塗布して被膜を形成する被膜形成鋼棒の生産方法であって、
鋼棒の両端部を保持する保持部と、前記保持部の少なくとも一方に回転駆動力を伝達する回転駆動機構と、を備え、前記保持部をほぼ水平方向に複数組並べて配置して、前記ほぼ水平方向に複数組の保持部を上下方向に互い違いに2段配置した鋼棒の回転装置を用い、
前記ほぼ水平方向に複数組並べて前記上下方向に互い違いに2段配置した前記保持部により両端部で保持された複数本の前記鋼棒を同時に回転させながら、その周囲に前記塗料を吹き付けまたは塗布して乾燥させ、
前記吹き付けまたは塗布及び乾燥を繰り返すことで、前記鋼棒の周囲に所定厚の前記被膜を形成した被膜形成鋼棒を生産することを特徴とする被膜形成鋼棒の生産方法。
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