JP6416039B2 - 放射線検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線検出器を用いて放射線量又は放射性物質を検出する放射線検出装置に関する。
原子力発電所、核燃料取扱施設、及び加速器施設などでは、放射線検出装置を用いて放射線を観測することにより、測定対象の放射性物質の漏洩を検出し、また、空間線量を監視している。
放射線検出装置には、タイマスケーラを備えたものと、計数率計(レートメータ)を備えたものとがある。タイマスケーラは、放射線の検出を表すパルスの個数を積算し、一定時間ごとにパルスの積算値を積算時間で除算して出力する。計数率計は、パルスの個数を直接に数えるのではなく、パルスの計数率を電圧として出力する。計数率計は、例えば、非特許文献1の図9.45に示す回路(バランス回路)を含む。放射線量の急激な変動のような過渡事象を把握する場合には、一般的には、放射線の計数率の推移を連続的に得ることができる計数率計が使用されている。
計数率計を備えた放射線検出装置の問題点は、バックグラウンド放射線の計数率(バックグラウンド計数率)が変動した場合に測定精度が悪くなる点にあり、従来は以下のような対策が用いられていた。
特許文献1は、施設の測定箇所において所定の外的要因により放射線量の測定値に基づくバックグランド値(BG値)が変動したとき、BG値に基づく警報測定値(BG×n)と予め設定されている警報設定値とを比較し、当該比較結果に基づいて警報設定値をバックグランド値の変動に応じて更新する自動追従モードを有する放射線計測装置を開示している。自動追従モードによれば、例えば、BG値が低下して警報設定値がBG×nを越えたとき、警報設定値をBG×nに再設定し、同様に、BG値が増大してBG×n/2が警報設定値を越えたときも、警報設定値をBG×nに再設定し、これにより、より正確な警報設定値に基づいて警報を発報する。
特許文献2は、計数率計として、デジタル式のアップダウンカウンタを備えた放射線モニタを開示している。特許文献2の放射線モニタは、構成要素(例えばアップダウンカウンタ)の時定数を計数率に応じて予め与えられた関数に従って変化させることで、計数率の標準偏差を一定にする。
特開2011−128076号公報(6頁13行〜7頁27行、図2、図3) 特開2013−088266号公報(6頁10〜35行)
ニコラス ツルファニディス著、阪井英次訳、「放射線計測の理論と演習 上巻」、第2版、p.322、図9.45 計数率計回路、現代工学社、1993年12月15日 JIS Z 4342、「シンチレーション式放射能測定器−食品中のγ線放出核種」、日本規格協会、2013年3月21日
このような放射線検出装置では、放射線の計数率がバックグラウンド計数率を有意に超えたかどうかは判定することができるが、測定対象の放射線についての測定精度は考慮されていない。
放射線検出装置は、ある時点における放射線の計数率を測定し、これをフォアグラウンド計数率とする。フォアグラウンド計数率は、放射性物質の漏洩がない正常状態における計数率、すなわち、バックグラウンド計数率と、測定対象の放射線の計数率との和である。このため、放射性物質の漏洩がなければ、フォアグラウンド計数率はバックグラウンド計数率に等しくなり、放射性物質の漏洩があれば、フォアグラウンド計数率はバックグラウンド計数率よりも大きくなる。
しかし、放射線の発生はランダムな現象であり、発生数の平均値が十分大きければ、単位時間当たりの発生数の分布は正規分布となる。そのため、単位時間当たりの放射線の計数率も正規分布となる。バックグラウンド放射線は、環境中に存在するウラン・トリウム系列又はカリウム40等の自然放射性物質と、過去の核実験によって生じた核分裂生成物とに起因し、これらから生じる放射線もランダムな現象であるので、バックグラウンド計数率の分布も正規分布となる。同様に、測定対象の放射線の計数率も正規分布を持つので、必然的に、フォアグラウンド計数率も正規分布を持つ。このため、前述のフォアグラウンド計数率とバックグラウンド計数率との関係は、正確には次の通りとなる。放射性物質の漏洩がなければ、フォアグラウンド計数率の分布はバックグラウンド計数率の分布に等しくなり、放射性物質の漏洩があれば、フォアグラウンド計数率の平均値はバックグラウンド計数率の平均値よりも大きくなる。
そこで、このような放射線検出装置では、フォアグラウンド計数率がバックグラウンド計数率を有意に超えたかどうかを判定するためのしきい値(判定値)として、例えば、バックグラウンド計数率の平均値よりも、バックグラウンド計数率の標準偏差σの2倍〜3倍高い計数率が使用される。しきい値を決定するために、一般的には、放射性物質の漏洩がない正常状態における計数率の分布を定期的に測定し、これをバックグラウンド計数率の分布として使用する。フォアグラウンド計数率が上記しきい値を超えた場合、放射性物質の漏洩が検出される。しかしながら、フォアグラウンド計数率の分布において、しきい値を越える部分は放射性物質の漏洩として判定されるが、しきい値以下の部分は放射性物質の漏洩としては判定されない。このように、フォアグラウンド計数率の分布において放射性物質の漏洩として判定されない部分が存在することにより、検出の信頼性が低下してしまうという問題があった。
一方で、放射能分析の分野では、バックグラウンド計数率を繰り返し測定し、バックグラウンド計数値の分布に基づいて、測定対象である試料の計数値の検出限界を評価し、測定対象の測定(以下、フォアグラウンド測定とする)の精度を評価している。この方式を応用して、タイマスケーラ方式と同様に計数値を測定時間で除算することにより計数率を得ることができるが、適切な測定時間でフォアグラウンド測定を繰り返す必要がある。計数率の急激な変動のような過渡事象を把握するためには、測定ごとに必要な測定精度を得るための適切な測定時間に変化させる必要が生じるので、高精度の測定は困難である。さらに、原子力発電所の出力変動に起因する空間γ線量の変化によって、又は、例えば降雨時の大気中ラドンの増加のような天候変化によって、バックグラウンド計数率が変動した場合には、再びバックグラウンド計数率を繰り返し測定して検出限界を再評価しなければならないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決することを目的とし、バックグラウンド計数率が変動した場合でも、測定対象の放射線量が計数率のしきい値を超えたことを、ユーザが設定した精度で、連続的に監視することができる放射線検出装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る放射線検出装置は、
放射線の有無を示す入力信号に基づいて放射線の計数率を計算する少なくとも1つの計数率演算手段を備えた放射線検出装置であって、
上記計数率演算手段は可変な時定数を有し、
上記計数率演算手段には、測定対象の放射線による正味計数率と、上記測定対象の放射線以外のバックグラウンド放射線を上記測定対象の放射線として検出する誤検出率と、上記測定対象の放射線の見逃し率とが予め設定され、
上記計数率演算手段は、
上記入力信号に基づいて上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値を測定し、
上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記計数率演算手段の時定数とに基づいて、上記バックグラウンド放射線の計数率の標準偏差を計算し、
上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率とに基づいて、上記バックグラウンド放射線及び上記測定対象の放射線を含むフォアグラウンド放射線の計数率の平均値を計算し、
上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率と、上記計数率演算手段の時定数とに基づいて、上記フォアグラウンド放射線の計数率の標準偏差を計算し、
上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値及び標準偏差と、上記フォアグラウンド放射線の計数率の平均値及び標準偏差とに基づいて、上記誤検出率及び上記見逃し率を満たすように、上記測定対象の放射線が存在すると判定するための計数率のしきい値を計算し、
上記計数率のしきい値と上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値との差を上記バックグラウンド放射線の計数率の標準偏差で除算した第1の係数を計算し、
上記計数率のしきい値と上記フォアグラウンド放射線の計数率の平均値との差を上記フォアグラウンド放射線の計数率の標準偏差で除算した第2の係数を計算し、
上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率と、上記第1及び第2の係数とに基づいて、上記誤検出率及び上記見逃し率を満たすように上記時定数を計算して当該計数率演算手段に設定し、
上記入力信号に基づいて計算された計数率が上記計数率のしきい値を超えたとき、上記測定対象の放射線を検出したと判定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る放射線検出装置によれば、バックグラウンド計数率が変動した場合でも、測定対象の放射線量が計数率のしきい値を超えたことを、ユーザが設定した精度で、連続的に監視することができる。
本発明の実施の形態1に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。 一般的な放射線測定の精度を説明するための模式図である。 図1の放射線検出装置の測定原理を示す模式図である。 図1の放射線検出装置の動作例を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。 図2の放射線検出装置の測定原理を示す模式図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。放射線検出装置は、放射線検出器1と、信号処理回路2と、計数率演算装置3と、設定値入力装置4と、表示装置5と、通信装置6とを含む。
放射線検出器1は、放射線の有感領域を有し、放射線が有感領域に入射したとき、放射線が有感領域へ与えたエネルギーに比例した大きさ(電荷量)を持つパルスを発生し、後段の信号処理回路2に出力する。放射線検出器1は、例えば、γ線を1回検出する毎に1つのパルスを出力する。
信号処理回路2は、放射線検出器1が出力するパルスを受取る。ここで、放射線検出器1が出力するパルスは微少であるので、放射線計測で一般的に行われるように、放射線検出器1から出力されるパルス(電荷量)をしきい値と比較し、放射線による信号をノイズから分離する。信号処理回路2は、放射線検出器1から出力されるパルスの大きさが所定のしきい値を超えた場合のみ、パルスを増幅し、所定の波高及びパルス幅を持った矩形波に成形して、後段の計数率演算装置3に出力する。
設定値入力装置4は、ユーザ入力に基づいて、計数率を演算する条件を計数率演算装置3に予め設定する。計数率を演算する条件は、測定対象の放射線による正味計数率と、測定対象の放射線以外のバックグラウンド放射線を測定対象の放射線として検出する誤検出率と、測定対象の放射線の見逃し率とを含む。誤検出率及び見逃し率は、放射線検出装置の測定精度を示す。予め設定される正味計数率は、誤検出率及び見逃し率によって定義される測定精度で検出しようとしている測定対象の放射線による正味の計数率を表す。ここで、検出器の感度(放射能濃度に対する検出器の計数率)は、検出器の種類によって、また、検出器と測定対象の幾何学的条件によって物理的に決まるので、検出器を設置した段階で決定され、検出目標とする放射能濃度では、どの程度の計数率となるか、予め知ることができる。よって、測定対象の放射線による正味計数率を予め設定可能である。
計数率演算装置3は、放射線の有無を示す入力信号(すなわち、信号処理回路2からの入力信号)に基づいて放射線の計数率を計算する。計数率演算装置3は、放射線の計数率を計算するための回路であって、可変な時定数を有する回路を含む。初期状態において、計数率演算装置3には、時定数の所定の初期値が設定されている。ここで、バックグラウンド計数率の標準偏差と時定数とが後述の数6の関係を満たすので、時定数の所定の初期値を与える代わりに、標準偏差の所定の設定値と計数率の初期値とを与え、数6を用いて時定数の所定の初期値を計算して設定してもよい。計数率演算装置3は、信号処理回路2から出力されたパルスを受取り、設定値入力装置4によって与えられた条件下でパルスの計数率を演算し、計数率を後段の表示装置5及び通信装置6に出力する。
計数率の演算方法は、アナログ回路による方式と、アナログ回路をアップダウンカウンタにより置き換えたデジタル回路による方式とがあるが、どちらを用いてもよい。アナログ式の計数率計は、例えば非特許文献1に記載されているように、適切な時定数を有するRC回路を含み、放射線検出器1から出力されるパルスをコンデンサへ充電し、充電された電荷をRC回路の時定数に応じて放電させることで、充放電がバランスする電圧値をある時点での計数率として出力する。また、デジタル式の計数率計は、例えば特許文献2に記載されているように、コンデンサの代わりにアップダウンカウンタを用いて、アップダウンカウンタの積算時間と減算時間との比率を適切に設定することでアナログ式の計数率計の充放電を再現している。アナログ式及びデジタル式のどちらの方式でも、計数値の測定を所定測定時間毎に繰り返すのではなく、計数率を連続的に測定することが可能であり、過渡事象を把握するのに適している。
計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の平均値を測定し、バックグラウンド計数率の平均値と、設定値入力装置4によって予め設定された計数率を演算する条件とに基づいて、測定対象の放射線が存在すると判定するための計数率のしきい値を計算する。計数率のしきい値は、フォアグラウンド計数率がこの値を超えたときに、例えば異常であると判定するための目標値である。なお、計数率演算装置3には異なる種類の計数率のしきい値が設定されてもよく、例えば、放射性物質の濃度を示す計数率のしきい値が設定され、さらに、検出感度、すなわち放射性物質の単位濃度あたりの計数率のしきい値が設定されてもよい。
次に、図2及び図3を参照して、放射線検出装置の測定精度について説明する。
図2は、一般的な放射線測定の精度を説明するための模式図である。図2は、フォアグラウンド計数率とバックグラウンド計数率との関係を示した模式図であり、横軸は計数率を示し、縦軸はその計数率となる確率を示す。図2は、従来の放射線検出装置における計数率としきい値rthとの関係を示す。BGはバックグラウンド計数率の分布を示し、FGはフォアグラウンド計数率の分布を示す。A1は、フォアグラウンド計数率のうち検出されない範囲(見逃し範囲)を示す。図2の例では、しきい値rthを、バックグラウンド計数率の平均値から3σ高く、かつ、フォアグラウンド計数率の平均値に等しい値に設定している。従来の放射線検出装置は、計数率がしきい値rthを超えるときに放射性物質が漏洩したと判定するので、図2の例では、フォアグラウンド計数率の分布の全体のうちで、放射性物質が漏洩したと判定されない範囲は50%となる。フォアグラウンド計数率の平均値がしきい値rthよりも高い場合は、計数率がしきい値rthを超えず放射性物質が漏洩したと判定されない範囲は、50%よりも小さくなる。逆に、フォアグラウンド計数率の平均値がしきい値rthよりも低い場合は、計数率がしきい値rthを超えず放射性物質が漏洩したと判定されない範囲は、50%よりも大きくなる。ただし、フォアグラウンド計数率は正常状態の計数率(バックグラウンド計数率のみ)から徐々に増加していくので、フォアグラウンド計数率の平均値がしきい値rthを越えたとき、フォアグラウンド計数率がしきい値rthを超えたと判定する。そのため、従来の放射線検出装置では、測定対象の放射線のうち50%は検出されない、すなわち測定対象についての信頼性は50%となってしまうという問題があった。
図3は、図1の放射線検出装置の測定原理を示す模式図である。図3は、フォアグラウンド計数率とバックグラウンド計数率との関係を示した模式図であり、横軸は計数率を示し、縦軸はその計数率となる確率を示す。BGはバックグラウンド計数率の分布を示し、rはバックグラウンド計数率の平均値を示す。また、FGはフォアグラウンド計数率の分布を示し、rはフォアグラウンド計数率の平均値を示す。また、フォアグラウンド計数率は、バックグラウンド計数率と、測定対象の放射線の計数率との和であるので、フォアグラウンド計数率とバックグラウンド計数率との差が測定対象の放射線による正味計数率となる。rthは計数率のしきい値であり、しきい値rthより低い計数率はバックグラウンド放射線によるものと判定され、しきい値rthよりも高い計数率は測定対象の放射線によるものと判定される。フォアグラウンド計数率及びバックグラウンド計数率が重なり合う領域のうち、しきい値rthより高い計数率の領域が誤検出範囲B2あり、しきい値rthより低い計数率の領域が見逃し範囲B1である。バックグラウンド放射線による計数率が誤検出範囲B2の値を有すると、測定対象の放射線が存在しない場合であっても、測定対象の放射線であると判定される。反対に、フォアグラウンド放射線による計数率が見逃し範囲B1の値を有すると、バックグラウンド放射線であると判定され、測定対象の放射線であるとは判定されない。
は、フォアグラウンド計数率とバックグラウンド計数率との差、すなわち、測定対象の放射線による正味計数率を示す。図3では、例示的に、バックグラウンド計数率の平均値rとフォアグラウンド計数率の平均値rとの差を正味計数率rとして示す。
バックグラウンド計数率の標準偏差がσであり、バックグラウンド計数率の平均値rからしきい値rthまでの距離がkσであるとき、誤検出となる確率すなわち誤検出率pfalse_positiveは数1の通りとなる。
Figure 0006416039
ここで、rは計数率である。
同様に、フォアグラウンド計数率の標準偏差がσであり、フォアグラウンド計数率の平均値rからしきい値rthまでの距離がkσであるとき、測定対象の放射線を見逃す確率すなわち見逃し率pfalse_negativeは数2の通りとなる。
Figure 0006416039
ここで、rは計数率である。
測定精度は、前記誤検出率と見逃し率の考え方を基礎として、例えば非特許文献2では、誤検出率5%及び見逃し率5%の場合において検出限界を評価することが規定されている。なお、非特許文献2では、バックグラウンド計数率及びフォアグラウンド計数率がともに正規分布を有し、かつ両者の平均値がほぼ同じであり、かつ両者の標準偏差も互いに同じ値であると仮定している。しかし、フォアグラウンド計数率の平均値がバックグラウンド計数率の平均値に比べて有意に大きい場合は、両者の標準偏差の絶対値が有意に異なるので、誤検出率と見逃し率は、フォアグラウンド計数率及びバックグラウンド計数率のそれぞれの標準偏差に基づいて設定する必要がある。
そのため、設定値入力装置4を用いて、測定対象の放射線による正味計数率、誤検出率、及び見逃し率を計数率演算装置3に設定する。なお、誤検出率及び見逃し率は、例えば「見逃し率0.1%」のように確率として与えてもよく、代替として、数1及び数2における標準偏差の係数k及びkとして与えられてもよい。誤検出率及び見逃し率が確率として与えられる場合は、設定値入力装置4は、正規分布の累積分布関数に基づいて確率を標準偏差の係数k及びkへ変換して、その標準偏差の係数k及びkを計数率演算装置3に設定する。
計数率演算装置3で演算した計数率の分布の相対標準偏差σ、時定数τ、及び計数率の平均値rmeanは、数3の関係を満たす。
Figure 0006416039
このため、バックグラウンド計数率の分布及びフォアグラウンド計数率の分布における相対標準偏差の大きさは、計数率演算装置3の時定数τに依存する。時定数τが長くなれば相対標準偏差が小さくなり、フォアグラウンド計数率の分布及びバックグラウンド計数率の分布が重なり合う領域が小さくなる。数3によれば、計数率の平均値rmeanの変化に応じて時定数τを変化させることで、相対標準偏差σを常に一定にすることができる。
そこで、計数率演算装置3は、設定値入力装置4によって予め設定された計数率を演算する条件、すなわち、測定対象の放射線による正味計数率、誤検出率、及び見逃し率を満たすように、計数率演算装置3の時定数を以下に示すように変化させる。
バックグラウンド計数率の平均値rとフォアグラウンド計数率の平均値rとの関係は、kσとkσを用いると数4の通りとなる。
Figure 0006416039
ここで、フォアグラウンド計数率とバックグラウンド計数率との差が、測定対象の放射線による正味計数率となるので、数4を変形して、数5を得る。
Figure 0006416039
ここで、rは測定対象の放射線による正味計数率である。なお、数5は常に成り立つ訳ではなく、正味計数率が徐々に増え、計数率がバックグラウンド状態から徐々に上昇し、計数率の平均値がr+rとなったときに、数5が成立する。この状態において、後述の数10によって決まる時定数が、誤検出率と見逃し率とを反映した適切な値となっていることで、測定対象の放射線を目標の精度で検出することが可能となる。
計数率演算装置3の相対標準偏差σは、数3の通りであるので、バックグラウンド計数率の標準偏差σは数6の通りとなる。
Figure 0006416039
同様に、σが正味計数率の標準偏差であるとき、フォアグラウンド計数率の標準偏差σは数7の通りとなる。
Figure 0006416039
よって、数6及び数7を数5に代入して、数8を得る。
Figure 0006416039
さらに変形して、次式が得られる。
Figure 0006416039
Figure 0006416039
計数率演算装置3は、数10に従って時定数τを計算して設定したとき、バックグラウンド計数率が変化した場合でも、誤検出率及び見逃し率を一定としたまま、測定対象の放射線の計数率を求めることができる。以下、数1〜数10を参照して、計数率演算装置3の動作を説明する。
計数率演算装置3は、信号処理回路2からの入力信号に基づいてバックグラウンド計数率の平均値rを測定する。
計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の平均値rと、計数率演算装置3の時定数τとに基づいて、数6を用いて、バックグラウンド計数率の標準偏差σを計算する。計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の平均値rと、正味計数率rとに基づいて、バックグラウンド放射線及び測定対象の放射線を含むフォアグラウンド計数率の平均値r=r+rを計算する。計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の平均値rと、正味計数率rと、計数率演算装置3の時定数τとに基づいて、数7を用いて、フォアグラウンド計数率の標準偏差σを計算する。
フォアグラウンド計数率の分布の平均値rを測定する必要はない。数5及び数7に記載している通り、フォアグラウンド計数率の平均値r及び標準偏差σは、バックグラウンド計数率の分布の平均値rと、測定対象の放射線による正味計数率rとから算出可能である。ここで、測定対象の放射線による正味計数率rは設定値入力装置4から設定され、バックグラウンド計数率の分布の平均値rは、測定対象の放射線による計数率の変化に対して無視できる程度にゆっくり変化するので、バックグラウンド計数率が変化した場合でも、フォアグラウンド計数率の平均値rを十分に算出可能である。
計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の平均値r及び標準偏差σと、フォアグラウンド計数率の平均値r及び標準偏差σとに基づいて、数1及び数2を用いて、誤検出率pfalse_positive及び見逃し率pfalse_negativeを満たすように、測定対象の放射線が存在すると判定するための計数率のしきい値rthを計算する。計数率のしきい値rthは、数1の定積分を行う区間の下限又は数2の定積分を行う区間の上限に等しい(数4を参照)。
計数率演算装置3は、計数率のしきい値rthとバックグラウンド計数率の平均値rとの差をバックグラウンド計数率の標準偏差σで除算した第1の係数kを計算する。従って、第1の係数kは、数1の右辺の定積分が左辺の誤検出率pfalse_positiveに等しくなるように計算され、バックグラウンド計数率の平均値r及び標準偏差σの値には依存しない。また、計数率演算装置3は、計数率のしきい値rthとフォアグラウンド計数率の平均値rとの差をフォアグラウンド計数率の標準偏差σで除算した第2の係数kを計算する。従って、第2の係数kは、数2の右辺の定積分が左辺の見逃し率pfalse_negativeに等しくなるように計算され、フォアグラウンド計数率の平均値r及び標準偏差σの値には依存しない。第1の係数k及び第2の係数kの計算は、数値計算により行ってもよく、正規分布の数表を参照して行ってもよい。
計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の平均値r、正味計数率r、第1の係数k、及び第2の係数kに基づいて、数10を用いて、誤検出率pfalse_positive及び見逃し率pfalse_negativeを満たすように時定数τを計算して当該計数率演算装置3に設定する。
計数率演算装置3は、入力信号に基づいて計算された計数率が計数率のしきい値rthを超えたとき、測定対象の放射線を検出したと判定する。
数10は、数1により誤検出率に関連付けられた第1の係数kと、数2により見逃し率に関連付けられた第2の係数kと、数3の関係とから導出されている。従って、数10の時定数τは、バックグラウンド計数率が変化しても、バックグラウンド計数率及びフォアグラウンド計数率の各分布の位置関係を変化させず、バックグラウンド計数率及びフォアグラウンド計数率の各相対標準偏差を変化させないように算出される。これにより、バックグラウンド計数率の変化の前後で、バックグラウンド計数率及びフォアグラウンド計数率の分布が重なる範囲が変化しないので、誤検出率及び見逃し率も変化しない。計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の変化に応じて、誤検出率及び見逃し率を満たすように、時定数τを計算して設定する。よって、計数率演算装置3が数10によって計算された時定数τを設定しているとき、バックグラウンド計数率が変化しても、誤検出率及び見逃し率は一定になる。
バックグラウンド計数率の変化の前後で誤検出率及び見逃し率が一定になる理由は、以下のとおりである。まず、バックグラウンド計数率の分布が変化すると(r→r’、σ→σ’)、それに応じて、フォアグラウンド計数率の分布も変化する(r→r’、σ→σ’)。このとき、計数率演算装置3は、数10を用いて、変化したバックグラウンド計数率及びフォアグラウンド計数率(r’、σ’、r’、σ’)に対応する時定数τを計算して計数率演算装置3に設定する。時定数τの変化により、計数率演算装置3の内部で計算される計数率rが変化する。言い換えると、変数変換r→r’が生じる。r’、r’、σ’、r’、σ’に基づいて数1及び数2と同様に定積分すると、r、r、σ、r、σに基づいて定積分したときと同じ値になる。
計数率演算装置3は、バックグラウンド計数率の平均値rが変化したとき、数4を用いて、変化したバックグラウンド計数率に応じて計数率のしきい値rthを変化させる。第1の係数k及び第2の係数kは、設定値入力装置4から予め設定された誤検出率及び見逃し率に基づいて算出されるので、誤検出率及び見逃し率が変化しない限り一定である。前述のように、フォアグラウンド計数率の平均値rは、ある時点のバックグラウンド計数率の平均値rと、設定値入力装置4から予め設定された測定対象の放射線による正味計数率rとに基づいて計算される。また、バックグラウンド計数率の平均値rは、測定対象の放射線による計数率の変化に対して無視できる程度にゆっくり変化するので、測定対象の放射線による計数率が変化する期間において、バックグラウンド計数率は定常状態にあるとみなせる。
以上の説明では、計数率演算装置3には、測定対象の放射線による正味計数率、誤検出率、及び見逃し率が予め設定されていたが、代替として、計数率演算装置3には、測定対象の放射線による正味計数率rと、測定対象の放射線以外のバックグラウンド放射線を測定対象の放射線として検出する誤検出率に関連付けられた第1の係数kと、見逃し率に関連付けられた第2の係数kとが設定値入力装置4から予め設定されていてもよい。
この場合、まず、計数率演算装置3は、入力信号に基づいてバックグラウンド放射線の計数率の平均値rを測定する。
計数率演算装置3は、バックグラウンド放射線の計数率の平均値rと、計数率演算手段の時定数τとに基づいて、数6を用いて、バックグラウンド放射線の計数率の標準偏差σを計算する。計数率演算装置3は、バックグラウンド放射線の計数率の平均値rと、正味計数率rとに基づいて、バックグラウンド放射線及び測定対象の放射線を含むフォアグラウンド放射線の計数率の平均値r=r+rを計算する。計数率演算装置3は、バックグラウンド放射線の計数率の平均値rと、正味計数率rと、計数率演算手段の時定数τとに基づいて、数7を用いて、フォアグラウンド放射線の計数率の標準偏差σを計算する。
計数率演算装置3は、バックグラウンド放射線の計数率の平均値r及び標準偏差σと、フォアグラウンド放射線の計数率の平均値r及び標準偏差σと、第1の係数k及び第2の係数kとに基づいて、数4を用いて、測定対象の放射線が存在すると判定するための計数率のしきい値rthを計算する。
計数率演算装置3は、バックグラウンド放射線の計数率の平均値rと、正味計数率rと、第1の係数k及び第2の係数kとに基づいて、数10を用いて、誤検出率pfalse_positive及び見逃し率pfalse_negativeを満たすように時定数τを計算して当該計数率演算装置3に設定する。
計数率演算装置3は、入力信号に基づいて計算された計数率が計数率のしきい値rthを超えたとき、測定対象の放射線を検出したと判定する。
このように、計数率演算装置3に、測定対象の放射線による正味計数率rと、第1の係数kと、第2の係数kとが予め設定された場合にも、バックグラウンド計数率の変化にかかわらず、誤検出率及び見逃し率は一定になる。
計数率演算装置3は、その時定数を数10に従って変化させることで、測定対象の放射線を連続的に検出することができる。
計数率計の時定数τを数10に従って変化させることで、バックグラウンド計数率が変化した場合でも、誤検出率及び見逃し率を一定としたまま、測定対象の放射線の計数率を求めることができる。
ここで、具体例として、排気管に漏洩する放射性物質の濃度を測定対象とする場合について説明する。この場合、放射線検出器1を排気管に向けて設置し、放射線の計数率の時間推移を監視する。このとき、バックグラウンド計数率は、排気管への漏洩がない正常状態の計数率となる。しかし、バックグラウンド計数率は常に一定ではなく、原子炉の運転状態又は気象条件(例えば、温度、湿度、降雨量等)に依存してゆっくり変動する。
図4は、図1の放射線検出装置の動作例を示す模式図である。図4は、放射線計測の一例として、原子炉の出力変動に伴ったバックグラウンド計数率の変動と、放射性物質が排気管へ漏洩した場合の計数率の変動を模式的に示した図である。原子炉の出力変動は、例えば、原子炉の出力電力(又は、原子炉から出力される熱など)の予定された変動又は予定外の変動である。図4の横軸は時間経過を示し、縦軸は放射線検出装置で測定した計数率すなわちフォアグラウンド計数率を示している。測定開始から期間T1の間は排気管への放射性物質の漏洩がない状態を示し、このうち期間Taでは、原子炉の出力電力が低く、小さなバックグラウンド計数率は低い値rB1である。その後、期間Tbにおいて原子炉の出力電力が徐々に上昇したのに伴い、バックグラウンド計数率も徐々に上昇し、値rB2に達している。期間Tcでは更なる原子炉の出力電力の変動がなかったので、バックグラウンド計数率は値rB2を維持している。その後、期間Tdにおいて排気管への漏洩が発生し計数率が急激に上昇している。このとき、排気管へ漏洩した放射性物質による計数率は正味計数率rD1であるが、測定される計数率はフォアグラウンド計数率rF1である。このとき、排気管への放射性物質の漏洩による計数率の上昇は、原子炉の出力電力の上昇に伴う計数率の上昇に比べて十分に短い時間内に起こるので、この時間内でバックグラウンド計数率は変化していないとみなすことができる。これにより、フォアグラウンド計数率からその直前のバックグラウンド計数率を差し引いて、測定対象の放射線の計数率を算出することが可能である。
再び図1を参照すると、計数率演算装置3は、計算された放射線の計数率を後段の表示装置5及び通信装置6に伝送する。表示装置5は、計数率演算装置3から出力された計数率を受取り、その時点での計数率を表示する。また、計数率が設定値入力装置4によって与えられた計数率のしきい値を超えた場合は、放射線を「検出」したことを表示する。通信装置6は、計数率演算装置3から出力された計数率を受取り、計数率の情報を他の機器へ伝送する。
以上のように、本発明の実施の形態1に係る放射線検出装置によれば、バックグラウンド計数率が変化した場合でも、誤検出率及び見逃し率を一定としたまま、すなわち測定精度を一定としたまま、測定対象の放射線を測定対象の放射線量が計数率のしきい値を超えたことを、ユーザが設定した精度で、連続的に監視することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る放射線検出装置によれば、バックグラウンド計数率のゆらぎとフォアグラウンド計数率のゆらぎを個別に考慮して測定精度を決め、その測定精度を満たすようにバックグラウンド計数率の変化に応じて計数率計の時定数を変化させることにより、バックグラウンド計数率が変化した場合でも、測定対象の放射線量が計数率のしきい値を超えたことを、ユーザが設定した精度で、連続的に監視することができる。
本発明の実施の形態1に係る放射線検出装置によれば、測定対象の多寡(計数率の高低)に関わらず、一定の精度で連続的に検出することができる。
本発明の実施の形態1に係る放射線検出装置によれば、誤検出率及び見逃し率を互いに独立に設定可能である。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る放射線検出装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る放射線検出装置は、実施の形態1の計数率演算装置3に代えて、複数個の計数率演算装置3a〜3eと、計数率集計装置7とを備える。複数個の計数率演算装置3a〜3eには、互いに異なる計数率のしきい値rtha〜rtheがそれぞれ設定される。計数率集計装置7は、複数個の計数率演算装置3a〜3eからそれぞれ出力される計数率を集約し、表示装置5及び通信装置6に出力する。他の点では、実施の形態2に係る放射線検出装置は、実施の形態1に係る放射線検出装置によればと同様に構成される。
図6は、図2の放射線検出装置の測定原理を示す模式図である。設定値入力装置4は、計数率演算装置3a〜3eに対し、それぞれ異なる計数率のしきい値rtha〜rtheを設定する。このとき、誤計数率と見逃し率については、全ての計数率演算装置3a〜3eで同じ値に設定することも、それぞれの計数率演算装置3a〜3eで異なる値に設定することも可能である。ここで、検出目標とする正味計数率rについて計数率のしきい値が決まるので、誤計数率と見逃し率についてそれぞれの計数率演算装置3a〜3eで異なる値に設定する場合は、それぞれの計数率演算装置3a〜3eに異なる検出目標値rを設定することで、計数率のしきい値を複数設定することが可能である。計数率演算装置3a〜3eの計数率のしきい値rtha〜rtheはそれぞれ異なるので、測定対象の放射線の計数率が変化し、計数率演算装置3a〜3eのそれぞれの計数率のしきい値rtha〜rtheに達した時点で、計数率演算装置3a〜3eはそれぞれ検出信号を所定の周期で発信する。
計数率集計装置7は、計数率演算装置3a〜3eからそれぞれ出力される計数率及び計数率のしきい値rtha〜rthe及び検出信号を受取り、測定対象の放射線の計数率が計数率のしきい値rtha〜rtheに達しているかどうかを判定し、図4に示すように所定の周期毎の測定対象の放射線の計数率の時間推移を記録し、表示装置5及び通信装置6に出力する。
このように、本発明の実施の形態2に係る放射線検出装置によれば、複数個の計数率のしきい値rtha〜rtheを用いたことで、バックグラウンド計数率が変動した場合でも、誤検出率及び見逃し率を一定としたまま、すなわち測定精度を一定としたまま、測定対象の放射線量の時間推移を任意の精度で得ることが可能となる。
本発明の一態様に係る放射線検出装置によれば、バックグラウンド計数率が変動した場合でも、測定対象の放射線量が計数率のしきい値を超えたことを、ユーザが設定した精度で、連続的に監視することができる。
1 放射線検出器、2 信号処理回路、3 計数率演算装置、4 設定値入力装置、5 表示装置、6 通信装置、BG バックグラウンド計数率の分布、FG フォアグラウンド計数率の分布、r バックグラウンド計数率の平均値、r フォアグラウンド計数率の平均値、rth しきい値、A1 見逃し範囲、B1 見逃し範囲、B2 誤検出範囲、3a 計数率のしきい値rthaに対応した計数率演算装置、3b 計数率のしきい値rthbに対応した計数率演算装置、3c 計数率のしきい値rthcに対応した計数率演算装置、3d 計数率のしきい値rthdに対応した計数率演算装置、3e 計数率のしきい値rtheに対応した計数率演算装置、rtha 計数率演算装置3aの計数率のしきい値、rthb 計数率演算装置3bの計数率のしきい値、rthc 計数率演算装置3cの計数率のしきい値、rthd 計数率演算装置3dの計数率のしきい値、rthe 計数率演算装置3eの計数率のしきい値、r(t) 計数率の推移、rB1 原子炉出力が小さいときのバックグラウンド計数率、rB2 原子炉出力が大きいときのバックグラウンド計数率、rD1 排気管へ漏洩した放射性物質による正味計数率、rF1 放射性物質が排気管へ漏洩したときのフォアグラウンド計数率、T1 排気管への放射性物質の漏洩がない期間、T2 排気管へ放射性物質が漏洩している期間、Ta 原子炉の出力電力が低い期間、Tb 原子炉の出力電力が徐々に上昇している期間、Tc 原子炉の出力電力が大きい期間、Td 放射性物質が排気管へ漏洩してバックグラウンド計数率が急激に上昇している期間。

Claims (7)

  1. 放射線の有無を示す入力信号に基づいて放射線の計数率を計算する少なくとも1つの計数率演算手段を備えた放射線検出装置であって、
    上記計数率演算手段は可変な時定数を有し、
    上記計数率演算手段には、測定対象の放射線による正味計数率と、上記測定対象の放射線以外のバックグラウンド放射線を上記測定対象の放射線として検出する誤検出率と、上記測定対象の放射線の見逃し率とが予め設定され、
    上記計数率演算手段は、
    上記入力信号に基づいて上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値を測定し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記計数率演算手段の時定数とに基づいて、上記バックグラウンド放射線の計数率の標準偏差を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率とに基づいて、上記バックグラウンド放射線及び上記測定対象の放射線を含むフォアグラウンド放射線の計数率の平均値を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率と、上記計数率演算手段の時定数とに基づいて、上記フォアグラウンド放射線の計数率の標準偏差を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値及び標準偏差と、上記フォアグラウンド放射線の計数率の平均値及び標準偏差とに基づいて、上記誤検出率及び上記見逃し率を満たすように、上記測定対象の放射線が存在すると判定するための計数率のしきい値を計算し、
    上記計数率のしきい値と上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値との差を上記バックグラウンド放射線の計数率の標準偏差で除算した第1の係数を計算し、
    上記計数率のしきい値と上記フォアグラウンド放射線の計数率の平均値との差を上記フォアグラウンド放射線の計数率の標準偏差で除算した第2の係数を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率と、上記第1及び第2の係数とに基づいて、上記誤検出率及び上記見逃し率を満たすように上記時定数を計算して当該計数率演算手段に設定し、
    上記入力信号に基づいて計算された計数率が上記計数率のしきい値を超えたとき、上記測定対象の放射線を検出したと判定することを特徴とする放射線検出装置。
  2. 上記放射線検出装置は、上記正味計数率、上記誤検出率、及び上記見逃し率を上記計数率演算手段に設定する設定値入力手段をさらに備える請求項1記載の放射線検出装置。
  3. 放射線の有無を示す入力信号に基づいて放射線の計数率を計算する少なくとも1つの計数率演算手段を備えた放射線検出装置であって、
    上記計数率演算手段は可変な時定数を有し、
    上記計数率演算手段には、測定対象の放射線による正味計数率と、上記測定対象の放射線以外のバックグラウンド放射線を上記測定対象の放射線として検出する誤検出率に関連付けられた第1の係数と、上記測定対象の放射線の見逃し率に関連付けられた第2の係数とが予め設定され、
    上記計数率演算手段は、
    上記入力信号に基づいて上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値を測定し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記計数率演算手段の時定数とに基づいて、上記バックグラウンド放射線の計数率の標準偏差を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率とに基づいて、上記バックグラウンド放射線及び上記測定対象の放射線を含むフォアグラウンド放射線の計数率の平均値を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率と、上記計数率演算手段の時定数とに基づいて、上記フォアグラウンド放射線の計数率の標準偏差を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値及び標準偏差と、上記フォアグラウンド放射線の計数率の平均値及び標準偏差と、上記第1及び第2の係数とに基づいて、上記測定対象の放射線が存在すると判定するための計数率のしきい値を計算し、
    上記バックグラウンド放射線の計数率の平均値と、上記正味計数率と、上記第1及び第2の係数とに基づいて、上記誤検出率及び上記見逃し率を満たすように上記時定数を計算して当該計数率演算手段に設定し、
    上記入力信号に基づいて計算された計数率が上記計数率のしきい値を超えたとき、上記測定対象の放射線を検出したと判定することを特徴とする放射線検出装置。
  4. 上記放射線検出装置は、上記正味計数率、上記第1の係数、及び上記第2の係数を上記計数率演算手段に設定する設定値入力手段をさらに備える請求項3記載の放射線検出装置。
  5. 上記放射線検出装置は複数の計数率演算手段を備え、
    上記複数の計数率演算手段には、互いに異なる計数率のしきい値がそれぞれ設定されることを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載の放射線検出装置。
  6. 上記放射線検出装置は、上記放射線の有無を示す入力信号を生成する放射線検出器をさらに備える請求項1〜5のうちの1つに記載の放射線検出装置。
  7. 上記放射線検出装置は、上記計算された放射線の計数率を出力する表示手段又は通信手段をさらに備える請求項1〜6のうちの1つに記載の放射線検出装置。
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