以下、本願発明の一実施形態に係る液体供給装置、及び基板処理装置(研磨装置)を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、基板処理装置の一例として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨装置を説明するが、これには限られない。
図1は、本実施形態に係る研磨装置(基板処理装置)の全体構成を示す平面図で、図2は、図1に示す研磨装置の概要を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態における研磨装置は、略矩形状のハウジング1を備えており、ハウジング1の内部は隔壁1a,1b,1cによって、ロード/アンロード部2、研磨部3(3a,3b)、及び洗浄部4に区画されている。これらのロード/アンロード部2、研磨部3(3a,3b)、及び洗浄部4は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気される。
ロード/アンロード部2は、多数の基板(半導体ウェハ)をストックする基板カセットを載置する2つ以上(本実施形態では4つ)のフロントロード部20を備えている。これらのフロントロード部20は、研磨装置の幅方向(長手方向と垂直な方向)に隣接して配列されている。フロントロード部20には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)等を搭載することができる。ここで、SMIF、FOUPは、内部に基板カセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
ロード/アンロード部2には、フロントロード部20の並びに沿って走行機構21が敷設されており、この走行機構21上に基板カセットの配列方向に沿って移動可能な搬送ロボット22が設置されている。搬送ロボット22は、走行機構21上を移動することによってフロントロード部20に搭載された基板カセットにアクセスできるようになっている。この搬送ロボット22は、上下に2つのハンドを備えており、例えば、上側のハンドを基板カセットに基板を戻すときに使用し、下側のハンドを研磨前の基板を搬送するときに使用して、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。
ロード/アンロード部2は最もクリーンな状態を保つ必要がある領域であるため、ロード/アンロード部2の内部は、装置外部、研磨部3、及び洗浄部4のいずれよりも高い圧力に常時維持されている。また、搬送ロボット22の走行機構21の上部には、HEPAフィルタやULPAフィルタなどのクリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットにより、パーティクルや有毒蒸気、ガスが除去されたクリーンエアを常時下方に向かって噴出している。
研磨部3は、基板の研磨が行われる領域であり、第1研磨ユニット30Aと第2研磨ユニット30Bとを内部に有する第1研磨部3aと、第3研磨ユニット30Cと第4研磨ユニット30Dとを内部に有する第2研磨部3bとを備えている。これらの第1研磨ユニット30A、第2研磨ユニット30B、第3研磨ユニット30C、及び第4研磨ユニット30Dは、図1に示すように、装置の長手方向に沿って配列されている。
図1に示すように、第1研磨ユニット30Aは、研磨面を有する研磨テーブル300Aと、基板を保持しかつ基板を研磨テーブル300Aに対して押圧しながら研磨するためのトップリング301Aと、研磨テーブル300Aに砥液やドレッシング液(例えば、水)を供給するための砥液供給ノズル302Aと、研磨テーブル300Aのドレッシングを行うためのドレッサ303Aと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして、1または複数のノズルから研磨面に噴射するアトマイザ304Aとを備えている。また、同様に、第2研磨ユニット30Bは、研磨テーブル300Bと、トップリング301Bと、砥液供給ノズル302Bと、ドレッサ303Bと、アトマイザ304Bとを備えており、第3研磨ユニット30Cは、研磨テーブル300
Cと、トップリング301Cと、砥液供給ノズル302Cと、ドレッサ303Cと、アトマイザ304Cとを備えており、第4研磨ユニット30Dは、研磨テーブル300Dと、トップリング301Dと、砥液供給ノズル302Dと、ドレッサ303Dと、アトマイザ304Dとを備えている。
第1研磨部3aの第1研磨ユニット30A及び第2研磨ユニット30Bと洗浄部4との間には、長手方向に沿った4つの搬送位置(ロード/アンロード部2側から順番に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4とする)の間で基板を搬送する第1リニアトランスポータ5が配置されている。この第1リニアトランスポータ5の第1搬送位置TP1の上方には、ロード/アンロード部2の搬送ロボット22から受け取った基板を反転する反転機31が配置されており、その下方には、上下に昇降可能なリフタ32が配置されている。また、第2搬送位置TP2の下方には上下に昇降可能なプッシャ33が、第3搬送位置TP3の下方には上下に昇降可能なプッシャ34がそれぞれ配置されている。なお、第3搬送位置TP3と第4搬送位置TP4との間にはシャッタ12が設けられている。
第2研磨部3bには、第1リニアトランスポータ5に隣接して、長手方向に沿った3つの搬送位置(ロード/アンロード部2側から順番に第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7とする)の間で基板を搬送する第2リニアトランスポータ6が配置されている。この第2リニアトランスポータ6の第6搬送位置TP6の下方にはプッシャ37が、第7搬送位置TP7の下方にはプッシャ38が配置されている。なお、第5搬送位置TP5と第6搬送位置TP6との間にはシャッタ13が設けられている。
研磨時に砥液(スラリ)を使用することを考えるとわかるように、研磨部3は最もダーティな(汚れた)領域である。したがって、この例では、研磨部3内のパーティクルが外部に飛散しないように、各研磨テーブルの周囲から排気が行われており、研磨部3の内部の圧力を、装置外部、周囲の洗浄部4、ロード/アンロード部2よりも負圧にすることでパーティクルの飛散を防止している。また、通常、研磨テーブルの下方には排気ダクト(図示せず)が、上方にはフィルタ(図示せず)がそれぞれ設けられ、これらの排気ダクト及びフィルタを介して清浄化された空気が噴出され、ダウンフローが形成される。
各研磨ユニット30A,30B,30C,30Dは、それぞれ隔壁で仕切られて密閉されており、密閉されたそれぞれの研磨ユニット30A,30B,30C,30Dから個別に排気が行われている。したがって、基板は、密閉された研磨ユニット30A,30B,30C,30D内で処理され、スラリの雰囲気の影響を受けないため、良好な研磨を実現することができる。各研磨ユニット30A,30B,30C,30D間の隔壁には、図1に示すように、リニアトランスポータ5,6が通るための開口が開けられている。この開口にそれぞれシャッタを設けて、基板が通過する時だけシャッタを開けるようにしてもよい。
洗浄部4は、研磨後の基板を洗浄する領域であり、基板を反転させる反転機41と、研磨後の基板を洗浄する4つの洗浄機42〜45と、反転機41及び洗浄機42〜45の間で基板を搬送する搬送ユニット46とを備えている。これらの反転機41及び洗浄機42〜45は、長手方向に沿って直列に配置されている。また、これらの洗浄機42〜45の上部には、クリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットによりパーティクルが除去されたクリーンエアが常時下方に向かって噴出している。また、洗浄部4の内部は、研磨部3からのパーティクルの流入を防止するために研磨部3よりも高い圧力に常時維持されている。
図1に示すように、第1リニアトランスポータ5と第2リニアトランスポータ6との間
には、第1リニアトランスポータ5、第2リニアトランスポータ6、及び洗浄部4の反転機41の間で基板を搬送するスイングトランスポータ(基板搬送機構)7が配置されている。このスイングトランスポータ7は、第1リニアトランスポータ5の第4搬送位置TP4から第2リニアトランスポータ6の第5搬送位置TP5へ、第2リニアトランスポータ6の第5搬送位置TP5から反転機41へ、第1リニアトランスポータ5の第4搬送位置TP4から反転機41へそれぞれ基板を搬送できるようになっている。
フロントロード部20内に搭載された基板カセットの開口部と装置の間には、シリンダにより上下に駆動され、カセット搭載エリアと装置内を遮断するシャッタ(図示せず)が配置されている。このシャッタは、基板カセットに対して搬送ロボット22が基板を出し入れしている場合を除き、閉じられている。
図1に示すように、ロード/アンロード部2の側部には、基板の膜厚を測定する膜厚測定器(In-line Thickness Monitor:ITM)8が設置されており、搬送ロボット22は、膜厚測定器8にもアクセスできるようになっている。この膜厚測定器8は、搬送ロボット22から研磨前または研磨後の基板を受け取り、この基板の膜厚を測定する。この膜厚測定器8において得られた測定結果に基づいて研磨条件等を適切に調整すれば、研磨精度を上げることができる。
次に、研磨部3の研磨ユニット30A,30B,30C,30Dについて説明する。これらの研磨ユニット30A,30B,30C,30Dは同一構造であるため、以下では第1研磨ユニット30Aについてのみ説明する。
研磨テーブル300Aの上面には研磨パッドまたは砥石等が貼り付けられており、この研磨パッドまたは砥石等によって基板を研磨する研磨面が構成されている。研磨時には、砥液供給ノズル302Aから研磨テーブル300A上の研磨面に砥液が供給され、基板がトップリング301Aにより研磨面に押圧されて研磨が行われる。
トップリング301Aは、プッシャ33に搬送された基板を真空吸着して保持する。その後、トップリング301Aは、プッシャ33の上方から研磨テーブル300A上の研磨面の上方へ揺動する。トップリング301Aが研磨テーブル300A上方の研磨可能な位置に揺動してきたら、トップリング301Aを所望の回転速度で回転させながら下降させ、研磨テーブル300Aの上面まで下降させる。トップリング301Aが研磨テーブル300Aの上面まで下降したら、トップリング301Aを研磨テーブル300Aに押付けて、基板に押付け力を加える。同時に、砥液供給ノズル302Aから研磨テーブル300Aの上面に砥液を供給する。これにより、基板の表面が研磨される。
研磨終了後、トップリング301Aを上昇させる。そして、トップリング301Aを揺動させてプッシャ33の上方へ移動させ、プッシャ33への基板の受け渡しを行う。基板をプッシャ33に受け渡した後、トップリング301Aに向かって下方または横方向、上方向から洗浄液を吹き付け、トップリング301Aの基板保持面や研磨後の基板、その周辺を洗浄する。
スイングトランスポータ7は、第1研磨部3aの筐体のフレームに設置されており、第1リニアトランスポータ5、第2リニアトランスポータ6、及び洗浄部4の反転機41の間で基板を把持して移動する基板把持機構を有している。
第1研磨部3aの第1リニアトランスポータ5は、図2に示すように、直線往復移動可能な4つの搬送ステージTS1(第1ステージ),TS2(第2ステージ),TS3(第3ステージ),TS4(第4ステージ)を備えており、これらのステージは上下に2段の
構成となっている。すなわち、下段には第1搬送ステージTS1、第2搬送ステージTS2、第3搬送ステージTS3が配置され、上段には第4搬送ステージTS4が配置されている。
下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3と上段の搬送ステージTS4とは、設置される高さが異なっているため、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3と上段の搬送ステージTS4とは互いに干渉することなく自由に移動可能となっている。第1搬送ステージTS1は、反転機31とリフタ32とが配置された第1搬送位置TP1とプッシャ33が配置された(基板の受け渡し位置である)第2搬送位置TP2との間で基板を搬送する。第2搬送ステージTS2は、第2搬送位置TP2とプッシャ34が配置された(基板の受け渡し位置である)第3搬送位置TP3との間で基板を搬送する。第3搬送ステージTS3は、第3搬送位置TP3と第4搬送位置TP4との間で基板を搬送する。また、第4搬送ステージTS4は、第1搬送位置TP1と第4搬送位置TP4との間で基板を搬送する。
第1リニアトランスポータ5は、上段の第4搬送ステージTS4を直線往復移動させるエアシリンダ(図示せず)を備えており、このエアシリンダにより第4搬送ステージTS4は上記下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3と同時に、かつ互いに逆方向に移動するように制御される。なお、第3搬送ステージTS3または第4搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4あるいは第4搬送位置TP4から第3搬送位置TP3に移動される時のみシャッタ12が開かれる。これにより環境汚染の高い研磨部3aからクリーン度の高い洗浄部4へ流入する気流を極力減らすことができるので、基板及び基板が洗浄・乾燥される洗浄部4内への汚染が防止され、また、従来の研磨装置に比べてスループットが向上する。
第2研磨部3bの第2リニアトランスポータ6は、図2に示すように、直線往復移動可能な3つの搬送ステージTS5(第5ステージ),TS6(第6ステージ),TS7(第7ステージ)を備えており、これらのステージは上下に2段の構成となっている。すなわち、上段には第5搬送ステージTS5、第6搬送ステージTS6が配置され、下段には第7搬送ステージTS7が配置されている。
上段の搬送ステージTS5,TS6と下段の搬送ステージTS7とは、設置される高さが異なっているため、上段の搬送ステージTS5,TS6と下段の搬送ステージTS7とは互いに干渉することなく自由に移動可能となっている。第5搬送ステージTS5は、第5搬送位置TP5とプッシャ37が配置された(基板の受け渡し位置である)第6搬送位置TP6との間で基板を搬送する。第6搬送ステージTS6は、第6搬送位置TP6とプッシャ38が配置された(基板の受け渡し位置である)第7搬送位置TP7との間で基板を搬送する。第7搬送ステージTS7は、第5搬送位置TP5と第7搬送位置TP7との間で基板を搬送する。
第1研磨部3aの反転機31は、ロード/アンロード部2の搬送ロボット22のハンドが到達可能な位置に配置され、研磨前の基板を搬送ロボット22から受取り、この基板の上下を反転してリフタ32に受け渡す。
図1に示すように、反転機31と搬送ロボット22との間にはシャッタ10が設置されており、基板の搬送時にはシャッタ10を開いて搬送ロボット22と反転機31との間で基板の受け渡しが行われる。基板の受け渡しがないときにはシャッタ10は閉まっており、このときに基板の洗浄や搬送ロボット22のハンドの洗浄などが行えるように防水機構を有している。また、反転機31の周囲に、基板乾燥防止用のノズル(図示せず)を複数設け、長時間基板が滞留した場合にはこのノズルから純水を噴霧して乾燥を防止するよう
にしてもよい。基板乾燥防止のための装置(純水供給装置)については後述する。
洗浄部4の反転機41は、スイングトランスポータ7の把持部が到達可能な位置に配置され、研磨後の基板をスイングトランスポータ7の把持部から受取り、この基板の上下を反転して搬送ユニット46に渡すものである。この反転機41の構造は、上述した第1研磨部3aの反転機31の構造と基本的に同一である。反転機41も反転機31と同様の動作により、研磨後の基板をスイングトランスポータ7から受け取り、この基板の上下を反転して搬送ユニット46に渡す。
第1研磨部3aのリフタ32は、搬送ロボット22及び第1リニアトランスポータ5がアクセス可能な位置に配置されており、これらの間で基板を受け渡す受け渡し機構として機能する。すなわち、反転機31により反転された基板を第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1または第4搬送ステージTS4に受渡すものである。
研磨前の基板は、搬送ロボット22から反転機31へ搬送された後、パターン面が下を向くように反転される。反転機31で保持された基板に対し下方からリフタ32が上昇してきて基板の直下で停止する。リフタ32が基板の直下で停止したのを、例えばリフタの上昇確認用センサで確認すると、反転機31は基板のクランプを開放し、基板はリフタ32のステージに載置される。その後、リフタ32は基板を載置したまま下降をする。下降の途中で、基板は、第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS1またはTS4に受渡される。基板が第1リニアトランスポータ5に受渡された後もリフタ32は下降を続け、所定の位置まで下降した時に下降を停止する。
第1研磨部3aのプッシャ33は、第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS1上の基板を第1研磨ユニット30Aのトップリング301Aに受け渡すとともに、第1研磨ユニット30Aにおける研磨後の基板を第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS2に受け渡す。第1研磨部3aのプッシャ34は、第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS2上の基板を第2研磨ユニット30Bのトップリング301Bに受け渡すとともに、第2研磨ユニット30Bにおける研磨後の基板を第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS3に受け渡す。また、第2研磨部3bのプッシャ37は、第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS5上の基板を第3研磨ユニット30Cのトップリング301Cに受け渡すとともに、第3研磨ユニット30Cにおける研磨後の基板を第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS6に受け渡す。プッシャ38は、第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS6上の基板を第4研磨ユニット30Dのトップリング301Dに受け渡すとともに、第4研磨ユニット30Dにおける研磨後の基板を第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS7に受け渡す。このように、プッシャ33,34,37,38は、リニアトランスポータ5,6と各トップリングとの間で基板を受け渡す受け渡し機構として機能する。これらのプッシャ33,34,37,38は同一の構造である。
次に、図3,図4を用いて洗浄部4の構成を説明する。図3に示すように、洗浄部4の1次洗浄機42及び2次洗浄機43としては、複数のローラ421を備え、上下に配置されたロール状のスポンジを回転させて基板の表面及び裏面に押付けて基板の表面及び裏面を洗浄するロールタイプの洗浄機を用いることができる。また、3次洗浄機44としては、基板ステージ441を備え、半球状のスポンジ(図示せず)を回転させながら基板に押付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機を用いることができる。また、4次洗浄機45としては、基板の裏面はリンス洗浄することができ、基板表面の洗浄は半球状のスポンジを回転させながら押付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機を用いることができる。4次洗浄機45は、チャックした基板を高速回転させる基板ステージ451を備えており、基板を高速回転させることで洗浄後の基板を乾燥させる機能(スピンドライ機能)を有してい
る。なお、各洗浄機42〜45において、上述したロールタイプの洗浄機やペンシルタイプの洗浄機に加えて、洗浄液に超音波を当てて洗浄するメガソニックタイプの洗浄機を付加的に設けてもよい。
1次洗浄機42は、図4に示すように、開閉自在な4個のローラ421を備えており、2個のローラ421の下端にサーボモータ422を連結している。そして、ローラ421を基板Wの方向に移動させて閉じることで、ローラ421で基板Wの周縁部を挟持し、この状態でサーボモータ422を介して、任意のローラ421を回転させて基板Wを回転させるようにしている。
図1の説明に戻って、反転機41および洗浄機42〜45は、洗浄中に外部に使用流体が飛散しないように、それぞれ開閉自在なシャッタ48,49,50,51,52によって区画された各チャンバ内に収容されている。
この例にあっては、搬送ユニット46により、反転機41から1次洗浄機42に、1次洗浄機42から2次洗浄機43に、2次洗浄機43から3次洗浄機44に、3次洗浄機44から4次洗浄機45にそれぞれ基板Wを同時に搬送することができる。また、洗浄機の並ぶ方向に移動させることにより、基板Wを次の洗浄機に搬送することができるので、基板搬送のためのストロークを最小限に抑え、基板Wの搬送時間を短くすることが可能となる。
図1に示すように、研磨ユニット30Aを内部に収容するチャンバの外壁には、正常運転時はロックされ、異常検知後に開錠することが可能なメンテナンス用扉500が開閉自在に設置されている。このメンテナンス用扉500は、操作パネルの画面上でロック解除の操作を行う電磁ロックにより安全かつ容易に開閉できるようになっている。同様に、研磨ユニット30Bを内部に収容するチャンバの外壁にはメンテナンス用扉502が、研磨ユニット30Cを内部に収容するチャンバの外壁にはメンテナンス用扉504が、研磨ユニット30Dを内部に収容するチャンバの外壁にはメンテナンス用扉506がそれぞれ開閉自在に設置されている。
反転機41を内部に収容するチャンバの外壁にも、正常運転時はロックされ、異常検知後に開錠することにより、作業者が出入りできるように開閉するメンテナンス用扉508が開閉自在に設置されている。このメンテナンス用扉508も前述と同様に、操作パネルの画面上でロック解除の操作を行う電磁ロックにより安全かつ容易に開閉できるようになっている。
次に、本実施形態の純水供給装置(液体供給装置)の構成について説明する。図5は、純水供給装置の構成を示す図である。なお、図5における純水供給装置は、研磨部3aのプッシャ33,研磨部3bのプッシャ37、及び洗浄機42,43に配置された基板Wに純水を供給する一例を挙げて説明するが、これには限られない。純水供給装置は、リフタ32、プッシャ34、プッシャ38、各搬送ステージ、洗浄機44,45、反転機31,41など、研磨装置の内部に配置された基板Wに対しても同様に純水を供給するように構成することができる。
図5に示すように、純水供給装置700は、純水の供給源であるDIW供給源710,711を備えている。DIW供給源710は、プッシャ33,37に配置された基板Wに供給するための純水の供給源となる。また、DIW供給源711は、洗浄機42,43に配置された基板Wに供給するための純水の供給源となる。
また、純水供給装置700は、DIW供給源710から供給された純水を基板Wへ供給
するための供給ライン(配管)712、及びDIW供給源711から供給された純水を基板Wへ供給するための供給ライン714を備える。
供給ライン712は、一方の端部がDIW供給源710に接続されており、他方の端部は、プッシャ33に配置された基板Wの表面及び裏面のそれぞれに純水を供給するための供給ライン712−a,712−bに分岐されている。また、供給ライン712の他方の端部は、プッシャ37に配置された基板Wの表面及び裏面のそれぞれに純水を供給するための供給ライン712−c,712−dに分岐されている。
供給ライン714は、一方の端部がDIW供給源710に接続されており、他方の端部は、洗浄機42,43に配置された基板Wのそれぞれに純水を供給するための供給ライン714−a,714−bに分岐されている。
また、純水供給装置700は、供給ライン712に設けられ、供給ライン712を開閉可能なエアオペレートバルブ721を備えている。また、供給ライン712−a,b,c,dにはそれぞれ、供給ライン712−a,b,c,dを開閉可能なエアオペレートバルブ722,723,724,725が設けられている。
また、純水供給装置700は、供給ライン714に設けられ、供給ライン714を開閉可能なエアオペレートバルブ726を備えている。また、供給ライン712−a,bにはそれぞれ、供給ライン714−a,bを開閉可能なエアオペレートバルブ727,728が設けられている。
また、純水供給装置700は、エアオペレートバルブ721,726の開閉を制御することによって供給ライン712,714を開閉するソレノイドバルブ(第1の制御部)772を備える。また、純水供給装置700は、エアオペレートバルブ722,723の開閉を制御することによって供給ライン712−a,712−bを開閉するソレノイドバルブ(第1の制御部)774を備える。また、純水供給装置700は、エアオペレートバルブ724,725の開閉を制御することによって供給ライン712−c,712−dを開閉するソレノイドバルブ(第1の制御部)776を備える。また、純水供給装置700は、エアオペレートバルブ727,728の開閉を制御することによって供給ライン714−a,714−bを開閉するソレノイドバルブ(第1の制御部)778を備える。
純水供給装置700に重大な故障が発生していない場合、ソレノイドバルブ772,774,776,778に供給される電源は喪失されていないので、ソレノイドバルブ772,774,776,778は、エアオペレートバルブ721〜728の開閉を制御することによって、基板Wに純水を供給することができる。その結果、基板Wの乾燥を防止することができる。
一方、純水供給装置700に重大な故障が発生した場合、ソレノイドバルブ772,774,776,778に供給される電源は喪失されるので、ソレノイドバルブ772,774,776,778によってエアオペレートバルブ721〜728の開閉を制御することができなくなる。その結果、エアオペレートバルブ721〜728が閉になったままになると、基板Wに対して純水を供給することができなくなるので、その結果、基板Wが乾燥して使い物にならなくなるおそれがある。
これに対して本実施形態の純水供給装置700は、ソレノイドバルブ772,774,776,778に供給される電源が喪失した場合に、エアオペレートバルブ721〜728の開閉を制御することによって供給ライン712,712−a〜d,714,714−a,bを開閉可能なマニュアルバルブ(第2の制御部)754,756,758を備えて
いる。マニュアルバルブ754,756,758はそれぞれ、エアオペレートバルブ721〜728を強制に開閉するための手動弁である。以下、マニュアルバルブ754,756,758等について詳細に説明する。
まず、エアオペレートバルブ721〜728は、エアオペレートバルブ721〜728に与えられる空気圧力(流体圧力)に応じて供給ライン712,712−a〜d,714,714−a,bを開閉する圧力開閉バルブである。マニュアルバルブ754,756,758は、エアオペレートバルブ721〜728へ与える空気圧力をマニュアル操作によって切り替え可能なマニュアルバルブである。なお、本実施形態は、エアオペレートバルブ721〜728へ与える空気圧力を切り替えるためにマニュアルバルブを用いているが、これには限られない。例えば、ソレノイドバルブ772,774,776,778に供給される電源とは別系統の電源を用いてエアオペレートバルブ721〜728へ与える空気圧力を切り替えるバルブを用いることもできる。
純水供給装置700は、エアオペレートバルブ721〜728へ与える空気圧力の供給源となる空気圧供給源730を備える。また、純水供給装置700は、ソレノイドバルブ772,774,776,778を介して空気圧供給源730とエアオペレートバルブ721〜728とを接続する第1の圧力供給ライン732を備える。
第1の圧力供給ライン732は、一方の端部が空気圧供給源730に接続されており、他方の端部は、ソレノイドバルブ772,774,776,778それぞれに接続されている。また、第1の圧力供給ライン732は、ソレノイドバルブ772を介して第1の圧力供給ライン732−a,732−bに分岐されている。第1の圧力供給ライン732−a,732−bはそれぞれ、エアオペレートバルブ721,726へ接続される。
また、第1の圧力供給ライン732は、ソレノイドバルブ774を介して第1の圧力供給ライン732−c,732−dに分岐されている。第1の圧力供給ライン732−c,732−dはそれぞれ、エアオペレートバルブ722,723へ接続される。
また、第1の圧力供給ライン732は、ソレノイドバルブ776を介して第1の圧力供給ライン732−e,732−fに分岐されている。第1の圧力供給ライン732−e,732−fはそれぞれ、エアオペレートバルブ724,725へ接続される。
また、第1の圧力供給ライン732は、ソレノイドバルブ778を介して第1の圧力供給ライン732−g,732−hに分岐されている。第1の圧力供給ライン732−g,732−hはそれぞれ、エアオペレートバルブ727,728へ接続される。
ソレノイドバルブ772,774,776,778はそれぞれ、第1の圧力供給ライン732を介して空気圧供給源730から供給された空気圧を、第1の圧力供給ライン732−a〜732−hを介してエアオペレートバルブ721〜728へ供給するか否かを切り替えることによって、エアオペレートバルブ721〜728の開閉を制御する。ここで、エアオペレートバルブ721〜728は、空気圧が供給されていない場合には閉になるノーマルクローズ型のバルブである。したがって、ソレノイドバルブ772,774,776,778は、エアオペレートバルブ721〜728へ空気圧を供給することによってエアオペレートバルブ721〜728を開にする。一方、ソレノイドバルブ772,774,776,778は、エアオペレートバルブ721〜728へ空気圧を供給しないことよってエアオペレートバルブ721〜728を閉にする。
純水供給装置700は、第1の圧力供給ライン732における空気圧供給源730とソレノイドバルブ772,774,776,778との間から分岐して、第1の圧力供給ラ
イン732−a〜732−hにおけるソレノイドバルブ772,774,776,778とエアオペレートバルブ721〜728との間へ接続される、第2の圧力供給ライン742を備える。
具体的には、第2の圧力供給ライン742の一方の端部は、マニュアルバルブ754,756,758へそれぞれ接続されている。第2の圧力供給ライン742は、マニュアルバルブ754,756,758を介して第2の圧力供給ライン744,746,748に分岐されている。なお、第2の圧力供給ライン742には、空気圧供給源730から供給された空気圧を調整(減圧)するためのレギュレータ741が設けられている。また、第2の圧力供給ライン744,746,748にはそれぞれ、検出した圧力を表示可能な圧力センサ764,766,768が設けられる。
第2の圧力供給ライン744は、第2の圧力供給ライン744−a,b,cに分岐されている。第2の圧力供給ライン744−aは、第1の圧力供給ライン732−bに接続される。第2の圧力供給ライン744−bは、第1の圧力供給ライン732−hに接続される。第2の圧力供給ライン744−cは、第1の圧力供給ライン732−gに接続される。第2の圧力供給ライン744−a,b,cにはそれぞれ、マニュアルバルブ754からエアオペレートバルブ726,728,727への方向のみ空気圧を通流させる逆止弁(チェック弁)791,792,793が設けられている。なお、第2の圧力供給ライン744−aと第1の圧力供給ライン732−bとの接続部は、接続部791−aとなる。第2の圧力供給ライン744−bと第1の圧力供給ライン732−hとの接続部は、接続部792−aとなる。第2の圧力供給ライン744−cと第1の圧力供給ライン732−gとの接続部は、接続部793−aとなる。
第2の圧力供給ライン746は、第2の圧力供給ライン746−a,b,cに分岐されている。第2の圧力供給ライン746−aは、第1の圧力供給ライン732−fに接続される。第2の圧力供給ライン746−bは、第1の圧力供給ライン732−eに接続される。第2の圧力供給ライン746−cは、第1の圧力供給ライン732−aに接続される。2の圧力供給ライン746−a,b,cにはそれぞれ、マニュアルバルブ756からエアオペレートバルブ725,724,721への方向のみ空気圧を通流させる逆止弁794,795,796が設けられている。なお、第2の圧力供給ライン746−aと第1の圧力供給ライン732−fとの接続部は、接続部794−aとなる。第2の圧力供給ライン746−bと第1の圧力供給ライン732−eとの接続部は、接続部795−aとなる。第2の圧力供給ライン746−cと第1の圧力供給ライン732−aとの接続部は、接続部796−aとなる。
第2の圧力供給ライン748は、第2の圧力供給ライン748−a,bに分岐されている。第2の圧力供給ライン748−aは、第1の圧力供給ライン732−dに接続される。第2の圧力供給ライン748−bは、第1の圧力供給ライン732−cに接続される。2の圧力供給ライン748−a,bにはそれぞれ、マニュアルバルブ754からエアオペレートバルブ723,722への方向のみ空気圧を通流させる逆止弁797,798が設けられている。なお、第2の圧力供給ライン748−aと第1の圧力供給ライン732−dとの接続部は、接続部797−aとなる。第2の圧力供給ライン748−bと第1の圧力供給ライン732−cとの接続部は、接続部798−aとなる。
また、純水供給装置700は、第1の圧力供給ライン732−a〜732−hのそれぞれに設けられたノーマルオープンバルブ781〜788を備える。ノーマルオープンバルブ781は、第1の圧力供給ライン732−aにおける、接続部796−aとソレノイドバルブ772との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−aを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−aを開
くノーマルオープンバルブである。ノーマルオープンバルブ782は、第1の圧力供給ライン732−bにおける、接続部791−aとソレノイドバルブ772との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−aを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−aを開くノーマルオープンバルブである。
ノーマルオープンバルブ783は、第1の圧力供給ライン732−cにおける、接続部798−aとソレノイドバルブ774との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−cを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−cを開くノーマルオープンバルブである。ノーマルオープンバルブ784は、第1の圧力供給ライン732−dにおける、接続部797−aとソレノイドバルブ774との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−dを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−dを開くノーマルオープンバルブである。
ノーマルオープンバルブ785は、第1の圧力供給ライン732−eにおける、接続部795−aとソレノイドバルブ776との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−eを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−eを開くノーマルオープンバルブである。ノーマルオープンバルブ786は、第1の圧力供給ライン732−fにおける、接続部794−aとソレノイドバルブ776との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−fを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−fを開くノーマルオープンバルブである。
ノーマルオープンバルブ787は、第1の圧力供給ライン732−gにおける、接続部793−aとソレノイドバルブ778との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−gを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−gを開くノーマルオープンバルブである。ノーマルオープンバルブ788は、第1の圧力供給ライン732−hにおける、接続部792−aとソレノイドバルブ778との間に設けられ、空気圧が与えられている場合に第1の圧力供給ライン732−hを閉じ、空気圧が与えられていない場合に第1の圧力供給ライン732−hを開くノーマルオープンバルブである。
また、純水供給装置700は、第2の圧力供給ライン744,746,748それぞれから分岐する分岐ライン745−a〜745−c,747−a,747−b,749−a〜749−cを備える。
分岐ライン745−aは、第2の圧力供給ライン744におけるマニュアルバルブ754と逆止弁791〜793との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ782に接続される。分岐ライン745−bは、第2の圧力供給ライン744におけるマニュアルバルブ754と逆止弁791〜793との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ788に接続される。分岐ライン745−cは、第2の圧力供給ライン744におけるマニュアルバルブ754と逆止弁791〜793との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ787に接続される。
分岐ライン747−aは、第2の圧力供給ライン746におけるマニュアルバルブ756と逆止弁794〜796との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ786に接続される。分岐ライン747−bは、第2の圧力供給ライン746におけるマニュアルバルブ756と逆止弁794〜796との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ785に接続される。
分岐ライン749−aは、第2の圧力供給ライン748におけるマニュアルバルブ758と逆止弁797,798との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ781に接続される。なお、分岐ライン749−aには、マニュアルバルブ758からノーマルオープンバルブ781の方向へのみ空気圧を通流させる逆止弁799が設けられている。分岐ライン749−aにおける逆止弁799の下流側と第2の圧力供給ライン746−cにおける逆止弁796の下流側とは、ライン749−dで接続されている。
分岐ライン749−bは、第2の圧力供給ライン748におけるマニュアルバルブ758と逆止弁797,798との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ784に接続される。分岐ライン749−cは、第2の圧力供給ライン748におけるマニュアルバルブ758と逆止弁797,798との間から分岐して、ノーマルオープンバルブ783に接続される。
本実施形態の純水供給装置700によれば、研磨装置に重大な故障が発生した場合に、基板Wが乾燥するのを抑制することができる。すなわち、マニュアルバルブ754,756,758はそれぞれ、マニュアル操作によって第2の圧力供給ライン744,746,748の開閉を制御することができる。研磨装置に重大な故障が発生していない場合には、マニュアルバルブ754,756,758はそれぞれ閉になっている。この場合、ノーマルオープンバルブ781〜788には空気圧が与えられないので、ノーマルオープンバルブ781〜788は開になる。したがって、ソレノイドバルブ772,774,776,778による空気圧の切り替えに応じて、エアオペレートバルブ721〜728の開閉は制御される。また、逆止弁791〜799が設けられているため、エアオペレートバルブ721〜728開閉用の第1の圧力供給ライン732−a〜732−hからの空気圧の逆流を防ぐことができる。
一方、研磨装置に重大な故障が発生した場合、研磨装置が全停止し電源が落ちてソレノイドバルブ772,774,776,778等もシャットダウンする。このとき研磨装置内に残っている基板Wは、純水を供給するためのバルブが閉になるため、乾燥してしまい使い物にならなくなる場合がある。そこで、研磨装置が重故障で停止したとき、マニュアル操作によって、マニュアルバルブ754,756,758はそれぞれ開かれる。この場合、ノーマルオープンバルブ781〜788に空気圧が与えられるため、ノーマルオープンバルブ781〜788は閉になる。また、レギュレータ741によって減圧された空気圧が、第2の圧力供給ライン744−a〜744−c,746−a〜746−c,748−a,748−b、及び逆止弁791〜798を介して、エアオペレートバルブ721〜728へ与えられる。したがって、エアオペレートバルブ721〜728はすべて開になり、純水が基板Wへ供給される。その結果、研磨装置に重大な故障が発生した場合に、基板Wが乾燥するのを抑制することができる。なお、ノーマルオープンバルブ781〜788は閉になっているので、強制的に空気圧が与えられた第1の圧力供給ライン732−a〜732−hからの空気圧の逆流を防ぐことができる。
なお、圧力センサ764,766,768を設けたことによって、第2の圧力供給ライン744,746,748の開閉状態を、空気圧の有無で判断することができる。つまり、純水供給状態は、圧力センサ764,766,768によって検出された空気圧の有無で確認できる。また、空気圧が確認できる状態では研磨装置の再起動ができないインターロックを備えることもできる。また、第2の圧力供給ライン744,746,748が強制開の状態で、プロセス開始を運転できないようにインターロックをかけるために、圧力スイッチを設けることもできる。
また、上記の説明では、エアオペレートバルブ721〜728をまとめて開閉する例を
説明したが、これに限らず、各エアオペレートバルブ721〜728を独立して開閉することができるように、純水供給装置700を構成することもできる。これによって、基板Wの乾燥を防止する必要があるブロックに選択的に純水を供給することができる。例えば、研磨部3aが停止した場合、研磨部3a用のマニュアルバルブを開にすると、研磨部3aのリフタ、プッシャ、搬送ステージ等に対する純水供給用のバルブが開き、基板Wの乾燥を防ぐことができる。また、例えば、研磨部3bが停止した場合、研磨部3b用のマニュアルバルブを開にすると、研磨部3bのプッシャ、搬送ステージ等に対する純水供給用のバルブが開き、基板Wの乾燥を防ぐことができる。また、例えば、洗浄部が停止した場合、洗浄部用のマニュアルバルブを開にすると、反転機41、及び洗浄機42〜45等に対する純水供給用のバルブが開き、基板Wの乾燥を防ぐことができる。
なお、研磨装置に重大な故障の一つとして研磨装置内の漏液が挙げられるが、研磨装置内に設けられた漏液センサによって漏液が検出された場合に、直ちに重大な故障と判定するのではなく、漏液センサを上下方向に2段に配置して、下段(1段目)を警報(アラーム)用、上段(2段目)を研磨装置の停止判定用とすることができる。以下、この点について説明する。
図6は、研磨部における漏液センサの配置の一例を概略的に示す図である。図6は、4つの研磨ユニット30A〜研磨ユニット30Dのうち、代表して研磨ユニット30Dの縦断面を概略的に示すものである。
図6に示すように、研磨ユニット30D内には、上述の研磨テーブル300A、及びトップリング301A等が設けられている他、純水を供給するための純水供給ボックス810、及び砥液を供給するための砥液供給ボックス820が設けられている。
純水供給ボックス810内には、純水供給ボックス810内の漏液を検出するための漏液センサ812が設けられている。砥液供給ボックス820内には、砥液供給ボックス820内の漏液を検出するための漏液センサ822が設けられている。
また、研磨ユニット30Dの下部には、研磨ユニット30Dから漏れた漏液を受け入れるドレンパン830が設けられている。ドレンパン830には、上下方向の配置位置を異ならせて2つの漏液センサ832,834が設けられている。漏液センサ832は下段に設けられ、漏液センサ834は上段に設けられている。
例えば、漏液センサ812,822,832によって漏液が検出された場合に、研磨装置に重大な故障が発生したと判定して研磨装置を停止させると、僅かな漏液にもかかわらず、研磨装置全体を停止することになるので、効率の面で好ましくない。
そこで、研磨装置は、漏液センサ812,822,832によって漏液が検出された場合には、研磨装置に重大な故障が発生したと判定せず、警報を発生させるようにすることができる。例えば、漏液センサ812,822によって漏液が検出されたとしても直ちにドレンパン830に漏液が流れない場合は、警報を発生し研磨や洗浄等のプロセスはそのまま続行することができる。また、例えば、漏液センサ832によって漏液が検出された場合、警報を発生し、プロセスインターロックとし、研磨装置内にある基板Wについてはプロセスを終了させ、新たな基板Wを投入しないようにすることができる。
一方、漏液センサ834によって漏液が検出された場合には、多量の漏液が発生していると推定されることから、研磨装置は、研磨装置に重大な故障が発生したと判定し、研磨装置を停止させることができる。
以上のように、漏液センサ812,822,832によって漏液が検出された場合に、研磨装置を直ちに停止させず警報を発生することによって、プロセスインターロック中に漏液箇所を確認し対処することで、研磨装置を停止させることなく運転を継続することが可能となる。
図7は、洗浄部における漏液センサの配置の一例を概略的に示す図である。図7は、洗浄部の縦断面を概略的に示すものである。図7に示すように、洗浄部内には、上述の反転機41、洗浄機42〜45が設けられている他、薬液を一時貯蔵するための薬液ユーティリティボックス910、薬液と純水を混合するCLCボックス920、希釈された薬液を反転機41、洗浄機42〜45に供給するための薬液供給ボックス930,940,950が設けられている。
薬液ユーティリティボックス910内には、薬液ユーティリティボックス910内の漏液を検出するための漏液センサ912が設けられている。CLCボックス920内には、CLCボックス920内の漏液を検出するための漏液センサ922が設けられている。薬液供給ボックス930,940,950内には、薬液供給ボックス930,940,950内の漏液を検出するための漏液センサ932,942,952が設けられている。
工場側の薬液供給ラインから供給された薬液は、バルブ916を介してCLCボックス920へ送られる。一方、純水は、バルブ972を介してCLCボックス920へ送られるとともに、制御バルブ982を介して他の設備へ送られる。制御バルブ921及びバルブ923を介して送られた薬液は、制御バルブ922及びバルブ924を介して送られた純水によって希釈され、薬液供給ボックス930,940,950へ送液される。
また、薬液供給ボックス930,940,950と洗浄機42〜45の内部を排気する排気管には、排気圧を検知する排気圧センサ934,944,954が設けられている。
また、薬液ユーティリティボックス910、CLCボックス920、及び薬液供給ボックス930,940,950の下部には、これらのボックスから漏れた漏液を受け入れるドレンパン960が設けられている。ドレンパン960には、上下方向の配置位置を異ならせて漏液センサ961〜966が設けられている。漏液センサ961,963,965は下段に設けられ、漏液センサ962,964,966は上段に設けられている。
例えば、漏液センサ912,922,932,942,952,961,963,965によって漏液が検出された場合に、研磨装置に重大な故障が発生したと判定して研磨装置を停止させると、僅かな漏液にもかかわらず、研磨装置全体を停止することになるので、効率の面で好ましくない。
そこで、研磨装置は、漏液センサ912,922,932,942,952,961,963,965によって漏液が検出された場合には、研磨装置に重大な故障が発生したと判定せず、警報を発生させるようにすることができる。例えば、漏液センサ912,922,932,942,952によって漏液が検出されたとしても直ちにドレンパン960に漏液が流れない場合は、警報を発生し研磨や洗浄等のプロセスはそのまま続行することができる。また、例えば、漏液センサ961,963,965によって漏液が検出された場合、警報を発生し、プロセスインターロックとし、研磨装置内にある基板Wについてはプロセスを終了させ、新たな基板Wを投入しないようにすることができる。
一方、漏液センサ962,964,966によって漏液が検出された場合には、多量の漏液が発生していると推定されることから、研磨装置は、研磨装置に重大な故障が発生したと判定し、研磨装置を停止させることができる。
以上のように、漏液センサ912,922,932,942,952,961,963,965によって漏液が検出された場合に、研磨装置を直ちに停止させず警報を発生することによって、プロセスインターロック中に漏液箇所を確認し対処することで、研磨装置を停止させることなく運転を継続することが可能となる。