JP6089420B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池スタックの発電によって発生する生成水が凝縮し、カソードガス拡散層の細孔を閉塞すると、カソードガスの供給不足により発電性能が低下する(以下「フラッディング」という)。そこで特許文献1は、インピーダンスが小さく、かつ、電圧が所定値以下であることに基づき、フラッディングであると判定したら、空気流量を増量して凝縮水を一気に吹き飛ばすことを開示する。
特開平7−235324号公報
フラッディングに対して特許文献1の技術は、電圧の絶対値のみで判定しているため、IV特性の低下している場合にはその影響によってフラッディングと判定してしまう可能性がある。このため、フラッディングの影響は小さいにも関わらず空気増量を行うため不要な空気増量を行うおそれがある。
特に、燃料電池スタックの発電セル(単セル)の電解質膜の湿潤度を従来よりも低い状態(すなわち乾燥気味の状態)で運転する燃料電池システムを開発中であるが、このようなシステムでは、乾燥しているにも関わらずフラッディングが生ずることが、発明者らに知見された。低加湿運転を行う燃料電池システムに、上記技術を適用する場合は、不要な空気増量が過乾燥を招き、電解質膜へのダメージが懸念される。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明による燃料電池システムのひとつの態様は、アノードに燃料ガスが供給されるとともにカソードに酸化剤ガスが供給されて電気化学反応で発電する燃料電池を含むシステムである。そして、燃料電池の要求発電量に応じて、酸化剤ガス供給機の供給流量を設定する供給量設定部と、燃料電池のセルのインピーダンスを測定する測定部と、
所定数のセルごとに、セル電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部で検出されたセル電圧の平均セル電圧から、特定のセルの電圧を引いた電圧差が所定値を超えており、且つ前記インピーダンスが所定値よりも小さい場合に前記供給流量を増量補正する供給量補正部と、を含む。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明による燃料電池システムのひとつの態様は、アノードに燃料ガスが供給されるとともにカソードに酸化剤ガスが供給されて電気化学反応で発電するセルを複数積層して構成される燃料電池スタックを含む燃料電池システムである。そして、燃料電池システムの要求に応じて、酸化剤ガス供給機の供給流量を設定する供給量設定部と、燃料電池スタックの平均セル電圧から、特定セルの電圧を引いた電圧差が大きいほど、前記供給流量を増量補正する供給量補正部と、を含む。
この態様によれば平均セル電圧から、特定のセルの電圧を引いた電圧差が大きいほど、供給流量を増量補正するようにしたので、フラッディングを解消するのに最適な空気流量の増量が可能になる。また、低加湿運転を行う燃料電池システムに適用した場合は、電解質膜が過乾燥してしまう事態を抑制できる。
本発明の実施形態、本発明の利点については、添付された図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
図1は、本発明による燃料電池システムの基本構成を示す図である。 図2は、本発明による燃料電池システムのコントローラーが実行する制御内容を示すブロック図である。 図3は、第1実施形態の制御ブロックが実行されたときの作動を説明するタイミングチャートである。 図4は、本発明による燃料電池システムの第2実施形態を説明する図である。 図5は、本発明による燃料電池システムの第3実施形態を説明する図である。
(第1実施形態)
図1は、本発明による燃料電池システムの基本構成を示す図である。
最初に図1を参照して、本発明による燃料電池システムの基本構成について説明する。
燃料電池スタック10は、電解質膜が適度な湿潤状態に維持されつつ反応ガス(カソードガスO2、アノードガスH2)が供給されて発電する。そのようにするために、燃料電池スタック10には、カソードライン20と、アノードライン30と、冷却水循環ライン40と、が接続される。なお燃料電池スタック10は、各発電セル(単セル)ごと(又は所定の単位枚数のセルごと)にセンサーが設けられて、電流・電圧が検出される。
カソードライン20には、燃料電池スタック10に供給されるカソードガスO2が流れる。カソードライン20には、エアフィルター21と、コンプレッサー22と、WRD(Water Recovery Device)23と、カソード調圧弁24と、が設けられる。またカソードライン20には、ブリードライン200が並設される。ブリードライン200は、コンプレッサー22よりも下流であってWRD23よりも上流から分岐して、カソード調圧弁24よりも下流に合流する。このような構成になっているので、コンプレッサー22で送風された空気の一部がブリードライン200に流れて、燃料電池スタック10を迂回する。ブリードライン200には、ブリード弁210が設けられる。
エアフィルター21は、燃料電池スタック10に供給される空気(カソードガスO2)に含まれる粉塵などを除去する。
コンプレッサー22は、本実施形態では、たとえば遠心式のターボコンプレッサーである。コンプレッサー22は、燃料電池スタック10やWRD23よりも上流のカソードライン20に配置される。コンプレッサー22は、モーターMによって駆動される。コンプレッサー22は、カソードライン20を流れるカソードガスO2の流量を調整する。カソードガスO2の流量は、コンプレッサー22の回転速度によって調整される。
WRD23は、燃料電池スタック10に導入される空気を加湿する。WRD23は、加湿対象となるガスが流れる被加湿部と、加湿源となる水含有ガスが流れる加湿部と、を含む。被加湿部には、コンプレッサー22によって導入された空気が流れる。加湿部には、燃料電池スタック10を通流して水を含有しているガスが流れる。
カソード調圧弁24は、燃料電池スタック10よりも下流のカソードライン20に設けられる。カソード調圧弁24は、カソードライン20を流れるカソードガスO2の圧力を調整する。カソードガスO2の圧力は、カソード調圧弁24の開度によって調整される。
ブリード弁210は、ブリードライン200に設けられる。ブリード弁210は、ブリードライン200を流れるカソードガスO2の流量を調整する。カソードガスO2の流量は、ブリード弁210の開度によって調整される。
アノードライン30には、燃料電池スタック10に供給されるアノードガスH2が流れる。アノードライン30には、ボンベ31と、アノード調圧弁32と、パージ弁33と、が設けられる。
ボンベ31には、アノードガスH2が高圧状態で貯蔵されている。ボンベ31は、アノードライン30の最上流に設けられる。
アノード調圧弁32は、ボンベ31の下流に設けられる。アノード調圧弁32は、ボンベ31からアノードライン30に供給するアノードガスH2の圧力を調整する。アノードガスH2の圧力は、アノード調圧弁32の開度によって調整される。
パージ弁33は、燃料電池スタック10の下流に設けられる。パージ弁33が開くと、アノードガスH2がパージされる。
冷却水循環ライン40には、燃料電池スタック10に供給される冷却水が流れる。冷却水循環ライン40には、ラジエーター41と、三方弁42と、ウォーターポンプ43と、が設けられる。また冷却水循環ライン40には、バイパスライン400が並設される。バイパスライン400は、ラジエーター41よりも上流から分岐し、ラジエーター41よりも下流に合流する。このためバイパスライン400を流れる冷却水は、ラジエーター41をバイパスする。
ラジエーター41は、冷却水を冷却する。ラジエーター41には、クーリングファン410が設けられている。
三方弁42は、バイパスライン400の合流部分に位置する。三方弁42は、開度に応じて、ラジエーター側のラインを流れる冷却水の流量と、バイパスラインを流れる冷却水の流量と、を調整する。これによって冷却水の温度が調整される。
ウォーターポンプ43は、三方弁42の下流に位置する。ウォーターポンプ43は、三方弁42を流れた冷却水を燃料電池スタック10に送る。
コントローラーは、種々センサーの信号を入力し、コンプレッサー22、カソード調圧弁24、ブリード弁210、アノード調圧弁32、パージ弁33、三方弁42、ウォーターポンプ43の作動を制御する信号を出力する。
このような構成によって、燃料電池スタック10は、適温に維持されることで、電解質膜が適度な湿潤状態に維持されて、反応ガス(カソードガスO2、アノードガスH2)が供給されて発電する。なお、電解質膜の湿潤度は、インピーダンスから把握できる。すなわち電解質膜の湿潤度が小さいほど(電解質膜中の水分が少なく乾き気味であるほど)、インピーダンスは大きくなる。電解質膜の湿潤度が大きいほど(電解質膜中の水分が多く濡れ気味であるほど)、インピーダンスは小さくなる。この特性を利用して、たとえば燃料電池スタックの発電電流を例えば1kHzの正弦波で変動させて電圧の変動を見る。そして1kHzの交流電圧振幅を交流電流振幅で除算することでインピーダンスを求める。そしてこのインピーダンスに基づいて電解質膜の湿潤度を得ることができる。なおインピーダンスは、このように高周波の交流を用いて求めるので、以下では、適宜、HFR(High Frequency Resistance)と称する。
燃料電池スタック10によって発電された電力は、DC/DCコンバーター11を介して走行モーター12、バッテリー13、負荷14に供給される。
バッテリー13は、燃料電池スタック10によって発電された電力を充電する。またバッテリー13は、放電して電力を走行モーター12や負荷14に供給する。走行モーター12は、燃料電池スタック10及びバッテリー13の少なくとも一方の電力によって駆動される。
ここで、本発明が解決しようとする課題について説明する。
燃料電池スタックの内部に生成水が溜まってフラッディングが生じると、発電性能が低下する。これを防ぐには、余剰な水分が存在するときに、空気圧力を上昇させて空気を燃料電池の外部へ一気に排出させるという手法もある。このようにすれば、排出空気の勢いで水を一気に吹き飛ばすことができる。
ところで、フラッディングは、燃料電池スタックに多数ある発電セルのうち、一部のセルで生じる。これに対して、セルごとに空気流量を調整することはできず、空気流量を増やせば、その影響は全てのセルに及ぶ。
従来の燃料電池は、発電セルの電解質膜の湿潤度が高い状態(すなわち湿潤気味の状態)で運転されていたので、空気流量が多めに供給されても、過乾燥状態に陥りにくかった。
これに対して、発明者らは、燃料電池スタックの発電セル(単セル)のインピーダンスを測定することで電解質膜の湿潤度を従来よりも低い状態(すなわち乾燥気味の状態)で運転する燃料電池システムを開発中である。このようなシステムで、一部のセルのフラッディングを解消するために、空気流量を単に増量すれば、その一部のセルのフラッディングが解消されるものの、他のセルは過乾燥するおそれがある。
そこで、各発電セル(単セル)ごと(又は所定の単位枚数のセルごと)に設けたセンサーで電流を検出し、最低セル電圧に応じて空気流量を増量するようにしたのである。このようにすることで、フラッディングを解消するのに必要な必要最低限の流量だけ空気流量が増量されるようにしたのである。
以下では、具体的な制御ロジックについて説明する。
図2は、本発明による燃料電池システムのコントローラーが実行する制御内容を示すブロック図である。なおコントローラーは、微小時間(たとえば10ミリ秒)ごとにこの制御を繰り返し実行する。またコントローラーは、この制御とは別に、燃料電池スタックに対する要求に基づいて、最適な酸化剤ガス(空気)の基本供給流量が設定され、その流量が燃料電池スタックに供給されている。なお燃料電池スタックに対する要求とは、たとえば、発電要求、湿潤要求、コンプレッサー要求などである。つまり、コントローラーは、たとえば燃料電池スタックに要求される発電電力量及び燃料電池スタックの状態(HFR)に基づいて、最適な酸化剤ガス(空気)の基本供給流量が設定され、その流量が燃料電池スタックに供給される。図2のブロック図は、その基本供給流量を補正するものである。
図2のブロック図に示されているように、最低セル電圧と平均セル電圧との電圧差がフィードバックされて、目標セル電圧差に一致するように、フラッディング防止SRcフィードバック制御が実行される。なお目標セル電圧差は、理想的にはゼロである。すなわち、最低セル電圧が平均セル電圧に一致していることが理想的である。しかしながら、そのように設定されていると、フィードバック制御がハンチングしてしまうおそれがある。そこで、そのような事態を防止できるように、ある程度の幅で目標セル電圧差が設定されている。またこの目標セル電圧差は、固定値でもよいし運転状態に応じた可変値でもよい。
また最低セル電圧と平均セル電圧との電圧差を、開始判定セル電圧差及び終了判定セル電圧差を比較して、フラッディング防止SRcフィードバック制御の開始及び終了を判定する。なお開始判定セル電圧差及び終了判定セル電圧差は、仕様などに応じて予めROMに設定されている。またこの開始判定セル電圧差及び終了判定セル電圧差は、固定値でもよいし運転状態に応じた可変値でもよい。
また温度補正後のHFRとDRY限界目標HFRとを比較して許可判定を行う。すなわち、温度補正後のHFRがDRY限界目標HFRを越えているときに、空気流量を増量補正しては、過乾燥に陥る可能性がある。したがって、このようなときには、空気流量を増量補正しないことが望ましい。そこでこのような状態であるか否かを判定する。
またHFR測定可能フラグも考慮する。すなわち何らかの理由によってHFRを測定できない事態も考えられる。そこで、このような事態でないことを判定する。
以上によって、最低セル電圧と平均セル電圧との電圧差が、開始判定セル電圧差になった後、終了判定セル電圧にはなっておらず、温度補正後のHFRがDRY限界目標HFRよりも小さく、HFR測定可能である場合に、フラッディング防止SRcフィードバック制御値(フラッディング防止SRc時の最低SRc制限値)が出力される。またそのフラッディング防止SRcフィードバック制御値(フラッディング防止SRc時の最低SRc制限値)にガス制御電流が乗算されて、フラッディング防止SRc時の最低空気流量制限値が出力される。これによって空気流量が増量補正される。
なおSRcは、カソードSRのことである。そしてSRとは、「Stoichiometric Ratio」の略称であり、反応ガス量に対する供給ガス量の比(供給ガス量/反応ガス量)である。すなわちSR1の状態とは、反応ガス量だけガスを供給することを意味し、供給したすべてのガスが反応する。SR2の状態とは、反応ガス量の2倍のガスを供給することを意味し、供給したガスのうち半分のガスが反応し、残りの半分のガスは未反応のまま排出される。SRが大きいほど、供給される供給されるガス量が多くなる。
図3は、第1実施形態の制御ブロックが実行されたときの作動を説明するタイミングチャートである。
以上の制御ブロックが実行されると以下のように作動する。
最低セル電圧の低下が発生し、時刻t11で、最低セル電圧と平均セル電圧との電圧差が、開始判定セル電圧差を超える。このときHFRは、DRY限界目標HFRを越えない。またHFRも測定可能な状態である。そこで時刻t11以降は、フラッディング防止SRcフィードバック制御値(フラッディング防止SRc時の最低SRc制限値)が出力される。これによってカソードSR(SRc)が上昇し、空気流量が増量補正される。また本実施形態では、空気流量の増量補正に合わせて空気圧力を高める。これはたとえば、カソード調圧弁24の開度を小さくすればよい。これによっても過乾燥が防止される。なお図3には記載されていないが、空気流量の増量補正に合わせて燃料電池スタックに供給される冷却水の水温を下げてもよい。このようにしても、同様に過乾燥が防止される。
時刻t12で空気流量が上限に達し、これ以上は増量できなくなる。これはたとえば、音振性能や圧力損失が過大になるなどからコンプレッサーの出力を上げられない場合に、このような状態になる。このような場合には、スタックの発電電流を制限する。なおスタックの発電電流IとカソードSR(SRc)と空気流量Qとの間には、次式の関係がある。
Figure 0006089420
そのため、スタックの発電電流Iを制限することで、カソードSR(SRc)は上がる。
空気流量が増量された状態が維持されているのでフラッディングが解消されてカソードSR(SRc)が下がると、スタックの発電電流Iを下げる必要がなくなる(時刻t13)。
最低セル電圧がさらに上昇し、時刻t14で、最低セル電圧と平均セル電圧との電圧差が、終了判定セル電圧差よりも小さくなる。これによって、フラッディング防止SRcフィードバック制御値(フラッディング防止SRc時の最低SRc制限値)が出力されなくなり、カソードSR(SRc)の増量補正が終了する。
本実施形態によれば、最低セル電圧と平均セル電圧との電圧差に応じて、カソードSR(SRc)を設定して、空気流量を増量補正するようにした。このようにすることで、フラッディングを解消するのに必要な必要最低限の流量だけ空気流量が増量されるようになる。したがって、フラッディング状態でない他のセルが過乾燥してしまう事態を防止できる。また空気流量が、無用に増量されないので、空気流量を増量することによる消費電力の増加を極力抑制できる。さらに最低セル電圧の絶対値ではなく、平均セル電圧との電圧差で増量補正するので、スタックが劣化した場合や、運転条件によって燃料電池のIV特性が変化した場合であっても、精度のよい制御を実現できるのである。
また空気流量の増量補正に合わせて空気圧力を高めれば、過乾燥がさらに防止される。また空気流量の増量補正に合わせて冷却水温を下げても、過乾燥がさらに防止される。
またインピーダンスフィードバック制御のシステムに適用することで、自動的に圧力や水温が調整されて、湿潤状態が合わせこまれるので、オーバードライを抑制しつつフラッディングを抑制できるのである。
また音振性能や圧力損失などの観点からコンプレッサーの出力が制限されることがある。これに対して、本実施形態では、スタックの発電電流を制限する。これによってフラッディング防止SRcフィードバック制御を精度よく実行できる。
(第2実施形態)
図4は、本発明による燃料電池システムの第2実施形態を説明する図である。
フラッディング防止SRcフィードバック制御中に、他の要件による要求で空気流量を、さらに増量補正しなければならないことがある。このような場合に、何らの工夫なく制御しては、他の要件による要求がなくなったときに、それまでのフィードバック制御(PI制御)の影響によって、本来必要な増量補正が少なくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、フラッディング防止SRcフィードバック制御中に、他の要件による要求で、空気流量をさらに増量補正しなければならなくなったら、その時点までの電圧差(偏差)の積算量(積分成分)を記憶しておく。そして、他の要件による要求がなくなったら、その時点の電圧差(偏差)と、記憶しておいた積算量(積分成分)を用いて、フラッディング防止SRcフィードバック制御を再開する。
これについて、図4を参照して説明する。
時刻t21までは、他の要件による空気流量の増量要求があるものの、他の要件による要求による空気流量(破線)は、フラッディング防止要件による要求での空気流量(実線)よりも小さい。この場合、時刻t21までは、フラッディング防止SRcフィードバック制御の実行によって空気流量が増量されている。
時刻t21以降は、他の要件による要求で空気流量(破線)が、フラッディング防止要件による要求での空気流量(実線)を上回る。この場合、時刻t21以降は、他の要件による要求に基づいて、空気流量が増量される。
時刻t22以降は、再び、他の要件による要求で空気流量(破線)が、フラッディング防止要件による要求での空気流量(実線)よりも小さくなる。この場合、時刻t22以降は、フラッディング防止SRcフィードバック制御の実行によって空気流量が増量される。
このとき、仮に、比較形態のように、時刻t22まで演算成分を、何らの工夫なくそのまま用いて制御しては、時刻t22までの状況に基づいて、フィードバック制御(PI制御)が実行されてしまう。すなわち、制御が抑制されてしまって、空気流量が本来欲するよりも、少なくなってしまう。そのため、セル電圧の回復が遅くなってしまうのである。
これに対して、本実施形態では、時刻t21において、電圧差(偏差)の積算量(積分成分)を記憶しておく。そして、時刻t22で、フラッディング防止SRcフィードバック制御の実行によって空気流量を増量するときには、時刻t21で記憶しておいた電圧差(偏差)の積算量(積分成分)と、時刻t22での電圧差(偏差)と、を用いる。このようにすることで、適正な制御を再開でき、セル電圧の早期な回復が実現されるのである。
(第3実施形態)
図5は、本発明による燃料電池システムの第3実施形態を説明する図である。
フラッディング防止SRcフィードバック制御中に電流を制限して電流を下げることがある。このような制御を実行中に、他の要件による要求で電流を上げる必要が生じることがある。このような場合に、何らの工夫なく制御しては、他の要件による要求がなくなったときに、それまでのフィードバック制御(PI制御)の影響によって、本来必要な空気流量の増量補正が少なくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、フラッディング防止SRcフィードバック制御中であって電流を制限しているときに、他の要件による要求で電流を上げるときには、その時点までの電圧差(偏差)の積算量(積分成分)を記憶しておく。そして、他の要件による要求がなくなったら、その時点の電圧差(偏差)と、記憶しておいた積算量(積分成分)を用いて、フラッディング防止SRcフィードバック制御を再開する。
これについて、図5を参照して説明する。
時刻t31までは、他の要件による電流制限がありこれによって電流下限値が設定されているものの、他の要件による電流下限値(破線)は、フラッディング防止SRcフィードバック制御中の電流上限値(実線)よりも小さい。この場合、時刻t31までは、フラッディング防止SRcフィードバック制御の実行によって電流が設定される。
時刻t31以降は、他の要件による電流下限値(破線)が、フラッディング防止SRcフィードバック制御中の電流上限値(実線)を上回る。この場合、時刻t31以降は、他の要件による要求で電流が設定される。
時刻t32以降は、再び、他の要件による電流下限値(破線)が、フラッディング防止SRcフィードバック制御中の電流上限値(実線)よりも小さくなる。この場合、時刻t32以降は、フラッディング防止SRcフィードバック制御の実行によって電流が設定される。
このとき、仮に、時刻t32まで演算成分を、何らの工夫なくそのまま用いて制御しては、時刻t32までの状況に基づいて、フィードバック制御(PI制御)されてしまう。すなわち、制御が過剰にされてしまって、電流制限量が本来必要な量よりも、多くなってしまう。そのため、出力を取得できるタイミングが遅くなってしまうのである。
これに対して、本実施形態では、時刻t31での電圧差(偏差)の積算量(積分成分)を記憶しておく。そして、時刻t32で、フラッディング防止SRcフィードバック制御の実行によって電流を制限するときには、時刻t31で記憶しておいた電圧差(偏差)の積算量(積分成分)と、時刻t32での電圧差(偏差)と、を用いる。このようにすることで、適正な制御を再開でき、セル電圧を回復しつつ早期に出力を取得することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
たとえば、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
10 燃料電池スタック
22 コンプレッサー
24 カソード調圧弁
41 ラジエーター
42 三方弁

Claims (10)

  1. アノードに燃料ガスが供給されるとともにカソードに酸化剤ガスが供給されて電気化学反応で発電するセルを複数積層して構成される燃料電池スタックを含む燃料電池システムにおいて、
    燃料電池システムの要求に応じて、酸化剤ガス供給機の供給流量を設定する供給量設定部と、
    燃料電池のセルのインピーダンスを測定する測定部と、
    燃料電池スタックの平均セル電圧から、特定セルの電圧を引いた電圧差が所定値を超えており、且つ前記インピーダンスが所定値よりも小さい場合に前記供給流量を増量補正する供給量補正部と、
    を含む燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    供給流量を増量補正するのにあわせて、燃料電池に供給する酸化剤ガスの圧力を上げる、又は燃料電池の冷却水の温度を下げる、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    記インピーダンスをフィードバックして運転条件を変更する運転制御部をさらに含む、
    燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至3までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記供給量補正部は、前記インピーダンスを測定できないときには、前記供給流量を増量補正しない、
    燃料電池システム。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記供給量補正部で設定された供給流量が制限されるときには、供給可能な流量と、フラッディング抑制のための、前記電圧差に基づいて演算された増量補正流量と、に基づいて、燃料電池の発電電流を制限する、
    燃料電池システム。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記供給量補正部がフラッディング抑制のために増量補正している場合に、フラッディング抑制以外の他の要求に応じて供給流量をさらに増量補正するときには、その時点までの電圧差の積算量を記憶しておき、その後他の要求がなくなったときには、その時点の電圧差と、記憶しておいた積算量とを用いて、フラッディング抑制のための増量補正を再開する、
    燃料電池システム。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記供給量補正部がフラッディング抑制のために増量補正している場合に、電流を制限して電流を下げているときに、フラッディング抑制以外の他の要求に応じてスタック電流を上げるときには、その時点までの電圧差の積算量を記憶しておき、その後他の要求がなくなったときには、その時点の電圧差と、記憶しておいた積算量とを用いて、フラッディング抑制のための増量補正を再開する、
    燃料電池システム。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記供給量補正部は、前記電圧差が開始判定値よりも大きくなったら、前記供給流量の増量補正を開始する、
    燃料電池システム。
  9. 請求項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記供給量補正部は、前記供給流量の増量補正を開始後、前記電圧差が、前記開始判定値よりも小さい終了判定値よりも小さくなったら、前記供給流量の増量補正を終了する、
    燃料電池システム。
  10. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記特定のセルの電圧は、前記電圧検出部で検出されたセル電圧のなかの最低のセル電圧又は最低から2番目のセル電圧又は最低から3番目のセル電圧である、
    燃料電池システム。
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