JP6091622B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、原子炉施設、使用済燃料再処理施設等の施設内または施設周辺に設置され、線量率または線量当量率等の単位時間当たりの放射線量の測定管理を行う放射線測定装置に関するものである。
放射線測定装置は、放射線検出器と測定部から構成され、放射線検出器に放射線が入射すると、入射した放射線のエネルギーに応じた波高のアナログパルスが放射線検出器から出力される。原子炉施設、使用済燃料再処理施設等の施設周辺に設置される放射線測定装置の放射線検出器は、数10nGy/hまたは数10nSv/hの環境バックグラウンドレベルからの測定が要求される。このため、放射線検出器としては、10nGy/h〜10μGy/hまたは10nSv/h〜10μSv/hを測定レンジとし、検出感度が高いNaI(Tl)シンチレーション検出器、CsI(Tl)シンチレーション検出器が使用されている。
これらのシンチレーション検出器は、入射した放射線のエネルギーに比例した波高のアナログパルスを出力する。測定部は、そのアナログパルスを入力して予め設定された定時間間隔毎に、予め設定されたチャンネル数の各チャンネルに波高値を対応させて波高スペクトルを生成する。その生成した波高スペクトルの各チャンネルを放射線のエネルギーに対応させ、当該エネルギーを線量(線量当量)で重み付けして当該チャンネルの計数を乗じてチャンネル毎の線量(線量当量)を求める。そして、測定対象エネルギー範囲のチャンネルについて集計して集計線量(線量当量)を求め、その集計線量(線量当量)を測定時間について積算した積算線量(線量当量)を求める。さらに、その積算線量(線量当量)を測定時間で除して得られる線量率(線量当量率)を出力する。波高スペクトルを測定して波高値すなわち放射線のエネルギーに対応して線量(線量当量)の重み付けを行うことで、出力の線量(線量当量)のエネルギー特性を補償している(例えば特許文献1)。
一方、原子炉施設、使用済燃料再処理施設等の施設内では1〜105μSv/hを測定レンジとしたエリアモニタとして、放射線検出器には広いレンジをカバーできるSi半導体放射線検出器が使用されている。Si半導体放射線検出器として、例えばSi-PINホトダイオードがある。Si-PINホトダイオードは、逆電圧のバイアス電圧が印加されており、空乏層(I層)に入射した、例えばγ線により生成された電子と正孔を、それぞれ正電圧を印加したカソード電極(N層側)と負電圧を印加したアノード電極(P層側)に収集する。プリアンプがそのアナログパルス電流をアナログパルス電圧に変換し、放射線検出器からはアナログ電圧パルスが出力される。Si半導体放射線検出器において、線量(線量当量)に対する計数率の感度は、入射するγ線のエネルギーに依存し、低エネルギーになるにしたがって検出効率が高くなり、γ線の一般的な測定エネルギー範囲50〜3000keVで約1桁の違いがある。このため、物理的フィルタにより低エネルギー側の感度を下げて高エネルギー側の安定した感度にそろえるようにして線量(線量当量)に対する計数率の感度を平坦化しているものがある(例えば特許文献2)。
特開2009−175042号公報(図1、図2) 特開平5−2080号公報(図3)
シンチレーション検出器は、放射線エネルギーの全吸収に対応して検出器出力にスペクトルピークの広がりがある。測定エネルギー範囲の下限付近に波高スペクトルのピークがある場合、測定エネルギー範囲の下限以下にピークの広がりの裾がかかって測定値に寄与しない部分がでてくる。このため、測定部出力の低エネルギー部分で基準を数10%下回ることがあり、低エネルギー部分で精度が低下する問題があった。
また、シンチレーション検出器は、シンチレータの種類、検出器のメーカ、器差によりエネルギー分解能にばらつきがある。さらに、Si半導体放射線検出器も、検出器のメーカ、器差によりエネルギー特性にばらつきがある。このように、放射線測定装置は、検出器の種類、製造メーカ等によりエネルギー特性に違いがあり、一律なエネルギー補償方法ではエネルギー特性に歪みが残り、その歪みが補償できないという問題があった。
この発明は上記の課題を解消するためになされたもので、簡単な構成で良好なエネルギー特性を備えた高精度の放射線測定装置を得ることを目的とする。
本発明は、放射線検出器からの電圧パルスの電圧の波高値を放射線のエネルギーに対応させて、電圧パルスの数である計数を、波高値に対応した複数のチャンネルに分けて生成することにより波高スペクトルを生成し、波高スペクトルに基づいて放射線検出器に入射した放射線の線量を算出する放射線測定装置において、複数のチャンネルのうち、放射線のエネルギーの測定範囲内の下限を含む少なくとも一つのチャンネルの計数、および放射線検出器のエネルギー分解能に基づいて、測定限界以下として切り捨てられた線量を算出することにより補正して、放射線検出器に入射した放射線の線量を算出するようにしたものである。
この発明によれば、簡単な構成で良好なエネルギー特性を備えた高精度の放射線測定装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による放射線測定装置の補正について説明するための図である。 この発明の実施の形態1による放射線測定装置のエネルギー特性を説明する図である。 この発明の実施の形態2による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による放射線測定装置の補正について説明するための図である。 この発明の実施の形態2による放射線測定装置の補正係数テーブルの例を示す図である。 この発明の実施の形態3による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4による放射線測定装置のエネルギー特性を説明する図である。 この発明の実施の形態5による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。放射線検出器1は、放射線が付与したエネルギーを蛍光に変換するシンチレータを備え、その蛍光を電子に変換して増倍してアナログ電流パルスに変換するシンチレーション検出器である。シンチレーション検出器では、アナログ電流パルスをさらにアナログ電圧パルスに変換して出力する。シンチレーション検出器としては、例えば、シンチレータとして、NaI(Tl)結晶を備えたNaI(Tl)シンチレーション検出器、CsI(Tl)結晶を備えたCsI(Tl)シンチレーション検出器が一般的である。
測定部2は、放射線検出器1から出力されたアナログ電圧パルスを入力して線量率、線量当量率等の単位時間当たりの放射線量に変換して出力する。以降は、単位時間当たりの放射線量として線量率を代表として説明するが、本願では、線量率は線量当量率を含むものとする。測定部2は、パルス増幅器21、アナログ/デジタル変換器(A/D変換器)22、演算部23、表示・操作部24を備える。演算部23は、スペクトル生成部231、線量率演算部232、G(E)関数メモリー233、補正用線量率演算部234、線量率補正演算部235を備えている。
パルス増幅器21は、放射線検出器1からアナログ電圧パルスを入力して増幅する。A/D変換器22は、増幅されたアナログ電圧パルスから、その電圧ピーク値、すなわち波高値がノイズカットレベルとして設定された値以上のものについて波高値を測定して波高データを出力する。
スペクトル生成部231では、A/D変換器22から出力された電圧パルスの電圧の波高値のデータである波高データを入力して、予め設定された定時間間隔毎、例えば1分毎に、波高スペクトルとして生成する。波高値は放射線のエネルギーに対応する。例えば、波高値0〜3Vが放射線のエネルギー0〜3000keVに対応するとする。この場合、波高値0〜3Vを例えば600等分割して、600個のチャンネルの各チャンネルに対応する波高値毎の電圧パルスの数であるカウント数(計数)を、各チャンネルに生成する。この各チャンネルに生成されたカウント数の集合を波高スペクトルと称する。すなわち、波高スペクトルは、放射線検出器に上記定時間間隔に入射した放射線のエネルギースペクトルに相当する。
線量率演算部232では、スペクトル生成部231において生成した波高スペクトルを、G(E)関数メモリー233の放射線のエネルギーに対応させ、各チャンネルのエネルギーを線量で重み付けして各チャンネルの計数を乗じてチャンネル毎の線量を求める。チャンネル毎に求めた線量を、測定対象エネルギー範囲、例えば50〜3000keVに対応するチャンネル10〜600chについて集計して集計線量を求める。その集計線量を測定時間について積算した積算線量を求め、その積算線量を測定時間で除して線量率を求める。
補正用線量率演算部234では、例えば、測定エネルギー範囲内の下限値を含む、エネルギー特性を補正したいエネルギー範囲について、補正用線量率を、線量率演算部232で求める線量率と同様にして求める。線量率補正演算部235では、補正用線量率演算部234で求めた補正用線量率に、シンチレーション検出器1の分解能の標準値Rsに基づいて計算により求めた、または実験的に求めた補正係数Ksを乗じて線量率補正量を求め、その線量率補正量を線量率に加算して補正線量率を求めて出力する。表示・操作部24は、補正線量率を表示すると共に、例えばタッチパネルで測定部2の設定を行う。
ここで、線量率補正量の求め方を説明する。図2は、放射線のエネルギーが測定エネルギー下限50keVに近接する、60keVの場合における放射線検出器1のエネルギー分解能(以降、単に分解能とも称する)と補正量を説明するための図である。図2の実線は、放射線検出器1に60keVの単一のエネルギーの放射線だけが照射された場合の検出器の微分パルス波高分布を示している。分解能Rは、この分布曲線のエネルギー半値幅を波高部分のエネルギー値で割ったものとして定義される。図2においてハッチングで示すエネルギー下限50keV以下に分布する量は従来の測定では測定限界以下として切り捨てられ測定値に反映されない。本発明では、この測定限界以下として切り捨てられた線量を算出して線量率を補正する。
シンチレーション検出器では、単一エネルギー、例えばCs-137のγ線662keVの放射線が検出器に入射すると、662keV相当のチャンネルに、光電吸収によるガウス形状の分布の光電ピークスペクトルが発現する。また、それよりも低エネルギー側のチャンネルに拡がりをもって、コンプトン吸収によるコンプトンエッジとそれに続く台形状のスペクトルも発現するが、測定エネルギー下限50keV以下に分布する計数は、全体の計数に対して無視できる。一方、単一エネルギーが60keVのような低エネルギーでは、90%以上が光電ピークスペクトルを構成し、図2に示すように、そのテールが測定エネルギー下限50keV以下に無視できない比率で分布する。
ここで、光電ピークスペクトルのピーク計数位置に対応するエネルギーをピークエネルギーEp(keV)、ピーク計数の1/2計数に対応するエネルギー幅を半値幅Ew(keV)、標準偏差をσ、分解能をR(%)とすると、それらの関係は次式で示される。
R(%)=100(%)×Ew/Ep (1)
中心からの偏差=2.35σ×(Ep−50)/Ew (2)
分解能は、放射線のエネルギーの平方根に逆比例するので、例えばCs-137のγ線662keVにおける分解能初期値8%を基準とし、補正したいエネルギー範囲の代表エネルギーをEpとすると、Epにおける分解能Rs(%)は、次式により求められる。
Rs=8×(662/Ep)1/2 (3)
なお、ここでは、基準となるCs-137のγ線662keVにおける分解能を標準分解能と称する。
例えば、補正したいエネルギー範囲を50〜70keVとし、そのエネルギー範囲の代表エネルギーEpを60keVとすると、式(3)よりRsとして26.6%が求められる。このRsを用いて、式(1)および式(2)より、偏差1.46σが求められる。正規分布表から偏差1.46σに対応する50keV以下のスペクトル比率を求めると約7%となり、補正係数Ksとして0.07が求められる。
以上では計算により補正係数Ksを求めたが、補正係数Ksは、放射線検出器1に60keVのX線を照射してスペクトルを測定し、実測スペクトルに基づいて求めることもできる。
また、上記では補正したいエネルギー範囲の代表エネルギーにより分解能Rsを設定したが、補正したいエネルギー範囲を例えば50〜70keVと70〜90keVのように複数として補正を行う場合、それぞれの範囲の代表エネルギーに対して別々に分解能Rsを求めて補正することで、よりエネルギー特性を向上できるのは言うまでもない。このように、本発明では、放射線のエネルギーの測定範囲内の下限を含む少なくとも一つのチャンネルの計数に基づいて、測定限界以下として切り捨てられた線量を算出することによりエネルギー特性を補正して、放射線検出器に入射した放射線の線量を算出することを特徴とする。
図3は、本発明の実施の形態1による放射線測定装置のエネルギー特性を説明する図である。aは単純に波高値に線量が比例するとして求めた線量率のエネルギー特性、bはG(E)関数で重み付けして求めた線量率のエネルギー特性、cは実施の形態1の補正を行った線量率のエネルギー特性である。図3のcで示すように、本発明の補正により測定エネルギー下限近傍で特性が大幅に改善することが判る。
以上のように、実施の形態1によれば、測定部2において、まず、測定した波高データから直接求めた線量率と、測定チャンネル範囲内の下限値を含むエネルギー特性を補正したいエネルギー範囲の補正用線量率を求める。次に、求めた補正用線量率にシンチレーション検出器1の分解能Rsから設定した補正係数Ksを乗じて線量率補正量を求める。この線量率補正量を線量率に加算して補正線量率を出力するようにした。このように、実施の形態1によれば、測定限界以下として切り捨てられた線量を算出してエネルギー特性を補正するようにしたので、良好なエネルギー特性の高精度の放射線測定装置を提供できる。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1では、線量率補正演算部235は、放射線検出器1としてのシンチレーション検出器の標準分解能の初期値に基づいて計算または実験的に求めた補正係数Ksを用いた。実施の形態2では、図4のように分解能補正係数設定部236と、補正係数テーブルメモリー237と、を設け、線量率補正演算部235では、分解能補正係数設定部236で設定した補正係数を用いて補正するようにした。
放射線検出器は、使用により劣化し、分解能が低下する。図5の実線aは、実施の形態1の図2で説明したのと同じ、放射線検出器1が新しい時点における標準分解能の初期値が8%の場合の分布曲線を示している。一方、破線bは、放射線検出器1が長時間使用されて劣化し、標準分解能が10%に低下した場合の分布曲線を示している。破線bで示す分布曲線の場合、図5のハッチングで示す、エネルギー下限50keV以下に分布する量が測定限界以下として切り捨てられ測定値に反映されない量となり、この量を補正することにより、より精度が良くなる。実施の形態1で説明したように、標準分解能が8%の場合は、Ep=60keVにおける分解能Rsは式(3)より26.6%と算出される。この分解能に対する補正係数は0.07である。標準分解能が10%になれば、Ep=60keVにおける分解能Rsは式(3)より32.2%となる。この分解能に対する補正係数は式(1)、(2)を用いて、0.12と算出される。
本実施の形態2では、このような使用中の分解能の変化、あるいは検出器による分解能の器差に対応して補正係数を設定する。このため、異なる標準分解能Rに対するそれぞれの補正係数Kを予め計算または実験的に求めて、図6のような補正係数テーブルとして補正係数テーブルメモリー237に記憶させておく。分解能補正係数設定部236では、放射線検出器1の単体試験データまたは定期検査データの標準分解能を設定することにより、補正係数テーブルメモリー237から設定された標準分解能に対応した補正係数Kを照合して補正係数を設定する。線量率補正演算部235では、その補正係数Kを補正用線量率演算部234で求めた補正用線量率に乗じて求めた線量率補正量を、線量率演算部232で求めた線量率に加算した補正線量率を出力する。以上の構成により、分解能の器差や劣化を吸収して正確な補正を行うことができる。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1および実施の形態2では、測定チャンネル下限以下のスペクトル切捨て及び分解能に起因したエネルギー特性の歪み箇所のみに限定して出力補正を行うようにした。実施の形態3では、測定チャンネル下限以下のスペクトル切捨てに起因したエネルギー特性の歪みの補正のための補正用線量率演算部234以外に、チャンネル補正用線量率演算部238を追加した。図7では、実施の形態2、すなわち図4の放射線測定装置にチャンネル補正用線量率演算部238を設けたものを示しているが、実施の形態1、すなわち図1の放射線測定装置にチャンネル補正用線量率演算部238を設けても良い。
チャンネル補正用線量率演算部238では、放射線検出器1の放射線エネルギーに対するアナログパルス出力における波高値の直線性のばらつきに起因したエネルギー特性の歪みを補正するための補正用線量率を演算する。エネルギー特性に補正が必要な歪があるチャンネルが全部でiチャンネル(iは1以上の整数)あったとすると、チャンネル補正用線量率演算部238は、第1チャンネル補正用線量率演算部2381〜第iチャンネル補正用線量率演算部238iで構成される。第1チャンネル補正用線量率演算部2381〜第iチャンネル補正用線量率演算部238iでは、補正したい各チャンネルの線量率を測定し、測定したそれぞれの線量率に予め設定された補正係数K1〜KIを乗じて線量率補正量を算出する。線量率補正演算部235では、補正用線量率演算部234で求めた測定チャンネル下限以下の補正に加えて、チャンネル補正用線量率演算部238で求めた補正を加えて、線量率演算部232で求めた線量率を補正するようにした。以上のように、本実施の形態3では、放射線のエネルギーの測定範囲内の少なくとも一つのチャンネルの計数に基づいて、放射線検出器のエネルギー特性の歪を補正して放射線検出器に入射した放射線の線量を算出するようにしたので、放射線検出器1のエネルギー特性に歪がある場合でも、エネルギー特性が良好な放射線測定装置が得られる。
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1では放射線検出器1としてシンチレーション検出器を備え、演算部23はスペクトルデータの波高値をG(E)関数で重み付けすることで線量率を求めた。実施の形態4では、放射線検出器3として、放射線が付与したエネルギーで生成された電子と正孔をそれぞれ正電極と負電極に収集してアナログ電流パルスに変換し、そのアナログ電流パルスをアナログ電圧パルスに変換して出力する半導体放射線検出器を備える。この半導体放射線検出器である放射線検出器3においても、シンチレーション検出器と同様、入射した放射線が付与したエネルギーに応じた波高のアナログパルスを出力する。半導体放射線検出器入射面には、低エネルギーになるにしたがって放射線の透過率が小さくなるエネルギー特性を有する物理的フィルタ4を備えている。物理的フィルタ4を備えることにより、測定範囲に入るアナログ電圧パルスの計数率と線量率の関係であるエネルギー特性が、放射線のエネルギーに依存しないよう平坦化される。物理的フィルタ4として、例えば、ステンレススチール1.5〜2.5mm厚程度のものを用いればエネルギー特性を概ね平坦化できる。
演算部23において、スペクトル生成部231の動作は、実施の形態1の演算部23のスペクトル生成部231の動作と同じであるので説明を省略する。線量率演算部232は、スペクトル生成部231で生成された波高スペクトルに対応する測定対象エネルギー範囲、例えば50〜3000keVに対応するチャンネル10〜600chについて集計して集計線量を求め、その集計線量を測定時間について積算した積算線量を求め、その積算線量を測定時間で除して得られる線量率を求める。
補正用線量率演算部234は、例えば、測定チャンネル範囲内の下限値を含む、補正したいチャンネル範囲の線量率、すなわち補正用線量率を、線量率演算部232と同様にして測定する。線量率補正演算部235は、補正用線量率演算部234で求めた補正用線量率に実験的に求めた補正係数Kを乗じて線量率補正量を求める。さらに、その線量率補正量を線量率演算部232で求めた線量率に加算して補正線量率を求める。表示・操作部24は、線量率補正演算部235で求めた補正線量率を表示する。表示・操作部24は、例えばタッチパネルを備えることにより、測定部2の設定を行うこともできる。
図9は、放射線検出器として半導体放射線検出器を用いた放射線測定装置のエネルギー特性を示す図である。dは、物理的フィルタ4がない場合の感度の相対比(Cs-137の0.662MeVの相対感度を1としたとき)であり、eは、物理的フィルタありで実施の形態4の補正がない場合であり、fは物理的フィルタ4ありかつ実施の形態4の補正あり場合の特性を示している。実施の形態4の補正により測定エネルギー下限近傍で特性が大幅に改善する。
以上のように、実施の形態4によれば、放射線検出器として半導体放射線検出器を備え、測定部2において、まず、測定した波高データから直接求めた線量率と、測定チャンネル範囲の下限値を含むエネルギー特性を補正したいエネルギー範囲の補正用線量率を求める。次に、求めた補正用線量率に実験的に求めた補正係数を乗じて線量率補正量を求める。この線量率補正量を線量率に加算して補正線量率を出力するようにした。このように、実施の形態4によれば、測定対象エネルギー範囲の下限付近のスペクトル切捨てに起因するエネルギー特性の部分的な歪について補償するようにしたので、シンチレーション検出器と同様に半導体放射線検出器についても良好なエネルギー特性の高精度の放射線測定装置を提供できる。
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5による放射線測定装置の構成を示すブロック図である。実施の形態4では、実施の形態1や実施の形態2と同様、測定チャンネル下限以下のスペクトル切捨てに起因したエネルギー特性の歪み箇所のみに限定して出力補正を行うようにした。実施の形態5では、図10に示すように、実施の形態3と同様、補正用線量率演算部234以外に、チャンネル補正用線量率演算部251を備えるようにした。補正用線量率演算部234は実施の形態4の補正用線量率演算部234と同じ機能、すなわち測定チャンネル下限切捨てに起因したエネルギー特性の歪みの補正を実行する。
チャンネル補正用線量率演算部251は、第1チャンネル補正用線量率演算部2511〜第iチャンネル補正用線量率演算部251iで構成されている。チャンネル補正用線量率演算部251では、物理的フィルタ4が放射線検出器3の特性を補償しきれない分、すなわち物理的フィルタ4による補償の歪分を補償するための補正を行う。第1チャンネル補正用線量率演算部2511〜第iチャンネル補正用線量率演算部251iで、補正したい1つ以上のチャンネルにおいて、各チャンネルの線量率を測定し、測定したそれぞれの線量率に基づき予め設定された補正係数K1〜Kiを乗じて線量率補正量を算出して補正する。本実施の形態5によれば、物理的フィルタ4の補償歪分を含んで補正するため、エネルギー特性が更に良好な放射線測定装置が得られる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1、3 放射線検出器、2 測定部、4 物理的フィルタ、23 演算部、
231 スペクトル生成部、232 線量率演算部、
234 補正用線量率演算部、235 線量率補正演算部。

Claims (6)

  1. 放射線検出器からの電圧パルスの電圧の波高値を放射線のエネルギーに対応させて、前記電圧パルスの数である計数を、前記波高値に対応した複数のチャンネルに分けて生成することにより波高スペクトルを生成し、前記波高スペクトルに基づいて前記放射線検出器に入射した放射線の線量を算出する演算部を備えた放射線測定装置において、
    前記演算部は、前記複数のチャンネルのうち、前記放射線のエネルギーの測定範囲内の下限を含む少なくとも一つのチャンネルの計数、および前記放射線検出器のエネルギー分解能に基づいて、測定限界以下として切り捨てられた線量を算出することにより補正して、前記放射線検出器に入射した放射線の線量を算出することを特徴とする放射線測定装置。
  2. 算出する前記放射線の線量は、単位時間当たりの線量である線量率であることを特徴とする請求項1に記載の放射線測定装置。
  3. 前記演算部は、
    前記波高スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
    前記スペクトル生成部において各チャンネルに生成した計数に基づいて、各チャンネルに対応した前記放射線のエネルギーにおける線量を算出して、この算出した線量を前記放射線のエネルギーの全測定範囲に亘って積算した積算線量を求め、その積算線量を測定時間で除して線量率を求める線量率演算部と、
    前記スペクトル生成部において各チャンネルに生成した計数のうち、前記放射線のエネルギーの測定範囲内の下限を含む少なくとも一つのチャンネルの計数、および前記放射線検出器のエネルギー分解能に基づいて、測定限界以下として切り捨てられた線量を算出して、この算出した線量から単位時間当たりの線量である補正用線量率を求める補正用線量率演算部と、
    前記線量率演算部において求めた前記線量率を、前記補正用線量率演算部において求めた前記補正用線量率により補正して、前記放射線検出器に入射した放射線の線量率を算出する線量率補正演算部と
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の放射線測定装置。
  4. 前記放射線検出器は、シンチレーション検出器であることを特徴とする請求項1から3
    のいずれか1項に記載の放射線測定装置。
  5. 前記放射線検出器は、半導体放射線検出器であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線測定装置。
  6. 前記放射線検出器に、前記放射線検出器のエネルギー特性を補償するための物理的フィルタを介して放射線を入射させることを特徴とする請求項に記載の放射線測定装置。
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