JP5024017B2 - 公差解析計算システム、公差解析方法及びプログラム - Google Patents
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Description
感度は、公差値に関係なく、設計仕様値(測定対象)に対して各部品の寸法公差がの構造上、与える影響度を示す。つまり感度の数値が高い程、設計仕様値に対する品質にとって重要な寸法となる。
同様に図15(b)において、bが1mm動くとGAPは、GAP=cosθ×bなので、θ=45度とするとGAPは0.707mm動く。したがってこの場合は、感度=0.707となる。
このような問題を解決すべく、近年では3次元CADデータを活用した公差解析システムが市販され、設計現場で活用されはじめている。
例えば特許文献1に開示されている装置では、機構を構築する部品の挙動を解析する際の部品の公差による挙動変化に対する影響を求めている。
同図の例では、処理が開始されると、まずステップS1として公差解析計算システムは3次元CAD等から3次元形状データを取り込む。
そして、ステップS4においてシステムは、これらの情報を元に公差解析を行なう。そしてその結果を用いて、ステップS5として、設計仕様値に対応する品質(σ値)を算出し、また感度、寄与率、偏差(σ)を算出する。
従来の公差解析計算システムを用いた場合、このような処理を行なうことによって所望の品質を満足する寸法公差を求める。
特許文献2のシステムは、各寸法公差を算出するにあたり、オペレータの手間を省きながら所望の品質を満たす寸法公差を算出できる。
(1)従来の公差解析システムは、定義した公差情報に基づき検証対象の隙間が公差を積み上げた際に、どの程度の品質(σ値)で保証されるのかを検証するものであり、要求品質を満たす最適最小隙間値を算出する為には、解析結果から手計算にて逆算する必要がある。
(2)上記(1)項で求めた最小隙間値を実現するために、構成部品のどの部品の寸法をどの程度調整するのかはオペレータの判断によるしかなく、検討した寸法毎にその都度CADデータの修正、再解析による検証が必要となる。そしてその結果として、解析回数が増加する。
(3)解析結果により、所望する要求品質を満たす最適最小隙間値の実現が困難である場合、各構成部品の寸法公差値を調整する方法をとるが、その際解析結果の感度/寄与率から全体のバランスを考慮して各寸法公差を再検討する必要がある。そしてこれは、解析回数の増加につながる。
(4)実際の部品では、加工条件等の制限があり、公差を厳しくするのにも限界がある場合が殆どである。また、むやみに高精度の公差設定を行うと部品コストの上昇にもつながる。
上記問題点を鑑み、本発明は、設計部門における公差設計、公差積み上げの事前検証、最適公差配分を可能とした公差解析計算システム、解析方法及びプログラムを提供することを課題とする。
更には、製品設計時における省スペース設計、隙間(GAP)管理を実現する公差解析計算システムを提供することを課題とする。
一次解析実行部は、前記寸法公差設定部によって定義された寸法公差を用いて一次解析を実行して、分散または偏差を求める。
更には、前記公差解析計算システムは、前記設計データを保持する設計装置と接続されており、前記各部品の寸法値及び寸法公差値を、前記設計装置内の設計データとリンクさせ、前記最適な寸法及び寸法公差を前記設計装置にフィードバックし、前記設計装置ではフィードバックされた情報を再生して形状データに反映させることを特徴とする構成とすることも出来る。
また本発明は、公差解析方法やプログラムもその範囲に含む。
また最適最小隙間実現の為の公差値検証時間を大幅に短縮でき、かつオペレータの検証不足による手戻りを解消することが出来る。
図1は、本実施形態における公差解析計算システムの構成例を示す図である。
同図の公差解析計算システム1は、3次元CADなどの設計装置2と接続され、設計装置2からのデータベースから3次元CADデータや2次元図面データ等の設計データを受け取れる構成となっている。
データ取得部11は、設計装置2から寸法の情報、属性値として入っている材料情報を取得する。測定対象設定部12は、検証対象を定義する。一次解析実行部13は、ラフな一次解析を行い、最初に偏差を求める。最適最小隙間演算部14は、一次解析実行部13による解析によって得られた偏差から目標の品質を確保できる範囲の最小の隙間値を算出する。部15は、最適な隙間を実現するために公差を修正しなければならないとき、どの部品寸法を修正するかを抽出する。限界公差値選択部16は、この部品や形状では公差をここまでしか切り詰められないという限界の公差を選択するものである。修正寸法割り振り部17は、公差の修正だけでは間に合わず、公差だけではなく寸法そのものを修正する場合に、隙間を達成するためにどの部品にどのくらい修正して寸法を割り振るかを決めるものである。二次解析実行部18は、修正した寸法や公差を当てはめ、解析を行なう。この解析は最終的な確認のために行なう。判定部19は、得られた結果に対する判定を行なう。
入力部23は、オペレータが公差解析計算システム1に対して入力指示を行うための、ポインティングデバイスやキーボード等のマン・マシンインタフェースである。
ない場合の、隙間値の最大値を設定するものである。寸法条件設定部22は、構造物を構成する各部品の寸法変更可/不可の条件を設定するものである。
図2は説明のための構造物を示す図である。
同図の構造物は、部品A、B及びCより構成されており、以下の説明では部品Aと部品Bの間の隙間(GAP)を最適化する場合を説明する。
(1)3次元CADデータ等の設計装置2が保有する材料属性、板金属性等の属性情報を公差解析計算システム1にて取り込む。この取り込みはデータ取得部11が司る。なお公差解析計算システム1をソフトウエアで実現する場合、公差解析計算システム1の中に変換プログラムを設けておき、この変換プログラムがデータ取得部11として働いて、俗税情報をメモリに記憶することによって定義する構成としても良い。
(2)公差解析計算システム1の中には、各部品の属性値情報として寸法不動或いは寸法変動可、変動可の場合の比率をオペレータが入力部23を用いて指定すると、これは寸法条件設定部22によって公差解析計算システム1内で定義される。
(3)公差解析計算システム1の中には、適用できうる限界公差情報を形状、寸法、材料に対応したデータテーブル(限界公差テーブル)として保有する。そして設計データから読み取った各部品の形状、寸法及び(1)で取り込んだ属性情報を公差解析計算システム1がデータテーブルと照合する事で、各部品寸法の寸法公差の限界値を公差解析計算システム1が判断する。
上記(1)において公差解析計算システム1は、形状、寸法等の部品形状についての情報31を設計情報として設計装置2から取り込む。また公差解析計算システム1は、設計装置2からその部品の属性情報(材料、板金、etc)32を取り込む。そしてこれらの情報から限界公差テーブル33を参照して各部品寸法の寸法公差の限界値34を求める。(4)解析対象箇所をオペレータが測定対象設定部12を用いて定義する。そして設計仕様値に対する要求(狙い)品質(σ値)と、設計上許容できる最大隙間を許容最大隙間値として許容最大隙間値設定部21を用いてオペレータが設定する。測定対象の設定処理は、測定対象設定部12が司る。
とする。GAPの許容最大隙間は0.5mmなので、これを品質3σを保証出来る範囲で、最小化する。
(5)構成部品の各寸法公差を設計検討通りに入力部23からオペレータが定義し、一次解析実行部13で最適化対象の隙間に対する一次解析を現状の隙間値0〜0.585mmの範囲での解析を実行し、感度/寄与率/偏差(σ)/現状での品質(σ値)を算出する。
(6)一次解析により得られた偏差(σ)より、要求品質を満足する最適最小隙間値を最適最小隙間演算部14が逆算する。
同図の例では、隙間値(GAP)を0〜0.585mmの範囲にした場合の隙間値の中心は0.2925で、偏差(σ)の値は0.0875となっている。
0.0785×3=0.2355(mm)
となる。
両側に換算すると、
0.24×2=0.48(mm)
となり、隙間値(GAP)は0.5mm以下に収まっている。
(7)(6)において公差解析計算システム1上で算出された最適最小隙間を実現する為に、上記(2)でオペレータが入力して定義された変動可能寸法として定義された比率に則って公差解析システム1の修正寸法割り振り部17が新寸法を割り振る。
・部品A新寸法=部品A旧寸法+(0.585−0.48)×0.5
・部品B新寸法=部品B旧寸法+(0.585−0.48)×0.5
・部品C=変更無し
割り振りが完了したら、公差解析計算システム1上でシステムが二次解析実行部18で再度解析を実施し、最適化された状況を判定部19が判断する。
同図は、(7)で求めた新寸法値で隙間値を求めたもので、同図では目標品質3σを満足する範囲で、新寸法によって最適化された隙間値は0.4800と0.5以下の範囲に収まっている。
(8)(6)で算出された最適最小隙間が、設計上所望する数値とかけ離れていた場合、もしくは歩留り向上等により更に緩和したい場合、(4)でオペレータが設定した許容最大隙間(0.5mm)を実現する為に、(2)でオペレータが入力した変動可能寸法に定義された比率に則って修正寸法公差選択部16が新寸法を割り振る。
・部品A新寸法=部品A旧寸法+(0.585−0.50)×0.5
・部品B新寸法=部品B旧寸法+(0.585−0.50)×0.5
・部品C=変更無し
割り振りが完了したら、(5)で算出した感度、寄与率と、(3)の判断で得られた情報を基に、修正寸法公差抽出部15が最適最小隙間値に関連するする調整可能かつ調整による効果の高い寸法公差を抽出する。
同図に示すように公差累積に考慮すると、目標品質3σで最小隙間値を0〜0.5mmの範囲に収めたいがこの場合、現状の公差では不可能であると判断する。
同図は、数値が大きい程、検証箇所に与える影響が大きい寸法公差であることを示している。
また図9は、(3)の判断で用いる限界公差テーブルの例を示す図である。
同図の限界公差テーブルから、例えば部品Aは、大きさが0.5〜30mmで、寸法公差が±0.05mmであることが分かる。
公差解析計算システム1内では、判定部19が感度及び寄与率より部品Aの寸法公差が調整による効果が高いと判断し、また限界公差テーブルより、部品Aの寸法公差が最も高精度化可能であると判断する。
(9)(8)で抽出された寸法公差に対し、判定部19が限界公差テーブルから判断した寸法公差の限界値を用いて、二次解析実行部18が公差的に精度を限界まで高めた場合の最適最小隙間を算出する。
図9に示した限界公差テーブルより、部品Aの寸法区分0.5〜30mmに相当する寸法公差の限界値±0.05mmを二次解析実行部18が選択して代入し、最適最小隙間を算出する。
同図では、上記したように寸法公差を調整したため、3σの品質を確保して最小隙間を0〜0.5mmの範囲に収められることが分かる。公差解析計算システム1では、判定部が、このような条件を満たしているか否かの判定を行なう。
(10)公差解析計算システム1とリンクしている設計データ読込み先の設計装置2に対し、上記した処理(5)〜(9)で得られた寸法値及び寸法公差値のデータを設計データのフィーチャ情報(形状、寸法値等のパラメータ)に公差解析システムがフィードバックする仕組みを設け、フィードバックされた情報を設計装置2側で再生し、形状データに反映させる。
公差解析計算システム1では各寸法を寸法IDによって管理しており、設計装置2の表示画面上では、図10(a)のように公差解析計算システム1上に取り込まれている部品Aの寸法情報をその寸法IDによって一覧として表示している。
公差解析計算システム1によって設計データが取りこまれた構造物の各寸法情報は、情報IDにて設計装置2の設計データとリンクしている。
図12は、公差解析計算システム1が行なう公差解析処理時の動作処理を示すフローチャートである。
そしてステップS17としてステップS16で入力された寸法公差の検討値に基づいて、一次解析実行部13は一次解析を行う。
この一次解析の結果を踏まえ、ステップS19として、ステップS18で算出された偏差(σ)が要求品質に達しているか否かを判定し、要求品質に達していれば(ステップS19、OK)、ステップS16で入力した寸法公差で要求品質を満足するので、本公差解析処理を終了する。
最後にステップS25として、オペレータに二次解析の結果を確認させ、その後、新寸法を設計データのパラメータとして置き換え、公差解析処理を終了する。
次にステップS28として、オペレータに限界公差値を代入させ、この値を用いて二次解析を行なう(ステップS29)。
図13の情報処理装置は、CPU41、RAM等の主記憶装置42、ハードディスク等の補助記憶装置43、ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス等の入出力装置(I/O)44、モデム等のネットワーク接続装置45、及びディスク、磁気テープなどの可搬記憶媒体から記憶内容を読み出す媒体読み取り装置46を有し、これらが互いにバス48により接続される構成を備えている。そして各構成要素は、バス48を介して互いにデータのやり取りを行う。
(付記1)
設計データを用いて設計された構造物の組立時の寸法公差に対する、当該構造物を構成する各部品の寸法公差を解析及び検証する公差解析計算システムにおいて
設計データ及び各構成部品の寸法公差を定義する寸法条件設定部と、
前記寸法公差設定部によって定義された寸法公差を用いて一次解析を実行して、分散または偏差を求める一次解析実行部と、
前記一次解析実行部で求めた前記分散または偏差を用いて設計仕様値に対しての要求品質を満足する隙間値を逆算し、最適な最小の隙間値である最適最小隙間値を算出する最適最小隙間演算部と、
を備えることを特徴とする公差解析計算システム。
前記一次解析の結果より得られた最適最小隙間値を実現するための各構成部品の寸法値を算出する修正寸法割り振り部を更に備え、
前記寸法条件設定部は、前記各部品の属性値情報として、不動寸法或いは可動寸法、可動寸法の場合の比率を定義し、前記修正寸法割り振り部は前記最適最小隙間値を実現するためにコントロールすべき寸法値を、前記属性情報により決定することを特徴とする付記1に記載の公差解析計算システム。
設計上許容できる最大隙間である許容最大隙間値を設定する許容最大隙間値設定部と、
前記最適最小隙間演算部が算出した前記最適最小隙間値が前記許容最大隙間値より大きいとき、前記各部品の寸法公差の調整を行なう修正寸法公差抽出部と、
を更に備えることを特徴とする付記1に記載の公差解析計算システム。
設計上許容できる最大隙間である許容最大隙間値を設定する許容最大隙間値設定部と、
前記最適最小隙間演算部が算出した前記最適最小隙間値が前記許容最大隙間値より小さいとき、前記最適最小隙間に対応した各部品の新寸法を割り振る修正寸法割り振り部とを備えることを特徴とする付記1に記載の公差解析計算システム。
前記設計データ内の材料属性または板金情報を含む属性情報を取り込むデータ取得部と、
また適用できうる限界公差情報を形状、寸法または材料に対応させた限界公差テーブルと、
前記設計データから読み取った前記形状、寸法及び前記属性情報により前記データテーブルと照合し、各部品の寸法公差の限界値を判定する第1の判定部と、
前記寸法公差の限界値と、前記一次解析の結果により得られる感度及び寄与率を基に、前記最適最小隙間値内において調整可能かつ調整による効果の高い寸法公差値を抽出する修正寸法公差抽出部と、
を更に備えることを特徴とする付記1に記載の公差解析計算システム。
前記修正寸法公差抽出部によって抽出された前記寸法公差値に対し、前記第1の判定部によって判定された前記寸法公差の限界値から、公差的に精度を限界まで上げた場合の最適最小隙間値を算出する二次解析を実行する二次解析実行部を更に備えることを特徴とする付記5に記載の公差解析計算システム。
前記二次解析の結果から、前記各部品の最適な寸法及び寸法公差を求める第2の判定部を更に備えることを特徴とする付記6に記載の公差解析計算システム。
前記公差解析計算システムは、前記設計データを保持する設計装置と接続されており、前記各部品の寸法値及び寸法公差値を、前記設計装置内の設計データとリンクさせ、前記最適な寸法及び寸法公差を前記設計装置にフィードバックし、前記設計装置ではフィードバックされた情報を再生して形状データに反映させることを特徴とする付記7に記載の公差解析計算システム。
前記設計データを前記設計装置から取り込むデータ取得部と、
解析対象箇所をオペレータに設定させる測定対象設定部と、
を更に備えることを特徴とする付記1に記載の公差解析計算システム。
設計データを用いて設計された構造物の組立時の寸法公差に対する、当該構造物を構成する各部品の寸法公差を解析及び検証する公差解析方法であって
設計データ及び各構成部品の寸法公差を定義し、
前記定義された寸法公差を用いて一次解析を実行して、分散または偏差を求め、
前記一次解析の結果求められた前記分散または偏差を用いて設計仕様値に対しての要求品質を満足する隙間値を逆算し、最適な最小の隙間値である最適最小隙間値を算出する
ことを特徴とする公差解析方法。
設計データを用いて設計された構造物の組立時の寸法公差に対する、当該構造物を構成する各部品の寸法公差を解析及び検証する情報処理装置によって実行されるプログラムで
あって、
設計データ及び各構成部品の寸法公差をメモリに読み込んで定義し、
前記定義された寸法公差を用いて一次解析を実行して、分散または偏差を求め、
前記一次解析の結果求められた前記分散または偏差を用いて設計仕様値に対しての要求品質を満足する隙間値を逆算し、最適な最小の隙間値である最適最小隙間値を算出する
ことを前記情報処理装置に実行させるプログラム。
2 設計装置
11 データ取得部
12 測定対象設定部
13 一次解析実行部
14 最適最小隙間演算部
15 修正寸法公差抽出部
16 限界公差値選択部
17 修正寸法割り振り部
18 二次解析実行部
19 判定部
20 条件設定部
21 許容最大隙間値設定部
22 寸法条件設定部
23 入力部
24 データベース
41 CPU
42 主記憶装置
43 補助記憶装置
44 入出力装置
45 ネットワーク接続装置
46 媒体読み取り装置
47 記憶媒体
48 バス
Claims (10)
- 設計データを用いて設計された構造物の組立時の寸法公差に対する、当該構造物を構成する各部品の寸法公差を解析及び検証する公差解析計算システムにおいて、
設計データ及び各構成部品の寸法公差を定義する寸法条件設定部と、
前記寸法公差設定部によって定義された寸法公差を用いて前記構造物を構成する2つの部品の間の隙間に対する一次解析を実行して、当該隙間を表す第1の隙間値に基づく分散または偏差を求める一次解析実行部と、
前記一次解析実行部で求めた前記分散または偏差を用いて、設計仕様値に対しての要求品質を満足する、前記隙間を表す第2の隙間値を算出する隙間演算部と、
前記第1の隙間値と前記第2の隙間値の差分に基づいて、当該第2の隙間値を実現するための各構成部品の寸法値を算出する修正寸法割り振り部と、
を備えることを特徴とする公差解析計算システム。 - 前記寸法条件設定部は、前記各部品の属性値情報として、不動寸法或いは可動寸法、可動寸法の場合の比率を定義し、前記修正寸法割り振り部は前記第2の隙間値を実現するためにコントロールすべき寸法値を、前記属性情報により決定することを特徴とする請求項1に記載の公差解析計算システム。
- 設計上許容できる最大隙間である許容最大隙間値を設定する許容最大隙間値設定部と、
前記隙間演算部が算出した前記第2の隙間値が前記許容最大隙間値より大きいとき、前記各部品の寸法公差の調整を行なう修正寸法公差抽出部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の公差解析計算システム。 - 前記設計データ内の材料属性または板金情報を含む属性情報を取り込むデータ取得部と、
適用できうる限界公差情報を形状、寸法または材料に対応させた限界公差テーブルと、
前記設計データから読み取った前記形状、寸法及び前記属性情報により前記データテーブルと照合し、各部品の寸法公差の限界値を判定する第1の判定部と、
前記寸法公差の限界値と、前記一次解析の結果により得られる感度及び寄与率を基に、前記第2の隙間値内において調整可能かつ調整による効果の高い寸法公差値を抽出する修正寸法公差抽出部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の公差解析計算システム。 - 前記修正寸法公差抽出部によって抽出された前記寸法公差値に対し、前記第1の判定部によって判定された前記寸法公差の限界値から、公差的に精度を限界まで上げた場合の隙間値を算出する二次解析を実行する二次解析実行部を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の公差解析計算システム。
- 前記二次解析の結果から、前記各部品の最適な寸法及び寸法公差を求める第2の判定部を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の公差解析計算システム。
- 前記公差解析計算システムは、前記設計データを保持する設計装置と接続されており、前記各部品の寸法値及び寸法公差値を、前記設計装置内の設計データとリンクさせ、前記最適な寸法及び寸法公差を前記設計装置にフィードバックし、前記設計装置ではフィードバックされた情報を再生して形状データに反映させることを特徴とする請求項6に記載の公差解析計算システム。
- 前記設計データを前記設計装置から取り込むデータ取得部と、
解析対象箇所をオペレータに設定させる測定対象設定部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の公差解析計算システム。 - 設計データを用いて設計された構造物の組立時の寸法公差に対する、当該構造物を構成する各部品の寸法公差を解析及び検証する公差解析方法であって、
設計データ及び各構成部品の寸法公差を定義し、
前記定義された寸法公差を用いて前記構造物を構成する2つの部品の間の隙間に対する一次解析を実行して、当該隙間を表す第1の隙間値に基づく分散または偏差を求め、
前記一次解析の結果求められた前記分散または偏差を用いて、設計仕様値に対しての要求品質を満足する、前記隙間を表す第2の隙間値を算出し、
前記第1の隙間値と前記第2の隙間値の差分に基づいて、当該第2の隙間値を実現するための各構成部品の寸法値を算出する
ことを特徴とする公差解析方法。 - 設計データを用いて設計された構造物の組立時の寸法公差に対する、当該構造物を構成する各部品の寸法公差を解析及び検証する情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
設計データ及び各構成部品の寸法公差をメモリに読み込んで定義し、
前記定義された寸法公差を用いて前記構造物を構成する2つの部品の間の隙間に対する一次解析を実行して、当該隙間を表す第1の隙間値に基づく分散または偏差を求め、
前記一次解析の結果求められた前記分散または偏差を用いて、設計仕様値に対しての要求品質を満足する、前記隙間を表す第2の隙間値を算出し、
前記第1の隙間値と前記第2の隙間値の差分に基づいて、当該第2の隙間値を実現するための各構成部品の寸法値を算出する
ことを前記情報処理装置に実行させるプログラム。
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