JP6453665B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は洗顔料、ボディソープ、シャンプー等の身体用の洗浄剤組成物に関し、さらに詳細には低温安定性に優れ、温度変化に伴う外観の変化が少なく、洗浄剤として良好な使用感と粘性を有する洗浄剤組成物に関する。
洗顔料やボディソープ、ハンドソープ、シャンプー等の洗浄剤組成物は、起泡性や洗浄力、使用後の良好な肌の感触を得るために、高級脂肪酸塩やポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤を主成分として、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤の組み合わせや、様々な種類の添加剤について検討がなされている。
このうち、高級脂肪酸塩は高い起泡性と洗浄力を有し、使用後はさっぱりとした感触が得られるため汎用されている。
しかしながら、高級脂肪酸塩は脂肪酸部分の結晶性が高く、脂肪酸の炭素鎖長が長い程、また含有量が多い程析出しやすく、洗浄剤組成物が白濁化する性質がある。さらに、この析出は温度による影響を受けやすく、高温では溶解して透明性が増すが、低温では部分的に結晶が成長したり全体が白濁化するといった変化を呈し、外観変化が著しいのが課題となっていた。
一方、透明な洗浄剤組成物は高級感があり、商品のイメージ訴求の面でも要望の高い品質項目となっている。また、洗浄剤の付加価値を高めるために種々の美容成分が添加されるが、成分によっては含有した素材そのものの外観(例えば炭や泥(クレイ)、植物の粉砕物等)を見えるようにしてその美容効果を想起させ、視覚的にアピールする手段も用いられる。これらの理由より、透明で安定性に優れ、温度変化にも外観の変化が少ない洗浄剤組成物は商品価値が高く、洗浄剤として起泡性や洗浄力、使用後の良好な肌の感触をも満足するものが求められている。
洗浄剤組成物は、これまでも種々の検討がなされてきた。例えば、特許文献1には、特定の高級脂肪酸塩を組み合わせ、かつ、タウリン誘導体とアルキルイミノジカルボキシレートを含有し、低温下における白濁や固化のない、低温安定性が良好で、初期の泡立ちに優れる身体用液状洗浄剤組成物が提案されている。
また、特許文献2には、界面活性剤の含有によって生じる粘度上昇を抑制し、透明性を維持し、製剤安定性が良好で、洗浄性の高い透明液状洗浄料として、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤および両性界面活性剤の内の少なくとも1種と、25℃で液状である油性成分5〜40質量%と、ポリオールおよびエタノールの内の少なくとも1種と、ベタイン化合物を含有する、透明液状洗浄料が提案されている。
特開2007-223951号公報 特開2013-155332号公報
そこで本発明は、斯かる実情に鑑み、高級脂肪酸塩の高い起泡性と洗浄力、使用後のさっぱりとした感触を活かしながらも、温度変化による外観変化が少なく、特に低温で白濁化せず、安定性に優れた透明性を有する洗浄剤組成物を提供しようとするものである。さらには、使用する際に適度な粘度があり、泡立ちおよび泡持ちに優れ、洗浄後の使用感では、べたつきやぬるつきの少ない、良好な感触となる洗浄剤組成物を提供しようとするものである。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、高級脂肪酸塩のうち、有機性塩基を用いて中和した高級脂肪酸の有機塩基性塩が透明性が高く、温度変化による外観の変化を減少させること、また脂肪酸アルカノールアミドを組み合わせるとさらに脂肪酸の析出を抑える効果が高まることを見出した。一方、高級脂肪酸塩は、無機カチオン(Na+、K+、Ca+、Mg2+等)が共存すると高級脂肪酸による白濁化が生じやすいという現象において、高級脂肪酸塩の中でも、前記高級脂肪酸の有機塩基塩を選択し、これと共存する無機カチオン濃度を低減することで、洗浄剤組成物の透明性を高めるという知見を得た。また、高級脂肪酸塩とノニオン性セルロース誘導体、IOB値が3.4以下のエタノール及び/または多価アルコールとを特定量組み合わせると、高級脂肪酸塩量を減らしても泡立ちや泡持ちが良好で、さらには洗浄剤組成物として適度な粘性を付与できることもわかった(参考:国際出願 PCT/JP2013/054540号)。本発明者は、これらの知見を組み合わせてさらに詳細に検討を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、成分(A)高級脂肪酸の有機塩基性塩 3〜25質量%、成分(B)ノニオン性セルロース誘導体 1〜2.5質量%、成分(C)IOB値が3.4以下のエタノール及び/又は多価アルコール 3〜20質量%、を含有し、かつ 無機カチオン濃度が0.001mmol/g以下である洗浄剤組成物を提供するものである。
本発明は、温度変化による外観変化が少なく、特に低温で白濁化せず、安定性に優れた洗浄剤組成物を提供することができる。さらには、使用する際に適度な粘度があり、泡立ちおよび泡持ちが良好であり、洗浄後の使用感では、べたつきやぬるつきの少ない、良好な感触となる洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明は、高級脂肪酸の有機塩基性塩、ノニオン性セルロース誘導体、IOB値が3.4以下のエタノール及び/又は多価アルコールを各々特定量含有し、無機カチオン濃度を0.001mmol/g以下にした洗浄剤組成物である。以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書においては、〜を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
本発明に用いられる成分(A)高級脂肪酸の有機塩基性塩は、以下に示す例示から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することが可能である。
前記成分(A)に用いられる高級脂肪酸の有機塩基性塩は、特に限定されないが、例えば、飽和若しくは不飽和の脂肪酸が挙げられ、また直鎖若しくは分岐鎖の脂肪酸が挙げられる。
また、高級脂肪酸の有機塩基性塩の脂肪酸の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは8〜22であり、より好ましくは8〜16である。この範囲の炭素数の脂肪酸を用いると、泡立ちが豊かで洗浄力が高く、さっぱりとした洗いあがりとなる。
前記高級脂肪酸の有機塩基性塩における「脂肪酸」は単一脂肪酸の他、混合脂肪酸が挙げられるが、この例示として、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、リチノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノエライジン酸及びリノレン酸等の単一脂肪酸;ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸及びパーム核油脂肪酸等の「脂肪酸」を2種以上組み合わせた混合脂肪酸が挙げられる。このうち、好ましくは、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ油脂肪酸及びパーム核油脂肪酸である。
本発明において、前記高級脂肪酸塩における「脂肪酸」は2種以上を組み合わせた混合脂肪酸が好ましい。また、ラウリン酸の比率が50〜95質量%であることが好ましく、80〜95質量%がさらに好ましい。この範囲であれば、低温における白濁化を抑え、低温安定性に優れたものとすることができる。
高級脂肪酸塩の結晶性が高いという性質は、脂肪酸塩分子が規則正しく配向し凝集しやすいことに起因すると考えられる。また、脂肪酸の炭素鎖長が長いほど、さらに結晶性が高まる。こうした結晶化は、温度が低い程進行しやすい。そのため、室温付近ではそれほど白濁していなくても、低温条件下では結晶が成長し、急激に白濁してしまう現象が生じる。
一方、脂肪酸の組み合わせという観点から言えば、単一種類の脂肪酸塩では、脂肪酸の炭素鎖長が揃っているため、分子がより密な配列を取ると推察され、結晶性が高まり白濁化しやすいと考えられる。それに対して、混合脂肪酸では、単一脂肪酸に比べて密な配列を取りにくくなると考えられ、結晶化が起きにくくなり、透明性が維持されると推察される。
前記高級脂肪酸は塩基であらかじめ中和されたものを用いることができるが、製造時に別々に含有することで中和して用いる等いずれの場合においても可能である。
本発明では、このような中和する塩基(以下、「対塩基」ともいう。)として有機性塩基を用いることが必須であり、下に示す例示から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することが可能である。有機性塩基で中和すれば、高級脂肪酸の結晶化を抑えることができ、低温における透明性の維持に顕著な効果が認められる。
有機性塩として、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。
前記高級脂肪酸塩における対塩基のうち、好ましくはトリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノール塩、アルギニン塩である。
前記高級脂肪酸の対塩基の中和は、高級脂肪酸と有機性塩基がモル比1:1〜1:1.2の割合であることが好ましい。この範囲であれば、脂肪酸の結晶化、すなわち白濁化を抑え、温度変化による外観の変化を低減することが可能となる。また、洗浄剤組成物のpHが高くなりすぎることを避け、身体用洗浄剤として適切なpH範囲に調整することができる。
有機性塩基は無機性塩基に比べてそのイオン半径が大きく、脂肪酸塩同士の反発力が相対的に大きくなるため、結晶化を起こしにくいと考えられる。また、中和されていない状態の脂肪酸が存在すると、凝集物が核となり、脂肪酸塩の結晶化が進むと推測されるため、高級脂肪酸と有機性塩基がモル比1:1以上で完全に中和することが重要である。
さらに、本発明に用いられる対塩基が弱アルカリ性であることも、有利な点である。弱酸である脂肪酸をNaOHやKOH等の強塩基を用いてモル比1:1以上で中和、あるいは過中和すると、中和物のpHが急激に高くなり、製剤としての品質管理が困難となる上、身体用洗浄剤組成物として肌への悪影響が懸念される。一方、本発明では、弱酸である脂肪酸と弱塩基である有機性塩基からなる脂肪酸塩となるため、完全に中和した場合であってもpHの急激な上昇は起こりにくく、中性から弱アルカリ性に調整することができる。
本発明の成分(A)の含有量は、洗浄剤組成物中3〜25質量%であり、より好ましくは、5〜25質量%、よりさらに好ましくは、7〜20質量%である。なお、本明細書においては、成分(A)の含有量は高級脂肪酸と有機性塩基の質量%の合計である。
本発明は、成分(A)のほかに、後述する成分(B)、(C)を組み合わせることで、粘度、泡立ち及び泡持ちが低下することなく、高級脂肪酸塩を25質量%以下に低減することが可能となる。高級脂肪酸塩の含有量を低減できることは、脂肪酸の析出を低減することにも有効であり、さらには洗浄後の使用感が良好となるので、本発明の洗浄剤組成物の大きな利点である。
本発明に用いられる成分(B)ノニオン性セルロース誘導体は、特に限定されず、以下に示すノニオン性セルロース誘導体の例示から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することが可能である。
前記ノニオン性セルロース誘導体の分子量は特に限定されないが、分子量は、好ましくは2万〜100万、より好ましくは4万〜70万、さらに好ましくは10万〜50万である。当該分子量は、GPC−MALLSにて測定可能である。
前記成分(B)ノニオン性セルロース誘導体における誘導体とは、セルロースの水酸基の水素原子が、水酸基を有するアルキル基、及び/又は水酸基を有するアルキル−オキシアルキレン(アルキル−(OA)n−)基〔Oは酸素、Aはアルキレン基、nは付加モル数〕と置換されているものを指す。このような水酸基を有するアルキル基及び/又は水酸基を有するアルキル−オキシアルキレン基で置換されているノニオン性セルロール誘導体を、本発明では「ヒドロキシアルキルセルロース」という。
当該置換度は、好ましくは0.2〜3.0、より好ましくは0.5〜2.5、さらに好ましくは1.0〜2.0である。なお、この置換度は、日本薬局方 ヒプロメロース定量法を参考に測定可能である。
前記アルキル基は直鎖、分岐鎖又は環状の何れでもよいが、好ましくは直鎖及び分岐鎖である。また、前記アルキル基は、好ましくは炭素数1〜20のもの、より好ましくは1〜6のものが好適である。
前記アルキレン基は、炭素数1〜6のものが好適であり、このうちエチレン基が好ましい。前記nは、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4である。
前記ヒドロキシアルキルセルロースの粘度(cps、1.0質量%水溶液)は、200〜20,000程度が好ましい。
前記ヒドロキシアルキルセルロースのうち、ヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースが好適である。このヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースは、前記「オキシアルキレン基」が付加されているものも含む意味である。
当該ヒドロキシアルキルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースとして、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)等が挙げられる。このうち、HPMC、HECを用いるのが好適である。
前記ヒドロキシアルキルセルロースは、公知の製造方法にて得ることも可能であり、また市販品を用いればよい。市販品として、例えば、HPMC(メトローズ65SH-4000;信越化学工業社製)、HEC(NATROSOL250HHR;ハークレス社製)、MHEC(STRUCTURE CEL 8000M;AkzoNobel社製)、EHEC(STRUCTURE CEL 4400E;AkzoNobel社製)等が挙げられる。
本発明の成分(B)の含有量は、洗浄剤組成物中1〜2.5質量%であり、より好ましくは1〜2質量%である。
水溶性高分子の増粘剤として、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)等のセルロース誘導体及びキサンタンガムがよく知られているが、これらを洗浄剤組成物に含有させても、使用時の適度な粘度が得られなかった。しかし、セルロース誘導体のなかでもノニオン性セルロース誘導体であれば、成分(A)及び成分(C)と組み合わせることで、ノニオン性セルロース誘導体が少量であっても、飛躍的に粘度を上昇させることが可能である。セルロース誘導体が少量であればスカム付着等が低減できることから洗浄後の使用感も良好であり、また使用時の洗浄剤組成物の粘度が適度であることは、本発明の洗浄剤組成物の大きな利点である。
本発明に用いられる成分(C)は、エタノール及び/又は多価アルコールであり、以下に示すアルコール類の例示から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することが可能である。
本発明に用いられる成分(C)エタノール及び/又は多価アルコールは、IOB値(無機性値/有機性値)が3.4以下のものである。例えば、エタノール(2.5)、プロピレングリコール(3.3)、ジプロピレングリコール(1.8)、1,3−ブチレングリコール(2.5)、1,2−ペンタンジオール(2.0)、PEG−8(MW400)(2.3)が挙げられる(参考文献1:藤田穆の有機概念図:「化学の領域」Vol.11,No.10(1957)719−725参照)。
本発明に用いられる成分(C)の多価アルコールは、IOB値が3.4以下のものであれば、特に限定されない。
多価アルコールとして、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコール等が挙げられる。
本発明に用いられる成分(C)のうち、1〜2価アルコールであるのが好適であり、さらに、エタノール、並びに、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及び1,2−ペンタンジオールが好ましい。
本発明の成分(C)の含有量は、洗浄剤組成物中3〜20質量%であり、より好ましくは3〜18質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。
エタノール及び多価アルコールのようなアルコールは、一般的に洗浄剤組成物の粘性を低下させたり、消泡する働きがあることが知られている。特にエタノールは強い粘性低下作用及び消泡作用があるため、粘性向上のためにエタノールを洗浄剤組成物に含有させることは、当業者にとって思いつかないことである。
しかしながら、本発明の洗浄剤組成物のように、エタノールと、成分(A)及び成分(B)の3成分を組み合わせた場合には、逆に粘度が飛躍的に向上し、使用に適した粘性洗浄剤組成物に調整することが可能である。しかも、エタノールを含有させ、成分(A)を少量化しても、泡立ち及び泡持ちが良好であるため、高級脂肪酸塩の析出による白濁化を低減する手段としても有効である。さらには、使用後はツッパリ感やぬめり感がないので、素肌感が良好である。
また、本発明の洗浄剤組成物のように、高級脂肪酸塩を少量にした際に、多価アルコールを使用し、多価アルコールと、成分(A)及び成分(B)の3成分を組み合わせた場合には、逆に粘度が飛躍的に向上し、泡立ち、泡持ちの面でも良好となる。これにより、高級脂肪酸塩を少量にした場合でも、泡立ち及び泡持ちが良好であるため、高級脂肪酸塩の析出による白濁化を低減する手段としても有効である。さらには、使用後はさっぱり感といった使用感でも良好である。
この成分(C)のうち、使用後の素肌感を高める場合にはエタノールを用いるのがより好適であり、使用後のしっとり感を高める場合には多価アルコールを用いるのがより好適である。
また、本発明の成分(C)の配合量は、特定の数値範囲にすることにより、粘度、経時的安定性及び泡立ちがより良好になるので好適である。好ましくは洗浄剤組成物中3〜20質量%であり、より好ましくは3〜18質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。これが3質量%未満では洗浄剤組成物として使用する際に望ましい粘度が得られず、20質量%を超えると泡立ちや泡質が悪化する場合があり好ましくない。
本発明においては、成分(D)として脂肪酸アルカノールアミドを用いることができるものであり、脂肪酸とアルカノールアミンとのアミド化合物である。なお、ここで脂肪酸は、直鎖又は分岐のいずれでもよく、また飽和又は不飽和のいずれでもよい。具体的には、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド、及びそれらにポリオキシアルキレンを付加したもの等が挙げられる。脂肪酸モノエタノールアミドとしては、ラウリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド等、脂肪酸ジエタノールアミドとしては、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド等を例示することができる。また、ポリオキシアルキレンを付加したものでは、ポリオキシプロピレン(1)ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシエチレン(3)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(6)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(11)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等を例示することができる。
これらに該当するものとして、アミゾールCME、アミゾールCDE、アミゼット1PC、アミゼット2C(以上川研ファインケミカル社製)等が市販されており、本発明においても好適に使用することができる。
成分(A)高級脂肪酸有機塩基性塩に対する成分(D)脂肪酸アルカノールアミドの質量比(A):(D)は、1:0.05〜1:0.3であることが好ましい。この範囲であれば、脂肪酸アルカノールアミドの炭素鎖が、高級脂肪酸塩の凝集を阻害し、結晶化を低減すると推測され、低温における白濁化を解消するのに有効である。
本発明において、成分(E)として炭、ファンゴ、植物粉砕物を含有することができる。本発明の洗浄剤組成物は温度変化による外観の変化が少なく、透明性に優れるため、前記成分(E)の性状を目で見て楽しむことができ、審美性に優れる。さらには、これら成分による美容効果を想起させる演出手段としても有効である。
本発明の洗浄剤組成物は、適度な粘性を有するため、成分(E)の経時での沈降が起こりにくく、成分(E)が均一に分散し維持されるため、外観変化がなく安定性が良好である。
成分(E)のうち、炭は多孔性を有し、皮膚上の余分な皮脂等を吸着する性質があるもので、通常、化粧料に使用可能な成分であれば特に限定されないが、薬用炭、桐炭、竹炭、備長炭、ヒノキ木炭等を例示することができる。また、用いる炭の性状としては粉末状のものが好ましい。
成分(E)のうち、ファンゴは生物の堆積物、粉末状になったマグマや岩石が泥状に沈殿したものであり、通常、化粧料に使用可能な成分であれば特に限定されず、市販品としては、ガッスール(パウデックス社製)等が好適に使用できる。
また、海洋由来の海泥も美容効果が高く、望ましい。海泥は主としてイオウを含んだ含水ケイ酸アルミニウムからなり、各種ミネラルを含有する腐食泥である。採掘した海泥は、必要に応じて、乾燥や粉砕等の処理を行ない用いることができる。市販品としては、ミロネクトン(大日本化成社製)等が好適に使用できる。
成分(E)のうち、植物粉砕物は花や葉、茎、果実、種子、根等を乾燥させ、適当な大きさに粉砕したものである。植物としては特に限定されず、通常、化粧品原料として使用される植物であれば問題なく使用できる。本発明においては、例えば種子粉砕物をスクラブ剤として含有したり、花びらを審美性を高める添加物として含有しても良い。
本発明の成分(E)炭、ファンゴ、植物粉砕物の含有量は、洗浄剤組成物中0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%である。
本発明においては、無機カチオン濃度が0.001mmol/g以下であることが必須である。ここで、無機カチオンとは、Na+、K+、Ca+、Mg2+等の水中でカチオン性となる金属イオンのことである。無機カチオンが多く存在すると、有機性塩基で中和された高級脂肪酸に対して、イオン交換現象が生じ、高級脂肪酸と無機カチオンの塩が生じてしまう。高級脂肪酸無機性塩は高級脂肪酸有機性塩に比べ凝集を起こしやすく、結果として低温での結晶化を引き起こしやすく、透明性を損なうこととなる。
この現象を抑制するために、無機カチオン濃度は成分(A)高級脂肪酸有機塩基性塩に対して極微量であることが求められ、本発明におけるその値は0.001mmol/g以下である。
本発明における無機カチオン濃度は、洗浄剤組成物に含まれる水溶性塩の添加量から算出されたmol濃度であり、1価、2価等の電荷によらない。無機カチオンの水溶性塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水溶性塩であり、前記水溶性塩の例としては、リン酸塩、ケイ酸塩、水酸化合物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。また、分子内にカルボキシル基を有する化合物の塩も含まれ、低分子化合物の例としては、C1〜C22の脂肪酸塩、安息香酸塩、エデト酸塩等、高分子化合物の例としては、カルボキシメチルセルロース塩、アルギン酸塩、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。これらの塩に含まれるアルカリ金属、アルカリ土類金属としては、具体的にはナトリウム、カルシウム、リチウム、カリウム、マグネシウム等が挙げられる。
本発明の効果の1つである、温度変化による外観の変化のなさ、低温安定性は、洗浄剤組成物の白濁化の有無により確認することができる。低温安定性の良好なものは、5℃に設定した恒温槽に長期にわたって保存しても白濁化せず、透明性を維持する。本発明における透明性は、5℃に保存した洗浄剤組成物を、光路長10mmのセルを用いて、分光光度計で波長700nmの光の透過率を測定したときに、透過率が80%以上となるものを指す。なお、分光光度計は、「UV−2500PC UV−VIS REDCORDING SPECTROPHOTOMETER」(SHIMADZU社製)等を用いて測定できる。
また、本発明の洗浄剤組成物は、水を含有する。水は通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば精製水、植物等の水蒸気蒸留水等を1種または2種以上任意に選択し、使用することができる。本発明においては、無機カチオン濃度を低くすることが重要であるため、イオン交換水や蒸留水等の精製水が特に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、前記成分(A)〜(E)の他に、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分を、本技術の効果を損なわない範囲で、適宜含有することができる。
当該成分として、例えば、成分(A)以外のアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、油性成分、水溶性高分子、粉体、パール光沢付与剤、皮膜形成剤、樹脂、塩類、pH調整剤、キレート剤、紫外線吸収剤、清涼剤、抗菌剤、香料、消臭剤、保湿剤、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類等が挙げられる。
成分(A)以外の界面活性剤として、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤が挙げられるが、これらを必要に応じて本発明の洗浄剤組成物に含有させることができる。
両性界面活性剤として、例えば、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型;硫酸エステル型;スルホン酸型;リン酸エステル型のもの等が挙げられる。
両性界面活性剤のより具体的な例示として、例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、リン脂質等を例示することができ、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
ノニオン性界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を例示することができ、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステルや、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、パルミチン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステルが、好ましい。
カチオン性界面活性剤として、例えば、モノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩またはエチレンオキサイド付加型の第4級アンモニウム塩、ジココイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩等を例示することができ、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
なお、「長鎖アルキル」及び「エチレンオキサイド」として、上述したものを挙げることができる。
油性成分としては、炭化水素油類、エステル油類、油脂類、シリコーン類等の油性成分を使用できる。
例えば、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ワセリン等の炭化水素類;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類;パーム油、パーム核油、オリーブ油、サフラワー油,大豆油、綿実油等に代表される植物油脂、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油等の油脂類;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン等のシリコーン類等が挙げられる。これらを必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、前記成分(A)〜(E)及び必要に応じ前記任意成分を加え、これを混合することにより調製することができる。混合には、パドルミキサーやアジディスパー等の混合攪拌機器を用いることで製造できる。
斯くして得られる本発明の洗浄剤組成物は、使用する際に適度な粘度があり、また泡立ち及び泡持ちが良好であり、かつ洗浄後の使用感も良好であるので、皮膚や頭髪の洗浄に好適であり、洗顔料、ボディシャンプー、ハンドソープ、シャンプー等としてボトル容器、ポンプ容器、チューブ容器等の容器に入れて使用することができる
本発明の洗浄剤組成物の形態は、特に限定されないが、本発明の洗浄剤組成物は使用時の温度帯において概ね安定的な粘度の範囲にあることから、穴口ボトル容器、ディスペンサー付きポンプ容器、チューブ容器を用いての使用が特に好ましい。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実施例1−24及び比較例1−12:ボディソープ
表1〜3に示す組成のボディソープを下記の製造方法により調製し、「安定性(30℃)」、「安定性(5℃)」、「粘度」、「泡立ち・泡質」、「洗い上がりの使用感」の項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1及び表2に示した。
なお、表中のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースの分子量はGPC−MALLSにて、10万〜50万の範囲であった。これらの置換度の範囲は、1.0〜2.0であった。
また、アルコールのIOB値(無機性値/有機性値)は、エタノール(2.5)、プロピレングリコール(3.3)、ジプロピレングリコール(1.8)、1,3−ブチレングリコール(2.5)、1,2−ペンタンジオール(2.0)、PEG−8(MW400)(2.3)、グリセリン(5.0)、ジグリセリン(3.5)である(参考文献1参照)。
<GPC−MALLS>
・装置
送液ポンプ:Shodex DS-4 昭和電工(株)
光散乱検出器(MALLS):DAWN DSP Wyatt Technology Corporation
濃度検出器:Shodex RI-71 昭和電工(株)
・測定条件
カラム:Shodex SB-806MHQ 40℃
溶離液:0.1M NaNO3 1.0ml/min
溶媒:0.1M NaNO3(溶離液と同じ)
注入量:200μl
〔製造方法〕
(1) No.1〜3を70℃で加熱溶解後、あらかじめNo.4〜6とNo.22の一部を70℃で加熱溶解したものを添加し、中和する。これにNo.15、16を添加混合する。
(2)70℃にて(1)にNo.7〜10を徐添し、5分攪拌する。
(3)(2)を冷却しながら、40℃まで攪拌する。
(4)(3)にNo.11〜14を添加し、粘性が出るまで攪拌する。その後No.17〜21と22の残部を添加混合する。
(5)(4)を取り出して容器に充填し、ボディソープを得た。
〔評価方法〕:「安定性(30℃)」、「安定性(5℃)」
製造したサンプルを樹脂製透明ボトルに詰めて密閉し、それぞれ30℃、5℃に設定した恒温槽に入れ、一定期間静置した後、外観を目視で確認し以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評 点]:[評価結果]
◎:2週間経過しても、結晶物の析出が見られない
○:2週間後、わずかな結晶物が析出している
△:2週間後、全体に結晶物が析出しているか白濁している
×: 1日後、全体に結晶物が析出しているか白濁している
〔評価方法〕:「粘度」
「粘度」は、30℃に調整した恒温槽に24時間放置したものを単一円筒回転式粘度計(芝浦システム社製)を用いて、ローターやその回転数、及び測定時間を適宜調節しながら適性な粘度域にて測定し、以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評 点]:[測定結果]
◎:6,000mPa・s以上50,000mPa・s未満
○:2,000mPa・s以上6,000mPa・s未満、あるいは50,000mPa・s以上70,000mPa・s未満
△:500mPa・s以上2,000mPa・s未満、70,000mPa・s以上80,000mPa・s未満
×:500mPa・s未満、 あるいは800,000mPa・s以上

〔評価方法〕:「泡立ち・泡質」、「洗い上がりの使用感」
化粧品評価専門パネル20名に、前記発明品及び比較品のボディソープを使用してもらい、「泡立ち・泡質」、「洗い上がりの使用感」(べたつき・ぬるつきのなさ)の項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価しボディソープ毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果]:[評 点]
非常に良好:5点
良好:4点
普通:3点
やや不良:2点
不良:1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 :◎
3.5以上〜4.5未満:○
1.5以上〜3.5未満:△
1.5未満 :×
表1〜3からわかるように、実施例1−24のボディソープは、30℃と5℃の安定性に優れ、ボディソープとして適度な粘度であり、良好な「泡立ち・泡質」、「洗い上がりの使用感」を有するものであった。
これに対し、比較例1に示すように、成分(A)が3質量%未満では、「泡立ち・泡質」が不良となり、比較例2のように成分(A)が25質量%より多くなると、「安定性(5℃)」が劣る。
成分(B)では、比較例3に示すように、1%質量未満では洗浄剤組成物として適度な粘性が得られず、比較例4のように25質量%より多くなると、粘性が高すぎて使用性を損なう。
また、成分(B)の代わりに、ノニオン性セルロース以外の水溶性高分子化合物を用いた場合、比較例5に示すようにカチオン化セルロースでは粘性を付与する効果に乏しく、独特のぬるつきを生じて「洗い上がりの使用感」も好ましくない。比較例6のようにキサンタンガムを使用した場合には粘性を付与することができず、「安定性(5℃)」を確保することもできない。
成分(C)では、比較例7に示すように、3%質量未満では「安定性(5℃)」を維持することが出来ず、さらに洗浄剤組成物として適度な粘性が得られない。比較例8のように25質量%より多くなると、「泡立ち・泡質」の好ましい品質が得られない。さらに、比較例9に示すように、IOB値5.0のグリセリンでは増粘効果が得られず、洗浄剤組成物として適度な粘性とはならない。
また、無機カチオン濃度では、比較例10のように無機性塩基で中和した場合は、「泡立ち・泡質」を始め洗浄剤組成物としての機能は良好だが、「安定性(5℃)」が著しく低下する。同様に、無機カチオン濃度が0.001mmol/gよりも高い比較例11、比較例12は、「安定性(5℃)」に劣るものであった。
実施例25:洗顔料
(成分) (質量%)
1 ラウリン酸 4.5
2 ミリスチン酸 2.5
3 パルミチン酸 1.5
4 ヒドロキシプロピルメチルセルロース (注3) 1.5
5 トリエタノールアミン 6
6 プロピレングリコール 3
7 ポリクオタニウム−7 2
8 エタノール 5
9 香料 0.25
10 精製水 残量
11 ファンゴ(注4) 0.5
*高級脂肪酸の有機塩基性塩として14.5質量%
(注3)メトローズ65SH−15000 信越化学工業社製
(注4)ミロネクトン 大日本化成社製
<製法>
(1)No.1〜3とNo.5、10の一部を70℃で加熱後、No.4を分散し10分間攪拌する。
(2)(1)を冷却しながら攪拌し、40℃まで攪拌する。
(3)No.6、7をNo.10の残部に溶解し、(2)に添加して5分間攪拌する。
(4)(3)にNo.8、9、11を添加し、粘性が出るまで攪拌する。
(5)(4)を取り出して容器に充填し、洗顔料を得た。
<評価>
実施例25の洗顔料は、透明な中にファンゴの粒子が浮遊したような外観を持ち、使用に適した粘性を持ち、安定性に優れたものであった。使用に際しては、泡立ち・泡持ちに優れ、洗浄後の使用感がさっぱりとした洗い上がりであり、全ての項目において優れたジェル状の洗顔料であった。
実施例26 ハンドソープ
(成分) (質量%)
1 ラウリン酸 8
2 ミリスチン酸 2
3 メチルセルロース (注5) 1.5
4 アルギニン 8.5
5 エデト酸−2ナトリウム 0.05
6 ジプロピレングリコール 5
7 ポリクオタニウム−7 2
8 エタノール 5
9 香料 0.8
10 精製水 残量
11 植物粉砕物(注6) 0.3
12 アスタキサンチン (注7) 0.05

*高級脂肪酸の有機性塩基塩として18.5質量%
(注5)メトローズ SM4000 信越化学工業社製
(注6)PSグリッド40−60 一丸ファルコス社製
(注7)アスタキサンチン−5c オリザ油化株式会社製
<製法>
(1)No.1、2を70℃で加熱後に、No.4をNo.10の一部で溶解し、70℃で加熱溶解したものを添加し、中和する。10分間攪拌し混合した後、No.3を分散する。
(2)(1)を冷却しながら攪拌し、40℃まで攪拌する。
(3)No.5〜7、No.8,9,11,12をNo.10の残部に溶解し、(2)に添加して、粘性が出るまで攪拌する。
(4)(3)を取り出して容器に充填し、ハンドソープを得た。
<評価>
実施例26のハンドソープは、アスタキサンチンによる橙色で透明な組成物中に、植物粉砕物が均一に分散された外観を有したもので、使用に適した粘性を持ち、安定性に優れたものであった。使用に際しては、泡立ち・泡持ちに優れ、洗浄後の使用感がぬるつきのないしっとりとした洗い上がりであり、全ての項目において優れたジェル状のハンドソープであった。

Claims (10)

  1. 成分(A)〜(C):
    (A)高級脂肪酸の有機塩基性塩 3〜25質量%
    (B)ノニオン性セルロース誘導体 1〜2.5質量%
    (C)IOB値(無機性値/有機性値)が3.4以下のエタノール及び/又は多価アルコール 3〜20質量%
    を含有し、成分(A)の高級脂肪酸におけるラウリン酸の比率が50〜95質量%であり、無機カチオン濃度が0.001mmol/g以下である洗浄剤組成物。
  2. 成分(A)〜(C):
    (A)高級脂肪酸の有機塩基性塩 3〜25質量%
    (B)ノニオン性セルロース誘導体 1〜2.5質量%
    (C)エタノール 3〜20質量%
    を含有し、無機カチオン濃度が0.001mmol/g以下である洗浄剤組成物。
  3. 成分(C)がエタノールである請求項1記載の洗浄剤組成物。
  4. 成分(A)の炭素数が8〜16である請求項1〜3の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  5. 成分(A)高級脂肪酸有機塩基性塩における高級脂肪酸と有機性塩基のモル比が、1:1〜1:1.2である請求項1〜4の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  6. さらに成分(D)として脂肪酸アルカノールアミドを含有する請求項1〜5の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  7. 成分(D)脂肪酸アルカノールアミドの、成分(A)高級脂肪酸有機塩基性塩に対する質量比(A):(D)が、1:0.05〜0.3である請求項6記載の洗浄剤組成物。
  8. さらに成分(E)として炭、ファンゴ、植物粉砕物から選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1〜7の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  9. 5℃における波長700nmの光の透過率が80%以上である、請求項1〜8の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  10. 30℃における粘度が6,000mPa・s以上50,000mPa・s未満である、請求項1〜9の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
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