JP6087744B2 - 冷凍機 - Google Patents

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Description

本発明は、情報技術装置(以下「IT装置」と表記する。)や情報通信技術装置(以下、「ICT装置」と表記する。)を構成する多数のサーバやコンピュータなどの電子機器の冷却に用いられる冷凍機に関する。
データセンタにはIT装置やICT装置を構成する多数のサーバやコンピュータなどの電子機器がフロア内に配置されており、これらの電子機器から発生する熱を処理する冷凍機や空調システムなどが用いられている。
近年の消費電力の削減が求められる傾向からすると、消費電力の増大を抑制しつつ、電子機器から発生する熱を処理する能力が確保された空調システムなどが望ましい。言い換えると、冷却効率などが高い空調システムなどが求められている。
このような要望に応えるために、例えば、圧縮機で圧縮する冷媒量を適正化することにより消費電力の低減を図るガスインジェクションサイクルを採用した空気調和機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。その他にも、圧縮機に吸入される冷媒圧力を上昇させることにより圧縮機における駆動動力を削減し消費電力の低減を図るエゼクタサイクルを採用した冷凍装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−110167号公報 特開平10−205898号公報
データセンタに配置されたサーバ等の電子機器から発生する熱を処理する空調システムなどは、一般の家庭などで用いられる空調システムなどと異なり一年を通して冷房運転される。そのため、単にガスインジェクションサイクルを採用した空気調和機や、エゼクタサイクルを採用した冷凍機では消費電力の低減を十分に図りにくいという問題があった。
具体的には、外気と熱交換を行う高圧側熱交換器において一年を通して冷媒の熱が放出され、熱が放出される外気の温度は、季節によって大きく変動する。空調システムは、外気の温度によって消費電力が増減する。すると、ある外気の温度(季節)では消費電力が少なくても、他の外気の温度(季節)では消費電力が抑制されない可能性があり、一年を通して考えると消費電力が低減されていない問題が発生するおそれがあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、一年を通して冷房運転を行う際にも消費電力の低減を図ることができる冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の冷凍機は、低温側の熱を高温側に移動させる冷凍装置において、高圧の冷媒を冷却する高圧熱交換器と、前記高圧熱交換器にて冷却された高圧の冷媒を減圧する第1減圧部と、前記第1減圧部にて減圧された冷媒を気体冷媒および液体冷媒に分離する第2気液分離器と、前記第2気液分離器により分離された前記液体冷媒を更に減圧するエゼクタと、前記エゼクタにより減圧された冷媒を気体冷媒および液体冷媒に分離する第1気液分離器と、前記第1気液分離器により分離された前記液体冷媒を更に減圧する第2減圧部と、前記第2減圧部により減圧された冷媒を蒸発させる低圧熱交換器と、前記低圧熱交換器から流出した冷媒を前記エゼクタの吸引部に導く吸引流路と、前記第2気液分離器により分離された前記気体冷媒を圧縮して前記高圧熱交換器に向けて吐出する第1圧縮部と、前記第2気液分離器により分離された前記気体冷媒を圧縮して前記高圧熱交換器に向けて吐出する第2圧縮機と、前記高圧熱交換器から流出した冷媒を前記エゼクタのノズルに導く第1バイパス部と、前記第1バイパス部を流れる冷媒を前記第2減圧部に導く第2バイパス部と、前記低圧熱交換器から流出した冷媒を前記第1気液分離器に導く第3バイパス部と、前記第1バイパス部、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部における前記冷媒の流れ、並びに、前記第2圧縮機および前記エゼクタへの前記冷媒の流入を制御する制御弁と、少なくとも前記制御弁を制御する制御部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の冷凍機によれば、制御弁によって冷媒が循環する経路を制御することにより、冷凍機が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図ることができる。つまり、制御弁によって冷媒が循環する経路を制御することで、冷媒が第2圧縮部を介して循環するインジェクションサイクル、冷媒がエゼクタを介して循環するエゼクタサイクル、並びに、冷媒が第2圧縮部およびエゼクタを迂回して循環する一般の蒸気圧縮サイクルの少なくとも1つが選択される。インジェクションサイクル、エゼクタサイクル、および蒸気圧縮サイクルは、外気の温度などの環境条件を含めた冷凍機の運転状態と、冷房運転における消費電力量との関係が異なっている。そのため、制御部が、冷凍機の運転状態に基づいて、インジェクションサイクル、エゼクタサイクル、および蒸気圧縮サイクルから消費電力の削減を図りやすいサイクルを採用することで、一年を通して消費電力の低減を図りやすくなる。
上記発明において前記制御部は、前記第2圧縮部の吸入側圧力および吐出側圧力の比である圧力比が所定の圧力比以上である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒の少なくとも一部を前記第2圧縮部へ導き、前記第1バイパス部への流入を停止させ、前記圧力比が前記所定の圧力比未満である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる制御を行うことが好ましい。
このように、第2圧縮部の圧力比に応じて第2圧縮機で冷媒圧縮を行うインジェクションサイクルを実行するか否かを制御することにより、消費電力の低減を図りやすくなる。具体的には、第2圧縮部の圧力比が所定の圧力比以上の場合には、エゼクタサイクルのみを実行した場合と比較して、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを実行した方が消費電力の低減を図りやすい。その一方で、第2圧縮部の圧力比が所定の圧力比未満の場合には、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを実行する場合と比較して、エゼクタサイクルのみを実行したほうが消費電力の低減を図りやすい。
上記発明においては、前記高圧熱交換器から分岐して流出する前記冷媒気体冷媒および液体冷媒に分離する液タンクと、前記液タンクにより分離された前記液体冷媒を前記第2バイパス部に送出するポンプ部と、が更に設けられ、前記制御弁は、前記液タンクへの前記冷媒の流入を更に制御することが好ましい。
このように冷媒が液タンクおよびポンプ部を介して循環するポンプサイクルを選択肢に追加することにより、冷凍機が冷房運転を行う際に消費する電力の低減をさらに図りやすくなる。つまり、インジェクションサイクル、および、エゼクタサイクルと比較して、冷凍機の運転状態および消費電力量との関係が異なるポンプサイクルを選択肢に加えることにより、より消費電力の削減に適したサイクルを選択しやすくなる。その結果として、冷凍機が冷房運転を行う際に消費する電力の低減をさらに図りやすくなる。
上記発明において前記制御部は、前記高圧熱交換器で熱交換される前の空気である外気の温度と、前記低圧熱交換器で熱交換される前の空気である室内空気の温度との温度差である室内外温度差が所定の設定温度差以上である場合、および、前記室内外温度差が前記所定の設定温度差以上、かつ、前記低圧熱交換機で熱交換される熱量である冷房負荷が所定の熱負荷以下である場合の一方のときに、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒を前記液タンクへ流入させ、前記第1減圧部への流入を停止させる制御を少なくとも行うことが好ましい。
このように室内外温度差が所定の設定温度差以上という条件を満たす場合、または、室内外温度差が所定の設定温度差以上という条件、および、冷凍機の冷房負荷が所定の冷房負荷以下という条件を満たす場合の一方のときにポンプサイクルを選択して実行することにより、冷凍機が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図りやすくなる。つまり、ポンプサイクルは他のサイクルと比較して冷房運転時の消費電力が少ないものの、発揮できる冷房能力に限りがある。そのため、冷房能力を発揮させやすい室内外温度差が所定温度差以上という条件が満たされた場合、または、室内外温度差が所定の設定温度差以上という条件、および、冷凍機に求められる冷房負荷が大きくないという条件が満たされた場合の一方のときにポンプサイクルを実行する制御が行われる。この場合、冷凍機は求められる冷房負荷を満たしつつ、消費電力の削減を図ることができる。
上記発明において前記制御部は、前記室内外温度差が前記所定の設定温度差未満、または、前記冷房負荷が前記所定の熱負荷を超える場合であり、さらに、前記第2圧縮部の吸入側圧力および吐出側圧力の比である圧力比が所定の圧力比以上である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒の少なくとも一部を前記第2圧縮部へ導き、前記第1バイパス部への流入を停止させ、前記圧力比が前記所定値未満である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる制御を行うことが好ましい。
このようにポンプサイクルの選択を先に行いポンプサイクルを実行しない条件において、インジェクションサイクルを実行するか否かを判定することにより、冷凍機が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図りやすくなる。上述のように、ポンプサイクルを実行しない条件では、ポンプサイクルを実行した場合と比較してインジェクションサイクルやエゼクタサイクルを実行した方が消費電力の低減を図りやすい。そのため、ポンプサイクルの選択を行った後にインジェクションサイクルを実行するか否かを判定することにより、消費する電力の低減を図りやすくなる。
上記発明においては、前記高圧熱交換器に外気を送る室外ファン部が更に設けられ、前記圧力比が前記所定の圧力比未満である場合、前記制御部は更に、前記低圧熱交換器と熱交換した後の空気温度である吹出し温度を維持した上で、前記室外ファン部の送風量を低下させて前記圧力比を前記所定値以上とする際の第1消費電力と、前記吹出し温度を維持した上で、前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる際の第2消費電力と、を比較し、前記第2消費電力よりも第1消費電力が少ない場合には、前記室外ファン部の送風量を低下させる制御を優先して行い、前記第1消費電力よりも前記第2消費電力が少ない場合には、前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる制御を行うことが好ましい。
このようにポンプサイクルを実行しない条件において、第1消費電力と第2消費電力とを比較した上でインジェクションサイクルを実行するか否かを制御することにより、冷凍機が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図りやすくなる。具体的には、吹出し温度を維持する前提条件の下で、インジェクションサイクルを継続しつつ室外ファン部の送風量を制御することで第2圧縮部の圧力比を所定の圧力比以上とする第1消費電力と、インジェクションサイクルを停止してエゼクタサイクルのみを実行する際の第2消費電力とが比較される。第1消費電力が第2消費電力よりも少ない場合には、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルが実行されるとともに、室外ファン部の送風量を抑制する制御が行われる。第2消費電力が第1消費電力よりも少ない場合には、エゼクタサイクルのみが実行される制御が行われる。
上記発明においては、前記第1消費電力よりも前記第2消費電力が低く、かつ、前記高圧熱交換器および前記第1減圧部の間の冷媒圧力が前記第2気液分離器および前記エゼクタの間の冷媒圧力未満である場合、前記制御部は更に、前記吹出し温度を維持した上で、前記エゼクタに冷媒を流入させ、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部への流入を停止させる際の第3消費電力と、前記吹出し温度を維持した上で、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部に前記冷媒を流入させ、前記エゼクタへの流入を停止させる際の第4消費電力と、を比較し、前記第4消費電力よりも前記第3消費電力が少ない場合には、前記エゼクタに冷媒を流入させ、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部への流入を停止させる制御を行い、前記第3消費電力よりも前記第4消費電力が少ない場合には、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部に前記冷媒を流入させ、前記エゼクタへの流入を停止させる制御を行うことが好ましい。
このようにポンプサイクルを実行しない条件、かつ、エゼクタサイクルのみが実行され、エゼクタの駆動圧力を変化させる必要がある条件において、第3消費電力と第4消費電力とを比較した上でエゼクタサイクルを実行するか否かを制御することにより、冷凍機が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図りやすくなる。具体的には、吹出し温度を維持する前提条件の下で、エゼクタサイクルを実行する際の第3消費電力と、エゼクタサイクルを停止した際の第4消費電力とが比較される。第3消費電力が第4消費電力よりも少ない場合には、エゼクタサイクルを実行する制御が行われる。第4消費電力が第3消費電力よりも少ない場合には、エゼクタへの冷媒の流入が停止され通常の蒸気圧縮サイクルを実行する制御が行われる。
本発明の冷凍機によれば、制御弁によって冷媒が循環する経路を制御することにより、冷媒が第2圧縮部を介して循環するインジェクションサイクル、および、冷媒がエゼクタを介して循環するエゼクタサイクルの少なくとも一方を選択することにより、一年を通して冷房運転を行う際にも消費電力の低減を図ることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る空調システムの構成を説明する模式図である。 図1における制御部の構成を説明するブロック図である。 図1の空調システムがインジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 図3の運転状態を説明するモリエル線図である。 図2の制御部による制御内容を説明するフローチャートである。 図1の空調システムがエゼクタサイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 図1の空調システムが蒸気圧縮サイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 図1の空調システムにおける他の実施例を説明する回路図である。 図1の空調システムがインジェクションサイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 制御部による他の制御内容を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る空調システムの構成を説明する模式図である。 図11における制御部の構成を説明するブロック図である。 図11の制御部による制御内容を説明するフローチャートである。 図11の空調システムがポンプサイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 図11の空調システムがインジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 図11の空調システムがエゼクタサイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 図11の空調システムが蒸気圧縮サイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。 図11の空調システムがインジェクションサイクルにより運転されている状態を説明する回路図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る空調システム(冷凍機)1ついて図1から図9を参照しながら説明する。本実施形態の空調システム1はデータセンタの空調に用いられるものであり、データセンタのフロアに配置されたサーバやコンピュータなどの電子機器から発生する大量の熱を処理するものである。
空調システム1の室外ユニット10は、例えばデータセンタの屋上などの外気と接する屋外に配置され、室内ユニット20は、サーバなどの電子機器が配置されたフロアに配置されるとともに、当該フロアの室内空気を冷却できるように配置されている。図1では、説明を容易にするために室外ユニット10と、室内ユニット20とが1台ずつ備えた例が記載されているが、1台の室外ユニット10に対して複数台の室内ユニット20が備えられていてもよいし、複数台の室外ユニット10に対して複数台の室内ユニット20が備えられていてもよく、特に台数を限定するものではない。
空調システム1には、図1に示すように、室外ユニット10に配置された凝縮器(高圧熱交換器)11と、室内ユニット20に配置された第1膨張弁(第1減圧部)21、第2気液分離器22、エゼクタ23、第1気液分離器24、第2膨張弁(第2減圧部)25、蒸発器(低圧熱交換器)26、第1圧縮機(第1圧縮部)27、および第2圧縮機(第2圧縮部)28と、制御部70と、が主に設けられている。
空調システム1には更に、冷媒のバイパス流路である第1バイパス流路(第1バイパス部)31、第2バイパス流路(第2バイパス部)32および第3バイパス流路(第3バイパス部)33と、冷媒の流れを制御する第1開閉弁(制御弁)41、第2開閉弁(制御弁)42、第3開閉弁(制御弁)43、第4開閉弁(制御弁)44、第5開閉弁(制御弁)45および第6開閉弁(制御弁)46と、同じく冷媒の流れを制御する第1逆止弁51、第2逆止弁52、第3逆止弁53および第4逆止弁54と、が設けられている。
凝縮器11は、第1圧縮機27および第2圧縮機28の少なくとも一方から吐出された高温高圧の気体冷媒が流入する熱交換器であり、流入した冷媒の熱を外気に放出させて凝縮させるものである。凝縮器11には、室外ユニット10に設けられた室外ファン部12によって外気が導かれている。凝縮器11としては公知の形式の熱交換器を用いることができ、特にその形式を限定するものではない。
室外ファン部12は、凝縮器11に流入した冷媒と熱交換を行う外気を室外ユニット10に吸い込ませるものである。言い換えると、冷媒を冷却する外気を凝縮器11に向けて送風するものである。室外ファン部12には、回転駆動されることにより外気を送風する室外ファンと、当該室外ファンを回転させる駆動部とが設けられている。当該駆動部は、制御部70から入力される制御信号によって回転数が制御されるものである。
第1膨張弁21は、凝縮器11と第2気液分離器22との間に配置されるものであり、凝縮器11によって凝縮された冷媒を膨張させ、その圧力を減圧させるものである。第1膨張弁21は、後述するように制御部70によって開度の制御が可能なものである。
第2膨張弁25は、第1気液分離器24と蒸発器26との間に配置されるものであり、第1気液分離器24または凝縮器11から供給される液体冷媒を膨張させ、その圧力をさらに減圧させるものである。第2膨張弁23としては、蒸発器26から流出した冷媒が所望のスーパーヒートを有するように開度が調整される機構を備えるものを用いることができる。
第1気液分離器24は、エゼクタ23または第1膨張弁21から気液二相の冷媒が流入し、気体冷媒と液体冷媒とに分離する容器である。第1気液分離器24から第2膨張弁25につながる配管は、第1気液分離器24の下側であって液体冷媒が貯留する領域に接続されている。その一方で、第1圧縮機27につながる配管は、第1気液分離器24の上側であって気体冷媒が貯留する領域に接続されている。
第2気液分離器22は、第1膨張弁21から気液二相の液体冷媒が流入し、気体冷媒と液体冷媒とに分離する容器である。第2気液分離器22からエゼクタ23につながる配管は、第2気液分離器22の下側であって液体冷媒が貯留する領域に接続されている。その一方で、第2圧縮機28につながる配管は、第2気液分離器22の上側であって気体冷媒が貯留する領域に接続されている。
エゼクタ23は、第2気液分離器22から流入した液体冷媒をノズル23Nから噴出して減圧するとともに、吸引部23Sから気体冷媒を吸引するものであり、さらに、ディフューザ23D内で液体冷媒と気体冷媒とを混合するとともに昇圧させる減圧手段である。吸引部23Sには、蒸発器26から流出した冷媒を導く吸引流路34が接続されている。エゼクタ23としては公知の構成を有するものを用いることができ、特にその構成を限定するものではない。
蒸発器26は、第2膨張弁25とエゼクタ23との間に配置される熱交換器であり、第2膨張弁25により減圧された冷媒と室内空気との間で熱交換を行うものである。蒸発器26に流入した冷媒は、室内空気の熱を吸収することにより蒸発して気体冷媒となる。その一方で室内空気は冷媒に熱を奪われるため温度が低下する。蒸発器26には、室内ユニット20に設けられた送風ファンなどの送風手段(図示せず)により室内空気が導かれている。そのため、ITC装置などを構成する電子機器から発生した熱を吸収して温度が上昇した室内空気は、室内ユニット20に吸い込まれて蒸発器26により冷却される。冷却された室内空気は、室内ユニット20から室内に吹き出される。
第1圧縮機27は、第1気液分離器24と凝縮器11との間に配置され、第1気液分離器24から流出した気体冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧の冷媒を凝縮器11に向けて吐出するものである。第2圧縮機28は、第1気液分離器24と凝縮器11との間に配置され、第1気液分離器24から流出した気体冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧の冷媒を凝縮器11と第1圧縮機27との間に吐出するものである。第2圧縮機28の冷媒を圧縮する圧縮容積は、第1圧縮機27の圧縮容積と比較して小さくなっている。
本実施形態では、第1圧縮機27および第2圧縮機28を、インバータ制御によって所定の範囲で回転数が制御される電動機によって駆動される固定容量の圧縮機である例に適用して説明する。第1圧縮機27および第2圧縮機28は後述する制御部70から出力される制御信号に基づいて制御される。より具体的には、制御信号に基づくインバータ制御によって電動機を制御することにより第1圧縮機27および第2圧縮機28の運転が制御される。なお、第1圧縮機27および第2圧縮機28としては公知の形式のものを用いることができ、特に形式を限定するものではない。
第1バイパス流路31は、第1膨張弁21および第2気液分離器22の間と、第2気液分離器22およびエゼクタ23の間とをつなぐ流路であり、第1膨張弁21から流出した冷媒をエゼクタ23のノズル23Nに導くものである。第1バイパス流路31における第1膨張弁21側の端部には第1開閉弁41が配置され、エゼクタ23側の端部には第3開閉弁43が配置されている。
第1膨張弁21から第2気液分離器22までの冷媒が流れる流路のうち、第1バイパス流路31との分岐から第2気液分離器22までの間には第2開閉弁42が配置されている。また、第2気液分離器22からエゼクタ23までの冷媒が流れる流路のうち、第2気液分離器22から第1バイパス流路31との合流点までの間には第1逆止弁51が配置されている。第1逆止弁51は、第2気液分離器22からエゼクタ23に向けて冷媒を流し、その逆方向に冷媒が流れるのを阻止するものである。
第2バイパス流路32は、第1バイパス流路31における第1開閉弁41および第3開閉弁43の間と、第1気液分離器24および第2膨張弁25の間とをつなぐ流路であり、第1バイパス流路31を流れる冷媒を第2膨張弁25に導くものである。第2バイパス流路32における第1バイパス流路31側の端部には第4開閉弁44が配置され、第2膨張弁25側の端部には第2逆止弁52が配置されている。第2逆止弁52は、第2バイパス流路32から第2膨張弁25に向けて冷媒を流し、その逆方向に冷媒が流れるのを阻止するものである。
第3バイパス流路33は、蒸発器26およびエゼクタ23の間と、第1気液分離器24との間をつなぐ流路であり、蒸発器26から流出した冷媒を第1気液分離器24に導く流路である。蒸発器26とエゼクタ23とをつなぐ流路における第3バイパス流路33の分岐からエゼクタ23までの間には第5開閉弁45が配置されている。また、第3バイパス流路33には第6開閉弁46が配置されている。
その他に、第1気液分離器24と第2膨張弁25をつなぐ流路における第1気液分離器24から第2バイパス流路32の合流点までの間には第3逆止弁53が配置され、第2圧縮機28と、第1圧縮機27および凝縮器11の間とをつなぐ流路には第4逆止弁54が配置されている。
第3逆止弁53は、第1気液分離器24から第2膨張弁25に向けて冷媒を流し、その逆方向に冷媒が流れるのを阻止するものである。第4逆止弁54は、第2圧縮機28から凝縮器11に向けて冷媒を流し、その逆方向に冷媒が流れるのを阻止するものである。
第1開閉弁41から第6開閉弁46は、それぞれに設けられたサーボモータなどのアクチュエータ手段により開閉されるものである。このアクチュエータ手段は、後述する制御部70から入力される制御信号に基づいて動作が制御されるものである。
本実施形態では、第1逆止弁51から第4逆止弁54を設ける例に適用して説明したが、逆止弁の代わりに開閉制御される開閉弁を同じ場所に配置してもよい。この場合、第1逆止弁51から第4逆止弁54の全てを開閉弁に置き換えてもよいし、その一部のみを開閉弁に置き換えてもよい。
制御部70は空調システム1における運転状態を制御するものであり、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータである。制御部70が配置される場所は、例えば図1に示すように、室内ユニット20および室外ユニット10以外の場所であってもよいし、室内ユニット20内であってもよく、特に限定するものではない。
ROM等に記憶されている制御プログラムは、図2の模式図に示すように、CPUを演算部71として機能させるものであり、ROM等を記憶部72として機能させるものである。制御部70による運転状態の制御としては、従来の空調システムにおいて行われている室内空気の温度を設定温度とする制御や、第1開閉弁41から第6開閉弁46の開閉制御などを例示することができる。
制御部70には、凝縮器11の入口側のc点に設けられた第1圧力センサ61から冷媒の凝縮圧力を示す測定信号が入力され、第2圧縮機28の吐出側のl点に設けられた第2圧力センサ62から冷媒の凝縮圧力を示す測定信号が入力され、第2圧縮機28の吸入側のk点に設けられた第3圧力センサ63から冷媒の圧力を示す測定信号が入力されている。
さらに制御部70には、凝縮器11の出口側のd点に設けられた第4圧力センサ64から冷媒の凝縮圧力を示す測定信号が入力され、第2気液分離器22の出口側のf点に配置された第5圧力センサ65から冷媒の凝縮圧力を示す測定信号が入力され、蒸発器26の流入側のi点に設けられた第6圧力センサ67からの冷媒の圧力を示す測定信号が入力され、蒸発器26の流出側のj点に設けられた第7圧力センサ68からの冷媒の圧力を示す測定信号が入力されている。その他に制御部70には、室内ユニット20から吹出される熱交換後の室内空気の温度を測定する吹出し温度センサ66から測定した温度を示す測定信号が入力され、室外ファン部12から室外ファンの回転周波数を示す信号が入力されている。また、制御部70には第1圧縮機27および第2圧縮機28の回転数を示す信号も入力されている。
制御部70からは、第1圧縮機27および第2圧縮機28の運転状態を制御する制御信号と、第1膨張弁21の開度を制御する制御信号が出力されている。さらに制御部70からは、第1開閉弁41から第6開閉弁46の開閉を制御する制御信号と、室外ファン部12における室外ファンの回転周波数を制御する制御信号など、従来の空調システムにおいて行われる制御に関する制御信号も出力されている。
次に、上記の構成からなる空調システム1における制御について説明する。具体的には外気温度の変動に対する制御について説明する。まず、空調システム1がインジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを用いて冷房運転されている状態を図3および図4を参照しながら説明する。
この場合、制御部70は、第1開閉弁41、第3開閉弁43、第4開閉弁44および第6開閉弁46に対して弁を閉じる制御信号を出力するとともに、第2開閉弁42および第5開閉弁45に対して弁を開く制御信号を出力している。なお図において、黒塗りは弁が閉じられた状態を示し、白抜きは弁が開かれた状態を示している。また、実線で示された流路は冷媒が流れている流路を表し、点線で示された流路は冷媒が流れていない流路を表している。
第1圧縮機27および第2圧縮機28から吐出された高温高圧の気体冷媒は、凝縮器11に流入し、室外ファン部12により導入された外気と熱交換して熱を放出する。熱を放出した冷媒は凝縮して液体冷媒となり、凝縮器11から流出して第1膨張弁21に向かう。高圧の液体冷媒は第1膨張弁21において減圧されて気液二相の冷媒となる。
気液二相の冷媒は、開かれた第2開閉弁42を介して、第2気液分離器22に流入して気体冷媒と液体冷媒とに分離される。液体冷媒は第2気液分離器22から第1逆止弁51を介して、エゼクタ23のノズル23Nに流入する。なお、第1開閉弁41が閉じられているため、気液二相の冷媒は第1バイパス流路31に流入しない。さらに第3開閉弁43も閉じられているため、液体冷媒は第1バイパス流路31に流入しない。
エゼクタ23では、液体冷媒がノズル23Nから噴出して減圧され、吸引部23Sから後述する気体冷媒を吸引する。その後ディフューザ23Dにおいて液体冷媒と気体冷媒が混合されるとともに昇圧される。エゼクタ23のディフューザ23Dからは気液二相の液体が流出し、第1気液分離器24に流入する。
気液二相の冷媒は、第1気液分離器24において液体冷媒と気体冷媒に分離される。液体冷媒は、第3逆止弁53を介して第2膨張弁25に向かう。液体冷媒は第2膨張弁25において減圧されて気液二相の冷媒となる。なお、第2バイパス流路32に第2逆止弁52が配置さているため、第3逆止弁53を通過した冷媒は、第2バイパス流路32に流入することなく第2膨張弁25に向かう。
第2膨張弁25に減圧された冷媒は蒸発器26に流入する。蒸発器26では、室内ユニット20内に導入された室内空気の熱を、冷媒が吸収して蒸発し気体冷媒となる。その一方で、室内空気は熱を奪われることにより冷却され、室内ユニット20からフロアに吹き出される。蒸発器26を流出した気体冷媒は、エゼクタ23に導かれて上述のように吸引部23Sから吸引され、第1気液分離器24に導かれる。
第1気液分離器24において分離された気体冷媒は、第1圧縮機27に吸入されて圧縮され、所定の圧力まで昇圧された高温高圧の冷媒として吐出される。その一方で、第2気液分離器22において分離された気体冷媒は、第2圧縮機28に吸入されて圧縮される。圧縮された冷媒は第2圧縮機28から吐出されて、第1圧縮機27から吐出された冷媒と合流し、凝縮器11に流入する。
なお空調システム1が、図3に示すようにインジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルによって運転されている状態をモリエル線図で表現すると図4に示す通りとなる。図4におけるアルファベットa〜lは、それぞれ図1に示すa点〜l点と対応している。
空調システム1が冷房運転されている間、制御部70は図5に示すフローチャートに従い、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを用いた冷房運転の制御、エゼクタサイクルを用いた冷房運転の制御、インジェクションサイクルもエゼクタサイクルも用いない一般的な蒸気圧縮サイクルを用いた冷房運転の制御のいずれを実行するか判定する処理を繰り返して行っている。
制御部70の演算部71は、凝縮器11の入口側の冷媒圧力である凝縮器前圧力(c点の圧力)が変動したか否かを判定する処理を実行する(S11)。具体的には、第1圧力センサ61から出力された測定信号が制御部70に入力され、演算部71は入力された測定信号の時間変化に基づいて凝縮器前圧力が変動したか否かを判定する。変動したか否かの判定としては、例えば、所定の期間内に凝縮器圧力の変化量が所定量以上となった場合に変動したと判定する例を挙げることができる。
S11において凝縮器前圧力が変動していないと判定された場合(NOの場合)には、再びS11の判定処理が行われる。
その一方で、S11において凝縮器前圧力が変動したと判定された場合(YESの場合)には、演算部71は第2圧縮機28の圧力比が所定の圧力比、具体的には1.2以上であるか否かを判定する処理を実行する(S12)。
具体的には、第2圧力センサ62および第3圧力センサ63から出力された測定信号が制御部70に入力され、演算部71は入力された測定信号に基づいて第2圧縮機28の吸入圧力と吐出圧力の比である圧力比を求める演算処理を行う。さらに求められた圧力比が、1.2以上であるか否かを判定する処理を行う。なお本実施形態では、判定の基準となる所定の圧力比が1.2である例に適用して説明するが、所定の圧力比は第2圧縮機28が安定して運転される値であればよく、1.2である場合に限定するものではない。
S12において圧力比が1.2以上であると判定された場合(YESの場合)には、制御部70は第1膨張弁21における開度の制御を行う(S13)。具体的には、f点の冷媒圧力と、j点の冷媒圧力の差を所望の一定値に保つように第1膨張弁21の開度が制御される。このf点の冷媒圧力と、j点の冷媒圧力の差はエゼクタ23の駆動に係る圧力差であり、これを所望の一定値に保つことによりエゼクタサイクルが安定して行われる。その後、再びS11に戻り上述の処理が繰り返し行われる。
S12において圧力比が1.2未満であると判定された場合(NOの場合)には、制御部70の演算部71は、第1消費電力を求める演算処理を行う(S14)。第1消費電力は、室内ユニット20から吹出される室内空気の温度である吹出し温度を維持する前提の上で、室外ファン部12による送風量を減らして第2圧縮機28の圧力比を1.2以上とする際に消費される電力である。
さらに演算部71は、第2消費電力を求める演算処理を行う(S15)。第2消費電力は、吹出し温度を維持する前提の上で、第2気液分離器22および第2圧縮機28をバイパスして冷房運転を行う際に消費される電力である。言い換えると、インジェクションサイクルを停止し、エゼクタサイクルによる冷房運転を行う際の消費電力である。
上述のS14やS15の判定を行う際に、演算部71は少なくとも第6圧力センサ67および第7圧力センサ68から入力される冷媒の圧力を示す測定信号や、第1圧縮機27および第2圧縮機28の回転数を示す信号に基づいて判定処理を行っている。
演算部71における第1消費電力および第2消費電力を求める処理としては、記憶部72に記憶させた演算式および制御部70に入力される各種の入力信号に基づいて演算により求める方法や、記憶部に記憶され自動更新される消費電力に関するマップに基づいて求める方法などを例示することができる。
第1消費電力および第2消費電力が求められると、演算部71は第1消費電力が第2消費電力以上か否かを判定する処理を実行する(S16)。第1消費電力が第2消費電力未満と判定された場合(NOの場合)には、制御部70は室外ファン部12における室外ファンの回転数を低下させ、送風量を低下させる制御を実行する(S17)。これにより凝縮器11において冷媒から放出される熱量が低減し、第2圧縮機28の圧力比が高くなる。
その一方で、S16において第1消費電力が第2消費電力以上であると判定された場合(YESの場合)には、制御部70は第2気液分離器22および第2圧縮機28をバイパスさせる制御を実行する(S18)。言い換えると、インジェクションサイクルを停止し、エゼクタサイクルによる冷房運転を行う制御を実行する。制御部70は第1開閉弁41および第3開閉弁43を開き、第2開閉弁42を閉じる制御信号を出力する。また、第2圧縮機28の運転を停止する制御信号も出力する。
ここで、エゼクタサイクルで空調システム1を冷房運転する際の冷媒の流れについて図6を参照しながら説明する。
運転されている第1圧縮機27吐出された高温高圧の気体冷媒は、凝縮器11において放出して液体冷媒となり第1膨張弁21に向かう。高圧の液体冷媒は第1膨張弁21において減圧されて気液二相の冷媒となる。
気液二相の冷媒は、第1バイパス流路31、第1開閉弁41および第3開閉弁43を介してエゼクタ23のノズル23Nに流入する。エゼクタ23に流入した後から第1圧縮機27に吸入されるまでの冷媒の流れはインジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルで冷房運転する場合(図3参照。)と同様であるためその説明を省略する。
第2圧縮機28は制御部70から運転を停止する制御信号が入力されているため、その運転は停止されている。また第1逆止弁51は、第1バイパス流路31を迂回した冷媒が第2気液分離器22に流入することを阻止している。第4逆止弁54は、第1圧縮機27から吐出された冷媒が第2圧縮機28に流入することを阻止している。
図5に戻り、制御部70による制御の続きを説明する。
S18の処理が行われると、演算部71は、凝縮器11の出口側の冷媒圧力である凝縮器後圧力(d点の圧力)が、第2気液分離器22の出口側の冷媒圧力である第2気液分離器後圧力(f点の圧力)よりも小さいか否かの判定処理を実行する(S19)。具体的には、第4圧力センサ64および第5圧力センサ65から入力された測定信号に基づいて、演算部71は凝縮器後圧力と第2気液分離器後圧力の比較を行う。
S18において凝縮器後圧力が第2気液分離器後圧力以上であると判定された場合(NOの場合)には、S11に戻り、上述の処理が再び行われる。
その一方S18において凝縮器後圧力が第2気液分離器後圧力未満であると判定された場合(YESの場合)は、エゼクタ23の駆動圧力を変化させる必要がある場合であり、エゼクタサイクルによる冷房運転が継続して行われる。このとき制御部70は、空調システム1の冷房負荷や外気の温度などの条件に基づいて第1圧縮機27の回転数を制御し、フロアの室内空気の温度を一定に保っている。つまり、エゼクタ23の駆動圧力を変化させる必要が生じるまで、エゼクタ23の駆動圧力を可能な限り一定に保ちつつ運転が行われる。
当該制御によって第1圧縮機27の回転数が変動すると、空調システム1を循環する冷媒流量が変動する。このように冷媒流量が変動するとエゼクタサイクルによる冷房運転の効率が低下したり、安定した冷房運転ができなくなったりする。そのため制御部70が次に説明する制御を行う。
つまり、S18において凝縮器後圧力が第2気液分離器後圧力未満であると判定された場合(YESの場合)には、演算部71は第3消費電力を求める処理を実行する(S20)。第3消費電力は、吹出し温度を維持する前提の上で、空調システム1をエゼクタサイクルで冷房運転した際に消費される電力である。
さらに演算部71は、第4消費電力を求める処理を実行する(S21)。第4消費電力は、吹出し温度を維持する前提の上で、さらにエゼクタ23をバイパスして冷房運転を行う際に消費される電力である。言い換えると、エゼクタサイクルを停止し、通常の蒸気圧縮サイクルによる冷房運転を行う際の消費電力である。
演算部71における第3消費電力および第4消費電力を求める処理としては、記憶部72に記憶させた演算式および制御部70に入力される各種の入力信号に基づいて演算により求める方法や、記憶部に記憶され自動更新される消費電力に関するマップに基づいて求める方法などを例示することができる。
第3消費電力および第4消費電力が求められると、演算部71は第3消費電力が第4消費電力以下か否かを判定する処理を実行する(S22)。第3消費電力が第4消費電力以下と判定された場合(YESの場合)には、制御部70はエゼクタサイクルでの冷房運転を継続する制御を行う(S23)。その後、再びS11に戻り上述の処理が繰り返し行われる。
その一方S22において、第3消費電力が第4消費電力を超えると判定された場合(NOの場合)には、制御部70はエゼクタ23をバイパスして冷房運転を行う制御を実行する(S24)。言い換えると、エゼクタサイクルを停止し、通常の蒸気圧縮サイクルによる冷房運転を行う制御を実行する。具体的には、第3開閉弁43および第5開閉弁45を閉じ、第4開閉弁44および第6開閉弁46を開く制御信号を出力する。
ここで、エゼクタサイクルを停止し、通常の蒸気圧縮サイクルで空調システム1を冷房運転する際の冷媒の流れについて図7を参照しながら説明する。
運転されている第1圧縮機27吐出された高温高圧の気体冷媒は、凝縮器11において放出して液体冷媒となり第1膨張弁21に向かう。高圧の液体冷媒は第1膨張弁21において減圧されて気液二相の冷媒となる。
気液二相の冷媒は、第1バイパス流路31、第2バイパス流路32、第1開閉弁41、第4開閉弁44および第2逆止弁52を介して第2膨張弁25に向かう。冷媒は第2膨張弁において減圧された後蒸発器26に流入する。蒸発器26において冷媒は室内空気の熱を吸収して蒸発し気体冷媒となる。
蒸発器26を流出した気体冷媒は、第3バイパス流路33および第6開閉弁46を介して第1気液分離器24に流入する。その一方で、第1気液分離器24で分離された気体冷媒は、第1圧縮機27に吸入されて圧縮され、所定の圧力まで昇圧された高温高圧の冷媒として吐出される。
第2圧縮機28は制御部70から運転を停止する制御信号が入力されているため、その運転は停止されている。また第3開閉弁43は冷媒がエゼクタ23のノズル23Nに流入することを阻止している。第5開閉弁45は冷媒がエゼクタ23の吸引部23Sに流入することを阻止している。
上記の構成の空調システム1によれば、第1開閉弁41から第6開閉弁46の開閉によって冷媒が循環する経路を制御することにより、空調システム1が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図ることができる。つまり、第1開閉弁41から第6開閉弁46の開閉によって冷媒が循環する経路を制御することで、冷媒が第2圧縮機28を介して循環するインジェクションサイクル、冷媒がエゼクタ23を介して循環するエゼクタサイクル、並びに、冷媒が第2圧縮機28およびエゼクタ23を迂回して循環する蒸気圧縮サイクルの少なくとも1つが選択される。インジェクションサイクル、エゼクタサイクル、および蒸気圧縮サイクルは、外気の温度などの環境条件を含めた空調システム1の運転状態と、冷房運転における消費電力量との関係が異なっている。そのため、制御部70が、空調システム1の運転状態に基づいて、インジェクションサイクル、エゼクタサイクル、および蒸気圧縮サイクルから消費電力の削減を図りやすいサイクルを採用することで、一年を通して消費電力の低減を図りやすくなる。
第2圧縮機28の圧力比に応じて第2圧縮機28で冷媒圧縮を行うインジェクションサイクルを実行するか否かを制御することにより、消費電力の低減を図りやすくなる。具体的には、第2圧縮機28の圧力比が所定の圧力比以上の場合には、エゼクタサイクルのみを実行した場合と比較して、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを実行した方が消費電力の低減を図りやすい。その一方で、第2圧縮機28の圧力比が所定の圧力比未満の場合には、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを実行する場合と比較して、エゼクタサイクルのみを実行したほうが消費電力の低減を図りやすい。
ポンプサイクルを実行しない条件において、第1消費電力と第2消費電力とを比較した上でインジェクションサイクルを実行するか否かを制御することにより、空調システム1が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図りやすくなる。具体的には、吹出し温度を維持する前提条件の下で、インジェクションサイクルを継続しつつ室外ファン部12の送風量を制御することで第2圧縮機28の圧力比を所定の圧力比以上とする第1消費電力と、インジェクションサイクルを停止してエゼクタサイクルのみを実行する際の第2消費電力とが比較される。
第1消費電力が第2消費電力よりも少ない場合には、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを実行するとともに、室外ファン部の送風量を抑制する制御を行うことで空調システム1の消費電力を低減しやすくなる。その一方で、第2消費電力が第1消費電力よりも少ない場合には、エゼクタサイクルのみを実行する制御を行うことで空調システム1の消費電力を低減しやすくなる。
ポンプサイクルを実行しない条件、かつ、エゼクタサイクルのみが実行される条件において、第3消費電力と第4消費電力とを比較した上でエゼクタサイクルを実行するか否かを制御することにより、空調システム1が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図りやすくなる。具体的には、吹出し温度を維持する前提条件の下で、エゼクタサイクルを実行する際の第3消費電力と、エゼクタサイクルを停止した際の第4消費電力とが比較される。
第3消費電力が第4消費電力よりも少ない場合には、エゼクタサイクルを実行する制御を行うことで空調システム1の消費電力を低減しやすくなる。その一方で、第4消費電力が第3消費電力よりも少ない場合には、エゼクタへの冷媒の流入を停止して通常の蒸気圧縮サイクルを実行する制御を行うことで空調システム1の消費電力を低減しやすくなる。
なお上述の実施形態では、第1バイパス流路31が第1膨張弁21と第2開閉弁42の間につながる例に適用して説明したが、図8に示すように凝縮器11と第1膨張弁21との間につながっていてもよい。このようにすると、エゼクタ23を迂回させた蒸気圧縮サイクルで冷房運転が行われた際に、第1膨張弁21も迂回され、第2膨張弁25のみで冷媒の減圧が行われる。
また、上述の実施形態では空冷システム1の冷房運転が開始された際に、インジェクョンサイクルおよびエゼクタサイクルにより冷房運転が行われる例に適用して説明したが、図9に示すようにインジェクションサイクルにより冷房運転が行われてもよい。この場合、エゼクタ23におけるノズル23Nの冷媒流入側に開閉弁49Aが設けられ、開閉弁49Aは閉じられている。
〔第1の実施形態の変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について図10を参照して説明する。本実施形態の空調システムの基本構成は、外気温度(凝縮圧力)に対して制御を行う第1の実施形態と比較して、室内温度(蒸発圧力)に対して制御を行う点が異なっている。よって、本実施形態においては、図10を用いて制御についてのみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
本変形例の空調システム1における制御部70の演算部71は、蒸発器26の出口側の冷媒圧力である蒸発器後圧力(j点の圧力)が変動したか否かを判定する処理を実行する(S31)。具体的には、蒸発器後圧力を測定する第7圧力センサ68から出力された測定信号が制御部70に入力され、演算部71は入力された測定信号の時間変化に基づいて蒸発器後圧力が変動したか否かを判定する。変動したか否かの判定としては、例えば、所定の期間内に蒸発器後圧力の変化量が所定量以上となった場合に変動したと判定する例を挙げることができる。
S31において蒸発器後圧力が変動していないと判定された場合(NOの場合)には、再びS31の判定処理が行われる。
S31において蒸発器後圧力が変動したと判定された場合(YESの場合)には、制御部70は第1膨張弁21における開度の制御を行う(S32)。具体的には、f点の冷媒圧力と、j点の冷媒圧力の差を所望の一定値に保つように第1膨張弁21の開度が制御される。
その後、演算部71は第2圧縮機28の圧力比が所定の圧力比、具体的には1.2以上であるか否かを判定する処理を実行する(S12)。S12以降における制御部70の制御内容は第1の実施形態と同様であるため、図10にフローチャートを記載して、その説明を省略する。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る空調システムついて図11から図18を参照して説明する。本実施形態の空調システムの基本構成は、第1の実施形態の空調システムにポンプサイクルが追加されている点が異なっている。よって、本実施形態においては、図11から図18を用いてポンプサイクルに関連する説明を行い、その他の構成要素等の説明を省略する。
本実施形態の空調システム(冷凍機)101には、図11に示すように、室外ユニット10に配置された凝縮器11、液タンク113、ポンプ部114と、室内ユニット20に配置された第1膨張弁21、第2気液分離器22、エゼクタ23、第1気液分離器24、第2膨張弁25、蒸発器26、第1圧縮機27、第2圧縮機28と、制御部170と、が主に設けられている。
空調システム1には更に、冷媒のバイパス流路である第1バイパス流路31、第2バイパス流路32、第3バイパス流路33および第4バイパス流路(第2バイパス部)134と、冷媒の流れを制御する第1開閉弁41、第2開閉弁42、第3開閉弁43、第4開閉弁44、第5開閉弁45、第6開閉弁46、第7開閉弁(制御弁)147、第8開閉弁(制御弁)148、第9開閉弁(制御弁)149と、同じく冷媒の流れを制御する第1逆止弁51、第2逆止弁52、第3逆止弁53第4逆止弁54、第5逆止弁155、第6逆止弁156、第7逆止弁157と、が設けられている。
液タンク113は、凝縮器11と第1膨張弁21との間から分岐した配管と接続され、凝縮器11から流出した冷媒を気体冷媒と液体冷媒とに分離するとともに液冷媒を貯留する容器である。液タンク113に冷媒を流入させる配管は、液タンク113の上側であって気体冷媒が貯留する領域に接続されている。当該配管には、液タンク113への冷媒の流入を制御する第7開閉弁147が配置されている。その一方で、ポンプ部114につながる配管は、液タンク113の下側であって液体冷媒が貯留する領域に接続されている。
液タンク113およびポンプ部114の間には、液冷媒の過冷却度を確保する熱交換器であるサブ凝縮器115が設けられている。サブ凝縮器115は、液タンク113からポンプ部114へ流入する液冷媒の熱を外気に放出させる熱交換器である。
ポンプ部114は、サブ凝縮器115と第2膨張弁25との間に配置され、サブ凝縮器115から流出した液体冷媒を第2膨張弁25に向けて送り出すものである。具体的には、ポンプ部114から送り出された冷媒が、第2バイパス流路32における第4開閉弁44と第2逆止弁52との間に流入するように構成され、当該流入箇所の近傍には第5逆止弁155が配置されている。
本実施形態では、ポンプ部114をインバータ制御によって所定の範囲で回転数が制御される電動機によって駆動されるポンプである例に適用して説明する。なお、第1圧縮機27および第2圧縮機28と、ポンプ部114とは吸入した冷媒を圧縮してその圧力を高めて送り出すか否かという点で異なっている。
第4バイパス流路134は、蒸発器26およびエゼクタ23の間と、第1圧縮機27および凝縮器11の間とをつなぐ流路であり、蒸発器26から流出した冷媒を凝縮器11に導くものである。第4バイパス流路134における蒸発器26側の端部には第8開閉弁148が配置され、凝縮器11側の端部には第6逆止弁156が配置されている。なお、第1圧縮機27の吐出側には第7逆止弁157が配置されている。
第5逆止弁155は、ポンプ部114から第2膨張弁25に向けて冷媒を流し、その逆方向に冷媒が流れるのを阻止するものである。第6逆止弁156は、蒸発器26から凝縮器11に向けて冷媒を流し、その逆方向に冷媒が流れるのを阻止するものである。第7逆止弁157は、第1圧縮機27から凝縮器11に向けて冷媒を流し、その逆方向に冷媒が流れるのを阻止するものである。
本実施形態では、第1逆止弁51から第7逆止弁157を設ける例に適用して説明したが、逆止弁の代わりに開閉制御される開閉弁を同じ場所に配置してもよい。この場合、第1逆止弁51から第7逆止弁157の全てを開閉弁に置き換えてもよいし、その一部のみを開閉弁に置き換えてもよい。
制御部170は空調システム101における運転状態を制御するものであり、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータである。制御部170が配置される場所は、例えば図11に示すように、室内ユニット120および室外ユニット110以外の場所であってもよいし、室内ユニット120内であってもよく、特に限定するものではない。
ROM等に記憶されている制御プログラムは、図12の模式図に示すように、CPUを演算部71として機能させるものであり、ROM等を記憶部72として機能させるものである。制御部170による運転状態の制御としては、従来の空調システムにおいて行われている室内空気の温度を設定温度とする制御や、第1開閉弁41から第9開閉弁149の開閉制御などを例示することができる。
制御部170には、第1圧力センサ61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ63、第4圧力センサ64、第5圧力センサ65から冷媒の凝縮圧力を示す測定信号が入力され、吹出し温度センサ66から測定した温度を示す測定信号が入力され、室外ファン部12から室外ファンの回転周波数を示す信号が入力されている。
その他にも、室外ユニット110に設けられ外気の温度である室外温度を測定する室外温度センサ167から測定信号が入力され、室内ユニット120に設けられフロア内の温度である室内温度を測定する室内温度センサ168から測定信号が入力されている。また、ポンプ部114の吸入側に設けられ冷媒の温度を測定するポンプ吸込み温度センサ169から冷媒温度が入力され、ポンプ部114からポンプに異常が発生した際に出力される異常信号が入力されるようになっている。
制御部170からは、第1圧縮機27および第2圧縮機28の運転状態を制御する制御信号と、第1膨張弁21の開度を制御する制御信号が出力されている。さらに制御部170からは、第1開閉弁41から第9開閉弁149の開閉を制御する制御信号と、室外ファン部12における室外ファンの回転周波数を制御する制御信号と、ポンプ部114の運転状態を制御する制御信号など、従来の空調システムにおいて行われる制御に関する制御信号も出力されている。
次に、上記の構成からなる空調システム101における制御について図13から図17を参照しながら説明する。
空調システム101の運転が開始されると、制御部170は図13に示すフローチャートに従ってポンプサイクルを用いた冷房運転、および、圧縮サイクルを用いた冷房運転の一方を開始する。ここで圧縮サイクルはインジェクションサイクル、エゼクタサイクル、インジェクションサイクルおよびエゼクタサイクル、通常の蒸気圧縮サイクルの総称である。
制御部170の演算部71は、室内外温度差が温度差の設定値以上であるか否かを判定する処理を行う(S101)。具体的には、室外温度センサ167から入力された室外温度の測定信号、および、室内温度センサ168から入力された室内温度の測定信号に基づいて室内外温度差を算出し、算出された室内外温度差が記憶部72に予め記憶された温度差の設定値と比較する処理が行われる。
S101において室内外温度差が設定値以上と判定された場合(YESの場合)には、演算部71は、冷房負荷が冷房負荷の設定値以下であるか否かを判定する処理を行う(S102)。具体的には、運転状態に基づいて空調システム101の冷房負荷を算出し、算出された冷房負荷と記憶部に予め記憶された冷房負荷の設定値と比較する処理が行われる。
S102において冷房負荷が設定値以下であると判定された場合(YESの場合)には、制御部170はポンプサイクルを用いた冷房運転を行う制御を開始する(S103)。
その一方で、S101において室内外温度差が設定値未満と判定された場合(NOの場合)、および、S102において冷房負荷が設定値を超えていると判定された場合(YESの場合)には制御部170は圧縮サイクルを用いた冷房運転を行う(S104)。制御部170は、圧縮サイクルを用いた冷房運転を行っている間も、上述のS101に戻り上述の処理を繰り返し行う。
さらに制御部170は、ポンプサイクルを用いた冷房運転を行っている間も、圧縮サイクルを用いた冷房運転に切り替えるか否かを判定する、ルートR1からルートR4の演算処理を行う。なお、ルートR1からルートR4は演算処理を行う順序が定められたものではなく、同時に並列して行われてもよい。
ルートR1では室内外温度差が温度差の設定値未満であるか否かの判定を行う処理が行われる(S111)。具体的には、室外温度センサ167から入力された室外温度の測定信号、および、室内温度センサ168から入力された室内温度の測定信号に基づいて室内外温度差を算出し、算出された室内外温度差と記憶部72に予め記憶された温度差の設定値と比較する処理が行われる。
S111において室内外温度差が設定値未満と判定された場合(YESの場合)には、圧縮サイクルを用いた冷房運転に切り替えられる(S104)。その一方で室内外温度差が設定値以上と判定された場合(NOの場合)には、ポンプサイクルを用いた冷房運転が継続される(S103)。
ルートR2では室内温度、吹出し温度が設定値以上であるか否かの判定を行う処理が行われる(S112)。具体的には、室内温度センサ168から室内温度の測定信号を、吹出し温度センサ66から吹出し温度の測定信号を取得し、取得した室内温度、吹出し温度と記憶部72に予め記憶された設定値と比較する処理が行われる。
S112において室内温度、吹出し温度が設定値以上であると判定された場合(YESの場合)には、圧縮サイクルを用いた冷房運転に切り替えられる(S104)。その一方で室内温度、吹出し温度が設定値未満であると判定された場合(NOの場合)には、ポンプサイクルを用いた冷房運転が継続される(S103)。
ルートR3ではポンプ吸い込み過冷却度が所定の一定値以下であるか否かの判定を行う処理が行われる(S113)。具体的には、ポンプ吸込み温度センサ169から取得した冷媒温度の信号に基づいて冷媒の過冷却度を算出し、算出した過冷却度と予め記憶部72に記憶された所定の一定値とを比較する処理が行われる。
S113においてポンプ吸込み過冷却度が一定値以下であると判定された場合(YESの場合)には、圧縮サイクルを用いた冷房運転に切り替えられる(S104)。その一方でポンプ吸込み過冷却度が一定値を超えると判定された場合(NOの場合)には、ポンプサイクルを用いた冷房運転が継続される(S103)。
ルートR4ではポンプ異常が発生しているか否かの判定を行う処理が行われる(S114)。具体的には、ポンプ部114から異常信号が入力されているか否かの判定が行われる。
S114においてポンプ異常が発生していると判定された場合(YESの場合)には、圧縮サイクルを用いた冷房運転に切り替えられる(S104)。その一方でポンプ異常が発生していないと判定された場合(NOの場合)には、ポンプサイクルを用いた冷房運転が継続される(S103)。
ここで、空調システム101の冷房運転がポンプサイクルにより行われている状態の冷媒の流れを、図14を参照しながら説明する。ポンプサイクルを用いた冷房運転が行われる場合、制御部170は、第1開閉弁41、第2開閉弁42、第3開閉弁43、第4開閉弁44、第5開閉弁45、第6開閉弁46および第9開閉弁149に弁を閉じる制御信号を出力し、第7開閉弁147および第8開閉弁148に弁を開く制御信号を出力する。さらに第1圧縮機27および第2圧縮機28に運転を停止する制御信号を出力し、ポンプ部114に運転を行う制御信号を出力する。
ポンプ部114から送出された液体冷媒は、第5逆止弁155、第2バイパス流路32、第2逆止弁52および第2膨張弁25を介して蒸発器26に流入する。蒸発器26では、室内ユニット120内に導入された室内空気の熱を、冷媒が吸収して蒸発し気体冷媒となる。その一方で、室内空気は熱を奪われることにより冷却され、室内ユニット120からフロアに吹き出される。
蒸発器26を流出した気体冷媒は、第8開閉弁148、第4バイパス流路134および第6逆止弁156を介して凝縮器11に流入する。凝縮器11に流入した気体冷媒は、室外ファン部12により導入された外気と熱交換して熱を放出する。熱を放出した冷媒は凝縮して液体冷媒となり、凝縮器11から流出して第7開閉弁147を介して液タンク113に流入する。液タンク113では流入した冷媒は気体冷媒と液体冷媒とに分離され液冷媒が貯留される。液体冷媒はサブ凝縮器115で冷却された後にポンプ部114へ流入し、上述のサイクルが繰り返される。
次に、空調システム101の冷房運転が圧縮サイクルにより行われている状態の冷媒の流れを、図15を参照しながら説明する。圧縮サイクルが開始されると、インジェクョンサイクルおよびエゼクタサイクルにより冷房運転が行われる。
インジェクョンサイクルおよびエゼクタサイクルにより冷房運転が行われる場合、制御部170は第1開閉弁41、第3開閉弁43、第4開閉弁44、第6開閉弁46、第7開閉弁147および第8開閉弁148を閉じる制御信号を出力し、第2開閉弁42、第5開閉弁45および第9開閉弁149を開く制御信号を出力する。さらに、第1圧縮機27および第2圧縮機28を運転する制御信号を出力し、ポンプ部114を停止する制御信号を出力する。
なお、空調システム101において、インジェクョンサイクルおよびエゼクタサイクルを用いて冷房運転が行われる場合の冷媒の流れは、第1の実施形態と同様であるため図15に回路図を示して、その説明を省略する。
空調システム101が圧縮機サイクルを用いて冷房運転されている間、制御部170はインジェクションサイクルおよびエゼクタサイクルを用いた冷房運転の制御、エゼクタサイクルを用いた冷房運転の制御、インジェクションサイクルもエゼクタサイクルも用いない一般的な蒸気圧縮サイクルを用いた冷房運転の制御のいずれを実行するか判定する処理を繰り返して行っている。ここで行われる処理は、第1の実施形態と同様に図5に示すフローチャートに従って行われるため、その説明を省略する。
ここで、本実施形態の空調システム101において、エゼクタサイクルを用いて冷房運転が行われる場合(S18やS23の場合)の冷媒の流れについて、図16を参照しながら説明する。
エゼクタサイクルにより冷房運転が行われる場合、制御部170は第2開閉弁42、第4開閉弁44、第6開閉弁46、第7開閉弁147および第8開閉弁148の弁を閉じる制御信号を出力し、第1開閉弁41、第3開閉弁43、第5開閉弁45および第9開閉弁149を開く制御信号を出力する。さらに、第1圧縮機27を運転する制御信号を出力し、第2圧縮機28およびポンプ部114を停止する制御信号を出力する。
なお、本実施形態の空調システム101において、エゼクタサイクルを用いて冷房運転が行われる場合の冷媒の流れは、第1の実施形態と同様であるため図16に回路図を示して、その詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態の空調システム101において、蒸気圧縮サイクル(第2圧縮機28およびエゼクタ23を迂回したサイクル)を用いて冷房運転が行われる場合(S24の場合)の冷媒の流れについて、図17を参照しながら説明する。
エゼクタサイクルにより冷房運転が行われる場合、制御部170は第2開閉弁42、第3開閉弁43、第5開閉弁45、第7開閉弁147および第8開閉弁148の弁を閉じる制御信号を出力し、第1開閉弁41、第4開閉弁44および第6開閉弁46の弁を開く制御信号を出力する。さらに第1圧縮機27を運転する制御信号を出力し、第2圧縮機28およびポンプ部114を停止する制御信号を出力する。
なお、本実施形態の空調システム101において、蒸気圧縮サイクルを用いて冷房運転が行われる場合の冷媒の流れは、第1の実施形態と同様であるため図17に回路図を示して、その詳細な説明を省略する。
上記の構成の空調システム101のように冷媒が液タンク113およびポンプ部114を介して循環するポンプサイクルを選択肢に追加することにより、空調システム101が冷房運転を行う際に消費する電力の低減をさらに図りやすくなる。つまり、インジェクションサイクル、および、エゼクタサイクルと比較して、空調システム101の運転状態および消費電力量との関係が異なるポンプサイクルを選択肢に加えることにより、より消費電力の削減に適したサイクルを選択しやすくなる。その結果として、空調システム101が冷房運転を行う際に消費する電力の低減をさらに図りやすくなる。
室内外温度差が所定の設定温度差以上という条件を満たす場合、または、室内外温度差が所定の設定温度差以上という条件、および、空調システム101の冷房負荷が所定の冷房負荷以下という条件を満たす場合の一方のときにポンプサイクルを選択して実行することにより、空調システム101が冷房運転を行う際に消費する電力の低減を図りやすくなる。つまり、ポンプサイクルは他のサイクルと比較して冷房運転時の消費電力が少ないものの、発揮できる冷房能力に限りがある。そのため、冷房能力を発揮させやすい室内外温度差が所定温度差以上という条件が満たされた場合、または、室内外温度差が所定の設定温度差以上という条件、および、空調システム101に求められる冷房負荷が大きくないという条件が満たされた場合の一方のときにポンプサイクルを実行する制御が行われる。この場合、空調システム101は求められる冷房負荷を満たしつつ、消費電力の削減を図ることができる。
なお、上述の実施形態では圧縮サイクルが開始された際に、インジェクョンサイクルおよびエゼクタサイクルにより冷房運転が行われる例に適用して説明したが、図18に示すようにインジェクションサイクルにより冷房運転が行われてもよい。
インジェクションサイクルにより冷房運転が行われる場合、制御部170は第1開閉弁41、第5開閉弁45、第7開閉弁147、第8開閉弁148および第9開閉弁の弁を閉じる制御信号を出力し、第2開閉弁42、第3開閉弁43、第4開閉弁44および第6開閉弁46の弁を開く制御信号を出力する。さらに制御部170は、第1圧縮機27および第2圧縮機28を運転し、ポンプ部114を停止する制御信号を出力する。
冷媒の流れは次に説明する通りとなる。第1圧縮機27および第2圧縮機28から吐出された高温高圧の気体冷媒は凝縮器11に流入し、熱を外気に放出して凝縮する。凝縮器11から流出した液体冷媒は第1膨張弁21において減圧され気液二相の冷媒となり、第2気液分離器22に流入する。第2気液分離器22において分離された液体冷媒は、第2膨張弁25に導かれ減圧されて蒸発器26に流入する。
蒸発器26において室内空気の熱を吸収して蒸発した気体冷媒は、第1気液分離器24に流入する。第1気液分離器24で分離された気体冷媒は第1圧縮機27に吸入される。その一方で、第2気液分離器22で分離された気体冷媒は第2圧縮機28に吸入される。第1圧縮機27および第2圧縮機28に圧縮された冷媒は凝縮器11に向けて吐出される。
その後のS18の制御によって、第2気液分離器22および第2圧縮機28のバイパスが行われた際には、エゼクタサイクルにより冷房運転が継続されてもよいし、図17に示す蒸気圧縮サイクルにより冷房運転が継続されてもよい。
さらに第1の実施形態の変形例と同様に、外気温度(凝縮圧力)に対して制御を行う代わりに、室内温度(蒸発圧力)に対して制御を行ってもよい。この場合の制御を説明するフローチャートは図10と同様であるため、その説明を省略する。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施形態においては、フロン系の冷媒等を用いた蒸気圧縮サイクルを備えた空調システム1,101により構成されている例に適用して説明したが、その他にも超臨界サイクルを用いた空調システムや、冷媒として二酸化炭素を用いた空調システムなどを適用することができるものである。
さらに、上記の実施形態では、ITC装置などを構成する電子機器を、室内空気を介して冷却する例に適用して説明したが、室内空気の代わりにヒートシンクなどその他の媒体を介して冷却する例に適用することができるものである。
1,101…空調システム(冷凍機)、11…凝縮器(高圧熱交換器)、12…室外ファン部、21…第1膨張弁(第1減圧部)、22…第2気液分離器、23…エゼクタ、24…第1気液分離器、25…第2膨張弁(第2減圧部)、26…蒸発器(低圧熱交換器)、27…第1圧縮機(第1圧縮部)、28…第2圧縮機(第2圧縮部)、31…第1バイパス流路(第1バイパス部)、32…第2バイパス流路(第2バイパス部)、33…第3バイパス流路(第3バイパス部)、41…第1開閉弁(制御弁)、42…第2開閉弁(制御弁)、43…第3開閉弁(制御弁)、44…第4開閉弁(制御弁)、45…第5開閉弁(制御弁)、46…第6開閉弁(制御弁)、70,170…制御部、113…液タンク、114…ポンプ部、134…第4バイパス流路(第2バイパス部)、147…第7開閉弁(制御弁)、148…第8開閉弁(制御弁)、149…第9開閉弁(制御弁)

Claims (6)

  1. 低温側の熱を高温側に移動させる冷凍機において、
    高圧の冷媒を冷却する高圧熱交換器と、
    前記高圧熱交換器にて冷却された高圧の冷媒を減圧する第1減圧部と、
    前記第1減圧部にて減圧された冷媒を気体冷媒および液体冷媒に分離する第2気液分離器と、
    前記第2気液分離器により分離された前記液体冷媒を更に減圧するエゼクタと、
    前記エゼクタにより減圧された冷媒を気体冷媒および液体冷媒に分離する第1気液分離器と、
    前記第1気液分離器により分離された前記液体冷媒を更に減圧する第2減圧部と、
    前記第2減圧部により減圧された冷媒を蒸発させる低圧熱交換器と、
    前記低圧熱交換器から流出した冷媒を前記エゼクタの吸引部に導く吸引流路と、
    前記第1気液分離器により分離された前記気体冷媒を圧縮して前記高圧熱交換器に向けて吐出する第1圧縮部と、
    前記第2気液分離器により分離された前記気体冷媒を圧縮して前記高圧熱交換器に向けて吐出する第2圧縮部と、
    前記高圧熱交換器から流出した冷媒を前記エゼクタのノズルに導く第1バイパス部と、
    前記第1バイパス部を流れる冷媒を前記第2減圧部に導く第2バイパス部と、
    前記低圧熱交換器から流出した冷媒を前記第1気液分離器に導く第3バイパス部と、
    前記第1バイパス部、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部における前記冷媒の流れ、並びに、前記第2圧縮部および前記エゼクタへの前記冷媒の流入を制御する制御弁と、
    少なくとも前記制御弁を制御する制御部と、
    が設けられ、
    前記制御部は、前記第2圧縮部の吸入側圧力および吐出側圧力の比である圧力比が所定の圧力比以上である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒の少なくとも一部を前記第2圧縮部へ導き、前記第1バイパス部への流入を停止させ、
    前記圧力比が前記所定の圧力比未満である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる制御を行うことを特徴とする冷凍機。
  2. 低温側の熱を高温側に移動させる冷凍機において、
    高圧の冷媒を冷却する高圧熱交換器と、
    前記高圧熱交換器にて冷却された高圧の冷媒を減圧する第1減圧部と、
    前記第1減圧部にて減圧された冷媒を気体冷媒および液体冷媒に分離する第2気液分離器と、
    前記第2気液分離器により分離された前記液体冷媒を更に減圧するエゼクタと、
    前記エゼクタにより減圧された冷媒を気体冷媒および液体冷媒に分離する第1気液分離器と、
    前記第1気液分離器により分離された前記液体冷媒を更に減圧する第2減圧部と、
    前記第2減圧部により減圧された冷媒を蒸発させる低圧熱交換器と、
    前記低圧熱交換器から流出した冷媒を前記エゼクタの吸引部に導く吸引流路と、
    前記第1気液分離器により分離された前記気体冷媒を圧縮して前記高圧熱交換器に向けて吐出する第1圧縮部と、
    前記第2気液分離器により分離された前記気体冷媒を圧縮して前記高圧熱交換器に向けて吐出する第2圧縮部と、
    前記高圧熱交換器から流出した冷媒を前記エゼクタのノズルに導く第1バイパス部と、
    前記第1バイパス部を流れる冷媒を前記第2減圧部に導く第2バイパス部と、
    前記低圧熱交換器から流出した冷媒を前記第1気液分離器に導く第3バイパス部と、
    前記第1バイパス部、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部における前記冷媒の流れ、並びに、前記第2圧縮部および前記エゼクタへの前記冷媒の流入を制御する制御弁と、
    少なくとも前記制御弁を制御する制御部と、
    が設けられ、
    前記高圧熱交換器から分岐して流出する前記気体冷媒および液体冷媒に分離する液タンクと、
    前記液タンクにより分離された前記液体冷媒を前記第2バイパス部に送出するポンプ部と、
    が更に設けられ、
    前記制御弁は、前記液タンクへの前記冷媒の流入を更に制御することを特徴とする冷凍機。
  3. 前記制御部は、前記高圧熱交換器で熱交換される前の空気である外気の温度と、前記低圧熱交換器で熱交換される前の空気である室内空気の温度との温度差である室内外温度差が所定の設定温度差以上である場合、および、前記室内外温度差が前記所定の設定温度差以上、かつ、前記低圧熱交換器で熱交換される熱量である冷房負荷が所定の熱負荷以下である場合の一方のときに、
    前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒を前記液タンクへ流入させ、前記第1減圧部への流入を停止させる制御を少なくとも行うことを特徴とする請求項記載の冷凍機。
  4. 前記制御部は、前記室内外温度差が前記所定の設定温度差未満、または、前記冷房負荷が前記所定の熱負荷を超える場合であり、さらに、前記第2圧縮部の吸入側圧力および吐出側圧力の比である圧力比が所定の圧力比以上である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒の少なくとも一部を前記第2圧縮部へ導き、前記第1バイパス部への流入を停止させ、
    前記圧力比が前記所定の圧力比未満である場合には、前記高圧熱交換器から流出した前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項記載の冷凍機。
  5. 前記高圧熱交換器に外気を送る室外ファン部が更に設けられ、
    前記圧力比が前記所定の圧力比未満である場合、前記制御部は更に、
    前記低圧熱交換器と熱交換した後の空気温度である吹出し温度を維持した上で、前記室外ファン部の送風量を低下させて前記圧力比を前記所定の圧力比以上とする際の第1消費電力と、
    前記吹出し温度を維持した上で、前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる際の第2消費電力と、を比較し、
    前記第2消費電力よりも前記第1消費電力が少ない場合には、前記室外ファン部の送風量を低下させる制御を優先して行い、
    前記第1消費電力よりも前記第2消費電力が少ない場合には、前記冷媒を前記第1バイパス部へ導き、前記第2圧縮部への流入を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項またはに記載の冷凍機。
  6. 前記第1消費電力よりも前記第2消費電力が低く、かつ、前記高圧熱交換器および前記第1減圧部の間の冷媒圧力が前記第2気液分離器および前記エゼクタの間の冷媒圧力未満である場合、
    前記制御部は更に、
    前記吹出し温度を維持した上で、前記エゼクタに冷媒を流入させ、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部への流入を停止させる際の第3消費電力と、
    前記吹出し温度を維持した上で、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部に前記冷媒を流入させ、前記エゼクタへの流入を停止させる際の第4消費電力と、を比較し、
    前記第4消費電力よりも前記第3消費電力が少ない場合には、前記エゼクタに冷媒を流入させ、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部への流入を停止させる制御を行い、
    前記第3消費電力よりも前記第4消費電力が少ない場合には、前記第2バイパス部および前記第3バイパス部に前記冷媒を流入させ、前記エゼクタへの流入を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項記載の冷凍機。
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