JP6087066B2 - 流体動圧軸受装置、及び、流体動圧軸受装置の製造方法 - Google Patents

流体動圧軸受装置、及び、流体動圧軸受装置の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、内方部材と外方部材との間の軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で、内方部材を回転自在に支持する流体動圧軸受装置に関する。
換気扇等の電気機器に搭載されるモータには軸受が組み込まれており、この軸受によって、回転軸が回転自在に支持されている。この種の用途には、外輪と内輪との間に複数の転動体が介在され、この転動体を保持する保持器とからなる、いわゆる転がり軸受が一般的に使用されている(例えば、特許文献1)。
近年、住宅の高気密化が進展している。その一方で、化学物質を発散する建材の使用やエアコンの普及による換気不足などに伴い、いわゆるシックハウス症候群の発症人口の増加が問題視されている。そのため、現在の建築基準法において、住宅には、積極的・強制的に給排気を行うための、いわゆる24時間換気システムの設置が義務付けられている。このシステムは各居室に設置した小型の換気扇を主要部として構築されるため、システムの構築費用を低廉化するには換気扇の低コスト化が有効な対策となる。しかしながら、換気扇用のモータに組み込まれる転がり軸受は、上述のとおり数多くの部品で構成されていることから低コスト化には限度があり、モータ、ひいては換気扇の更なる低価格化を図る上で障害となっている。
また、上記システムの換気扇は基本的に連続運転されることから、特に低騒音であることが求められる。しかしながら、転がり軸受では、運転時に保持器のポケットと転動体とが衝突することによって生じるいわゆる保持器音や、内外輪の軌道面上を転動体が転動することによって生じる摩擦音等の発生が避けられないことから、更なる静粛性向上の要請に対応するのが困難である。
このような状況に対応するため、静粛性に優れ、高精度で、かつ低コストに製造可能であり、特に住宅用の小型換気扇のモータに好適に組み込むことができる流体動圧軸受装置が提案されている(特許文献2)。
特開2000−249142号公報 特開2011−231874号公報
特許文献2に記載の流体動圧軸受装置を図8に示す。流体動圧軸受装置104は、外方部材120の内側に配置された焼結金属製の内方部材110を備えている。内方部材110は、突出部110aとスリーブ部110bとからなり、突出部110aは、外周面111と両側面112、113を有し、外周面111がラジアル軸受面111Rを形成し、両側面112、113がスラスト軸受面112T、113Tを形成している。外方部材120は、第1外方部材120aと第2外方部材120bの2つの部材から形成され、これら2つの部材の縦断面形状がいずれも略L字形状である。第1外方部材120aの半径方向部120a2の内側面122がスラスト軸受面122Tを形成すると共に、第2外方部材120bの円筒部120b1の内周面129がラジアル軸受面129Rを形成し、半径方向部129b2の内側面123がスラスト軸受面123Tを形成している。このような構成において、第1外方部材120aの円筒部120a1の内周面121に第2外方部材120bの円筒部120b1の外周面127が嵌合されたものが例示されている。この流体動圧軸受装置104では、図8に示すように、両側分のスラスト軸受隙間Δの設定が終わった後、ノズル140により接着剤145を第1外方部材120aと第2外方部材120bの嵌合部に注入し、硬化させて組立てられる。
上記の接着の際、強度の保持や軸受内部からの潤滑剤の漏れを防止するためには、接着剤は、嵌合隙間全体に行きわたることが望ましい。そのためには、ある程度の隙間量の接着隙間を設けて、十分な量の接着剤を塗布する必要がある。ところが、図8のD部に示すように接着剤45が軸受装置の内部に侵入してしまうと、外方部材120と回転体である内方部材110が接着されてしまう等によって不良になってしまう。そのために接着隙間の容積と塗布すべき接着剤の量、接着剤の粘度等の物性を厳密に管理する必要があると共に不良率の増大を招いてしまうということが判明した。
上記のような問題に鑑み、本発明は、静粛性に優れ、高精度で、かつ低コストに製造可能であると共に、安定した品質の組立を可能にする流体動圧軸受装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を種々検討した結果、外方部材の精度を悪化させないという前提条件に着目し、外側の外方部材の円筒部の内周面と内側の外方部材の円筒部の外周面との間に非接触の接着剤止め部を設けることを着想し、本発明に至った。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、ラジアル軸受面とその両端に形成したスラスト軸受面を備えた外方部材と、この外方部材の内側に配置され、前記ラジアル軸受面とスラスト軸受面のそれぞれに対向するラジアル軸受面とスラスト軸受面を備えた焼結金属製の内方部材とからなり、前記外方部材と内方部材のラジアル軸受面間にラジアル軸受隙間を形成し、かつスラスト軸受面間にスラスト軸受隙間を形成し、これらの軸受隙間に潤滑油を介在させた流体動圧軸受装置において、前記内方部材のラジアル軸受面とスラスト軸受面の両方に動圧溝が形成され、前記外方部材が外側の外方部材と内側の外方部材とからなり、これら両外方部材の縦断面形状がいずれも略L字形状に形成されており、前記内側の外方部材には前記ラジアル軸受面と片側のスラスト軸受面が形成され、前記外側の外方部材には残りの片側のスラスト軸受面が形成されたものであって、互いに嵌合する前記外側の外方部材の円筒部の内周面と前記内側の外方部材の円筒部の外周面との間に接着隙間を形成すると共に、前記内周面と外周面のいずれか一方に前記接着隙間よりも狭い隙間を形成する環状の接着剤止め部を設けることにより、前記外方部材の寸法精度を損なうことなく、かつ接着剤が軸受内部へ侵入することなく、前記両外方部材が接着固定されていることを特徴とする。また、ラジアル軸受面とその両端に形成したスラスト軸受面を備えた外方部材と、この外方部材の内側に配置され、前記ラジアル軸受面とスラスト軸受面のそれぞれに対向するラジアル軸受面とスラスト軸受面を備えた焼結金属製の内方部材とからなり、前記外方部材と内方部材のラジアル軸受面間にラジアル軸受隙間を形成し、かつスラスト軸受面間にスラスト軸受隙間を形成し、これらの軸受隙間に潤滑油を介在させた流体動圧軸受装置の製造方法において、前記外方部材を外側の外方部材と内側の外方部材とで構成し、これら両外方部材を金属板製とし、その縦断面形状をいずれも略L字形状に形成し、前記内側の外方部材には前記ラジアル軸受面と片側のスラスト軸受面を形成し、前記外側の外方部材には残りの片側のスラスト軸受面を形成し、互いに嵌合する前記外側の外方部材の円筒部の内周面と前記内側の外方部材の円筒部の外周面との間に接着隙間を形成すると共に、前記内周面と外周面のいずれか一方に前記接着隙間よりも狭い隙間を形成する環状の接着剤止め部を金属板製外方部材のプレス加工により成形し、前記外方部材の寸法精度を損なうことなく、かつ接着剤が軸受内部へ侵入することなく、前記両外方部材を接着固定したことを特徴とする。
上記の構成により、部品点数が少なく、高精度で、かつ低コストに製造可能であると共に静粛性に優れる。また、互いに嵌合する外側の外方部材の円筒部の内周面と内側の外方部材の円筒部の外周面との間に接着隙間を形成すると共に、内周面と外周面のいずれか一方に接着隙間よりも狭い隙間を形成する環状の接着剤止め部を設けて接着固定したことにより、外方部材の寸法精度が損なわれることなく、接着作業が容易で、接着剤が軸受内部に進入する等の不具合がなく、安定した品質の組立を可能にする。また、製造方法として、接着剤止め部を金属板製外方部材のプレス加工により成形したことにより、追加加工が不要で、生産性がよく低コスト化を図ることができる。
上記の接着剤止め部の隙間を30μm以下とすることが望ましい。この場合、潤滑剤は表面張力により接着剤止め部より内部へ侵入することはない。したがって、接着作業が容易で、接着剤が軸受内部に進入する等の不具合がなく、安定した品質の組立を可能にすることができる。
具体的には、上記の接着剤止め部は、内側の外方部材の開口側の円筒部の外周面や外側の外方部材の底部側の円筒部の内周面に設けることができる。この場合には、接着隙間の軸方向寸法を長く確保でき、接着剤を十分に充填することができる。これにより、十分な接着強度とシール性を得ることができる。
あるいは、上記の接着剤止め部は、外側の外方部材の円筒部の内周面や内側の外方部材の円筒部の外周面の嵌合部の途中位置に設けることができる。これにより、接着強度とシール性が確保できる場合には、接着剤の量を削減することができる。
同様に、上記の接着剤止め部を樹脂製外方部材の成形時に形成したことにより、追加加工が不要で、生産性がよく低コスト化を図ることができる。
上記の接着剤止め部の外周面を外側の外方部材の底部側に向けて隙間が拡大するテーパ形状とすることができる。この場合、テーパ形状の表面張力作用により接着剤の軸受内部への侵入をより効果的に防止することができる。
上記の接着剤をエポキシ系接着剤とすることにより、大きな接着隙間でも高い封止性や接着強度を得ることができる。
上記の内方部材のラジアル軸受面およびスラスト軸受面の両方に動圧溝が形成され、外方部材の両軸受面は平滑な面に構成にすることができる。この場合には、動圧溝が転造加工やプレス加工により精度よく形成されるので、潤滑油の動圧作用により回転軸を非接触に支持でき、静粛性に優れる。
上記の内方部材の少なくとも端部には、潤滑油の滲み出しを防止するために、封孔処理を施すことや撥油剤を塗布することが望ましい。
本発明による流体動圧軸受装置は、部品点数が少なく、高精度で、かつ低コストに製造可能であると共に静粛性に優れる。また、互いに嵌合する外側の外方部材の円筒部の内周面と内側の外方部材の円筒部の外周面との間に接着隙間を形成すると共に、内周面と外周面のいずれか一方に接着隙間よりも狭い隙間を形成する環状の接着剤止め部を設けて接着固定したことにより、外方部材の寸法精度が損なわれることなく、接着作業が容易で、接着剤が軸受内部に進入する等の不具合がなく、安定した品質の組立を可能にする。
さらに、多めの接着剤を塗布しても接着剤が軸受内部に侵入することがなく、接着剤の量の管理が容易になる。従来、軸受内部への接着剤の侵入を警戒して、接着剤が少なくなり、接着強度が不足したり、接着剤が接着隙間全体に回らずシール性が不足するという問題も解消される。加えて、接着隙間の管理も厳密に行う必要がなくなり、不良率の削減と共に製造コストを削減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す縦断面図である。 上記の流体軸受装置の内方部材に形成された動圧溝を示す正面図および側面図である。 上記の流体軸受装置の接着工程を示す縦断面図である。 上記の流体軸受装置を組み込んだ換気扇モータを示す縦断面図である。 第1の実施形態の変形例を示す縦断面図である。 第1の実施形態の変形例を示す縦断面図である。 参考例の流体動圧軸受装置を示す縦断面図である。 従来の流体動圧軸受装置を示す縦断面図である
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態に係る流体動圧軸受装置を図1〜3に基づいて説明する。図1に示すように、流体動圧軸受装置4は、内方部材10と、この内方部材10を回転自在に支持する外方部材20とを備える。図1では、流体動圧軸受装置4は、軸線Hより上側半分が示されている。この流体動圧軸受装置4は、後述する小型換気扇モータに使用される場合は、図4に示すように、内方部材10は回転軸2に固定され、外方部材20は、ハウジング5の内周面に嵌合し、軸方向に摺動可能な状態で取り付けられる。図1に示すように、軸方向および半径方向で互いに対向する内方部材10と外方部材20の各面間(ラジアル軸受隙間Rおよびスラスト軸受隙間T)には潤滑油が介在している。
図1に示すように、内方部材10は、突出部10aとスリーブ部10bとからなり、焼結金属で形成される。突出部10aは、外周面11と両側面12、13を有し、外周面11がラジアル軸受面11Rを形成し、両側面12、13がスラスト軸受面12T、13Tを形成する。外周面11は円筒面状をなし、ラジアル軸受隙間Rに満たされた潤滑油に接触している。突出部10aの外周面11には動圧溝11aが形成されている。詳細には、図2(b)に示すように、外周面11の全面に形成され、V字状に屈曲した動圧溝11aと、これを区画する丘部11b(図中クロスハッチングで示す)とを、円周方向に交互に配置したヘリングボーン形状を呈する。動圧溝11aは、例えば転造加工により形成される。本実施形態では、内方部材10の突出部10aが焼結金属で形成されるため、転造加工の圧迫による突出部10aの外周面11の塑性流動を焼結金属の内部気孔で可及的に吸収できる。このため、塑性流動による突出部10aの表面の盛り上がりが可及的に抑えられ、動圧溝11aと丘部11bを精度良く形成することができる。
図1に示すように、内方部材10の突出部10aの両側面12、13は、軸線Hに直角な半径方向の平面をなし、スラスト軸受隙間Tに満たされた潤滑油に接触している。突出部10aの両側面12、13には動圧溝12a、13aが形成されている。詳細は、図2(a)、(c)に示す。図2(a)は突出部10aの左側の側面12を示し、図2(c)は突出部10aの右側の側面13を示す。図示のように、両側面12、13の全面に形成され、V字状に屈曲した動圧溝12a、13aと、これを区画する丘部12b、13b(図中クロスハッチングで示す)とを、円周方向に交互に配置したヘリングボーン形状を呈する。内方部材10の突出部10aが焼結金属で形成されるため、両側面12、13の動圧溝12a、13aは、プレス加工により精度良く形成することができる。また、突出部10aのサイジングと同時に動圧溝12a、13aを型成形することができる。
図1に示すように、スリーブ部10bは、突出部10aの両側面12、13間の幅よりも長く形成され、両側面12、13より軸方向に突出している。スリーブ部10bの円筒面状の内周面10cの軸方向両端部に面取り部10dが設けられている。内方部材10は、例えば内周面10cを回転軸2の外周面に圧入(軽圧入)することにより、あるいは、内周面10cと回転軸2の外周面との間に接着剤を介在させることにより、回転軸2に固定される。
この実施形態では、動圧溝11a、12a、13aはヘリングボーン形状で一方向回転用である。回転方向を識別するために、次の表示を設けている。スリーブ部10bの右側端面43には識別溝44が形成されている。この識別溝44のあるスリーブ部10bの端部を、図のように右側に配置した場合、内方部材10の回転方向が右方向(時計方向)であることが分かる。上記では識別表示を右側に配置した場合に、回転方向を右方向に設定したが、これとは反対に回転方向を左方向(反時計方向)に設定してもよい。また、図示は省略するが、スリーブ部10bの突出した左側端部外周面41の外径寸法に対して、右側端部外周面42の外径寸法を大きくし、この外径寸法の大小関係により、回転方向を識別することもできる。
詳細には、識別溝44は、スリーブ部10bの右側端面43の直径上の2箇所に形成され、この識別溝44は、焼結金属からなる内方部材10の粉末成形工程あるいはサイジング工程で形成される。したがって、内方部材10の製造工程内で識別溝を形成するため、コスト増にならない。識別溝44は上記のような形状の溝に限られず、例えば、直接回転方向を示す矢印形状の識別溝としてもよい。回転方向を識別する表示は、上記の他に、例えば、外方部材20の外表面に回転方向を示す表示を設けることや、外側の外方部材20aと内側の外方部材20bとが異なる色相の表面に形成してもよい。このためには、異なる色相の材質を用いたり、表面処理を施す。
内方部材10の軸受面を形成する部分である突起部10aの焼結金属の材質は、銅鉄系とし、銅の配合比率を20〜80%としている。銅の配合比率が20%未満となると動圧溝の成形性や潤滑性で問題となり、一方、銅の配合比率が80%を超えると耐摩耗性を確保することが難しい。潤滑性を考慮すると銅鉄系が望ましいが、鉄系も使用可能である。ただし、銅鉄系、鉄系いずれの場合にも、表面開孔率は2〜20%にする必要がある。表面開孔率が2%未満では潤滑油の循環が十分でなく、表面開孔率が20%を超えると潤滑油の圧力が低下する。さらに、銅鉄系焼結部材の密度は、潤滑油の連通性や塑性加工性を維持するために、6〜8g/cmとする。
次に、本実施形態の特徴である接着剤止め部の構成を説明する。図1に示すように、外方部材20の外側の外方部材20aと内側の外方部材20bが共に、縦断面が略L字形状に形成されている。具体的には、外側の外方部材20aは、円筒部20a1と、この円筒部20a1の一端に形成された半径方向部20a2を有する。また、内側の外方部材20bは、円筒部20b1と、この円筒部20b1の一端に形成された半径方向部20b2を有する。外側の外方部材20aの円筒部20a1の内周面21と内側の外方部材20bの円筒部20b1の外周面27との間に接着剤を充填するための接着隙間Aが形成されている。また、内側の外方部材20bの円筒部20b1の外周面27の開口端部(図1の左側端部)に環状の接着剤止め部30が設けられている。この接着剤止め部30は、円周方向に環状に突出しており、この外周面30aと外側の外方部材20aの円筒部20a1の内周面21との間に接着隙間Aよりも狭い隙間Bが形成される。そして、スラスト軸受隙間を設定した状態で接着剤45が接着隙間Aに充填されて外側の外方部材20aと内側の外方部材20bとが接着固定されている。接着剤45として、例えば、エポキシ系接着剤を用いることが望ましい。エポキシ系接着剤は、大きな接着隙間でも高い封止性や接着強度を得ることができる。しかし、これに限られず、紫外線硬化型接着剤、その他の接着剤を使用することもできる。
さらに、外方部材の接着工程ついて図3に基づいて説明する。図3に示すように、両側分のスラスト軸受隙間Δを設定した状態でノズル40から接着剤45を接着隙間Aに充填する。接着隙間Aが設けてあるので、十分な量の接着剤が充填でき、接着隙間A全体に行きわたる。しかし、内側の外方部材20bの円筒部20b1の外周面27の開口端部に接着剤止め部30が円周方向に環状に突出して設けられており、接着剤止め部30の外周面30aと外側の外方部材20aの円筒部20a1の内周面21との間に接着隙間Aよりも狭い隙間Bが形成される。このため、接着剤45は、接着剤止め部30のところに留まり、軸受内部への侵入が防止される。これにより、安定した品質の組立を可能とすると共に接着強度を確保し軸受内部からの潤滑剤の漏れを防止することができる。さらに、多めの接着剤を塗布しても接着剤が軸受内部に侵入することがなく、接着剤の量の管理が容易になる。従来、軸受内部への接着剤の侵入を警戒して、接着剤が少なくなり、接着強度が不足したり、接着剤が接着隙間全体に回らずシール性が不足するという問題も解消される。加えて、接着隙間の管理も厳密に行う必要がなくなり、不良率の削減と共に製造コストを削減することができる。
上記の構造では、円筒部20a1の内周面21と円筒部20b1の外周面27との間の嵌合長さが大きいので、安定した組み立てと接着固定を実現することができる。接着隙間Aとしては30〜100μm程度が望ましい。また、接着止め部30における隙間Bは30μm以下が望ましい。接着止め部30におけるこの程度の隙間Bであれば、接着剤45は表面張力により接着剤止め部30より軸受内部へ侵入することはない。したがって、接着作業が容易で、接着剤が軸受内部に進入する等の不具合がなく、安定した品質の組立を可能にすることができる。
また、内側の外方部材20bの接着止め部30と外側の外方部材20aの内周面21を嵌合したとき、隙間Bにより非接触となっているので、両外方部材20a、20bの寸法精度は損なわれない。また、接着剤止め部30の長さは短いので寸法管理も容易である。
図1に示すように、外側の外方部材20aの円筒部20a1の端面が内側の外方部材20bの半径方向部20b2の外側面より下がった位置にあり、かつ面取り部28を設けているので、接着剤45の注入がしやすい。外側の外方部材20aと内側の外方部材20bは、共に板材をプレス加工して略L字形状に形成されている。具体的には、板材は、ステンレス鋼板や冷間圧延鋼板等を用い、その板厚は、0.1〜1mm程度である。この実施形態では、内側の外方部材20bの円筒部20b1の内周面29がラジアル軸受面29Rを形成する。外側の外方部材20aの半径方向部20a2の内側面22および内側の外方部材20bの半径方向部20b2の内側面23がスラスト軸受面22T、23Tを形成する。内周面29および内側面22、23はいずれも凹凸のない滑らかな面で形成され、動圧溝11a、12a、13aは、内方部材10の突出部10aの外周面11および両側面12、13に形成されている。外側の外方部材20aの半径方向部20a2の内径側端部にある小径内周面24および内側の外方部材20bの内径側端部にある小径内周面25は、外側に向かって拡径するテーパ面状に形成されている。この小径内周面24、25と、内方部材10のスリーブ部10bの端部外周面41、42との間でシール空間S1、S2を形成し、潤滑油の漏れ出しをより一層防止することができる。
内方部材10のスリーブ部10bに、潤滑油の滲み出しを防止するために封孔処理や撥油財を塗布することが望ましい。その範囲は、図3に破線部Cで示すように、外方部材20から露出した内方部材10のスリーブ部10bの端部外周面41、42、端面43、43、識別溝44、面取り部10d、10dおよび内周面10cである。ただし、内周面10cには軸が嵌合(軽圧入や接着固定)されるので、圧入代や接着剤によるシール性によっては、内部からの潤滑油の漏洩を防止することもできる。この場合は、封孔処理や撥油剤の塗布は省略してもよい。ここで、内方部材10の端部とは、スリーブ部10bの端部外周面41、42、端面43、43、識別溝44、面取り部10d、10dを指す。
接着剤が硬化した後、流体動圧軸受装置4の内部空間には焼結金属製の内方部材10の内部気孔を含めて、潤滑油が充填される。潤滑油は、図1に示すように、ラジアル軸受隙間R、スラスト軸受隙間Tおよびシール空間S1、S2まで満たされる。潤滑油は、スラスト軸受隙間Tの毛細管力により外径側(ラジアル軸受隙間R側)に引き込まれる。潤滑油の油面は、シール空間S1、S2に保持される。なお。スラスト軸受隙間Tの毛細管力により外径側(ラジアル軸受隙間R側)に引き込まれるので、シール空間S1、S2を設けない設計も可能である。
潤滑油を充填した後、流体動圧軸受装置4の使用環境で想定される最高温度(上限)を超える設定温度まで加熱し、このときの熱膨張によりスラスト軸受隙間Tの内径側端部から溢れ出した潤滑油を拭き取る。その後、常温まで冷却することにより潤滑油が収縮し、油面が軸受内部側(外径側)に後退して、シール空間S1、S2に保持される。これにより、想定される温度範囲内であれば、熱膨張により潤滑油が漏れ出すことはない。以上により、流体動圧軸受装置4が完成する。
図4に、第1の実施形態の流体動圧軸受装置4を小型換気扇モータに組み込んだ状態を示す。この小型換気扇モータ(より厳密に言えば、換気扇用インナーロータ型モータ)は、住宅の居室に設置される24時間換気システム用のものである。このモータ1は、回転軸2と、回転軸2の外周面に固定されたモータロータ3、回転軸2の端部に設けられたファン6とからなる回転体を回転自在に支持するために、モータロータ3の軸方向両端位置において回転軸2とハウジング5との間に配置された一対の流体動圧軸受装置4、4から構成される。一方の流体動圧軸受装置4(図中左側)は、ハウジング5に軸方向に摺動自在に組み込まれ、ハウジング5との間には、スプリング7が圧縮状態で配置されている。尚、ステータは図示を省略した。
スプリング7により図中左側の流体動圧軸受装置4の外方部材20が図中右向きに付勢されている。このため、図示は省略するが、回転軸2が静止した状態では、スプリング7により付勢された外方部材20が内方部材10に当接し、内方部材10および回転軸2が図中右向きに付勢されている。これにより、図中右側の流体動圧軸受装置4の内方部材10が図中右向きに付勢され、外方部材と当接して係止される。すなわち、ハウジング5およびスプリング7により、一対の流体動圧軸受装置4、4に互いに接近する方向の予圧が付される。
図4に示すように、回転軸2が回転すると、各流体動圧軸受装置4の内方部材10の外周面11と外方部材20の内周面29との間のラジアル軸受隙間Rに油膜が形成される。そして、回転軸2の回転に伴い、ラジアル軸受隙間Rの油膜の圧力が動圧溝11aにより高められ、この油膜の動圧作用により回転軸2および内方部材10が静止側のハウジング5に取り付けられた外方部材20に対してラジアル方向に非接触支持される。
これと同時に、各流体動圧軸受装置4の内方部材10の両側面12、13と、これらに対向する外方部材20の内側面22、23との間のスラスト軸受隙間Tに油膜が形成される。回転軸2の回転に伴い、スラスト軸受隙間Tの油膜の圧力が動圧溝12a、13aにより高められ、回転軸2および内方部材10がハウジング5に取り付けられた外方部材20に対して、両スラスト方向に非接触支持される。尚、ラジアル軸受隙間Rおよびスラスト軸受隙間Tの大きさを誇張して示している。
回転軸2の回転により、スラスト軸受隙間Tの潤滑油に動圧作用が生じると、回転軸2が図中左側に負荷を受ける(図4の白抜き矢印参照)。このとき、図中左側の流体動圧軸受装置4の外方部材20が図中左側にスライドしてスプリング7を圧縮することにより、両流体動圧軸受装置4、4のスラスト軸受隙間Tが確保される。このように、外方部材20をハウジング5に対して軸方向移動可能な状態で嵌合することで、スラスト軸受隙間Tを高精度に設定することができる。これにより、外方部材20に対して内方部材10が確実に非接触支持され、接触摺動による騒音の発生をより確実に防止できる。
また、このモータ1では、スプリング7により流体動圧軸受装置4、4に軸方向の予圧を付与しているため、外方部材20がハウジング5に隙間を介して嵌合した状態であっても、回転軸2の回転に伴って外方部材20が回転する事態を防止できる。一方、スプリング7の弾性力が大きすぎると、内方部材10と外方部材20とが接触摺動する恐れがある。したがって、スプリング7の弾性力は、外方部材20の回転を防ぎ、かつ、外方部材20と内方部材10との接触摺動を防ぐことができるような範囲に設定され、例えば、スラスト軸受隙間Tに発生する動圧作用の負荷容量の20〜80%程度とすることが望ましい。
以上の構成からなる流体動圧軸受装置4は、外方部材20の両内側面22、23の軸方向間に内方部材10が設けられるため、外方部材20の両内側面22、23と内方部材10の両側面12、13とが軸方向に係合することにより、外方部材20の内周から内方部材10の抜けが規制される。これにより、内方部材10および外方部材20の分離を防止して流体動圧軸受装置4を一体的に扱うことができるため、回転軸2やハウジング5への取り付けがしやすくなる。
また、回転軸2の回転に伴ってスラスト軸受隙間T内の潤滑油に遠心力が作用することにより、潤滑油が外径側(ラジアル軸受隙間R側)に押し込まれる。この遠心力と、スラスト軸受隙間Tによる毛細管力とにより、潤滑油の漏れ出しを防止できるため、流体動圧軸受装置4に特別なシール機構を設ける必要がない。
図5および図6に、本実施形態の変形例を示す。図5および図6は、いずれも図3の接着工程に相当する変形例の部分縦断面図である。図5(a)は、第1の変形例であり、第1の実施形態と比べて、接着剤止め部30を内側の外方部材20bの円筒部20b1の軸方向途中位置に設けたことが異なる。この場合には、接着隙間Aの容積は少なくなるが、接着強度とシール性が確保できる場合には、接着剤の使用量を削減することができる。
図5(b)は、第2の変形例であり、第1の実施形態と比べて、接着剤止め部30を外側の外方部材20aの円筒部20a1の底部側に設けたことが異なる。この場合には、第1の実施形態と同様、接着隙間Aの軸方向寸法を長く確保でき、接着剤を十分に充填することができる。これにより、十分な接着強度とシール性を確保することができる。図5(c)は、第3の変形例であり、第1の実施形態と比べて、接着剤止め部30を外側の外方部材20aの円筒部20a1の軸方向途中位置に設けたことが異なる。この場合には、第1の変形例と同様、接着隙間Aの容積は少なくなるが、接着強度とシール性が確保できる場合には、接着剤の使用量を削減することができる。上記の変形例および後述する変形例において、第1の実施形態と同様の機能を有する部位には同一の符号を付して、重複説明を省略する。また、第1の実施形態で前述した接着隙間Aおよび接着剤止め部30の隙間Bの寸法や作用、内方部材10の動圧溝の形態、封孔処理や撥油剤の塗布等についても同様であるので重複説明を省略する。
図6に第4の変形例を示す。本変形例は、第1の実施形態と比べて、接着剤止め部30の外周面30aの形状が異なる。外周面30aは、内側の外方部材20bの円筒部20b1の開口側に向けて縮径するテーパ形状、換言すれば、外側の外方部材20aの底部側に向けて隙間が拡大するテーパ形状に形成されている。外周面30aと外側の外方部材20aの円筒部20a1の内周面21との間に楔形空間が形成されるので、接着剤45が表面張力により接着剤止め部30で確実に保持され、軸受内部への接着剤45の侵入を防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図7に基づいて説明する。前述した第1の実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付して重複説明は省略する。この実施形態は、第1の実施形態と次の構成が異なる。すなわち、第2の実施形態では、スラスト方向の動圧溝22a、23aが、外側の外方部材20aの半径方向部20a2の内側面22と内側の外方部材20bの半径方向部20b2の内側面23に、それぞれ形成されている。そして、内方部材10の突出部10aの両側面12、13は、凹凸のない平滑な面で形成されている。
スラスト方向の動圧溝22a、23aは、例えば、外側の外方部材20aと内側の外方部材20bを板材からプレス加工により成形する際に、プレス加工により形成される。したがって、この動圧溝22a、23aにおいても、高精度に形成できる。動圧溝22a、23aの形状は、図2の(a)および(c)に示すものと同様である。内方部材10は焼結金属製である。第1の実施形態で前述した接着隙間Aおよび接着剤止め部30の隙間Bの寸法や作用、内方部材10の動圧溝の形態、封孔処理や撥油剤の塗布等についても同様であるので重複説明を省略する。
次に、参考例の実施形態を図7に基づいて説明する。前述した第1の実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付して重複説明は省略する。この実施形態は、第1の実施形態と次の構成が異なる。すなわち、参考例の実施形態では、スラスト方向の動圧溝22a、23aが、外側の外方部材20aの半径方向部20a2の内側面22と内側の外方部材20bの半径方向部20b2の内側面23に、それぞれ形成されている。そして、内方部材10の突出部10aの両側面12、13は、凹凸のない平滑な面で形成されている。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 小型換気扇モータ
2 回転軸
3 モータロータ
4 流体動圧軸受装置
10 内方部材
10a 突出部
10b スリーブ部
11a 動圧溝
11R ラジアル軸受面
12a 動圧溝
12T スラスト軸受面
13a 動圧溝
13T スラスト軸受面
20 外方部材
20a 外側の外方部材
20a1 円筒部
20a2 半径方向部
20b 内側の外方部材
20b1 円筒部
20b2 半径方向部
22a 動圧溝
22T スラスト軸受面
23a 動圧溝
23T スラスト軸受面
29R ラジアル軸受面
30 接着剤止め部
40 ノズル
44 識別溝
A 接着隙間
B 隙間
C 破線部
H 軸線
R ラジアル軸受隙間
T スラスト軸受隙間
Δ 両側分のスラスト軸受隙間

Claims (11)

  1. ラジアル軸受面とその両端に形成したスラスト軸受面を備えた外方部材と、この外方部材の内側に配置され、前記ラジアル軸受面とスラスト軸受面のそれぞれに対向するラジアル軸受面とスラスト軸受面を備えた焼結金属製の内方部材とからなり、前記外方部材と内方部材のラジアル軸受面間にラジアル軸受隙間を形成し、かつスラスト軸受面間にスラスト軸受隙間を形成し、これらの軸受隙間に潤滑油を介在させた流体動圧軸受装置において、前記内方部材のラジアル軸受面とスラスト軸受面の両方に動圧溝が形成され、前記外方部材が外側の外方部材と内側の外方部材とからなり、これら両外方部材の縦断面形状がいずれも略L字形状に形成されており、前記内側の外方部材には前記ラジアル軸受面と片側のスラスト軸受面が形成され、前記外側の外方部材には残りの片側のスラスト軸受面が形成されたものであって、互いに嵌合する前記外側の外方部材の円筒部の内周面と前記内側の外方部材の円筒部の外周面との間に接着隙間を形成すると共に、前記内周面と外周面のいずれか一方に前記接着隙間よりも狭い隙間を形成する環状の接着剤止め部を設けることにより、前記外方部材の寸法精度を損なうことなく、かつ接着剤が軸受内部へ侵入することなく、前記両外方部材が接着固定されていることを特徴とする流体動圧軸受装置。
  2. 前記接着剤止め部の隙間を30μm以下としたことを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
  3. 前記接着剤止め部を前記内側の外方部材の開口側の円筒部の外周面に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体動圧軸受装置。
  4. 前記接着剤止め部を前記外側の外方部材の底部側の円筒部の内周面に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体動圧軸受装置。
  5. 前記接着剤止め部を前記外側の外方部材の円筒部の内周面又は前記内側の外方部材の円筒部の外周面の嵌合部の途中位置に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体動圧軸受装置。
  6. 前記接着剤止め部が樹脂製外方部材に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の流体動圧軸受装置。
  7. 前記接着剤がエポキシ系接着剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体動圧軸受装置。
  8. ラジアル軸受面とその両端に形成したスラスト軸受面を備えた外方部材と、この外方部材の内側に配置され、前記ラジアル軸受面とスラスト軸受面のそれぞれに対向するラジアル軸受面とスラスト軸受面を備えた焼結金属製の内方部材とからなり、前記外方部材と内方部材のラジアル軸受面間にラジアル軸受隙間を形成し、かつスラスト軸受面間にスラスト軸受隙間を形成し、これらの軸受隙間に潤滑油を介在させた流体動圧軸受装置の製造方法において、前記外方部材を外側の外方部材と内側の外方部材とで構成し、これら両外方部材を金属板製とし、その縦断面形状をいずれも略L字形状に形成し、前記内側の外方部材には前記ラジアル軸受面と片側のスラスト軸受面を形成し、前記外側の外方部材には残りの片側のスラスト軸受面を形成し、互いに嵌合する前記外側の外方部材の円筒部の内周面と前記内側の外方部材の円筒部の外周面との間に接着隙間を形成すると共に、前記内周面と外周面のいずれか一方に前記接着隙間よりも狭い隙間を形成する環状の接着剤止め部を金属板製外方部材のプレス加工により成形し、前記外方部材の寸法精度を損なうことなく、かつ接着剤が軸受内部へ侵入することなく、前記両外方部材を接着固定したことを特徴とする流体動圧軸受装置の製造方法。
  9. 前記接着剤止め部の外周面を前記外側の外方部材の底部側に向けて隙間が拡大するテーパ形状としたことを特徴とする請求項8に記載の流体動圧軸受装置の製造方法。
  10. 前記内方部材の少なくとも端部に封孔処理を施したことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の流体動圧軸受装置の製造方法。
  11. 前記内方部材の少なくとも端部に撥油剤を塗布したことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の流体動圧軸受装置の製造方法。
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