JP6037796B2 - 放射線モニタ - Google Patents

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Description

この発明は、原子力関連施設内または放射線関連施設内に設置され、1cm線量当量率等の放射線量の測定管理をおこなう放射線モニタにおいて、測定する放射線量の放射線エネルギー依存性の改善に関するものである。
放射線モニタは、放射線検出器と測定部から構成され、放射線検出器に放射線が入射すると、入射した放射線が付与したエネルギーに応じた波高のアナログパルスが放射線検出器から出力される。放射線モニタに使用されている放射線検出器としては、小型でかつ数10nSv/hのバックグラウンドレベルから105μSv/hレベルまでの広いレンジを測定できる半導体放射線検出器があり、放射線センサーとして例えばSi-PINホトダイオードが使用されている。Si-PINホトダイオードは、逆電圧のバイアス電圧が印加されており、空乏層(I層)に入射した、例えばγ線により生成された電子と正孔を、それぞれ正電圧を印加したカソード電極(N層側)と負電圧を印加したアノード電極(P層側)に収集し、プリアンプはそのパルス電流をパルス電圧に変換し、放射線検出器からはアナログパルスが出力される。
放射線検出器の単位放射線量に対する計数率の感度は、入射するγ線のエネルギーに依存し、低エネルギーになるにしたがって検出効率が高くなり、γ線の一般的な測定エネルギー範囲50〜3000keVで約1桁の違いがあり、物理的フィルタにより低エネルギー側の感度を下げて高エネルギー側の安定した感度にそろえるようにして単位放射線量に対する計数率の感度を平坦化している(特許文献1参照)。
また、放射線検出器に物理的フィルタを設ける代わりに、測定部に放射線検出器から出力されたアナログパルスを入力して測定エネルギー下限以上のものを弁別してデジタルパルスを出力する波高弁別器と、同様にアナログパルスを入力して測定エネルギー下限より弁別エネルギーを段階的に高めてずらして設定した複数の波高弁別器、その出力のデジタルパルスをそれぞれ分周して出力する分周回路、分周したデジタルパルスをそれぞれ遅延させる遅延回路をそれぞれ直列に接続した補正回路と、を備え、それらの出力のデジタルパルスを合算して計数することにより、単位放射線量に対する計数率の感度を平坦化している(特許文献2参照)。
特開昭59−214787号公報(図3) 特開平2−99885号公報(図1、図2)
従来の放射線モニタにおける物理的フィルタにより単位放射線量に対する計数率の感度を平坦化する方法は、半導体検出器の種類により固有のエネルギー特性を物理的フィルタの材質、厚み、形状を工夫して実現しているが、その低エネルギー領域に残った山、谷の歪が基準エネルギーからの偏差となりエネルギー特性を支配している。
また、弁別エネルギーを測定エネルギー下限より高めに段階的にずらして設定した波高弁別器、分周回路、遅延回路を直列に接続した補正回路を多段に設けて加算補正することにより単位放射線量に対する計数率の感度を平坦化する方法は、エネルギー特性が補正回路の段数に依存するため、良好な特性を得ようとすると補正回路の段数が多くなってコストが高くなるという問題があった。
この発明は上記の課題を解消するためになされたもので、簡単な構成で良好なエネルギー特性の放射線モニタを低コストで得ることを目的とする。
この発明に係わる放射線モニタは、
入射した放射線のエネルギーに応じた波高のアナログパルスを出力する放射線検出器、
前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第1の波高弁別器、
該第1の波高弁別器の出力パルスを計数する第1のカウンタ、
前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲の一部である所定のエネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第2の波高弁別器、
該第2の波高弁別器の出力パルスを計数する第2のカウンタ、
前記第1のカウンタで計数した今回演算周期の計数値、前回演算周期の計数率及び標準偏差から定まる時定数を基に、今回演算周期の計数率を演算する第1の計数率演算機能部と、前記第2のカウンタで計数した今回演算周期の計数値、前記第1の計数率演算機能部と同じ時定数を基に、前記第2のカウンタで計数した計数値の今回演算周期の計数率を演算する第2の計数率演算機能部と、前記第1の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率を前記第2の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率と前記放射線のエネルギー特性の落ち込みあるいはふくらみに応じて定めた一定の係数の積により補正する補正演算機能部と、を含む演算部、
前記演算部からの出力を表示するとともに当該演算部の設定を行う表示・操作部、
を備えたものである。
この発明に係わる放射線モニタは、
入射した放射線のエネルギーに応じた波高のアナログパルスを出力する放射線検出器、
前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第1の波高弁別器、
該第1の波高弁別器の出力パルスを計数する第1のカウンタ、
前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲の一部である所定のエネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第2の波高弁別器、
該第2の波高弁別器の出力パルスを計数する第2のカウンタ、
前記第1のカウンタで計数した今回演算周期の計数値、前回演算周期の計数率及び標準偏差から定まる時定数を基に、今回演算周期の計数率を演算する第1の計数率演算機能部と、前記第2のカウンタで計数した今回演算周期の計数値、前記第1の計数率演算機能部と同じ時定数を基に、前記第2のカウンタで計数した計数値の今回演算周期の計数率を演算する第2の計数率演算機能部と、前記第1の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率を前記第2の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率と前記放射線のエネルギー特性の落ち込みあるいはふくらみに応じて定めた一定の係数の積により補正する補正演算機能部と、を含む演算部、
前記演算部からの出力を表示するとともに当該演算部の設定を行う表示・操作部、
を備え、測定エネルギー領域における部分的な歪について補償するようにしたので、良好なエネルギー特性の放射線モニタを得ることができる。
実施の形態1に係わる放射線モニタの基本構成を示す図である。 実施の形態1に係わる放射線モニタの一構成を示す図である。 実施の形態1に係わる半導体放射線検出器のエネルギー特性を説明する図である。 実施の形態2に係わる放射線モニタの構成を示す図である。 実施の形態3に係わる放射線モニタの計数値の配列と積算の状態を示す図である。 実施の形態4に係わる放射線モニタの演算処理フローを示す図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本実施の形態1に係わる放射線モニタの基本構成を示す図、図2は本実施の形態1に係わる放射線モニタの代表的な構成を示す図である。図3は、本実施の形態1に係わる半導体放射線検出器のエネルギー特性を説明する図である。図1、図2において、放射線検出器1は、入射した放射線のエネルギーに応じた波高のパルス(アナログパルス)を出力し、パルス増幅器2はそのパルスを入力して波高を増幅し、第1の波高弁別器3は増幅したパルス(アナログパルス)を入力し、測定対象エネルギー範囲に対応した波高範囲(測定対象エネルギーに対応した波高)のものを弁別して第1のパルス(デジタルパルス)を出力し、波高範囲(測定対象エネルギーに対応した波高)以外の波高のものをノイズとして除去する。第1のカウンタ4は、そのパルス(デジタルパルス)を計数して第1の計数値N1を出力する。
第2の波高弁別器5はパルス増幅器2で増幅したパルス(アナログパルス)を入力し、測定対象エネルギーの一部の注目しているエネルギー範囲(例えば特性が基準とする一定の値から変化する範囲)に対応した波高のものを弁別して第2のパルス(デジタルパルス)を出力し、第2のカウンタ6は、そのパルス(デジタルパルス)を計数して第2の計数値N2を出力する。
演算部7は、第1の計数値N1及び第2の計数値N2を入力し、第1の計数値をN1、定周期時間をΔT、標準偏差をσ、時定数をτ、としたときに、第1の計数率演算機能部71は、
σが所定の値で一定になるように定周期でτを求めて、第1の計数値をN1とΔTとτに基づき求められる第1の計数率をn1としたとき、前回演算周期のもの、今回演算周期のものについて各記号にそれぞれ(前回)、(今回)を付して区別して次式(1)〜(3)によりn1を演算して求める(なお、τの初期の値は、予め設定された値が与えられている。式(3)については、「放射線取扱の基礎」、日本アイソトープ協会、丸善、1996年12月20日、pp.300-302を参照)。
n1(今回)=n1(前回)・(1−α)+N1(今回)/ΔT・α・・・(1)
α=1−exp(−ΔT/τ) ・・・(2)
τ=1/{2・n1(前回)・σ2} ・・・(3)
第2の計数値をN2、第2の計数率をn2とすると、第2の計数率演算機能部72は、N2とn1を求めたτに基づき次式(4)でn2を演算して求める。ここで同じτで演算する理由は、第1の計数率演算機能部71と第2の計数率演算機能部72の測定時間(2τに相当)を合わせ
るためである。
n2(今回)=n2(前回)・(1−α)+N2(今回)/ΔT・α・・・(4)
上記のようにして求められたn1(今回)は、例えば50〜3000keVの測定エネルギー範囲の計数率であり、n2(今回)は、測定エネルギーの一部(例えば100〜150keVの範囲)の計数率である。
放射線検出器1として、例えば、半導体放射線検出器を使用し、放射線センサーとしてSi-PINホトダイオードを使用してγ線の1cm線量当量率を測定する場合、放射線検出器1のγ線入射面に、例えばステンレス製の約2mm厚の物理的フィルタ(フィルタ)11が配置され、物理的フィルタ(フィルタ)11は、低エネルギーになるにしたがって透過率が小さくなるエネルギー特性を有し、その作用により低エネルギーになるにしたがって検出効率が高くなる半導体検出器固有のエネルギー特性をキャンセルして検出効率のエネルギー特性を平坦化するように作用するが、大半が測定エネルギー下限(例えば50keV)以下に生成されるために計数に寄与しないで廃棄されていたコンプトン吸収によるパルスが、入射するγ線のエネルギーが140keVを超えると下限を超えて計数され始めることから特性の急激な上昇を生じ、結果として100〜150keVに特性の落ち込みが生じることが知られている(谷村他3名、「簡易型放射線測定器に利用するための半導体放射線検出素子の性能評価」、RADIOISOTOPES、57、pp.733-738、2008参照)。
したがって、n2(今回)の注目するエネルギー範囲を、例えば100〜150keVとし、n1(今回)をn2(今回)に基づき補正した計数率をnc(今回)、補正係数をk1とすると、補正演算機能部73は、次式(5)によりnc(今回)を演算して求める。
nc(今回)=n1(今回)+k1・n2(今回) ・・・(5)
なお、式(5)において、特性の落ち込みに対する補正は補正量k1・n2(今回)を加算し、特性のふくらみに対しては補正量k1・n2(今回)を減算する。
放射線量変換機能部74は、さらに、nc(今回)に変換係数を乗じて、例えば1cm線量当量率等の工学値に変換し、警報判定を行って工学値と警報判定結果を出力し、表示・操作部8はその出力を表示すると共に、演算部7の警報設定等の設定を行う。なお、放射線モニタによっては、工学値変換を行わずに計数率とそれに基づく警報判定結果を出力する場合もある。
上記において、「特性の落ち込み」及び「特性のふくらみ」とは、横軸をエネルギー、縦軸を感度の相対比とした場合に、理想的な特性を相対比1とした直線に対して、1以下を「特性の落ち込み」、1以上を「特性の膨らみ」と表現したものである(図3参照)。この図3において、直線は、「フィルタなし、補正なし」の場合の特性、破線は、「フィルタあり、補正なし」の場合の特性、点線は、「フィルタあり、補正あり」の場合の特性を示す(フィルタについては以下で詳しく説明する)。また、一点鎖線は理想的な直線を示す相対比1の直線を示す。
また、「一部の注目しているエネルギー範囲」は、型式試験としてエネルギーの異なる核種で校正を行って基準エネルギー(Cs-137のγ線662keV)における測定値と基準値の比を求め、その比を基準1としたときの他のエネルギーの当該比からの偏差をエネルギー特性とし、「特性の落ち込み」または「特性のふくらみ」の存在を確認した結果として決定される。また、補正係数をk1は、エネルギー特性試験で予想した値を補正演算機能部73に仮搭載して再度エネルギー特性試験を行い、これを繰り返して実験的に最適値を求める。
以上のように、実施の形態1によれば、低コストの物理的フィルタで測定エネルギー範囲の単位放射線量に対する計数率のエネルギー特性を全般的に平坦化し、その低エネルギー領域に残った歪について歪みのあるエネルギー領域に限定してエネルギー特性を補償するようにしたので、良好なエネルギー特性の放射線モニタを低コストで得ることができる。また、時定数合わせを行うことにより、エネルギー特性の補償における時間軸のずれを抑制できる効果を奏する。
実施の形態2.
本実施の形態2では、実施の形態1の第1のカウンタ4の代わりに、図4に示すようにアップダウンカウンタ9を備え、実施の形態1で演算部7の第1の計数率演算機能部71が行っていた標準偏差σが一定の計数率を求める演算機能を、積算制御回路10と負帰還パルス発生回路12で標準偏差σが一定の前処理を実行し、演算部7の第3の計数率演算機能部75でその処理を引き継いで計数率を求めるようにしたものである。
図4において、アップダウンカウンタ9は、第1の波高弁別器3から出力された第1のパルス(デジタルパルス)を加算入力端子91に入力し、後述の負帰還パルス発生回路から出力されたパルス(デジタルパルス)を減算入力端子92に入力してその結果の加減積算値Mを出力し、積算制御回路10は、アップダウンカウンタ9に入力されたパルス(デジタルパルス)が標準偏差σに基づき重み付けされて計数されるように制御し、負帰還パルス発生回路12は、加減積算値Mを入力して、加算入力に対して時定数の一時遅れで応答する繰り返し周波数のパルスに変換してアップダウンカウンタ9の減算入力として出力し、演算部7の第3の計数率演算機能部75は、今回演算周期の加減積算値をM(今回)、計数率をn1(今回)とすると、M(今回)に基づき次式(6)によりσ=一定になるようにn1(今回)を演算する。このとき式(7)、式(8)を用いる。
n1(今回)=exp{γ・M(今回)} ・・・(6)
γ=2σ2=1/(nτ)=2−λln2 ・・・(7)
λ=11−β ・・・(8)
式(8)でβ=0を基準にすると、λ=11でM(今回)は1カウント入力に対して1カウントの増減で応答し、β=2、λ=9でM(今回)は1カウント入力に対して4カウントの増減で応答し、β=4、λ=7でM(今回)は1カウント入力に対して16カウントの増減で応答し、β=6、λ=5でM(今回)は1カウント入力に対して64カウントの増減で応答する。
すなわち、n1(今回)が一定とすると、応答時間τはアップダウンカウンタ9の入力に対する計数の重み付けに依存することになる。一方、演算部7の第4の計数率演算機能部76は、式(6)で求めた前回演算周期のn1(前回)に基づき、実施の形態1と同様に、式(3)で時定数を求めて時定数合わせを行い、その時定数を用いて式(4)で今回演算周期のn2(今回)求める。補正演算機能部73は、測定対象エネルギー範囲の計数率n1(今回)に対して注目するエネルギー範囲の計数率n2(今回)に基づき式(5)にて補正を行う。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、実施の形態1の第1のカウンタ4の代わりに、アップダウンカウンタ9、積算制御回路10、負帰還パルス発生回路12を備えて閉ループのバランス型加減積算回路を構成してアップダウンカウンタ9の加算入力に時定数で減算入力が応答してバランスするようにしたので、高計数率まで良好な直線性を維持して測定できる効果を奏する。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1と同じ構成で演算部7における計数率の演算の方法が異なるものである。以下、この実施の形態3について説明する。
演算部7は、第1のカウンタ4の第1の計数値及び第2のカウンタ6の第2の計数値を入力し、それぞれ第1の計数率演算機能部71、第2の計数率演算機能部72で計数値を時系列的に並べて所定の演算周期数保管し、演算周期毎に最新化する。図5において、(a)は第1の計数率演算機能部71の計数値の配列と積算の状態を模式的に示し、(b)は第2の計数率演算機能部72の計数値の配列と積算の状態を模式的に示すもので、積算時の態様をハッチングで示し、(a)の計数値について標準偏差σ=一定になるように今回演算周期から過去に遡って計数値を積算して(a)の積算値を求め、その積算と同じデータ数、すなわち同じ演算周期数について(b)の計数値について同様に積算して(b)の積算値を求め、測定時間合わせを行い、それぞれの積算値を演算周期数に対応する時間で除して計数率を求め、補正演算機能部73は、測定対象エネルギー範囲(a)すなわち第1の計数率演算機能部71の
計数率に対して注目するエネルギー範囲(b)すなわち第2の計数率演算機能部72の計数率に基づき式(5)にて補正を行う。
図5において、σ=一定になるような積算とは、σ=(積算値)−1/2=一定となる積算値になるように、過去の計数値を積算するという意味である。図5を用いて具体的に説明すると、周期nの場合は、当該周期を含めて過去5周期分の積算でσがあらかじめ設定した一定値になり、周期n+1の場合は、当該周期を含めて過去3周期分の積算でσがあらかじめ設定した一定値になったことを示している。
積算値は常に一定にはならないため、ここでは一例として、周期nであらかじめ設定した一定値以上となり、周期n+1であらかじめ設定した一定値以上となっている様子を示す。
さらに矢印は、周期が1周期進んだことを意味している。図中、『N1(n-x)』あるいは『N2(n-x)』(ここでxは0〜7の整数値)、と記載されている長方形が下に行くほど過去の計数値となり、図5では、(a)、(b)共に、N1(n+1)あるいはN2(n+1)が最新の計数値になる。
以上のように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、時系列的に並べた計数値に基づき測定時間合わせを行うようにしたので、補償における時間軸のずれが全くなくなるため正確な補正ができる効果を奏する。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、式(5)のようにn1(今回)にn2(今回)の影響を加算して補償したが、実施の形態4では、図6に示すように、演算部7の補正演算機能部73は、S1で計数率n1(今回)、計数率n2(今回)を入力し、S2でn2/n1の比を求め、S3でその比に影響度k2を乗じ、S4で補正した計数率nc(今回)を次の式(9)で求め、
nc(今回)=n1(今回)+k2・n2(今回)・{n2(今回)/n1(今回)} ・・・(9)
S1に戻るようにした。なお、この演算は、放射線モニタの電源スイッチ「断」により、その演算周期終了で「エンド」になるよう設定されている。
従って、有感部が薄い半導体放射線検出器の場合、注目するエネルギー範囲よりエネルギーの高い放射線のスペクトル、すなわち光電効果によるスペクトルはほとんど発現せず、コンプトン散乱によるスペクトルが支配的であり、測定範囲下限以下で計数に寄与しないスペクトルは無視できる程度なので補償は不要である。一方、測定範囲下に近い低エネルギーの放射線のスペクトルは、光電効果が優勢になり、そのピークエネルギーに依存して決まるコンプトンエッジ以下に発現するコンプトン散乱のスペクトルの多くが測定範囲下限以下に発現して計数に寄与しないようになるので補償が必要になる。n2(今回)/n1(今回)は、補償したいスペクトルが支配的になると1に近づくため、この項がない場合に高エネルギー領域で若干過補償になるのを防止し、注目するエネルギー範囲に限定した正確な補償を行うことができる効果を奏する。
なお、式(9)において、特性の落ち込みに対する補正の場合は補正量k2・n2(今回)・{n2(今回)/n1(今回)}を加算し、特性のふくらみに対しては補正量k2・n2(今回)・{n2(今回)/n1(今回)}を減算する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 放射線検出器、2 パルス増幅器、3 第1の波高弁別器、4 第1のカウンタ、5 第2の波高弁別器、6 第2のカウンタ、7 演算部、71 第1の計数率演算機能部、72 第2の計数率演算機能部、73 補正演算機能部、74 放射線量変換機能部、75 第3の計数率演算機能部、76 第4の計数率演算機能部、8 表示・操作部、9 アップダウンカウンタ、10 積算制御回路、11 物理的フィルタ、12 負帰還パルス発生回路。

Claims (6)

  1. 入射した放射線のエネルギーに応じた波高のアナログパルスを出力する放射線検出器、前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第1の波高弁別器、
    該第1の波高弁別器の出力パルスを計数する第1のカウンタ、
    前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲の一部である所定のエネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第2の波高弁別器、
    該第2の波高弁別器の出力パルスを計数する第2のカウンタ、
    前記第1のカウンタで計数した今回演算周期の計数値、前回演算周期の計数率及び標準偏差から定まる時定数を基に、今回演算周期の計数率を演算する第1の計数率演算機能部と、前記第2のカウンタで計数した今回演算周期の計数値、前記第1の計数率演算機能部と同じ時定数を基に、前記第2のカウンタで計数した計数値の今回演算周期の計数率を演算する第2の計数率演算機能部と、前記第1の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率を前記第2の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率と前記放射線のエネルギー特性の落ち込みあるいはふくらみに応じて定めた一定の係数の積により補正する補正演算機能部と、を含む演算部、
    前記演算部からの出力を表示するとともに当該演算部の設定を行う表示・操作部、
    を備えたことを特徴とする放射線モニタ。
  2. 前記放射線検出器は、入射面に放射線量のエネルギー特性を平坦化する物理的フィルタを設けた半導体検出器であり、該物理的フィルタは、前記放射線のエネルギーが低エネルギーになるにしたがって透過率が小さくなるエネルギー特性を有し、その作用により低エネルギーになるにしたがって検出効率が高くなる半導体検出器固有のエネルギー特性を補正するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
  3. 前記時定数は、前記標準偏差が所定の値で一定となるように定められることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線モニタ。
  4. 入射した放射線のエネルギーに応じた波高のアナログパルスを出力し、入射面に放射線量のエネルギー特性を平坦化するフィルタを設けた放射線検出器、
    前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第1の波高弁別器、
    該第1の波高弁別器の出力パルスを加算入力として入力し、その出力を減算入力としてフィードバックする構成とし、前記加算入力と前記減算入力から得た加減積算値を出力するアップダウンカウンタ、
    該アップダウンカウンタの加減積算値を入力とするとともに、前記加算入力に対して時定数の一時遅れで応答する繰り返し周波数のパルスに変換して当該アップダウンカウンタの減算入力として出力する負帰還パルス発生回路、
    前記アップダウンカウンタの加算入力及び減算入力の計数を標準偏差に基づき重み付けして計数するように制御する積算制御回路、
    前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲の一部である所定のエネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第2の波高弁別器、
    該第2の波高弁別器の出力パルスを計数する第2のカウンタ、
    前記積算制御回路で1パルスの計数の重み付けを制御されたアップダウンカウンタの今回演算周期の加減積算値を基に、標準偏差が一定になるように今回演算周期の計数率を演算する第3の計数率演算機能部と、前記第2のカウンタで計数した今回演算周期の計数値、前記第3の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率及び標準偏差で定まる時定数を基に、今回演算周期の計数率を演算する第4の計数率演算機能部と、前記第3の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率を前記第4の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率と前記放射線のエネルギー特性の落ち込みあるいはふくらみに応じて定めた一定の係数の積により補正する補正演算機能部と、を含む演算部、
    前記演算部からの出力を表示するとともに当該演算部の設定を行う表示・操作部、
    を備えたことを特徴とする放射線モニタ。
  5. 入射した放射線のエネルギーに応じた波高のアナログパルスを出力する放射線検出器、前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第1の波高弁別器、
    該第1の波高弁別器の出力パルスを計数する第1のカウンタ、
    前記アナログパルスを入力し測定対象エネルギー範囲の一部である所定のエネルギー範囲に対応した波高のパルスを弁別してデジタルパルスを出力する第2の波高弁別器、
    該第2の波高弁別器の出力パルスを計数する第2のカウンタ、
    前記第1の波高弁別器の出力パルスの計数値を時系列的に並べて所定の演算周期数保管し、演算周期毎に最新化するとともに、出力パルスの計数の標準偏差が一定になるように今回演算周期から過去に遡って計数値を積算し、その積算値に基づき今回演算周期の計数率を演算する第5の計数率演算機能部と、前記第2のカウンタの計数値を時系列的に並べて所定の演算周期数保管し、演算周期毎に最新化するとともに、今回演算周期から過去に遡って前記第5の計数率演算機能部と同じ演算周期数の計数値を積算し、その積算値に基づき今回演算周期の計数率を演算する第6の計数率演算機能部と、前記第5の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率を前記第6の計数率演算機能部で求めた今回演算周期の計数率と前記放射線のエネルギー特性の落ち込みあるいはふくらみに応じて定めた一定の係数の積により補正する補正演算機能部と、を含む演算部、
    前記演算部からの出力を表示するとともに当該演算部の設定を行う表示・操作部、
    を備えたことを特徴とする放射線モニタ。
  6. 前記第1の波高弁別器に対応した計数率に対する前記第2の波高弁別器に対応した計数率の比に基づき前記第1の波高弁別器に対応した計数率のエネルギー特性を補正することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の放射線モニタ。
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