JP6090179B2 - 防水性床材及びそれを用いて構成した防水性床構造 - Google Patents

防水性床材及びそれを用いて構成した防水性床構造 Download PDF

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Description

本発明は、介護福祉施設、育児施設、入浴施設の脱衣場、トイレの床、小児やペットのいる家庭等で好適に使用することができる防水性床材、及びそれを用いて構成した防水性床構造に関する。
介護福祉施設、育児施設、入浴施設の脱衣場、小児やペットのいる家庭等では、尿失禁、飲み物や食べ物の食べこぼし等によって、畳などの床材がひどく汚れてしまうことがある。従来の畳では、こぼれたものが畳の中まで浸透して、悪臭やカビが発生する原因となり不衛生であった。
このような問題を解決するために、防水性を有する畳が提案されている。特許文献1には、合成樹脂繊維からなる畳表と、畳表の裏面に熱溶着された独立気泡を有する合成樹脂発泡シート等を一体に固定した畳が記載されている。段落46には、合成樹脂発泡シートは独立気泡を有しているため、水分等の透過性が低く、防水性が高い旨が記載されている。
特許文献1の畳は、防水性が考慮されている点で従来の畳より衛生的である。しかし、畳表などの外装材がひどく汚れたような場合や外装材にへこみや大きな傷ができた場合は畳表の取り換えが必要になることもあるが、特許文献1の畳は、畳表の張り替えまでは考慮されていない。
一方で、特許文献2及び3のように、畳のクッション部材として不織布が使用されることがある。しかし、汚れたり損耗したりした畳表の張り替えを容易にするために不織布を利用することまでは記載されていない。
防水性に関しては、特許文献4のようにシーリング材を充填することが知られている。しかし、汚れたり損耗したりした畳表等の外装材の張り替えを容易にする構成についてはやはり記載されていない。
特開2003−293564号公報 特開2010−236220号公報 特開2010−189924号公報 実用新案登録第3032402号公報
本発明は、防水性を備えることに加えて、畳表等の外装材がひどく汚れたり破損した際には、畳表を容易に張り替えることができる防水性床材、及び当該防水性床材を用いた防水性床構造を提供することを目的とする。
本発明では、防水性を高め、かつ畳表等の外装材の張り替えを容易にするために、外装材と、防水性を有する弾性樹脂層と、剥離面を構成する補強層とを、記載した順番に表側から床側に向けて積層固定することにした。そして、補強層と床面又は芯材とは接合剤によって相互に貼り付けて固定する。外装材の下に防水性を有する発泡樹脂層を配置するので、適度なクッション性を有し、水などが外装材にこぼれた際に弾性樹脂層よりも下に浸透することがない。外装材を張り替える際には、外装材、弾性樹脂層又は補強層を引っ張ることで、外装材と弾性樹脂層と補強層とを一体に芯材又は床面から容易に剥離させることができる。弾性樹脂層は可撓性を備えており曲がりやすいが引っ張ると破断しやすく、芯材又は床面から剥離しにくい。そこで、本発明では弾性樹脂層の下に補強層を配置して、外装材、弾性樹脂層及び補強層(以下、外装材等)を引っ張っても容易に破断することがないようにしたのである。
すなわち、本発明は、床上に敷いて使用する防水性床材であって、該床材は、外装材と、防水性を有する弾性樹脂層と、剥離面を構成する補強層とを記載した順番に表側から床側に向けて積層固定してなり、補強層と床面又は芯材とを接合剤によって相互に貼り付けて固定し、外装材を張り替える際には補強層から剥離させることを特徴とする防水性床材である。
また、本発明は、上記の防水性床材1枚を床上に敷いて構成した防水性床構造であって、該防水性構造は、防水性床材と防水性床材を設置する建物の構造物との間に存在する隙間と、該隙間に充填される防水性シーリング材とを備えており、該防水性シーリング材は、前記隙間において防水性床材の防水性を有する弾性樹脂層に達するまで充填されていることを特徴とする防水性床構造である。さらに、本発明は、複数枚の上記の防水性床材を床上に敷いて構成した防水性床構造であって、該防水性床構造は、隣り合う防水性床材の間に存在する隙間と、該隙間に充填される防水性シーリング材とを備えており、該防水性シーリング材は、隣り合う防水性床材の防水性を有する弾性樹脂層に達するまで充填されていることを特徴とする防水性床構造である。これらの発明では、発泡樹脂層に達するまで防水性シーリング材が充填されているため、床一面に防水性を付与することができる。
上記の防水性床材において、補強層と床面又は芯材とは粘着剤によって相互に貼りつけて固定することが好ましい。粘着剤による貼り付け固定は、シートの両面に適用した両面粘着シートを使用する態様を含む。この場合において、補強層は、織編布又は不織布を基材とする。補強層は、弾性樹脂層に接面する面の接合強度に比べて床面又は芯材と接面する面の接合強度を小さく構成する。粘着剤は、その粘りによって補強層と床面又は芯材とを接合するものであるから、シールおもちゃを剥がす要領で簡単に外装材、弾性樹脂層及び補強層を床面又は芯材から剥がすことができる。具体的には、折り返した外装材の端部と床材の表面とが120〜170°の角度をなすようにして外装材、弾性樹脂層又は補強層を引っ張ることで、床面又は芯材を傷つけることなく、外装材、弾性樹脂層及び補強層を一体に剥離して新しいものに交換することができる。弾性樹脂層は普通の場合は強く引っ張ると破断することがあるが、本発明では弾性樹脂層の下に補強層を備えるので、破断を怖れることなく安心して畳表等を引っ張ることができる。補強層は、弾性樹脂層に接面する面の接合強度に比べて床面又は芯材と接面する面の接合強度が小さく構成されているので、弾性樹脂層又は外装材を引っ張ることで外装材等を簡単に剥離することができる。
補強層と床面又は芯材とは粘着剤によって相互に貼りつけて固定する場合は、芯材を板状の硬質素材で構成し、補強層と接面する面を滑面に構成することが好ましい。補強層と接面する芯材の面を滑面に構成することで、ちょうどシールおもちゃをシールの台紙から剥がすようにして外装材等を芯材又は床面から剥離することができる。
補強層は、織編布又は不織布からなる基材を2枚以上積層して構成することもできる。この場合、弾性樹脂層と補強層との接合強度及び補強層と芯材又は床面との接合強度に比べて、基材間の接合強度を小さく構成することが好ましい。補強層をこのように構成することで、外装材等を引っ張ったときに、弾性樹脂層と補強層との接合部分及び補強層と芯材又は床面との接合部分よりも、2以上の基材の接合部分が優先して剥離するので、畳表等を引っ張ることによって容易に畳表等を芯材又は床面から剥離することが可能になる。
防水性を有する弾性樹脂層は、独立気泡を有する発泡合成樹脂材料から構成することが好ましい。独立気泡を採用することで、弾性樹脂層に弾性と防水性とを与えることができる。
本発明の防水性床材は、弾性樹脂層を備えることにより、適度に軟らかい足触りと防水性を発揮する。つまり、床材の上にこぼれた飲み物や尿などの水分は弾性樹脂層よりも下に浸透することがなく、芯材や床が汚れるおそれがない。また、弾性樹脂層よりもしたに水分が浸透しないので、少量の水をかけて床材を拭き掃除することも可能である。外装材及び弾性樹脂層は補強層を介して接合剤によって床面又は芯材に接合する。外装材、弾性樹脂層及び補強層を剥離する際には、補強層を備えるので外装材を強く引っ張っても弾性樹脂層が破断することがない。弾性樹脂層の破断を気にすることなく、外装材を引っ張りながら外装材等を芯材又は床面から剥離させることができるので、外装材がひどく汚れたときや外装材が損傷したときの張り替え作業が容易である。残った芯材については、新しい外装材、弾性樹脂層及び補強層を接合して再利用することができる。
本発明の防水性床材の一実施例である防水性畳の断面図である。 図1の防水性畳において、畳表、弾性樹脂層、及び補強層を芯材から剥離させる様子を模式的に示した断面図である。 本発明の防水性畳の別の実施例を示す断面図である。 図3の防水性畳において、畳表、弾性樹脂層、及び補強層を芯材から剥離させる様子を模式的に示した断面図である。 本発明の防水性畳のさらに別の実施例を示す分解断面図である。 図5の防水性畳において、畳表、弾性樹脂層、及び補強層を芯材から剥離させる様子を模式的に示した断面図である。 図1と同様の積層構造を有する複数枚の防水性畳を床上に敷いた状態を表す平面図である。 図7におけるA-A部分の断面図である。 図1の同様の積層構造を有する防水性畳1枚を床上に敷いた状態を表す平面図である。 図9におけるB-B部分の断面図である。 防水性床構造の別の参考例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本願発明を実施するための形態について説明する。
図1に本発明の防水性床材の一実施例である防水性畳を示す。図1の防水性畳1は、合成樹脂材料からなる畳表11(外装材11)と、防水性を有する弾性樹脂層12と、剥離面を構成する補強層13とを畳表側から床側に向けて積層固定してなる。本発明の防水性畳1は、床面又は芯材に貼着するものである。図1の防水性畳1は、芯材14を備えており、この芯材14に補強層13を粘着剤で接合して固定する。芯材14の裏面には畳表11の厚みにより生じる隙間を塞ぐために下地材15を貼着したうえで床面9に固定されている。
外装材11を構成する材料は、耐摩耗性に優れる合成樹脂材料又は天然材料から構成する。弾性樹脂層12は防水性を備えており、水分がそれよりも下に浸透することを防止する役割を有する。したがって、外装材11は、それ自体が水分を含んで容易に変質や破損しない限り、種々の素材を使用することができる。例えば、ポリプロピレンなどの水を吸収しにくい合成樹脂材料をイグサ状に成形した繊維を使用して織成してなる畳表、水を吸収しにくい合成樹脂繊維で構成した人工スウェード、撥水防汚処理を施したデニム生地、竹の板や合成樹脂板を網代編にしたものなどを使用する。中でも水の通過させやすい畳表や網代編やデニム生地などの織編物を好適に使用することができる。
弾性樹脂層12は、防水性畳1に適度なクッション性と防水性を付与するための層である。厚みや反発力は用途によって変更する。例えば、介護施設で防水性畳1を使用するような場合は、入所者が転倒した際に受傷しない程度の弾性を備え、車いすの走行を妨げない程度の硬さにするといった具合である。弾性樹脂層12を構成する材料としては、天然ゴムや合成ゴムなどのエラストマーからなる弾性シートや独立気泡を有する発泡樹脂からなるシートが挙げられる。中でも独立気泡を有する発泡樹脂は、軽量でかつ断熱性に優れるので好適に使用することができる。発泡樹脂としては、発泡率5〜40倍のポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフォームを使用することができる。
補強層13の裏面は、畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13を、芯材2から剥離させる際の剥離面となる。図2のように、畳表11を引っ張ることによって、畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13を一体として芯材14から容易に剥離することができる。補強層12が存在しない場合は、畳表11を引っ張ると弾性樹脂層12が破断して芯材14に残ってしまうため作業性が悪い。本発明では、弾性樹脂層12は補強層13で補強されているので、弾性樹脂層12の破断を気にすることなく畳表11を引っ張ることができる。補強層13の厚みは特に限定されないが、補強効果を得るためには0.2〜5mm程度の厚みとすれば十分である。補強層13を構成する素材としては、フラットヤーンシートのような織編布や不織布を使用することができる。
畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13は、記載した順に畳表側から床側に向けて接合して一体とする。接合する手段は特に限定されないが、芯材14と補強層13との接合強度に比較して、補強層13と弾性樹脂層12との接合強度及び畳表11と弾性樹脂層との接合強度を大きくすることが好ましい。このようにすることで、畳表11を引っ張ることで補強層13を剥離面として図2のように芯材14から畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13を一体に剥離することができる。接合強度については、接合剤の適用量を調節したり、接合強度の異なる接合剤を使用することで接合強度に差を持たせることができる。
図1の防水性畳1の芯材14は、補強層13と接面する面が滑面である硬質材料から構成されている。そして、補強層13と芯材14とは粘着剤で接合されているため、ちょうどシールおもちゃの台紙からシールをはがすようにして、畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13を芯材14から剥がすことができる。図2に記載したように、畳表11を折り返すようにして引っ張るとよく、折り返した畳の端部と畳表面とがなす角度(θ)が、120〜170°となるようにして引っ張ると剥がしやすい。芯材14を構成する素材としては、プラスチックボードやニスなどで表面処理をしたウッドボード等が例示される。プラスチックボードは軽量化のために気泡(空隙)を内包するものであってもよいし、ハニカム構造でもよい。
図3及び図4に、別の実施例を示す。図1の防水性畳1は、芯材14を備えるものであるが、この実施例の防水性畳2では、芯材14を省略した。すなわち、合成樹脂材料からなる畳表11と、防水性を有する弾性樹脂層12と、剥離面を構成する補強層13とを畳表側から床側に向けて積層固定してなる防水性畳において、図3に示したように、床面9に前記補強層13を直接に貼着することができる。図3の防水性畳2は、粘着剤によって補強層13と床面9を接合してある。畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13を取り換えるときには、図2に示したのと同じやり方で、図4に示したように、畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13を床面9から剥離させることができる。補強層13と床面9の接合強度を脆弱に設定してある点も図1の防水性畳1と同様である。なお、畳表1、弾性樹脂層12、及び補強層13の構成や素材は、図1の防水性畳1と同様である。
図5及び図6に、さらに別の実施例を示す。ここまで説明した防水性畳1、2は、いずれも一枚の基材からなる補強層13を使用するものであったが、図5及び6の防水性畳3では、複数枚の基材18で補強層20を構成した。より具体的には、補強層20は、2枚の不織布製の基材18、18の間に両面に粘着剤を適用したシート19を挟んで熱溶着してなるものである。基材は織編布から構成してもよいし、粘着剤は、その他の接着剤を適用したシートに代えてもよい。基材の枚数は2枚に限定されず、積層数を増やしてもよい。シート19自体は、織編布で構成することができる。
図5及び図6の防水性畳3は、畳表11、弾性樹脂層12、上記の補強層20、芯材14、及び下地材15を記載した順で畳表側から床面に向けて積層固定してなる。図1に示した防水性畳1及び図3及び図4に示した防水性畳2では、芯材14又は床面9と補強層13との接合強度に比較して、補強層13と弾性樹脂層12との接合強度及び畳表11と弾性樹脂層12との接合強度を大きくなるようにした。これにより、芯材14又は床面9と補強層13との接合面から剥離するようにした。これに対して、図5及び図6の防水性畳3では、基材18、18とシート19との接合強度に比較して、畳表11と弾性樹脂層12との接合強度、弾性樹脂層12と補強層20の接合強度、及び補強層20と芯材14との接合強度が大きくなるようにした。これにより、畳表11、弾性樹脂層12及び補強層20を剥離する際には、図6に示したように補強層20のシート19から剥離が生じるようにした。接合強度は上述と同様にして調節することができる。補強層20を構成する一方の基材18は弾性樹脂層12と一体に剥離し、他方の基材18は芯材14に残る。図1の防水性畳1並びに図3及び図4の防水性畳2では、補強層13と芯材14の接合面から剥離させるために、粘着剤を使用し、かつ芯材14の表面を滑面に構成することが好ましかった。本実施例の防水性畳3では、上述のようにシート19の接合面から剥離が生じるので、芯材14を必ずしも滑面を有する硬質素材で構成する必要がない。
したがって、図5及び図6に係る防水性畳3では、芯材14の素材及び補強層20と芯材14の接合剤を自由に選択することができる。例えば、芯材14を発泡ポリスチレンボード、又は木質繊維からなるインシュレーションボード(特に表面が毛羽立っているようなもの)などで構成した場合は表面が凹凸に富み、芯材表面の強度が十分でない。したがって、例えば、一枚の基材からなる補強層13を使用した場合、発泡ポリスチレンボード、又は木質繊維製のインシュレーションボード等からなる芯材14から、畳表11、弾性樹脂層12、及び補強層13を剥離する場合、芯材の表面が脆弱なため芯材14の表面が破損するおそれがある。また、表面が凹凸に富むので、粘着シートでは芯材14と補強層20を強力に接合できないおそれもある。図5及び図6に係る防水性畳3では、補強層20が犠牲層として上下に破断するので、芯材14の表面を傷めるおそれがないし、下側の基材18と芯材14の接合に強力な接着剤を使用することができる。畳表11と弾性樹脂層12との接合方法、弾性樹脂層12と補強層20との接合方法、及び補強層20と芯材14との接合方法は特に限定されず、両面粘着シートや適宜の接着剤を使用することができる。ただし、複数枚の基材間の接合強度が最も小さくなるように設定することが好ましい。
次に、上記で説明した防水性畳を使用して構成した防水性床構造4、5について説明する。代表例として図1に示した防水性畳1を使用して防水性床構造を構成する例を説明する。
図7に上記の防水性畳1を9枚敷き詰めて構成した防水性床構造4の平面図を示す。部屋の四隅には柱91が4本立っており、四隅に敷いた防水性畳1は、柱91の外形に沿って切断してある。各防水性畳1の隙間には防水性シーリング材41が充填されている。図7及び8においては、防水性シーリング材41を黒く塗りつぶして図示した。図8は図7のA-A部分の断面図である。図8に示したように防水性シーリング材41は、床面9から隣り合う防水性畳1の防水性を有する弾性樹脂層12に達するまで充填されている。隣り合う防水性畳1の隙間は防水性シーリング材41でシールされているため、飲み物や尿が防水性畳1の弾性樹脂層12を越えて床面9に浸透することはないし、隣り合う防水性畳1の隙間から床面9に浸透することはない。つまり、この防水性床構造4では、図8に示した基準面C-Cを越えて、水分が下方に浸透することがないので床や芯材14が清潔に保たれるのである。
図9及び10に、別の実施例に係る防水性床構造5を示す。図9は、上記の防水性畳1を1枚敷いて構成した防水性床構造5の平面図である。部屋の四隅には柱91が4本立っており、防水性畳1の四隅は、柱91の外形に沿って切断してある。防水性畳1と部屋又は柱91との隙間には防水性シーリング材41が充填されている。防水性シーリング材41は、上記と同様に黒く塗りつぶして図示した。図10は図9のB-B部分の断面図である。図10に示したように防水性シーリング材41は、床面9から防水性畳1の防水性を有する弾性樹脂層12に達するまで充填されている。防水性畳1と部屋又は柱との隙間は防水性シーリング材41でシールされているため、飲み物や尿が防水性畳1の弾性樹脂層12を越えて床面9に浸透することはないし、防水性畳1と部屋又は柱91の隙間から床面9に浸透することはない。つまり、この防水性床構造5では、図10に示した基準面D-Dを越えて、水分が下方に浸透することがないので床面9や芯材14が清潔に保たれるのである。
防水性シーリング材41としては、架橋硬化型のシリコーン充填材、ポリウレタン系シーリング材などが使用できる。上記では、防水性畳1を使用する例を代表例として記載したが、防水性畳2、3も使用することができる。また、図11に参考例として示したように、防水性畳1、2、3に代えて、芯材14の上に防水層21及び畳表11を下から上に記載した順序で有する防水性畳5を使用して防水床構造6とすることもできる。防水層21は上記の防水性を備える弾性樹脂層12から構成してもよいし、ポリオレフィンなど防水性を備える合成樹脂からなるシートから構成することができる。防水層21をポリオレフィン等の弾性を有しない素材から構成するときは芯材14を発泡樹脂や天然ゴムなどのエラストマーからなる板で構成することができる。
接合剤としては、接着剤又は粘着剤を使用することができる。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、又はウレタン系粘着剤を使用することができる。接着剤としては、ホットメルト系接着剤が使用できる。
以下、本発明の実施例を挙げてより詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1に示した防水性畳を以下のようにして製造した。市販のポリプロピレン製の畳表(東レペフ加工品株式会社、商品名「敷楽」ライトグリーン)を1830mm×950mmの方形に裁断し、裁断した畳表の裏面の真ん中に1760mm×880mmの方形に裁断した両面強粘着シートと、同じく1760mm×880mmの方形に裁断したポリプロピレン性の発泡樹脂からなる厚さ2mmの弾性樹脂層(東レペフ加工品株式会社、ポリエチレングレード30020)と、同じく1760mm×880mmの方形に裁断した両面強粘着シートと、同じく1760mm×880mmの方形に裁断した補強層としての厚さ0.8mmのポリエステル製のスパンボンド不織布と、1760mm×880mmの方形に裁断した片面再剥離/片面強粘着シートと、同じく1760mm×880mmの方形に裁断したポリプロピレンフィルムを多重に積層し加熱しながら加圧して成形した厚み7mmの芯材とを記載した順に畳表側から床面側に向けて積層固定した。片面再剥離/片面強粘着シートは、再剥離性を有する面を芯材側に向けて積層した。粘着テープは、いずれもポリオレフィンシートを基材としており、アクリル系粘着剤を粘着層として使用したものである。両面に強粘着剤(粘度の高い粘着剤)を適用したものが両面強粘着シートであり、片面に強粘着剤を適用し他方の面に接合強度が相対的に低い(粘度の低い)粘着剤を適用したものが片面再剥離/片面強粘着シートである。本実施例では、片面再剥離性の層が最も接合強度が低くなっている。畳表の余部分を芯材の側面及び底面に沿って折り返し、前記余部を芯材の底面にステープルで固定した。畳表の余部に囲まれた芯材の底面に、両面強粘着シートで厚さ2.0mmの下地材(東レペフ加工品株式会社のポリエチレングレード30020)を貼着した。上記芯材の表面は、硬質かつ滑らかな表面に仕上がっている。
上述のようにして作製した9枚の防水性畳を図1のように部屋の床に敷いていった。部屋の四隅の畳は、柱の外形に沿って切断した。部屋と畳の側面の隙間、柱と畳の側面の隙間、及び各畳の間の隙間に防カビタイプのシリコーン充填材(セメダイン株式会社、8070プロ)を充填していった。充填は、シリコーン充填剤が床から弾性樹脂層に到達し畳表と略同じ高さになるまで充填した。
このようにして作製した防水性床構造を風呂の脱衣場の床として使用したところ、弾性樹脂層を超えて水分が下方に浸透することはなく、脱衣場の床全体に防水性を与えることができた。次に、防水性畳を取り外して、畳表の張り替えを行った。畳表の一端を手でつかんで、畳表と畳の端部が為す角度(θ1)が150°になるようにして畳表を引っ張ることで、極めて容易に補強層と芯材との接合面から畳表、弾性樹脂層、及び補強層を一体に剥離することができた。畳の張り替えの際に芯材を目視で確認したところ、カビの発生もなく清潔な状態が維持されていた。
〔実施例2〕
図5に示した防水性畳を以下のようにして製造した。(1)補強層と芯材とを接合する際に使用する片面再剥離/片面強粘着シートを、エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とするホットメルト接着剤に変更し、(2)補強層を、厚さ0.8mmのポリエステル製のスパンボンド不織布2枚の間に、両面に低粘度の粘着剤を適用した厚さ0.2mmのポリオレフィン製基材からなる粘着シートを介装してなる補強層に変更した点、(3)芯材の素材を木質のインシュレーションボード(大建工業株式会社、遮音床ボード09)に変更した点以外は、実施例1と同様にして防水性畳を製造した。ホットメルト接着剤は、アプリケーターで溶融してから補強層と芯材の間に適用した。本実施例では、スパンボンド不織布2枚の間の接合強度が最も低くなるように設定した。
上述のようにして作製した1枚の防水性畳を図9のように部屋の床に敷いていった。部屋の四隅の畳は、柱の外形に沿って切断した。部屋と畳の側面の隙間、柱と畳の側面の隙間、及び各畳の間の隙間にシリコーン充填材(セメダイン株式会社、8070プロ)を充填していった。充填は、シリコーン充填剤が床から弾性樹脂層に到達し畳表と略同じ高さになるまで充填した。
このようにして作製した防水性床構造に黄色に着色した水をかけてから乾燥させるというサイクルを十数回繰り返し行ってから、畳表、弾性樹脂層及び補強層を剥がして、芯材を目視で確認したところ、弾性樹脂層の表面は黄色に変色していたものの芯材に変色はなく清潔な状態を維持していた。畳表、弾性樹脂層及び補強層を剥がす際には、畳表と畳の端部が為す角度(θ1)が150°になるようにして畳表を引っ張ることで、極めて容易に2枚の補強層の接合面から畳表、弾性樹脂層、及び補強層を一体に剥離することができた。本実施例の芯材は木質のインシュレーションボードからなるものであるが、2枚の補強層の接合面から畳表等は剥離されたため、インシュレーションボードが破損することはなかった。インシュレーションボードは、補強層のうちの1枚が残った状態であるがこの上に新しい補強層を貼ることができるので、問題なく再利用することができた。
1 防水性畳
11 畳表
12 弾性樹脂層
13 補強層
14 芯材
15 充填層
9 床面
2 防水性畳(別実施例)
3 防水性畳(別実施例)
18 基材
19 ホットメルト接着剤を適用したシート
20 補強層
4 防水性床構造
5 防水性床構造(別実施例)
91 柱

Claims (7)

  1. 床上に敷いて使用する防水性床材であって、
    該床材は、合成樹脂材料からなる外装材と、防水性を有する弾性樹脂層と、剥離面を構成する補強層と、芯材とを記載した順番に表側から床側に向けて積層固定してなり、
    防水性を有する弾性樹脂層は、独立気泡を有する発泡合成樹脂材料から構成されるものであり、
    補強層と芯材とを接合剤によって相互に貼り付けて固定し、外装材を張り替える際には補強層から剥離させることを特徴とする防水性床材。
  2. 補強層は、織編布又は不織布を基材とするものであって、該補強層と芯材とは粘着剤によって相互に貼りつけて固定され、
    補強層は、弾性樹脂層に接面する面の接合強度に比べて芯材と接面する面の接合強度を小さく構成したものである請求項1に記載の防水性床材。
  3. 芯材は、板状の硬質素材であり、補強層と接面する面を滑面に構成したものである請求項1又は2に記載の防水性床材。
  4. 補強層は、織編布又は不織布からなる基材を2枚以上積層してなり、
    弾性樹脂層と補強層との接合強度及び補強層と芯材との接合強度に比べて、基材間の接合強度を小さく構成したものである請求項1に記載の防水性床材。
  5. 芯材は、空隙を内包するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の防水性 床材。
  6. 請求項1に記載した防水性床材1枚を床上に敷いて構成した防水性床構造であって、
    該防水性構造は、防水性床材と防水性床材を設置する建物の構造物との間に存在する隙間と、該隙間に充填される防水性シーリング材とを備えており、
    該防水性シーリング材は、前記隙間において防水性床材の防水性を有する弾性樹脂層に達するまで充填されていることを特徴とする防水性床構造。
  7. 請求項1に記載した複数枚の防水性床材を床上に敷いて構成した防水性床構造であって、
    該防水性床構造は、隣り合う防水性床材の間に存在する隙間と、該隙間に充填される防水性シーリング材とを備えており、
    該防水性シーリング材は、隣り合う防水性床材の防水性を有する弾性樹脂層に達するまで充填されていることを特徴とする防水性床構造。
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