JP6086752B2 - 蒸気発生器の耐震評価方法 - Google Patents

蒸気発生器の耐震評価方法 Download PDF

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本発明は、原子力発電所等で用いられる蒸気発生器の耐震評価方法に関する。
この種の耐震評価方法として、例えば下記特許文献1に示されるように、計測結果や耐震評価対象となる構造物情報のデータベースを用いて評価する方法が知られている。
また、一般的な蒸気発生器のUベンド部における従来の耐震評価方法として、数千本の伝熱管を例えば数本から数十本に集約した簡易モデルを作成し、この簡易モデルに対して動解析(地震波時刻歴応答解析)が行われている。
特開2008−9837号公報
しかしながら、従来の蒸気発生器の耐震評価方法では、以下のような問題があった。
すなわち、近年では、現状よりも厳しい地震条件により耐震性を再評価するケースが生じている。その場合、従来の耐震評価方法では、過度に保守的な評価となっている可能性があり、蒸気発生器のUベンド部の耐震裕度が1を下回ることが想定されることから、評価手法の精緻化が必要とされており、その点で改善の余地があった。
また、簡易モデルでは、試験結果(計測結果)に合わせて特性をチューニングするため、図面情報のみではモデル化することが困難であった。そのため、従来の簡易モデルは、平均的な応力を予測するものであり、局所的な応力を予測することができず、保守的な評価になっていた。さらに、線形評価モデルであることから、弾塑性を考慮した終局的な応力評価を行うことができないという問題もあった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡単、かつ短時間で弾塑性を考慮した精度の高い耐震評価を行うことができ、評価手法の精緻化を図ることができる蒸気発生器の耐震評価方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、発明に係る蒸気発生器の耐震評価方法では、蒸気発生器のUベンド部の耐震性を評価するための蒸気発生器の耐震評価方法であって、コンピュータが、前記Uベンド部の構成部品をモデル化した構成部品モデルを前記Uベンド部の図面データに基づいて組み合わせ、前記Uベンド部の詳細解析モデルを作成する第1工程と、前記コンピュータが、前記詳細解析モデルで固有値解析を行い、前記Uベンド部のモード情報を取得するとともに、当該モード情報に基づいて地震波応答スペクトルにおいて応答が大きくなる周波数領域の固有モードを特定する第2工程と、前記コンピュータが、前記詳細解析モデルに弾塑性の特性を設定し、この詳細解析モデルを使用し、前記第2工程で選定されたモード形状を再現する静解析を行う第3工程と、前記コンピュータが、前記第3工程で求めた静解析結果から前記Uベンド部に作用する荷重変位特性を取得する第4工程と、前記コンピュータが、前記第2工程で特定した固有モードのモード質量と、前記第4工程で取得した荷重変位特性とから1自由度系の簡易モデルを作成し、地震波時刻歴応答解析を行って応答波形を得る第5工程と、前記コンピュータが、前記第5工程で取得した前記応答波形を用いて、終局耐力評価を行う第6工程と、を実行することを特徴としている。
本発明では、Uベンド部の構成部品モデルを使用し、図面データの配列情報に基づいてUベンド部の構成部品全体の詳細解析モデル(すなわち全数解析モデル)を作成し、この詳細解析モデルを用いて固有値解析を行い、地震波応答スペクトルにおいて応答が大きくなる周波数領域の固有モードを特定するとともに、前記詳細解析モデルに弾塑性の特性を設定して静解析を行って荷重変位特性を取得し、前記固有モードのモード質量と荷重変位特性とから1自由度系の簡易モデルを作成することができる。そして、この簡易モデルに対して地震波時刻歴応答解析を行って得た応答波形により、終局耐力評価を行うことができる。
そのため、本発明の耐震評価方法では、弾塑性を考慮した耐震評価を行うことで、塑性化による応力の低減効果を期待できるうえ、局所的に発生する応力に対しても耐力評価を行うことが可能となるので、従来のようにUベンド部の多数の構成部品数を大幅に減らした簡易集約モデルを使用して地震波時刻歴応答解析を行う評価方法に比べて、精度の高い評価を行うことができる。したがって、本発明の耐震評価方法では、従来の評価方法に比べて耐震裕度を見込むことが可能となる。
また、図面データに基づいて構成部品モデルを規則的に配列することで、Uベンド部の詳細解析モデルを簡単に、かつ短時間で作成することができる。このように、本発明の耐震評価方法では、試験結果や計測結果に依存しない評価方法となり、設計図面等の図面データの情報のみを使用して評価することができることから、精度よく、かつ簡易な評価方法を実現することができる。
しかも、前記詳細解析モデル(全数解析モデル)に基づく弾塑性解析を考慮した簡易モデルを作成し、この簡易モデルに対して地震波時刻歴応答解析を行う方法となることから、全数モデルに対して地震波応答時刻歴解析を行うといった多大な時間をかける必要がなくなり、耐震評価にかかる時間と手間を低減することができる。
また、本発明に係る前記蒸気発生器の耐震評価方法では、前記コンピュータは、前記第4工程において、前記荷重変位特性と共に変位−ひずみの関係を取得し、前記第6工程における前記応答変位からひずみ量への変換は、前記第4工程で取得した変位−ひずみの関係を用いることが好ましい。
本発明の蒸気発生器の耐震評価方法によれば、簡単、かつ短時間で弾塑性を考慮した精度の高い耐震評価を行うことができ、評価手法の精緻化を図ることができる。
本発明の実施の形態による蒸気発生器の一部破断斜視図である。 図1に示す蒸気発生器のUベンド部の斜視図である。 本実施の形態による耐震評価方法の動作フローを示す図である。 (a)は複数の伝熱管モデルを組み合わせて特定断面位置での伝熱管のモデルを構成した図、(b)は(a)の部分拡大図である。 複数の振止部材モデルを組み合わせて特定断面位置での振止部材のモデルを構成した図である。 複数のブリッジモデルを組み合わせて特定断面位置でのブリッジのモデルを構成した図である。 複数の保持部材モデルを組み合わせて保持部材の全体モデルを構成した図である。 Uベンド部の詳細解析モデルを示す斜視図である。 地震応答スペクトルの一例と応答の大きい周波数域を示す図である。 弾塑性特性が設定された詳細解析モデルの静解析結果のイメージを示した図である。 静解析により得られた管群に作用する荷重変位特性のイメージ図である。 図11の荷重変位特性から作成した1自由度系の簡易モデルを示す図である。 図12の簡易モデルの地震波時刻歴応答解析結果の一例である。 本実施の形態の耐震評価方法による終局耐力評価の一例であって、応力繰り返し数と応力範囲の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による蒸気発生器の耐震評価方法について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
図1に示すように、本実施の形態の耐震評価方法は、例えば加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる蒸気発生器1のUベンド部10の耐震性を評価するための方法である。加圧水型原子炉は、原子炉冷却材及び中性子減速材として軽水を使用しており、この軽水を一次冷却材として用いる。加圧水型原子炉は、一次冷却材を、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水として、蒸気発生器1に送る。
ここで、耐震評価対象となる蒸気発生器1の具体的な構成について以下に説明する。
図1に示す蒸気発生器1は、上下方向に延在し、かつ、密閉された中空円筒形状であって、上半部に対して下半部の方が小径をなす胴部2を備えている。胴部2は、下端側に水室21が配置され、上端側に蒸気排出口22が配置されている。胴部2の下半部内から上半部にかけて、胴部2の内壁面と所定間隔をもって配置された円筒形状の管群外筒(ラッパー管)3が設けられている。この管群外筒3は、その下端部が、胴部2の下半部内の下方に配置された管板(図示省略)まで延在している。管群外筒3内には、多数の伝熱管15を有する熱交換器20が設けられている。
蒸気発生器1は、Uベンド部10を有する前記熱交換器20を備えている。この熱交換器20のUベンド部10は、曲がり部15Uを有する複数の伝熱管15を全体として半球状をなすように集合配列してなるものである。
より具体的に熱交換器20は、図2に示すように、熱交換器本体11と、振止部材12と、保持部材13と、ブリッジ14とを備えている。熱交換器本体11は、複数の伝熱管群16を面内方向に直交する面外方向に積層させることによって構成されている。この複数の伝熱管群16は、同一面内(面内方向)に並設された複数の伝熱管15から構成されている。
各伝熱管15は、管状をなす部材であって、それぞれ下端が図1に示す水室21に接続された一対の直線部と、U字状をなして一対の直線部の上端同士を接続する曲がり部15Uとを有している。
伝熱管群16は、曲がり部15Uの大きさが互いに異なる複数の伝熱管15を、曲がり部15Uの径が小さいものから順に該曲がり部15Uの外側に向かって配列するとともに、前記各直線部を互いに平行に配列することで構成されている。これによって、同一平面に沿って並設された複数の伝熱管15からなる伝熱管群16が形成される。この伝熱管群16における複数の伝熱管15が配置される平面に沿う方向は、面内方向と定義される。
熱交換器本体11は、伝熱管群16を面内方向に直交する面外方向に複数積層させることによって構成されている。このように伝熱管群16が積層されることで、熱交換器本体11の頂部は、曲がり部15Uが集合配列されてなる全体として半球状をなすUベンド部10とされている。このUベンド部10は、熱交換器20の上方、即ち、蒸気排出口22側において、半球状の頂部を上方側に向けて配置されている。
なお、このような熱交換器本体11は、胴部2の内側に固定された管支持板23に支持されている。すなわち、管支持板23には、多数の貫通孔が形成されており、この貫通孔内に各伝熱管15が非接触状態で貫通している。
振止部材12は、面外方向に積層された伝熱管群16の間にそれぞれ設けられている。 この振止部材12は、矩形断面の棒状部材をI字状、又はV字状に形成した部材からなり、その両端部には固定部12aが設けられている。このようなI字状の振止部材12は、Uベンド部10の中央部に位置し、またV字状の振止部材12は、積層される伝熱管群16の間におけるUベンド部10の中央部側にV字の頂部が位置している。そして、これら振止部材12は、Uベンド部10の表面に固定部12aが突出するように配置されている。これによって、振止部材12は、面外方向に隣り合う伝熱管群16に挟まれるように面内方向に延在し、かつ、Uベンド部10における伝熱管群16の伝熱管15の延在方向に対して直交する方向に延在している。なお、振止部材12は、図2に示すように、大きいV字形状のものの内側に小さいV字形状のものが配置されて対をなしている。
保持部材13は、Uベンド部10の表面から突出する振止部材12の固定部12aを連結する部材である。この保持部材13は、Uベンド部10に沿って取り付けられた円弧棒状をなし、面外方向に向かってUベンド部10の半球面に沿って延在している(図 参照)。
ブリッジ14は、面外方向に間隔をあけて設けられた複数の振止部材12にそれぞれ接続されている。すなわち、一部の振止部材12の固定部12aは、他の振止部材12の固定部12aよりも半球面の径方向外側に突出しており、この突出部分にブリッジ14が溶接されることで、ブリッジ14と振止部材12とが互いに接続されている。
このブリッジ14は、Uベンド部10の外周、即ち、伝熱管群16の半球状の外周に沿って面内方向に延在するように配置された円弧形状かつ板状の部材である。ブリッジ14は、Uベンド部10において曲がり部15Uの延在方向に沿って延在している。図2においては1本のブリッジ14が示されているが、ブリッジ14は、面外方向に間隔をあけて複数配置されている。
以上のような構成の蒸気発生器1では、図1に示すように、加圧水型原子炉で加熱された一次冷却水が水室21の入室に送られ、熱交換器本体11の多数の伝熱管15内を通って循環して水室21の出室に至る。一方、復水器で冷却された二次冷却水は、給水管に送られ、胴部2内の給水路を通って伝熱管群16に沿って上昇する。この際、伝熱管15内を流通する高温の一次冷却水(流体)と伝熱管15周囲の二次冷却水との間で熱交換が行われる。これによって冷却された一次冷却水は、出室から加圧水型原子炉に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換した二次冷却水は、胴部2内を上昇し、気水分離器で蒸気と熱水とに分離される。そして、分離された蒸気は、湿分分離器で湿分を除去されてからタービンに送られる。
ここで、蒸気発生器1内で一次冷却水が各伝熱管15内を通過する際には、特にU字形状の曲がり部15Uにおいて伝熱管15内を流通する一次冷却水の流通や該伝熱管15の周囲の二次冷却水の流動に基づいて自励振動が発生する。このような自励振動は、各伝熱管群16の間に配置された振止部材12によって抑制される。
次に、上述したUベンド部10の耐震評価方法について、図3などに基づいて詳細に説明する。
先ず、ステップS1(第1工程)において、Uベンド部10の構成部品をモデル化した構成部品モデル(図4の伝熱管モデル15A、図5に示す振止部材モデル12A、図7に示す保持部材モデル13A、図6に示すブリッジモデル14A)をUベンド部10の図面データ(図面情報)の配列情報に基づいて組み合わせ、Uベンド部10の詳細解析モデルM(図8参照)を作成する。
ステップS1では、自動生成プログラムが組み込まれたコンピュータを使用し、予め作成された前記構成部品モデル(符号12A、13A、14A、15Aのモデル)に基づいて管群全体(Uベンド部10全体)の前記詳細解析モデルMが自動作成される。そして、ステップS1で詳細解析モデルMの作成後、ステップS2及びステップS4のそれぞれに進む。
なお、図面データは、Uベンド部10の設計図面などであって、構成部品(伝熱管15、振止部材12、保持部材13、及びブリッジ14)の位置や姿勢(角度、向き)や、構成部品同士の接続部の位置等の図面情報であり、前記自動生成プログラムに予め組み込んでおく。
ここで、図2に示すUベンド部10は、上述した伝熱管15、振止部材12、保持部材13、及びブリッジ14の4種の構成部品の配置と組み合わせが規則的に配列された構成となっている。そのため、各種の構成部品をそれぞれモデル化した部品モデル(12A、13A、14A、15A)を作成し、前記自動生成プログラムに登録しておく。
具体的に伝熱管15は、図4(a)、(b)に示すように、図面データに基づいて所定形状にモデル化した複数の伝熱管モデル15Aを、図面データに基づいて自動生成プログラムによりUベンド部10を構成する前記U字形状に組み合わせて配列される。伝熱管モデル15Aは、図面データから取得される主要寸法を入力することにより、FEMモデル(梁要素からなる解析モデル)として構築される。例えば、U字形状の曲げ半径を図面データから読み取って、その曲率に合わせて複数の伝熱管モデル15Aを配置し、伝熱管15の全体モデル(伝熱管詳細解析モデル15B)が作成される。
また、振止部材12は、図5に示すように、図面データに基づいて所定形状にモデル化した複数の振止部材モデル12Aを、図面データに基づいて自動生成プログラムによりUベンド部10を構成するI字状、又は大小のV字状に組み合わせて配列される。振止部材モデル12Aは、図面データから取得される主要寸法を入力することにより、FEMモデル(梁要素からなる解析モデル)として構築される。例えば、振止部材12のV字状の折曲げ角度を図面データから読み取って、その角度に合わせて複数の振止部材モデル12Aを配置し、振止部材12の全体モデル(振止部材詳細解析モデル12B)が作成される。
また、ブリッジ14は、図6に示すように、図面データに基づいて所定形状にモデル化した複数のブリッジモデル14Aを、図面データに基づいて自動生成プログラムによりUベンド部10を構成するように組み合わせて配列される。ブリッジモデル14Aは、図面データから取得される主要寸法を入力することにより、FEMモデル(梁要素からなる解析モデル)として構築される。例えば、ブリッジ14の曲げ半径(曲率)を図面データから読み取って、その曲率に合わせて複数のブリッジモデル14Aを配置し、ブリッジ14の全体モデル(ブリッジ詳細解析モデル14B)が作成される。
また、保持部材13は、図7に示すように、図面データに基づいて所定形状にモデル化した複数の保持部材モデル13Aを、図面データに基づいて自動生成プログラムによりUベンド部10を構成するように組み合わせて配列される。保持部材モデル13Aは、図面データから取得される主要寸法を入力することにより、FEMモデル(梁要素からなる解析モデル)として構築される。例えば、保持部材13の曲げ半径(曲率)を図面データから読み取って、その曲率に合わせて複数の保持部材モデル13Aを配置し、保持部材13の全体モデル(保持部材詳細解析モデル13B)が作成される。
図8に示す詳細解析モデルMは、上述した伝熱管詳細解析モデル15B、振止部材詳細解析モデル12B、ブリッジ詳細解析モデル14B、及び保持部材詳細解析モデル13Bを図面データに基づいてUベンド部10として集合させることで作成される。
次に、ステップS2(第2工程)において、ステップS1で作成した詳細解析モデルMを使用して固有値解析を行い、管群(Uベンド部10)のモード情報を取得する。
そして、ステップS3(第2工程)において、ステップS2で取得した固有値解析結果の内、地震応答スペクトルにおいて応答が大きくなる周波数領域(図9で符号Tの範囲)に存在する固有モードを特定する。なお、この地震波応答スペクトルは、横軸を周期(s)とし、縦軸を加速度(G)として示している。
ステップS4(第3工程)では、上述したステップS1で作成した詳細解析モデルMに弾塑性の特性を設定する。次いで、ステップS5(第3工程)において、この弾塑性特性が設定された詳細解析モデルM1(図10参照)を使用し、ステップS3で選定されたモード形状を再現するための静解析を行う。例えば、管群全体に水平方向の荷重(慣性加速度)を左右させる等の全数モデルで静的な弾塑性解析を実施し、当該固有モードの形状を模擬することが行われる(図10参照)。
次に、ステップS6(第4工程)において、ステップS5の静解析を行った結果に基づいて、固有モードの形状を模擬した際の図11に示すような管群(Uベンド部10)に作用する荷重変位特性(荷重と最大変位q、最大ひずみδの関係)を取得する。ここで、図11中のkが一次剛性(弾性剛性)、kが二次剛性(塑性剛性)、そしてδが降伏変形をそれぞれ示している。
次に、ステップS7(第5工程)において、ステップS3で特定した固有モードのモード質量と、ステップS6で取得した荷重変位特性から図12に示すような1自由度系の簡易モデルM2を作成する。図12中のmはモード質量、Kは図11中のk1(弾性剛性)又はk2(塑性剛性)をそれぞれ示している。
そして、ステップS8(第5工程)において、前記簡易モデルM2に対して地震加速度を与える地震波時刻歴応答解析を行い、図13に示すような応答波形を得る。
次いで、ステップS9(第6工程)において、ステップS8で取得した図13に示す応答波形を用いて、終局耐力評価を実施する。ここで、応答変位からひずみ量への変換は、ステップS6で取得した変位−ひずみの関係を用いる。終局耐力評価の一例として、図14は、図13に示す応答波形をひずみ量へ変換した時刻歴波形を、レインフロー法等によって、疲労評価線図にプロットしたものである。図14は、横軸を応力繰り返し数Nとし、縦軸に応力範囲Δσ(MPa)として示した図である。このような図14に示す疲労評価結果に基づいて、Uベンド部の終局耐力評価を行うことができる。
次に、上述した蒸気発生器の耐震評価方法の作用について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の蒸気発生器の耐震評価方法では、図2に示すように、Uベンド部10の構成部品モデルを使用し、図面データの配列情報に基づいてUベンド部10の構成部品全体の図8に示す詳細解析モデルM(すなわち全数モデル)を作成し、この詳細解析モデルMを用いて固有値解析を行い、評価対象となる固有モードを特定するとともに、前記詳細解析モデルMに弾塑性の特性を設定して評価対象となる固有モードの形状を再現する静解析を行って荷重変位特性を取得し、前記固有モードのモード質量と荷重変位特性とから1自由度系の図12に示す簡易モデルM2を作成することができる。そして、この簡易モデルM2に対して地震波時刻歴応答解析を行って得た応答波形により、終局耐力評価を行うことができる。
そのため、本実施の形態の耐震評価方法では、弾塑性を考慮した耐震評価を行うことで、塑性化による応力の低減を期待できるうえ、局所的に発生する応力に対しても耐力評価を行うことが可能となるので、従来のようにUベンド部の多数の構成部品数を大幅に減らした簡易集約モデルを使用して地震波時刻歴応答解析を行う評価方法に比べて、精度の高い評価を行うことができる。したがって、従来の評価方法に比べて耐震裕度を見込むことが可能となる。
また、図面データに基づいて構成部品モデルを規則的に配列することで、Uベンド部10の詳細解析モデルMを簡単に、かつ短時間で作成することができる。このように、本実施の形態では、試験結果や計測結果に依存しない評価方法となり、設計図面等の図面データの情報のみを使用して評価することができることから、精度よく、かつ簡易な評価方法を実現することができる。
しかも、前記詳細解析モデルM(全数モデル)に基づく弾塑性解析を考慮した簡易モデルM2を作成し、この簡易モデルM2に対して地震波時刻歴応答解析を行う方法となることから、全数モデルに対して地震波応答時刻歴解析を行うといった多大な時間をかける必要がなくなり、耐震評価にかかる時間と手間を低減することができる。
上述した本実施の形態による蒸気発生器の耐震評価方法では、簡単、かつ短時間で弾塑性を考慮した精度の高い耐震評価を行うことができ、評価手法の精緻化を図ることができる。
以上、本発明による蒸気発生器の耐震評価方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、Uベンド部10の構成部品として、伝熱管15、振止部材12、保持部材13、及びブリッジ14の4種を採用しているが、これらに限定されることはなく、これら4種のうちいずれかでも、或いはこれら4種に加えて他の構成部材の部品モデルを用いることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
1 蒸気発生器
10 Uベンド部
11 熱交換器本体
12 振止部材
12A 振止部材モデル
12B 振止部材詳細解析モデル
13 保持部材
13A 保持部材モデル
13B 保持部材詳細解析モデル
14 ブリッジ
14A ブリッジモデル
14B ブリッジ詳細解析モデル
15 伝熱管
15A 伝熱管モデル
15B 伝熱管詳細解析モデル
20 熱交換器
23 管支持板
M 詳細解析モデル
M1 弾塑性特性が設定された詳細解析モデル
M2 簡易モデル

Claims (2)

  1. 蒸気発生器のUベンド部の耐震性を評価するための蒸気発生器の耐震評価方法であって、
    コンピュータが、前記Uベンド部の構成部品をモデル化した構成部品モデルを前記Uベンド部の図面データに基づいて組み合わせ、前記Uベンド部の詳細解析モデルを作成する第1工程と、
    前記コンピュータが、前記詳細解析モデルで固有値解析を行い、前記Uベンド部のモード情報を取得するとともに、当該モード情報に基づいて地震波応答スペクトルにおいて応答が大きくなる周波数領域の固有モードを特定する第2工程と、
    前記コンピュータが、前記詳細解析モデルに弾塑性の特性を設定し、この詳細解析モデルを使用し、前記第2工程で選定されたモード形状を再現する静解析を行う第3工程と、
    前記コンピュータが、前記第3工程で求めた静解析結果から前記Uベンド部に作用する荷重変位特性を取得する第4工程と、
    前記コンピュータが、前記第2工程で特定した固有モードのモード質量と、前記第4工程で取得した荷重変位特性とから1自由度系の簡易モデルを作成し、地震波時刻歴応答解析を行って応答波形を得る第5工程と、
    前記コンピュータが、前記第5工程で取得した前記応答波形を用いて、終局耐力評価を行う第6工程と、
    実行することを特徴とする蒸気発生器の耐震評価方法。
  2. 前記コンピュータは、前記第4工程において、前記荷重変位特性と共に変位−ひずみの関係を取得し、
    前記第6工程における前記応答変位からひずみ量への変換は、前記第4工程で取得した変位−ひずみの関係を用いることを特徴とする請求項1に記載の蒸気発生器の耐震評価方法。
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