JP6092273B2 - 酸素分離方法及び設備 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力スイング吸着法を利用して、空気から酸素を分離するための酸素分離方法及び設備に関する。
酸素は製鉄業において重要な素材であり、国内の酸素需要の約3割を占める。鉄鉱石から粗鋼を製造する際には1トン当たり120Nm程度の酸素が使用されており、また、昨今のさらなる省エネルギーの必要性から、空気ではなく酸素或いは酸素富化空気を利用した燃焼を指向する傾向が高まっている。このため、酸素の製造コストの低減は産業界における重要課題の一つとも言える。
酸素は空気を原料としたガス分離法によって製造されるのが一般的であり、製鉄所のように大量に酸素を必要とする場合には、酸素の製造に深冷分離法が用いられている。酸素製造の原単位としては、現状では深冷分離法が有利であるが、この方法は、空気を液化して酸素と窒素の沸点差を利用して酸素を分離することから設備規模が大きくなりやすい。このため、原単位では劣るものの、設備がコンパクト化し易い圧力スイング吸着法(PSA法)や膜分離法も利用されている。
酸素製造(分離)原単位の削減のために、これまでも多くの試みがなされてきており、特にPSA法に使用する吸着材や膜材料の提案がなされてきた。吸着材では、リチウムを置換又は担持したゼオライトが窒素に対する吸着性が高いことから、空気から窒素を分離して酸素を得るPSA装置に実用化されている。また、膜材料では、ポリエチレンテレフタル酸樹脂膜を化学的修飾して酸素透過性を高めた機能性高分子膜が開発され、実用化されている。
また、最近では、ペロブスカイトと呼ばれる無機化合物を吸着材や膜材料として使用する提案がなされている。ペロブスカイトとは一種類の化合物名ではなく、特徴的な結晶構造を有する様々な化合物の総称であり、一般的な表現はABOである。通常、AおよびBの元素に限定はないが、特に酸素の分離に使用されるものは、Aは第2族、第3族およびランタノイドに属する元素(Sr、Ba、Y、Laなど)であり、Bは第7族から第9族に属する元素(Mn、Fe、Coなど)であり、それぞれ1種類の元素であっても、複数種類の元素であってもよい。ペロブスカイトは、温度あるいは酸素分圧の変化により結晶構造が変化し、構造中のOの数(x)が変わることで酸素を吸収、放出するのが特徴である。この性質を利用したガス分離方法として、圧力スイング吸着法や温度スイング吸着法が提案されている。
特開2005−097941号公報 特開2008−012439号公報 特開2010−012367号公報
従来の圧力スイング吸着法では、ガス分離工程として、空気を導入して吸着材に酸素を吸着させる「吸着工程」と、吸着材から真空ポンプ等の排気手段を使って酸素を脱着させる「脱着工程」が最低限必要であるが、一般に吸着工程と脱着工程のみでは分離されるガスの酸素濃度を95vol%以上とすることは難しい。酸素濃度をさらに高めるには、吸着塔内の酸素濃度を高めるための「パージ」と呼ばれる工程が必要となり、このため設備の構造(配管や切り替えのための弁など)が複雑になるという問題がある。
したがって本発明の目的は、PSA法を用いた吸着分離においてパージ工程を行うことなく、空気から酸素を効率的に分離し、高濃度の酸素を得ることができる酸素分離方法及び設備を提供することにある。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を解決すべく検討を重ねた結果、PSA法により酸素を吸着する吸着塔に対し、空気を直接導入するのではなく、事前にPSA法又は膜分離法によって空気から窒素を分離して酸素濃度を高めたガスを導入することにより、PSAにおいてパージ工程を行うことなく、空気から酸素を効率的に分離し、高濃度の酸素ガスが得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、窒素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(1)に空気を導入し、ガス吸着を行う工程(A1)と、工程(A1)で吸着塔(1)に吸着されることなく排気されたガス(g)を、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(2)に導入し、ガス吸着を行う工程(B)と、工程(B)で吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着し、高酸素濃度ガスとして回収する工程(C)を有することを特徴とする酸素分離方法。
[2]上記[1]の酸素分離方法において、工程(A1)で吸着塔(1)に吸着されることなく排気された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g)と、工程(B)で吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)を熱交換し、ガス(g)の顕熱でガス(g)を昇温させることを特徴とする酸素分離方法。
[3]上記[1]又は[2]の酸素分離方法において、工程(B)で吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)を、工程(A1)のために吸着塔(1)に導入される前の空気に混合することを特徴とする酸素分離方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの酸素分離方法において、直列に接続された吸着塔(1)と吸着塔(2)からなる吸着塔列を2列有する設備において、一方の吸着塔列で工程(A1)と工程(B)を行うとともに、他方の吸着塔列で工程(C)を行い、且つこれを2つの吸着塔列で交互に行うことを特徴とする酸素分離方法。
[5]上記[4]の酸素分離方法において、一方の吸着塔列の工程(C)において吸着塔(2)から脱着されたガス(g)と、他方の吸着塔列の工程(A1)で吸着塔(1)に吸着されることなく排気された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g)を熱交換し、ガス(g)の顕熱でガス(g)を昇温させることを特徴とする酸素分離方法。
[6]主として酸素を選択的に透過させて分離する分離膜を備えた膜分離装置(3)に空気を導入し、空気よりも酸素濃度が高いガス(g)を分離する工程(A2)と、工程(A2)で分離されたガス(g)を、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(2)に導入し、ガス吸着を行う工程(B)と、工程(B)で吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着し、高酸素濃度ガスとして回収する工程(C)を有することを特徴とする酸素分離方法。
[7]上記[6]の酸素分離方法において、工程(A2)で分離された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g)と、工程(B)で吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)を熱交換し、ガス(g)の顕熱でガス(g)を昇温させることを特徴とする酸素分離方法。
[8]上記[6]又は[7]の酸素分離方法において、工程(B)で吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)を、工程(A2)のために吸着塔(1)に導入される前の空気に混合することを特徴とする酸素分離方法。
[9]上記[6]〜[8]のいずれかの酸素分離方法において、2基の並列した吸着塔(2)を有し、これら吸着塔(2)が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置(3)に直列に接続された設備において、一方の吸着塔(2)で工程(B)を行うとともに、他方の吸着塔(2)で工程(C)を行い、且つこれを2つの吸着塔(2)で交互に行うことを特徴とする酸素分離方法。
[10]上記[9]の酸素分離方法において、一方の吸着塔(2)の工程(C)で脱着されたガス(g)と、工程(A2)で分離された後、他方の吸着塔(2)に導入される前のガス(g)を熱交換し、ガス(g)の顕熱でガス(g)を昇温させることを特徴とする酸素分離方法。
[11]圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、窒素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(1)と、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填され、吸着塔(1)に直列に接続された吸着塔(2)と、吸着塔(1)に空気を供給する送風手段(4)と、吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着時に排気する排気手段(5)を備え、排気手段(5)で排気されたガス(g)が高酸素濃度ガスとして回収されるようにしたことを特徴とする酸素分離設備。
[12]上記[11]の酸素分離設備において、さらに、吸着塔(1)に吸着されることなく排気された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g)と、吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)を熱交換する熱交換器(24)を備えることを特徴とする酸素分離設備。
[13]上記[11]又は[12]の酸素分離設備において、吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)の排気管(18)を、送風手段(4)が設けられた空気供給管(8)であって、送風手段(4)の上流側の管部位置に接続したことを特徴とする酸素分離設備。
[14]上記[11]〜[13]のいずれかの酸素分離設備において、直列に接続された吸着塔(1)と吸着塔(2)からなる吸着塔列を2列有し、2つの吸着塔列で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、該配管系に送風手段(4)と排気手段(5)を設けたことを特徴とする酸素分離設備。
[15]上記[14]の酸素分離設備において、さらに、一方の吸着塔列の吸着塔(2)から脱着されたガス(g)と、他方の吸着塔列の吸着塔(1)に吸着されることなく排気された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g)を熱交換する熱交換器(25)を備えることを特徴とする酸素分離設備。
[16]主として酸素を選択的に透過させて分離する分離膜を備えた膜分離装置(3)と、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填され、膜分離装置(3)に直列に接続された吸着塔(2)と、膜分離装置(3)に空気を供給する送風手段(4)と、吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着時に排気する排気手段(5)を備え、排気手段(5)で排気されたガス(g)が高酸素濃度ガスとして回収されるようにしたことを特徴とする酸素分離設備。
[17]上記[16]の酸素分離設備において、さらに、膜分離装置(3)で分離された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g)と、吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)を熱交換する熱交換器(24)を備えることを特徴とする酸素分離設備。
[18]上記[16]又は[17]の酸素分離設備において、吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g)の排気管(18)を、送風手段(4)が設けられた空気供給管(8)であって、送風手段(4)の上流側の管部位置に接続したことを特徴とする酸素分離設備。
[19]上記[16]〜[18]のいずれかの酸素分離設備において、2基の並列した吸着塔(2)を有し、これら吸着塔(2)が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置(3)に直列に接続され、前記接続管を含めた配管系であって、2つの吸着塔(2)で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、該配管系に排気手段(5)を設けたことを特徴とする酸素分離設備。
[20]上記[19]の酸素分離設備において、さらに、一方の吸着塔(2)から脱着されたガス(g)と、膜分離装置(3)で分離された後、他方の吸着塔(2)に導入される前のガス(g)を熱交換する熱交換器(25)を備えることを特徴とする酸素分離設備。
本発明によれば、PSA法により酸素を吸着する吸着塔に対し、空気を直接導入するのではなく、事前にPSA法又は膜分離法によって空気から窒素を分離して酸素濃度を高めたガスを導入することにより、PSAおいてパージ工程を行うことなく、空気から酸素を効率的に分離し、高濃度の酸素ガスを得ることができる。
また、事前にPSA法又は膜分離法によって空気から窒素を分離して酸素濃度を高めたガスを、PSA法により酸素を吸着する吸着塔に導入する前に、当該吸着塔から排気された高温の脱着ガスや非吸着ガスとの熱交換で昇温させる方法の場合には、PSA法により酸素を吸着する吸着塔から排気されるガスによる熱ロスを小さくすることができる。
さらに、PSA法により酸素を吸着する吸着塔に吸着されることなく排気されたガスを原料の空気に混合し、原料の一部として再利用する方法の場合には、酸素の回収率をより高めることができる。
本発明に係る第一の酸素分離設備の一実施形態を示す構成図 本発明に係る第一の酸素分離方法の一実施形態(図1の酸素分離設備を用いた実施形態)において、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが吸着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図 本発明に係る第一の酸素分離方法の一実施形態(図1の酸素分離設備を用いた実施形態)において、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが脱着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図 本発明に係る第一の酸素分離設備の他の実施形態を示す構成図 本発明に係る第一の酸素分離方法の他の実施形態(図4の酸素分離設備を用いた実施形態)において、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが吸着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図 本発明に係る第一の酸素分離方法の他の実施形態(図4の酸素分離設備を用いた実施形態)において、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが脱着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図 本発明に係る第二の酸素分離設備の一実施形態を示す構成図 本発明に係る第二の酸素分離方法の一実施形態(図7の酸素分離設備を用いた実施形態)において、吸着塔2aが吸着工程、吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図 本発明に係る第二の酸素分離方法の一実施形態(図7の酸素分離設備を用いた実施形態)において、吸着塔2aが脱着工程、吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図 本発明に係る第二の酸素分離設備の他の実施形態を示す構成図 本発明に係る第二の酸素分離方法の他の実施形態(図10の酸素分離設備を用いた実施形態)において、吸着塔2aが吸着工程、吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図 本発明に係る第二の酸素分離方法の他の実施形態(図10の酸素分離設備を用いた実施形態)において、吸着塔2aが脱着工程、吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図
以下、本発明に係る第一の酸素分離方法及び設備について説明する。
この酸素分離方法は、空気から酸素を分離するための方法であり、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、窒素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔1に空気を導入し、ガス吸着を行う工程A1と、この工程A1で吸着塔1に吸着されることなく排気されたガスgを、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔2に導入し、ガス吸着を行う工程Bと、この工程Bで吸着塔2に吸着されたガスgを脱着し、高酸素濃度ガスとして回収する工程Cを有する。この酸素分離方法は、工程A1と工程Bでガス分離を行うことにより高酸素濃度ガスを得るものであり、このため、工程Bの吸着工程と工程Cの脱着工程間でパージ工程は行わない。
また、この酸素分離方法の好ましい形態では、直列に接続された吸着塔1と吸着塔2からなる吸着塔列を2列有する設備において、一方の吸着塔列で工程A1と工程Bを行うとともに、他方の吸着塔列で工程Cを行い、且つこれを2つの吸着塔列で交互に行う。
また、この酸素分離方法の実施に供する酸素分離設備は、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、窒素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔1と、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填され、吸着塔1に直列に接続された吸着塔2と、吸着塔1に空気を供給する送風手段4と、吸着塔2に吸着されたガスgを脱着時に排気する排気手段5を備え、排気手段5で排気されたガスgが高酸素濃度ガスとして回収されるようにしたものである。この酸素分離設備のガス分離手段は、直列に接続された吸着塔1と吸着塔2からなるが、上記のように工程Bの吸着工程と工程Cの脱着工程間でパージ工程は行わないため、この酸素分離設備は、パージ工程を行うための設備構成は備えない。
また、この酸素分離装置の好ましい形態では、直列に接続された吸着塔1と吸着塔2からなる吸着塔列を2列有し、2つの吸着塔列で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、この配管系に送風手段4と排気手段5を設ける。
図1は、本発明の酸素分離設備の一実施形態を示すものである。
この酸素分離設備は、圧力スイング吸着方式による吸着塔として、窒素を主として吸着する吸着材が充填された2基の吸着塔1a,1bと、酸素を主として吸着する吸着材が充填された2基の吸着塔2a,2bを備えている。そして、吸着塔1aと吸着塔2aが接続管6aにより、吸着塔1bと吸着塔2bが接続管6bにより、それぞれ直列に接続されており、したがって、直列に接続された吸着塔1(窒素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔)と吸着塔2(酸素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔)とからなる吸着塔列を2列有している。接続管6aの両端は、吸着塔1aの上端と吸着塔2aの下端にそれぞれ接続され、また、接続管6bの両端は、吸着塔1bの上端と吸着塔2bの下端にそれぞれ接続されている。
吸着塔1a,1bに充填される窒素を主として吸着する吸着材とは、空気を通したときに窒素の吸着容量が酸素の吸着容量に較べて大きい吸着材である。この吸着材は、窒素を主として吸着できるものであれば、その種類に特別な制限はないが、吸着性能の面からは、リチウムを置換又は担持したゼオライト(Li置換又は担持ゼオライト)が特に好ましい。
吸着塔2a,2bは、それぞれ吸着塔を500〜600℃程度まで加熱するための加熱手段10を備えている。この加熱手段10は、吸着塔を外囲するように設置される電熱ヒーター等で構成される。
吸着塔2a,2bに充填される酸素を主として吸着する吸着材とは、空気を通したときに酸素の吸着容量が窒素の吸着容量に較べて大きい吸着材である。この吸着材は、酸素を主として吸着できるものであれば、その種類に特別な制限はないが、吸着性能の面からはペロブスカイト型吸着材が望ましい。先に述べたように、ペロブスカイトの構造の一般的な表現はABOである。このAおよびBの元素に限定はないが、特に本発明のように酸素の分離に使用するものは、Aは第2族、第3族およびランタノイドに属する元素(Sr、Ba、Y、Laなど)であり、Bは第7族から第9族に属する元素(Mn、Fe、Coなど)であり、それぞれ、それらの中から選ばれる1種類の元素であっても、複数種類の元素であってもよい。ペロブスカイトは、温度あるいは酸素分圧の変化により結晶構造が変化し、構造中のOの数(x)が変わることで酸素を吸収、放出する。ペロブスカイト型吸着材としては、例えば、SrFeO、BaFeO、SrNiO、SrCoOや、特開2005−87941号公報、特開2008−12439号公報に示されるものなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
送風手段4はブロア等で構成され、吸着塔1a,1bに空気を供給する空気供給管8に設けられている。この空気供給管8の下流側は、吸着塔1a,1bに対応して2本の分岐供給管80a,80bに分岐している。
吸着塔1a,1bの吸着ガスを排気するガス排気管9には、真空ポンプ等で構成される排気手段7が設けられている。このガス排気管9の上流側は、吸着塔1a,1bに対応して2本の分岐排気管90a,90bに分岐している。
そして、分岐供給管80aと分岐排気管90aが合流してガス給排管11aとなり、このガス給排管11aが吸着塔1aの一端(下部側)に接続されている。また、分岐供給管80bと分岐排気管90bが合流してガス給排管11bとなり、このガス給排管11bが吸着塔1bの一端(下部側)に接続されている。
排気手段5は真空ポンプ等で構成され、吸着塔2a,2bの吸着ガスを排気するガス排気管12に設けられている。このガス排気管12の上流側は、吸着塔2a,2bに対応して2本の分岐排気管120a,120bに分岐している。
そして、吸着塔1aと吸着塔2aを接続する接続管6aの途中に分岐排気管120aが合流(接続)し、また、吸着塔1bと吸着塔2bを接続する接続管6bの途中に分岐排気管120bが合流(接続)している。
吸着塔2a,2bを通過した非吸着ガス(オフガス)を排出するためのガス排気管18は、その上流側が吸着塔2a,2bに対応して2本の分岐排気管180a,180bに分岐し、これら分岐排気管180a,180bが、吸着塔2a,2bの上端に接続されている。
分岐供給管80a,80b、分岐排気管90a,90b、接続管6a,6b、分岐排出管120a,120b、分岐排気管180a,180bには、それぞれ開閉弁13a,13b,14a,14b,15a,15b,16a,16b,17a,17b(自動開閉弁)が設けられ、吸脱着の各工程に応じて開閉されるようになっている。また、ガス排気管18には背圧弁19が設けられ、吸着塔内を所定圧力に維持しつつ非吸着ガスを排出できるようにしている。
本発明の酸素分離設備の操業では、後述するように、各吸着塔2a,2bにおいて、吸着工程と脱着工程間でパージ工程は行わないため、パージ工程を行うための設備構成は備えない。
以下、図1の酸素分離設備を用いた本発明の酸素分離方法の一実施形態について、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが吸着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図、図3は、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが脱着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図である。図2及び図3において、太線がガスの流れている流路を示し、開閉弁のなかで黒塗りが閉状態のもの、白抜きが開状態のものである。
なお、吸着塔2a,2bは、必要に応じて、加熱手段10により吸着材の酸素吸着・脱着に必要な温度まで加熱される。
図2において、原料である空気gは、送風手段4によって空気供給管8、分岐供給管80a、ガス給排気管11aを通じて吸着塔1aに導入され、塔内に充填された吸着材(窒素を主として吸着する吸着材)に窒素が主として吸着される(工程A1)。吸着塔1aで窒素が吸着されることで酸素が濃縮されたガスgは、非吸着ガスとして塔上部から排気され、接続管6aを通じて吸着塔2aに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この結果、吸着塔2aには高酸素濃度ガス(ガスg)が吸着された状態となる。吸着塔2aに吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)は、分岐排出管180a、ガス排出管18を通じて背圧弁19を介して排気される。
一方、上記のように吸着塔1a,2aでガス吸着が行われる工程A1,工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2b内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2bから脱着され、接続管6bの一部、分岐排気管120b、ガス排気管12を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この吸着塔2bでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
また、前回行われた工程A1で窒素が主として吸着された吸着塔1bから排気手段7により窒素が多いガスgが脱着され、ガス給排管11b、分岐排気管90b、ガス排気管9を通じて排気される。なお、この吸着塔1bでのPSAでも、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
図2の状態で第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2a、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bによる上記工程が完了した時点で、開閉弁の開閉状態を図3に示すように変更して吸着工程を行う吸着塔列と脱着工程を行う吸着塔列との切り替えを行い、以下のようなガス分離を行う。
図3において、原料である空気gは、送風手段4によって空気供給管8、分岐供給管80b、ガス給排気管11bを通じて吸着塔1bに導入され、塔内に充填された吸着材(窒素を主として吸着する吸着材)に窒素が主として吸着される(工程A1)。吸着塔1bで窒素が吸着されることで酸素が濃縮されたガスgは、非吸着ガスとして塔上部から排気され、接続管6bを通じて吸着塔2bに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この結果、吸着塔2bには高酸素濃度ガス(ガスg)が吸着された状態となる。吸着塔2bに吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)は、分岐排出管180b、ガス排出管18を通じて背圧弁19を介して排気される。
一方、上記のように吸着塔1b,2bでガス吸着が行われる工程A1,工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2a内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2aから脱着され、接続管6aの一部、分岐排気管120a、ガス排気管12を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この吸着塔2aでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
また、前回行われた工程Aで窒素が主として吸着された吸着塔1aから排気手段7により窒素が多いガスgが脱着され、ガス給排管11a、分岐排気管90a、ガス排気管9を通じて排気される。なお、この吸着塔1aでのPSAでも、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
以上の図2、図3の工程を繰り返し行うことで、原料である空気gから高酸素濃度ガス(ガスg)を連続的に得ることができる。
この酸素分離方法では、吸着塔2(2a,2b)でのPSAの吸着工程と脱着工程間でのパージ工程が行われないが、吸着塔2(2a,2b)には、事前に吸着塔1(1a,1b)で空気から窒素を吸着分離して酸素濃度を高めたガスを導入されるので、吸着塔2(2a,2b)には高濃度に濃縮された酸素が吸着され、これを高酸素濃度ガスとして回収することができる。
本発明は、第一段のPSA装置(吸着塔1)で事前に空気から窒素を分離して酸素濃度を高めたガスとし、このガスを第二段のPSA装置(吸着塔2)に導入して酸素を吸着し、このPSA装置(吸着塔2)の脱着ガスを高酸素濃度ガスとして回収するものであるが、上述した実施形態のように、直列に接続された2段のPSA装置(吸着塔1,2)でガスの吸着・脱着を行うだけでは、得られる酸素回収率には一定の限界がある。
また、さきに述べたように、吸着塔2に充填される吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)としては、吸着性能の面からペロブスカイト型吸着材が好ましいが、この吸着材は500〜600℃といった高温状態で使用される(酸素の吸着・脱着)ものであり、このため吸着材の熱が吸着塔2から排出されるガスに着熱して熱ロスとなる問題がある。
本発明の酸素分離方法は、上記のような課題を解決するために、以下のような好ましい形態を採ることができる。
(i) 工程A1で吸着塔1に吸着されることなく排気された後、吸着塔2に導入される前のガスgと、工程Bで吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgを熱交換し、ガスgの顕熱でガスgを昇温させる。
(ii) 工程Bで吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgを、工程A1のために吸着塔1に導入される前の空気に混合する。
(iii) 直列に接続された吸着塔1と吸着塔2からなる吸着塔列を2列有する設備において、一方の吸着塔列で工程A1と工程Bを行うとともに、他方の吸着塔列で工程Cを行い、且つこれを2つの吸着塔列で交互に行う酸素分離方法において、一方の吸着塔列の工程Cにおいて吸着塔2から脱着されたガスgと、他方の吸着塔列の工程A1で吸着塔1に吸着されることなく排気された後、吸着塔2に導入される前のガスgを熱交換し、ガスgの顕熱でガスgを昇温させる。
上記(i)、(iii)により吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスを少なくすることができるが、特に上記(i)と(iii)を組み合わせ、吸着塔2に導入する前のガスgを吸着塔2から排気された高温のガスg(脱着ガス)とガスg(非吸着ガス)との2段階の熱交換により昇温させることにより、吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスをより効果的に低減させることができる。また、上記(ii)により酸素回収率を高めることができる。このため上記(i)〜(iii)を組み合わせることにより、酸素回収率を高めることができるとともに、吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスを最も効果的に低減させることができる。
また、この酸素分離方法の実施に供する酸素分離設備は、上記課題を解決するために、以下のような好ましい形態を採ることができる。
(1) さらに、吸着塔1に吸着されることなく排気された後、吸着塔2に導入される前のガスgと、吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgを熱交換する熱交換器24を備える。
(2) 吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgの排気管18を、送風手段4が設けられた空気供給管8であって、送風手段4の上流側の管部位置に接続する。
(3) 直列に接続された吸着塔1と吸着塔2からなる吸着塔列を2列有し、2つの吸着塔列で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、該配管系に送風手段4と排気手段5を設けた酸素分離設備において、さらに、一方の吸着塔列の吸着塔2から脱着されたガスgと、他方の吸着塔列の吸着塔1に吸着されることなく排気された後、吸着塔2に導入される前のガスgを熱交換する熱交換器25を備える。
図4は、本発明の酸素分離設備の他の実施形態を示すものであり、上述した好ましい形態(1)〜(3)を備えた酸素分離設備である。
この酸素分離設備の基本構成は、図1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この酸素分離設備は、図1の基本構成に加えて、熱交換器24a,24b、熱交換器25a,25bを備えている。
熱交換器24a,24bは、吸着塔1a,1bに吸着されることなく排気された後、吸着塔2a,2bに導入される前のガスgと、吸着塔2a,2bに吸着されることなく排気されたガスg(オフガス)を熱交換するものである。
したがって、熱交換器24aは、吸着塔2aを通過した非吸着ガス(オフガス)を排出するための分岐排気管180aと、吸着塔1aと吸着塔2aを接続する接続管6aに対して設けられる。すなわち、熱交換器24aの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管180aが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に接続管6aが接続される。また、熱交換器24bは、吸着塔2bを通過した非吸着ガス(オフガス)を排出するための分岐排気管180bと、吸着塔1bと吸着塔2bを接続する接続管6bに対して設けられる。すなわち、熱交換器24bの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管180bが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に接続管6bが接続される。
熱交換器25a,25bは、一方の吸着塔列の吸着塔2から脱着されたガスgと、他方の吸着塔列の吸着塔1に吸着されることなく排気された後、吸着塔2に導入される前のガスgを熱交換するものである。
したがって、熱交換器25aは、吸着塔2bの吸着ガスを排気(脱着)する分岐排気管120bと、吸着塔1aと吸着塔2aを接続する接続管6aに対して設けられる。すなわち、熱交換器25aの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管120bが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に接続管6aが接続される。また、熱交換器25bは、吸着塔2aの吸着ガスを排気(脱着)する分岐排気管120aと、吸着塔1bと吸着塔2bを接続する接続管6bに対して設けられる。すなわち、熱交換器25bの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管120aが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に接続管6bが接続される。
接続管6a,6bにおいては、ガスgの流れ方向で開閉弁15a,15bの下流側に熱交換器25a,25b、熱交換器24a,24bの順で配置されている。これは、熱交換器25a,25bの一次側のガスgと、熱交換器24a,24bの一次側のガスgは、通常、ガス量がg>gであるため、ガス量の少ないガスgを先にガスgの温度が低い状態で熱交換させ、次いで、ガス量の多いガスgと若干温度の上昇したガスgと熱交換する方が、ガスgを効率的に昇温させることができるからである。
また、吸着塔2a,2bに吸着されることなく排気されるガスgの排気管18は、送風手段4の上流側の空気供給管8に接続され、ガスgが空気gに混合されるようにしている。
以下、図4の酸素分離設備を用いた本発明の酸素分離方法の一実施形態について、図5及び図6に基づいて説明する。図5は、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが吸着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図、図6は、第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2aが脱着工程、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図である。図5及び図6において、太線(実線、点線)がガスの流れている流路を示し、開閉弁のなかで黒塗りが閉状態のもの、白抜きが開状態のものである。
この実施形態では、吸着塔2a,2bは加熱手段10で加熱され、塔内の吸着材は吸着工程・脱着工程とも高温状態(例えば、500℃程度)で使用される。
図5において、原料である空気g(常温)は、送風手段4によって空気供給管8、分岐供給管80a、ガス給排気管11aを通じて吸着塔1aに導入され、塔内に充填された吸着材(窒素を主として吸着する吸着材)に窒素が主として吸着される(工程A1)。吸着塔1aで窒素が吸着されることで酸素が濃縮されたガスg(常温)は、非吸着ガス(オフガス)として塔上部から排気され、接続管6aを通じて吸着塔2aに導入されるが、この際、熱交換器25aにおいて、後述する工程Cで吸着塔2bから脱着されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱で昇温し、さらに熱交換器24aにおいて、工程Bで吸着塔2aに吸着されることなく排気されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱でさらに昇温する。このように昇温したガスgが吸着塔2aに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この結果、吸着塔2aには高酸素濃度ガス(ガスg)が吸着された状態となる。
吸着塔2aに吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)は、分岐排出管180a、ガス排出管18を通じて背圧弁19を介して排気されるが、このガスgにはまだ相当量の酸素が含まれているため、ガス排出管18を通じて送風手段4の上流側の空気供給管8内に導入し、空気gと混合して原料ガスの一部とする。
一方、上記のように吸着塔1a,2aでガス吸着が行われる工程A1,工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2b内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2bから脱着され、接続管6bの一部、分岐排気管120b、ガス排気管12を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この際、上述したようにガスg(例えば、約500℃)が、熱交換器25aでガスg(常温)と熱交換し、ガスgの昇温に利用される。この吸着塔2bでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
また、前回行われた工程A1で窒素が主として吸着された吸着塔1bから排気手段7により窒素が多いガスgが脱着され、ガス給排管11b、分岐排気管90b、ガス排気管9を通じて排気される。なお、この吸着塔1bでのPSAでも、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
図5の状態で第1の吸着塔列を構成する吸着塔1aと吸着塔2a、第2の吸着塔列を構成する吸着塔1bと吸着塔2bによる上記工程が完了した時点で、開閉弁の開閉状態を図6に示すように変更して吸着工程を行う吸着塔列と脱着工程を行う吸着塔列との切り替えを行い、以下のようなガス分離を行う。
図6において、原料である空気g(常温)は、送風手段4によって空気供給管8、分岐供給管80b、ガス給排気管11bを通じて吸着塔1bに導入され、塔内に充填された吸着材(窒素を主として吸着する吸着材)に窒素が主として吸着される(工程A1)。吸着塔1bで窒素が吸着されることで酸素が濃縮されたガスg(常温)は、非吸着ガス(オフガス)として塔上部から排気され、接続管6bを通じて吸着塔2bに導入されるが、この際、熱交換器25bにおいて、後述する工程Cで吸着塔2aから脱着されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱で昇温し、さらに熱交換器24bにおいて、工程Bで吸着塔2bに吸着されることなく排気されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱でさらに昇温する。このように昇温したガスgが吸着塔2bに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この結果、吸着塔2bには高酸素濃度ガス(ガスg)が吸着された状態となる。
吸着塔2bに吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)は、分岐排出管180b、ガス排出管18を通じて背圧弁19を介して排気されるが、このガスgにはまだ相当量の酸素が含まれているため、ガス排出管18を通じて送風手段4の上流側の空気供給管8内に導入し、空気gと混合して原料ガスの一部とする。
一方、上記のように吸着塔1b,2bでガス吸着が行われる工程A1,工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2a内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2aから脱着され、接続管6aの一部、分岐排気管120a、ガス排気管12を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この際、上述したようにガスg(例えば、約500℃)が、熱交換器25bでガスg(常温)と熱交換し、ガスgの昇温に利用される。この吸着塔2aでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
また、前回行われた工程A1で窒素が主として吸着された吸着塔1aから排気手段7により窒素が多いガスgが脱着され、ガス給排管11a、分岐排気管90a、ガス排気管9を通じて排気される。なお、この吸着塔1aでのPSAでも、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
以上の図5、図6の工程を繰り返し行うことで、原料である空気gから高酸素濃度ガス(ガスg)を連続的に得ることができる。
この酸素分離方法では、吸着塔2(2a,2b)でのPSAの吸着工程と脱着工程間でのパージ工程が行われないが、吸着塔2(2a,2b)には、事前に吸着塔1(1a,1b)で空気から窒素を吸着分離して酸素濃度を高めたガスを導入されるので、吸着塔2(2a,2b)には高濃度に濃縮された酸素が吸着され、これを高酸素濃度ガスとして回収することができる。
また、吸着塔1から排気された常温のガスgが、吸着塔2から排気された高温のガスg(脱着ガス)とガスg(非吸着ガス)との2段階の熱交換で昇温することにより、吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスを効果的に低減させることができる。さらに、吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)を原料の空気に混合し、原料ガスの一部として用いることにより、酸素の回収率を高めることができる。
次に、本発明に係る第二の酸素分離方法及び設備について説明する。
この酸素分離方法は、空気から酸素を分離するための方法であり、主として酸素を選択的に透過させて分離する分離膜を備えた膜分離装置3に空気を導入し、空気よりも酸素濃度が高いガスgを分離する工程A2と、この工程A2で分離されたガスgを、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔2に導入し、ガス吸着を行う工程Bと、この工程Bで吸着塔2に吸着されたガスgを脱着し、高酸素濃度ガスとして回収する工程Cを有する。この酸素分離方法は、工程A2と工程Bでガス分離を行うことにより高酸素濃度ガスを得るものであり、このため、工程Bの吸着工程と工程Cの脱着工程間でパージ工程は行わない。
また、この酸素分離方法の好ましい形態では、2つの並列した吸着塔2を有し、これら吸着塔2が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置3に直列に接続された設備において、一方の吸着塔2で工程Bを行うとともに、他方の吸着塔2で工程Cを行い、且つこれを2つの吸着塔2で交互に行う。
また、この酸素分離方法の実施に供する酸素分離設備は、主として酸素を選択的に透過させて分離する分離膜を備えた膜分離装置3と、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填され、膜分離装置3に直列に接続された吸着塔2と、膜分離装置3に空気を供給する送風手段4と、吸着塔2に吸着されたガスgを脱着時に排気する排気手段5を備え、排気手段5で排気されたガスgが高酸素濃度ガスとして回収されるようにしたものである。この酸素分離設備のガス分離手段は、直列に接続された膜分離装置3と吸着塔2からなるが、上記のように工程Bの吸着工程と工程Cの脱着工程間でパージ工程は行わないため、この酸素分離設備は、パージ工程を行うための設備構成は備えない。
また、この酸素分離装置の好ましい形態では、2つの並列した吸着塔2を有し、これら吸着塔2が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置3に直列に接続された構成を有するとともに、前記接続管を含めた配管系であって、2つの吸着塔2で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、この配管系に排気手段5を設ける。
図7は、本発明の酸素分離設備の一実施形態を示すものである。
本実施形態の吸着塔2a,2bとそのオフガス排出側設備(配管、弁)は、図1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この酸素分離設備は、1基の膜分離装置3と、2基の並列した吸着塔2を有し、これら2基の吸着塔2が2つに分岐した接続管20を介して膜分離装置3に直列に接続されている。すなわち、接続管20の一端側が膜分離装置3の透過側に接続されるとともに、他端側が分岐接続管20a,20bに分岐し、それぞれの端部が吸着塔2a,2bの下端に接続されている。
膜分離装置3の分離膜30は、主として酸素を選択的に透過させて分離することができる分離膜であり、公知のものを利用できる。ここで、主として酸素を選択的に透過させる分離膜とは、空気を通したときに酸素の透過速度係数が窒素の透過速度係数に較べて大きい分離膜のことである。
送風手段4はブロア等で構成され、膜分離装置3に空気を供給する空気供給管8に設けられている。
排気手段5は真空ポンプ等で構成され、吸着塔2a,2bの吸着ガスを排気するガス排気管21に設けられている。このガス排気管21の上流側は、吸着塔2a,2bに対応して2本の分岐排気管210a,210bに分岐している。
そして、膜分離装置3と吸着塔2aを接続する分岐接続管20aの途中に分岐排気管210aが合流(接続)し、また、膜分離装置3と吸着塔2bを接続する分岐接続管20bの途中に分岐排気管210bが合流(接続)している。
分岐接続管20a,20b、分岐排気管210a,210bには、それぞれ開閉弁22a,22b,23a,23b(自動開閉弁)が設けられ、吸脱着の各工程に応じて開閉されるようになっている。
本発明の酸素分離設備の操業では、後述するように、各吸着塔2a,2bにおいて、吸着工程と脱着工程間でパージ工程は行わないため、パージ工程を行うための設備構成は備えない。
以下、図7の酸素分離設備を用いた本発明の酸素分離方法の一実施形態について、図8及び図9に基づいて説明する。図8は、吸着塔2aが吸着工程、吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図、図9は、吸着塔2aが脱着工程、吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図である。図8及び図9において、太線がガスの流れている流路を示し、開閉弁のなかで黒塗りが閉状態のもの、白抜きが開状態のものである。
図8において、吸着塔2aと吸着塔2bでのPSAによるガス分離工程は、図2の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。このPSAでは吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
図8において、原料である空気gは、送風手段4によって空気供給管8を通じて膜分離装置3に導入され、分離膜30を透過することで酸素濃度の高いガスg(空気よりも酸素濃度が高いガス)が分離される(工程A2)。このガスgは接続管20および分岐接続管20aを通じて吸着塔2aに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この分離工程は、図2の吸着塔2aの実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
一方、上記のように吸着塔2aでガス吸着が行われる工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2b内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2bから脱着され、分岐接続管20bの一部、分岐排気管210b、ガス排気管21を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この吸着塔2bでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
図8の状態で吸着塔2a,2bによる上記工程が完了した時点で、開閉弁の開閉状態を図9に示すように変更して吸着工程を行う吸着塔と脱着工程を行う吸着塔との切り替えを行い、以下のようなガス分離を行う。
図9においても、図8と同様に、原料である空気gが膜分離装置3に導入され、分離膜30を透過することで酸素濃度の高いガスgが分離され(工程A2)、このガスgは接続管20および分岐接続管20bを通じて吸着塔2bに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この分離工程は、図3の吸着塔2bの実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
一方、上記のように吸着塔2bでガス吸着が行われる工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2a内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2aから脱着され、分岐接続管20aの一部、分岐排気管210a、ガス排気管21を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この吸着塔2aでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
以上の図8、図9の工程を繰り返し行うことで、原料である空気gから高酸素濃度ガス(ガスg)を連続的に得ることができる。
この酸素分離方法では、吸着塔2(2a,2b)でのPSAの吸着工程と脱着工程間でのパージ工程が行われないが、吸着塔2(2a,2b)には、事前に膜分離装置3において空気から窒素を分離して酸素濃度を高めたガスを導入されるので、吸着塔2(2a,2b)には高濃度に濃縮された酸素が吸着され、これを高酸素濃度ガスとして回収することができる。
本発明は、膜分離装置で事前に空気から窒素を分離して酸素濃度を高めたガスとし、このガスをPSA装置(吸着塔2)に導入して酸素を吸着し、このPSA装置(吸着塔2)の脱着ガスを高酸素濃度ガスとして回収するものであるが、上述した実施形態のように、直列に接続された膜分離装置とPSA装置(吸着塔2)でガスの分離及び吸着・脱着を行うだけでは、得られる酸素回収率には一定の限界がある。
また、さきに述べたように、吸着塔2に充填される吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)としては、吸着性能の面からペロブスカイト型吸着材が好ましいが、この吸着材は500〜600℃といった高温状態で使用される(酸素の吸着・脱着)ものであり、このため吸着材の熱が吸着塔2から排出されるガスに着熱して熱ロスとなる問題がある。
本発明の酸素分離方法は、上記のような課題を解決するために、以下のような好ましい形態を採ることができる。
(i) 工程A2で分離された後、吸着塔2に導入される前のガスgと、工程Bで吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgを熱交換し、ガスgの顕熱でガスgを昇温させる。
(ii) 工程Bで吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgを、工程A2のために吸着塔1に導入される前の空気に混合する。
(iii) 2基の並列した吸着塔2を有し、これら吸着塔2が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置3に直列に接続された設備において、一方の吸着塔2で工程Bを行うとともに、他方の吸着塔2で工程Cを行い、且つこれを2つの吸着塔2で交互に行う酸素分離方法において、一方の吸着塔2の工程Cで脱着されたガスgと、工程A2で分離された後、他方の吸着塔2に導入される前のガスgを熱交換し、ガスgの顕熱でガスgを昇温させる。
上記(i)、(iii)により吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスを少なくすることができるが、特に上記(i)と(iii)を組み合わせ、吸着塔2に導入する前のガスgを吸着塔2から排気された高温のガスg(脱着ガス)とガスg(非吸着ガス)との2段階の熱交換により昇温させることにより、吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスをより効果的に低減させることができる。また、上記(ii)により酸素回収率を高めることができる。このため上記(i)〜(iii)を組み合わせることにより、酸素回収率を高めることができるとともに、吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスを最も効果的に低減させることができる。
また、この酸素分離方法の実施に供する酸素分離設備は、上記課題を解決するために、以下のような好ましい形態を採ることができる。
(1) さらに、膜分離装置3で分離された後、吸着塔2に導入される前のガスgと、吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgを熱交換する熱交換器24を備える。
(2) 吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスgの排気管18を、送風手段4が設けられた空気供給管8であって、送風手段4の上流側の管部位置に接続する。
(3) 2基の並列した吸着塔2を有し、これら吸着塔2が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置3に直列に接続され、前記接続管を含めた配管系であって、2つの吸着塔2で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、該配管系に排気手段5を設けた酸素分離設備において、さらに、一方の吸着塔2から脱着されたガスgと、膜分離装置3で分離された後、他方の吸着塔2に導入される前のガスgを熱交換する熱交換器25を備える。
図10は、本発明の酸素分離設備の他の実施形態を示すものであり、上述した好ましい形態(1)〜(3)を備えた酸素分離設備である。
この酸素分離設備の基本構成は、図7の実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この酸素分離設備は、図7の基本構成に加えて、熱交換器24a,24b、熱交換器25a,25bを備えている。
熱交換器24a,24bは、膜分離装置3で分離された後、吸着塔2a,2bに導入される前のガスgと、吸着塔2a,2bに吸着されることなく排気されたガスg(オフガス)を熱交換するものである。
したがって、熱交換器24aは、吸着塔2aを通過した非吸着ガス(オフガス)を排出するための分岐排気管180aと、膜分離装置3と吸着塔2aを接続する分岐接続管20aに対して設けられる。すなわち、熱交換器24aの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管180aが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に分岐接続管20aが接続される。また、熱交換器24bは、吸着塔2bを通過した非吸着ガス(オフガス)を排出するための分岐排気管180bと、膜分離装置3と吸着塔2bを接続する分岐接続管20bに対して設けられる。すなわち、熱交換器24bの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管180bが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に分岐接続管20bが接続される。
熱交換器25a,25bは、一方の吸着塔2から脱着されたガスgと、膜分離装置3で分離された後、他方の吸着塔2に導入される前のガスgを熱交換するものである。
したがって、熱交換器25aは、吸着塔2bの吸着ガスを排気(脱着)する分岐排気管210bと、膜分離装置3と吸着塔2aを接続する分岐接続管20aに対して設けられる。すなわち、熱交換器25aの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管210bが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に分岐接続管20aが接続される。また、熱交換器25bは、吸着塔2aの吸着ガスを排気(脱着)する分岐排気管210aと、膜分離装置3と吸着塔2bを接続する分岐接続管20bに対して設けられる。すなわち、熱交換器25bの一次側流路(流路の入口・出口)に分岐排気管210aが接続され、二次側流路(流路の入口・出口)に分岐接続管20bが接続される。
分岐接続管20a,20bにおいては、ガスgの流れ方向で開閉弁22a,22bの下流側に熱交換器25a,25b、熱交換器24a,24bの順で配置されている。これは、熱交換器25a,25bの一次側のガスgと、熱交換器24a,24bの一次側のガスgは、通常、ガス量がg>gであるため、ガス量の少ないガスgを先にガスgの温度が低い状態で熱交換させ、次いで、ガス量の多いガスgと若干温度の上昇したガスgと熱交換する方が、ガスgを効率的に昇温させることができるからである。
また、吸着塔2a,2bに吸着されることなく排気されるガスgの排気管18は、送風手段4の上流側の空気供給管8に接続され、ガスgが空気gに混合されるようにしている。
以下、図10の酸素分離設備を用いた本発明の酸素分離方法の一実施形態について、図11及び図12に基づいて説明する。図11は、吸着塔2aが吸着工程、吸着塔2bが脱着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図、図12は、吸着塔2aが脱着工程、吸着塔2bが吸着工程にあるときの開閉弁の開閉状態及びガス流れを示す説明図である。図11及び図12において、太線(実線、点線)がガスの流れている流路を示し、開閉弁のなかで黒塗りが閉状態のもの、白抜きが開状態のものである。
図11において、吸着塔2aと吸着塔2bでのPSAによるガス分離工程は、図2の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。このPSAでは吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
この実施形態では、吸着塔2a,2bは加熱手段10で加熱され、塔内の吸着材は吸着工程・脱着工程とも高温状態(例えば、500℃程度)で使用される。
図11において、原料である空気g(常温)は、送風手段4によって空気供給管8を通じて膜分離装置3に導入され、分離膜30を透過することで酸素濃度の高いガスg(空気よりも酸素濃度が高いガス)が分離される(工程A2)。このガスg(常温)は接続管20および分岐接続管20aを通じて吸着塔2aに導入されるが、この際、熱交換器25aにおいて、後述する工程Cで吸着塔2bから脱着されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱で昇温し、さらに熱交換器24aにおいて、工程Bで吸着塔2aに吸着されることなく排気されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱でさらに昇温する。このように昇温したガスgが吸着塔2aに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この結果、吸着塔2aには高酸素濃度ガス(ガスg)が吸着された状態となる。
吸着塔2aに吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)は、分岐排出管180a、ガス排出管18を通じて背圧弁19を介して排気されるが、このガスgにはまだ相当量の酸素が含まれているため、ガス排出管18を通じて送風手段4の上流側の空気供給管8内に導入し、空気gと混合して原料ガスの一部とする。
一方、上記のように吸着塔2aでガス吸着が行われる工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2b内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2bから脱着され、分岐接続管20bの一部、分岐排気管210b、ガス排気管21を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この際、上述したようにガスg(例えば、約500℃)が、熱交換器25aでガスg(常温)と熱交換し、ガスgの昇温に利用される。この吸着塔2bでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
図11の状態で吸着塔2a,2bによる上記工程が完了した時点で、開閉弁の開閉状態を図12に示すように変更して吸着工程を行う吸着塔と脱着工程を行う吸着塔との切り替えを行い、以下のようなガス分離を行う。
図12においても、図11と同様に、原料である空気g(常温)が膜分離装置3に導入され、分離膜30を透過することで酸素濃度の高いガスgが分離され(工程A2)、このガスgは接続管20および分岐接続管20bを通じて吸着塔2bに導入されるが、この際、熱交換器25bにおいて、後述する工程Cで吸着塔2aから脱着されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱で昇温し、さらに熱交換器24bにおいて、工程Bで吸着塔2bに吸着されることなく排気されたガスg(例えば、約500℃)と熱交換し、ガスgの顕熱でさらに昇温する。このように昇温したガスgが吸着塔2bに導入され、塔内に充填された吸着材(酸素を主として吸着する吸着材)に酸素が主として吸着される(工程B)。この結果、吸着塔2bには高酸素濃度ガス(ガスg)が吸着された状態となる。
吸着塔2bに吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)は、分岐排出管180b、ガス排出管18を通じて背圧弁19を介して排気されるが、このガスgにはまだ相当量の酸素が含まれているため、ガス排出管18を通じて送風手段4の上流側の空気供給管8内に導入し、空気gと混合して原料ガスの一部とする。
一方、上記のように吸着塔2bでガス吸着が行われる工程Bの間、前回行われた工程Bで吸着塔2a内の吸着材に吸着されているガスg(高酸素濃度ガス)が、排気手段5によって吸着塔2aから脱着され、分岐接続管20aの一部、分岐排気管210a、ガス排気管21を通じて排気され、製品ガスである高酸素濃度ガスとして回収される(工程C)。この際、上述したようにガスg(例えば、約500℃)が、熱交換器25bでガスg(常温)と熱交換し、ガスgの昇温に利用される。この吸着塔2aでのPSAでは、吸着工程と脱着工程間でのパージ工程は行われない。
以上の図11、図12の工程を繰り返し行うことで、原料である空気gから高酸素濃度ガス(ガスg)を連続的に得ることができる。
この酸素分離方法では、吸着塔2(2a,2b)でのPSAの吸着工程と脱着工程間でのパージ工程が行われないが、吸着塔2(2a,2b)には、事前に膜分離装置3において空気から窒素を分離して酸素濃度を高めたガスを導入されるので、吸着塔2(2a,2b)には高濃度に濃縮された酸素が吸着され、これを高酸素濃度ガスとして回収することができる。
また、膜分離装置3で分離された常温のガスgが、吸着塔2から排気された高温のガスg(脱着ガス)とガスg(非吸着ガス)との2段階の熱交換で昇温することにより、吸着塔2から排出されるガスへの着熱による熱ロスを効果的に低減させることができる。さらに、吸着塔2に吸着されることなく排気されたガスg(非吸着ガス)を原料の空気に混合し、原料ガスの一部として用いることにより、酸素の回収率を高めることができる。
1a,1b 吸着塔
2a,2b 吸着塔
3 膜分離装置
4 送風手段
5 排気手段
6a,6b 接続管
7 排気手段
8 空気供給管
9 ガス排気管
10 加熱手段
11a,11b ガス給排管
12 ガス排気管
13a,13b 開閉弁
14a,14b 開閉弁
15a,15b 開閉弁
16a,16b 開閉弁
17a,17b 開閉弁
18 ガス排気管
19 背圧弁
20 接続管
20a,20b 分岐接続管
21 ガス排気管
22a,22b 開閉弁
23a,23b 開閉弁
24a,24b 熱交換器
25a,25b 熱交換器
30 分離膜
80a,80b 分岐供給管
90a,90b 分岐排気管
120a,120b 分岐排気管
180a,180b 分岐排気管
210a,210b 分岐排気管
空気
,g,g,g ガス

Claims (6)

  1. 圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、窒素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(1)に空気を導入し、ガス吸着を行う工程(A1)と、
    工程(A1)で吸着塔(1)に吸着されることなく排気されたガス(g)を、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(2)に導入し、ガス吸着を行う工程(B)と、
    工程(B)で吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着し、高酸素濃度ガスとして回収する工程(C)を有する酸素分離方法であって、
    直列に接続された吸着塔(1)と吸着塔(2)からなる吸着塔列を2列有する設備において、一方の吸着塔列で工程(A1)と工程(B)を行うとともに、他方の吸着塔列で工程(C)を行い、且つこれを2つの吸着塔列で交互に行うようにした酸素分離方法であり、
    一方の吸着塔列の工程(A1)で吸着塔(1)に吸着されることなく排気された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g )を、先ず、他方の吸着塔列の工程(C)において吸着塔(2)から脱着されたガス(g )と熱交換して、ガス(g )の顕熱でガス(g )を昇温させ、次いで、当該一方の吸着塔列の工程(B)において吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )と熱交換して、ガス(g )の顕熱でガス(g )をさらに昇温させ、
    工程(B)で吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )を、工程(A1)のために吸着塔(1)に導入される前の空気に混合することを特徴とする酸素分離方法。
  2. 主として酸素を選択的に透過させて分離する分離膜を備えた膜分離装置(3)に空気を導入し、空気よりも酸素濃度が高いガス(g)を分離する工程(A2)と、
    工程(A2)で分離されたガス(g)を、圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(2)に導入し、ガス吸着を行う工程(B)と、
    工程(B)で吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着し、高酸素濃度ガスとして回収する工程(C)を有する酸素分離方法であって、
    2基の並列した吸着塔(2)を有し、これら吸着塔(2)が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置(3)に直列に接続された設備において、一方の吸着塔(2)で工程(B)を行うとともに、他方の吸着塔(2)で工程(C)を行い、且つこれを2つの吸着塔(2)で交互に行うようにした酸素分離方法であり、
    工程(A2)で分離された後、一方の吸着塔(2)に導入される前のガス(g )を、先ず、他方の吸着塔(2)の工程(C)で脱着されたガス(g )と熱交換して、ガス(g )の顕熱でガス(g )を昇温させ、次いで、当該一方の吸着塔(2)の工程(B)において吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )と熱交換して、ガス(g )の顕熱でガス(g )をさらに昇温させ、
    工程(B)で吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )を、工程(A2)のために吸着塔(1)に導入される前の空気に混合することを特徴とする酸素分離方法。
  3. 吸着塔(2)に充填される吸着材がペロブスカイト型吸着材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素分離方法。
  4. 圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、窒素を主として吸着する吸着材が充填された吸着塔(1)と、
    圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填され、吸着塔(1)に直列に接続された吸着塔(2)と、
    吸着塔(1)に空気を供給する送風手段(4)と、
    吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着時に排気する排気手段(5)を備え、
    排気手段(5)で排気されたガス(g)が高酸素濃度ガスとして回収されるようにした酸素分離設備であって、
    直列に接続された吸着塔(1)と吸着塔(2)からなる吸着塔列を2列有し、
    2つの吸着塔列で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、該配管系に送風手段(4)と排気手段(5)を設けた酸素分離設備であり、
    一方の吸着塔列の吸着塔(1)に吸着されることなく排気された後、吸着塔(2)に導入される前のガス(g )を、他方の吸着塔列の吸着塔(2)から脱着されたガス(g )と熱交換する熱交換器(25)と、該熱交換器(25)でガス(g )と熱交換したガス(g )を、さらに、当該一方の吸着塔列の吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )と熱交換する熱交換器(24)を備え、
    各吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )の排気管(18)を、送風手段(4)が設けられた空気供給管(8)であって、送風手段(4)の上流側の管部位置に接続したことを特徴とする酸素分離設備。
  5. 主として酸素を選択的に透過させて分離する分離膜を備えた膜分離装置(3)と、
    圧力スイング吸着方式による吸着塔であって、酸素を主として吸着する吸着材が充填され、膜分離装置(3)に直列に接続された吸着塔(2)と、
    膜分離装置(3)に空気を供給する送風手段(4)と、
    吸着塔(2)に吸着されたガス(g)を脱着時に排気する排気手段(5)を備え、
    排気手段(5)で排気されたガス(g)が高酸素濃度ガスとして回収されるようにした酸素分離設備であって、
    2基の並列した吸着塔(2)を有し、これら吸着塔(2)が2つに分岐した接続管を介して膜分離装置(3)に直列に接続され、
    前記接続管を含めた配管系であって、2つの吸着塔(2)で吸着工程と脱着工程を交互に行うためにガスを給排気することができる配管系を備え、該配管系に排気手段(5)を設けた酸素分離設備であり、
    膜分離装置(3)で分離された後、一方の吸着塔(2)に導入される前のガス(g )を、他方の吸着塔(2)から脱着されたガス(g )と熱交換する熱交換器(25)と、該熱交換器(25)でガス(g )と熱交換したガス(g )を、さらに、当該一方の吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )と熱交換する熱交換器(24)を備え、
    各吸着塔(2)に吸着されることなく排気されたガス(g )の排気管(18)を、送風手段(4)が設けられた空気供給管(8)であって、送風手段(4)の上流側の管部位置に接続したことを特徴とする酸素分離設備。
  6. 吸着塔(2)に充填される吸着材がペロブスカイト型吸着材であることを特徴とする請求項4又は5に記載の酸素分離設備。
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