JP6087463B1 - 透明石鹸およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属箔を全体的に均一分散させた透明石鹸と、その製造方法とを提供する。【解決手段】枠練り法による製造用に調製された石鹸素地10に対して溶解および/または膨潤可能な親水性フィルム層上に金属箔を設けて金属箔部材を形成し、当該金属箔部材を前記石鹸素地10に投入して混合し、前記金属箔を石鹸素地10中に分散させた後、これを枠に流し込んで、養生硬化させて石鹸を形成する透明石鹸1の製造方法である。石鹸素地10は、脂肪酸石鹸を25〜55質量%、糖・ポリオールを20〜50質量%、アルコールを20質量%以下の割合で含有したものである。金属箔部材は、1〜400mm2の大きさとなされ、石鹸素地10の100質量%に対して0.005〜2.0質量%の割合で含有されたものである。上記製造方法によって、厚さ方向に3層に切断した各層に含まれる金属箔部材の金属箔の数の平均数と、各層に含まれる金属箔の数との差が、前記平均数の10%以下となされた透明石鹸1である。【選択図】図1

Description

本発明は、金属箔が分散された状態で配合された透明石鹸と、その製造方法とに関するものである。
一般に、透明に形成された固形石鹸が知られている。
従来より、このような透明石鹸の意匠性を向上させるために、金箔を分散含有させることが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の透明石鹸の場合、石鹸基剤の溶融物を注入した型を閉じた後、固化するまでの間、型の反転を繰り返すことで、金箔の沈降を防止して、石鹸中に金箔を分散させるようになされていた。
特開昭63−225699号公報
しかし、上記従来の透明石鹸の製造方法の場合、型の反転を繰り返している間に、金箔が石鹸の中心に集まってしまい石鹸全体に綺麗に分散した状態にすることが難しくなるといった不都合を生じる。また、固化するまでの間、型の反転を繰り返さなければならず、製造作業が煩わしくなってしまう。そのため、機械を使用して型の反転を繰り返すことが考えられるが、この場合、機械的な単調な動作となってしまうので、金箔が石鹸の中心に集まり易くなり、不良品となってしまう。
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、金属箔を全体的に分散させることができる透明石鹸と、その製造方法とを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための本発明に係る透明石鹸の製造方法は、脂肪酸石鹸を25〜55質量%、糖・ポリオールを20〜50質量%、アルコールを20質量%以下の割合で含有し、枠練り法による製造用に調製された石鹸素地に、当該石鹸素地に対して溶解および/または膨潤可能な親水性フィルム層上に、金属箔を設けて形成した金属箔部材を投入して5〜90分混合して前記親水性フィルム層を溶解および/または膨潤させ、前記金属箔を石鹸素地中に分断して分散させた後、これを枠に流し込んで、養生硬化させて石鹸を形成するものである。
上記透明石鹸の製造方法において、親水性フィルム層と、金属箔との間に、接着層が設けられた金属箔部材を使用するものであってもよい。
上記透明石鹸の製造方法において、金属箔部材は、1mm2〜400mm2の大きさとなされたものであってもよい。
上記透明石鹸の製造方法において、金属箔部材は、石鹸素地100質量%に対して0.005〜2.0質量%の割合で含有されたものであってもよい。
上記透明石鹸の製造方法において、水に金属箔部材を投入して5分以上混合した後、この混合水溶液を、前記水の量だけ、石鹸素地中の水の量が減量された石鹸素地と5分以上混合して、前記2つの混合した時間の合計を90分以下とすることで金属箔部材の金属箔を石鹸素地中に分散させるものであってもよい。
上記課題を解決するための本発明に係る透明石鹸は、枠練り法によって製造され、その内部に複数の金属箔が分散されてなる透明石鹸であって、厚さ方向に同容積となるように3層に切断した各層に含まれる金属箔の数の平均数と、各層に含まれる金属箔の数との差が、前記平均数の10%以下となされたものである。
[脂肪酸石鹸部]
本発明の透明石鹸で使用される脂肪酸は、炭素原子数が好ましくは8〜20、より好ましくは12〜18の、飽和または不飽和の脂肪酸であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。具体例としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等や、それらの混合物である牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が挙げられる。
脂肪酸のアルカリ金属塩を形成する対イオンとしては、ナトリウム、カリウムが好ましい。また、脂肪酸の一部は後述するアルカノールアミンと対イオンを形成することができる。ナトリウム/カリウムの混合塩の具体例としては、ラウリン酸ナトリウム/カリウム、ミリスチン酸ナトリウム/カリウム、パルミチン酸ナトリウム/カリウム、ステアリン酸ナトリウム/カリウム、オレイン酸ナトリウム/カリウム、イソステアリン酸ナトリウム/カリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム/カリウム、パーム油脂肪酸ナトリウム/カリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウム/カリウム、パーム核油脂肪酸ナトリウム/カリウム等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2つ以上を混合して使用してもよい。上記の脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩の中でも、ラウリン酸ナトリウム/カリウム、ミリスチン酸ナトリウム/カリウム、パルミチン酸ナトリウム/カリウム、ステアリン酸ナトリウム/カリウム、オレイン酸ナトリウム/カリウム、イソステアリン酸ナトリウム/カリウムが好適に使用できる。
本発明の透明石鹸における、脂肪酸の含有量は、25〜55質量%であることが好ましい。この含有量が25質量%未満であると、凝固点が低くなるため、凝固までの間に金属箔が沈降し、かつ、長期保存すると表面が溶融し、また透明石鹸にあっては透明性が低下し、商品価値を損なうおそれがあり、また洗浄力も不足する。逆に、55質量%を超えると、急激に固化されるため、金属箔の分散性が悪くなり、かつ、透明石鹸にあっては透明性が低下したり、使用後につっぱり感が生じるおそれがある。
また、脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩においては、その塩を構成するナトリウムとカリウムとのモル比(ナトリウム/カリウム比)が、100/0〜40/60、特に100/0〜70/30であることが好ましい。このナトリウム/カリウム比が40/60を超えてカリウムの割合が多くなると、十分な凝固点が得られず、長期保存すると表面が溶融して、商品価値を損なうおそれがある。また、硬度が低下したり、使用時の溶け減りが大きくなったり、高温多湿の条件下で発汗が生じたり、使用途中に表面が白濁化するおそれがある。
[糖・ポリオール部]
本発明を透明石鹸に用いる際に好適に用いられる糖・ポリオールとしては、マルチトール、ソルビトール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、砂糖、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドエーテル等が例示され、組成物中20〜50質量%配合することが好適である。特に、金属箔の分散性、透明石鹸の透明性とともに良好な使用性を得るため、糖・ポリオール部中、糖及び糖アルコールと、ポリオールの比は、40〜60:60〜40であることが好ましい。
[両性界面活性剤]
本発明にかかる透明石鹸は、以下の両性界面活性剤を含むことが好適である。
本発明の透明石鹸で使用され得る両性界面活性剤としては、下記化学式(A)〜(C)で表される両性界面活性剤が挙げられる。
Figure 0006087463
[式中、R1は、炭素原子数7〜21のアルキル基またはアルケニル基を表し、nおよびmは、同一または相異なって、1〜3の整数を表し、Zは、水素原子または(CH2pCOOY(ここで、pは1〜3の整数であり、Yは、アルカリ金属、アルカリ土類金属または有機アミンである。)を表す。]、
Figure 0006087463
[式中、R2は、炭素原子数7〜21のアルキル基またはアルケニル基を表し、R3およびR4は、同一または相異なって、低級アルキル基を表し、Aは、低級アルキレン基を表す。]、および
Figure 0006087463
[式中、R5は、炭素原子数8〜22のアルキル基またはアルケニル基を表し、R6およびR7は、同一または相異なって、低級アルキル基を表す。]。
化学式(A)において、R1の「炭素原子数7〜21のアルキル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは7〜17である。また、R1の「炭素原子数7〜21のアルケニル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは7〜17である。また、Yの「アルカリ金属」としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、「アルカリ土類金属」としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられ、「有機アミン」としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
化学式(A)で表される両性界面活性剤の具体例としては、イミダゾリニウムベタイン型、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(ラウリン酸より合成されたもの、以下、便宜上「ラウロイルイミダゾリニウムベタイン」ともいう)、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(ステアリン酸より合成されたもの)、ヤシ油脂肪酸より合成された2−アルキルまたはアルケニル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン(R1がC7〜C17の混合物、以下、便宜上、「ココイルイミダゾリニウムベタイン」ともいう)等が挙げられる。
化学式(B)において、R2の「炭素原子数7〜21のアルキル基」および「炭素原子数7〜21のアルケニル基」は、化学式(A)のR1と同様である。また、R3、R4の「低級アルキル基」は、直鎖状または分岐鎖状の、好ましくは炭素原子数が1〜3のアルキル基である。さらに、Aの「低級アルキレン基」は、直鎖状または分岐鎖状の、好ましくは炭素原子数が3〜5のアルキレン基である。
化学式(B)で表される両性界面活性剤(アミドアルキルベタイン型)の具体例としては、アミドプロピルベタイン型、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(R2がC7〜C17の混合物)等が挙げられる。
化学式(C)において、R5の「炭素原子数8〜22のアルキル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは8〜18である。また、R5の「炭素原子数8〜22のアルケニル基」は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素原子数は好ましくは8〜18である。さらに、R6、R7の「低級アルキル基」は、化学式(B)のR3、R4と同様である。
化学式(C)で表される両性界面活性剤(アルキルベタイン型)の具体例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸より合成されたアルキルまたはアルケニルジメチルアミノ酢酸ベタイン(R5がC8〜C18の混合物)等が挙げられる。
本発明においては、上記化学式(A)〜(C)で表される両性界面活性剤からなる群より少なくとも1つが選択されて使用される。
本発明の透明石鹸においては、上記の両性界面活性剤を配合することにより、脂肪酸(脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸のナトリウム/カリウムの混合塩)と両性界面活性剤が複合塩を形成し、「きしみ感」改善等の使用性が向上し、また硬度が向上して溶け減り度合いが低くなる等の作用が発揮される。
本発明の透明石鹸における上記の両性界面活性剤の含有量は、1〜15質量%、特に4〜8質量%が好ましい。この含有量が1質量%未満であると、凝固点が低くなるため、長期保存すると表面が溶融して、商品価値を損なうおそれがある。また、硬度が低下したり、使用時の溶け減りが大きくなるおそれがある。さらに、透明性も低下するおそれがある。逆に、15質量%を超えると、使用後にベタツキ感を生じ、また、長期保存すると表面が褐色に変質して商品価値を損なうおそれがある。
[ノニオン界面活性剤]
本発明の透明石鹸には、さらにノニオン界面活性剤を配合することが好適である。使用され得るノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEともいう)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン2−オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、プロピレンオキシドエチレンオキシド共重合ポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン変性シリコン(例えば、ポリオキシエチレンアルキル変性ジメチルシリコン)、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルカノールアミド等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2つ以上を混合して使用してもよい。上記のノニオン界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好適に使用できる。
本発明の透明石鹸においては、ノニオン界面活性剤を配合することにより、使用性が一層向上する作用が発揮される。
本発明の透明石鹸におけるノニオン界面活性剤の含有量は、1〜15質量%、特に6〜12質量%が好ましい。この含有量が1質量%未満であると、むしろ使用後につっぱり感が生じるおそれがある。逆に、15質量%を超えると、凝固点が低くなるため、長期保存すると表面が溶融して、商品価値を損なうおそれがある。また、硬度が低下したり、使用時の溶け減りが大きくなるおそれがある。さらに、使用後にベタツキ感が生じるおそれがある。
[ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤]
本発明の透明石鹸にはヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤を添加することが好適であり、泡立ちの改善が認められる。
本発明において好適なヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤は下記構造(D)を有する。
Figure 0006087463
(式中、R1は炭素原子数4〜34の飽和又は不飽和の炭化水素基を表し;X1、X2のいずれか一方は−CH2COOM1を表し、他方は水素原子を表し;M1は水素原子、アルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウム、低級アルカノールアミンカチオン、低級アルキルアミンカチオン、又は塩基性アミノ酸カチオンを表す。)
式中、R1は芳香族炭化水素、直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素のいずれでもよいが、脂肪族炭化水素、特にアルキル基、アルケニル基が好ましい。例えば、ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルウンデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ウンデシルヘキサデシル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基等が好ましい例として挙げられ、中でもデシル基、ドデシル基が界面活性能力の面で優れている。
また、式中、X1、X2のいずれか一方は−CH2COOM1で表されるが、M1としては、水素原子、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
具体的には、上記(A)ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤のうち、ドデカン−1,2−ジオールのいずれかのOH基のHが−CH2COONaで置換されたドデカン−1,2−ジオール・酢酸エーテルナトリウムが本発明で最も好ましい。
なお、本発明においてヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩型界面活性剤は、泡立ちを改善する観点から1〜15質量%、好ましくは5〜10質量%配合することができる。
[金属箔部材]
金属箔部材としては、前記した透明石鹸の石鹸素地に溶解および/または膨潤可能な親水性フィルム層上に、金属箔を設けたものを使用することができる。
親水性フィルム層としては、前記した石鹸素地に溶解および/または膨潤可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、プルランあるいは寒天等の水溶性多糖類を主成分とした、水あるいは湯に溶解する水溶性の可食性フィルムが挙げられる。なお、プルランとは、デンプンを主原料として得られる天然の多糖類であって、造膜したプルランフィルムは、食用にも多用されており、水溶性、透明性に優れるとともに、金属箔との密着性にも優れた特長を備える。
また、この親水性フィルム層としては、指先等で簡単に取り扱うことができるような、ある程度の厚みがあるものが望ましい。例えば、プルラン等のデンプンを主成分とする可食性フィルムからなる親水性フィルム層の場合については、取り扱いの容易性とか、石鹸素地による溶解性および/または膨潤性等を考慮すると10μm〜50μm程度の厚さが好ましいが、もちろんこれらの数値に限定されるわけではない。そして、その水溶性の可食性フィルムからなる親水性フィルム層を用いた場合には、当該親水性フィルム層が、石鹸素地中に溶け込んでも、安全性を確保することができる。
なお、親水性フィルム層としては、必ずしも上記プルランあるいは寒天を主成分とした可食性フィルムに限定される訳ではなく、例えば、オブラート、コラーゲン、ゼラチン、カラギーナン、アルギン酸塩、天然ガム等を主成分とした可食性フィルムであってもよく、また、これらの可食性フィルムは必ずしも水溶性である必要はなく、石鹸素地に溶解および/または膨潤すれば良い。
金属箔としては、例えば、真空蒸着機等の装置を用いて蒸着された、純金箔の蒸着層等からなるものを挙げることができるが、必ずしも金の組成率が100%に極めて近い純金箔からなる必要はなく、純度の高い純良金からなる金箔でもよいし、純銀箔もしくは純度の高い純良銀箔等の銀箔からなっていてもよい。従って、この明細書において「金」及び「銀」の用語は、まぜものがない、狭義の意での純金及び純銀のみを指称するのではなく、金または銀の純度が高く、食用が可能なものを含む。金もしくは銀の層の厚みについては、0.01μm〜0.5μm程度が好ましいが、必ずしもこの数値に限定されない。また、前記金属箔の製造方法としては、必ずしも真空蒸着法を採用する必要はなく、例えば、スパッタリング、活性化反応蒸着、イオンプレーテング等の方法を採用しても良い。もっとも、スパッタリング法によれば、金もしくは銀の組成率が、99.99%程度の極めて高純度の金もしくは銀の金属箔を得ることができる。
また、金属箔は、必ずしも純金もしくは純良金等の金、または、純銀もしくは純良銀等の銀の金属箔を親水性フィルム層に積層される必要はなく、例えば、純金もしくは純良金等からなる箔打ち金箔、または、純銀もしくは純良銀等からなる箔打ち銀箔からなる、金もしくは銀の層を、親水性フィルム層に、例えば、手貼りによって積層したものであってもよい。ここで、箔打ち金箔、または、箔打ち銀箔とは、金または銀をごく薄い厚さに打ち伸ばした状態の金箔、または、銀箔であるのが好ましいが、その厚みは、前記した0.01μm〜0.5μmの範囲内のものを用いることが好ましい。
そして、前記金属箔の金箔もしくは箔打ち金箔は、食用可能な純度を有する純金もしくは純良金等からなるものを用いることが好ましく、例えば、日本国の食品衛生法4条違反として措置されない程度の純度を有する金、すなわち、金の組成率が94.4%、銀の組成率が4.9%、銅の組成率が0.7%程度の純度を有する金であれば使用することができる。もちろん、金の組成率は、前記数値に限定されるわけではないが、前記数値以上であることが望ましい。銀箔についても、食用可能な純銀もしくは純良銀等からなるものを用いることが好ましく、銀の組成率が特定の数値からなるものに限られない。
そして、親水性フィルム層上に積層される金属箔が、箔打ち金箔もしくは銀箔の場合、静電気を帯びた状態の親水性フィルム層上に、これら箔打ち金箔もしくは銀箔を、丁寧に置けば、その静電気により、金箔もしくは銀箔がその親水性フィルム層上に付着する。この場合、箔打ち金箔もしくは銀箔を上方側より覆うように置くため、これら箔打ち金箔もしくは銀箔と、親水性フィルム層との間に空気が介在するが、これら箔打ち金箔もしくは銀箔には、無数のピンホールが存在し、それらの間に介在する空気が、前記ピンホールを介して上方側に抜けるので、箔打ち金箔もしくは銀箔は、親水性フィルム層に対して密着する。
また、金属箔は、可食性または皮膚に接触してアレルギー反応を起こさないような金属材料によって層を形成するようになされたものであっても良い。この場合、金属箔を形成する金属材料としては、例えば、前記した金、銀以外に、チタン、プラチナ、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、鉄、ルテニウム等の金属からなるものを使用することが考えられる。
また、前記した各金属材料としては、金属粉を用い、この金属粉を層状にして構成するものであってもよい。金属粉は1種または2種以上混合するものであってもよいし、金属粉に色材を加えて着色された金属箔を構成するものであってもよい。この場合、色材としては、例えば、可食性のイカスミ、赤ビート色素、アントシアニン色素、モナスカス色素、コチニール色素、ラック色素、カロチン色素、パプリカ色素、アナトー色素、クチナシ色素、紅花色素、ウコン色素、紅麹色素、その他各種の動植物より抽出される可食性の天然着色料とか、食品衛生法で認められる、可食性の合成着色料を挙げることができる。
この金属粉は、接着材と混合し、親水性フィルム層に塗布することによって金属箔として形成することができる。
この際、使用する接着材としては、例えば、水飴、CMS(カルボキシ メチル スターチ)などのデンプン加工品、CMC(カルボキシ メチル セルロース)、食品ガム、アルギン酸ソーダ、食品天然樹脂、食品天然物等を用いることができるが、特に、ラックカイガラ虫の分泌樹脂であるセラックまたはトウモロコシのタンパク質の成分であるツェインを好適に用いることができる。これは、セラックおよびツェインが、人体に無害であるとともに、アルコールにも容易に溶けるため、コーター等の塗布装置に対する機械的適性にも優れているからである。もっとも、前記接着材以外にも、例えば、こんにゃく粉、アラビアガム、大豆蛋白、卵白、甲殻類粉末、昆布粉等のその他の可食性の接着材を使用することができる。
この接着材は、前記したように金属粉と混合して親水性フィルム層に塗布する以外に、前記した金属箔と親水性フィルム層との間を貼り合わせるために使用するものであってもよい。貼り合わせに使用する場合、接着材層の厚さとしては、0.1μm〜5μm程度の厚さが好ましい。また、金属粉と接着材とを混合して金属箔を形成する場合の金属箔の厚みとしても、上記した0.1μm〜5μm程度の厚さが好ましい。
このようにして構成される金属箔部材は、枠練り法用に調製された石鹸素地100質量%に対して0.005質量%〜2.0質量%の割合となるように、当該石鹸素地に添加されて混合攪拌される。0.005質量%未満の場合、十分な金属箔が得られず、意匠性に優れた石鹸を形成することができず、2.0質量%を超えると、石鹸素地に溶けた金属箔部材の親水性フィルム層の影響で石鹸の透明度を維持するのが困難になってしまう。
石鹸素地に金属箔部材を混合して攪拌を続けると、金属箔部材は、親水性フィルム層の部分が溶解および/または膨潤して石鹸素地に馴染み、石鹸素地中に分散され始める。同時に、金属箔部材は、混合攪拌によって金属箔の部分が適宜に分断されて細かくなり、金属箔が十分に分散することとなる。この混合攪拌の時間としては、5分以上90分以下の範囲で適宜の時間行うのが好ましい。5分未満の場合、金属箔部材の親水性フィルム層の部分が十分に溶解および/または膨潤せず、その結果、金属箔が石鹸素地中に十分に分散しない。また、90分を超えて攪拌すると、時間が無駄になるとともに、金属箔部材の金属箔の部分が細かく分断され過ぎて石鹸の外観が低下してしまうこととなる。
この金属箔部材は、1mm2〜400mm2の大きさに形成されたものを用いることが好ましい。1mm2よりも小さいものを使用すると、混合攪拌によって金属箔の部分が分断された際に、当該金属箔が細かく分断され過ぎてしまい、透明石鹸の意匠性が低下してしまう。また、400mm2よりも大きいものを使用すると、混合攪拌によって金属箔の部分が十分に分断されず、また、分断された金属箔の大きさにばらつきを生じることとなり、透明石鹸の意匠性が低下してしまうこととなる。なお、金属粉を接着材と混合して金属箔を形成した金属箔部材を使用する場合には、混合攪拌の際に金属箔の部分が細かく分断され過ぎてしまい、金属粉の状態にまで戻ってしまうことが懸念されるため、接着材によって強固な金属箔を形成したり、混合攪拌時間を短くすることが好ましい。
なお、金属箔部材は、枠練り法用に調製された石鹸素地に加える予定であった水の一部を利用して予め金属箔部材と水とを混合攪拌しておいてから、残りの水を加えた調製された石鹸素地と混合して攪拌するものであってもよい。この場合、金属箔部材と水とは、5分以上混合攪拌してから、残りの水で調製した石鹸素地と混合攪拌することが好ましい。5分未満の場合は、金属箔部材が十分に溶解および/または膨潤していないので、石鹸素地と混合してからも混合攪拌し続けなければ、石鹸素地中に金属箔部材を十分に分散させることができない。また、金属箔部材と水とを予め混合攪拌して金属箔部材を水に溶解および/または膨潤させているので、石鹸素地と混合してからは、短い混合攪拌時間で、当該石鹸素地中に金属箔部材を分散させることができる。石鹸素地と混合してからの攪拌時間は、先に水と混合攪拌した時間と合わせて90分以下の範囲となるように行うことが好ましい。合計時間が90分を超えてしまうと時間が無駄になるとともに、固化され始めるために混合攪拌できなくなり、金属箔部材の金属箔の部分が細かく分断され過ぎて石鹸の外観が低下してしまうこととなる。
以上述べたように、本発明によると、金属箔が均一に分散された意匠性に優れた透明石鹸を得ることができる。
本発明に係る透明石鹸の製造方法であって、実施例1における透明石鹸の製造工程を説明する概略図である。
[実施例1]
脂肪酸石鹸35質量%、アルコール10質量%、砂糖10質量%、ソルビット5質量%、グリセリン10質量%、PPG8−グリセリルエーテル5質量%、エデト酸塩0.1質量%、ヤシ油脂肪酸イミドリニウムベタイン(固形分)2質量%、ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(固形分)1質量%、PEG−60水添ヒマシ油5質量%に、水を加えて合計が100質量%となるように透明石鹸組成物の溶液を用意し、70℃でスターラーの回転速度を200rpmとして混合攪拌して均一に溶解させた。
この溶液100質量%に対して、1mm2の金属箔部材を0.1質量%の割合で加えて十分に攪拌し、金属箔部材の金属箔が溶液中に拡散したことを目視で確認した後、図1に示すように、当該溶液10を70φ×300mmの内径に形成された冷却パイプ2に流し込み、25℃の温度で冷却した。冷却によって固化した円柱状の固形物10aを冷却パイプ2から取り出し、30mmの厚さに切断した後、形を整えることで、70φ×30mmの大きさに形成された10個の透明石鹸1を形成した。
なお、金属箔部材としては、20μm厚みに形成されたプルランフィルム層(親水性フィルム層)上に、厚さ0.5μmとなるように金を真空蒸着させて金属箔を形成した後、一辺が約1mm角の約1mm2の大きさの金属箔部材に形成したものを使用した。
得られた10個の各透明石鹸に含まれる金属箔部材の金属箔の数を測定した。この測定は、30mmの厚さに形成された透明石鹸中に分散した金属箔部材の金属箔の数を正確に数えるため、当該透明石鹸を10mm厚さとなるように3つに切断し、各切断片毎に数えた金属箔の数を合計して透明石鹸の一つ当たりの金属箔の数を測定した。
このようにして測定された10個の透明石鹸に含まれる各金属箔部材の金属箔の数にばらつきが無いか否かを確認するため、各透明石鹸の金属箔の数を比較した。この比較は、金属箔の数が最も多かった透明石鹸と、金属箔の数が最も少なかった透明石鹸との金属箔の数の差Rを求めるとこによって評価した。この差Rが50未満の場合を「◎」、51以上100未満の場合を「○」、101以上150未満の場合を「△」、150以上の場合を「×」として均一性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006087463
また、透明石鹸組成物の溶液を冷却パイプに流し込んだ際、底部と表面部とで差を生じるか否かを確認するため、各透明石鹸に含まれる金属箔の数は、流し込んだ位置毎に、わかるように表示した。
さらに、上から5段目の透明石鹸について、20名のパネラーに、「0」「1」「2」「3」の四段階評価で外観を採点してもらい、その平均点を評価した。この平均点が2.5点以上の場合を「◎」、1.5点以上2.5点未満の場合を「○」、0.5点以上1.5点未満の場合を「△」、0.5点未満の場合を「×」として外観を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜3]
金属箔部材の大きさおよび配合量を表1に示すように変更した以外は、上記実施例1と同様にして金属箔部材の金属箔が分散した透明石鹸を形成した。そして、透明石鹸に含まれる金属箔部材の金属箔の数および均一性ならびに透明石鹸の外観を評価した。結果を表1に示す。なお、比較例3の正五毛金箔は、厚さ0.1μmのものを使用した。
表1の結果から、本発明に係る透明石鹸は、金属箔が均一に分散し、かつ、外観に優れた石鹸が得られることが確認できた。
−品質評価−
上記実施例1〜4、比較例1〜3のうち、外観評価で高評価が得られた実施例1〜4、比較例3の各透明石鹸の品質評価を行った。
この品質評価は、最上段、上から5段目、最下段の各透明石鹸について、金属箔部材の金属箔の数を数える際に切断した3つの層の各層に含まれる金属箔の数を、これら3層の金属箔の数の平均値と比較し、その差が平均値の10%未満の場合を「◎」、10%以上15%未満の場合を「○」、15%以上20%未満の場合を「△」、20%以上の場合を「×」として品質評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006087463
その結果、本発明に係る透明石鹸は、厚さ方向に均等に金属箔が分散した品質に優れた透明石鹸であることが確認できた。
[実施例5]
脂肪酸石鹸35質量%、アルコール5質量%、砂糖10質量%、ソルビット5質量%、グリセリン10質量%、ジプロピレングリコール10質量%、エデト酸塩0.1質量%、ヤシ油脂肪酸イミドリニウムベタイン(固形分)2質量%、ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(固形分)1質量%、PEG−30水添ヒマシ油5質量%に、水を加えて合計が100質量%となるように透明石鹸組成物の溶液を用意し、70℃でスターラーの回転速度を200rpmとして混合攪拌して均一に溶解させた。
この溶液100質量%に対して、1mm2の金属箔部材を0.005質量%の割合で加えて十分に攪拌し、金属箔部材の金属箔が溶液中に拡散したことを目視で確認した後、上記実施例1と同様の方法で透明石鹸を形成し、金属箔の均一性および外観を評価した。また、透明性についても評価した。透明性は、各試料を20mmの厚さに切断してスライス片を形成し、このスライス片を26ポイントの活字上に置いて、その活字が判読できるか否かによって判断した。はっきりと判読できる場合は「◎」、容易に判読できる場合は「○」、かろうじて判読できる場合は「△」、全く判読できない場合は「×」として透明性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006087463
[実施例6〜9、比較例4、5]
金属箔部材を配合する割合を表3に示すように変更した以外は、上記実施例5と同様にして金属箔部材の金属箔が分散した透明石鹸を形成した。そして、得られた透明石鹸の金属箔の均一性および外観、ならびに透明石鹸の透明性について評価した。結果を表3に示す。
表3から、透明石鹸組成物の溶液100質量%に対して0.005質量%〜2.0質量%の金属箔部材を加えた本発明に係る透明石鹸の場合には、金属箔の均一性、外観および透明性の全ての項目において優れた結果が得られることが確認できた。
[実施例10]
脂肪酸石鹸35質量%、アルコール0質量%、砂糖15質量%、ソルビット8質量%、グリセリン15質量%、ジグリセリン5質量%、エデト酸塩0.1質量%、ヤシ油脂肪酸イミドリニウムベタイン(固形分)2質量%、PEG−30水添ヒマシ油3質量%に、水を加えて合計が100質量%となるように透明石鹸組成物の溶液を用意し、70℃でスターラーの回転速度を200rpmとして混合攪拌して均一に溶解させた。
この溶液100質量%に対して、1mm2の金属箔部材を0.1質量%の割合で加えて十分に攪拌し、金属箔部材の金属箔が溶液中に拡散したことを目視で確認した後、上記実施例1と同様の方法で透明石鹸を形成し、金属箔の均一性および外観を評価した。また、70℃の透明石鹸組成物の溶液を100ccのビーカーに50cc流し込み、室温にて温度計で攪拌しながら冷却して徐々に固化させ、攪拌できなくなった時の温度を凝固温度として測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006087463
[実施例11、12、比較例6]
アルコールその他を配合する割合を表4に示すように変更した以外は、上記実施例10と同様にして金属箔部材の金属箔が分散した透明石鹸を形成した。そして、得られた透明石鹸の金属箔の均一性、外観および凝固温度を評価した。結果を表4に示す。
表4から、透明石鹸組成物の溶液100質量%中に20質量%以下のアルコール成分を加えた本発明に係る透明石鹸の場合には、均一分散性および外観に優れた結果が得られることが確認できた。これは、凝固温度をある程度高く保ち、固化時間を短くすることができたことにより、分散した金属箔が沈む前に凝固させることができたことによるものと考えられる。
[実施例13]
脂肪酸石鹸25質量%、アルコール8質量%、砂糖15質量%、ソルビット10質量%、グリセリン15質量%、ジグリセリン10質量%、エデト酸塩0.1質量%、ヤシ油脂肪酸イミドリニウムベタイン(固形分)1質量%、PEG−30水添ヒマシ油3質量%に、水を加えて合計が100質量%となるように透明石鹸組成物の溶液を用意し、70℃でスターラーの回転速度を200rpmとして混合攪拌して均一に溶解させた。
この溶液100質量%に対して、1mm2の金属箔部材を0.1質量%の割合で加えて十分に攪拌し、金属箔部材の金属箔が溶液中に拡散したことを目視で確認した後、上記実施例1と同様の方法で透明石鹸を形成し、金属箔の均一性、外観および透明性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0006087463
[実施例14〜16、比較例7,8]
脂肪酸石鹸、糖、ソルビット、グリセリン、ジグリセリンの合計の配合割合を表5に示すように変更した以外は、上記実施例13と同様にして金箔層が分散した透明石鹸を形成した。そして、得られた透明石鹸の金箔層の均一性、外観および透明性を評価した。結果を表5に示す。
表5から、透明石鹸組成物の溶液100質量%中に、脂肪酸石鹸成分を25質量%〜55質量%、糖・保湿剤成分を50質量%〜20質量%とした本発明に係る透明石鹸の場合には、均一分散性、外観および透明性の全てにおいて優れた結果が得られることが確認できた。これは、上記の範囲を外れて石鹸成分が少なく、糖・保湿剤成分が多い場合には、固化性が悪く金箔層が沈降してしまい、上記の範囲を外れて石鹸成分が多く、糖・保湿剤成分が少ない場合には、急激に固化してしまうため、金属箔の分散性や透明性が悪化してしまうことによるものと考えられる。
[実施例17]
脂肪酸石鹸35質量%、アルコール10質量%、砂糖10質量%、ソルビット5質量%、グリセリン10質量%、PPG8−グリセリルエーテル5質量%、エデト酸塩0.1質量%、ヤシ油脂肪酸イミドリニウムベタイン(固形分)2質量%、ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(固形分)1質量%、PEG−60水添ヒマシ油5質量%に、水を加えて合計が100質量%となるように透明石鹸組成物の溶液を用意し、70℃でスターラーの回転速度を200rpmとして混合攪拌して均一に溶解させた。
この溶液100質量%に対して、1mm2の金属箔部材を0.1質量%の割合で加えて10分間攪拌した後、上記実施例1と同様の方法で透明石鹸を形成し、金属箔の均一性および外観を評価した。結果を表6に示す。
Figure 0006087463
[実施例18〜21、比較例9]
金属箔部材を加えた後の攪拌時間を表6に示すように変更した以外は、上記実施例17と同様にして金属箔が分散した透明石鹸を形成した。そして、得られた透明石鹸の金属箔の均一性および外観を評価した。結果を表6に示す。
表6から、金属箔部材を5分以上混合攪拌した本発明に係る透明石鹸の場合には、金属箔の均一分散性および外観において優れた結果が得られることが確認できた。攪拌時間が10分以上になると、均一分散性、外観ともにさらに優れた結果が確認できた。これは、混合攪拌する時間を5未満の場合には、金属箔部材を構成する親水性フィルム層の溶解および/または膨潤が不十分となり、透明石鹸組成物の溶液に分散せずに沈降した状態のままになるが、混合攪拌時間を5分以上とすることで、金属箔部材を構成する親水性フィルム層の溶解および/または膨潤が十分に行われ、金属箔部材の金属箔が透明石鹸組成物の溶液に良く馴染み、均等に分散することによるものと考えられる。
[実施例22]
前記実施例17において透明石鹸組成物の溶液を調製する際に、水の代わりに、60℃に加温した約100cc前後の温水に金属箔部材を投入して5分間スターラーの回転速度を100rpmとして攪拌混合した水溶液を使用し、最後に不足分の水を加えて合計が100質量%となるように透明石鹸組成物の溶液を調製し、70℃で5分間スターラーの回転速度を200rpmとして混合攪拌して均一に溶解させた。この溶液を使用して上記実施例1と同様の方法で透明石鹸を形成し、金属箔の均一性および外観を評価した。結果を表7に示す。
[実施例23〜25]
上記実施例22において、後の混合攪拌時間を表7に示すように変更した以外は、上記実施例22と同様にして金属箔が分散した透明石鹸を形成した。そして、得られた透明石鹸の金属箔の均一性および外観を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0006087463
表7から、金属箔部材を先に温水と5分間混合攪拌しておいた水溶液を使用して透明石鹸組成物の溶液を調製した場合にも、前記金属箔部材と温水との混合攪拌時間と、透明石鹸組成物を調製する際の混合攪拌の時間との合計の混合時間が10分〜90分であれば、金属箔の均一分散性および外観において優れた結果が得られることが確認できた。
なお、上記各実施例においては、20μm厚みに形成されたプルランフィルム層(親水性フィルム層)上に、厚さ0.5μmとなるように金を真空蒸着させて金属箔を形成した金属箔部材を使用しているが、金属箔の部分を厚さ0.01μmとした金属箔部材の場合であっても、実施例1〜実施例25の全てにおいて、同様の結果が得られた。また、プルランフィルム層と金属箔との間に5μmの厚みに形成されたツェインフィルム層(接着層)を設けた金属箔部材を用いた場合であっても、実施例1〜実施例25の全てにおいて、同様の結果が得られた。
1 透明石鹸
10 溶液(石鹸素地)

Claims (6)

  1. 脂肪酸石鹸を25〜55質量%、糖・ポリオールを20〜50質量%、アルコールを20質量%以下の割合で含有し、枠練り法による製造用に調製された石鹸素地に、当該石鹸素地に対して溶解および/または膨潤可能な親水性フィルム層上に、金属箔を設けて形成した金属箔部材を投入して5〜90分混合して前記親水性フィルム層を溶解および/または膨潤させ、前記金属箔を石鹸素地中に分断して分散させた後、これを枠に流し込んで、養生硬化させて石鹸を形成することを特徴とする透明石鹸の製造方法。
  2. 親水性フィルム層と、金属箔との間に、接着層が設けられた金属箔部材を使用する請求項1に記載の透明石鹸の製造方法。
  3. 金属箔部材は、1mm〜400mmの大きさとなされたものである請求項1または2に記載の透明石鹸の製造方法。
  4. 金属箔部材は、石鹸素地100質量%に対して0.005〜2.0質量%の割合で含有されたものである請求項1ないし3の何れか一に記載の透明石鹸の製造方法。
  5. 水に金属箔部材を投入して5分以上混合した後、前記水の量だけ、当該水の量が減量された石鹸素地と5分以上混合して、前記2つの混合した時間の合計を90分以下とすることで金属箔部材の金属箔を石鹸素地中に分散させる請求項1ないし4の何れか一に記載の透明石鹸の製造方法。
  6. 請求項1ないし5の何れか一に記載の透明石鹸の製造方法によって製造され、その内部に複数の金属箔が分散されてなる透明石鹸であって、
    厚さ方向に同容積となるように3層に切断した各層に含まれる金属箔の数の平均数と、各層に含まれる金属箔の数との差が、前記平均数の10%以下となされた透明石鹸。
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