JP4435614B2 - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4435614B2
JP4435614B2 JP2004100000A JP2004100000A JP4435614B2 JP 4435614 B2 JP4435614 B2 JP 4435614B2 JP 2004100000 A JP2004100000 A JP 2004100000A JP 2004100000 A JP2004100000 A JP 2004100000A JP 4435614 B2 JP4435614 B2 JP 4435614B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
bearing
bracket
bearing device
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004100000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005282770A (ja
Inventor
文規 里路
健二 伊藤
隆弘 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2004100000A priority Critical patent/JP4435614B2/ja
Publication of JP2005282770A publication Critical patent/JP2005282770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4435614B2 publication Critical patent/JP4435614B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)

Description

本発明は、動圧軸受装置に関する。ここでの動圧軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ用、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用の軸受装置として好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、この種の軸受として、上記要求性能に優れた特性を有する動圧軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
その一例として、例えばHDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータで使用される動圧軸受装置が、特開2000−291648号公報に記載されている。この軸受装置は、有底円筒状のハウジングの内周に軸受スリーブを固定すると共に、軸受スリーブの内周に外径側に張り出したフランジ部を有する軸部材を挿入し、回転する軸部材と固定側の部材(軸受スリーブ、ハウジング等)との間に形成したラジアル軸受隙間やスラスト軸受隙間に流体動圧を発生させ、この流体動圧で軸部材を非接触支持するものである。
ところで、この種のスピンドルモータは、マグネットからなるモータロータとコイルからなるモータステータとの間に生じた励磁力で軸部材を回転させるものであり、従来では、モータロータを軸部材と共に回転する部材(ディスクハブ等)に固定する一方、モータステータを動圧軸受装置のハウジング外周に固定した金属製の保持部材、例えばモータブラケットに固定するものが多い。
特開2000−291648号公報
モータブラケットとハウジングの固定は、接着によるものが一般的である。従来ではモータブラケットとハウジングの何れもが金属製であり、接着部が金属接着となっているため、必要十分な接着力が得られていた。
しかしながら、近年ではハウジングの樹脂化が検討されている。この場合、樹脂製ハウジングと金属製モータブラケットとの間では十分な接着力が得られず、如何にして両者間で強固な接着力を得るかが問題となる。対策として、嫌気性接着剤を用いると共に、樹脂表面に金属イオンを含むプライマーを塗布することも試みられたが、接着強度は金属同士の場合の1/10〜1/5程度しか得られず、十分な接着力は得られなかった。
本発明は、かかる実情に鑑み、樹脂成形品からなるハウジングと金属製保持部材との間の接着力の向上を図ることを目的とする。
この目的達成手段として、本発明は、ハウジングと、ハウジングの内部に固定された軸受スリーブと、ハウジング及び軸受スリーブに対して回転する回転部材と、前記軸受スリーブと前記回転部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で前記回転部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、ハウジングを保持する保持部材とを備える動圧軸受装置において、ハウジングが樹脂成形品で油浸漬後に脱脂処理されたものであり、保持部材が金属製であり、かつハウジングの少なくとも接着部に、表面処理としてUV処理を施してから両者を嫌気性接着剤で接着固定したことを特徴とするものである。保持部材として、例えばモータステータの取付け部を有するブラケット(モータブラケット)が考えられる。
このような表面処理を行うことにより、樹脂成形品からなるハウジングと金属製保持部材との間で十分な接着力が得られるため、衝撃荷重等に対しても高い結合強度を確保することができ、軸受装置の耐久性や信頼性の向上を図ることが可能となる。
ハウジングを形成する樹脂は熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSF)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。
また、上記の樹脂には必要に応じて充填材を添加することもできる。充填剤の種類は特に限定されないが、例えばガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
表面処理として、紫外線とオゾンの作用で樹脂表面を活性化させるUV処理を行い、樹脂成形品表面を活性化(イオン化)させているので、接着剤との親和性(なじみ性)向上させ、接着強度の向上を図ることができる。
ところで、上記情報機器のモータは、高温環境下や低温環境下を問わず使用されるものであり、高い耐熱衝撃性が要求される。本発明者らが検証したところ、接着強度の耐熱衝撃性はハウジングの外周と保持部材の内周の間の接着すきまに依存し、この接着すきまの幅(半径量)が30μmを越えると、接着強度の耐熱衝撃性が大きく低下することが判明した。従って、ハウジングと保持部材の間の接着すきまは30μm以下に設定するのが望ましい。
以上に述べた各動圧軸受装置と、ブラケットに取り付けられたモータステータと、回転部材に取り付けられたモータロータとを有するモータは、ハウジングとブラケットとの間で高い接着力が確保されているので、耐久性や信頼性の面で優れた特性を有する。
本発明によれば、ハウジングと保持部材との間で高い接着力を確保することができ、耐久性や信頼性の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、この実施形態にかかる動圧軸受装置1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ4およびモータロータ5とを備えている。モータステータ4は例えばコイルからなり、ブラケット6の外周に取り付けられている。モータロータ5は例えばマグネットからなり、ディスクハブ3の内周に取り付けられている。後述のように動圧軸受装置1のハウジング7は、ブラケット6の内周に接着固定される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクが一又は複数枚保持される。モータステータ4に通電すると、モータステータ4とモータロータ5との間の電磁力でモータロータ5が回転し、それによって、ディスクハブ3および軸部材2が回転部材となり、一体回転する。
図2は、動圧軸受装置1を拡大して示している。この動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8と、軸部材2とを構成部品して構成される。
軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面2aとの間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、ハウジング7の開口側端面(上側端面)7dと、これに対向する、軸部材2に固定されたディスクハブ(ロータ)3の下側端面3aとの間にスラスト軸受部T1が形成される。尚、説明の便宜上、ハウジング7の底部7bの側を下側、底部7bと反対の側を上側として説明を進める。
ハウジング7は、例えば、結晶性樹脂としての液晶ポリマー(LCP)に、導電性充填材としてのカーボンナノチューブを2〜8wt%配合した樹脂材料を射出成形して有底円筒状に型成形される。図面では、ハウジング7として、円筒状の側部7aと側部7aの下端に一体に設けられた底部7bとを備えるものを例示している。
図4に示すように、スラスト軸受部T1のスラスト軸受面となる上側端面7dには、例えばスパイラル形状の動圧溝7d1が形成される。この動圧溝7d1は、ハウジング7の射出成形時に成形されたものである。すなわち、ハウジング7を成形する成形型の所要部位(上側端面7dを成形する部位)に、動圧溝7d1を成形する溝型を加工しておき、ハウジング7の射出成形時に上記溝型の形状をハウジング7の上側端面7dに転写することにより、動圧溝7d1をハウジング7の成形と同時成形することができる。
また、ハウジング7は、その上方部外周に、上方に向かって漸次拡径するテーパ状外壁7eを備える。このテーパ状外壁7eと、ディスクハブ3に設けられた鍔部3bの内壁3b1との間に、上方に向かって漸次縮小するテーパ状のシール空間Sが形成される。このシール空間Sは、軸部材2及びディスクハブ3の回転時、スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間の外径側と連通する。
軸部材2は例えばステンレス鋼等の金属材料で同一径の軸状に形成される。軸部材2には、図示のようなねじ止めの他、圧入や接着等の適宜の手段でディスクハブ3が固定される。
軸受スリーブ8は例えば焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、例えば超音波溶着によってハウジング7の内周面7cの所定位置に固定される。
焼結金属で形成された軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2の各ラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、これら2つの領域には、例えば図3に示すようなヘリングボーン形状(スパイラル形状でもよい)の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。また、軸受スリーブ8の外周面8dには、1又は複数本の軸方向溝8d1が軸方向全長に亙って形成される。
軸部材2は軸受スリーブ8の内周面8aに挿入される。なお、軸部材2及びディスクハブ3の停止時において、軸部材2の下側端面2bとハウジング7の内底面7b1との間、軸受スリーブ8の下側端面8cとハウジング7の内底面7b1との間にはそれぞれ僅かな隙間が存在する。
ハウジング7の内部空間等は潤滑油で充満される。すなわち、潤滑油は、軸受スリーブ8の内部気孔を含め、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面2aとの間の隙間部、軸受スリーブ8の下側端面8c及び軸部材2の下側端面2bとハウジング7の内底面7b1との間の隙間部、軸受スリーブ8の軸方向溝8d1、軸受スリーブ8の上側端面8bとディスクハブ3の下側端面3aとの間の隙間部、スラスト軸受部T1、及びシール空間Sに充満される。
軸部材2及びディスクハブ3の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部材2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。また、ハウジング7の上側端面7dのスラスト軸受面となる領域は、ディスクハブ3の下側端面3aとスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2及びディスクハブ3の回転に伴い、ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2がラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2及びディスクハブ3をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、上記スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、ディスクハブ3が上記スラスト軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2及びディスクハブ3をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部T1が構成される。
前述したように、第1ラジアル軸受部R1の動圧溝8a1は、軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心より上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。そのため、軸部材2およびディスクハブ3の回転時、動圧溝8a1による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。そして、この引き込み力の差圧によって、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材12の外周面2aとの間の隙間に満たされた潤滑油が下方に流動し、軸受スリーブ8の下側端面8cとハウジング7の内底面7b1との間の隙間→軸方向溝8d1→ディスクハブ3の下側端面3aと軸受スリーブ8の上側端面8bとの間の隙間という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。このように、潤滑油が上記隙間部を流動循環するように構成することで、ハウジング7の内部空間及びスラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間内の潤滑油圧力が局部的に負圧になる現象を防止して、負圧発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑油の漏れや振動の発生等の問題を解消することができる。また、潤滑油の外部への漏れは、シール空間Sの毛細管力と、スラスト軸受部T1の動圧溝7d1による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)によって、より効果的に防止される。
図1に示すように、ハウジング7の側部7aの外周には、金属製、望ましくはアルミ合金等の軽合金からなるブラケット6が接着固定される。このブラケット6は、ハウジング7を規定位置に保持するための保持部材として機能するものであり、接着後は、図5に示すようにハウジング7の外周7f(テーパ状外壁7eを除く)とブラケット6の内周6aとが接着すきま9に満たされた接着剤(散点模様)で強固に結合される(図5では接着すきま9の幅Pを誇張して描いている)。接着剤9としては、加熱硬化型接着剤と嫌気性接着剤の何れも使用できるが、接着強度の安定化等の面から嫌気性接着剤を使用するのがより好ましい。
ハウジング7とブラケット6との接着強度を確保するため、本発明では、樹脂成形品であるハウジング7の表面に、アルカリエッチング処理、UV処理、プラズマエッチング処理、もしくは金属メッキ処理の何れかの表面処理を施している。なお、これらの表面処理は必ずしもハウジング7全体に施す必要はなく、少なくともブラケット6との接着部に施されていれば足りる。
図6は、LCP系のハウジング7表面にアルカリエッチング処理、UV処理、およびプラズマエッチング処理をそれぞれ施し、アルミ合金製のブラケット6を接着固定した後、接着強度を測定した結果を示すものである(なお、図中ではアルカリ処理を「AL処理」、プラズマエッチング処理を「PL処理」と表記している)。接着剤としてスリーボンド社製の嫌気性接着剤TB1355を使用し、プライマとして同社製の1390Fを使用している。アルカリ処理は、60℃に保持した4%水酸化ナトリウム溶液にハウジングを1時間浸漬することにより行った。また、UV処理は、装置としてハリソン東芝ライティング(株)製のTOSCURE251を使用し、波長365[nm]、照射強度20[mW/cm2]、照射時間10[min]の条件下で行った。さらに、プラズマエッチング処理は、装置としてヤマト科学(株)製のPR31を使用し、O2量50[cc/min]、電力150[W]、時間2[min]の条件下で行った。接着面積は90[mm2]である。
また、図6には、比較例として、射出成形後に鏡面加工した樹脂の加工面(平滑面)、この平滑面にサンドペーパーをかけて粗くした面(粗面A)、および成形面をショットブラストで粗くした金型で射出成形した面(粗面B)をそれぞれアルミ合金と接着し、その接着強度を測定した結果も記載してている。
図6の測定結果が示すとおり、アルカリエッチング処理、UV処理、およびプラズマエッチング処理の何れの処理でも、比較例の粗面A、Bに比べて接着力が大幅に向上しており、これらの処理の有効性が確認された。
ところで、動圧軸受装置1の組立工程においては、ハウジング7内部に潤滑油を供給する際に、予め組み立てたユニット全体を油中に浸漬して真空引きした後、大気圧に復帰させて潤滑油を各隙間に充満させる方法を採用する場合がある。この場合、ハウジング7全体が潤滑油中に浸漬されるため、油浸漬後にハウジング7の脱脂処理を行っても、ブラケットとの接着強度が低下する場合がある。
図7は、上記各処理後のハウジング7を油浸漬し、その脱脂処理後にハウジング7とブラケット6とを接着固定した時の接着力を測定したものである。この測定結果からも明らかなように、油浸漬を行った場合、粗面A、Bのみならず、UV処理やプラズマエッチング処理でも接着力の大きな低下が認められるが、アルカリエッチング処理であれば、油浸漬後も高い接着力が維持される。従って、ハウジング7内部への注油工程でハウジング7を油浸漬する場合、樹脂製ハウジング7の表面処理としてアルカリエッチング処理を行うのが好ましい。
図8は、上記条件下で処理時間を異ならせてアルカリエッチングを行った時の接着力の測定結果を示す。図示のように、処理時間が短いほど接着強度は低下するが、その一方で、処理時間が長くなっても接着強度が低下することが理解できる。以上の検証から、接着強度はアルカリエッチングの処理時間が1時間付近となったところで臨界値に達すると思われる。
ところで、上記各種情報機器用モータは、近年の高速化や高密度化に伴い、ますます高温環境で使用される傾向にある。これに対応するため、動圧軸受装置1にも高い耐熱衝撃性が求められているが、本発明者らが検証したところ、接着強度の耐熱衝撃性はハウジング7とブラケット6との間の接着すきまの幅Pに大きく依存することが判明した。図9はその測定結果を示すもので、図中の△は熱衝撃負荷後の接着強度を、●は熱衝撃負荷前の接着強度を示す。図示からも明らかなように、接着すきま9の幅P(半径量:図5参照)が30μmを越えると、熱衝撃負荷後の接着力が大きく低下することが判明した。従って、耐熱衝撃性を確保するため、ハウジング7の外周7fとブラケット6の内周6aの間の接着すきま9は30μm以下(5μm以上)に設定するのが望ましい。
以上本発明を一実施形態に基いて説明したが、本発明は図1〜図3に例示した動圧軸受装置に限らず、樹脂製ハウジング7と金属製ブラケット6を有するものであれば、種々のタイプの動圧軸受装置に適用することができる。図10は、その一例を示すもので、軸部材2を軸部2cと外径側に張り出したフランジ部2dとで構成し、フランジ部2dの一方の端面とこれに対向する軸受スリーブ8の端面の何れか一方、およびフランジ部2dの他方の端面とこれに対向するフランジ部2dの底部7bの何れか一方にスラスト軸受面を形成することにより、第一スラスト軸受部T1と第二スラスト軸受部T2を上下に離隔形成したものである(ラジアル軸受部R1、R2の図示は省略している)。この実施形態においても同様に樹脂製ハウジング7の外周面が金属製ブラケット6の内周面に接着固定されるが、接着前のハウジング7の外周面にアルカリエッチング等の表面処理を施すことにより、あるいは接着すきまを30μm以下に設定することにより、高い接着強度を得ることができる。スラスト軸受部T1、T2として接触型のピボット軸受を使用してもよい。
また、以上の説明では、ブラケット6を金属製としているが、ブラケット6を樹脂成形品とすることもできる。この場合、ハウジング7が軟質金蔵等の金属製であれば、ブラケット6表面の接着部に上記表面処理を施す必要がある。ハウジング7も樹脂製である場合には、双方の部材の接着部に上記表面処理を施すのが望ましいが、十分な接着力が得られるのであれば、何れか一方の部材の接着部にのみ上記表面処理を施しても良い。
本発明にかかる動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図である。 上記動圧軸受装置の断面図である。 上記動圧軸受装置で使用される軸受スリーブの断面図である。 ハウジングを図2のB方向から見た図である。 ハウジングとブラケットの接着部を拡大した半径方向の断面図である。 接着強度の測定結果を示す図である。 油浸漬後における接着強度の測定結果を示す図である。 アルカリエッチング処理の処理時間を異ならせた時の接着強度の測定結果を示す図である。 接着すきまと接着強度の関係の測定結果を示す図である。 他の実施形態にかかる動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
3 ディスクハブ
4 ステータ
5 ロータ
6 ブラケット
7 ハウジング
7d1 動圧溝
8 軸受スリーブ
8a1、8a2 動圧溝
9 接着すきま
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (4)

  1. ハウジングと、ハウジングの内部に固定された軸受スリーブと、ハウジング及び軸受スリーブに対して回転する回転部材と、前記軸受スリーブと前記回転部材との間のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用で前記回転部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、ハウジングを保持する保持部材とを備える動圧軸受装置において、
    ハウジングが樹脂成形品で油浸漬後に脱脂処理されたものであり、保持部材が金属製であり、かつハウジングの少なくとも接着部に、表面処理としてUV処理を施してから両者を嫌気性接着剤で接着固定したことを特徴とする動圧軸受装置。
  2. ハウジングと保持部材との間の接着隙間を30μm以下にした請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 保持部材が、モータステータの取付け部を有するブラケットである請求項1または2記載の動圧軸受装置。
  4. 請求項3に記載した動圧軸受装置と、ブラケットに取り付けられたモータステータと、回転部材に取り付けられたモータロータとを有するモータ。
JP2004100000A 2004-03-30 2004-03-30 動圧軸受装置 Expired - Lifetime JP4435614B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004100000A JP4435614B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 動圧軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004100000A JP4435614B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 動圧軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005282770A JP2005282770A (ja) 2005-10-13
JP4435614B2 true JP4435614B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=35181389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004100000A Expired - Lifetime JP4435614B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 動圧軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4435614B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7650697B2 (en) 2004-06-01 2010-01-26 Nidec Corporation Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing
JP4861122B2 (ja) * 2006-10-20 2012-01-25 株式会社沖データ 画像形成装置
JP5022932B2 (ja) * 2008-02-04 2012-09-12 株式会社ミツバ 電動モータ
JP2010038356A (ja) * 2008-07-10 2010-02-18 Ntn Corp 機械部品およびその製造方法
JP6087066B2 (ja) * 2012-06-12 2017-03-01 Ntn株式会社 流体動圧軸受装置、及び、流体動圧軸受装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005282770A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5274820B2 (ja) 流体軸受装置
JP2005321089A (ja) 動圧軸受装置
JP4443915B2 (ja) 流体軸受装置
JP2006292013A (ja) 動圧軸受装置
JP4476670B2 (ja) 流体軸受装置
JP4937619B2 (ja) 動圧軸受装置
JP4435614B2 (ja) 動圧軸受装置
JP4762757B2 (ja) 流体軸受装置
JP2005090653A (ja) 流体軸受装置
JP2006300181A (ja) 動圧軸受装置
JP2007024089A (ja) 動圧軸受装置およびモータ
JP2007051717A (ja) 動圧軸受装置の製造方法
JP5133131B2 (ja) 流体軸受装置
JP4689283B2 (ja) 動圧軸受装置
JP5220339B2 (ja) 流体軸受装置
JP4754418B2 (ja) 流体軸受装置
JP2007071312A (ja) 動圧軸受装置
JP4828908B2 (ja) 動圧軸受装置
JP2010096202A (ja) 流体軸受装置およびその製造方法
JP2011007336A (ja) 動圧軸受装置およびモータ
JP2006300178A (ja) 流体軸受装置
JP4689567B2 (ja) 流体軸受装置の製造方法
JP2008256088A (ja) 流体軸受装置およびこれを有するモータ
JP5020652B2 (ja) 流体軸受装置
JP4937524B2 (ja) 動圧軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091026

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4435614

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250