以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の実施形態の説明においては、図1〜図9を適宜参照することとする。本明細書の以下の実施形態及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
また、以下の実施形態は本発明の一形態であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータの構成の一例を示す図である。図1に示すように、DC−DCコンバータは、トランス3と、トランス3の1次巻線3a側に接続される第1回路1と、トランス3の2次巻線3b側に接続される第2の回路2と、インダクタンス手段Lと、制御回路6とを備える。
このDC−DCコンバータは、図1に示す矢印X方向に電力を供給する場合は、第1端子T1及び第2端子T2側から入力される直流を交流に変換して第1回路1から出力し、トランス3を介して第2回路2で交流を直流に変換して出力側の第3端子T3、第4端子T4側へ供給する。これとは反対に、図1に示す矢印Y方向に電力を供給する場合は、第3端子T3及び第4端子T4側から入力される直流を交流に変換して第2回路2から出力し、トランス3を介して第1回路1で交流を直流に変換して出力側の第1端子T1、第2端子T2側へ電力を供給する。
例えば、第1端子T1、第2端子T2側又は第3端子T3、第4端子T4側が入力側となるときは外付けの入力電源が接続され、第3端子T3、第4端子T4側又は第1端子T1、第2端子T2側が出力側となるときは外付けの負荷が接続される。これらの入力電源又は負荷は、コンバータやインバータ、電池等を介して第1端子T1、第2端子T2側又は第3端子T3、第4端子T4側に接続されてもよい。
第1端子T1、第2端子T2側にはコンデンサ4及び第1回路1が接続される。第1回路1は、互いに直列に接続されたスイッチング素子11S、12Sとこれらのスイッチング素子11S、12Sにそれぞれ逆並列に接続されたダイオード11D、12Dと、互いに直列に接続されたコンデンサ13C、14Cとこれらのコンデンサ13C、14Cにそれぞれ並列に接続されたダイオード13D、14Dとを有するハーフブリッジ回路を構成する。
第2回路2は、第3端子T3側と第4端子T4側に接続され、さらに第3端子T3側と第4端子T4側にはコンデンサ5が接続される。第2回路2は、第1レグ21及び第2レグ22の上下アームをスイッチング素子21S〜24Sで構成したフルブリッジの回路となっている。第1レグ21の上下アームのスイッチング素子21S、22Sは互いに直列に接続される。スイッチング素子21S、22Sにはそれぞれ逆並列にダイオード21D、22Dが接続される。第2レグ22の上下アームのスイッチング素子23S、24Sは互いに直列に接続される。スイッチング素子23S、24Sにはそれぞれ逆並列にダイオード23D、24Dが接続される。
第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cは、第1レグ21の上下アームのスイッチング素子21S、22Sにそれぞれ並列に接続される。なお、第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cは、第2レグ22の上下アームのスイッチング素子23S、24Sにそれぞれ並列に接続されてもよい。
1次巻線3aと2次巻線3bとを有するトランス3は、第1回路1と第2回路2とを接続する。図1では、第1回路1に接続される1次巻線3aは、インダクタンス手段Lを介して、スイッチング素子11S、12Sが直列に接続される接続点側及びコンデンサ13C、14Cが直列に接続される接続点側に接続される。第2回路2に接続される2次巻線3bは、第1レグ21の上下アームのスイッチング素子21Sと22Sとの接続点側及び第2レグ22の上下アームのスイッチング素子23S、24Sの接続点側に接続される。
インダクタンス手段Lは、図1では、第1回路1のスイッチング素子11S、12Sが直列に接続される接続点側に接続されているが、第1回路1のコンデンサ13C、14Cの接続点側に接続されてもよい。また、図1では、インダクタンス手段Lをトランス3の1次巻線3a側に接続したが、2次巻線3b側に接続してもよい。この場合は、インダクタンス手段Lの一端を第2回路2のスイッチング素子21S、22Sの接続点側又はスイッチング素子23S、24Sの接続点側に、インダクタンス手段Lの他端を2次巻線3b側に接続する。
制御回路6は、第1回路1のスイッチング素子11S、12S及び第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sにそれぞれ駆動信号を与えて、各スイッチング素子のオンオフ制御をするものである。
第1回路1の電圧検出手段7は第1端子T1及び第2端子T2間の電圧を検出し、第2回路2の電圧検出手段8は第3端子T3及び第4端子T4間の電圧を検出するものであり、電圧検出手段7、8で検出された電圧検出値は制御回路6に入力される。制御回路6は、この電圧検出値にもとづいて第1回路1のスイッチング素子11S、12S及び第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sをオンオフさせて、第2回路2の出力電圧を制御する。例えば、制御回路6は、電圧検出値を負荷条件に応じた目標電圧値に近づけるように第1回路1のスイッチング素子11S、12S及び第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sのパルス幅や周波数等を変調させるパルス制御を行う。電圧検出手段7、8は、例えば、第1端子T1と第2端子T2との間、第3端子T3と第4端子T4との間に抵抗を接続し、この抵抗に印加される電圧を検出する。
なお、駆動信号については、第1回路1のスイッチング素子、第2回路2のスイッチング素子をオンさせるための駆動信号をオン信号、オフさせるための駆動信号をオフ信号として下記の動作で説明する。駆動信号としては、電圧、電流などを用いる。また、オン信号、オフ信号等は、オン、オフの期間ずっと信号を与えるものであっても、トリガーとして短い時間の信号を与えるものであってもよく、特に限定されるものではない。
次に動作について説明する。本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて、図1に示す矢印Y方向、すなわち第2回路2から第1回路1へ電力を供給する場合と、図1に示す矢印X方向、すなわち第1回路1から第2回路2へ電力を供給する場合とがある。このY方向又はX方向の場合において、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも高くなるように動作させたときとトランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも低くなるように動作させたときについてそれぞれ説明する。
図1に示す矢印Y方向に電力を供給する場合は、第2回路2の第1レグ21又は第2レグ22の上アームのスイッチング素子21S、23Sと第2レグ22又は第1レグ21の下アームのスイッチング素子24S、22Sとを組にして交互にオンオフさせる。
まず、矢印Y方向に電力を供給する場合において、第1端子T1、第2端子T2側の出力電圧をトランス3の1次巻数3aと2次巻線3bとの巻数比で換算した換算出力電圧が第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧よりも高くなるようにする動作について説明する。
制御回路6は、組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23S又はスイッチング素子21S、24Sが共にオン状態のときに、第1回路のスイッチング素子11S、12Sの一方を導通させる。インダクタンス手段Lに、第3端子T3、第4端子T4側から入力されるエネルギーを蓄積させてから、オン状態にある第1回路1のスイッチング素子11S又はスイッチング素子12Sをオフさせる。その後に組となる第2回路のスイッチング素子22S、23S又はスイッチング素子21S、24Sについては、第2コンデンサ22C又は第1コンデンサ21Cが並列に接続された第1レグのスイッチング素子22S又はスイッチング素子21Sを先にオフさせてから第2レグ22のスイッチング素子23S又はスイッチング素子24Sを後からオフさせる。
次に、矢印Y方向に電力を供給する場合において、第1端子T1、第2端子T2側の出力電圧をトランス3の1次巻数3aと2次巻線3bとの巻数比で換算した換算出力電圧が第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧よりも低くなるようにする動作について説明する。
この場合、制御回路6は、組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23S又はスイッチング素子21S、24Sが共にオン状態のときに、インダクタンス手段Lと第1回路1のコンデンサ13C、コンデンサ14Cとの共振電流を第1回路1のスイッチング素子11S又はスイッチング素子12Sに並列に接続されたダイオード11D又はダイオード12Dの順方向に流すように制御する。
反対に、図1に示す矢印X方向に電力を供給する場合は、第1回路1のスイッチング素子11Sとスイッチング素子12Sと交互にオンオフする。
まず、第3端子T3、第4端子T4側の出力電圧をトランス3の1次巻数3aと2次巻線3bとの巻数比で換算した換算出力電圧が第1端子T1、第2端子T2側の入力電圧よりも高くなるようにする動作について説明する。
制御回路6は、第1回路1のスイッチング素子11S、スイッチング素子12Sの一方がオン状態のときに、第2コンデンサ22C又は第1コンデンサ21Cが並列に接続された第1レグ21のスイッチング素子22S又はスイッチング素子21Sをオンさせる。第1端子T1、第2端子T2側から入力されるエネルギーをインダクタンス手段Lに蓄積させてから、オン状態にある第2回路2の第1レグ21のスイッチング素子22S又はスイッチング素子21Sをオフさせる。その後に、第1回路1のスイッチング素子23S又はスイッチング素子24Sをオフさせる。
次に、第3端子T3、第4端子T4側の出力電圧をトランス3の1次巻数3aと2次巻線3bとの巻数比で換算した換算出力電圧が第1端子T1、第2端子T2側の入力電圧よりも低くなるようにする動作について説明する。
制御回路6は、第1回路1のスイッチング素子11S、スイッチング素子12Sの一方がオン状態のときに、第1回路1のコンデンサ13C、スイッチング素子14Cとインダクタンス手段Lによる共振電流を、組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23S又はスイッチング素子21S、24Sにそれぞれ並列に接続されたダイオード22D、23D又はダイオード21D、24Dの順方向に流すように制御する。
次に、矢印Y方向の動作について、さらに詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて、第2回路2から第1回路1へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも高くなるようにする動作の一例について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第2回路2から第1回路1へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも高くなるように動作させたときの電流の一例を示す波形図である。図2では、第1回路1のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sの駆動信号及び第1回路1のスイッチング素子11S、12S、ダイオード11D、12D、第2回路2のスイッチング素子21S〜24S、ダイオード21D〜24D、第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cの電流を示している。
また、図3は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第2回路2から第1回路1へ電力を供給する場合に、トランスの巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも高くなるように動作させたときの各タイミングで形成される回路図である。
ここで、図2に示す電流波形では、第1回路1のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sを順方向に流れる電流及びコンデンサ13C、14C、第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cを充電する方向に流れる電流をプラスとしている。一方、第1回路1のダイオード11D〜14D、第2回路2のダイオード21D〜24Dを順方向に流れる電流、コンデンサ13C、14C、第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cを放電する方向に流れる電流及び第1回路1のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sを逆方向に流れる電流をマイナスとしている。
図2において、いま、時刻t1で、組となる第2回路2のスイッチング素子22S、スイッチング素子23S及び第1回路1のスイッチング素子11Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子22S、スイッチング素子23S及びスイッチング素子11Sは導通可能な状態となる。スイッチング素子22S、スイッチング素子23S及びスイッチング素子11Sが順方向に導通すると、図3(a)の回路が形成される。第2回路2では、第3端子T3からスイッチング素子23S、2次巻線3b、スイッチング素子22S、第4端子T4の方向に電流が流れる。第1回路1では、コンデンサ13Cの放電電流及びコンデンサ14Cの充電電流が、第1回路1のスイッチング素子11Sを導通してインダクタンス手段L、1次巻線3aを介して流れる。第1回路1のスイッチング素子11Sがオン状態となることで、コンデンサ13Cとインダクタンス手段Lと1次巻線3aとによる直列回路がスイッチング素子11Sで短絡されることになる。このため、インダクタンス手段Lには、第1回路1のスイッチング素子11Sをオンさせない場合と比べてその両端に大きな電圧が印加されるので、インダクタンス手段Lには時間に対する変化分が大きい電流が流れることが図2の第2回路2のスイッチング素子23S、スイッチング素子22S及び第1回路1のスイッチング素子11Sに流れる電流からわかる。
図2では、組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23S及び第1回路1のスイッチング素子11Sに駆動信号が与えられた時刻t1のときにそれぞれのスイッチング素子は導通可能な状態となる。図2のスイッチング素子22S、コンデンサ22C、ダイオード22Dの電流及びスイッチング素子23S、ダイオード23Dの電流の波形は、時刻t1のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子22S、スイッチング素子23Sを順方向に導通し始め、このときに第1回路1のスイッチング素子11Sの電流も順方向に導通し始めている。つまり、組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23Sが共に順方向に導通するときに、第1回路1のスイッチング素子11Sを順方向に導通させている。なお、組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23Sのうち先にオフさせるスイッチング素子22Sの駆動信号は時刻t1よりも前から与えておいてもよい。
時刻t2で第1回路1のスイッチング素子11Sがオフしたとすると図3(b)の回路が形成される。第2回路2では、時刻t1から引続きスイッチング素子23S、スイッチング素子22Sを介して電流が流れている。第1回路1では、スイッチング素子11Sがオフするとダイオード12Dが導通し始め、コンデンサ13Cの放電電流及びコンデンサ14Cの充電電流がダイオード12D、インダクタンス手段L、1次巻線3aを介して流れる。図2に示すように、第2回路2の組となるスイッチング素子22S、23S及び第1回路1のダイオード12Dの電流は、コンデンサ13C、14Cとインダクタンス手段Lとの共振動作により正弦波状となっている。
時刻t3でコンデンサ13C、コンデンサ14C及びインダクタンス手段Lとの共振電流がほぼゼロになると図3(c)の回路が形成される。第2回路2では、スイッチング素子22S、23S及び2次巻線3bを介してトランス3の励磁電流が流れる。このとき、第1回路1のスイッチング素子12Sはオフ状態である。充電状態にあるコンデンサ14Cの極性はダイオード12Dを逆バイアスする向きとなるので、コンデンサ14Cの放電電流を流す電流経路が形成されない。同様に、両端電圧がほぼゼロ状態にあるコンデンサ13Cを充電する電流経路も形成されない。
時刻t4では、第2回路2のスイッチング素子22Sがオフすると図3(d)の回路が形成される。第2回路2では、スイッチング素子22Sに並列に接続された第2コンデンサ22Cを充電する電流及び第1コンデンサ21Cからは放電電流がそれぞれスイッチング素子23Sを介して流れる。第1回路では、時刻t3から引続き電流が流れる経路が形成されていない。ここでは、組となる第2回路2のスイッチング素子22Sと23Sのうち、第2コンデンサ22Cが並列に接続されたスイッチング素子22Sを先にオフさせている。
時刻t5では、第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cの充放電動作が終わると図3(e)の回路が形成される。第2回路2ではダイオード21Dが導通し始め、スイッチング素子23Sを介して電流が流れる。
時刻t6で第2回路2のスイッチング素子23Sがオフすると図3(f)の回路が形成される。第2回路2では、第2回路2のダイオード21Dを流れていた電流がダイオード24Dを介して流れ始める。なお、このダイオード21D又はダイオード24Dの導通は、スイッチング素子21S又はスイッチング素子24Sを逆方向に導通させるものであってもよい。
時刻t7で他方の組となる第2回路2のスイッチング素子21S、24S及び第1回路1のスイッチング素子12Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子21S、24S及びスイッチング素子12Sは導通可能な状態となる。図2のスイッチング素子21S、コンデンサ21C、ダイオード21Dの電流及びスイッチング素子24S、ダイオード24Dの電流の波形は、時刻t7のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子21S、スイッチング素子24Sを順方向に導通し始め、このときに第1回路1のスイッチング素子12Sの電流も順方向に導通し始めている。スイッチング素子21S、24S及びスイッチング素子12Sが順方向に導通すると、図3(g)の回路が形成される。第2回路2では、第3端子T3からスイッチング素子21S、2次巻線3b、スイッチング素子24S、第4端子T4の方向に電流が流れる。第1回路1では、コンデンサ14Cの放電電流及びコンデンサ13Cの充電電流が、第1回路1のスイッチング素子12Sを導通してインダクタンス手段Lを介して流れる。時刻t1から時刻t7までの動作が半周期の動作となる。なお、第1コンデンサ21Cを放電させて、時刻t7の直前にはスイッチング素子21Sの両端電圧をほぼゼロ電圧の状態にし、時刻t7でスイッチング素子21Sを順方向に導通させることでゼロ電圧スイッチングを実現できる。
時刻t7以後は、他方の組となる第2回路2のスイッチング素子21S、24S及び第1回路1のスイッチング素子12Sに対して上記の一方の組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23S及び第1回路1のスイッチング素子11Sのときと同様の動作を行う。この動作を交互に繰り返し行う。
なお、図2では、スイッチング素子22S、23S又はスイッチング素子21S、24Sのオン信号を同時に与えているが、第2コンデンサ22C又は第1コンデンサ21Cが接続されているスイッチング素子22S又はスイッチング素子21Sのオン信号を与える時点をスイッチング素子23S又はスイッチング素子24Sのオン信号を与える時点より前としてもよい。
上述の通り、本発明に係るDC−DCコンバータは、第1回路1のスイッチング素子11S又は12Sをオンさせてコンデンサ13C又は14Cとインダクタンス手段Lと1次巻線3aとを有する直列回路をスイッチング素子11S又は12Sで短絡状態にする。インダクタンス手段Lには、第1回路1のスイッチング素子11S又は12Sをオンさせない場合と比べてその両端に大きな電圧が印加されるので、インダクタンス手段Lには時間に対する変化分が大きい電流が流れ、インダクタンス手段Lに蓄積されるエネルギー量を大きくすることができる。このため、本発明に係るDC−DCコンバータは、第1端子T1、第2端子T2側の出力電圧をトランス3の巻数比で換算した換算出力電圧が第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧よりも高くできる。特に第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧が低いときにも、トランス3の巻数比で換算した換算出力電圧が入力電圧値の2倍よりも大きな値となるDC−DCコンバータを実現できる。
次に、第2回路2から第1回路1へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも低くなるようにする動作の一例について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第2回路2から第1回路1へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも低くなるように動作させたときの電流の一例を示す波形図である。図4では、第1回路1のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sの駆動信号及び第1回路1のスイッチング素子11S、12S、ダイオード11D、12D、第2回路2のスイッチング素子21S〜24S、ダイオード21D〜24D、第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cの電流を示している。
また、図5は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第2回路2から第1回路1へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも低くなるように動作させたときの各タイミングで形成される回路図である。ここで、図5に示す電流波形の極性については、前述の図2の場合と同様とする。
図4において、いま、時刻t11で、組となる第2回路2のスイッチング素子22S及び23Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子22S及びスイッチング素子23Sは導通可能な状態となる。図4のスイッチング素子22S、コンデンサ22C、ダイオード22Dの電流及びスイッチング素子23S、ダイオード23Dの電流の波形は、時刻t11のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子22S及びスイッチング素子23Sが順方向に導通し始める。スイッチング素子22S及びスイッチング素子23Sが順方向に導通すると、図5(a)の回路が形成される。第2回路2では、第3端子T3からスイッチング素子23S、2次巻線3b、スイッチング素子22S、第4端子T4の方向に電流が流れる。第1回路1では、コンデンサ13Cの放電電流及びコンデンサ14Cの充電電流が、ダイオード12Dを導通してインダクタンス手段L、1次巻線3aを介して流れる。第2回路2のスイッチング素子22S、23S及び第1回路のダイオード12Dには、コンデンサ13C、14Cとインダクタンス手段Lとの共振動作による正弦波状の電流が流れる。
時刻t12でコンデンサ13C、14Cとインダクタンス手段Lとの共振動作による電流がほぼゼロになると図5(b)の回路が形成される。第2回路2では、スイッチング素子22S、23S及び2次巻線3bを介してトランス3の励磁電流が流れる。このとき、第1回路1のスイッチング素子12Sはオフ状態である。充電状態にあるコンデンサ14Cの極性はダイオード12Dを逆バイアスする向きとなるので、コンデンサ14Cの放電電流を流す電流経路が形成されない。同様に、両端電圧がほぼゼロ状態にあるコンデンサ13Cを充電する電流経路は形成されない。
時刻t13で第2回路2のスイッチング素子22Sがオフすると図5(c)の回路が形成される。第2回路2では、スイッチング素子22Sに並列に接続された第2コンデンサ22Cを充電する電流及び第1コンデンサ21Cからは放電電流がそれぞれスイッチング素子23Sを介して流れる。第1回路では、時刻t13から引続き電流経路が形成されていない。ここでは、組となる第2回路2のスイッチング素子22Sと23Sのうち、第2コンデンサ22Cが並列に接続されたスイッチング素子22Sを先にオフさせている。
時刻t14で第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cの充放電動作が終わるとダイオード21Dが導通し始め、図5(d)の回路が形成される。第2回路2ではダイオード21D及びスイッチング素子23Sを介してトランス3の励磁電流が流れる。
時刻t15で第2回路2のスイッチング素子23Sがオフすると図5(e)の回路が形成される。第2回路2では、第2回路2のダイオード21Dを流れていた電流がダイオード24Dを介して流れ始める。
時刻t16で他方の組となる第2回路2のスイッチング素子21S、24Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子21S及びスイッチング素子24Sは導通可能な状態となる。図4のスイッチング素子21S、コンデンサ21C、ダイオード21Dの電流及びスイッチング素子24S、ダイオード24Dの電流の波形は、時刻t16のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子21S及びスイッチング素子24Sが順方向に導通し始める。スイッチング素子21S及びスイッチング素子24Sが順方向に導通すると、図5(f)の回路が形成される。第2回路2では、第3端子T3からスイッチング素子21S、2次巻線3b、スイッチング素子24S、第4端子T4の方向に電流が流れる。第1回路1では、コンデンサ14Cの放電電流及びコンデンサ13Cの充電電流が、第1回路1のダイオード11Dを導通して1次巻線3a、インダクタンス手段Lを介して流れる。なお、第1コンデンサ21Cを放電させて、時刻t16の直前にはスイッチング素子21Sの両端電圧をほぼゼロ電圧の状態にし、時刻t16でスイッチング素子21Sを順方向に導通させることでゼロ電圧スイッチングを実現できる。特に、スイッチング素子22S又は21Sに流れる電流が大きい状態でスイッチング素子22S又は21Sをオフさせた場合に、第1コンデンサ21C又は第2コンデンサ22の充放電動作により、スイッチング素子22S又は21Sのオフ時に発生する損失を低減させることができる。
上述の時刻t11から時刻t16までが半周期の動作となる。時刻t16以後は、他方の組となる第2回路2のスイッチング素子21S、24Sに対して上記の一方の組となる第2回路2のスイッチング素子22S、23Sのときと同様の動作を行う。この動作を繰り返し行う。
上述の動作により、本発明に係るDC−DCコンバータは、トランス3の巻数比で換算した第1端子T1、第2端子T2側の出力電圧の換算出力電圧を第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧よりも低くできる。
また、図1の矢印Y方向に電力を供給する場合に、第1端子T1、第2端子T2側の出力電圧をトランス3の巻数比で換算した換算出力電圧が第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧よりも高く又は低くする動作を行うことで、第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧、電力範囲が広い場合であっても、これに対応した広範囲の出力電圧、電力を第1端子T1、第2端子T2側で得ることができるDC−DCコンバータを実現できる。
本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて、第1回路1から第2回路2へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも高くなるようにする動作の一例について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第1回路1から第2回路2へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも高くなるように動作させたときの電流の一例を示す波形図である。図6では、第1回路1のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sの駆動信号及び第1回路1のスイッチング素子11S、12S、ダイオード11D、12D、第2回路2のスイッチング素子21S〜24S、ダイオード21D〜24D、第1コンデンサ21C、第2コンデンサ22Cの電流を示している。
また、図7は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第1回路1から第2回路2へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも高くなるように動作させたときの各タイミングで形成される回路図である。ここで、図6に示す電流波形の極性については、前述の図2の場合と同様とする。
図6において、いま、時刻t21で、第2回路2のスイッチング素子22Sにオン信号が与えられている状態で第1回路1のスイッチング素子11Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子11Sは導通可能な状態となる。図6のスイッチング素子11S、ダイオード11Dの電流波形は、時刻t21のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子11Sを順方向に導通し始める。スイッチング素子11Sが順方向に導通すると、図7(a)の回路が形成される。第1回路1では、コンデンサ13Cの放電電流及びコンデンサ14Cの充電電流が、第1回路1のスイッチング素子11Sを導通してインダクタンス手段L、1次巻線3aを介して流れる。第2回路2では、スイッチング素子22Sを導通し、ダイオード24D、2次巻線3bを介した回路が形成される。2次巻線3bがスイッチング素子22S及びダイオード24Dにより短絡状態となり、第1端子T1、第2端子T2側から入力される電力がインダクタンス手段Lに蓄積される。インダクタンス手段Lには、第2回路2のスイッチング素子22Sをオンさせない場合と比べて大きな電圧が印加されるので、図6に示すようにインダクタンス手段Lには時間に対する変化分が大きな電流が流れる。
時刻t22で第2回路2のスイッチング素子22Sがオフしたとすると図7(b)の回路が形成される。第1回路1では、コンデンサ13Cの放電電流及びコンデンサ14Cの充電電流が、スイッチング素子11Sを介して流れる。第2回路2では、第1コンデンサ21Cの放電電流とオフしたスイッチング素子22Sに並列に接続された第2コンデンサ22Cの充電電流とがダイオード24Dを介して流れる。この時刻t22でスイッチング素子22Sをオフする際に流れる電流値が大きい場合であっても、第1コンデンサ21C及び第2コンデンサ22Cの充放電動作により、スイッチング素子22Sをオフ時のスイッチング損失を低減させることができる。
第2回路2では、第1コンデンサ21C及び第2コンデンサ22Cの充放電動作が終わると、図7(c)の回路が形成される。第1回路1では、引続きコンデンサ13Cの放電電流及びコンデンサ14Cの充電電流が、スイッチング素子11Sを介して流れている。第2回路2では、ダイオード21Dが導通してダイオード24を介して電流が流れる。図6に示すように、第1回路1のスイッチング素子11S、第2回路2のダイオード21D、24Dには、コンデンサ13C、14Cとインダクタンス手段Lとによる共振電流が流れている。
時刻t23でコンデンサ13C、コンデンサ14C及びインダクタンス手段Lとの共振電流がほぼゼロになるとすると図7(d)の回路が形成される。第1回路1では、スイッチング素子11S、ダイオード13Dを導通して電流が流れる。第2回路2では、あらかじめオン信号を入れておいたスイッチング素子21Sが順方向に導通しダイオード23Dを介して循環電流が流れる。第1コンデンサ21Cを放電して時刻t23の直前にはスイッチング素子21Sの両端電圧をほぼゼロ状態としてからスイッチング素子21Sが順方向に導通するのでゼロ電圧スイッチングを実現できる。
時刻t24で第1回路1のスイッチング素子11Sがオフすると図7(e)の回路が形成される。第1回路1では、ダイオード12Dが導通しダイオード13Dを介してトランス3の励磁電流が流れる。第2回路2では、時刻t23から引続きスイッチング素子21Sとダイオード23Dを通じて循環電流が流れる。
時刻t25で第1回路1のスイッチング素子12Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子12Sは導通可能な状態となる。図6のスイッチング素子12S、ダイオード12Dの電流波形は、時刻t25のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子12Sを順方向に導通し始める。スイッチング素子12Sが順方向に導通すると、図7(f)の回路が形成される。第1回路1では、コンデンサ14Cの放電電流及びコンデンサ13Cの充電電流がスイッチング素子12Sを介して流れる。2次巻線3bはスイッチング素子21S及びダイオード23Dにより短絡され、第1端子T1、第2端子T2側から入力される電力がインダクタンス手段Lに蓄積される。時刻t21から時刻26までの動作が半周期の動作となる。
時刻26以後は、第1回路1のスイッチング素子12S及び第2回路2のスイッチング素子21Sに対して上記の第1回路1のスイッチング素子11S及び第2回路2のスイッチング素子22Sのときと同様の動作を行う。この動作を交互に繰り返し行う。
上述の通り、本発明に係るDC−DCコンバータは、第2回路2のスイッチング素子21S又は22Sをオンさせて2次巻線3bをスイッチング素子21S又は22Sとダイオード23D又は24Dとで短絡させる。インダクタンス手段Lには、第2回路2のスイッチング素子21S又は22Sをオンさせない場合と比べてその両端に大きな電圧が印加されるので、インダクタンス手段Lには時間に対する変化分が大きい電流が流れ、インダクタンス手段Lに蓄積されるエネルギー量を大きくすることができる。
このため、本発明に係るDC−DCコンバータは、トランス3の巻数比で換算した第1端子T1、第2端子T2側の出力電圧の換算出力電圧を第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧よりも高くできる。特に第1端子T1、第2端子T2側の入力電圧が低いときにも、トランス3の巻数比で換算した換算出力電圧が入力電圧よりも大きいDC−DCコンバータを実現できる。
次に、第1回路1から第2回路2へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも低くなるようにする動作の一例について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第1回路1から第2回路2へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも低くなるように動作させたときの電流の一例を示す波形図である。図8では、第1回路1のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sの駆動信号及び第1回路1のスイッチング素子11S、12S、ダイオード11D、12D、第2回路2のダイオード21D〜24Dの電流を示している。
また、図9は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータにおいて第1回路1から第2回路2へ電力を供給する場合に、トランス3の巻数比で換算した出力電圧が入力電圧よりも低くなるように動作させたときの各タイミングで形成される回路図である。ここで、図8に示す電流波形の極性については、前述の図2の場合と同様とする。
図8において、いま、時刻t31で第1回路1のスイッチング素子11Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子11Sは導通可能な状態となる。図8のスイッチング素子11S、ダイオード11Dの電流波形は、時刻t31のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子11Sを順方向に導通し始める。スイッチング素子11Sが順方向に導通すると、図9(a)の回路が形成される。第1回路1では、コンデンサ13Cの放電電流及びコンデンサ14Cの充電電流がスイッチング素子11Sを介して流れる。第2回路2では、ダイオード21D、ダイオード24Dを介して電流が流れる。第1回路1のスイッチング素子11S及び第2回路のダイオード21D、24Dには、インダクタンス手段Lと第1回路1のコンデンサ13C、14Cとの共振動作による正弦波状の電流が流れる。
時刻t32でコンデンサ13C、14Cとインダクタンス手段Lとの共振動作による電流がほぼゼロになると図9(b)の回路が形成される。第1回路1では、ダイオード13Dが導通しスイッチング素子11Sを介してトランス3の励磁電流が流れる。
時刻t33で第1回路1のスイッチング素子11Sがオフすると図9(c)の回路が形成される。第1回路1では、ダイオード12Dが導通しダイオード13Dを介してトランス3の励磁電流が流れる。
時刻t34で第1回路1のスイッチング素子12Sにオン信号が与えられたとすると、スイッチング素子12Sは導通可能な状態となる。図8のスイッチング素子12S、ダイオード12Dの電流波形は、時刻t34のときにマイナス側に流れていた電流がゼロとなった後にスイッチング素子12Sを順方向に導通し始める。スイッチング素子12Sが順方向に導通すると、図9(d)の回路が形成される。第1回路1では、コンデンサ14Cの放電電流及びコンデンサ13Cの充電電流がスイッチング素子12Sを介して流れる。第2回路2では、ダイオード22D、ダイオード23Dを導通して電流が流れる。第1回路1のスイッチング素子12S及び第2回路のダイオード22D、23Dには、インダクタンス手段Lと第1回路1のコンデンサ13C、14Cとの共振動作による正弦波状の電流が流れる。
上記の時刻t31から時刻t34までの動作が半周期の動作となる。時刻t34以後は、第1回路1のスイッチング素子12Sに対して上記の第1回路1のスイッチング素子11Sのときと同様の動作を行う。この第1回路1のスイッチング素子11S、12Sの動作を交互に繰り返し行う。
上述の動作により、本発明に係るDC−DCコンバータは、トランス3の巻数比で換算した第3端子T3、第4端子T4側の出力電圧の換算出力電圧を第1端子T1、第2端子T2側の入力電圧よりも低くできる。
また、図1の矢印X方向に電力を供給する場合に、第3端子T3、第4端子T4側の出力電圧をトランス3の巻数比で換算した換算出力電圧が第1端子T1、第2端子T2側の入力電圧よりも高く又は低くする動作を行うことで、第1端子T1、第2端子T2の入力電圧、電力範囲が広い場合であっても、これに対応した広い範囲の出力電圧、電力を第3端子T3、第3端子T3側で得ることができるDC−DCコンバータを実現できる。
さらに、本発明に係るDC−DCコンバータにおいて、上述の図1の矢印X方向及び矢印Y方向の電力供給を行うことで、双方向に動作するDC−DCコンバータを実現できる。すなわち、図1の矢印Y方向に電力を供給する場合に、第1端子T1、第2端子T2側の出力電圧をトランス3の巻数比で換算した換算出力電圧が第3端子T3、第4端子T4側の入力電圧よりも高く又は低くする動作を行い、反対に、図1の矢印X方向に電力を供給する場合には、第3端子T3、第4端子T4側の出力電圧をトランス3の巻数比で換算した換算出力電圧が第1端子T1、第2端子T2側の入力電圧よりも高く又は低くする動作を行うことで、第3端子T3、第4端子T4側又は第1端子T1、第2端子T2側の入力電圧、電力範囲が広い場合であっても、これに対応した広い範囲の出力電圧、電力を第1端子T1、第2端子T2側又は第3端子T3、第3端子T3側で得ることができる双方向のDC−DCコンバータを実現できる。
上記の実施形態において、第1回路1、第2回路2のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sにそれぞれ並列に接続されるダイオード11D、12D、ダイオード21D〜24Dは、スイッチング素子内蔵のダイオードであっても別部品を外付けしたものであってもよい。
第2回路2のスイッチング素子21S、22Sに並列に接続される第1、第2コンデンサ21C、22Cは、外付けされる容量、スイッチング素子21S、22Sの寄生容量、又はこれらの組み合わせであってもよい。第2回路2のスイッチング素子23S、24Sにおいても、外付けされる容量、スイッチング素子23S、24Sの寄生容量がコンデンサとしてスイッチング素子23S、24Sに並列に接続されていてもよい。上記の実施形態において、組となる第2回路2のスイッチング素子21S、24S又は22S、23Sのうち、並列に接続されるコンデンサの容量が大きい、例えばスイッチング素子21S、22Sを後からオフされるスイッチング素子23S、24Sよりも先にオフさせることでスイッチング損失の低減を図ることができる。
上記の実施形態において、第1回路1のスイッチング素子11S、12S、第2回路2のスイッチング素子21S〜24Sの駆動信号は、それぞれのスイッチング素子を順方向に導通させる時点より前に与えておいてもよい。また、ダイオード11D、12D、ダイオード21D〜24Dの順方向に流す電流を、これらのダイオードに並列に接続される内部インピーダンスの低いスイッチング素子を逆方向に導通させることで導通時の損失の低減を図ることができる。
本発明の電気回路において、接続点とは電気的に接続されて同電位にある部位を言い、物理的に接続された点を言うものではない。また、本発明に係るDC−DCコンバータにおける各部の構成、構造、数、配置、形状、材質などに関しては、上記具体例に限定されず、当業者が適宜選択的に採用したものも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に包含される。より具体的には、例えば、スイッチング素子、半導体素子、ダイオード、コンデンサ、インダクタンス手段などとして記号により例示したものなどは、これら特定の電気素子には限定されず、同様の機能または作用を有する単一の電気素子あるいは複数の電気素子を含む電気回路として構成することができ、これらすべての変形は、本発明の範囲に包含される。