JP6087533B2 - 耐熱性有機繊維 - Google Patents
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Description
なお、本発明においては、物性を損なわない範囲で、繊維に無機粒子以外のフィラーを含有させることができる。該フィラーとしては、繊維状、もしくは板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など非繊維状の充填剤が挙げられ、具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、耐熱性有機繊維以外の有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、二酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、マイカ、層状粘土鉱物、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物、本発明の無機粒子以外の、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。また、上記のフィラーは、2種以上を併用して使用することもできる。
した。
(1)無機粒子の露出面積割合
繊維表面に占める露出している無機粒子の面積割合(無機粒子の露出面積割合)は、次の方法により測定した。繊維側面を電子顕微鏡により倍率10万倍で観察した際の、任意に選んだ25μm2(5μm×5μm)の観察面積当りの無機粒子面積をS(μm2)としたとき、下記式により計算される(Z)を無機粒子の露出面積割合(%)とした。
Z(%)=S/25×100
(2)繊度
JIS−L−1015に準じ、測定した。
(3)繊維の強度、伸度
引張試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロン万能試験機、型式:RTC−1210A)を用いて、ASTM D885の手順に基づき、測定試料長500mm、チャック引張速度250mm/min、初荷重0.2cN/dtexの条件にて測定を実施した。
(4)布帛の鉛当量(耐放射線性)
JIS−Z−4501に準じ、測定した。
(5)布帛の厚さ、目付(単位面積あたりの質量)、見掛比重
JIS−L−1096に準じ、測定した。なお、見掛比重は単位をg/cm3に換算し表した。また、目付はJIS−L−1096の単位面積あたりの質量に基づき測定した。
(6)布帛の耐切創性
ISO−13997に準じ、測定した。
無機粒子として、1次粒子径が0.6〜0.9μmであるタングステン粒子(W−1kD 日本新金属社製)を使用した。該タングステン粒子を、表面処理実施することなく、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に28.3重量%となるように分散させた。この分散液を、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド(98%濃度の濃硫酸中、ポリマー濃度0.5g/dlの溶液について30℃で測定した固有粘度(IV)は3.4)の濃度6重量%のNMP溶液中に添加し、60℃で撹拌することにより、ドープを得た。このとき、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドに対するタングステン粒子の配合量は、61重量%となるようにした。このときのドープ中ポリマー濃度は5.3%であった。さらにポリマー濃度を低下させるためにNMPを添加し、ドープ中のポリマー濃度を5.0%とした。得られたドープを用い、孔数100ホールの紡糸口金から吐出し、エアギャップと呼ばれる空隙部分を介して、NMP濃度30重量%の水溶液中に紡出し凝固した後(半乾半湿式紡糸法)、水洗、乾燥し、次いで、温度500℃下で10倍に延伸した後、巻き取ることによりタングステン粒子が分散された状態で添加された耐熱性有機繊維を得た。得られた耐熱性有機繊維の繊維断面および側面を観察したところ、繊維内部のタングステン粒子の一部は凝集し、さらにその一部が繊維表面に露出していた。次に、この耐熱性有機繊維を無撚で経糸および緯糸に使用し、布帛の密度経緯ともに11.4本/cmである平織物を作成した。結果を表1に示す。
コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドに対するタングステン粒子の配合量を72.6重量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、タングステン粒子を含有した耐熱性有機繊維および平織物を得た。結果を表1に示す。
無機粒子として、1次粒子径が1.5〜2.0μmであるタングステン粒子(W−3kD 日本新金属社製)を使用し、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドに対するタングステン粒子の配合量を72.6重量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、タングステン粒子を含有した耐熱性有機繊維および平織物を得た。結果を表1に示す。
無機粒子として、1次粒子径が1.0〜2.0μmであるモリブデン粒子(商品名;Mo−3kD 日本新金属社製)を使用し、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドに対するモリブデン粒子の配合量を72.6重量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、モリブデン粒子を含有した耐熱性有機繊維および平織物を得た。結果を表1に示す。
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(商品名:KBE846、信越化学工業社製)を酢酸でpH調整した3%水溶液を作成し、タングステン粒子(商品名:W−1kD、日本新金属社製)を1時間浸漬・撹拌させ、その後、濾過、乾燥させた。粒子重量に対して付着量は0.45重量%であった。前記のタングステン粒子を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、タングステン粒子が分散した耐熱性有機繊維を得た。該タングステン粒子は親水性官能基を有するスルフィドにて表面処理されたことで、繊維を構成するポリマーとの親和性が低下(ただし、ドープ中への分散状態は十分な紡糸性が得られる範囲)、さらに凝固液との親和性が向上し、繊維表面へのタングステン粒子の露出割合が向上した。さらに実施例1と同様にして平織物を得た。結果を表1に示す。
無機粒子として、1次粒子径が0.6〜0.9μmであるタングステン粒子(W−1kD 日本新金属社製)を使用した。該タングステン粒子を、表面処理を実施することなく、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に28.3重量%となるように分散させた。また、特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造したIV=1.9のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)の濃度21.5重量%のNMP溶液中に添加し、60℃で撹拌することにより、ドープを得た。このとき、ポリメタフェニレンイソフタルアミドに対するタングステン粒子の配合量は61重量%含有となるようにした。このときのドープ中のポリマー濃度は14.7%であった。さらにポリマー濃度を低下させるためにNMPを添加し、ドープ中のポリマー濃度を14%とした。得られたドープを使い、孔数1500ホールの紡糸口金より浴温度85℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。この凝固浴は、塩化カルシウムが40重量%、NMPが5重量%、水が55重量の組成の水溶液を用いた。次いで該引き出し糸条を水洗し、95℃の温水で2.4倍に延伸して200℃のロールで乾燥した後、300℃の熱板上で1.75倍延伸してタングステン粒子を含有した耐熱性有機繊維を得た。さらに実施例1と同様にして平織物を得た。結果を表1に示す。
タングステン粒子を添加せず実施例1と同様の方法でのコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維および平織物を得た。結果を表1に示す。
無機粒子として、1次粒子径が1.5〜2.0μmであるタングステン粒子(W−3kD 日本新金属社製)を使用し、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドに対するタングステン粒子の配合量を40重量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、タングステン粒子を含有した耐熱性有機繊維および平織物を得た。結果を表1に示す。
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−573 信越シリコーン社製)を酢酸でpH調整した3%水溶液を作成し、タングステン粒子(W−1kD 日本新金属社製)を1時間浸漬・撹拌させ、その後、濾過、乾燥させた。粒子重量に対して付着量は0.5重量%であった。前記のタングステン粒子を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、タングステン粒子が分散した耐熱性有機繊維を得た。該タングステン粒子は、芳香環を有するシランにて表面処理されたことで、繊維を構成するポリマーとの親和性が向上、さらに凝固液との親和性が低下し、繊維表面へのタングステン粒子の露出割合が低減した。さらに実施例1と同様にして平織物を得た。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 耐熱性有機繊維において、該繊維は原子番号が40以上の元素からなる単体または化合物からなる無機粒子を少なくとも一種含有し、該無機粒子の一部が凝集し、該無機粒子の一部が繊維表面に露出しており、該繊維表面に占める露出している無機粒子の面積割合が25〜60%であり、該耐熱性有機繊維が全芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする耐熱性有機繊維からなる放射線防護製品。
- 全芳香族ポリアミド繊維が、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドまたはポリメタフェニレンイソフタルアミドからなる請求項1に記載の耐熱性有機繊維からなる放射線防護製品。
- 無機粒子の分散粒子平均相当径が、1.0〜3.0μmである請求項1または2に記載の耐熱性有機繊維からなる放射線防護製品。
- 無機粒子の分散粒子平均相当径が、1.28〜3.0μmである請求項1または2に記載の耐熱性有機繊維からなる放射線防護製品。
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