JP2015150522A - 酸素分離方法及び酸素分離装置 - Google Patents

酸素分離方法及び酸素分離装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015150522A
JP2015150522A JP2014027359A JP2014027359A JP2015150522A JP 2015150522 A JP2015150522 A JP 2015150522A JP 2014027359 A JP2014027359 A JP 2014027359A JP 2014027359 A JP2014027359 A JP 2014027359A JP 2015150522 A JP2015150522 A JP 2015150522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
adsorption tower
containing gas
heat
adsorption
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014027359A
Other languages
English (en)
Inventor
知哉 村本
Tomoya Muramoto
知哉 村本
博 荒巻
Hiroshi Aramaki
博 荒巻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2014027359A priority Critical patent/JP2015150522A/ja
Publication of JP2015150522A publication Critical patent/JP2015150522A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Abstract

【課題】 高温での圧力スイング吸着法による酸素分離において排出される熱回収効率に優れた酸素分離方法及び酸素分離装置を提供する。【解決手段】 圧力変動による吸着剤に対する酸素の吸着脱離を利用して酸素含有ガスから酸素を分離する酸素分離装置であり、吸着剤が各々装填される第1及び第2吸着塔と、酸素含有ガスを第1及び第2吸着塔の一方に交互に供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤へ吸着させるガス供給システムと、第1及び第2吸着塔のうちの酸素含有ガスが供給されない方における圧力を交互に低下させて相対的低圧下で吸着剤から酸素を脱離させる圧力低下手段と、第1及び第2吸着塔に供給される酸素含有ガスを所定温度に加熱する加熱手段とを有し、更に、第1及び第2吸着塔の各々から交互に放出される脱酸素ガス及び濃縮酸素から熱を回収して、第1及び第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する熱回収システムを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素を選択的に吸着する酸素吸着剤を用いて、圧力スイング吸着法に従って空気等の酸素を含有するガスから酸素を分離・濃縮する酸素分離方法及び酸素分離装置に関し、特に、高温条件で酸素の吸着/脱離を行うに際して熱エネルギーを効率的に回収可能な酸素分離方法及び酸素分離装置に関する。
複数の成分を含有する混合ガスの分離方法として、圧力スイング吸着(PSA)法が広く知られている。圧力スイング吸着法は、特定成分に選択的吸着性を有する吸着剤を用いて、ガス中の特定成分を吸着することによってガスから分離し、その後圧力を低下させることによって吸着剤上の特定成分を脱離させて回収する分離方法であり、脱離と吸着とが繰り返し行われる。
このようなPSA法は、混合ガスの分離方法として様々な分野で利用することが可能である。PSA法の分離効率は、特定成分に対する吸着剤の選択性に依存するが、吸着剤の選択性及び原料ガスの特定成分濃度等に応じて、特定成分の除去、分離、濃縮又は精製を目的としてPSA法を利用することができる。通常、特定の成分を混合ガスから分離して高濃度に濃縮したり、高純度に精製する方法として利用され、例えば、水素、酸素、炭酸ガス、一酸化炭素等の分離・精製において、PSA法が適用されている。
PSA法による酸素の分離に関して、酸素を高温で吸着させることが提案されており、高温で吸着を行うことによって酸素の回収率が向上する(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
特開2005−087941号公報 特開2008−012439号公報 特開2010−012367号公報
高温で圧力スイング吸着法を実施する場合、処理を経たガスは高温で排出されるので、処理コストを削減するためには、排出ガスと共に排出される熱量の回収及び再利用を効率良く行って加熱に要する費用をできる限り低く抑えることが非常に重要である。
本発明の課題は、上述の問題を解決し、圧力スイング吸着法による処理を高温で実施する際に熱エネルギーを効率的に回収・再利用することが可能な、省エネルギー及び経済性に優れた酸素分離方法及び酸素分離装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、放出されるエネルギーを可能な限り回収するために、吸着剤から放出されるガスの全てに熱回収処理を施すことが可能な装置構造を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、酸素分離装置は、圧力変動による吸着剤に対する酸素の吸着脱離を利用して酸素含有ガスから酸素を分離するための酸素分離装置であって、酸素を吸着可能な吸着剤が各々装填される第1吸着塔及び第2吸着塔と、酸素含有ガスを前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔の一方に交互に供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤へ吸着させ、それにより、酸素含有量が低下した脱酸素ガスが前記第1吸着塔及び第2吸着塔から交互に放出されるガス供給システムと、前記第1吸着塔及び第2吸着塔のうちの酸素含有ガスが供給されない方における圧力を交互に低下させて相対的低圧下で吸着剤から酸素を脱離させ、それにより、前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔から濃縮酸素が交互に放出される圧力低下手段と、前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔に供給される酸素含有ガスを所定温度に加熱するための加熱手段と、前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔の各々から交互に放出される脱酸素ガス及び濃縮酸素から熱を回収して、前記第1吸着塔及び第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する熱回収システムとを有することを要旨とする。
又、本発明の一態様によれば、酸素分離方法は、第1吸着塔に装填される酸素を吸着可能な吸着剤に、加熱された酸素含有ガスを供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤へ吸着させる第1吸着工程と、第2吸着塔に装填される酸素を吸着可能な吸着剤に、加熱された酸素含有ガスを供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤へ吸着させる第2吸着工程と、前記第1吸着工程と並行して、第2吸着塔における圧力を低下させて相対的低圧下で吸着剤から酸素を脱離させる第1脱離工程と、前記第2吸着工程と並行して、第1吸着塔における圧力を低下させて相対的低圧下で吸着剤から酸素を脱離させる第2脱離工程と、前記第1吸着工程において第1吸着塔から放出される脱酸素ガスから熱を回収して、第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第1熱回収工程と、前記第1脱離工程において第2吸着塔から放出される酸素から熱を回収して、第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第2熱回収工程と、前記第2吸着工程において第2吸着塔から放出される脱酸素ガスから熱を回収して、第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第3熱回収工程と、前記第2脱離工程において第1吸着塔から放出される酸素から熱を回収して、第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第4熱回収工程とを有することを要旨とする。
上記酸素分離方法において、前記第1吸着工程及び前記第2吸着工程は交互に繰り返し行い、前記第1脱離工程及び前記第2脱離工程は交互に繰り返し行い、前記第1脱離工程は、前記第1吸着工程と並行して行い、前記第2脱離工程は、前記第2吸着工程と並行して行うように構成することができる。
又、前記第1熱回収工程と前記第2熱回収工程とは並行して行い、前記第3熱回収工程と前記第4熱回収工程とは並行して行うことができる。
前記第1熱回収工程、前記第2熱回収工程、前記第3熱回収工程及び前記第4熱回収工程において、熱の回収及び供給を熱交換によって行うことができる。
前記第1熱回収工程及び前記第2熱回収工程は、前記第1吸着工程と並行して行い、前記第3熱回収工程及び前記第4熱回収工程は、前記第2吸着工程と並行して行うとよい。
更に、酸素含有ガスの供給を前記第1熱回収工程及び前記第2熱回収工程に分配する第1分配工程と、酸素含有ガスの供給を前記第3熱回収工程及び前記第4熱回収工程に分配する第2分配工程とを有し、酸素含有ガスは、前記第1熱回収工程及び前記第2熱回収工程を経て前記第1吸着工程へ供給され、前記第3熱回収工程及び前記第4熱回収工程を経て前記第2吸着工程へ供給されるように構成することができる。
更に、前記第2熱回収工程の後に酸素を回収する第1回収工程と、前記第4熱回収工程の後に酸素を回収する第2回収工程とを有するように構成することができる。
前記第1分配工程において酸素含有ガスを前記第1熱回収工程及び前記第2熱回収工程に分配する分配比率、及び、第2分配工程において酸素含有ガスを前記第3熱回収工程及び前記第4熱回収工程に分配する分配比率は、前記第2熱回収工程及び前記第4熱回収工程へ分配される割合が、各々、酸素含有ガスに含まれる酸素の質量比に対応するように設定される。
前記第1吸着工程において、前記第2吸着塔は酸素含有ガスから遮断され、前記第2吸着工程において、前記第1吸着塔は酸素含有ガスから遮断される。
前記第1吸着工程及び第2吸着工程において、相対的高圧は110kPa以上であり、前記第1脱離工程及び第2脱離工程において、相対的低圧は60kPa以下になるように圧力が調節されるとよい。
本発明によれば、吸着剤から排出される脱酸素ガスの熱量だけでなく、吸着剤から脱離回収される濃縮酸素に含まれる熱量も回収して再利用できるので、省エネルギー及びコスト削減に有効な酸素分離方法及び酸素分離装置を提供できる。特殊な装備や高価な装置を用いずに一般的な設備を利用して簡易に実施できるので、経済的に有利であり、PSA法による酸素分離方法の汎用性が高くなり、利用分野の拡大に有効である。
本発明の一実施形態に係る酸素分離装置を示す概略構成図。 図1の酸素分離装置で実施する繰り返し操作の一工程のガス流れを示す図。 図1の酸素分離装置で実施する繰り返し操作の他の工程のガス流れを示す図。 酸素の分離回収に要する動力原単位と、酸素含有ガスを熱交換器へ分配供給する分配比率との関係を示すグラフ。
圧力スイング吸着(PSA)法は、混合ガス中の酸素の分離・除去に利用することができ、空気等の酸素を含有するガスから酸素を吸着分離して、脱酸素ガスと濃縮(又は精製)酸素とが生成される。圧力変動による酸素の吸着剤に対する吸着/脱離は、高温下においてより活性であり、吸着剤に対する吸着/脱離を高温で行うことによって酸素の回収効率が向上することから、吸着剤又はその上流側を加熱する加熱装置を設けて吸着剤又は導入されるガスを加熱する高温でのPSA法が行われている。高温でのPSA法において、稼動時の加熱に消費するエネルギー量は操業費用に与える影響が大きく、熱の回収及び再利用は操業費用を削減する上で非常に重要である。つまり、吸着剤との接触後に放出される高温のガスから熱を回収して、新たに導入されるガスの加熱に再利用する必要がある。このような熱回収は、吸着剤が装填される吸着塔に導入される酸素含有ガス(例えば、空気等)と、吸着塔から放出される酸素濃度が低下したガス(以下、脱酸素ガスと称する)との間で熱交換を行う熱交換器を使用することによって可能であり、これによって加熱装置が消費するエネルギーを削減することが可能となる。
しかし、上述の熱交換による回収は、酸素を吸着剤に吸着させる工程における回収のみであって、吸着した酸素を吸着剤から脱離させる工程においては、吸着剤に酸素含有ガスは供給されないので、脱離工程において吸着塔から放出されるガスの熱回収は行えない。本願発明は、この点を改良して吸着剤から放出されるガスの全てに対して熱回収を実施するために、1対の吸着塔を1組として扱うように構成された酸素分離装置を提案する。以下に、本発明の酸素分離装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の酸素分離装置の一実施形態を示す概略構成図であり、相対的高圧と相対的低圧との間での圧力変動による吸着剤に対する酸素の吸着脱離を利用して酸素含有ガスGから酸素を分離するために、酸素分離装置1は、第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bによる1対の吸着塔と、酸素含有ガスGを第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bの一方に交互に供給するガス供給システムとを有し、酸素を吸着可能な吸着剤Aが第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bの各々に装填される。
吸着剤Aは、酸素に対して選択吸着性を有する物質であり、酸素のPSA法による分離において従来使用されているものが使用可能であり、ペロブスカイト型酸化物が挙げられるが、これに限定されるものではない。ペロブスカイト型酸化物は、立方晶、六方晶及び斜方晶ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物、ブラウンミラライト構造を有する酸化物、及び、2H−BaNiO構造を有する酸化物の総称であり、例えば、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、珪酸マグネシウム、La0.2St0.8CoOδ(δ=1〜3)やLa0.6St0.4Co0.8Fe0.2O等のSt−Co系ペロブスカイト型酸化物、La0.2St0.8Cu0.4Co0.6O等のLa系ペロブスカイト型酸化物、YBaCu7−δ、BiSrCaCu10、BaFeO3−δにY又はInをドープしたペロブスカイト型酸化物などが含まれる。上述したような酸素吸着性の物質から1種又はそれ以上を適宜選択して吸着剤Aとして使用することができる。第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bの各々に装填される吸着剤は異なる種類であっても良いが、操作条件や切換制御の観点から、同一の吸着剤を用いて分離性能及び操作性において同条件になるようにすることが望ましい。
図1の実施形態は、酸素を吸着するための相対的高圧を常圧〜微加圧状態(つまり常圧以上)とし、酸素を脱離するための相対的低圧を減圧状態(常圧未満)として構成されており、ガス供給システムは、酸素含有ガスGを送出するための送気手段としてブロア3を有する。ブロア3から送出される酸素含有ガスGは、第1供給路4a及び第2供給路4bに分岐する供給路を通じて第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bの各々へ供給可能であり、酸素の吸着剤Aへの吸着によって、酸素含有量が低下した脱酸素ガスG’が第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bから放出される。
一方、吸着剤Aから酸素を脱離するために相対的低圧へ圧力を低下可能な圧力低下手段として減圧ポンプ5が設けられ、減圧ポンプ5によって第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bのうちの酸素含有ガスGが供給されない方の圧力を交互に低下させることにより、第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bから濃縮酸素Oが交互に放出される。尚、本願において記載される濃縮酸素Oは、酸素含有ガスGより酸素濃度が増加したガスを意味し、純酸素に近いものには限定されないが、原料とする酸素含有ガス分離Gの酸素濃度及び吸着等の分離効率等によっては、純酸素又はそれに近い品質のものを吸着塔から生成・放出することも可能である。
酸素の吸着/脱離を高温で行うための加熱手段として、第1吸着塔2a及び第2吸着塔2b内部の吸着剤Aの上流側にヒーター6a,6bが各々付設される。ヒーター6a,6bは、第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bに供給される酸素含有ガスGを所定温度に加熱し、間接的に吸着剤Aも加熱する。ヒーター6a,6bは、吸着剤Aに供給される酸素含有ガスGが効率よく加熱できればよく、吸着塔外部の上流側に付設することも可能である。
本発明では、第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bの各々から放出される脱酸素ガスG’及び濃縮酸素Oから熱を回収して第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGに供給するための熱回収システムを備え、第1熱交換器7a、第2熱交換器7b、第3熱交換器7c及び第4熱交換器7dを用いて構成される。具体的には、第1供給路4aは、分岐する流路8a,8bを有し、これらにより、第1吸着塔2aの上流側において第1熱交換器7a及び第2熱交換器7bが並列に接続され、第1吸着塔2aへ供給される前の酸素含有ガスGは2つに分配されて第1熱交換器7a及び第2熱交換器7bを通過する。同様に、第2供給路4bは、分岐する流路8c、8dを有し、これらにより、第2吸着塔2bの上流側に第3熱交換器7c及び第4熱交換器7dが並列に接続されて、第2吸着塔2bへ供給される前の酸素含有ガスGは2つに分配されて第3熱交換器7c及び第4熱交換器7dを通過する。
他方、吸着塔から放出される脱酸素ガスG’及び濃縮酸素Oを個別に取り扱うために、第1吸着塔2aの出口から流路9a及び第2回収路10bが分岐して設けられ、第2吸着塔2bの出口から流路9b及び第1回収路10aが分岐して設けられ、第1及び第2回収路10a,10bは酸素回収システムとして機能する。流路9aは、第1吸着塔2aから放出される脱酸素ガスG’を第1熱交換器7aに供給する流路であり、第1熱交換器7aにおいて、第1吸着塔2aへ供給される流路8aの酸素含有ガスGとの間で熱交換が可能である。流路9bは、同様に、第2吸着塔2bから放出される脱酸素ガスG’を第3熱交換器7cに供給する流路であり、第3熱交換器7cにおいて、第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGとの間で熱交換が可能である。第1回収路10aは、第2吸着塔2bから放出される濃縮酸素Oを第2熱交換器7bに供給する流路であり、第2熱交換器7bにおいて、第1吸着塔2aへ供給される酸素含有ガスGとの間で熱交換が可能である。 第2回収路10bは、第1吸着塔2aから放出される濃縮酸素Oを第4熱交換器7dに供給する流路であり、第4熱交換器7dにおいて、第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGとの間で熱交換が可能である。第1吸着塔2aにおいて酸素吸着が進行する間に、第2吸着塔2bでは酸素の脱離を行うことによって、第2吸着塔2bから放出される濃縮酸素Oは第1回収路10aを通じて第2熱交換器7bに供給される。これにより、第1吸着塔2aへ供給される酸素含有ガスGとの間で熱交換される。同様に、第2吸着塔2bにおいて酸素吸着が進行する間に、第1吸着塔2aで酸素の脱離を行うことによって、第1吸着塔2aから放出される濃縮酸素Oは第2回収路10bを通じて第4熱交換器7dに供給される。これにより、第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGとの間で熱交換される。従って、第1吸着塔2aで酸素吸着を行う間に、第1熱交換器7aにおいて酸素含有ガスGが脱酸素ガスG’によって加熱され、第2熱交換器7bにおいて濃縮酸素Oの熱が回収されて酸素含有ガスGの加熱に利用される。第2吸着塔2bで酸素吸着を行う間には、第3熱交換器7cにおいて酸素含有ガスGが脱酸素ガスG’によって加熱され、第4熱交換器7dにおいて濃縮酸素Oの熱が回収されて酸素含有ガスGの加熱に利用される。
従って、上述の熱回収システムにおいて、第1熱交換器7a及び第2熱交換器7bは、第1吸着塔2aから放出される脱酸素ガスG’及び第2吸着塔2bから放出される濃縮酸素Oの各々から熱回収して、第1吸着塔2aへ供給される酸素含有ガスGに供給する第1熱回収部として機能し、第3熱交換器7c及び第4熱交換器7dは、第2吸着塔2bから放出される脱酸素ガスG’及び第1吸着塔2aから放出される濃縮酸素Oの各々から熱回収して、第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGに供給する第2熱回収部として機能する。
第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bにおいて、上述のように酸素の吸着と脱離とを交互に繰り返し行うために、ブロア3と第1供給路4a及び第2供給路4bとの接続切り換えによって酸素含有ガスGの第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bへの供給を切り換える供給切り換え手段を有する。具体的には、第1供給路4aにおいては、ブロア3と第1熱交換器7a及び第2熱交換器7bとの間に各々調整弁11a,11bが設けられ、第2供給路4bにおいては、ブロア3と第3熱交換器7c及び第4熱交換器7dとの間に各々調整弁11c,11dが設けられ、調整弁11a〜11dは、調整弁11a,11bを開放する時に調整弁11c、11dを閉止し、調整弁11a,11bを閉止する時に調整弁11c、11dを開放するように交互に開閉する。これにより、第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bへ交互に酸素含有ガスGが供給されるように切り換えられ、一方に供給される時に他方への供給は遮断される。尚、これらの調整弁11a〜11dと第1〜第4熱交換器7a〜7dとの間には流量計12a〜12dが設置され、流量計12a〜12dによる検出流量に基づいて調整弁11a〜11dの開度を制御することによって第1〜第4熱交換器7a〜7dへ供給される酸素含有ガスGの流量を各々調節可能な流量調整手段として機能するように構成されている。
更に、第1及び第2吸着塔2a,2bから放出される脱酸素ガスG’を流通させるための流路9a,9b上に開閉弁13a,13cが設けられ、濃縮酸素Oを回収するための第1及び第2回収路10a,10b上に開閉弁13b,13dが設けられる。調整弁11a,11b及び開閉弁13a,13bを開放して、調整弁11c,11d及び開閉弁13c,13dを閉止することによって、酸素含有ガスGは第1吸着塔2aへ供給されて、第1吸着塔2aから放出される脱酸素ガスG’は流路9aから第1熱交換器7aへ供給され、第2吸着塔2bから放出される濃縮酸素Oは第1回収路10aから第2熱交換器7bへ供給される。更に、調整弁11c,11d及び開閉弁13c,13dを開放して、調整弁11a,11b及び開閉弁13a,13bを閉止するように切り換えることによって、酸素含有ガスGは第2吸着塔2bへ供給されて、第2吸着塔2bから放出される脱酸素ガスG’は流路9bから第3熱交換器7cへ供給され、第1吸着塔2aから放出される濃縮酸素Oは第2回収路10bから第4熱交換器7dへ供給される。
吸着塔において相対的低圧下で酸素の脱離を行うには、酸素含有ガスGの供給を遮断して、減圧ポンプ5によって圧力を低下させる。減圧ポンプ5と第1及び第2回収路10a,10bとの接続切り換えによって第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bの一方の圧力を交互に低下させることにより、濃縮酸素Oの放出・回収を切り換えることができる。具体的には、第1回収路10aにおいて減圧ポンプ5と第2熱交換器7bとの間に設けられる開閉弁13b、及び、第2回収路10bにおいて減圧ポンプ5と第4熱交換器7dとの間に設けられる開閉弁13dを交互に開放することによって、濃縮酸素Oが回収される吸着塔が切り替わる。上述のように開閉弁13b,13dを調整弁11a〜11dと連動して作動させて第1供給路4a(流路8a,8b)とブロア3とを接続する時に、減圧ポンプ5と第1回収路10aとを接続して第2回収路10bを遮断する。同様に、第2供給路4b(流路8c,8d)とブロア3とを接続する時に、減圧ポンプ5と第2回収路10bとを接続させる。
従って、第1吸着塔2aにおいて酸素の吸着が行われる間に第2吸着塔2bが減圧されて濃縮酸素Oが放出され、濃縮酸素Oは、第1回収路10aを通じて第2熱交換器7bに供給されて、熱交換によって回収される熱によって第1吸着塔2aへ供給される酸素含有ガスGが加熱される。接続を切り換えると、第2吸着塔2bにおいて酸素の吸着が行われる間に第1吸着塔2aから濃縮酸素Oが放出され、濃縮酸素Oは、第2回収路10bを通じて第4熱交換器7dに供給され、その回収熱によって第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGが加熱される。この接続切り換えを交互に繰り返すことにより、第1吸着塔2a及び第2吸着塔2bが交互に減圧されて濃縮酸素Oが放出され、回収切換手段として作用する。脱酸素ガスG’は、第1熱交換器7a及び第3熱交換器7cを介して排出される。必要に応じて、第1及び第2回収路10a,10bから回収される濃縮酸素Oを冷却する冷却器14を減圧ポンプの上流側に設けることができ、濃縮酸素Oの冷却によってガスの体積を縮小することにより減圧ポンプ5への負荷が低下し、動力削減に有効である。
図示は省略するが、上述の調整弁11a〜11d及び開閉弁13b,13dとして、電磁弁等の電気的に作動制御が可能なものを使用して、それらの作動をCPU等の演算処理装置を用いて電気的に自動制御することにより、上述のガス供給及び酸素回収の切り換えが正確且つ簡便になる。
酸素含有ガスGとして空気を利用する場合、空気中の窒素と酸素の比率は、77:23程度(質量比)であるので、吸着塔による酸素の分離効率を100%と仮定した時、吸着塔から放出される脱酸素ガスG’と濃縮酸素Oとの容積比は、酸素含有比率に対応するモル比となるので、熱交換器における交換効率を良くするためには、第1及び第3熱交換器7a,7c及び第2及び第4熱交換器7b,7dに供給される酸素含有ガスGの分配比率を、脱酸素ガスG’と濃縮酸素Oとの比率及び比熱に対応して設定することが有効である。本発明の酸素分離装置1では、調整弁11a〜11dを利用して酸素含有ガスGの流量調整を行うことによって、このような分配供給を実施することができる。第1及び第2回収路10a,10bにおける第2及び第4熱交換器7b,7dの少なくとも一方の上流側に流量計を設けて、その検出流量に基づいて調整弁11a〜11dによる分配比率を設定するように構成すると、熱回収効率を高める上で好ましい。その場合、演算処理装置を用いて第1及び第2回収路10a,10bの検出流量から自動的に分配比率を設定し、それに基づいて調整弁11a〜11dを制御するように構成することができる。分配比率の決定については、理論的には、脱酸素ガスG’及び濃縮酸素Oの各々における流量(容積又はモル量)と比熱(窒素ガス、酸素ガス)との積値の比として設定されるが、実用的には、酸素含有ガスGに含まれる酸素の質量比として近似的に設定してもよい。
図1の実施形態において、開閉弁13b,13dを圧力調整弁に変更すると、相対的低圧とする圧力値を任意に調整・変更できる。
上述の実施形態は、酸素を吸着するための相対的高圧を常圧〜微加圧状態とし、酸素を脱離するための相対的低圧を減圧状態として構成されるが、相対的高圧を加圧状態に設定する場合は、ブロア3の代わりに加圧ポンプ等を用い、相対的低圧を常圧又はその近辺に設定する場合には、減圧ポンプを省略することができ、開閉弁13b,13dを開くことによって減圧される。又、上述の構成において、流路9a,9b、及び、第1及び第2回収路10a,10b上の開閉弁13a〜13dを、第1及び第2吸着塔2a,2bの下流側の分岐点Pa,Pbに近接させるように、分岐点と熱交換器との間に配置を変更すると、第1及び第2吸着塔2a,2bと開閉弁13b,13dとの間の流路における酸素分離性能の低下を抑制可能な点で有効である。
上述の第1及び第2吸着塔2a,2bと第1〜第4熱交換器7a〜7dとを1組の吸着システムとして、複数組の吸着システムを有するように酸素分離装置を構成しても良い。
空気中の酸素を分離する場合、予め、窒素に対して選択吸着性を発揮する吸着剤、例えば、結晶性含水アルミノ珪酸アルカリ土類金属塩(ゼオライト)などを用いた吸着処理によって空気中の酸素濃度を高める前処理を施して使用すると、上述の酸素分離装置による分離・濃縮を進行させ易く、高濃度又は精製酸素を製造する上で有利である。
図1の酸素分離装置において実施される酸素分離方法の操作の一例について説明する。前述から理解されるように、図1の装置において行われる酸素分離プロセスでは、酸素含有ガスGの供給及び圧力低下が交互に繰り返され、その間のガスの流れは、図2に示す流れ状態と図3に示す流れ状態とが繰り返される。尚、図2及び図3においては、装置中におけるガスの流れを実線で示し、流れが遮断された部分を破線で示す。
先ず、第1及び第2吸着塔2a,2bのヒーター6a,6bを所定温度に加熱し、調整弁11a,11b及び開閉弁13a,13bを開放して、調整弁11c,11d及び開閉弁13c,13dを閉止する。この状態で、ブロア3を駆動して酸素含有ガスGを送気し、減圧ポンプ5を駆動すると、図2のように、酸素含有ガスGの流れは、2つの流れf1,f2に分岐して第1熱交換器7a及び第2熱交換器7bを通った後に合流して第1吸着塔2aへ供給される。第1吸着塔2aにおいて酸素が吸着剤Aに吸着され、放出される脱酸素ガスG’の流れf3は、第1熱交換器7aへ供給されて、流れf1の酸素含有ガスGと熱交換し、冷却された脱酸素ガスG7の流れf4は系外に排出される。この時、第2吸着塔2bにおいては、開始状態では吸着酸素は存在しないが、操作の繰り返し後では減圧ポンプ5による圧力低下によって吸着剤Aから吸着酸素が脱離し、第2吸着塔2bから放出される濃縮酸素Oの流れf5が、第2熱交換器7bにおいて流れf2の酸素含有ガスGと熱交換し、冷却された濃縮酸素Oの流れf6が回収される。従って、図2の流れ状態においては、第1吸着塔2aに装填される酸素を吸着可能な吸着剤Aに、加熱された酸素含有ガスGを供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤Aへ吸着させる第1吸着工程と、第1吸着工程と並行して第2吸着塔2bにおける圧力を低下させて相対的低圧下で吸着剤Aから酸素を脱離させる第1脱離工程と、第1吸着工程において第1吸着塔2aから放出される脱酸素ガスG’から熱を回収して、第1吸着塔2aへ供給される酸素含有ガスGに供給する第1熱回収工程と、第1脱離工程において第2吸着塔2bから放出される酸素から熱を回収して、第1吸着塔2aへ供給される酸素含有ガスGに供給する第2熱回収工程とが実行される。操作の繰り返しによって、第2熱交換器7bにおける熱回収が実効を奏し、回収効率が向上する。
次に、調整弁11c,11d及び開閉弁13c,13dを開放して、調整弁11a,11b及び開閉弁13a,13bを閉止するように切り換えると、図3のように、第1吸着塔2aへの酸素含有ガスGの供給は遮断され、酸素含有ガスGの流れは、2つの流れf7,f8に分岐して第3熱交換器7c及び第4熱交換器7dを通った後に合流して第2吸着塔2bへ供給される。第2吸着塔2bにおいて酸素が吸着剤Aに吸着され、放出される脱酸素ガスG’の流れf9は、第3熱交換器7cへ供給されて、流れf7の酸素含有ガスGと熱交換し、冷却された脱酸素ガスG7の流れf10は系外に排出される。この時、第1吸着塔2aにおいては、減圧ポンプ5による圧力低下によって吸着剤Aから吸着酸素が脱離し、第1吸着塔2aから放出される濃縮酸素Oの流れf11が、第4熱交換器7dにおいて流れf8の酸素含有ガスGと熱交換し、冷却された濃縮酸素Oの流れf12が回収される。従って、図3の流れ状態においては、第2吸着塔2bに装填される酸素を吸着可能な吸着剤Aに、加熱された酸素含有ガスGを供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤Aへ吸着させる第2吸着工程と、第2吸着工程と並行して第1吸着塔2aにおける圧力を低下させて相対的低圧下で吸着剤Aから酸素を脱離させる第2脱離工程と、第2吸着工程において第2吸着塔2bから放出される脱酸素ガスG’から熱を回収して、第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGに供給する第3熱回収工程と、第2脱離工程において第1吸着塔2aから放出される酸素から熱を回収して、第2吸着塔2bへ供給される酸素含有ガスGに供給する第4熱回収工程とが実行される。
従って、調整弁11a〜11d及び開閉弁13a〜13dの切換によって、上述のように、第1吸着工程と第2吸着工程との交互の繰り返し、第1脱離工程と第2脱離工程との交互の繰り返しが行われる。第1吸着工程と第1脱離工程とが並行し、第2吸着工程と第2脱離工程とが並行して、これらの繰り返しにより酸素の分離・濃縮が進行する。この間の熱回収として、第1吸着工程に並行する第1熱回収工程及び第2熱回収工程と、第2吸着工程に並行する第3熱回収工程及び第4熱回収工程とが、交互に繰り返される。
上述の繰り返しの周期は、吸着剤における酸素の吸着・脱離が充分に行われるように、酸素含有ガスGの酸素含有量及び吸着塔への供給流量、吸着塔における吸着剤の酸素吸着容量、及び、吸着剤に対する酸素の吸着・脱離反応の速度(必要時間)を考慮して適正に設定される。
更に、上述の繰り返しにおいて、第1及び第2回収路10a,10bの残留ガスによる回収濃縮酸素Oの濃度低下を抑制するための洗浄工程を、吸着工程から脱離工程に移行する際に設けても良く、特に、吸着塔から高度に精製された酸素を回収する場合、洗浄工程は重要である。洗浄工程は、例えば、脱離工程が開始される吸着塔の回収路において吸着塔と開閉弁との間の残留ガスが酸素ガスで置換されるように、洗浄用の酸素ガスを脱離工程の初期に短時間導入する工程として実施可能である。洗浄効率の点から、洗浄用酸素ガスを回収路の最上流又は吸着塔出口付近に導入すると好ましい。洗浄によって排出される残留ガスは、第1及び第2回収路10a,10bを各々途中で分岐させて濃縮酸素Oとは別途回収することができ、例えば、開閉弁13b,13dを切替弁に変更し、切替弁において第1及び第2回収路10a,10bを分岐させて流れ方向を切り換えるように構成することができる。排出される残留ガスは、酸素含有ガスGと共に再度分離処理に供すればよい。
吸着剤Aに対する酸素の脱着における反応速度は、温度が高くなると上昇し、PSA法における酸素の脱着効率が増加するので、酸素の回収効率を高めるために高温で処理が行われ、従来のPSA法では450〜1200℃程度の温度が適用される。本発明では、ヒーター6a,6bによる加熱は、吸着剤の吸着特性に応じて適宜設定され、概して、200〜700℃程度で酸素の脱着が行われるように加熱するとよい。600℃を超える温度範囲では、装置に高温耐熱材料を用いる必要があるので、コスト削減の観点から、加熱温度を200〜600℃程度に設定すると好ましい。
図1のように送気手段としてブロア3を用いた場合、第1及び第2吸着工程における第1及び第2吸着塔2a,2b内の圧力は、常圧〜微加圧程度となるので、これを相対的高圧として、第1及び第2脱離工程における第1及び第2吸着塔2a,2b内の圧力が相対的低圧となるように、減圧ポンプを用いて常圧より低く調節される。この構成は、濃縮酸素Oを回収し易い点において優れている。相対的高圧が加圧となるようにブロア3を加圧ポンプに変更した場合、相対的低圧は常圧でも減圧でも良い。吸着剤に対する酸素の吸着性及び脱離性の観点から、第1及び第2吸着工程における相対的高圧は、110kPa以上、好ましくは120〜200kPaに調整し、第1及び第2脱離工程における相対的低圧は60kPa以下、好ましくは10〜40kPa程度に調整するとよく、圧力変動によって酸素の脱着が有効に進行するために相対的高圧と相対的低圧との圧力差が80kPa程度以上となるように圧力調節装置を用いて設定するとよい。装置の耐圧構造や酸素回収に要する動力原単位等を勘案すると、相対的高圧は120〜140kPa程度、相対的低圧は20kPa程度〜40kPa程度であることが好ましい。
使用する熱交換器は、熱交換率が高いものが好ましいことは勿論であるが、実用的に、圧力や温度等の要素に関して必要とされる動力原単位とのバランスなどを考慮すると、最小熱交換温度差(高温側又は低温側におけるガスの流入温度と排出温度との差の最小値)が30℃程度以下のものが好ましい。
上述の酸素分離プロセスにおいては、酸素含有ガスGの供給に関して、第1熱回収工程及び第2熱回収工程に分配する第1分配工程と、第3熱回収工程及び第4熱回収工程に分配する第2分配工程とを有し、酸素含有ガスGは、第1熱回収工程及び第2熱回収工程を経て第1吸着工程へ供給され、第3熱回収工程及び第4熱回収工程を経て第2吸着工程へ供給される。分配は、調整弁11a〜11dの開度調節によって行われる。酸素含有ガスGの酸素含有量によって、脱酸素ガスG’と濃縮酸素Oとの容積比は変動するので、これらの容積比において最も効率的な熱交換が可能なように上記第1及び第2分配工程における分配比率を設定することが好ましい。分配比率の決定については、理論的には、吸着塔において酸素が完全に分離されると仮定した時、脱酸素ガスG’及び濃縮酸素Oの各々における流量(容積又はモル量)と比熱(窒素ガス、酸素ガス)との積値を求めて、これらの積値の比と等しくなるように酸素含有ガスGの分配比率を設定することができるが、実際には、分離効率によって脱酸素ガスG’と濃縮酸素Oとの容積比は変化するので、これを考慮する必要が生じる。このようなことから、実用的には、酸素含有ガスGに含まれる酸素の質量比として近似的に酸素含有ガスGの分配比率を設定してもよく、第2熱交換工程及び第4熱交換工程に供給される酸素含有ガスGの流量の全流量に対する割合が、酸素含有ガスG中の酸素質量比に等しくなるように分配比率を調整することができる。更に、吸着剤の分離効率に応じて適宜変動させるとよい。
熱回収における分配比率による影響は、図4から理解される。図4は、酸素の分離回収に要する動力原単位[kWh/m N-O](単位酸素ガス(標準状態の酸素ガス1m)当たりの回収に要するエネルギー)と、第1吸着塔2a又は第2吸着塔2bに供給する酸素含有ガスGのうち第2熱交換器7b又は第4熱交換器7dへ供給する分配比率[%]との関係を調べた結果を示すグラフであり、装置の稼動条件を、第1〜第4熱交換器7a〜7dにおける最小熱交換温度差:5℃、第1及び第2吸着塔2a,2bにおける温度:700℃、ブロア3駆動による相対的高圧:120kPa、減圧ポンプ5駆動による相対的低圧:10kPaとし、吸着剤の分離効率を100%と想定して、ブロア3、減圧ポンプ5及びヒーター6a,6bにおいて消費されるエネルギーの総量から酸素分離に要する動力原単位を模擬的に計算し、分配比率を横軸に、動力原単位を縦軸にとって、分配比率を変化させた時の動力原単位の変動を示している。図4から判るように、熱回収効率を高めるには、処理対象とする酸素含有ガスGの酸素含有量に応じて2つの熱交換器へ配分される分配比率を適正に設定することが重要である。
本発明は、高温でのPSA法によって酸素濃度が低い空気等のガスから高濃度に濃縮した酸素を効率よく製造すると共に、稼動に要する熱量を効率よく回収再利用できるため、高酸素ガスの提供において経済的に有利であるので、高カロリーバーナー等の高温燃焼に使用したり、酸素を必要とする合成反応や各種処理に使用する高濃度酸素ガスの供給において有用である。火力発電所や製鉄所、ボイラーなどの燃焼設備における熱供給効率を経済的に改善できるため、エネルギー供給分野においても有用であり、汎用性が高い。
1 酸素分離装置
2a 第1吸着塔
2b 第2吸着塔
3 ブロア
4a 第1供給路
4b 第2供給路
5 減圧ポンプ
6a,6b ヒーター
7a 第1熱交換器
7b 第2熱交換器
7c 第3熱交換器
7d 第4熱交換器
8a,8b,8c,8d 流路
9a,9b 流路
10a 第1回収路
10b 第2回収路
11a,11b,11c,11d 調整弁
12a,12b,12c,12d 流量計
13a,13b,13c,13d 開閉弁
14 冷却器
G 酸素含有ガス
G’ 脱酸素ガス
O 濃縮酸素

Claims (11)

  1. 圧力変動による吸着剤に対する酸素の吸着脱離を利用して酸素含有ガスから酸素を分離するための酸素分離装置であって、
    酸素を吸着可能な吸着剤が各々装填される第1吸着塔及び第2吸着塔と、
    酸素含有ガスを前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔の一方に交互に供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤へ吸着させ、それにより、酸素含有量が低下した脱酸素ガスが前記第1吸着塔及び第2吸着塔から交互に放出されるガス供給システムと、
    前記第1吸着塔及び第2吸着塔のうちの酸素含有ガスが供給されない方における圧力を交互に低下させて相対的低圧下で吸着剤から酸素を脱離させ、それにより、前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔から濃縮酸素が交互に放出される圧力低下手段と、
    前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔に供給される酸素含有ガスを所定温度に加熱するための加熱手段と、
    前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔の各々から交互に放出される脱酸素ガス及び濃縮酸素から熱を回収して、前記第1吸着塔及び第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する熱回収システムと
    を有する酸素分離装置。
  2. 前記熱回収システムは、
    前記第1吸着塔から放出される脱酸素ガス及び前記第2吸着塔から放出される濃縮酸素から各々回収される熱を、前記第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第1熱回収部と、
    前記第2吸着塔から放出される脱酸素ガス及び前記第1吸着塔から放出される濃縮酸素から各々回収される熱を、前記第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第2熱回収部と
    を有する請求項1に記載の酸素分離装置。
  3. 前記第1熱回収部は、
    前記第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスと前記第1吸着塔から放出される脱酸素ガスとを熱交換する第1熱交換器と、
    前記第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスと前記第2吸着塔から放出される濃縮酸素とを熱交換する第2熱交換器とを有し、
    前記第2熱回収部は、
    前記第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスと前記第2吸着塔から放出される脱酸素ガスとを熱交換する第3熱交換器と、
    前記第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスと前記第1吸着塔から放出される濃縮酸素とを熱交換する第4熱交換器とを有し、
    前記ガス供給システムは、
    前記第1吸着塔の上流側に前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器を並列に接続し、前記第1吸着塔へ供給される前の酸素含有ガスを前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器に分配して通過させる第1供給路と、
    前記第2吸着塔の上流側に前記第3熱交換器及び前記第4熱交換器を並列に接続し、前記第2吸着塔へ供給される前の酸素含有ガスを前記第3熱交換器及び前記第4熱交換器に分配して通過させる第2供給路とを有する請求項2に記載の酸素分離装置。
  4. 前記第1吸着塔及び第2吸着塔から交互に放出される濃縮酸素を回収するための酸素回収システムを有し、前記酸素回収システムは、
    前記第2吸着塔から放出される濃縮酸素を前記第2熱交換器を通して回収するための第1回収路と、前記第1吸着塔から放出される濃縮酸素を前記第4熱交換器を通して回収するための第2回収路とを有する請求項3に記載の酸素分離装置。
  5. 前記ガス供給システムは、前記第1熱交換器、第2熱交換器、第3熱交換器及び第4熱交換器の各々への酸素含有ガスの流量を調整するための流量調整手段を有する請求項3又は4に記載の酸素分離装置。
  6. 前記流量調整手段は、前記第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスのうち前記第2熱交換器に供給される酸素含有ガスの比率、及び、第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスのうち前記第4熱交換器へ供給される酸素含有ガスの比率が、酸素含有ガスに含まれる酸素の質量比に対応するように流量を調整する請求項5に記載の酸素分離装置。
  7. 前記ガス供給システムは、
    酸素含有ガスを送出するための送気手段と、
    前記送気手段と前記第1供給路及び第2供給路の一方とを切り換え可能に接続して他方を遮断する供給切り換え手段と
    を有する請求項4に記載の酸素分離装置。
  8. 前記圧力低下手段は、
    前記第1吸着塔及び前記第2吸着塔の圧力を相対的低圧に低下可能な減圧ポンプと、
    前記減圧ポンプと前記第1回収路及び前記第2回収路の一方とを切り換え可能に接続して他方を遮断する回収切り換え手段と
    を有し、前記回収切り換え手段は、前記供給切り換え手段が前記第1供給路と前記送気手段とを接続する時に前記減圧ポンプと前記第1回収路とを接続し、前記供給切り換え手段が前記第2供給路と前記送気手段とを接続する時に前記減圧ポンプと前記第2回収路とを接続するように前記供給切り換え手段と連動する請求項7に記載の酸素分離装置。
  9. 前記第1吸着塔及び第2吸着塔において、前記ガス供給システムによって酸素含有ガスが供給された時の相対的高圧は110kPa以上であり、前記圧力低下手段によって圧力が低下した時の相対的低圧が60kPa以下になるように調節する圧力調節装置を有する請求項1〜8の何れかに記載の酸素分離装置。
  10. 前記第1吸着塔及び第2吸着塔と前記熱回収システムとを1組の吸着システムとして、複数組の前記吸着システムを有する請求項1〜9の何れかに記載の酸素分離装置。
  11. 第1吸着塔に装填される酸素を吸着可能な吸着剤に、加熱された酸素含有ガスを供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤へ吸着させる第1吸着工程と、
    第2吸着塔に装填される酸素を吸着可能な吸着剤に、加熱された酸素含有ガスを供給して相対的高圧下で酸素を吸着剤へ吸着させる第2吸着工程と、
    前記第1吸着工程と並行して、第2吸着塔における圧力を低下させて相対的低圧下で吸着剤から酸素を脱離させる第1脱離工程と、
    前記第2吸着工程と並行して、第1吸着塔における圧力を低下させて相対的低圧下で吸着剤から酸素を脱離させる第2脱離工程と、
    前記第1吸着工程において第1吸着塔から放出される脱酸素ガスから熱を回収して、第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第1熱回収工程と、
    前記第1脱離工程において第2吸着塔から放出される酸素から熱を回収して、第1吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第2熱回収工程と、
    前記第2吸着工程において第2吸着塔から放出される脱酸素ガスから熱を回収して、第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第3熱回収工程と、
    前記第2脱離工程において第1吸着塔から放出される酸素から熱を回収して、第2吸着塔へ供給される酸素含有ガスに供給する第4熱回収工程と
    を有する酸素分離方法。
JP2014027359A 2014-02-17 2014-02-17 酸素分離方法及び酸素分離装置 Pending JP2015150522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014027359A JP2015150522A (ja) 2014-02-17 2014-02-17 酸素分離方法及び酸素分離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014027359A JP2015150522A (ja) 2014-02-17 2014-02-17 酸素分離方法及び酸素分離装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015150522A true JP2015150522A (ja) 2015-08-24

Family

ID=53893341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014027359A Pending JP2015150522A (ja) 2014-02-17 2014-02-17 酸素分離方法及び酸素分離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015150522A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001245987A (ja) * 2000-01-18 2001-09-11 Litton Syst Inc 酸素−高純度空気供給システム
JP2005087941A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Inst Of Research & Innovation 酸素吸着剤及びそれを使用した酸素と窒素の分離方法
JP2008012439A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Kyuchaku Gijutsu Kogyo Kk 高温酸素吸着剤を利用した圧力スイング法による酸素製造方法及び装置
JP2014000532A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Tokyo Gas Co Ltd ガス分離装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001245987A (ja) * 2000-01-18 2001-09-11 Litton Syst Inc 酸素−高純度空気供給システム
JP2005087941A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Inst Of Research & Innovation 酸素吸着剤及びそれを使用した酸素と窒素の分離方法
JP2008012439A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Kyuchaku Gijutsu Kogyo Kk 高温酸素吸着剤を利用した圧力スイング法による酸素製造方法及び装置
JP2014000532A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Tokyo Gas Co Ltd ガス分離装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101779409B1 (ko) 향상된 psa 방식을 이용한 산소 발생기
CN108348839B (zh) 组合的变压和变温吸附中的吸附剂再生方法
EP1291067A2 (en) Rapid thermal swing adsorption
JP4917245B2 (ja) 供給ガスの処理方法及び装置
AU2013231676B2 (en) Process for removing carbon dioxide from a gas stream
JP5529211B2 (ja) ガス分離装置
WO2014092510A1 (ko) 새로운 열교환 시스템을 이용한 온도 압력 변동 이동상 흡착 공정 시스템
JP5683390B2 (ja) ヘリウムガスの精製方法および精製装置
TWI478761B (zh) 氬氣之純化方法及純化裝置
JP5403685B2 (ja) アルゴンガスの精製方法および精製装置
JP2015150522A (ja) 酸素分離方法及び酸素分離装置
JP2012162444A (ja) ヘリウムガスの精製方法および精製装置
KR101347195B1 (ko) 전 유량 운전방식의 흡착식 수소 정제 시스템
JP6092274B2 (ja) 酸素分離方法及び設備
JP6092273B2 (ja) 酸素分離方法及び設備
US20240166511A1 (en) Processes and apparatuses for separating hydrogen from hydrocarbons
JP6851839B2 (ja) 熱回収型酸素窒素供給システム
CN102807199B (zh) 氩气的提纯方法及提纯装置
JP5054032B2 (ja) 極低温蒸留によって空気を分離する一組の装置を調節する方法及び前記方法に従って稼動する一組の空気分離装置
JP2016169133A (ja) 水素製造装置及び水素製造方法
JP2008174407A (ja) Co2回収方法及びco2回収装置
JPH0461685B2 (ja)
CN104961101A (zh) 用于天然气燃烧的富氧制取装置及方法
JP2012096932A (ja) アルゴンガスの精製方法および精製装置
JPH09173757A (ja) 精製装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171031

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180424