JP6747957B2 - 制振構造の解析方法 - Google Patents

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Description

本開示は、流体中に配置される管群が有する制振構造の解析方法に関する。
蒸気発生器のような熱交換器に用いられる伝熱管群では、管外を流れる流体によって管が大きく振動することを防止するために、各管の隙間に振れ止め金具を設置して管の振動を抑制する制振構造が採用されている。近年、この種の管群では、U字管のようなUベンド部を有する管群において、流体の流れ方向に沿って、流力弾性振動のような自励振動現象が発生する可能性が指摘されている。U字管は、各管の隙間に配置された振止め部材(振動抑制部材)で支持されており、このような流れ方向に沿った振動現象は、管と振れ止め部材との間の摩擦力によって抑制されている。このような摩擦力は、管と振れ止め部材との隙間の大きさと密接な関係があることから、自励振動を抑制するためには適切な摩擦力が生じるように構造設計を行う必要がある。
ところで、実際の構造物では、伝熱管や振れ止め金具のような各部材には、サイズのバラつきやねじれ、そり等の製作公差が含まれるため、設計内容との間に少なからず誤差が生じるのが一般的である。例えば特許文献1は、設計対象となる構造物の組立時における寸法公差を所定範囲内とするために、各構成部品の公差を解析及び検証する公差解析計算システムを開示している。具体的には、この文献では、各構成部品の寸法公差について分散又は偏差を求め、これらに基づいて設計仕様値に対する要求品質を満足するために適切な公差を検証できるとされている。
特開2009−146162号公報
実際の構造物が有する誤差は許容範囲内であれば実質的に問題とならないが、上述の蒸気発生器に採用された制振構造では、仮に誤差による意図しない隙間が存在すると、蒸気発生器運転時の内部流体力によって、伝熱管又は振れ止め部材が大きく振動する要因となってしまうため、より厳しい設計が要求される。特に、このような振動によって部材間に摩擦や接触が生じると、部材破損のような事態に進展するおそれがある。上記特許文献では一般的な構造物に対する解析方法が記載されているものの、このように複雑な挙動を有する流体中に配置された制振構造について、精度よく誤差評価を行うことが難しく、新たな解析手法が望まれる。
本発明の少なくとも一つの実施形態は上記事情に鑑みなされたものであり、流体中に配置される制振構造について誤差要因を考慮しながら精度のよい構造解析を実施可能な制振構造の解析方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも1実施形態に係る制振構造の解析方法は上記課題を解決するために、流体中に配置された管群が、前記管群に含まれる各管の隙間に配置された振動抑制部材により支持されてなる制振構造の解析方法であって、
前記制振構造に対応するFEMモデルを作成するモデル作成工程と、
前記FEMモデルに含まれる要素に関するパラメータに対して、誤差パラメータを設定する誤差設定工程と、
前記誤差パラメータが設定された前記FEMモデルを用いて有限要素法による構造解析を行う解析工程と、を備えることを特徴とする。
上記(1)の方法では、解析対象となる制振構造をFEMモデルで表現し、有限要素法を用いて構造解析を行う。その際、FEMモデルに含まれる要素に関するパラメータに対して誤差パラメータを設定することにより、流体中に配置される制振構造について誤差要因を考慮した精度のよい構造解析が可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、前記モデル作成工程では、
前記管群に対応する第1の要素と、
前記振動抑制部材に対応する一次元要素を含む第2の要素と、
前記管群及び前記振動抑制部材間のギャップ量に対応する第3の要素と、
を含むように、前記FEMモデルが作成されることを特徴とする。
上記(2)の方法では、解析対象である制振構造は、第1乃至第3の要素によって表現される。このように制振構造に対応するFEMモデルが限られた変数パラメータによって効率的に構築できるので、演算負担を軽減しながらも精度のよい構造解析が可能となる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の方法において、前記第1の要素は、前記管群に含まれる各管に対応するように延在する複数の第1の一次元要素を含み、
前記第2の要素は、前記振動抑制部材に対応するように延在する第2の一次元要素を含み、
前記第3の要素は、前記第1の一次元要素及び前記第2の一次元要素間の最短距離を示すギャップ要素を含むことを特徴とする。
上記(3)の方法では、第1及び第2の要素を一次元要素で表現するとともに、第3の要素をこれらの間に配置されるギャップ要素で表現することで、特にシンプルな構成を有するFEMモデルを構築できる。このようなFEMモデルは変数パラメータが効率的に削減されているため、演算負担が少なく、高速な演算処理にも対応可能である。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)または(3)の方法において、前記解析工程では、
前記ギャップ量が所定値を下回った場合に、干渉量が増加するに従って、前記第1の一次元要素が前記第2の一次元要素から受ける押付力が大きくなるように設定された荷重条件が課されることを特徴とする。
上記(4)の方法では、FEMモデルの一要素(第3の要素)として設定されるギャップ量は、実際の制振構造において管と振動抑制部材との間の隙間量に対応する。そのため、ギャップ量が所定値を超えた場合に、ギャップ量が増加するに従って、第1の一次元要素が前記第2の一次元要素から受ける押付力が大きくなるように荷重条件が課すことで、管と振動抑制部材とが接触した場合に互いに押付力が作用する振る舞いを、演算解析上で適切に模擬することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)の方法において、前記第1の要素は、前記管群に含まれる各管に対応するように延在する複数の第1の一次元要素を含み、
前記第2の要素は、前記振動抑制部材の長手方向に沿って延在する第2の一次元要素と、前記振動抑制部材の幅方向に沿って延在する第3の一次元要素と、を含み、
前記第3の要素は、前記第3の一次元要素の両端と前記第1の一次元要素との間の最短距離を示す一対のギャップ要素を含むことを特徴とする。
上記(5)の方法では、振動抑制部材に対応する第2の要素が第2及び第3の一次元要素によって二次元的に表現されるとともに、第3の一次元要素の両端との間に第3の要素として一対のギャップ要素が設けられる。これにより、管群に対する振動抑制部材の捩れのような高次元的振る舞いが、より現実に近い振る舞いとして再現でき、より高精度な構造解析が可能となる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の方法において、前記誤差パラメータは乱数を含むことを特徴とする。
上記(6)の方法によれば、誤差パラメータが乱数を含むことにより、誤差パラメータが設定されるパラメータが有する誤差をランダム化できる。一般的に、実際の構成部材が有する誤差は統計的に均一であるため、このように誤差パラメータを設定することで現実の制振構造が有する誤差を的確に再現し、精度のよい解析ができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の方法において、前記誤差パラメータは、前記制振構造に対する実測データに基づいて設定されることを特徴とする。
上記(7)の方法によれば、誤差パラメータは、制振構造に対する実測データに基づいて設定される。そのため、仮に現実の構造物が何らかの要因によって統計的に不均一な誤差を有する場合であっても、実測データに基づいて誤差パラメータを設定することで、適切な解析が可能となる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の方法において、前記誤差パラメータは、前記管群に含まれる管の外径、板厚及びそり、並びに、前記振動抑制部材の板厚及びそりの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
上記(8)の方法によれば、この種の制振構造で解析結果に影響を与えやすいこれらのパラメータを誤差パラメータとして設定することで、より現実の構造物に近い挙動を模擬することができ、精度のよい解析が可能となる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の方法において、前記管群に含まれる各管は、前記流体の入口側に位置する第1直管部と、前記流体の出口側に位置する第2直管部と、前記第1直管部と前記第2直管部との間に位置する曲り部と、をそれぞれ有し、
前記第1直管部及び前記第2直管部は、前記管群を支持するための管支持板に形成された複数の貫通孔に挿通されており、
前記解析工程では、前記貫通孔における前記第1直管部及び前記第2直管部の挿通位置の偏心量を前記誤差パラメータに含めることにより前記構造解析を行うことを特徴とする。
上記(9)の方法では、管群と振動抑制部材から成る制振構造のFEMモデルを用いて有限要素法により構造解析を行う際に、管群を支持するための管支持板に形成された複数の貫通孔に各管の直管部が挿通されている構造を考慮して構造解析を行う。また、上記(9)の方法では、当該貫通孔における直管部の挿通位置の偏心量を誤差パラメータに含めることにより上記構造解析を行う。
従って、上記(9)の方法によれば、当該貫通孔における直管部の挿通位置の偏心量に起因して、各管の直管部に連接する各管の曲がり部が振動抑制部材に加える接触荷重が増減する場合、当該接触荷重の増減を考慮して、上記構造解析を行うことが可能となる。また、上記(9)の方法によれば、当該貫通孔における直管部の挿通位置の偏心量の誤差によるバラつきを考慮して、上記構造解析を行うことが可能となる。
以上より、本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、流体中に配置される制振構造について誤差要因を考慮しながら精度のよい構造解析を実施可能な制振構造の解析方法を提供できる。
一実施形態に係る伝熱管群のUベンド部の斜視図である。 振止め部材による支持構造の一例を面内方向から見た図である。 振止め部材による支持構造の一例を面外方向から見た図である。 一実施形態に係る構造解析方法を実行するためのコンピュータ装置を示す図である。 図4Aに示すコンピュータ装置の演算部の内部構成を示す図である。 一実施形態に係る構造解析方法の実行手順を示すフローチャートである。 2つの振止め部材の間において伝熱管が摩擦力によって支持される制振構造を一次元要素とギャップ要素で表す図である。 図1に示すUベンド部を有する伝熱管群全体を有限要素法でモデル化した際のイメージを視覚的に示す図である。 製造公差分布の一例を示す図である。 伝熱管と振止め部材の製造時に生じ得る複数種類の製造公差を示す図である。 ギャップ量に応じて一次元要素間に作用する押付力が増加する様子を示すグラフである。 振止め部材の厚み方向に生じる捩じれ量を示す図である。 2つの振止め部材の間において伝熱管が摩擦力によって支持される制振構造を一次元要素とギャップ要素で表す図である。 管支持板に設けた貫通孔に挿通された伝熱管直管部の偏心量を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態に係る制振構造の解析方法について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。本発明の幾つかの実施形態に係る制振構造の解析方法は、流体中に配置された複数の管が流体力に抗して支持部材との摩擦力によって支持されて成る管群構造であれば、どのような管群構造であっても適用対象とすることが可能である。以下、本発明の幾つかの実施形態に係る制振構造の解析方法の適用対象となり得る管群構造の一例として、図1〜図3に示す伝熱管群の構造について説明する。続いて、当該制振構造の解析方法の処理内容について図4乃至図12を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る伝熱管群10のUベンド部10aの斜視図を示す。図2は、伝熱管群10を、図1の面内方向D2(図1の列方向d2)から見た側面図であり、図3は、伝熱管群10を、図1の面外方向D1(図1の列方向d1)から見た側面図である。なお、図1においては、図面の見やすさを考慮して一部の構成部材を省略して記載している。図1において当該省略された構成部材の一部は、図1における伝熱管群10を側面から見た図2および図3において示されている。
幾つかの実施形態において、伝熱管群10は、複数の伝熱管3と、複数の伝熱管3が挿通される管支持板7と、を備えており、複数の伝熱管3内を流れる流体との熱交換によって蒸気を生成するように構成される。複数の伝熱管3は、それぞれ、流体の入口側に位置する第1直管部4と、流体の出口側に位置する第2直管部5と、第1直管部4と第2直管部5との間に位置する曲り部6と、を有している。管支持板7には、第1直管部4及び第2直管部5が挿通される複数の貫通孔が形成されている。なお、第1直管部4及び第2直管部5を挿通させるために管支持板7に設けられる貫通孔については、図13を参照しながら詳しく後述する。
伝熱管群10は、U字形状の曲り部6をそれぞれ有する複数の伝熱管3により構成される。複数の伝熱管3の曲り部6によってUベンド部10aが形成される。図1に示す構造においては、曲り部6の半径方向における外側(図1における上側)に向かうに従って曲り部6の曲率半径が大きな伝熱管3が互いに曲率中心を共有する形で同一平面に沿って(面内方向D2に沿って)配列される(図1の管列8)。図3は、このように伝熱管3が面内方向D2に沿って配列された管列8が複数列存在し、これら複数の管列8が、曲り部6を含む平面に直交する方向(図1の面外方向D1)において並んでいる様子を示す。
図1および図3に示すように、複数の管列8のそれぞれにおいて最外周側に位置する伝熱管3の曲り部6の曲率半径は、各管列8の面外方向D1における位置に応じて異なる。このように複数の管列8を面外方向D1に重ねながら曲り部6の曲率半径を変化させることで、伝熱管群10の上端部において半球形状のUベンド部10aが形成される。その結果、図1に示すように、曲率半径の異なる複数の曲り部6a,6a,6a,…が面内方向D2に沿って並び、曲率半径の同一な複数の曲り部6a,6b,6c,…が面外方向D1に沿って並ぶように配列される。
尚、本実施形態では伝熱管群10を構成する各伝熱管3がこのような正方配列をなす場合について例示しているが、例えば、曲率半径が同一な複数の曲がり部が一列おきに配列される三角配列のような他の配列をなす場合においても、本願の技術的思想を適用可能である。
伝熱管群10においては、振止め部材12が、曲り部6を含む平面に直交する面外方向D1において、隣接する伝熱管3の曲り部6の間に挿入され、面外方向D1への複数の伝熱管3(曲り部6)の動きを規制している。例えば、図1においては、面外方向D1において並ぶ各々の管列8の両側に、面内方向D2に沿って複数の振止め部材12が挿入され、各管列8に属する複数の伝熱管3の曲り部6の面外方向D1への動きを規制している。
図1に示すように、第1保持部材11は、Uベンド部10aの外周、すなわち、Uベンド部10aの半球状の外周に沿って取り付けられた円弧状の棒状部材である。上述した振止め部材12は、第1保持部材11からUベンド部10aの半球形状の径方向における内側に向かって延在している。振止め部材12の端部12aには、図1に示すように第1保持部材11が溶接されて、複数の振止め部材12の端部12aを連結している。第1保持部材11は、複数の伝熱管3が面内方向D2に沿って重ねられる管列8と直交しながらUベンド部10aの半球面に沿って延在している。
図2および図3に示すように、複数の第1保持部材11は、第2保持部材(ブリッジ)14によって連結されていてもよい。第2保持部材14は、Uベンド部10aの外周、すなわち、Uベンド部10aの半球状の外周に沿って配置された、円弧形状かつ板状の部材である。第2保持部材14は、Uベンド部10aにおいて伝熱管3の曲り部6が延在する方向に沿って延在している。第2保持部材14は、面外方向D1において並ぶように複数配置されていてもよい。
伝熱管群10では、面外方向において、隣接する伝熱管3の曲り部6の間に挿入される振止め部材12が、面外方向D1への複数の伝熱管3(曲り部6)の動きを規制しているので、面外方向D1に作用する加振力に対しては、伝熱管3の曲がり部6のうち振止め部材12と隣接する振止め部材12の間の区間のみが加振されるにとどまる。しかしながら、曲り部6を含む平面に沿った面内方向D2に配列された一連の伝熱管3(図1の管列8)は、両側の振止め部材12とは接続されておらず、両側の振止め部材12との間の摩擦力によってのみ規制されている。その結果、各伝熱管3が振動する方向は面内方向D2とほぼ一致し、各伝熱管3が隣接する振止め部材12と衝突することにより受ける接触荷重も主として面内方向D2の摩擦力である。
例示的な一実施形態では、図1〜図3を用いて上述した伝熱管群10は、加圧水型(PWR)原子力発電設備において、1次冷却水と2次冷却水の間で熱交換を行うための蒸気発生器の伝熱管群として構成されてもよい。その場合、当該2次冷却水は、図1に示す面外方向D1と面内方向D2に直交する流れ方向Gに沿ってUベンド部10aの真下から真上に流れることにより、伝熱管3内を流れる1次冷却水との間で熱交換を行う。そのため、当該2次冷却水の流れは、Uベンド部10aの最上部において伝熱管3の曲り部6に直交する直交流となる。以上より、本発明の幾つかの実施形態に係る制振構造の解析方法は、図1の流れ方向Gに沿って流れる2次冷却水の流れが励振力として作用する場合に、伝熱管群10の自励振動を抑制するのに充分な制振力が伝熱管群10内で達成されているか否かを事前に評価するために実施されてもよい。
以上のように、伝熱管群10が加圧水型原子炉に備えられる蒸気発生器を構成する場合を例として説明するならば、原子炉から供給される一次冷却水を流す伝熱管3を並列配置して伝熱管群10とし、この伝熱管群10の伝熱面の外表面に二次冷却水を流して熱交換している。この蒸気発生器においては、例えば、熱交換を効率化するために伝熱管をより密に配置する場合があり、その場合二次冷却水の流れる伝熱管同士の隙間が小さくなるため、結果的に二次冷却水の流速が上昇する場合がある。この流速がある限界流速を超えると、伝熱管群10に自励振動が生じる場合がある。当該自励振動は、伝熱管群10の動きと流体流れが相互に影響しあう構造的な不安定挙動であり、時間の経過に伴って振動振幅が増大し、伝熱管群10の損傷に至る大きな問題である。
そこで、上述した蒸気発生器における伝熱管群が自励振動を起こすのを防止するため、下端部が管支持板7により支持された複数の伝熱管3は、上部のUベンド部10aにて、複数の振止め部材12が挿入されて支持される構造となっている。つまり、蒸気発生器のUベンド部10aにて、同一平面に沿って配置された複数の伝熱管3から成る管列8は、その間に振止め部材12が挿入されて支持されている。この場合、振止め部材12と伝熱管3の曲り部6との間に作用する接触荷重は、二次冷却水の流体力により生じる自励振動のエネルギーを減衰させる制振力として働くが、伝熱管群10内において、自励振動抑制に必要な制振力が達成されているかを事前に評価することは有益である。例えば、図1に示す伝熱管群10を組み上げた状態で、振止め部材12と伝熱管3の曲り部6との間に干渉量が存在するならば、当該干渉量に応じて振止め部材12と曲り部6に曲げ荷重もしくは圧縮荷重が生じ、これらの荷重によって曲り部6が振止め部材12から押付力を受ける。従って、伝熱管群10を組み上げた状態で、振止め部材12と曲り部6との間に実現されている当該押付力が、伝熱管群10の自励振動を抑制するために必要十分であるか否かを事前に評価することは有益である。
なお、以下に述べる一部の実施形態では、制振力の評価は、専ら伝熱管群10のUベンド部10aを構成する各伝熱管3の曲り部6を対象として行われる。従って、以下の一部の実施形態においては、伝熱管群10のUベンド部10aを指して単に伝熱管群10と呼び、各伝熱管3の曲り部6を指して単に伝熱管6または管6と呼ぶ。
次に、本発明の幾つかの実施形態に係る制振構造の解析方法と当該制振構造の解析方法を実施するためのコンピュータ装置について図4〜図6を参照しながら説明する。図4Aは、幾つかの実施形態に係る制振構造の解析方法を実施するためのコンピュータ装置20の全体構成を示す図である。コンピュータ装置20は、演算部21、記憶部22、出力部23および入力部24を含んで構成される。例示的な一実施形態では、演算部21は、記憶部22に記憶されたプログラム22aを読み込んで実行することにより、流体中に振止め部材12に支持されて配置される伝熱管群10の自励振動を評価するための制振構造の解析方法を実行する演算回路として構成されてもよい。また、この実施形態では、当該制振構造の解析方法の実行に際して演算部21が読み書きする必要のあるデータは記憶部22内においてデータ22bとして記憶されてもよい。
また、出力部23は、演算部21による演算結果や記憶部22に記憶されているデータ22bの一部を利用者に提示するための出力装置である。例示的な一実施形態では、出力部23は、ディスプレイ装置などの画面表示手段を出力手段として備えるものであってもよい。また、入力部24は、利用者が操作することによって演算部21に各種情報やパラメータ類を表す外部データを入力するための入力装置である。例示的な一実施形態では、入力部24は、キーボードやマウスなどを入力手段として備えるものであってもよい。
図4Bは、コンピュータ装置20が備える演算部21の内部構成を示す図である。図4Bを参照すると、演算部21は、FEMモデル作成部211、誤差パラメータ設定部212および解析部213を含んで構成される。一例においては、演算部21は、汎用プロセッサにより実現されてもよい。その場合、FEMモデル作成部211、誤差パラメータ設定部212および解析部213は、演算部21が記憶部22からプログラム22aを読み込むことにより演算部21内に生成されるプログラム・モジュールとして実現されてもよい。
FEMモデル作成部211は、伝熱管群10の制振構造に対応するFEMモデルを作成する。誤差パラメータ設定部212は、FEMモデル作成部211が作成したFEMモデルに含まれる要素に関するパラメータに対して、誤差パラメータを設定する。解析部213は、誤差パラメータ設定部212により誤差パラメータが設定された上記FEMモデルを用いて有限要素法による構造解析を行う。以下、FEMモデル作成部211、誤差パラメータ設定部212および解析部213が実行する詳細な動作を図5に示すフローチャートに沿って説明する。
図5に示すフローチャートの実行は、ステップS1から開始する。図5のステップS1において、FEMモデル作成部211は、伝熱管群10の制振構造に対応するFEMモデルを作成する。具体的には、各々の伝熱管6と各々の振止め部材12との間の接触面は、各々の伝熱管6と各々の振止め部材12との間の隙間量(ギャップ量)を含む片当たりの接触要素を用いてモデル化される。一例として、図6に示す例示的な一実施形態では、FEMモデル作成部211は、ステップS11において、伝熱管群10を構成する複数の伝熱管6の各々に対応する第1の要素53を含むように、当該FEMモデルを作成するようにしてもよい。また、FEMモデル作成部211は、ステップS12において、振止め部材12に対応する一次元要素を含む第2の要素50を含むように、当該FEMモデルを作成するようにしてもよい。また、FEMモデル作成部211は、ステップS13において、伝熱管6と振止め部材12との間のギャップ量(隙間量)に対応する第3の要素62を含むように、当該FEMモデルを作成するようにしてもよい。
図6に示す例のように、第1の要素53は、伝熱管群10に含まれる各伝熱管6(1)〜6(3)に対応するように延在する複数の第1の一次元要素53A〜53Cを含むようにしてもよい。具体的には、第1の一次元要素53A〜53Cは、伝熱管6(1)〜6(3)の円形断面の中心をそれぞれ通り、伝熱管6(1)〜6(3)の長さ方向に沿ってそれぞれ延伸する一次元要素としてモデル化されてもよい。また、図6に示す例のように、第2の要素50は、振止め部材12(1)と12(2)に対応するように延在する第2の一次元要素50Aおよび50Bを含むようにしてもよい。具体的には、第2の一次元要素50Aおよび50Bは、振止め部材12(1)および12(2)の幅方向における中央部をそれぞれ通り、振止め部材12(1)および12(2)の長さ方向に沿ってそれぞれ延伸する一次元要素としてモデル化されてもよい。
また、図6に示す例のように、第3の要素62は、第2の一次元要素50Aおよび50Bと第1の一次元要素53Bおよび53Cとの間の最短距離を示すギャップ要素62A〜62Dを含むようにしてもよい。ここで、図6には、第1の一次元要素53B〜53Cと第2の一次元要素50Aおよび50Bとの間の4箇所のギャップに対応する4つのギャップ要素62A〜62Dが示されている。より具体的には、ギャップ要素62A〜62Dは、以下のように定義される。
図6に示す例おいて、第2の一次元要素50(50Aおよび50B)と第1の一次元要素53(53Bおよび53C)とは、互いに直交する方向に沿って延伸している。ここで、伝熱管6(6(1)〜6(3))と振止め部材12(12(1),12(2))との間の接触面に垂直な方向から第2の一次元要素50(50Aおよび50B)と第1の一次元要素53(53Bおよび53C)を見た場合を考える。そのとき、第2の一次元要素50(50Aおよび50B)と第1の一次元要素53(53Bおよび53C)とが交わる点において第2の一次元要素50(50Aおよび50B)と第1の一次元要素53(53Bおよび53C)との間の距離が最短距離となる。そして、図6に示すように、第2の一次元要素50(50Aおよび50B)と第1の一次元要素53(53Bおよび53C)との間のこの最短距離をギャップ要素62A〜62Dとしてモデル化する。要するに、ギャップ要素62A〜62Dは、複数の伝熱管6の各々と複数の振止め部材12の各々との間の隙間量をモデル化したものである。
以上のようにして、伝熱管群10を構成する全ての伝熱管6と振止め部材12を一次元要素53および50としてモデル化し、さらに、伝熱管群10内において伝熱管6と振止め部材12との間を隔てる全てのギャップ量をギャップ要素62としてモデル化する。その結果、伝熱管群10の全体構造をFEMモデルによって視覚的に表したイメージが図7に示すように得られる。
続いて、図5に示すフローチャートの実行は、ステップS2に進み、誤差パラメータ設定部212は、FEMモデル作成部211が作成したFEMモデルに含まれる要素に関するパラメータに対して、誤差パラメータεを設定する。具体的には、まず、ステップS21において、誤差パラメータ設定部212は、複数の伝熱管6の各々と複数の振止め部材12の各々の製造公差分布に基づいて誤差パラメータεの確率分布を図8に示すように設定する。一例においては、誤差パラメータεは、製造公差分布に基づいて決定された確率分布に従って分布する乱数を含んでいてもよい。また、代替的な実施形態においては、誤差パラメータは、伝熱管群10の制振構造に対する実測データに基づいて設定されるようにしてもよい。
続いて、ステップS22において、複数の伝熱管6の各々と複数の振止め部材12の各々との間の隙間量をモデル化したFEMモデルに対し、図8に示すような確率分布に従って分布する誤差パラメータεを反映して公差を付与する。例えば、図6に示す例においては、ギャップ要素62A〜62Dに対して、当該製造公差分布に従って分布する誤差パラメータεを反映して公差を付与する。図6に示す例においては、ギャップ要素62A〜62Dは、伝熱管6(1)〜6(3)に対応する第1の一次元要素53A〜53Cと振止め部材12(1)および12(2)に対応する第2の一次元要素50Aおよび50Bとの間の最短距離に対応するFEMモデルである。
例示的な一実施形態では、図9に示すように、誤差パラメータεは、伝熱管群10に含まれる伝熱管6の外径、板厚及びそり、並びに、振止め部材12の板厚及びそりの少なくとも1つに関して生じる製造公差に基づいていてもよい。つまり、誤差パラメータは、伝熱管6および振止め部材12の製造誤差により、伝熱管6との接触面に直交する振止め部材12の厚みのバラつき、振止め部材12の上記接触面が歪むことによる平面形状からのズレ、伝熱管6の断面形状における外径のバラつき、および伝熱管6が長さ方向にうねることによる伝熱管6の長さ方向に沿った設計形状からのズレのいずれか一つ以上に対応する。図9は、伝熱管群10に含まれる伝熱管6の外径、板厚及びそり、並びに、振止め部材12の板厚及びそりについての製造公差を図示している。
尚、本願明細書で言及する種類の製造公差は一例に過ぎず、他の種類の製造公差についても同様の思想に基づいて誤差パラメータεを設定してもよい。
例えば、振止め部材12が伝熱管6と接触する接触面に直交する方向に沿った振止め部材12の寸法を厚みとするならば、図9(A)は、振止め部材12の厚みに関する設計寸法である正規厚みに対して製造公差により加わる誤差を示している。従って、振止め部材12の実際の厚みが製造公差により設計寸法よりも大きくなれば、振止め部材12と伝熱管6との間の隙間量は設計寸法より小さくなる。逆に、止め部材12の実際の厚みが製造公差により設計寸法よりも小さくなれば、振止め部材12と伝熱管6との間の隙間量は設計寸法より大きくなる。
また、図9(B)は、厚み方向に平坦となるように設計されている振止め部材12が厚み方向に反り返ることにより、振止め部材12が製造公差により平坦な状態からズレた量(反り返り量)に相当する誤差を表している。従って、振止め部材12が製造公差により厚み方向において平坦でなくなることにより、振止め部材12の厚み方向の反り返り量に応じて、振止め部材12と伝熱管6との間の隙間量は設計寸法より大きくなったり小さくなったりする。
また、図9(C)は、2つの振止め部材12の間に配置され、断面が円形となるように設計されている伝熱管6の外径が製造公差によって均一とならないことによる誤差を表す。つまり、断面が円形となるように設計されている伝熱管6の外径は、伝熱管6の全周にわたって均一でなければならないはずである。しかしながら、実際には、伝熱管6において、製造公差によって相対的に大きな外径を有する位相部分と相対的に小さな外径を有する位相部分が生じ、伝熱管6の断面は楕円形となってしまう。例えば、図9(C)に示すように、伝熱管6において、振止め部材12との接触面に垂直な方向の外径が接触面に並行な方向の内径よりも大きくなる場合が生じ得る。その結果、振止め部材12と伝熱管6との間の隙間量は設計寸法より小さくなる。
図9(D)は、製造公差により、伝熱管6が長さ方向にうねることにより、伝熱管6の長さ方向に沿って伝熱管6の長さ方向形状が設計形状からズレている状態を示す。伝熱管6の長さ方向形状における上記ズレが伝熱管6と振止め部材12との間の隙間量に対して誤差として作用することにより、振止め部材12と伝熱管6との間の隙間量が設計寸法より大きくなったり小さくなったりする。以上のようにして、誤差パラメータ設定部212は、複数の伝熱管6の各々と複数の振止め部材12の各々との間の隙間量を表すFEMモデルに対し、図9を用いて例示したような誤差パラメータεを反映して公差を付与する。
続いて、図5に示すフローチャートの実行は、ステップS3に進み、解析部213は、誤差パラメータ設定部212により誤差パラメータεが設定された上記FEMモデル(第1の一次元要素53、第2の一次元要素50およびギャップ要素62)を用いて有限要素法による構造解析を行う。図5に示すステップS31において、解析部213は、図6に示すギャップ要素62A〜62Dが表すギャップ量に対して、以下において後述する荷重条件を設定する。例えば、図6に示す例においては、この荷重条件は、ギャップ要素62A〜62Dが表すギャップ量が所定値を下回った場合に、当該干渉量が増加するに従って、第1の一次元要素53が第2の一次元要素50から受ける押付力が大きくなるように設定された荷重条件である。ここで、ギャップ要素62A〜62Dが表すギャップ量は、寸法設計時における伝熱管6と振止め部材12との間の初期隙間量を例えばゼロで表し、振止め部材12との接触面に対向する伝熱管6の側端が振止め部材12の接触面に近づくにつれて減少する量である。
尚、初期隙間量は必ずしもゼロである必要はなく、例えば、初期隙間量がプラス値を有するように設定してもよい。
つまり、ギャップ要素62A〜62Dに対して課される荷重条件は、ギャップ要素62A〜62Dが表す干渉量の増加に応じて、第1の一次元要素53(53A〜53C)が第2の一次元要素50(50A,50B)から受ける押付力が図10に示す折れ線グラフのように変化する荷重条件である。図10を参照すると、この荷重条件の下では、第1の一次元要素53と第2の一次元要素50との間のギャップ量が、伝熱管6と振止め部材12との間の物理的な隙間量が発生している間は、第1の一次元要素53が第2の一次元要素50から受ける押付力はゼロのまま推移するようになっている。しかしながら、第1の一次元要素53と第2の一次元要素50との間のギャップ量がマイナス方向に増加し、伝熱管6と振止め部材12との間の物理的に干渉している状態になると、当該押付力は、当該ギャップ量が当該物理的な干渉量に比例して増加するようになっている。
ここで、当該ギャップ量が当該物理的な干渉量に比例して当該押付力が増加する場合において、比例定数に対応する図10の直線の傾きは、バネ定数Kによってモデル化される。つまり、当該ギャップ量が当該物理的な干渉量に比例する外力によってバネに与えられる変位量とし、この変位量にバネ定数Kを乗じて得られるバネ荷重が、上記押付力に等しいと仮定している。このようにして、第1の一次元要素53B〜53Cと第2の一次元要素50Aおよび50Bとの間の4箇所のギャップに対応する4つのギャップ要素62A〜62Dに対して上述した荷重条件が設定される。
続いて、図10を用いて上述した荷重条件を伝熱管群10のFEMモデルに設ける意義について説明する。上記荷重条件は、第1の一次元要素53が表す伝熱管6と第2の一次元要素50が表す振止め部材12との間の以下の力学的相互作用をFEMモデルに反映させるものである。伝熱管6と振止め部材12との間の物理的な隙間量をギャップ要素62に対応する干渉量が上回る場合、当該上回る量は、伝熱管6と振止め部材12との間の干渉量に相当する。その結果、伝熱管6と振止め部材12(2)との間の干渉量に応じた圧縮荷重もしくは曲げ荷重が伝熱管6および振止め部材12(2)に発生する。このようにして伝熱管6および振止め部材12(2)に発生した圧縮荷重もしくは曲げ荷重が、伝熱管6と振止め部材12の間に接触荷重を作用させ、流体の流れによって伝熱管群10に生じる振動を抑制するのである。以上のようにして、解析部213がギャップ要素62に対応するギャップ量に対して上述した荷重条件を設定すると、図5のフローチャートの実行はステップS32に進む。
ステップS32では、上記のように誤差パラメータεと荷重条件が設定された伝熱管群10のFEMモデル全体に対して有限要素法解析を実行する。図5のステップS31が終わった直後における第1の一次元要素53と第2の一次元要素50との間の隙間量としてギャップ要素62が表すギャップ量に対してこのような有限要素法解析を実行する意義を説明すると以下のとおりである。すなわち、図5のステップS31が終わった直後における上記ギャップ量は、伝熱管群10を構成する複数の伝熱管6と複数の振止め部材12との間に作用する上述した圧縮荷重もしくは曲げ荷重が伝熱管群10全体にわたって及ぼす相互作用を考慮していない。従って、この有限要素法解析は、伝熱管群10を構成する複数の伝熱管6と複数の振止め部材12との間に作用する上述した圧縮荷重もしくは曲げ荷重が伝熱管群10全体にわたって均衡した状態に収束するまで反復実行される。
以上より、この有限要素法解析を実行した結果、伝熱管群10を構成する複数の伝熱管6と複数の振止め部材12との間に作用する圧縮荷重もしくは曲げ荷重が伝熱管群10全体にわたって均衡した状態が得られる。そして、解析部213は、当該均衡状態において伝熱管6が振止め部材12から受ける押付力を数値解析的に推定することが可能となる。このようにして、解析部213が有限要素法解析を実行し終えると、図5のフローチャートの実行はステップS33に進み、解析部213は、第1の一次元要素53と第2の一次元要素50との間のギャップ量に基づいて、伝熱管6が振止め部材12から受ける押付力の分布を算出する。その結果、伝熱管群10を構成する複数の伝熱管6と複数の振止め部材12との間に作用する押付力が伝熱管群10全体にわたる押付力分布として求まるので、伝熱管群10全体の制振性能を数値解析的に評価することが可能となる。
以上より、図4〜図10を用いて上述した実施形態では、解析対象となる制振構造をFEMモデルで表現し、有限要素法を用いて構造解析を行う。その際、FEMモデルに含まれる要素に関するパラメータに対して誤差パラメータεを設定することにより、流体中に配置される制振構造について誤差要因を考慮した精度のよい構造解析が可能となる。また、この実施形態では、解析対象である制振構造は、第1乃至第3の要素によって表現される。このように制振構造に対応するFEMモデルが限られた変数パラメータによって効率的に構築できるので、演算負担を軽減しながらも精度のよい構造解析が可能となる。
また、この実施形態では、第1及び第2の要素を一次元要素で表現するとともに、第3の要素をこれらの間に配置されるギャップ要素で表現することで、特にシンプルな構成を有するFEMモデルを構築できる。このようなFEMモデルは変数パラメータが効率的に削減されているため、演算負担が少なく、高速な演算処理にも対応可能である。また、この実施形態では、FEMモデルの一要素(第3の要素)として設定されるギャップ量は、実際の制振構造において伝熱管3と振止め部材12との間の隙間量に対応する。そのため、ギャップ量が所定値を下回った場合に、干渉量が増加するに従って、第1の一次元要素が前記第2の一次元要素から受ける押付力が大きくなるように荷重条件を課すことで、伝熱管3と振止め部材12とが接触した場合に互いに押付力が作用する振る舞いを、演算解析上で適切に模擬することができる。
また、この実施形態によれば、誤差パラメータεが乱数を含むことにより、誤差パラメータεが設定されるパラメータが有する誤差をランダム化できる。一般的に、実際の構成部材が有する誤差は統計的に均一であるため、このように誤差パラメータを設定することで現実の制振構造が有する誤差を的確に再現し、精度のよい解析ができる。また、この実施形態によれば、誤差パラメータεは、制振構造に対する実測データに基づいて設定される。そのため、仮に現実の構造物が何らかの要因によって統計的に不均一な誤差を有する場合であっても、実測データに基づいて誤差パラメータを設定することで、適切な解析が可能となる。
また、幾つかの実施形態では、誤差パラメータεは、伝熱管群10に含まれる伝熱管3の外径、板厚及びそり、並びに、振止め部材12の板厚及びそりの少なくとも1つを含む。従って、この実施形態によれば、この種の制振構造で解析結果に影響を与えやすいこれらのパラメータを誤差パラメータとして設定することで、より現実の構造物に近い挙動を模擬することができ、精度のよい解析が可能となる。
また、例示的な一実施形態では、以下において後述するように、振止め部材12を長手方向に直交する断面方向から見た場合に振止め部材12が伝熱管6の延伸方向に対して捩じれ量(図11を参照)を有する点に着目し、この捩じれ量を考慮してFEMモデルを作成するようにしてもよい。なお、振止め部材12が伝熱管6の延伸方向に対して有する上記捩じれ量(図11)は、振止め部材12の製造公差によって生じるものであり、製造公差分布に従ってランダムに分布する製造誤差の一種である。
つまり、実際の伝熱管群10の構造では、振止め部材12が伝熱管3と接触する接触面は、各伝熱管6の長さ方向に沿った幅を有すると共に、伝熱管の長さ方向を基準として図11に例示したような捩じれ量を有している。そのため、振止め部材12が伝熱管6と接触する接触面における幅方向は、各伝熱管6の長さ方向に対して角度オフセットを有する。その結果、上述した捩じれ量を有する振止め部材12の接触面は、接触面の幅方向の一端でのみ伝熱管6と当接している。
以下、この実施形態に従い、伝熱管6と振止め部材12との間の相互作用をモデル化するためのFEMモデルについて図12を参照しながら説明する。図12に示す実施形態では、FEMモデルが、伝熱管群10に含まれる各伝熱管6に対応するように延在する複数の第1の一次元要素53を含む点は、図6を用いて上述した実施形態と同様である。また、図12に示す実施形態では、FEMモデルが、振止め部材12の長手方向に沿って延在する第2の一次元要素50を含む点も、図6を用いて上述した実施形態と同様である。しかしながら、図12に示す実施形態では、振止め部材12の幅方向に沿って延在する第3の一次元要素51をさらに含む点は、図6を用いて上述した実施形態とは異なる。この第3の一次元要素51は、第3の一次元要素72の両端と第1の一次元要素53との間の最短距離を示す一対のギャップ要素72を含む。
そこで、図12に示す実施形態では、振止め部材12を記述するFEMモデル要素は、長手方向に沿って延在する第2の一次元要素50の他に、振止め部材12の幅方向に沿って延在する第3の一次元要素51をさらに含むようにした。加えて、図12に示す実施形態では、各伝熱管6と各振止め部材12との間の隙間量をモデル化するギャップ要素は、上述した第3の一次元要素51の両端と各伝熱管6の長手方向に沿って延在する第1の一次元要素53との間の最短距離を示す一対のギャップ要素72として定義するようにした。
例えば、図12において、伝熱管6(2)の延伸方向に対する振止め部材12(2)の幅方向の角度オフセットに応じた捩じれ量を表すために、振止め部材12(2)の幅方向に沿って延びる第3の一次元要素51Dが設けられている。また、伝熱管6(2)と振止め部材12(2)との間の相互作用を表すために、伝熱管6(2)に対応する第1の一次元要素53Bと振止め部材12(2)に対応する第3の一次元要素51Dとの間に、一対のギャップ要素72Eと72Fが設定されている。同様に、伝熱管6(3)の延伸方向に対する振止め部材12(2)の幅方向の角度オフセットに応じた捩じれ量を表すために、振止め部材12(2)の幅方向に沿って延びる第3の一次元要素51Eが設けられている。また、伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間の相互作用を表すために、伝熱管6(3)に対応する第1の一次元要素53Cと振止め部材12(2)に対応する第3の一次元要素51Eとの間に、一対のギャップ要素72Aと72Bが設定されている。
同様にして、伝熱管6(2)の延伸方向に対する振止め部材12(1)の幅方向の角度オフセットに応じた捩じれ量を表すために、振止め部材12(1)の幅方向に沿って延びる第3の一次元要素51Aが設けられている。また、伝熱管6(2)と振止め部材12(1)との間の相互作用を表すために、伝熱管6(2)に対応する第1の一次元要素53Bと振止め部材12(1)に対応する第3の一次元要素51Aとの間に、一対のギャップ要素72Gと72Hが設定されている。同様に、伝熱管6(3)の延伸方向に対する振止め部材12(1)の幅方向の角度オフセットに応じた捩じれ量を表すために、振止め部材12(1)の幅方向に沿って延びる第3の一次元要素51Cが設けられている。また、伝熱管6(3)と振止め部材12(1)との間の相互作用を表すために、伝熱管6(3)に対応する第1の一次元要素53Cと振止め部材12(1)に対応する第3の一次元要素51Cとの間に、一対のギャップ要素72Cと72Dが設定されている。
ここで、図12において、伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間のギャップ要素72Aにより表される干渉量が伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間の物理的な隙間量を上回る場合を考える。この場合には、振止め部材12(2)の捩じれ荷重に相当する押付力が振止め部材12(2)の幅方向の一端と伝熱管6(3)の接触面との間に作用することになる。同様に、伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間のギャップ要素72Bにより表される干渉量が伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間の物理的な隙間量を上回る場合を考える。この場合には、振止め部材12(2)の捩じれ荷重に相当する押付力が振止め部材12(2)の幅方向の他端と伝熱管6(3)の接触面との間に作用することになる。なお、伝熱管6(2)と振止め部材12(2)の間にも上記と同様の相互作用が働き、伝熱管6(2)および6(3)と振止め部材12(1)の間にも上記と同様の相互作用が働くことは言うまでもない。
従って、伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間の相互作用を表すギャップ要素72Aおよび72Bには、以下のような荷重条件が課されることになる。すなわち、ギャップ要素72Aまたは72Bが表す干渉量が伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間の物理的な隙間量を下回る場合には、振止め部材12(2)と伝熱管6(3)との間の押付力はゼロのまま推移する。他方、当該干渉量が伝熱管6(3)と振止め部材12(2)との間の物理的な隙間量を上回る場合、上述した捩じれ荷重に相当する押付力が振止め部材12(2)の幅方向のいずれかの端部に作用する。従ってこの場合には、ギャップ要素72Aまたは72Bには、当該ギャップ量が当該物理的な隙間量を上回る量に応じたバネ荷重を生じるバネ定数モデルが設定される。なお、ギャップ要素72C〜72Hに対しても、ギャップ要素72Aおよび72Bについて上述した荷重条件と同様の荷重条件が設定される。
以上のようにして、図12に示すFEMモデルは、振止め部材12の接触面は、各々の伝熱管6の長さ方向に沿った幅を有することにより、各々の伝熱管6と面接触可能となる様子が表すようにしている。また、図12に示すFEMモデルは、上記幅を有する振止め部材12の接触面における幅方向が、伝熱管6の長さ方向に対して角度オフセットを有することにより、振止め部材12の接触面は、伝熱管6の長さ方向を基準とする捩じれを有している様子を表すようにしている。従って、図12に示すFEMモデルでは、振止め部材12の接触面は、振止め部材12の捩じれに応じて、上記幅の少なくとも一部において伝熱管6と当接している様子が表されている。その結果、図12に示す実施形態によれば、振止め部材12が接触面の幅方向における一端でのみ管と当接している状態では、振止め部材12の捩じり荷重のみが伝熱管6に作用する構造力学特性をFEMモデルに基づいて適切に模擬することができる。
また、この実施形態では、誤差パラメータ設定部212によってFEMモデルに反映される誤差パラメータεには、誤差パラメータ設定部212によってギャップ72A〜72Hに反映される誤差パラメータεがさらに含まれる。具体的には、ギャップ72A〜72Hに反映される誤差パラメータεは、振止め部材12の接触面が伝熱管3の延伸方向に対して角度オフセットを有する場合に、当該角度オフセットによって生じる振止め部材12の捩じれ量のバラつきを表す公差に対応する。
以上より、この実施形態では、振止め部材12に対応する第2の要素が第2の一次元要素50及び第3の一次元要素51によって二次元的に表現されるとともに、第3の一次元要素51の両端との間に第3の要素として一対のギャップ要素72が設けられる。これにより、伝熱管群10を構成する各伝熱管6に対する振止め部材12の捩れのような高次元的振る舞いが、より現実に近い振る舞いとして再現でき、より高精度な構造解析が可能となる。
また、さらに別の例示的な実施形態では、伝熱管群10に含まれる各伝熱管3は、1次冷却水の入口側に位置する第1直管部4と、1次冷却水の出口側に位置する第2直管部5と、第1直管部4と第2直管部5との間に位置する曲り部6とから構成されるものとして、FEMモデルが作成される。この実施形態では、図13に示すように、第1直管部4及び第2直管部5は、伝熱管群10を支持するための管支持板7に形成された複数の貫通孔9(9(1)〜9(6))に挿通されている。
ここで、図1を用いて上述したように、伝熱管群10における振止め部材12は、曲り部6を含む平面に直交する面外方向D1への複数の伝熱管3の動きを規制するように構成されている。また、図1に示す伝熱管群10では、曲率半径が異なる複数の曲り部6が上記平面に平行な面内方向D2に沿って並び、且つ、曲率半径が同一の複数の曲り部6が面外方向D1に並ぶように、複数の伝熱管3の第1直管部4及び第2直管部5の通過する複数の貫通孔9(9(1)〜9(6))が管支持板7の上面視において規則配列に従って配列されている。
以下、図13を参照しながら、この実施形態について詳しく説明する。この実施形態では、伝熱管3と振止め部材12との間の干渉量のうち、管支持板7の貫通孔9における第1直管部4及び第2直管部5の挿通位置が貫通孔9の中点から偏心することで生じる干渉量をさらに考慮して、伝熱管3と振止め部材12との間に作用する曲げ荷重を評価する。そして、この実施形態では、伝熱管3の挿通位置が貫通孔9の中点から偏心することで生じる干渉量をさらに考慮して評価した曲げ荷重に基づいて、伝熱管3の曲り部6が振止め部材12から受ける押付力を評価する。
例えば、図13に示すように、管支持板7に設けた貫通孔9(2)に伝熱管3(X)が挿通されている場合、伝熱管3(X)の円形断面の中心が貫通孔9(2)の中心からズレている。この場合、図13に示す貫通孔9(2)における直管部の挿通位置の偏心量は、伝熱管3(X)の円形断面の中心と貫通孔9(2)の中心との間の距離ΔCとして表される。その上で、この実施形態では、誤差パラメータεは、管支持板7の貫通孔9における第1直管部4及び第2直管部5の挿通位置が貫通孔9の中点から偏心する大きさのバラつきを表す公差を含むようにしている。要するに、この実施形態では、図5のステップS2において、図13に示す貫通孔9(9(1)〜9(6))における第1直管部4及び第2直管部5の挿通位置の偏心量を誤差パラメータεに含めている。その上で、この実施形態では、図5のステップS3において、伝熱管群10の制振力を評価するための構造解析を行う。
以上のように、この実施形態では、伝熱管群10を構成する複数の伝熱管3と複数の振止め部材12から成る制振構造のFEMモデルを用いて有限要素法により構造解析を行う際に、伝熱管群10を支持するための管支持板7に形成された複数の貫通孔9に各伝熱管3の直管部が挿通されている構造を考慮して構造解析を行う。また、この実施形態では、貫通孔9における直管部の挿通位置の偏心量を誤差パラメータεに含めることにより上記構造解析を行う。従って、この実施形態によれば、貫通孔9における直管部の挿通位置の偏心量ΔCに起因して、各伝熱管3の直管部に連接する曲り部6が振止め部材12に加える接触荷重が増減する場合、当該接触荷重の増減を考慮して、上記構造解析を行うことが可能となる。また、この実施形態によれば、貫通孔9における直管部の挿通位置の偏心量ΔCの誤差によるバラつきを考慮して、上記構造解析を行うことが可能となる。
4 第1直管部
5 第2直管部
6(6a1,6a2,6a3,6b1,6c1) 曲り部
7 管支持板
8 管列
10 伝熱管群
10a ベンド部
11 第1保持部材
12 止め部材
12a 端部
14 第2保持部材
20 コンピュータ装置
21 演算部
22 記憶部
22a プログラム
22b データ
23 出力部
24 入力部
50(50A,50B) 第2の一次元要素
51(51A〜51E) 第3の一次元要素
53(53A,53B,53C) 第1の一次元要素
62(62A〜62D) ギャップ要素
72(72A〜72H) ギャップ要素
211 モデル作成部
212 誤差パラメータ設定部
213 解析部
D1 面外方向
D2 面内方向
G 流れ方向
K バネ定数

Claims (9)

  1. 流体中に配置された管群が、前記管群に含まれる各管の隙間に配置された振動抑制部材により支持されてなる制振構造の解析方法であって、
    前記制振構造に対応するFEMモデルを作成するモデル作成工程と、
    前記FEMモデルに含まれる要素に関するパラメータに対して、誤差パラメータを設定する誤差設定工程と、
    前記誤差パラメータが設定された前記FEMモデルを用いて有限要素法による構造解析を行う解析工程と、
    を備えることを特徴とする制振構造の解析方法。
  2. 前記モデル作成工程では、
    前記管群に対応する第1の要素と、
    前記振動抑制部材に対応する一次元要素を含む第2の要素と、
    前記管群及び前記振動抑制部材間のギャップ量に対応する第3の要素と、
    を含むように、前記FEMモデルが作成されることを特徴とする請求項1に記載の制振構造の解析方法。
  3. 前記第1の要素は、前記管群に含まれる各管に対応するように延在する複数の第1の一次元要素を含み、
    前記第2の要素は、前記振動抑制部材に対応するように延在する第2の一次元要素を含み、
    前記第3の要素は、前記第1の一次元要素及び前記第2の一次元要素間の最短距離を示すギャップ要素を含むことを特徴とする請求項2に記載の制振構造の解析方法。
  4. 前記解析工程では、
    前記ギャップ量が所定値を下回った場合に、干渉量が増加するに従って、前記第1の一次元要素が前記第2の一次元要素から受ける押付力が大きくなるように設定された荷重条件が課されることを特徴とする請求項2又は3に記載の制振構造の解析方法。
  5. 前記第1の要素は、前記管群に含まれる各管に対応するように延在する複数の第1の一次元要素を含み、
    前記第2の要素は、前記振動抑制部材の長手方向に沿って延在する第2の一次元要素と、前記振動抑制部材の幅方向に沿って延在する第3の一次元要素と、を含み、
    前記第3の要素は、前記第3の一次元要素の両端と前記第1の一次元要素との間の最短距離を示す一対のギャップ要素を含むことを特徴とする請求項2に記載の制振構造の解析方法。
  6. 前記誤差パラメータは乱数を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の制振構造の解析方法。
  7. 前記誤差パラメータは、前記制振構造に対する実測データに基づいて設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の制振構造の解析方法。
  8. 前記誤差パラメータは、前記管群に含まれる管の外径、板厚及びそり、並びに、前記振動抑制部材の板厚及びそりの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の制振構造の解析方法。
  9. 前記管群に含まれる各管は、前記流体の入口側に位置する第1直管部と、前記流体の出口側に位置する第2直管部と、前記第1直管部と前記第2直管部との間に位置する曲り部と、をそれぞれ有し、
    前記第1直管部及び前記第2直管部は、前記管群を支持するための管支持板に形成された複数の貫通孔に挿通されており、
    前記解析工程では、前記貫通孔における前記第1直管部及び前記第2直管部の挿通位置の偏心量を前記誤差パラメータに含めることにより前記構造解析を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の制振構造の解析方法。
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