JP2004315485A - フォームを造るための原液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】自然環境汚染を防止する見地から、フォーム製品において使用されている合成界面活性剤を天然由来の原料に変える。
【解決手段】天然由来の起泡剤として、カゼインを採り上げ、それによって良好な泡を造る条件を研究実験に基づき求めた。カゼインの濃度を0.1〜20wt%の範囲でポンプ式フォーマー又はエアゾール型に採用ができる。また、脂肪族高級アルコール/脂肪族高級脂肪酸を0.01〜5wt%C2〜C6の単価アルコール又は多価アルコールを0.4〜25wt%の添加は、さらに泡の諸性質を改善する効果がある。
【解決手段】天然由来の起泡剤として、カゼインを採り上げ、それによって良好な泡を造る条件を研究実験に基づき求めた。カゼインの濃度を0.1〜20wt%の範囲でポンプ式フォーマー又はエアゾール型に採用ができる。また、脂肪族高級アルコール/脂肪族高級脂肪酸を0.01〜5wt%C2〜C6の単価アルコール又は多価アルコールを0.4〜25wt%の添加は、さらに泡の諸性質を改善する効果がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主として化粧品・医薬部外品・家庭用品・雑貨品の分野に利用されるフォーム(泡)を造るための原液組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォームは、その物理的特性において次のような事が上げられる。▲1▼少量の薬液量を有効に使用できる。▲2▼塗布に際し垂れ下がらない。▲3▼薬液の変わった風合いが生かされる。▲4▼塗布面を長時間カバーするなどの利点がある。フォームの作り方のひとつに、フォームを造る液体組成物(以下フォーム原液又は単に原液という)を激しく撹拌して空気を混入させる方法があり、このための手動を電動にした理髪業向け等機種があり、また最近容器付き手動ポンプ式のフォーマーも発売されている。もう一つは、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、非特定フロン、亜酸化窒素(N2O)などの液化ガスと原液とを耐圧缶に封入し、バルブとボタンを付け、そのボタンを押すと内容物が噴出するエアゾール剤において、噴出物が泡状を呈する商品であり、使用上簡便であり泡質も良好であるので、汎用されている。
【0003】
原液が泡を造る為には、気泡剤(その配合した溶液が、撹拌などの操作によって気体を巻き込み、泡体を造成する作用のある物質をいう)が必須であり、その多くは界面活性剤に類するのである。ただし、界面活性剤が直ちに気泡剤に適合するものでもない。気泡剤として一般的である石鹸(高級脂肪酸のアルカリ塩)はルブランの昔から現在に至るまで、使用され続けており、アルカリが強いが硬水に適合しない・少量では泡立ちが悪いなどの欠点が指摘されるものの、泡切れがよい・使用後のサッパリ感がよい等の長所もあり、天然系に近いということで最近逆に見直されている面もある。化学工業の発達と共に、さらに界面活性効果の優れたもの、イオン性の異なるもの、人体の皮膚に刺激の無いものなど、様々な特徴を有するものが提供されており、その使用のより泡の性質も色々な特徴を持たせ、且つ変化のあるものが造られており現在市販化粧品・洗剤等はこの合成界面活性剤によるものがほとんどである。天然系の気泡物質についてみると、サイカチ・ムクロジの樹皮または果実を潰して洗濯に使用したとの記録がある。この泡立ち物質はサポニンと呼称されている。また、松脂“ロジン”(主成分:アベチイン酸と称するトリテルペタイド)を石鹸の泡立ち助剤に用いられたことがある。他の天然物では、蛋白質・ペクチン・多糖類・リン脂質等には多少なりとも泡立つ効果がある。しかし、これらの天然系気泡剤は余りにも古典的過ぎて、その遥か後の上市になるフォーマーならびにエアゾールの原液に使用したとの公知文献はない。
【0004】
現在我々の生活において、界面活性剤は欠くことの出来ない化学物質になっている反面、その使用に対し反省の声が無いわけでもない。即ち石鹸は別として他の合成界面活性剤は地球環境を破壊するとの見地から、一部有識者の反対提唱している問題、即ち、用済み後の界面活性剤を河川に流す汚染は、動物の生態系に影響をもたらす事は明らかであり、ひいては地球全体の生態系に変化が波及すると飛躍し、また河川水を飲用する為、これが人体への有害遠因となっていると言う事である。従って界面活性剤の使用量を控え、且つ自然分解しやすい活性剤への転換を求めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、フォーム商品はそれなりに便利であり広く普及しているが、それに配合されている界面活性剤が環境破壊の元凶の一つであるとの非難がある現実に立脚して、自然分解しやすい気泡剤に代替することが望ましい。因に、石鹸はこの範疇に入るがpHが高い為(アルカリ金属塩で10.2〜10.5)河川に流すときは予め中和が必要とし、またここに用いられる脂肪酸の種類によっても分解化値が異なり、天然由来品が微生物分解の進むことが知られている。よって、本発明は人体に刺激がなく且つ自然界においても分解しやすく環境破壊の少ない天然由来の気泡剤を探究した結果、カゼイン類が適応可能であることを見出したが、これをもってフォーム商品を製造するにあたっての諸条件は未知であり、それらを特定することが課題である。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
課題を解決する為の手段として、本発明は数多くの実験を行ない、到達した結論は「気泡剤としてカゼイン又はカゼイン酸塩類を0.1〜20wt%と、他に必要あれば泡質改良剤として界面活性剤・増粘剤・糊剤・油剤・・潤滑剤溶剤・粉剤・湿潤剤・酸・アルカリ・pH調整剤・イオン封鎖剤・防腐剤・着色剤・香料の一種又は二種以上と、残部は水をもって100wt%とする。」液体組成物をもってフォームを造る原液とするものであり、就中、泡質改良剤の一種として「(イ)炭素数8以上の脂肪族高級アルコール0.01〜5wt%(ロ)炭素数8以上の脂肪族高級脂肪酸0.01〜5wt%(ハ)炭素数2〜6の単価アルコール又は多価アルコール0.4〜25wt%が特別の効果を発揮することを明らかにした。
【0007】
この内容を具体的に記述する前に、「泡」なる物体について補術すると、日本語では相当広範囲に包含するが、本明細書では、液体組成物が気体を閉じ込めて気泡を造るとき、気泡の集合体を「含泡塊(フォーム)と呼んでいる。気泡の粒径が大きくて、例えばシャボン玉のような単独泡の場合には、液体は気体を包み込み所謂「泡膜」を造るが、粒径が小さく且つ集合体となった含泡塊では泡膜が明瞭でなく、顕微鏡下ではかえって液中に気泡が取り囲まれているようにみえる。これが液中の気泡数が少なく、単独で漂っているような状態が「バブル」であり、だんだん気泡が多くなって丁度ビールの上泡のように液状性が減じた状態ではこれを「サッジ」といっている。「フォーム」は液の比率が更に少なくなり流動性を失って、手のひらですくって取れる位の粘りになったものである。泡の性質に関しては、<比重>エアゾール産業新聞735号“92.07.05”<粘度>同735号“93.01.15”<消泡性>同780号“93.10.15”<粒径>同797号“94.04.15”に本発明者が寄稿しており、測定法の詳細などは該報に記載のあるところである。
【0008】
さらに、硬さ・ネバリ・崩れ・付着性・排液性・キメの細かさ・泡粒の均一性・大気泡の介在・滑らかさ・光沢・臭い・などの風合いを伴った見方をもって、千差万別に評価される。
【0009】
泡の状態を、測定して数値で評価できる方法の一つに、比重が最も簡単である。一般的に言って、フォームにあっては極軽泡質で0.02台もあるが、シェービングフォームにあっては0.03位でそれ以上比重が高くなるにつれて粗い泡となり、ボディーソープでは0.05位である。0.1を過ぎると著しい排水現象が認められ、0.2以上ではサッジの範疇であり、これは殆んど商品として用途がない。また、泡膜は光の反射と屈折をする原理から、その透過度(⇔吸光度)を測定し、粘度の関係を推定する手段がある。
【0010】
起泡能力の試験方法は、原液20mLを100mLメスシリンダーに採り、栓をして20回振り混ぜ、生成した泡の量を読む方法により行なう。起泡剤の比較においては、その乾燥固形分ベースで各段階の濃度の溶液を作り、同上操作で試験を行ない、起泡能力を判断する。表1は本発明者が他の代表的界面活性剤と比較において、カゼイン起泡能力を実験により求めたものである。
【0011】
カゼイン(Na塩)溶液は、アルカリ性でやや不透明であるが安定に溶解し、pH=6.0になると白濁し、pH=4.0以下になると沈殿を生ずる。従ってその起泡性能もアルカリ側において高い値を示す。泡の風合いは、泡粒が比較的細かく白く、照りにやや欠けるもののネットリとして重い感じである。
【0012】
【表1】
【0013】
次に、生分解性の試験は原液50mLに活性汚泥液(自家調整)1mLを加え、綿栓フラスコに入れ、25℃室で20時間振とうを続ける。これをディスポザルフィルターでろ過し、そのろ液20mLを20℃で起泡能力試験方法により、泡立ち量〔b〕を求め、活性汚泥処理前の数値〔a〕と比較して、100(δa−δb)/δa=生分解率Ds(%)である。表2は、本発明者が他の代表的起泡剤と比較において、カゼインの生分解率を実験により求めたものである。この結果より、微生物による分解性の良好なことが確認できた。
【0014】
【表2】
【0015】
また、カゼインは人体皮膚に対する感作性に関し、他の界面活性剤に比較して著しく安全性の高いものであり、パッチテスト〔60名〕の結果で例えば濃度10%において、ヤシ油脂肪酸Naは+が62%頻度に対して、カゼインは5%に過ぎなかった。即ち肌に優しさを求められるフォームタイプの化粧品・家庭用品に最適であることを示すものである。
【0016】
上記により、カゼインは本発明品の原料として望ましいとの予測はつくころとなったが、本発明を実施するにあたり、まずその有効となる濃度関係を明らかにする必要がある。即ち本発明原液はフォームを形成するものである為には、起泡剤の濃度が高ければ当然良いわけであるが、コストの面の他に泡の風合的な問題が重要でファクターとなる故に、最低となる可能量を求めるべきである。
【0017】
本発明の原液は、ポンプフォーマー並びにエアゾールに用いられるものであることは前述のごとくであるが、図1のデーターはエアゾール型泡について求めたものである。試料はデンマーク製カゼインナトリウムの各種濃度溶液20gとLPG(0.43MPa)2gを試験瓶に封入し、それより噴出するフォームの比重を測定記録した。本図で、▲1▼●印実線はカゼインのみの場合。▲2▼▲印実線線はセタノールを0.2wt%▲3▼▲黒四角▼印点線はミリスチン酸を0.2wt%▲4▼◆印点線はエタノールを5.0wt%を追加配合した場合を示す。前述の如くフォームとして利用可能な含泡体は、その比重が0.03〜0.1と線引きできるから、図1よりカゼイン単体の場合の下限は0.2wt%位が必要であると推定できる。然るところ、高級アルコール配合の場合は下限が0.08wt%、高級脂肪酸の場合は下限が0.12wt%にまで引き下げ得ることが明確である。上限値は高くともフォームの形成には何等支障がないものの、カゼイン溶液の粘度が高くなって泡の風合がよくないので、20wt%と限定した理由である。但しこの上限値は使用時の限定を示すのであって、例えばハンドポンプ式原液の販売商品において、使用時に希釈することを条件に濃度をそれ以上に配合する場合にあっては、当然本発明の範疇となる。
【0018】
エタノール/グリコールで代表されるC2〜C6の単価アルコール/多価アルコールの添加は、比重に関して改善の程度は然程でもないが、風合改善評価が大きい。斯様な起泡補助的効果は従来石鹸・シャンプーでもその事例をみるが、本発明のカゼインとの組み合わせは初めての知見である。また、因みに高級脂肪酸の場合、pHが高いとき石鹸を造り当然起泡に寄与するが、上記実験でpHは7.0以下の液であって、左様な因縁に基づくものではない。
【0019】
さて、本発明において主なる起泡剤として採用の「カゼイン(又はカゼイン酸)並びにその塩類について、若干の説明をする。カゼインは哺乳動物の乳汁に含有する蛋白質系の物質であり、市販カゼイン又はそのナトリウム塩は主として牛乳を原料としている。牛乳中にはカゼインを約3%(全蛋白の80%)含有し、酸又はホモシン酵素を加えると沈殿するから、これを濾取して集め、アルカリを加えて溶解し不純物を除き再度酸性として沈殿を繰り返し純度を高める。溶液を濃縮し又スプレードライによって、工業用品・食品用・理化学試薬級など各グレードのカゼイン又はカゼイン酸Naが生産される。なお、カゼインはpH等電度によって、α−型〔pH:4.0〕、β−型〔pH:4.5〕、γ−型〔pH:5.9〕の種別があるとされている。
【0020】
脂肪族高級アルコールの定義は、炭素数8以上の鎖状結合の炭水化物で分子内に−OH基を持つものであり、オクタノール・デカノール・ラウリルアルコール・ミリスチルアルコール・ステアリルアルコール・セタノール・ベヘニルアルコール・セトステアリルアルコール・オレイルアルコール・ラノリンアルコール・水添ラノリンアルコール・オクチルドデカノール・ヘキシルドデカノール・ホホバアルコール・精製ヤシ油脂肪アルコール・イソステアリルアルコール等が具体例として挙げられる。
【0021】
脂肪族高級脂肪酸の定義は、炭素数8以上の鎖状結合の炭水化物で分子内に−COOH基を持つものであり、カプリン酸・カプリル酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・ミリストレン酸・ペンタデカン酸・パルミチン酸・パルミトレイン酸・マーガリン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・リノレン酸・アラキジン酸・カドレン酸・ベヘニン酸・ヤシ油脂肪酸・牛脂脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸・鯨油脂肪酸・イソステアリン酸等が具体例として挙げられる。
【0022】
本明細書で、炭素数2〜6の単価アルコール/多価アルコールと定義する化合物の具体例は、エタノール・変性アルコール・イソプロパノール・シクロペンタノール・グリコール・グリセリン・ジグリコール・イソブチレングリコール・メチルカルビノール等である。
【0023】
上記のアルコール及び脂肪酸/多価アルコールは各々の物質が異なるものである故に、これの添加になるフォームも自ずから特に風合において性格の異なるものとなる。例えばオレイルアルコールを添加した場合の泡はネットリと滑らかで皮膚への付着がよいし、セタノールを添加した場合の泡は、やや硬くプリンとした弾力性があり泡消え後はスケルトンを残す。エタノールの添加は、フォームのキメを滑らかにし、特に大きい単独の泡を消滅させる特徴が認められる。従来エタノールは消泡的な作用をするとの定説がもたれていたが、本発明者の実験により、活性剤の低濃度溶液においては逆の起泡補助の作用をすることを見出したのであり、新しい知見である。このように、他の泡質改良剤と共に夫々用途に対して好ましい泡質を造るために選択配合される。これらの量的検討は次記のとおりである。
【0024】
図2は、原液の脂肪族高級アルコール並びに脂肪族高級脂肪酸の配合添加量と、そのフォーム比重との関係を実験で求めたものである。原液のカゼインの濃度は低部では0.2%、高部では2.0%であり、高級アルコールとしてラウリルアルコール(▲印点線)、高級脂肪酸としてオレイン酸(▲黒四角▼印実線)を各濃度で追加配合し、pHを6.5±0.2に調整したものを、図1の同様手順で測定記録した。本図よりカゼイン0.2%のみの場合の泡比重は0.4で不満足な泡であったが、両改質剤ともほぼ0.01%の添加をもって0.10を切る。更に高級アルコール/高級脂肪酸を増加していくと、泡比重の低下は顕著となり改善が認められるものの、5wt%を超えると逆に泡の性質が劣化する。この添加に関する作用機構について、ある種の水和化合物を造り液晶の析出によるものとの論述もあるが詳細は不明として、上記の実験に基づきその添加量の範囲を0.01〜5wt%とした。
【0025】
つぎに、エタノールについての実験は、カゼイン酸Na2.0%・セトステアリルアルコール0.2%・ヤシ油脂肪酸0.2%とし、これにエタノールの濃度を変化した原液を調整(pH〜6〜)とし、ポンプ式フォーマー(大和製罐(株)製)で造泡し、その泡を0.5mmの厚さ層の吸光度(log%)を10ヶ所測定した。結果は図3に示すとおりであり、前述の如く光は泡膜によって遮られる性質から、吸光度の高い程フォーム粒径緻密であること、またバラツキの少ないほどフォームは均一であることを示すものである。図3より、エタノール含量が0.4からその効果が現れ、1〜20%で最も顕著であり、25%を過ぎると急激に逆効果へ転ずることが読める。その他のC2〜C6の単価アルコール/多価アルコールについては、同様に若干の比重の低下、泡の整粒効果が認められ、かつ夫々によって特徴ある泡塊の改質が呈現するもので、表−3に確証の実験結果を掲示する。
【0026】
【表−3】
【0027】
以上、起泡補助効果のある3種類別の物質について詳記したが、その他泡の性質特に風合を改良するために、下記のものが配合する場合がある。これら泡質改良剤は極めて膨大に亘るため、代表的説明に留め他は均等物として取り扱う。
【0028】
(1)界面活性剤:本発明での起泡作用はAkG又はAkPが主役をするが、その他一般の界面活性剤も別の目的もあって添加することがある。即ち、有効成分の可溶化、泡粒の調整、塗布面とのなじみの改善等で、例えば脂肪酸ジグリセリルの添加は泡塊表面のツヤを増す、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムは頭髪の静電気放遂の作用がある、と言ったものである。この目的には、アニオン性・カチオン性・ビニオン性・ノニオン性、極性の各種の界面活性剤が夫々目的に対する候補となる。
【0029】
(2)潤滑剤:レシチン・各種シリコーン・ワセリン・パラフィン・金属石鹸・タルク・テフロン粉・アミホープLL(味の素(株))等。
(3)増粘剤:ベントナイト・カンテン・カルボキシメチルセルロース・アルギン酸Na・キサンタンガム・カチオン化グアガム・カルボキシポリマー・ポリビニルアルコール等。
(4)糊剤:アルギン酸Na・澱粉及び加工澱粉・ポリアクリル酸樹脂・酢酸ビニル・ユカフォーマー(三菱油化(株))、ガントレッツ(GAF社)等。
(5)油剤:ここでいう定義は広義の油を指す。即ち(i)ミネラルスピリット・灯油・スピンドル油・流動パラフィンの如き天然鉱物油(ii)スクワレンコレステロール・ラノリン・卵黄油・牛脂の如き動物由来の油脂類(iii)椿油・大豆油・ヤシ油・オリーブ油等のトリグリセリド、カカオ脂、ヒマシ油、タービンスピリットの如き植物由来の油脂類(iv)水添魚油・精製吸着ラノリン・加工油(v)鯨ロウ、キャンデリラロウ・シェラックロウ・ミツロウ・ライスワックスの如きロウ類(vi)ミリスチン酸イソプロピル・オレイン酸オクチルドデシル・乳酸セチル・の如き高級エステル類(vii)ジオレイン酸プロピレングリコール・トリオクタン酸グリセリン・ステアリン酸ジグリセリン・ジイソステアリン酸トリグリセリル・トリステアリン酸トリメチロールプロパンの如き脂肪酸グリコライド類、グリセライド類、ポリグリセライド類等。
(6)溶剤:アセトン・エタノール・イソプロピルアルコール・イソペンタン・石油エーテル・エチルカルビノール・エチルエーテル・N−メチルピロリドン・アジピン酸イソブチル・炭酸エチル・非特定フロン等。
(7)粉剤:無水ケイ酸・澱粉・チタンホワイト・結晶粉末セルロース・カオリン等。
(8)酸・アルカリ:水酸化カリウム・アンモニア水・アミノメチルプロパノール・トリエタノールアミン・水酸化マグネシウム・塩酸・リン酸・乳酸・クエン酸等。
(9)pH調整剤:リン酸アンモニウム・重炭酸ナトリウム・アミノ酸類・グリコール酸・尿素等。
(10)イオン封鎖剤:エデト酸・フィチン酸・ターピナル(コグニス(株))等。
(11)防腐剤:本発明では。天然原料であるため、微生物による変質に留意する必要がある。滅菌充填でない場合は、防腐・防カビ剤の添加を考慮すべきである。パラベンエステル類・ソルビン酸・パラクロロクレゾール・ケーソンCG・タルタルアルデヒド等。
(12)着色剤:法定色素・天然色素・カーボンブラック・群青等。
(13)香料:天然香料・調合香料・スパイスエキス・植物エキス等。
【0030】
目的に対応する有効成分とは、製品がその使用上の目的効果を謳う為に配合する薬剤を言い、殺虫剤におけるピレスロイド、日焼け止め化粧品におけるオキシベンゾン、肌化粧品におけるMNF物質・湿潤剤、洗顔フォームにおけるスクラブ、染毛剤における酸化染料等が一つの例である。
【0031】
【実施例】
〔1〕本例はエアゾール剤ヘアセット(ハード)の例であり、フォームを塗髪した髪型は非常に固く仕上がり、すべりが良く光沢がある。フレーキングが無く崩れも少なく、シャンプーで容易に洗い流すことが可能である。
(原液の処方)
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 4.0wt%
▲2▼ラウリルアルコール 0.2
▲3▼パラベンエステル 0.4
▲4▼ルビスコールVA73E(BASF(株)) 3.6
▲5▼変性95%アルコール 10.0
▲6▼香料 0.1
▲7▼精製水 加えて100.0とする。
原液100gに対し、噴射剤としてLPG(0.39MPa)10gの割合で、耐圧容器に圧力充填し、本発明品になるヘアセットムースを得た。
【0032】
【実施例】
〔2〕本例は、フォーム式染毛料の例である。顔料(粉末)混入の場合のフォームは分離偏析が起きて、処方が困難なことが多いが、カゼインの配合により解決できた。
(原液の処方)
▲1▼ユカフォーマーAM75ブラック(三菱油化(株)) 25.0wt%
▲2▼カーボンブラック#950(三井化学(株)) 2.5
▲3▼コーンスターチ 3.0
▲4▼ポリエチレングリコール#1500 5.0
▲5▼カゼイン酸ナトリウム(デンマーク製) 3.4
▲6▼変性アルコール 10.0
▲7▼フェノキシエタノール 0.2
▲8▼精製水 加えて100.0とする。
原液100gに対し、噴射剤としてLPG(0.39MPa)10gの割合で、耐圧容器に充填し、本発明になるフォーム型染毛料を得た。
【0033】
【実施例】
〔3〕本例は、エアゾール式シェービングフォームの例である。シェービングフォームは、比較的ネットリとしてキメが細かく伸びが良く、垂れ落ちなく、肌への付着性の良いものが望まれる。従来のものは使用原料の関係もあってこの条件を満たす為に一般にpHの高いものとしなければならなかった。しかし健康な肌の生理的pH4前後であり、pHを9以上にすることは“髭剃り負け”があって好ましくない。本品は、上記条件を満足するものであり、実用試験の結果髭切れもよく、好評である。
(原液処方)
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 6.0wt%
▲2▼ステアリン酸 0.4
▲3▼セチルアルコール 0.2
▲4▼トリエタノールアミン 0.2
▲5▼乳酸(70%) 0.1
▲6▼ジオレイルジグリセリル 0.4
▲7▼エチレンジアミンテトラ酢酸2Na 0.2
▲8▼パラベンエステル類 0.2
▲9▼香料(メントール系) 0.1
▲10▼イソペンタン 4.0
▲11▼精製水 加えて100.0とする。
原液のpH=8.2
原液100重量部と液化石油ガス(0.29MPa)8部をブリキ型エアゾール用耐圧缶に充填し、本発明品になるシェービングフォームを得た。
【0034】
【実施例】
〔4〕本例は、ポンプ式フォーマーに充填されるボディーソープに関するものである。浴用など、従来身体洗浄剤には石鹸が主体であったが、水質の悪化に伴い合成界面活性剤配合のボディーソープも使用されることが多くなっている。ボディーソープはタオルや掌につけた身体を洗うので、垂れ落ちしない程度の粘度(〜1500c/s)が望まれる為、造泡して粘度を高めるポンプ式フォーマーが具合良いとされる。下記処方で<A>は一般家庭用であり、そのまま用いる。<B>は温泉業務用であり、温泉浴室にはポンプ式フォーマーは具備されているから、その詰め替え用原液であって、実際はそれを2〜3倍に希釈して詰め替えている。
(原液の処方) <A> <B>
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 10.0 3.0
▲2▼ラウリル硫酸ナトリウム(30%液) 3.0 30.0
▲3▼水酸化カリウム 0.2 0.4
▲4▼グリセリン 4.0 5.0
▲5▼95%変性アルコール 5.0 10.0
▲6▼香料 0.2 0.4
▲7▼パラベンエステル 0.4 0.4
▲8▼ブチレングリコール 0.4 0.4
▲9▼精製水 加えて100.0 100.0とする。
【0035】
【実施例】
〔5〕本例は、クレンジングフォーミングクリームの例である。このクリームで造った泡は極めて細かく滑らかである。口紅・おしろい・アイライン等の化粧落としを第一の目的とし、その除去は抜群である上、処置後の皮膚はカゼイン成分でもって整えられるから適度の潤いを持った活性のある肌を呈し、クレンズとりポイドモイスチャーの補給を一度に出来、ナイトクリームは省略し得るほどである。
(原液処方)
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 7.5wt%
▲2▼ラウリン酸デカグリセリン 5.0
▲3▼ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(9E.0) 5.0
▲4▼アミノメチルプロパノール 0.5
▲5▼乳酸(70%) 0.4
▲6▼結晶セルロース粉 5.0
▲7▼アミノホープ(味の素(株)) 0.5
▲8▼オクタン酸イソセチル 6.5
▲9▼アジピン酸ジイソプロピル 6.5
▲10▼ソイレシチン 0.5
▲11▼ジグリセリン 2.0
▲12▼パラベン 0.5
▲13▼香料 0.1
▲14▼精製水 60.0
本品は、軟膏クリーム状を呈する。顔面に塗布し、マッサージ後温水をもって洗顔するときは、著しい泡立ちを見せ、汗脂分・埃・化粧料の除去は容易である。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、合成界面活性剤が環境破壊に及ぼす影響を考察するに、その使用によって河川並びに沿岸海水が汚染され水辺の生態動物が絶滅されつつあること、飲用に供される市水は汚染された河川から引水しているからそれが人体に悪影響を及ぼしていること、活性剤を合成するに当たりその原料を主にヤシ油に求めている為熱帯雨林が広面積にわたり伐採され人工ヤシ樹に変わっていること、など深刻な問題に及んでいる。これらの汚染は殆んど我々の生活で使用した排水に起因している。化粧品類は活性剤の使用割合が高い製品であるが、これに用いる原料は精撰されたものでありこの精製工程のロス廃棄分も考慮すれば、人類を美化する善の化粧品が地球を醜悪化しているといって過言ではない。このため、界面活性剤は自然に生分解する天然品が望まれるところであり、本発明は先に▲1▼アルキルグルコシド類▲2▼サポニン類を今般▲3▼カゼイン類を提案するものである。これらの天然品は起泡力おいて現在合成界面活性剤と比較して使いづらい点のあることは否めない事実であるところ、本発明によってその解決を計り、見方によっては従来より優れた能力のある製品を供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】カゼイン酸ナトリウム各濃度でのエアゾール噴出するフォームの比重及び添加配合時フォーム比重を表す図である。
【図2】脂肪族高級アルコール並びに脂肪族高級脂肪酸の配合添加量と、その主成フォームの比重関係を表す図である。
【図3】造泡した泡の0.5mm厚さ層の吸光度を表す図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、主として化粧品・医薬部外品・家庭用品・雑貨品の分野に利用されるフォーム(泡)を造るための原液組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォームは、その物理的特性において次のような事が上げられる。▲1▼少量の薬液量を有効に使用できる。▲2▼塗布に際し垂れ下がらない。▲3▼薬液の変わった風合いが生かされる。▲4▼塗布面を長時間カバーするなどの利点がある。フォームの作り方のひとつに、フォームを造る液体組成物(以下フォーム原液又は単に原液という)を激しく撹拌して空気を混入させる方法があり、このための手動を電動にした理髪業向け等機種があり、また最近容器付き手動ポンプ式のフォーマーも発売されている。もう一つは、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、非特定フロン、亜酸化窒素(N2O)などの液化ガスと原液とを耐圧缶に封入し、バルブとボタンを付け、そのボタンを押すと内容物が噴出するエアゾール剤において、噴出物が泡状を呈する商品であり、使用上簡便であり泡質も良好であるので、汎用されている。
【0003】
原液が泡を造る為には、気泡剤(その配合した溶液が、撹拌などの操作によって気体を巻き込み、泡体を造成する作用のある物質をいう)が必須であり、その多くは界面活性剤に類するのである。ただし、界面活性剤が直ちに気泡剤に適合するものでもない。気泡剤として一般的である石鹸(高級脂肪酸のアルカリ塩)はルブランの昔から現在に至るまで、使用され続けており、アルカリが強いが硬水に適合しない・少量では泡立ちが悪いなどの欠点が指摘されるものの、泡切れがよい・使用後のサッパリ感がよい等の長所もあり、天然系に近いということで最近逆に見直されている面もある。化学工業の発達と共に、さらに界面活性効果の優れたもの、イオン性の異なるもの、人体の皮膚に刺激の無いものなど、様々な特徴を有するものが提供されており、その使用のより泡の性質も色々な特徴を持たせ、且つ変化のあるものが造られており現在市販化粧品・洗剤等はこの合成界面活性剤によるものがほとんどである。天然系の気泡物質についてみると、サイカチ・ムクロジの樹皮または果実を潰して洗濯に使用したとの記録がある。この泡立ち物質はサポニンと呼称されている。また、松脂“ロジン”(主成分:アベチイン酸と称するトリテルペタイド)を石鹸の泡立ち助剤に用いられたことがある。他の天然物では、蛋白質・ペクチン・多糖類・リン脂質等には多少なりとも泡立つ効果がある。しかし、これらの天然系気泡剤は余りにも古典的過ぎて、その遥か後の上市になるフォーマーならびにエアゾールの原液に使用したとの公知文献はない。
【0004】
現在我々の生活において、界面活性剤は欠くことの出来ない化学物質になっている反面、その使用に対し反省の声が無いわけでもない。即ち石鹸は別として他の合成界面活性剤は地球環境を破壊するとの見地から、一部有識者の反対提唱している問題、即ち、用済み後の界面活性剤を河川に流す汚染は、動物の生態系に影響をもたらす事は明らかであり、ひいては地球全体の生態系に変化が波及すると飛躍し、また河川水を飲用する為、これが人体への有害遠因となっていると言う事である。従って界面活性剤の使用量を控え、且つ自然分解しやすい活性剤への転換を求めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、フォーム商品はそれなりに便利であり広く普及しているが、それに配合されている界面活性剤が環境破壊の元凶の一つであるとの非難がある現実に立脚して、自然分解しやすい気泡剤に代替することが望ましい。因に、石鹸はこの範疇に入るがpHが高い為(アルカリ金属塩で10.2〜10.5)河川に流すときは予め中和が必要とし、またここに用いられる脂肪酸の種類によっても分解化値が異なり、天然由来品が微生物分解の進むことが知られている。よって、本発明は人体に刺激がなく且つ自然界においても分解しやすく環境破壊の少ない天然由来の気泡剤を探究した結果、カゼイン類が適応可能であることを見出したが、これをもってフォーム商品を製造するにあたっての諸条件は未知であり、それらを特定することが課題である。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
課題を解決する為の手段として、本発明は数多くの実験を行ない、到達した結論は「気泡剤としてカゼイン又はカゼイン酸塩類を0.1〜20wt%と、他に必要あれば泡質改良剤として界面活性剤・増粘剤・糊剤・油剤・・潤滑剤溶剤・粉剤・湿潤剤・酸・アルカリ・pH調整剤・イオン封鎖剤・防腐剤・着色剤・香料の一種又は二種以上と、残部は水をもって100wt%とする。」液体組成物をもってフォームを造る原液とするものであり、就中、泡質改良剤の一種として「(イ)炭素数8以上の脂肪族高級アルコール0.01〜5wt%(ロ)炭素数8以上の脂肪族高級脂肪酸0.01〜5wt%(ハ)炭素数2〜6の単価アルコール又は多価アルコール0.4〜25wt%が特別の効果を発揮することを明らかにした。
【0007】
この内容を具体的に記述する前に、「泡」なる物体について補術すると、日本語では相当広範囲に包含するが、本明細書では、液体組成物が気体を閉じ込めて気泡を造るとき、気泡の集合体を「含泡塊(フォーム)と呼んでいる。気泡の粒径が大きくて、例えばシャボン玉のような単独泡の場合には、液体は気体を包み込み所謂「泡膜」を造るが、粒径が小さく且つ集合体となった含泡塊では泡膜が明瞭でなく、顕微鏡下ではかえって液中に気泡が取り囲まれているようにみえる。これが液中の気泡数が少なく、単独で漂っているような状態が「バブル」であり、だんだん気泡が多くなって丁度ビールの上泡のように液状性が減じた状態ではこれを「サッジ」といっている。「フォーム」は液の比率が更に少なくなり流動性を失って、手のひらですくって取れる位の粘りになったものである。泡の性質に関しては、<比重>エアゾール産業新聞735号“92.07.05”<粘度>同735号“93.01.15”<消泡性>同780号“93.10.15”<粒径>同797号“94.04.15”に本発明者が寄稿しており、測定法の詳細などは該報に記載のあるところである。
【0008】
さらに、硬さ・ネバリ・崩れ・付着性・排液性・キメの細かさ・泡粒の均一性・大気泡の介在・滑らかさ・光沢・臭い・などの風合いを伴った見方をもって、千差万別に評価される。
【0009】
泡の状態を、測定して数値で評価できる方法の一つに、比重が最も簡単である。一般的に言って、フォームにあっては極軽泡質で0.02台もあるが、シェービングフォームにあっては0.03位でそれ以上比重が高くなるにつれて粗い泡となり、ボディーソープでは0.05位である。0.1を過ぎると著しい排水現象が認められ、0.2以上ではサッジの範疇であり、これは殆んど商品として用途がない。また、泡膜は光の反射と屈折をする原理から、その透過度(⇔吸光度)を測定し、粘度の関係を推定する手段がある。
【0010】
起泡能力の試験方法は、原液20mLを100mLメスシリンダーに採り、栓をして20回振り混ぜ、生成した泡の量を読む方法により行なう。起泡剤の比較においては、その乾燥固形分ベースで各段階の濃度の溶液を作り、同上操作で試験を行ない、起泡能力を判断する。表1は本発明者が他の代表的界面活性剤と比較において、カゼイン起泡能力を実験により求めたものである。
【0011】
カゼイン(Na塩)溶液は、アルカリ性でやや不透明であるが安定に溶解し、pH=6.0になると白濁し、pH=4.0以下になると沈殿を生ずる。従ってその起泡性能もアルカリ側において高い値を示す。泡の風合いは、泡粒が比較的細かく白く、照りにやや欠けるもののネットリとして重い感じである。
【0012】
【表1】
【0013】
次に、生分解性の試験は原液50mLに活性汚泥液(自家調整)1mLを加え、綿栓フラスコに入れ、25℃室で20時間振とうを続ける。これをディスポザルフィルターでろ過し、そのろ液20mLを20℃で起泡能力試験方法により、泡立ち量〔b〕を求め、活性汚泥処理前の数値〔a〕と比較して、100(δa−δb)/δa=生分解率Ds(%)である。表2は、本発明者が他の代表的起泡剤と比較において、カゼインの生分解率を実験により求めたものである。この結果より、微生物による分解性の良好なことが確認できた。
【0014】
【表2】
【0015】
また、カゼインは人体皮膚に対する感作性に関し、他の界面活性剤に比較して著しく安全性の高いものであり、パッチテスト〔60名〕の結果で例えば濃度10%において、ヤシ油脂肪酸Naは+が62%頻度に対して、カゼインは5%に過ぎなかった。即ち肌に優しさを求められるフォームタイプの化粧品・家庭用品に最適であることを示すものである。
【0016】
上記により、カゼインは本発明品の原料として望ましいとの予測はつくころとなったが、本発明を実施するにあたり、まずその有効となる濃度関係を明らかにする必要がある。即ち本発明原液はフォームを形成するものである為には、起泡剤の濃度が高ければ当然良いわけであるが、コストの面の他に泡の風合的な問題が重要でファクターとなる故に、最低となる可能量を求めるべきである。
【0017】
本発明の原液は、ポンプフォーマー並びにエアゾールに用いられるものであることは前述のごとくであるが、図1のデーターはエアゾール型泡について求めたものである。試料はデンマーク製カゼインナトリウムの各種濃度溶液20gとLPG(0.43MPa)2gを試験瓶に封入し、それより噴出するフォームの比重を測定記録した。本図で、▲1▼●印実線はカゼインのみの場合。▲2▼▲印実線線はセタノールを0.2wt%▲3▼▲黒四角▼印点線はミリスチン酸を0.2wt%▲4▼◆印点線はエタノールを5.0wt%を追加配合した場合を示す。前述の如くフォームとして利用可能な含泡体は、その比重が0.03〜0.1と線引きできるから、図1よりカゼイン単体の場合の下限は0.2wt%位が必要であると推定できる。然るところ、高級アルコール配合の場合は下限が0.08wt%、高級脂肪酸の場合は下限が0.12wt%にまで引き下げ得ることが明確である。上限値は高くともフォームの形成には何等支障がないものの、カゼイン溶液の粘度が高くなって泡の風合がよくないので、20wt%と限定した理由である。但しこの上限値は使用時の限定を示すのであって、例えばハンドポンプ式原液の販売商品において、使用時に希釈することを条件に濃度をそれ以上に配合する場合にあっては、当然本発明の範疇となる。
【0018】
エタノール/グリコールで代表されるC2〜C6の単価アルコール/多価アルコールの添加は、比重に関して改善の程度は然程でもないが、風合改善評価が大きい。斯様な起泡補助的効果は従来石鹸・シャンプーでもその事例をみるが、本発明のカゼインとの組み合わせは初めての知見である。また、因みに高級脂肪酸の場合、pHが高いとき石鹸を造り当然起泡に寄与するが、上記実験でpHは7.0以下の液であって、左様な因縁に基づくものではない。
【0019】
さて、本発明において主なる起泡剤として採用の「カゼイン(又はカゼイン酸)並びにその塩類について、若干の説明をする。カゼインは哺乳動物の乳汁に含有する蛋白質系の物質であり、市販カゼイン又はそのナトリウム塩は主として牛乳を原料としている。牛乳中にはカゼインを約3%(全蛋白の80%)含有し、酸又はホモシン酵素を加えると沈殿するから、これを濾取して集め、アルカリを加えて溶解し不純物を除き再度酸性として沈殿を繰り返し純度を高める。溶液を濃縮し又スプレードライによって、工業用品・食品用・理化学試薬級など各グレードのカゼイン又はカゼイン酸Naが生産される。なお、カゼインはpH等電度によって、α−型〔pH:4.0〕、β−型〔pH:4.5〕、γ−型〔pH:5.9〕の種別があるとされている。
【0020】
脂肪族高級アルコールの定義は、炭素数8以上の鎖状結合の炭水化物で分子内に−OH基を持つものであり、オクタノール・デカノール・ラウリルアルコール・ミリスチルアルコール・ステアリルアルコール・セタノール・ベヘニルアルコール・セトステアリルアルコール・オレイルアルコール・ラノリンアルコール・水添ラノリンアルコール・オクチルドデカノール・ヘキシルドデカノール・ホホバアルコール・精製ヤシ油脂肪アルコール・イソステアリルアルコール等が具体例として挙げられる。
【0021】
脂肪族高級脂肪酸の定義は、炭素数8以上の鎖状結合の炭水化物で分子内に−COOH基を持つものであり、カプリン酸・カプリル酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・ミリストレン酸・ペンタデカン酸・パルミチン酸・パルミトレイン酸・マーガリン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・リノレン酸・アラキジン酸・カドレン酸・ベヘニン酸・ヤシ油脂肪酸・牛脂脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸・鯨油脂肪酸・イソステアリン酸等が具体例として挙げられる。
【0022】
本明細書で、炭素数2〜6の単価アルコール/多価アルコールと定義する化合物の具体例は、エタノール・変性アルコール・イソプロパノール・シクロペンタノール・グリコール・グリセリン・ジグリコール・イソブチレングリコール・メチルカルビノール等である。
【0023】
上記のアルコール及び脂肪酸/多価アルコールは各々の物質が異なるものである故に、これの添加になるフォームも自ずから特に風合において性格の異なるものとなる。例えばオレイルアルコールを添加した場合の泡はネットリと滑らかで皮膚への付着がよいし、セタノールを添加した場合の泡は、やや硬くプリンとした弾力性があり泡消え後はスケルトンを残す。エタノールの添加は、フォームのキメを滑らかにし、特に大きい単独の泡を消滅させる特徴が認められる。従来エタノールは消泡的な作用をするとの定説がもたれていたが、本発明者の実験により、活性剤の低濃度溶液においては逆の起泡補助の作用をすることを見出したのであり、新しい知見である。このように、他の泡質改良剤と共に夫々用途に対して好ましい泡質を造るために選択配合される。これらの量的検討は次記のとおりである。
【0024】
図2は、原液の脂肪族高級アルコール並びに脂肪族高級脂肪酸の配合添加量と、そのフォーム比重との関係を実験で求めたものである。原液のカゼインの濃度は低部では0.2%、高部では2.0%であり、高級アルコールとしてラウリルアルコール(▲印点線)、高級脂肪酸としてオレイン酸(▲黒四角▼印実線)を各濃度で追加配合し、pHを6.5±0.2に調整したものを、図1の同様手順で測定記録した。本図よりカゼイン0.2%のみの場合の泡比重は0.4で不満足な泡であったが、両改質剤ともほぼ0.01%の添加をもって0.10を切る。更に高級アルコール/高級脂肪酸を増加していくと、泡比重の低下は顕著となり改善が認められるものの、5wt%を超えると逆に泡の性質が劣化する。この添加に関する作用機構について、ある種の水和化合物を造り液晶の析出によるものとの論述もあるが詳細は不明として、上記の実験に基づきその添加量の範囲を0.01〜5wt%とした。
【0025】
つぎに、エタノールについての実験は、カゼイン酸Na2.0%・セトステアリルアルコール0.2%・ヤシ油脂肪酸0.2%とし、これにエタノールの濃度を変化した原液を調整(pH〜6〜)とし、ポンプ式フォーマー(大和製罐(株)製)で造泡し、その泡を0.5mmの厚さ層の吸光度(log%)を10ヶ所測定した。結果は図3に示すとおりであり、前述の如く光は泡膜によって遮られる性質から、吸光度の高い程フォーム粒径緻密であること、またバラツキの少ないほどフォームは均一であることを示すものである。図3より、エタノール含量が0.4からその効果が現れ、1〜20%で最も顕著であり、25%を過ぎると急激に逆効果へ転ずることが読める。その他のC2〜C6の単価アルコール/多価アルコールについては、同様に若干の比重の低下、泡の整粒効果が認められ、かつ夫々によって特徴ある泡塊の改質が呈現するもので、表−3に確証の実験結果を掲示する。
【0026】
【表−3】
【0027】
以上、起泡補助効果のある3種類別の物質について詳記したが、その他泡の性質特に風合を改良するために、下記のものが配合する場合がある。これら泡質改良剤は極めて膨大に亘るため、代表的説明に留め他は均等物として取り扱う。
【0028】
(1)界面活性剤:本発明での起泡作用はAkG又はAkPが主役をするが、その他一般の界面活性剤も別の目的もあって添加することがある。即ち、有効成分の可溶化、泡粒の調整、塗布面とのなじみの改善等で、例えば脂肪酸ジグリセリルの添加は泡塊表面のツヤを増す、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムは頭髪の静電気放遂の作用がある、と言ったものである。この目的には、アニオン性・カチオン性・ビニオン性・ノニオン性、極性の各種の界面活性剤が夫々目的に対する候補となる。
【0029】
(2)潤滑剤:レシチン・各種シリコーン・ワセリン・パラフィン・金属石鹸・タルク・テフロン粉・アミホープLL(味の素(株))等。
(3)増粘剤:ベントナイト・カンテン・カルボキシメチルセルロース・アルギン酸Na・キサンタンガム・カチオン化グアガム・カルボキシポリマー・ポリビニルアルコール等。
(4)糊剤:アルギン酸Na・澱粉及び加工澱粉・ポリアクリル酸樹脂・酢酸ビニル・ユカフォーマー(三菱油化(株))、ガントレッツ(GAF社)等。
(5)油剤:ここでいう定義は広義の油を指す。即ち(i)ミネラルスピリット・灯油・スピンドル油・流動パラフィンの如き天然鉱物油(ii)スクワレンコレステロール・ラノリン・卵黄油・牛脂の如き動物由来の油脂類(iii)椿油・大豆油・ヤシ油・オリーブ油等のトリグリセリド、カカオ脂、ヒマシ油、タービンスピリットの如き植物由来の油脂類(iv)水添魚油・精製吸着ラノリン・加工油(v)鯨ロウ、キャンデリラロウ・シェラックロウ・ミツロウ・ライスワックスの如きロウ類(vi)ミリスチン酸イソプロピル・オレイン酸オクチルドデシル・乳酸セチル・の如き高級エステル類(vii)ジオレイン酸プロピレングリコール・トリオクタン酸グリセリン・ステアリン酸ジグリセリン・ジイソステアリン酸トリグリセリル・トリステアリン酸トリメチロールプロパンの如き脂肪酸グリコライド類、グリセライド類、ポリグリセライド類等。
(6)溶剤:アセトン・エタノール・イソプロピルアルコール・イソペンタン・石油エーテル・エチルカルビノール・エチルエーテル・N−メチルピロリドン・アジピン酸イソブチル・炭酸エチル・非特定フロン等。
(7)粉剤:無水ケイ酸・澱粉・チタンホワイト・結晶粉末セルロース・カオリン等。
(8)酸・アルカリ:水酸化カリウム・アンモニア水・アミノメチルプロパノール・トリエタノールアミン・水酸化マグネシウム・塩酸・リン酸・乳酸・クエン酸等。
(9)pH調整剤:リン酸アンモニウム・重炭酸ナトリウム・アミノ酸類・グリコール酸・尿素等。
(10)イオン封鎖剤:エデト酸・フィチン酸・ターピナル(コグニス(株))等。
(11)防腐剤:本発明では。天然原料であるため、微生物による変質に留意する必要がある。滅菌充填でない場合は、防腐・防カビ剤の添加を考慮すべきである。パラベンエステル類・ソルビン酸・パラクロロクレゾール・ケーソンCG・タルタルアルデヒド等。
(12)着色剤:法定色素・天然色素・カーボンブラック・群青等。
(13)香料:天然香料・調合香料・スパイスエキス・植物エキス等。
【0030】
目的に対応する有効成分とは、製品がその使用上の目的効果を謳う為に配合する薬剤を言い、殺虫剤におけるピレスロイド、日焼け止め化粧品におけるオキシベンゾン、肌化粧品におけるMNF物質・湿潤剤、洗顔フォームにおけるスクラブ、染毛剤における酸化染料等が一つの例である。
【0031】
【実施例】
〔1〕本例はエアゾール剤ヘアセット(ハード)の例であり、フォームを塗髪した髪型は非常に固く仕上がり、すべりが良く光沢がある。フレーキングが無く崩れも少なく、シャンプーで容易に洗い流すことが可能である。
(原液の処方)
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 4.0wt%
▲2▼ラウリルアルコール 0.2
▲3▼パラベンエステル 0.4
▲4▼ルビスコールVA73E(BASF(株)) 3.6
▲5▼変性95%アルコール 10.0
▲6▼香料 0.1
▲7▼精製水 加えて100.0とする。
原液100gに対し、噴射剤としてLPG(0.39MPa)10gの割合で、耐圧容器に圧力充填し、本発明品になるヘアセットムースを得た。
【0032】
【実施例】
〔2〕本例は、フォーム式染毛料の例である。顔料(粉末)混入の場合のフォームは分離偏析が起きて、処方が困難なことが多いが、カゼインの配合により解決できた。
(原液の処方)
▲1▼ユカフォーマーAM75ブラック(三菱油化(株)) 25.0wt%
▲2▼カーボンブラック#950(三井化学(株)) 2.5
▲3▼コーンスターチ 3.0
▲4▼ポリエチレングリコール#1500 5.0
▲5▼カゼイン酸ナトリウム(デンマーク製) 3.4
▲6▼変性アルコール 10.0
▲7▼フェノキシエタノール 0.2
▲8▼精製水 加えて100.0とする。
原液100gに対し、噴射剤としてLPG(0.39MPa)10gの割合で、耐圧容器に充填し、本発明になるフォーム型染毛料を得た。
【0033】
【実施例】
〔3〕本例は、エアゾール式シェービングフォームの例である。シェービングフォームは、比較的ネットリとしてキメが細かく伸びが良く、垂れ落ちなく、肌への付着性の良いものが望まれる。従来のものは使用原料の関係もあってこの条件を満たす為に一般にpHの高いものとしなければならなかった。しかし健康な肌の生理的pH4前後であり、pHを9以上にすることは“髭剃り負け”があって好ましくない。本品は、上記条件を満足するものであり、実用試験の結果髭切れもよく、好評である。
(原液処方)
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 6.0wt%
▲2▼ステアリン酸 0.4
▲3▼セチルアルコール 0.2
▲4▼トリエタノールアミン 0.2
▲5▼乳酸(70%) 0.1
▲6▼ジオレイルジグリセリル 0.4
▲7▼エチレンジアミンテトラ酢酸2Na 0.2
▲8▼パラベンエステル類 0.2
▲9▼香料(メントール系) 0.1
▲10▼イソペンタン 4.0
▲11▼精製水 加えて100.0とする。
原液のpH=8.2
原液100重量部と液化石油ガス(0.29MPa)8部をブリキ型エアゾール用耐圧缶に充填し、本発明品になるシェービングフォームを得た。
【0034】
【実施例】
〔4〕本例は、ポンプ式フォーマーに充填されるボディーソープに関するものである。浴用など、従来身体洗浄剤には石鹸が主体であったが、水質の悪化に伴い合成界面活性剤配合のボディーソープも使用されることが多くなっている。ボディーソープはタオルや掌につけた身体を洗うので、垂れ落ちしない程度の粘度(〜1500c/s)が望まれる為、造泡して粘度を高めるポンプ式フォーマーが具合良いとされる。下記処方で<A>は一般家庭用であり、そのまま用いる。<B>は温泉業務用であり、温泉浴室にはポンプ式フォーマーは具備されているから、その詰め替え用原液であって、実際はそれを2〜3倍に希釈して詰め替えている。
(原液の処方) <A> <B>
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 10.0 3.0
▲2▼ラウリル硫酸ナトリウム(30%液) 3.0 30.0
▲3▼水酸化カリウム 0.2 0.4
▲4▼グリセリン 4.0 5.0
▲5▼95%変性アルコール 5.0 10.0
▲6▼香料 0.2 0.4
▲7▼パラベンエステル 0.4 0.4
▲8▼ブチレングリコール 0.4 0.4
▲9▼精製水 加えて100.0 100.0とする。
【0035】
【実施例】
〔5〕本例は、クレンジングフォーミングクリームの例である。このクリームで造った泡は極めて細かく滑らかである。口紅・おしろい・アイライン等の化粧落としを第一の目的とし、その除去は抜群である上、処置後の皮膚はカゼイン成分でもって整えられるから適度の潤いを持った活性のある肌を呈し、クレンズとりポイドモイスチャーの補給を一度に出来、ナイトクリームは省略し得るほどである。
(原液処方)
▲1▼カゼイン酸ナトリウム 7.5wt%
▲2▼ラウリン酸デカグリセリン 5.0
▲3▼ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(9E.0) 5.0
▲4▼アミノメチルプロパノール 0.5
▲5▼乳酸(70%) 0.4
▲6▼結晶セルロース粉 5.0
▲7▼アミノホープ(味の素(株)) 0.5
▲8▼オクタン酸イソセチル 6.5
▲9▼アジピン酸ジイソプロピル 6.5
▲10▼ソイレシチン 0.5
▲11▼ジグリセリン 2.0
▲12▼パラベン 0.5
▲13▼香料 0.1
▲14▼精製水 60.0
本品は、軟膏クリーム状を呈する。顔面に塗布し、マッサージ後温水をもって洗顔するときは、著しい泡立ちを見せ、汗脂分・埃・化粧料の除去は容易である。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、合成界面活性剤が環境破壊に及ぼす影響を考察するに、その使用によって河川並びに沿岸海水が汚染され水辺の生態動物が絶滅されつつあること、飲用に供される市水は汚染された河川から引水しているからそれが人体に悪影響を及ぼしていること、活性剤を合成するに当たりその原料を主にヤシ油に求めている為熱帯雨林が広面積にわたり伐採され人工ヤシ樹に変わっていること、など深刻な問題に及んでいる。これらの汚染は殆んど我々の生活で使用した排水に起因している。化粧品類は活性剤の使用割合が高い製品であるが、これに用いる原料は精撰されたものでありこの精製工程のロス廃棄分も考慮すれば、人類を美化する善の化粧品が地球を醜悪化しているといって過言ではない。このため、界面活性剤は自然に生分解する天然品が望まれるところであり、本発明は先に▲1▼アルキルグルコシド類▲2▼サポニン類を今般▲3▼カゼイン類を提案するものである。これらの天然品は起泡力おいて現在合成界面活性剤と比較して使いづらい点のあることは否めない事実であるところ、本発明によってその解決を計り、見方によっては従来より優れた能力のある製品を供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】カゼイン酸ナトリウム各濃度でのエアゾール噴出するフォームの比重及び添加配合時フォーム比重を表す図である。
【図2】脂肪族高級アルコール並びに脂肪族高級脂肪酸の配合添加量と、その主成フォームの比重関係を表す図である。
【図3】造泡した泡の0.5mm厚さ層の吸光度を表す図である。
Claims (4)
- 気泡剤としてカゼイン又はカゼイン酸塩類を0.1〜20wt%と、他に必要があれば泡質改良剤として界面活性剤・増粘剤・糊剤・油剤・溶剤・粉剤・潤滑剤・湿潤剤・酸アルカリ・pH調整剤・イオン封鎖剤・防腐剤・着色剤・香料の一種または二種以上と、目的に対応する有効成分の一種又は二種以上と、残部は水をもって100wt%とすることを特徴とするフォームを造る為の原液組成物。
- 泡質改良剤の一種が、炭素数8以上の脂肪族高級アルコールの0.01〜5.0wt%である請求項1記載のフォームを造る原液組成物。
- 泡質改良剤の一種が、炭素数8以上の脂肪族高級脂肪酸の0.01〜5wt%である請求項1記載のフォームを造るための原液組成物。
- 泡質改良剤の一種が、炭素数2〜6の単価アルコール又は多価アルコール0.4〜25wt%である請求項1・請求項2・請求項3記載のフォームを造るための原液組成物。
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