JP6087806B2 - ポイント付与装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、ポイント付与装置及びそのプログラムに関する。
従来は消費税率の移行時期になると、消費税率の変わる前夜に、新たな消費税率の値を各端末に向け一斉配信することで、各端末の消費税率の値の更新を実施していた。各端末は、新たな消費税率の値を受信すると、既存の消費税率の値から新たな消費税率の値に強制的に値を置き換える処理を行う。
一斉配信した際に端末の電源がOFFになっていると、その端末の消費税率の値の更新は行われない。この場合、ユーザは、自分の端末の消費税率の値が更新されているかどうかを知らずに端末を使用し、この使用により初めて消費税率の値の更新の有無を知ることになる。複数台の端末を導入している店舗などにおいては、どの端末の消費税率の値が更新されていてどの端末が更新されていないかを直ちに把握できない。このため、消費税率の値が更新されていない端末があった場合、以前の設定のままでポイントを換算することとなり、消費税率の値の至急の変更が求められることになる。
また、昨今では決済時にポイントを付与するサービスも広く行われており、ポイントの算定基準にしているものとして消費税率の影響を受けるものを採用する会社も数多く見られるため、至急の改善が求められる。
本発明が解決しようとする課題は、消費税率が変更された場合に顧客ポイントの算出の基準となる情報を自動的に変更することが可能なポイント付与装置及びそのプログラムを提供することである。
実施形態のポイント付与装置は、ポイント算出基準情報を記憶しておく記憶手段と、購入した商品または利用したサービスに基づく顧客ポイントを上記ポイント算出基準情報に応じて付与するポイント付与手段と、所定の日時を過ぎると上記記憶手段のポイント算出基準情報を変更するとともに、上記所定の日時から一定期間が過ぎると上記記憶手段のポイント算出基準情報の変更を止めるポイント算出基準情報変更手段とを有する。
第1の実施形態に係るポイント付与装置の概観斜視図である。 第1の実施形態に係るポイント付与装置の構成図である。 税込み金額基準単価情報の変更を示す説明図である。 第1の実施形態におけるポイント付与装置の変形例である。 税率情報の変更を示す説明図である。 第2の実施形態に係るポイント付与装置のハードウエア構成図である。 ポイント付与装置の動作フローである。 ポイント付与処理の処理フローである。 税率変更による更新処理の処理フローである。
(第1の実施形態)
本実施の形態は、顧客の商品購入額(支払額)に対してポイントを付与するポイントサービス機能やカード決済を行うカード決済機能を備えたカード処理装置(決済端末)をポイント付与装置として適用した例を示すものである。
図1は、第1の実施形態に係るポイント付与装置の概観斜視図である。
図1のポイント付与装置1Yには、本体10Yの側部に電源スイッチ11Yが設けられている。更に本体10Yの上部には上面パネル12Yが開閉自在に設けられている。この上面パネル12Yの表面にはタッチ入力式のタッチパネルを敷設した表示画面13Yが設けられている。上面パネル12Yを開くと、本体10Yの内部の印字部(不図示)が露出し、ここにロール状のレシート用紙をセットすることでレシート用紙への印字が可能となる。 印字後のレシート用紙は、本体10Yと上面パネル12Yとの間に設けられているレシート発行口14Yから発行される。
また、本体10Yの側面上部には、ポイントカードや決済カードの読取りや書込みを行うカード読取/書込部15Yが設けられており、クレジットカードやデビットカードなどのカード情報の読み取りと書き込みをここで行う。
なお、本体10Yの背面下部には(本体10Yの影に当たり、図に現れない部分)、POS端末や外部機器との通信を行うための各種のケーブル接続部(後述する決済情報取得部や通信部)が設けられている。
図2は、第1の実施形態に係るポイント付与装置の構成図である。
図2のポイント付与装置1は、制御部10、記憶部11、計時部12、カード読取/書込部13、決済情報取得部14、及び通信部15を備えている。
計時部12は、時間を計時するタイマーである。例えば、クロック発振器からのクロック信号を取り出して日時を計時する内部タイマーである。
カード読取/書込部13は、顧客の貯めたポイントをポイントカードから読み取り、購入金額や使用したサービスに応じて付与されるポイントやポイントの総額をポイントカードに書き込むためのリーダライタである。例えば、磁気ストライプ式カードの磁気部に記憶されたポイントの読み取りと磁気部へのポイントの書き込みを行う磁気カードリーダライタや、ICカードのICチップに記憶されたポイントの読み取りとICチップへのポイントの書き込みを行うICカードリーダライタなどである。
決済情報取得部14は、POS(Point Of Sales)端末や決済端末などの決済機器と通信接続し、またはキーボードなどからの入力により、顧客が決済した金額を表す情報(決済金額情報)を取得する手段である、決済情報取得部14は例えばUSB(Universal Serial Bus)、RS232C、あるいは近距離無線通信機などの近距離通信装置である。
通信部15は、通信ネットワークNに接続し、顧客のポイントを一括管理する外部のポイント管理サーバ2へアクセスするためのものである。例えばネットワークカードなどである。
記憶部11は、電源切断時も情報を保持する、情報の書き換え可能な記憶部である。例えば不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROM(Read Only Memory)などである。また、データベースなどの大量の情報を記憶するHDDなどである。
記憶部11は、税込み金額基準単価情報110やポイントDB111などを記憶する。
税込み金額基準単価情報110は、1ポイントを付与するために消費しなければならない最小の税込消費額を示す情報(データ)である。
ポイント付与会社は一般に、非課税額100円の商品につき1ポイントを顧客に付与し、消費税分の支払額に対してはポイントを付与しない。従って、総支払額の消費税分にまでポイントがのらないようにするために、この税込み金額基準単価情報110に、消費税を含む基準単価の情報が定められている。消費税率が5%であれば、消費税を含む基準単価の情報は、非課税額100(円)×(1+0.05)により求められ、105(円)となる。
ポイントDB111は、顧客のポイントをテーブルで管理するデータベースである。このデータベースは、「顧客情報」や「ポイントカードの識別番号」や「ポイントの利用履歴」などをテーブルで管理するなどして、制御部10の命令により情報の抽出・追加・削除・更新を行う。
制御部10は、ポイント算出/付与部100及びポイント算出基準情報変更部101を備え、上記各部11、12、13、14、及び15を制御すると共に、ポイントの算出や付与処理などを実行する。
ポイント算出/付与部100は、カード読取/書込部13からのポイントカードの読み込みと、決済情報取得部14からの決済金額情報(上記税込み金額の情報)の転送があると、記憶部11の税込み金額基準単価情報110を読み取り、該税込み金額基準単価情報110を基礎として上記決済金額情報をポイントに換算する。
換算方法としては、税込み金額基準単価情報が1ポイント当たり105円の設定で、顧客が利用したサービスまたは購入商品の決済額が1,000円であった場合、1,000(決済額)÷105(税込み金額基準単価情報の値)の計算により得られる整数値つまり9ポイントがポイント換算値となる。この換算によって得たポイントは、ポイントカードから読み取ったポイントカード番号や顧客IDなど顧客を一意に識別できる情報から制御部10がポイントDB111の顧客情報にアクセスし、顧客の総ポイントに加算するなどして、顧客情報に登録(更新)する。
ポイント算出/付与部100は、上記の更新後の総ポイントをカード読取/書込部13を介してポイントカードに書き込むなどして顧客にポイントを付与する。ポイントの書込みは、磁気ストライプカードであれば磁気部に総ポイントのみを書き込み、ICカードであればICチップに総ポイントに加えてポイントの利用履歴などその他の情報を添えて書き込むなどして実施する。また、加熱などで印字内容を消去できる印字面を備えるポイントカードであれば、印字面に対してポイントの利用履歴や総ポイント数を印字できるように構成しても良い。
なお、ポイントDB111の情報と外部のポイント管理サーバ2のポイントDB200とは常に最新の情報に維持しておくことが望ましい。例えば、所定時刻になったときやポイント付与の前後などにポイント付与装置1からポイント管理サーバ2へアクセスし、ポイントDB200にポイントDB111の情報を反映させるようにするとよい。
ポイント算出基準情報変更部101は、計時部12から出力される日付または日時の情報を監視し、計時部12から出力される日付または日時が、第二の消費税率(第一の消費税率の後に適用される消費税率)の適用期間にあれば、税込み金額基準単価情報110の、第二の消費税率以外の消費税率つまりこの場合第一の消費税率の消費税を含む基準単価の情報を第二の消費税率の消費税を含む基準単価の情報に更新する。
図3は、ポイント算出基準情報の変更について示した図である。
例えば、第一の消費税率が2013年12月時点の5%で、第二の消費税率が2014年4月1日から実施される8%とする。
この場合、顧客が1ポイントを得るために消費しなければならない2013年12月時点の税込み最低消費額は100(円)に1+0.05を乗じた105円となる(図3の表示110−1)。一方、2014年4月1日においては、100(円)に1+0.08を乗じた108円となる(図3の表示110−2)。
従って、2014年3月31日までは105円/1ポイントが適用されるが、2014年4月1日からは第二の消費税率である8%の適用期間に入るため、税込み金額基準単価情報110の情報が図3に矢印で示すとおり105円/1ポイントから108円/1ポイントに変更される。
上記変更の後は、ポイント算出・付与部100は、税込み金額基準単価情報110の変更後の値(108円/1ポイント)を読み取るため、顧客の決済総額に対して108円当たり1ポイントを付与するようになる。
(変形例)
図4は、第1の実施形態におけるポイント付与装置の変形例である。
図4のポイント付与装置5は、図2の税込み金額基準単価情報110に替わり税率情報510を備える。また、図2のポイント算出/付与部100に替わりポイント逆算出/付与部500を備える。
税率情報510は、消費税率(以下では必要に応じて「税率」と書く)である。
ここには、利用日の消費税率の値が記憶される。例えば、2013年12月時点では消費税率が5%であるため数値「0.05」が記憶される。
ポイント逆算出/付与部500は、ポイント算出・付与部100とはポイント算出方法の点で異なる。
ポイント逆算出/付与部500は、カード読取/書込部13からのポイントカードの読み込みと、決済情報取得部14からの決済金額情報の転送があると、記憶部11の税率情報510の値(つまり消費税率の値)を読み取り、当該消費税率の値を基礎として上記決済金額情報をポイントに換算する。
換算方法としては、例えば消費税率が5%で、顧客が利用したサービスまたは購入商品の決済金額が1,000円である場合、決済金額「1,000」×(1−消費税率「0.05」)で消費税分を差し引き、この計算により得られた商品またはサービスに対する支払額950(円)を、顧客が1ポイントを得るのに必要な最低消費額100(円)で割る。この結果、値「9.5」となり、決済金額1,000円に対してポイント9が顧客に付与される。
このように変形例では消費税率を基礎として決済金額をポイントに換算する。
ポイント算出基準情報変更部101は、計時部12から出力される日付または日時の情報を監視する。計時部12から出力される日付または日時が、第二の消費税率の適用期間にあれば、税率情報510の第二の消費税率以外つまりこの場合第一の消費税率を、第二の消費税率に更新する。例えば、第一の消費税率、第二の消費税率をそれぞれ5%、8%とした場合、計時部12からの出力される日付または日時が消費税率8%の適用期間にあると、税率情報510の税率5%を8%に変更する。言うまでもないが、もともと8%であるものは変更しない。
図5は、上記変更について示す図である。
例えば、第一の消費税率が2013年12月時点の5%で、第二の消費税率が2014年4月1日から実施される8%とする。
この場合、税率情報510として2014年3月31日までは「0.05」が適用される(図5の表示510−1)が、2014年4月1日からは「0.08」の適用期間に入り、図5に矢印で示すとおり税率が「0.05」から「0.08」(図5の表示510−2)に変更される。
上記変更の後は、ポイント逆算出/付与部500は、税率情報510の変更後の値(0.08)を読み取るため、顧客の決済総額に対して税率8%のポイント計算が適用されるようになる。
以上のように変形例のポイント付与装置5は、消費税率を基礎として決済金額をポイントに換算するように構成されたものである。
以上のように、第1の実施形態では税込み金額基準単価情報110を、変形例では税率を顧客ポイントの算出の基準にしている。しかしながら、これに限らず、税率に影響されるつまり税率を1つのパラメータとする、顧客ポイントの算出の基準となるものであれば、それを税込み金額基準単価情報110の代わりに構成し、それをポイント算出/付与部100などに読み取らせるなどして構成して良い。
以上のように第1の実施形態及びその変形例では、ポイント算出基準情報変更部101により、顧客ポイントの算出の基準となる情報を変更することが可能になる。ポイント算出基準情報変更部101は各ポイント付与装置が備えるため、消費税率が変更された場合でも顧客ポイントの算出の基準となる情報を全てのポイント付与装置で変更することが可能になる。
また、ポイント算出基準情報変更部101は計時部12からの日や時間を示す情報を読み取るので、新たな消費税率の適用期間に入ったことを自ら検出できる。このため、消費税率の適用期間に入った場合に自ら検出して顧客ポイントの算出の基準となる情報を変更するという自動処理が可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、所定の日時を過ぎると、顧客に対して付与するポイントの、算出の基準となる情報の変更を、後述する税率変更による更新処理プログラムの実行により実施する、ポイント付与装置の構成を示す。
以下の税率変更による更新処理プログラムは、顧客ポイントの算出の基準となる情報として「税込み金額での基準単価の情報」を採用している端末と「消費税率の値」を採用している端末のどちらの端末においても更新処理を実施できるようにプログラムされたものである。
本第2の実施形態では、当該税率変更による更新処理プログラムは、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するものとする。
図6は、第2の実施形態に係るポイント付与装置のハードウエア構成図である。
図6のポイント付与装置6は、CPU60、ROM61、RAM62、EEPROM63、入力部64、出力部65、カード読取/書込部66、プリント処理部67、外部機器接続部68、通信部69、及び電源供給部Vを備える。
各部60〜69はバスBLを介して電気的に相互に接続されている。
CPU60は中央演算処理装置である。CPU60は、ROM61やEEPROM63などに記録された各種プログラムの命令やデータを読み出し、各部61〜69の制御や演算処理等を実行する。
ROM61は、例えばマスクROM(Read Only Memory)など、書き換え不可の読み出し専用のメモリである。ROM61はOS(Operating System)や基本プログラムなどを記録する。
RAM62は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリである。RAM62は、CPU60で実行するプログラムを展開したり、データを一時的に保存したりするなどのワークエリアとして使用する。
EEPROM63は、書き換えのできる不揮発性メモリである。EEPROM63は後述する各種の処理を実行させるプログラムPやデータを記憶する。後述する各種の処理やデータとして例えば、カード決済処理プログラム、ポイント付与処理プログラム、税率変更による更新処理プログラム、及びパラメータXのデータなどがある。
入力部64は、後述のディスプレイに重ねて配置されたタッチ入力式のパネルである。
出力部65は、操作のための表示画面等を表示するディスプレイである。
カード読取/書込部66は、カードから情報を読み取り、カードに情報を書き込むリーダ/ライタである。例えば、磁気ストライプ式ポイントカードの磁気部に記憶されたポイントを読み取り、磁気部へポイントを書き込む磁気カードリーダライタである。或いは、IC決済カードのICチップの情報を読み取り、ICチップに情報を書き込むICカードリーダライタなどである。
プリント処理部67は、決済情報やポイント情報をレシート用紙に印字して出力するプリンタである。
外部機器接続部68は、例えばRS232CやUSBや近距離無線通信機などの近距離通信装置である。外部機器接続部68は、POS端末やその他の決済端末などの決済機器と通信接続し、顧客が決済した金額を示す情報(決済金額情報)を取得する。
通信部69は、通信ネットワークに接続し、税率変更による更新処理プログラムを格納したサーバへアクセスしたり、外部の顧客のポイントを一括管理する外部のポイント管理サーバ2へアクセスしたりするためのものである。例えばLAN(Local Area Network)ケーブルの接続が可能なネットワーク・インタフェース・カードなどで構成される。
ポイント付与装置6には、更に、それら各部60〜69に対して動作に必要な電力を供給するための電源供給部Vが実装されている。
ポイント付与装置6は、このような構成の下、通信部69を介して不図示の外部サーバへアクセスし、「税率変更による更新処理プログラム」をダウンロードにより受信する。
ポイント付与装置6は、「税率変更による更新処理プログラム」を実行可能な形式でEEPROM63に格納し、後述する処理を実行する。
図7は、第2の実施形態に係るポイント付与装置の動作フローである。
ポイント付与装置6は、ユーザが電源ボタンを押すなどして電源供給部Vから電力が供給されると、先ず、イニシャライズや初期画面の表示などの初期設定処理を行う(ステップS1)。
この処理により、出力部65の表示画面に、アイコン等によって示される各種の処理の選択ボタン(例えばカード決済処理実行ボタン、ポイント付与処理実行ボタン、または終了処理ボタンなど)が配置されると共に、選択ボタンをタッチ入力式で選択することにより、選択ボタンに対応づけされた処理が開始されるようセットアップがなされる。
ステップS1の処理を終えると、次に、入力部64からの入力命令を待つ。この間、カード決済処理実行ボタンのユーザ操作があるか否かを判定し(ステップS2)、ポイント付与処理実行ボタンのユーザ操作があるか否かを判定し(ステップS3)、そして終了処理実行ボタンのユーザ操作があるか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS2においてカード決済処理実行ボタンのユーザ操作があった(YES)と判定されると、カード決済処理を実行する(ステップS5)。
カード決済処理は、顧客が受けたサービスや購入商品に対する支払いをクレジットカードやデビットカード等で行う場合の処理で、例えば、カード読取/書込部66から顧客のICカードの情報を読み取り、通信部69を介して決済会社のサーバにアクセスするなどして決済処理を行う。
ステップS3においてポイント付与処理実行ボタンのユーザ操作があった(YES)と判定されると、「税率変更による更新処理プログラム」などポイント付与処理に関するプログラムをロードし、後述するポイント付与処理を実行する。
なお、ステップS4において終了処理実行ボタンのユーザ操作があった(YES)と判定されたときは、終了処理を実行し、ポイント付与装置6の電源がOFFになる。
図8は、上記ポイント付与処理の処理フローである。
先ず初めに、「税率変更による更新処理」を実行する(ステップS31)。
この「税率変更による更新処理」は、当該ポイント付与装置6の、ポイントの算出基準となる情報が、ポイント付与処理の実行時の時点での消費税率に対応したものであるかどうかをチェックし、対応したものでない場合にポイント付与処理の実行時の時点の消費税率のものに更新するための処理である。
図9は、上記「税率変更による更新処理」の詳しい処理フローである。
なお、以下では上記「税率変更による更新処理」を便宜的に「チェック処理」と呼び、「税率変更による更新処理プログラム」を「チェック処理プログラム」と呼ぶものとする。
図9に破線で示した矩形枠A、矩形枠B、及び矩形枠Cは、当該チェック処理プログラムの実行により実現する3つの機能のそれぞれの処理範囲を表したものである。
上段の矩形枠Aの範囲のものは、「消費税率の適用期間をチェックする機能」である。
上記「消費税率の適用期間をチェックする機能」ではポイント付与処理の実行時の時点の日付の情報(当該「チェック処理プログラム」の実行日)が必要であるが、この例においては、特に図示しないが、ポイント付与装置6のシステムクロックの日付を読み取り、この日付をポイント付与処理の実行時の時点の日付の情報として使用することにする。
中段の矩形枠Bの範囲のものは「税率を変更する機能」である。
下段の矩形枠Cの範囲のものは「税込み金額基準単価情報を変更する機能」である。
なお、ここでは、理解しやすくするために2014年4月1日に消費税率5%から消費税率8%に変更される場合を例に挙げて説明する。
先ず、矩形枠Aに示す「消費税率の適用期間をチェックする機能」において、当該「チェック処理プログラム」の実行日が新しい税率(8%)の開始日以後(2014年4月1日以後)であるか否かをチェックする(ステップS300)。
「チェック処理プログラム」の実行日が2014年3月31日までの場合は、適用期間の開始日に満たないため「NO」判定となり、「チェック処理」を終了する。
「チェック処理プログラム」の実行日が2014年4月1日以後の場合は、適用期間の開始日に達しているため「YES」判定となり、続く処理を実行する。
ステップS300が「YES」判定の場合、「チェック処理プログラム」の実行日がチェック期間の終了日以前(2014年4月30日以前)であるか否かをチェックする(ステップS301)。当該チェック期間の終了日はプログラムの配信側が用意した日付である。この終了日までにはほぼ全ての端末で更新の処理が終了していると見込まれる期間を採用し、本例では税率変更日から1ヵ月後を一定期間とした。一定期間が過ぎると記憶されているポイント算出基準情報の変更を止める。
ステップS301が「YES」判定の場合、次の「税率を変更する機能」の処理に進む。ステップS301が「NO」判定の場合、当該チェック処理を終了する。
ステップS301が「YES」判定であった場合、先ず「税率を変更する機能」の未対応端末処理(ステップS302)を実行する。
ステップS302の未対応端末処理は、ポイント換算の方法が特殊な端末であり、「顧客ポイントの算出の基準となる情報」として「税込み金額での基準単価の情報」や「消費税率の値」ではない他の形態を採用している端末を想定した処理である。当該処理は、そのような端末の正式なデータを誤って書き換えないようにするために行う処理である。
消費税率が0%になる可能性は非常に低いため、本例では消費税率の値に「0」が設定されている端末は特殊な端末であると推定し、更新処理を行わない。
従って、ステップS302では、ポイント付与装置6がもつ消費税率の値(既存の値)が値「0」以外であるか否かを判定する。
ステップS302が「YES」判定つまり値「0」以外であると、続く税率判定処理(ステップS303)に進む。なお、ステップS302が「NO」判定つまりポイント付与装置6が値「0」をもつと、後段の矩形枠Cに示す「税込み金額基準単価情報変更機能」に進む。
ステップS303の税率判定処理は、ポイント付与装置6がもつ消費税率の値が、チェック処理プログラム側が提供する新しい消費税率の値(8%)と一致するか否かを判定する。
具体的には、ポイント付与装置6のEEPROM63に予め記憶されている所定のパラメータ(消費税率パラメータ)の値を読み出し、チェック処理プログラム(上記更新処理プログラム)と共に配布されたデータ値「0.08」と一致するか否かを比較する。ここでは、不一致の場合に「YES」判定となる。
ステップS303が「YES」判定つまり不一致の場合、ポイント付与装置6がもつ消費税率の値が税率変更前のもの(つまり5%)と判定し、ポイント付与装置6がもつ消費税率の値を新しい値(8%)に更新する(ステップS304)。この更新は、消費税率パラメータの値をチェック処理プログラムが提供するデータ値「0.08」に書き換える処理により実行される。
ステップS304の更新後、ステップS302のNO判定後、及びステップS303のNO判定後は、矩形枠Cで示す「税込み金額基準単価情報変更機能」に進む。
上記「税込み金額基準単価情報変更機能」では先ず、未対応端末処理(ステップS305)を実行する。
ステップS305の未対応端末処理は、ステップS302と同様の目的で実行する。つまり、ポイント換算の方法が特殊な端末であり、「顧客ポイントの算出の基準となる情報」として「税込み金額での基準単価の情報」や「消費税率の値」ではない他の形態を採用している端末を想定した処理である。当該処理は、そのような端末の正式なデータを誤って書き換えないようにするために行う処理である。
ステップS305では、「税込み金額での基準単価の情報」は税率が反映されたものであるため、これもまた値0をとる可能性は非常に低く、値0をとるものは特殊な端末であると推定し、更新処理を行わない。
従って、ステップS305では、ポイント付与装置6がもつ「税込み金額での基準単価の情報」を示す値(既存の値)が値「0」以外であるか否かを判定する。
ステップS305が「YES」判定つまり値「0」以外であると、続く判定処理(ステップS306)に進む。なお、ステップS305が「NO」判定つまりポイント付与装置6が値「0」をもつ場合には当該チェック処理を終了する。
ステップS306の判定処理は、ポイント付与装置6がもつ「税込み金額での基準単価の情報」を示す値が、チェック処理プログラム側が提供する新しい値(108)と一致するか否かを判定する。この値「108」は、第1の実施形態に示したポイントの算出方法によるもので、図3の表示110−2に示す108円/1ポイントの「108」に相当する。
ステップS306の具体的な処理としては、ポイント付与装置6のEEPROM63に予め記憶されている所定のパラメータ(この場合、「税込み金額での基準単価の情報パラメータ」)の値を読み出し、チェック処理プログラム(更新処理プログラム)と共に配布されたデータ値「108」と一致するか否かを比較する。ここでは、不一致の場合に「YES」判定となる。
ステップS306が「YES」判定つまり不一致の場合、ポイント付与装置6がもつ「税込み金額での基準単価の情報」の値が税率変更前のもの(つまり図3の表示110−1に示す「105」)と判定し、ポイント付与装置6がもつ「税込み金額での基準単価の情報」の値を新しい値(108)に更新する(ステップS307)。この更新は、消費税率パラメータの値をチェック処理プログラム(更新処理プログラム)が提供するデータ値「0.08」に書き換える処理により実行される。
そして、ステップS307の更新を終えると、当該チェック処理を終了する。
当該チェック処理の終了後は、図8に示すステップS32に処理が移行する。
ここで図8のポイント付与処理の説明に戻り、ステップS32からの処理フローについて説明する。
ステップS32では、決済端末から決済金額情報を受信する。決済金額情報の取得方法は様々であり、POS端末から決済金額情報を受信してもよいし、図7のステップS5のカード決済処理で生成した決済金額情報を取得し、それを利用してもよい。
次に、ポイント算出基準となるパラメータの値を読み出す(ステップS33)。
今使用しているポイント付与装置が「顧客ポイントの算出の基準となる情報」として「税込み金額での基準単価の情報」を採用している場合は、「税込み金額での基準単価の情報パラメータ」の値を読み出す。ステップS31において、税率変更による更新のチェックや実際の更新処理が既に実行されているため、ステップS33ではポイント付与処理の実施日に適用されている消費税率に基づく値が読み出されることになる。
ポイント付与処理の実施日が2014年3月31日までの場合は、値「105」が読み出され、ポイント付与処理の実施日が2014年4月1日以後では値「108」が読み出される。
また、今使用しているポイント付与装置が「顧客ポイントの算出の基準となる情報」として「税率」を採用している場合は、「消費税率パラメータ」の値を読み出す。この装置でもステップS31において、税率変更による更新のチェックや実際の更新処理が既に実行されているため、ステップS33ではポイント付与処理の実施日に適用されている消費税率の値が読み出されることになる。
ポイント付与処理の実施日が2014年3月31日までの場合は、値「0.05」が読み出され、ポイント付与処理の実施日が2014年4月1日以後では値「0.08」が読み出される。
次に、ステップS32で受信した決済金額情報をステップS33で読み出した値を基準にしてポイント値に換算する(ステップS34)。このポイント値の換算方法は、第1の実施形態及び変形例において説明したとおりであるため、ここでの説明は省略する。
次に、ステップS34で算出したポイントを顧客に付与(発行)する(ステップS35)。
ステップS35では、ポイントカードや決済カードに記録されている既存ポイントに、ステップS34で算出したポイントを加算し、今回の付与ポイントの履歴情報や総ポイントをカード読取/書込部66からポイントカードに記録する。
そして、ポイントカードの識別番号と共に、ステップS34で算出したポイント、総ポイント等のポイントの取引を示す情報を通信部69を介してポイント管理サーバへ送り、ポイント管理サーバの顧客DBを更新する(ステップS36)。
ステップS36の終了後は、当該ポイント付与処理を終了して、図7のステップS2の処理に戻り、入力部64からの入力命令があるまで待機する。
なお、「更新処理の終了日」を税率変更日から1ヵ月後としたが、未更新の端末があることが想定されるときは「更新処理の終了日」を更に先に延ばしたり、無期限に設定したりしてもよい。
また、新しい消費税率の適用期間が決まっている場合つまり次の消費税率の適用開始日が決まっている場合、新しい消費税率の適用期間の終了日を「更新処理の終了日」としてもよい。この場合、更新処理の終了日を過ぎたものに対して新しい消費税率の更新プログラムをダウンロードするように報知するメッセージを表示画面に表示させることが望ましい。
また、上記「チェック処理プログラム」は、「顧客ポイントの算出の基準となる情報」として「税込み金額での基準単価の情報」を採用している端末と「消費税率の値」を採用している端末に向けてプログラムされたものである。しかし、この構成に限らず消費税率がポイント換算の式の1つのパラメータになっている装置であれば、そのポイント換算式に適宜合わせて「顧客ポイントの算出の基準となる情報」が書き換わるような構成としてもよい。
また、上記「チェック処理プログラム」は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、ポイント付与装置6のEEPROM63などに読み込ませて実行してもよい。
また、上記「チェック処理プログラム」を予めポイント付与装置6のROM61などに組み込むことにより、チェック処理プログラム付きのポイント付与装置として提供してもよい。
以上のように第2の実施形態では、チェック処理プログラムにより、顧客ポイントの算出の基準となる情報を変更することが可能になる。チェック処理プログラムは配信や組み込みなどにより全てのポイント付与装置が装備できるので、消費税率が新たな消費税率に変わっていても、ポイント付与装置の使用により直ちに顧客ポイントの算出の基準となる情報を変更することが可能になる。このチェック処理はバックグラウンドで自動で行われるため、ユーザは特に気にすることなく通常通りの操作が可能となる。
上述では、カード処理装置をポイント付与装置として適用した例にて説明したが、カード処理装置に限らない。例えば、ポイント付与装置は、POS端末や、本体にカード処理機能を備えない決済端末であっても良い。
また上述では、ポイント付与処理の実施日を2014年4月1日として説明しているが、この日付はあくまで税率変更やポイントの変更日の一例であり、その他の日時の税率変更やポイントの変更の日時に適用しても良い。税率やポイントの変更値についても上述した説明の値に限らない。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
ポイント算出基準情報を記憶しておく記憶手段と、
購入した商品または利用したサービスに基づく顧客ポイントを前記ポイント算出基準情報に応じて付与するポイント付与手段と、
所定の日時を過ぎると前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報を変更する基準情報変更手段と、
を備えることを特徴とするポイント付与装置。
(付記2)
前記基準情報変更手段をコンピュータに実現させるプログラムを前記所定の日時より前に受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記基準情報変更手段を起動する起動手段と、
を更に備えることを特徴とする付記1記載のポイント付与装置。
(付記3)
前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報は、税込み金額での基準単価の情報である、
ことを特徴とする付記1または2記載のポイント付与装置。
(付記4)
前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報は、税率の情報である、
ことを特徴とする付記1乃至3の内の何れか一つに記載のポイント付与装置。
(付記5)
前記基準情報変更手段は、所定の日時を過ぎると前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報を変更し、前記所定の日時から一定期間が過ぎると前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報の変更を止める、
ことを特徴とする付記1乃至4の内の何れか一つに記載のポイント付与装置。
(付記6)
所定の日時を過ぎると、商品を購入したまたはサービスを利用した顧客に対して付与する顧客ポイントのポイント算出基準情報を変更するポイント算出基準情報変更機能、
をコンピュータに実現させるプログラム。
第1の実施形態、変形例、及び第2の実施形態においていくつかのポイント付与装置の構成を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 ポイント付与装置
2 ポイント管理サーバ
N 通信ネットワーク
10 制御部
11 記憶部
12 計時部
13 カード読取/書込部
14 決済情報取得部
15 通信部
100 ポイント算出/付与部
101 ポイント算出基準情報変更部
110 税込み金額基準単価情報
111、200 ポイントDB
特開2012−212461号公報

Claims (5)

  1. ポイント算出基準情報を記憶しておく記憶手段と、
    購入した商品または利用したサービスに基づく顧客ポイントを前記ポイント算出基準情報に応じて付与するポイント付与手段と、
    所定の日時を過ぎると前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報を変更するとともに、前記所定の日時から一定期間が過ぎると前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報の変更を止める基準情報変更手段と、
    を備えることを特徴とするポイント付与装置。
  2. 前記基準情報変更手段をコンピュータに実現させるプログラムを前記所定の日時より前に受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信した前記基準情報変更手段を起動する起動手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載のポイント付与装置。
  3. 前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報は、税込み金額での基準単価の情報である、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のポイント付与装置。
  4. 前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報は、税率の情報である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の内の何れか一つに記載のポイント付与装置。
  5. ポイント算出基準情報を記憶しておく記憶手段と、
    購入した商品または利用したサービスに基づく顧客ポイントを前記ポイント算出基準情報に応じて付与するポイント付与手段と、
    所定の日時を過ぎると前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報を変更するとともに、前記所定の日時から一定期間が過ぎると前記記憶手段の前記ポイント算出基準情報の変更を止める基準情報変更手段と
    をコンピュータに実現させるプログラム。
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