JP6092015B2 - 単結晶体の製造方法 - Google Patents
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前記配向成形体又は配向焼結体と前記種基板とを密着させ、加熱処理により固相反応を生じさせ、それにより単結晶体を製造する工程と、
を含む、単結晶体の製造方法が提供される。
本発明による単結晶体の製造方法は、配向成形体又は配向焼結体と種基板とを用意する工程と、配向成形体又は配向焼結体と種基板とを密着させ、加熱処理により固相反応を生じさせる工程とを含む。種基板は、単結晶体又は単結晶層が成膜された基板からなる。一方、この種基板と密着させる配向成形体又は配向焼結体は、多結晶粒子で構成され且つ特定面に配向した配向成形体、又はこの配向成形体を焼成して得られた配向焼結体である。そして、加熱処理による固相反応を経て単結晶体を製造することができる。
前述のとおり、配向体12として用いる酸化亜鉛配向体の好ましい例として配向多結晶酸化亜鉛成形体/焼結体が挙げられる。配向多結晶酸化亜鉛成形体/焼結体は、以下に説明するように、原料に板状酸化亜鉛粉末を用いて成形、又は成形及び焼結を行うことにより製造することができる。なお、以下に示す説明は酸化亜鉛に関するものではあるが、材質によらずに採用可能な工程ないし操作(例えば成形及び焼成工程の一部又は全部)については他の材質にも適用可能である。例えば、市販の板状粉末を適宜用いて以下に示される成形工程、又は成形及び焼成工程の一部又は全部を適用することにより、酸化亜鉛以外の材質についても配向多結晶成形体/焼結体を得ることができる。
原料となる板状酸化亜鉛粉末は、後述する成形及び/又は焼成工程によって配向体が得られる限り、いかなる方法により製造されたものであってもよい。例えば(101)面配向体を得るには、特許文献5に記載される方法に従って製造した板状酸化亜鉛粉末を原料として用いればよい。
上記の方法で製造した板状酸化亜鉛粉末をせん断力を用いた手法により配向させ、配向成形体とする。このとき、板状酸化亜鉛粉末に、ドーパント用の金属酸化物粉末(例えばα−Al2O3粉末)等の他の元素又は成分を添加してもよい。せん断力を用いた手法の好ましい例としては、テープ成形、押出し成形、ドクターブレード法、及びこれらの任意の組合せが挙げられる。せん断力を用いた配向手法は、上記例示したいずれの手法においても、板状酸化亜鉛粉末にバインダー、可塑剤、分散剤、分散媒等の添加物を適宜加えてスラリー化し、このスラリーをスリット状の細い吐出口を通過させることにより、基板上にシート状に吐出及び成形するのが好ましい。吐出口のスリット幅は10〜400μmとするのが好ましい。なお、分散媒の量はスラリー粘度が5000〜100000cPとなるような量にするのが好ましく、より好ましくは20000〜60000cPである。シート状に成形した配向成形体の厚さは5〜500μmであるのが好ましく、より好ましくは10〜200μmである。このシート状に成形した配向成形体を多数枚積み重ねて、所望の厚さを有する前駆積層体とし、この前駆積層体にプレス成形を施すのが好ましい。このプレス成形は前駆積層体を真空パック等で包装して、50〜95℃の温水中で10〜2000kgf/cm2の圧力で静水圧プレスにより好ましく行うことができる。また、押出し成形を用いる場合には、金型内の流路の設計により、金型内で細い吐出口を通過した後、シート状の成形体が金型内で一体化され、積層された状態で成形体が排出されるようにしてもよい。得られた成形体には公知の条件に従い脱脂を施すのが好ましい。こうして得られた酸化亜鉛成形体は、前述した原料となる板状酸化亜鉛粉末の種類により(101)面、(100)面、(002)面等に配向した配向成形体となる。
硫酸亜鉛七水和物(高純度化学研究所製)173重量部とグルコン酸ナトリウム(和光純薬工業製)0.45重量部をイオン交換水300重量部に溶解した。こうして得られた溶液をビーカーに入れ、マグネットスターラーで攪拌しながら90℃に加熱して溶解させた。この溶液を90℃に保持し、攪拌しながら25重量%アンモニウム水49重量部をマイクロチューブポンプで滴下した。滴下終了後、90℃で攪拌しながら4時間保持した後、溶液を多量のイオン交換水に投入し、静置した。容器の底部に堆積した沈殿物をろ過により分離し、更にイオン交換水による洗浄を3回行い、乾燥して白色粉末状の酸化亜鉛前駆物質を得た。得られた酸化亜鉛前駆物質をジルコニア製のセッターに載置し、電気炉にて大気中で仮焼することにより、体積基準D50平均粒径1.0μmの酸化亜鉛板状多孔質粉末を得た。仮焼時の温度スケジュールは、室温から900℃まで昇温速度100℃/hにて昇温した後、900℃で30分間保持し、自然放冷とした。
塩化アルミニウム六水和物(高純度化学研究所製)8.8重量部をエタノール200重量部に投入して溶解させた。その後、例1で作製した酸化亜鉛板状粒子に上記の溶液を亜鉛:アルミニウム=0.2:100(原子比)となるように投入し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥することにより、アルミニウム成分が均一に分散した体積基準D50体積基準D50平均粒径1.0μmの酸化亜鉛板状粒子を作製した。その後の工程及び評価は例1と同様にして行った。結果は表1に示されるとおりであった。
例1と同様にして脱脂体を作製し、平均粒径を測定した。得られた脱脂体2体の間に直径2インチ(5.08cm)、厚さ500μmの市販のc面酸化亜鉛ウェハを挟み、アルミナ製の型を用いて大気中900℃で4時間、プレス圧100kgf/cm2の条件でホットプレス焼成した。 こうして脱脂体は焼結し、配向焼結体2体の間にc面酸化亜鉛ウェハを密着状態で備えた複合体を得た。得られた複合体を大気圧中1400℃で5時間の条件で常圧焼成した。得られた試料について例1と同様にして評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。
種基板としてc面サファイア上にRS−MBE法によってZnO層を成膜したものを用い、かつ、ホットプレス焼成の条件を大気中850℃で4時間としたこと以外は例3と同様にして試料の作製及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。
関東化学製硝酸亜鉛六水和物を用い、濃度0.1MのZn(NO3)2水溶液を作製した。また、シグマアルドリッチ製水酸化ナトリウムを用い、濃度0.1MのNaOH水溶液を作製した。NaOH水溶液に対し、Zn(NO3)2水溶液を体積比1:1で混合し、攪拌しながら80℃で6時間保持し、沈殿物を得た。沈殿物をイオン交換水で3回洗浄した後、乾燥することで、板状のZnO一次粒子が凝集した球状の二次粒子を得た。得られた球状の二次粒子に対し、直径2mmのZrO2製ボールを用い、エタノールを溶媒として、ボールミル粉砕処理を3時間行うことにより、ZnO二次粒子を体積基準D50平均粒径0.6μmの板状一次粒子を得た。
原料として、板状Al2O3粉末(キンセイマテック製、グレード00610、体積基準D50平均粒径0.6μm)を用い、例1と同様に直径50mmに切断した厚さ20μmのテープを100枚積層したテープ積層体を2体作製し、例1と同様にして脱脂を行った。
市販のZnO粉末(正同化学製、酸化亜鉛1種、体積基準D50平均粒径0.6μm)に対し、プレス圧100kgf/cm2で一軸プレス成形し、直径50mm、厚さ10mmの成形体を2体作製した。得られた成形体2体の間に直径2インチ(5.08cm)、厚さ500μmの市販のc面酸化亜鉛ウェハを挟み、アルミナ製の型を用いて大気中1300℃で5時間、プレス圧100kgf/cm2の条件でホットプレス焼成した。また、例1と同様の方法で脱脂体の平均粒径を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
市販のZnO粉末(正同化学製、酸化亜鉛1種)と市販の酸化アルミニウム(Al2O3)粉末(住友化学製、AKP3000)とを、アルミニウム(Al)の原子モル比率が0.2at%となるように秤量し、混合した。得られた混合粉末をポットミルにて湿式混合し、大気中1400℃で5時間焼成し、Alが固溶している酸化亜鉛粉末を合成した。この合成粉末を、体積基準D50平均粒径0.8μmとなるようにポットミルにて湿式粉砕し、酸化亜鉛粉末を作製した。上記の方法により得た酸化亜鉛板状粒子をプレス圧100kgf/cm2で一軸プレス成形し、直径50mm、厚さ10mmの成形体を2体作製した。これらの成形体を大気中1400℃で5時間、プレス圧100kgf/cm2の条件でホットプレス焼成した。得られた焼結体を鏡面研磨し、焼結体間に直径2インチ(5.08cm)、厚さ500μmの市販のc面酸化亜鉛ウェハを挟み、アルミナ製の型を用いて大気中1300℃で5時間、プレス圧100kgf/cm2の条件でホットプレス焼成した。得られた試料について例1と同様にして評価を行った。また、例1と同様の方法で成形体の平均粒径を測定し、例3と同様の方法で焼結体の平均粒径を測定した。結果は表1に示されるとおりであった。
12 配向体(配向成形体又は配向焼結体)
14 単結晶体
Claims (10)
- 多結晶粒子で構成され且つ特定面に配向した配向成形体又は該配向成形体を焼成して得られた配向焼結体と、単結晶体又は単結晶層が成膜された基板からなる種基板とを用意する工程と、
前記配向成形体又は配向焼結体と前記種基板とを互いに密着面において同じ面方位を有するように密着させ、加熱処理により固相反応を生じさせ、それにより単結晶体を製造する工程と、
を含み、
前記配向成形体又は配向焼結体が酸化亜鉛で構成され、前記種基板を構成する単結晶体又は単結晶層が酸化亜鉛で構成される、単結晶体の製造方法。 - 前記配向成形体又は配向焼結体を構成する前記多結晶粒子の平均粒径が、0.1〜10μmである、請求項1に記載の方法。
- 前記加熱処理が、常圧焼成、ホットプレス(HP)、熱間静水圧プレス(HIP)及び放電プラズマ焼結(SPS)からなる群から選択される手法により行われる、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記加熱処理が、1000℃以上2300℃未満の温度で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記配向成形体又は配向焼結体が、ロットゲーリング法で測定した場合に、50%以上の配向度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記配向成形体又は配向焼結体が、ロットゲーリング法で測定した場合に、75%以上の配向度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記加熱処理の前に、前記配向成形体又は配向焼結体と種基板を密着させるための予備加熱が行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記予備加熱が、500℃以上1000℃未満の温度で行われる、請求項7に記載の方法。
- 前記配向成形体又は配向焼結体がドーパント元素をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ドーパント元素が、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、窒素(N)、硼素(B)、リン(P)、砒素(As)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、カーボン(C)、シリコン(Si)、硫黄(S)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、テルル(Te)、銀(Ag)、ニオブ(Nb)、及び銅(Cu)からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項9に記載の方法。
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