JP6086834B2 - 肥料、その製造方法、および作物の栽培方法 - Google Patents

肥料、その製造方法、および作物の栽培方法 Download PDF

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Description

本発明は、肥料、その製造方法、および該肥料を用いた作物の栽培方法に関する。
肥料として多孔質軽量珪酸カルシウムを用いることが、従来、提案されている。
例えば、特許文献1に、珪酸質原料、生石灰およびアルミニウム粉末の混合物をオートクレーブ処理して、多孔質軽量珪酸カルシウムを製造する方法において、上記珪酸質原料の全部あるいは一部として活性珪酸質資材を用い、肥料用の多孔質軽量珪酸カルシウムとすることを特徴とする多孔質軽量珪酸カルシウムの製造方法が、記載されている。
また、この文献に、上記活性珪酸質資材として、珪藻土等の非晶質珪酸、高炉スラグ又は反応性の高い珪石を用いることが記載されている。
また、特許文献2に、空隙率50〜90%の多孔質珪酸カルシウム水和物粒体からなり、その70%以上が0.85〜8.0mmの範囲の粒径を有している珪酸質肥料が、記載されている。
特開昭61−44712号公報 特開平6−293583号公報
上述の特許文献1に記載されているように、肥料としての多孔質軽量珪酸カルシウムを製造するときの原料の一つとして、珪藻土、高炉スラグ等の珪酸質原料が用いられる。
しかし、珪藻土、高炉スラグ等の珪酸質原料は、元素として、珪素以外の種々の元素を含む。これら種々の元素の中には、高い含有率で含まれている場合に、作物にとって有害な作用を有するものも含まれていると考えられる。
本発明は、珪酸カルシウムを主成分として含む肥料であって、作物に対して、珪酸による有益な作用を有し、かつ、珪素以外の他の元素による有害な作用を有することのない肥料、その製造方法、および該肥料を用いた作物の栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、珪酸カルシウム水和物を主成分として含む多孔質の粒体を、肥料として用いる場合、特定の2つの元素の含有率を特定の値以下に調整すれば、作物に対して、珪酸による有益な作用のみがもたらされ、有害な現象が生じないことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供するものである。
[1] 珪酸カルシウム水和物を主成分として含む多孔質の粒体からなり、かつ、アルミニウムの含有率が酸化物換算で8質量%以下であり、チタンの含有率が酸化物換算で1.0質量%以下であることを特徴とする肥料。
[2] 上記珪酸カルシウム水和物が、トバモライトである、上記[1]に記載の肥料。
[3] 上記多孔質の粒体が、50%以上の空隙率を有する粒体である、上記[1]又は[2]に記載の肥料。
[4] 上記多孔質の粒体が、6mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の肥料。
[5] 上記多孔質の粒体が、軽量気泡コンクリートの廃材からなる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の肥料。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の肥料を製造するための方法であって、少なくともアルミニウムの含有率およびチタンの含有率のいずれかが異なる2種以上の多孔質の粒体であって、これら2種以上の多孔質の粒体のうち、アルミニウムの含有率が酸化物換算で8質量%を超えるもの、または、チタンの含有率が酸化物換算で1.0質量%を超えるものを1種以上含むものである2種以上の多孔質の粒体を、混合して、上記肥料を得ることを特徴とする肥料の製造方法。
[7] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の肥料を農地に施用することを特徴とする作物の栽培方法。
[8] 上記肥料の量が、農地の面積1,000m2当たり、30〜300kgである、上記[7]に記載の作物の栽培方法。
本発明の肥料は、アルミニウムおよびチタンの各含有率(酸化物換算)が特定の値以下であるため、作物の生育障害等の有害な現象を生じさせることがない。
また、本発明の肥料は、珪酸カルシウムを主成分として含むため、作物に対して、カルシウム成分および珪酸成分による有益な作用を有する。例えば、イネ科の作物について、病気による被害の軽減、および、収量の増加および品質の向上の効果を得ることができる。特に、本発明の肥料は、従来の珪酸カルシウム肥料(略称:ケイカル)に比べて、単位質量当たりの施用の効果が大きい。
さらに、本発明の肥料は、多孔質の粒体からなるので、土壌改良材としての作用を有することができる。
本発明の肥料は、珪酸カルシウム水和物を主成分として含む多孔質の粒体からなり、かつ、アルミニウムの含有率が酸化物換算で8質量%以下であり、チタンの含有率が酸化物換算で1.0質量%以下のものである。
珪酸カルシウム水和物の例としては、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト等が挙げられる。
このうち、トバモライトは、結晶性の珪酸カルシウム水和物であり、Ca5・(Si6182)・4H2O(板状の形態)、Ca5・(Si6182)(板状の形態)、Ca5・(Si6182)・8H2O(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
ゾノトライトは、結晶性の珪酸カルシウム水和物であり、Ca6・(Si617)・(OH)2(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
CSHゲルは、αCaO・βSiO2・γH2O(ただし、α/β=0.7〜2.3、γ/β=1.2〜2.7である。)、例えば、3CaO・2SiO2・3H2Oの化学組成を有する珪酸カルシウム水和物である。
中でも、トバモライトは、後述する軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であり、ALCの廃材の利用の促進に関わる観点から、本発明において好ましく用いられる。
本発明の肥料を構成する多孔質の粒体は、空隙部分を除く固相100体積%中、好ましくは50体積%以上、より好ましくは60体積%以上の割合で、珪酸カルシウム水和物を含む。該割合が50体積%以上であると、珪酸による作物に対する有益な作用を、より高めることができる。
多孔質の粒体の空隙率は、土壌改良材としての効果の向上、および、肥料としての使い易さの観点から、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。該空隙率の上限値は、特に限定されないが、粒体の機械的強度(例えば、圧縮強度)を確保して、運搬時や保管時における粉状化を抑制する観点から、好ましくは90%である。
多孔質の粒体の粒度は、肥料としての使い易さ等の観点からは、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.1mm以上、特に好ましくは1mm以上である。
また、多孔質の粒体の粒度は、土壌への珪酸成分の溶出量を高める等の観点からは、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、さらに好ましくは6mm以下、特に好ましくは4mm以下である。
多孔質の粒体の粒度分布は、土壌への珪酸成分の溶出量を高める等の観点から、好ましくは、6mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものであり、より好ましくは、1〜3mmの粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものであり、特に好ましくは、1〜3mmの粒度を有する粒体を80質量%以上の割合で含むものである。
本明細書中、粒度の値は、篩の目開き寸法に対応する値である。
本発明の肥料を構成する多孔質の粒体に含まれるアルミニウム(Al)およびチタン(Ti)の各含有率は、酸化物換算の値として、次のとおりである。
多孔質の粒体中のアルミニウム(Al)の酸化物(Al23)換算の含有率は、8質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。該含有率が8質量%を超えると、作物(特に、作物の根の部分)の生育障害を招く可能性が高くなる。
多孔質の粒体中のチタン(Ti)の酸化物(TiO2)換算の含有率は、1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。該含有率が1質量%を超えると、作物の生育障害を招く可能性が高くなる。
多孔質の粒体の好ましい例としては、建築資材の廃材の再利用、および、酸性土壌を中和する作用を有することの観点から、軽量気泡コンクリート(ALC)の廃材の粉砕物が挙げられる。ここで、廃材の粉砕物とは、1mm未満の粒度を有する粒体のみならず、1mm以上の粒度を有する粒体を包含するものである。また、廃材とは、製品の廃材、製品の製造過程で生じる端材、工場内の試製品等を広く含むものである。
軽量気泡コンクリートの廃材を粉砕した後、必要に応じて、篩等の分級手段を用いて分級することによって、所望の粒度を有する多孔質の粒体を得ることができる。
軽量気泡コンクリートは、Ca5・(Si6182)・4H2Oの化学式で表されるトバモライト、および、未反応の珪石からなるものであり、80体積%程度の空隙率を有する。
本明細書中、空隙率とは、粒体(例えば、軽量気泡コンクリートからなる粒体)の体積全体中に占めるすべての空隙の体積の総和の割合をいう。ここで、空隙とは、粒体の外部の空間と連通する連続的な空隙と、粒体の外部の空間と連通せずに粒体の内部にのみ形成される非連続的な空隙の両方を意味する。
軽量気泡コンクリート中のトバモライトの割合は、コンクリートの内部の空隙部分を除く固相の全体を100体積%として、65〜80体積%程度である。
本発明の肥料の製造方法の好ましい一例は、少なくともアルミニウムの含有率およびチタンの含有率のいずれかが異なる2種以上の多孔質の粒体であって、これら2種以上の多孔質の粒体のうち、アルミニウムの含有率が酸化物換算で8質量%を超えるもの、または、チタンの含有率が酸化物換算で1.0質量%を超えるものを1種以上含むものである2種以上の多孔質の粒体を、混合して、肥料を得るものである。
例えば、以下の例1〜例2を挙げることができる。
例1:アルミニウムの含有率が酸化物換算で3質量%で、チタンの含有率が酸化物換算で0.1質量%である軽量気泡コンクリート(ALC)の廃材を粉砕してなる粒体Aと、アルミニウムの含有率が酸化物換算で10質量%で、チタンの含有率が酸化物換算で1.2質量%であるALCの廃材を粉砕してなる粒体Bを、1:1の質量比で混合して、本発明の肥料を得ることができる。この場合、粒体Aは、本発明の肥料の条件(アルミニウムおよびチタンの各含有率の範囲)を満たすものであり、粒体Bは、本発明の肥料の条件を満たさないものである。
例2:アルミニウムの含有率が酸化物換算で3質量%で、チタンの含有率が酸化物換算で1.5質量%であるALCの廃材を粉砕してなる粒体Cと、アルミニウムの含有率が酸化物換算で10質量%で、チタンの含有率が酸化物換算で0.3質量%であるALCの廃材を粉砕してなる粒体Dを混合して、本発明の肥料を得ることができる。この場合、粒体Cおよび粒体Dは、共に、本発明の肥料の条件を満たさないものである。
本発明の肥料の製造方法の他の例は、(A)石灰質原料、珪酸質原料および水を含む水熱反応用原料を、加圧および加熱して水熱反応を生じさせ、多孔質の硬化体を得る反応工程と、(B)工程(A)で得た多孔質の硬化体を粉砕して、本発明の肥料を得る粉砕工程、を含み、かつ、製造で得られる肥料が、本発明の肥料の条件(アルミニウムおよびチタンの各含有率の範囲)を満たすように、工程(A)の原料として、アルミニウムおよびチタンの各含有率が小さいものを選択するものである。
以下、各工程について詳しく説明する。
[(A)反応工程]
石灰質原料としては、生石灰粉末、消石灰粉末等が挙げられる。
珪酸質原料としては、珪石粉末、珪砂等が挙げられる。
任意に配合される他の固体原料としては、セメント(各種ポルトランドセメント等)、アルミニウム粉末、界面活性剤、石膏等が挙げられる。このうち、アルミニウム粉末および界面活性剤は、発泡剤である。
固体原料の全量中の石灰質原料の割合は、特に限定されないが、反応後に未反応の原料が多量に残存することを避ける等の観点から、好ましくは5〜30質量%である。
固体原料の全量中の珪酸質原料の割合は、特に限定されないが、反応後に未反応の原料が多量に残存することを避ける等の観点から、好ましくは30〜65質量%である。
固体原料の全量中の他の固体原料の割合は、特に限定されないが、通常、5〜40質量%である。固体原料としてセメントを用いる場合、固体原料の全量中のセメントの割合は、本発明の肥料(多孔質の粒体)の機械的強度(例えば、圧縮強度)を高めるなどの観点から、好ましくは5〜40質量%である。固体原料としてアルミニウム粉末等の発泡剤を用いる場合、固体原料の全量中の発泡剤の割合は、本発明の肥料(多孔質の粒体)に適度な空隙率を与える観点から、好ましくは0.005〜0.1質量%である。
水の量は、水熱反応を効率良く行う等の観点から、水以外の原料(固体原料)の全量100質量部当たり、好ましくは50〜100質量部である。
水熱反応用原料のうち、水を除く原料の全量(例えば、生石灰粉末、珪石粉末、セメントおよびアルミニウム粉末の合計量)を100質量%とした場合、水熱反応用原料として、アルミニウムおよびチタンの各含有率が次の範囲内のものを用いることが、好ましい。
アルミニウム(Al)の含有率は、酸化物換算で、8質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。
チタン(Ti)の含有率は、酸化物換算で、1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。
アルミニウムおよびチタンの各含有率が上記の数値範囲内であれば、水熱反応で得られる多孔質の硬化体に含まれるアルミニウムおよびチタンの各含有率を、上述の数値範囲内に調整することが容易となる。
水熱反応前に、水熱反応用原料(固体原料と水の混合物)を適当な粒度に造粒してもよい。
この場合、水熱反応用原料の粒度は、好ましくは8mm以下である。
水熱反応用原料の粒度の下限値は、特に限定されないが、造粒の容易性の観点から、好ましくは1mmである。
水熱反応の圧力は、水熱反応を効率良く行う等の観点から、好ましくは3,000〜30,000hPa、より好ましくは4,000〜25,000hPaである。
水熱反応の温度は、水熱反応を効率良く行う等の観点から、好ましくは100〜250℃、より好ましくは120〜230℃、特に好ましくは150〜210℃である。
水熱反応の時間は、特に限定されないが、通常、5〜15時間である。
水熱反応を行うための手段の例としては、オートクレーブが挙げられる。
[(B)粉砕工程]
工程(A)で得た多孔質の硬化体を粉砕するための粉砕手段としては、アルミニウムおよびチタンを含まない収容手段等を有するものが好ましい。
好ましい粉砕手段の例としては、アルミニウムおよびチタンを含まない材質を有するクラッシャー等が挙げられる。
破砕工程は、工程(A)で得た多孔質の硬化体を粉砕した後に、得られた粉砕物を篩分け等によって分級し、次いで、得られた2種以上の粒度の粒体を適当な割合で組み合わせて混合して、上述の好ましい粒度分布を有する多孔質の粒体(本発明の肥料)を得る操作を含むことができる。
本発明の肥料が、軽量気泡コンクリートの粉砕物である場合、肥料の製造方法の一例は、次のとおりである。
まず、珪石粉末30〜65質量%、生石灰粉末5〜30質量%、普通ポルトランドセメント5〜40質量%、アルミニウム粉末(発泡剤)0.005〜0.1質量%(以上の合計量:100質量%)を混合して、混合物を得る。
次いで、この混合物100質量部と、水60〜80質量部を混合して、スラリーを得る。
このスラリーを、1,000〜2,000mm(長さ)×600〜1,000mm(幅)×500〜1,000mm(高さ)の内寸を有する箱形の型枠の中に収容して、室温(例えば、10〜40℃)で、3〜10時間、養生する。
その後、型枠内の硬化体を脱型し、この硬化体をオートクレーブにて、150〜250℃の温度、5,000〜15,000hPaの圧力、および5〜15時間の反応時間の条件下で、水熱反応し、多孔質の硬化体を得る。
多孔質の硬化体を、鉄製のクラッシャーを用いて粉砕し、次いで、必要に応じて篩を用いて分級した後、得られた2種以上の粒度の粒体を適宜の配合割合で組み合わせて、所望の粒度分布を有する多孔質の粒体からなる肥料を得る。
本発明の作物の栽培方法は、上述の肥料を農地に施用するものである。
本明細書中、農地とは、水田、畑、牧草地等を意味する。
また、作物とは、人間によって生育が管理されている植物を意味する。
本発明の肥料の施用量は、農地の面積1,000m2(10a)当たり、好ましくは30〜300kgである。該量が30kg未満では、肥料を施用することによる効果を十分に得ることができない。該量が300kgを超えると、肥料のコストが増大する一方、肥料を施用することによる効果が頭打ちになることがある。
本発明の作物の栽培方法の実施形態の一例として、pHが6以下の土壌に、本発明の肥料を施用することが挙げられる。本発明の肥料は、軽量気泡コンクリートの廃材の粉砕物等によって構成した場合に、酸性の土壌を中和する効果を有することができる。
本発明の作物の栽培方法の実施形態の他の例として、気温が30℃を超えたときに、本発明の肥料を施用することが挙げられる。本発明の肥料は、例えば、水稲等の作物が、出穂期にフェーン現象等によって30℃以上の異常な高温環境に曝された場合であっても、収量の低下および品質の低下を抑制することができる。
以下、実施例によって本発明を説明する。本発明は、実施例に記載のものに限定されず、特許請求の範囲に包含される限りにおいて、種々の実施形態を採ることができる。
[実施例1]
(1)肥料の調製
アルミニウムの含有率が酸化物換算で3質量%で、チタンの含有率が酸化物換算で0.1質量%である軽量気泡コンクリート(ALC)の廃材を粉砕してなる粒体Aと、アルミニウムの含有率が酸化物換算で10質量%で、チタンの含有率が酸化物換算で1.2質量%であるALCの廃材を粉砕してなる粒体Bを、1:1の質量比で混合して、本発明の肥料1(アルミニウムの含有率:酸化物換算で6.5質量%、チタンの含有率:酸化物換算で0.65質量%)を得た。なお、粒体Aは、1〜3mmの粒度を有する粒体を90質量%の割合で含むものであった。粒体Bは、1〜3mmの粒度を有する粒体を85質量%の割合で含むものであった。
作物(イネ)を栽培している農地の面積1,000m2当たり、「肥料1」90kgを施用したところ、肥料1を施用しない場合に比べて、高い収量および高い品質の作物を収穫することができた。
[比較例1]
粒体A(50質量部)および粒体B(50質量部)の混合物(100質量部)に代えて「粒体B」(100質量部)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、実験した。
その結果、肥料1を施用しない場合に比べて、低い収量および低い品質の作物が収穫された。

Claims (7)

  1. 珪酸カルシウム水和物を主成分として含む多孔質の粒体からなり、かつ、アルミニウムの含有率が酸化物換算で8質量%以下であり、チタンの含有率が酸化物換算で1.0質量%以下である肥料の製造方法であって、
    少なくともアルミニウムの含有率およびチタンの含有率のいずれかが異なる2種以上の多孔質の粒体であって、これら2種以上の多孔質の粒体のうち、アルミニウムの含有率が酸化物換算で8質量%を超えるもの、または、チタンの含有率が酸化物換算で1.0質量%を超えるものを1種以上含むものである2種以上の多孔質の粒体を、混合して、上記肥料を得ることを特徴とする肥料の製造方法
  2. 上記珪酸カルシウム水和物が、トバモライトである請求項1に記載の肥料の製造方法
  3. 上記多孔質の粒体が、50%以上の空隙率を有する粒体である請求項1又は2に記載の肥料の製造方法
  4. 上記多孔質の粒体が、6mm以下の粒度を有する粒体を70質量%以上の割合で含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の肥料の製造方法
  5. 上記多孔質の粒体が、軽量気泡コンクリートからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の肥料の製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の肥料の製造方法によって、上記肥料を得た後、上記肥料を農地に施用することを特徴とする作物の栽培方法。
  7. 上記肥料の量が、農地の面積1,000m2当たり、30〜300kgである請求項に記載の作物の栽培方法。
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