JP6085920B2 - 感光性樹脂組成物、フィルム状接着剤、接着シート、接着剤パターン、接着剤層付半導体ウェハ及び半導体装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、フィルム状接着剤、接着シート、接着剤パターン、接着剤層付半導体ウェハ及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、並びにそれを用いたフィルム状接着剤、接着シート、接着剤パターン、接着剤層付半導体ウェハ及び半導体装置に関する。
近年、電子部品の高性能化及び高機能化に伴い、種々の形態を有する半導体パッケージが提案されている。半導体パッケージの製造には、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とを接着するために接着剤が用いられる。この接着剤には、通常、接着性、熱圧着性、耐熱性、耐湿性等の特性が要求され、フィルム状にして使用する場合にはさらに貼付性が必要となる。
半導体パッケージの機能、形態及び組み立てプロセスの簡略化の手法によっては、上述の特性に加えてパターン形成が可能な感光性を兼ね備える接着剤が必要とされる場合がある。感光性とは光を照射した部分が化学的に変化し、水溶液や有機溶剤に不溶化又は可溶化する機能である。この感光性を有する感光性接着剤を用いると、フォトマスクを介して露光、現像処理を行うことにより、高精細な接着剤パターンを形成することが可能となり、形成された接着剤パターンが被着体に対する熱圧着性を有することとなる。
感光性の接着剤組成物としては、従来、フォトレジストや、ポリイミド樹脂前駆体(ポリアミド酸)をベースとしたもの(例えば、特許文献1〜3)、及び低ガラス転移温度(Tg)ポリイミド樹脂をベースとしたものが知られている(特許文献4)。また、作業環境、排水処理等の観点から、アルカリ現像液によるパターン形成が可能なものが主流である。
また、近年、半導体実装分野において、半導体素子同士の接続及び/又は、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とが複数の導電性バンプを介して接続されるフリップチップ実装方式が注目されている。フリップチップ実装方式では、それぞれの接続部材の熱膨張係数差に基づくストレスにより、導電性バンプを介する基板と半導体チップとの接続異常が生じる場合がある。このため、当該ストレスを緩和することを目的に、接続部材間において、樹脂を充填することにより導電性バンプを封止する方式が知られている(例えば、特許文献5)。
特開2000−290501号公報 特開2001−329233号公報 特開平11−24257号公報 国際公開第07/004569号 特許第3999840号公報
半導体素子同士の接続及び/又は、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接続材料に、従来の液状あるいはフィルム状の接着剤を使用した場合、例えば液状材料では、近年の薄型化されたチップを実装する場合に、塗布量が多すぎると、ボンディング時に染み出した樹脂がチップ側面を這い上がり、ボンディングツールを汚染してしまうおそれがある。
一方、フィルム状材料では、フィルムの厚みを調整することによって最適な樹脂量を与えることが容易にできる反面、仮圧着工程と呼ばれるフィルム状樹脂を基板に貼り付ける工程を必要とする。通常、仮圧着工程は、対象となるチップ幅よりも大きめの幅にスリットされたリール状の封止剤テープを用意し、チップサイズに応じて基材上の封止剤テープをカットして封止剤が反応しない程度の温度で基板上に熱圧着する。ところが、チップ搭載位置にフィルムを精度良く供給することは難しく、また微小チップなどに対応した細幅のリール加工は困難であることから、一般的に、歩留り確保には、仮圧着で貼付けるフィルムをチップサイズより大きくすることで対応している。そのため、隣接部分との距離に余裕を設ける必要があり、高密度化実装に対応しにくい課題があった。
上記課題を解決する策として、ウエハプロセスで接着剤層を形成する方法が注目されている。そのためには従来の感光特性、接着性に加え、回路由来の段差によらない、平坦な膜形成性と均一で高精度なパターン加工性、さらに再配線や接続端子形成プロセス、ダイシングプロセスなどへの適応性などを具備する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルムを形成して使用した場合のパターン形成性、フィルム安定性、埋め込み性に優れ、かつ高温で接着した際にボイドが充分に抑制される感光性樹脂組成物、並びにそれを用いたフィルム状接着剤、接着シート、接着剤パターン、接着剤層付半導体ウェハ、及び半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、(A)下記一般式(I)で表される構造単位を有するアルカリ水溶液可溶性ポリアミド、(B)放射線重合性化合物、(C)光開始剤、及び(D)エポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 0006085920

[式中、Uは4価の有機基を示し、Vは2価の有機基を示す。]
本発明の感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、回路面を有する半導体ウェハの回路面上に膜形成され、露光及び現像による微細なパターニングが可能である。さらにパターニングの後に、回路面を有する半導体素子搭載用支持部材、半導体素子あるいは半導体ウェハなどの被着体に対する熱圧着性を有する。
また、高温接着性及び現像性、パターン形成性の観点から、上記アルカリ水溶液可溶性ポリアミドは、末端基としてフェノール性水酸基を有するポリアミドであることが好ましく、アルカリ可溶性基としてフェノール性水酸基のみを有するポリアミドであることがより好ましい。
さらに、熱圧着性及び高温接着性の観点から、上記(A)アルカリ水溶液可溶性ポリアミドは、フェノール性水酸基含有ジアミンと、ジカルボン酸誘導体とを反応させることによって得られるポリアミドであって、上記ジカルボン酸誘導体全体の10モル%〜100モル%が炭素数2〜15のアルキレン鎖を有するジカルボン酸誘導体であることが好ましい。
また、熱圧着性及び高温接着性の観点から、上記ジカルボン酸誘導体は、下記一般式(II)で表されるジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸誘導体であることが好ましい。式中、nは、1〜14の整数を示す。
Figure 0006085920
さらに、熱圧着性、高温接着性及びパターン形成性の観点から、上記フェノール性水酸基含有ジアミンが、下記一般式(A−1)で表されるフェノール性水酸基含有ジアミンを含むことが好ましい。式中、R21は、単結合、又は2価の有機基を示す。
Figure 0006085920
また、高温接着性の観点から、上記(B)放射線重合性化合物が、3官能以上の(メタ)アクリレートを少なくとも1種含有することが好ましい。これにより、露光し、さらに加熱硬化された後の貯蔵弾性率を上昇させることができ、その結果、低透湿性を向上させることができる。
また、上記感光性樹脂組成物は、熱圧着性、高温接着性及び耐湿信頼性の観点から、(E)エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物をさらに含有することが好ましい。
上記エポキシ樹脂は、高温接着性、パターン形成性及び耐湿信頼性の観点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
上記感光性樹脂組成物は、フィルム形成性、高温接着性及び低透湿性の観点から、(F)フィラーをさらに含有することが好ましい。
上記感光性樹脂組成物は、高温接着性、高耐熱性及び耐湿信頼性の観点から、(G)硬化促進剤をさらに含有することが好ましい。
上記感光性樹脂組成物は、半導体素子同士の接続及び/又は、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接続に使用される接着剤として好適に用いることができる。
本発明はまた、上記感光性樹脂組成物をフィルム状に成形することによって得られるフィルム状接着剤を提供する。
本発明はまた、基材と、該基材上に形成された上記フィルム状接着剤からなる接着剤層と、を備える接着シートを提供する。
本発明はまた、被着体上に積層された上記フィルム状接着剤からなる接着剤層を露光し、露光後の接着剤層をアルカリ現像液で現像処理することによって得られる接着剤パターンを提供する。
本発明はまた、半導体ウェハと、該半導体ウェハ上に積層された上記フィルム状接着剤からなる接着剤層と、を備える接着剤層付半導体ウェハを提供する。
本発明はまた、上記感光性樹脂組成物を用いて、半導体素子同士が接着された構造、及び/又は、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とが接着された構造を有する半導体装置を提供する。
本発明はまた、半導体素子同士が接着剤を介して接着された構造、及び/又は、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とが接着剤を介して接着された構造を有する、半導体装置であって、上記接着剤が下記一般式(X)で表される構造単位を有する、半導体装置を提供する。
Figure 0006085920

[式中、Uは4価の有機基を示し、Vは2価の有機基を示す。]
本発明によれば、フィルムを形成して使用した場合のパターン形成性、フィルム安定性及び埋め込み性に優れ、かつ高温で接着した際にボイドが充分に抑制される感光性樹脂組成物、並びにそれを用いたフィルム状接着剤、接着シート、接着剤パターン、接着剤層付半導体ウェハ、及び半導体装置を提供することが可能となる。また、本発明の感光性樹脂組成物を膜形成した回路面は、パターニングにより、接続端子部の大きさや、端子の高さによらず、任意に端子部を露出させることができる。
本発明のフィルム状接着剤の一実施形態を示す端面図である。 本発明の接着シートの一実施形態を示す端面図である。 本発明の接着シートの一実施形態を示す端面図である。 本発明の接着剤層付半導体ウェハの一実施形態を示す上面図である。 図4のIV−IV線に沿った端面図である。 本発明の半導体装置の一実施形態を示す端面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す端面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す端面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す端面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す端面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す端面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書において、感光性樹脂組成物の「貼付性」とは、感光性樹脂組成物をフィルム状に成形することによって得られるフィルム状接着剤とした場合の貼付性を意味する。感光性樹脂組成物の「高温接着性」とは、感光性樹脂組成物を硬化物にした場合の、加熱下での接着性を意味する。感光性樹脂組成物の「パターン形成性」とは、被着体上に形成された上記フィルム状接着剤からなる接着剤層を、フォトマスクを介して露光しアルカリ現像液によって現像したときに得られる接着剤パターンの精度を意味する。感光性樹脂組成物の「熱圧着性」とは、上記接着剤パターンを加熱下で支持部材等に圧着(熱圧着)したときの接着具合を意味する。感光性樹脂組成物の「耐熱性」とは、上記接着剤パターンを支持部材等に熱圧着、硬化し、高温下においたときの耐剥離性を意味する。「耐リフロー性」とは、上記感光性接着剤の額縁状パターンを支持部材等に熱圧着、硬化し、高温高湿条件下で所定の時間静置し、リフロー加熱を行った後の耐剥離性を意味する。
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)下記一般式(I)で表される構造単位を有するアルカリ水溶液可溶性ポリアミド(以下、単に(A)成分と呼ぶことがある。)、(B)放射線重合性化合物(以下、単に(B)成分と呼ぶことがある。)、(C)光開始剤(以下、単に(C)成分と呼ぶことがある。)、及び(D)エポキシ樹脂(以下、単に(D)成分と呼ぶことがある。)を含有する。
Figure 0006085920

[式中、Uは4価の有機基を示し、Vは2価の有機基を示す。]
<(A)成分>
本発明で用いる(A)成分は、一般式(I)で表される構造単位を有するアルカリ水溶液可溶性のポリアミドであれば、特に構造上の制限はない。
なお、アルカリ水溶液とは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液等のアルカリ性の溶液である。一般には、濃度が2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が現像に用いられる。
また、本発明の(A)成分がアルカリ現像液で可溶であることの1つの基準を以下に説明する。
(A)成分単独あるいは以下に順を追って説明する(B)、(C)、(D)の各成分とともに任意の溶剤に溶解して得られたワニスを、シリコンウェハなどの基板上にスピン塗布して形成することにより膜厚5μm程度の塗膜とする。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液及び有機アミン水溶液のいずれか一つに20〜25℃において、浸漬する。この結果、均一な溶液として溶解し得るとき、その(A)成分はアルカリ性現像液で可溶と見なされる。
一般式(I)で表される水酸基を含有するアミドユニットは、最終的には硬化時の脱水閉環により、耐熱性、機械特性及び電気特性に優れる、下記一般式(X)で表されるオキサゾール体に変換されることが好ましい。
Figure 0006085920

[式中、Uは4価の有機基を示し、Vは2価の有機基を示す。]
本発明で用いることができるアルカリ水溶液可溶性ポリアミドは、上記一般式(I)で表される構造単位を有していればよいが、ポリアミドのアルカリ水溶液に対する可溶性は、主としてフェノール性水酸基に由来するため、一般式(I)で表される水酸基を含有するアミドユニットが、ある割合以上含まれていることが好ましい。
このようなものとして、下記式(4)で表されるアルカリ水溶液可溶性ポリアミドが挙げられる。
Figure 0006085920

[式(4)中、Uは4価の有機基を示し、VとWは2価の有機基を示す。jとkは、モル分率を示し、jとkの和は100モル%であり、jが60〜100モル%、kが40〜0モル%である。]
式(4)中のjとkのモル分率は、jが80〜100モル%、kが20〜0モル%であることがより好ましい。
(Uで表される4価の有機基)
上記Uで表される4価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成するジヒドロキシジアミンの残基であり、4価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の4価の芳香族基がより好ましい。ここで、芳香族基は炭素数1〜30の2価の炭化水素基、ハロゲン原子によって水素の一部又は全部が置換されている炭素数1〜30の2価の炭化水素基、−(C=O)−、―SO−、−O−、−S−、―NH−(C=O)−、―(C=O)−O−等で2以上の芳香環が連結されたものであってもよい。4価の芳香族基としては、4個の結合部位がいずれも芳香環上に存在し、2個の水酸基がそれぞれUに結合しているアミンのオルト位に位置した構造を有するジヒドロキシジアミン、すなわち、フェノール性水酸基含有ジアミンの残基が特に好ましい。
フェノール性水酸基含有ジアミンは、下記一般式(A−1)で表されるものが好ましい。
Figure 0006085920
式中R21は、単結合又は2価の有機基を示す。ここで2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の2価の炭化水素基、ハロゲン原子によって水素の一部又は全部が置換されている炭素数1〜30の2価の炭化水素基、−(C=O)−、―SO−、−O−、−S−、―NH−(C=O)−、―(C=O)−O−、下記一般式(B−1)で表される基、及び下記一般式(B−2)で表される基が挙げられる。式中、nは1〜20の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
Figure 0006085920
上記R21は、パターン形成性の観点から、−C(CF−、及び−C(CH−が好ましい。このような基を有するフェノール性水酸基含有ジアミンを用いることにより、パターン形成時にアルカリ水溶液可溶性ポリアミド同士の凝集を抑制でき、アルカリ現像液が浸透しやすくなることでパターン形成性を向上させることができる。これにより、耐湿信頼性がさらに向上した感光性樹脂組成物の実現が可能となる。
一般式(A−1)で表されるフェノール性水酸基含有ジアミンは、全ジアミンの10モル%〜80モル%とすることが好ましく、20モル%〜80モル%とすることがより好ましく、30モル%〜70モル%とすることがさらに好ましい。
本実施形態においては、フェノール性水酸基含有ジアミンが、下記式(C−1)で表される、フルオロアルキル基を有するものを含むことが好ましい。ポリアミド鎖にフルオロアルキル基が導入されることによって、ポリアミド同士の分子鎖凝集力が低下し、現像液が浸透しやすくなる。その結果、上記感光性樹脂組成物のパターン形成性(溶解現像性、細線化)がさらに向上する。また、ポリアミドの凝集力の低下によって、熱圧着性を向上させることができ、さらにはポリアミドのTgを上昇させても良好なパターン形成性を得ることが可能となる。これにより、耐湿信頼性及び耐リフロー性がさらに向上した感光性樹脂組成物の実現が可能となる。
Figure 0006085920
フルオロアルキル基を有するフェノール性水酸基含有ジアミンは、全フェノール性水酸基含有ジアミンの5モル%〜100モル%とすることが好ましく、10モル%〜90モル%とすることがより好ましく、10モル%〜80モル%とすることがさらに好ましく、20モル%〜80モル%とすることが特に好ましく、30モル%〜70モル%とすることが最も好ましい。
(Wで表される2価の有機基)
上記Wで表される2価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成するジアミンの残基であり、上述したUで表されるジヒドロキシジアミン以外の残基を表す。2価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数としては4〜40のものが好ましく、炭素原子数4〜40の2価の芳香族基がより好ましい。ここで、芳香族基は上記のUで表される4価の有機基で記載された芳香族基と同義である。
このようなジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物が挙げられる。さらに、これらの他にも、シリコーン基の入ったジアミンとして、LP−7100、X−22−161AS、X−22−161A、X−22−161B、X−22−161C、X−22−161E(いずれも信越化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(Vで表される2価の有機基)
上記Vで表される2価の有機基とは、上述したジヒドロキシジアミンやジアミンと反応してポリアミド構造を形成するジカルボン酸の残基であり、2価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の2価の芳香族基が硬化膜の耐熱性の観点でより好ましい。2価の芳香族基としては、2個の結合部位がいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。ここで、芳香族基は上記のUで表される4価の有機基で記載された芳香族基と同義である。
このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル(4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸)、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、Vが炭素数2〜30のアルキレン鎖を有する2価の有機基の場合は、熱硬化する際の温度を280℃以下と低くしても十分な物性が得られる点で好ましい。
このようなジカルボン酸としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、イソプロピルマロン酸、ジ−n−ブチルマロン酸、スクシン酸、テトラフルオロスクシン酸、メチルスクシン酸、2,2−ジメチルスクシン酸、2,3−ジメチルスクシン酸、ジメチルメチルスクシン酸、グルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、3−メチルアジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、ピメリン酸、2,2,6,6−テトラメチルピメリン酸、スベリン酸、ドデカフルオロスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、1,9−ノナン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ペンタコサン二酸、ヘキサコサン二酸、ヘプタコサン二酸、オクタコサン二酸、ノナコサン二酸、トリアコンタン二酸、ヘントリアコンタン二酸、ドトリアコンタン二酸、ジグリコール酸が挙げられ、さらに下記一般式(5):
Figure 0006085920

[式(5)中、Zは炭素数1〜6の炭化水素基、式中nは1〜6の整数である。]
で表されるジカルボン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
現像性、硬化膜特性及び接着性の観点で、さらに好ましくは炭素数が2〜15のアルキレン鎖を有するジカルボン酸であり、特に好ましくは下記一般式(II)で表される構造を有するジカルボン酸である。式中、nは、1〜14の整数を示す。
Figure 0006085920
上記のような炭素数が2〜15のアルキレン鎖を有するジカルボン酸又は後述するジカルボン酸誘導体はジカルボン酸全体又はジカルボン酸誘導体全体の10〜100モル%とすることが好ましい。
(A)成分の分子量は、現像性及び硬化膜特性のバランスの観点から、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。ここで、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
(A)成分は、末端基としてフェノール性水酸基を有するものであればよいが、側鎖基にもアルカリ可溶性基を有することが好ましい。アルカリ可溶性基としては、例えば、エチレングリコール基、カルボキシル基、水酸基、スルホニル基、フェノール性水酸基等が挙げられるが、フェノール性水酸基が好ましい。さらに(A)成分におけるアルカリ可溶性基がフェノール性水酸基のみであることがより好ましい。
上記ポリアミド樹脂の合成時に、フェノール性水酸基含有アミンを用いると、ジカルボン酸の残基とフェノール性水酸基含有アミンのアミノ基とが反応することにより、末端基としてフェノール性水酸基を導入することができる。これによって、ポリマーの重量平均分子量を低くし、パターン形成時の現像性、及び熱圧着性を向上させることができる。
フェノール性水酸基含有アミンとしては、アミノフェノール誘導体が好ましい。アミノフェノール誘導体としては、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2−アミノ−m−クレゾールなどのアミノクレゾール類、2−アミノ−4−メトキシベンゼンなどのアミノメトキシベンゼン類、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルアニリンなどの−ヒドロキシジメチルアニリン類などが挙げられるが、下記式(13)で表される化合物が好ましい。中でもアルカリ現像液への溶解性とワニス時の安定性の観点からアミノ基のメタ位に水酸基を持つものがあることが好ましく、これらの中でもm−アミノフェノールがポリアミド合成時の導入が容易であり、特に好ましい。
Figure 0006085920
末端基としてフェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂は、パターン形成性、熱圧着性及び高温接着性に加え、当該組成物をワニスあるいはフィルム形態とした際の安定性、接続端子のように突起や段差がある基板への塗布やラミネートによる埋め込み性(平坦性)が向上するので好ましい。
本発明において、上記一般式(I)で表される構造単位を有するアルカリ水溶液可溶性ポリアミドは、上述したフェノール性水酸基含有ジアミンとジカルボン酸誘導体とを反応させることによって合成することができる。
ここで、ジカルボン酸誘導体とは、ジカルボン酸の水酸基が炭素及び水素以外の原子に置換された化合物を表す。上記ジカルボン酸誘導体としては、ハロゲン原子に置換されたジハライド誘導体が好ましく、塩素原子で置換されたジクロリド誘導体がより好ましい。
上記ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。
ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
ジクロリド誘導体を合成する方法としては、ジカルボン酸と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させる方法、又は過剰のハロゲン化剤中で反応させる方法が挙げられる。
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
これらのハロゲン化剤の使用量は、溶媒中で反応させる場合、ジカルボン酸に対して、1.5〜3.0モル当量が好ましく、1.7〜2.5モル当量がより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、4.0〜50モル当量が好ましく、5.0〜20モル当量がより好ましい。
反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
上記ジクロリド誘導体とフェノール性水酸基含有ジアミンとの反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。
脱ハロゲン化水素剤としては、通常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。
また、有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。
反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として10質量%〜90質量%であることが好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、20質量%〜70質量%であることがさらに好ましく、30質量%〜60質量%であることが最も好ましい。この含有量が10質量%以上であると、パターン形成時の現像性が充分となる傾向や、タック性等の取り扱い性が充分となる傾向があり、90質量%以下であると、パターン形成時の現像性、及び接着性が充分となる傾向がある。
(A)成分としてポリアミド樹脂を配合するときにポリアミド樹脂のアルカリ溶解性が乏しい場合、溶解助剤として、カルボキシル基及び/又は水酸基を有する樹脂、並びに/或いは、親水性基を有する樹脂を添加してもよい。親水性基を有する樹脂としては、アルカリ可溶性の樹脂であれば特に限定はされないが、エチレングリコール、及びプロピレングリコール基のようなグリコール基を有する樹脂等が挙げられる。
<(B)成分>
(B)成分としては、エチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、プロパルギル基、ブテニル基、マレイミド基、ナジイミド基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。反応性の観点から、(メタ)アクリル基が好ましく、放射線重合性化合物は2官能以上の(メタ)アクリレートであることが好ましい。このようなアクリレートとしては、特に制限されないが、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、下記一般式で表される化合物、ウレタンアクリレート若しくはウレタンメタクリレート、尿素アクリレート等が挙げられる。下記一般式中、R19及びR20は各々独立に、水素原子、又はメチル基を示し、g及びhは各々独立に、1〜20の整数を示す。
Figure 0006085920
上述の放射線重合性化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、上記一般式で表されるグリコール骨格を有する放射線重合性化合物は、アルカリ可溶性、及び硬化後の耐溶剤性を充分に付与できる点で好ましく、イソシアヌル酸EO変性ジ/トリアクリレート、及びイソシアヌル酸EO変性ジ/トリメタクリレートは、パターン形成性、硬化後の高接着性、耐熱性、及び耐湿信頼性を充分に付与できる点で好ましい。
また、(B)成分は、3官能以上のアクリレート化合物を含有するものであることが好ましい。この場合、硬化後の接着性を、より向上させることができるとともに、加熱時のアウトガスを抑制することができる。また、硬化後の貯蔵弾性率を上昇させることができ、良好な耐湿信頼性を得ることができる。
また、官能基当量の高い放射線重合性化合物を併用することで、低応力化、及び低反り化することが可能となる。官能基当量の高い放射線重合性化合物は、重合官能基当量が80g/eq以上であることが好ましく、100g/eq以上であることがより好ましく、150g/eq以上であることが最も好ましい。特に、重合官能基当量が150g/eq以上の、グリコール骨格と、ウレタン基及び/又はイソシアヌル基を有する放射線重合性化合物を用いることによって、感光性樹脂組成物の現像性、及び接着性を向上させ、且つ低応力化、及び低反り化が可能となる。
また、(B)成分として、重合官能基当量が150g/eq以上の放射線重合性化合物と、重合官能基当量が150g/eq未満の放射線重合性化合物とを併用してもよい。この場合、(B)成分としてウレタン基及び/又はイソシアヌル基を有する放射線重合性化合物を用いることが好ましい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して10質量部〜500質量部であることが好ましく、20質量部〜250質量部であることがより好ましく、30質量部〜150質量部であることがさらに好ましく、40質量部〜100質量部であることが最も好ましい。この含有量が500質量部以下であると、重合により熱溶融時の流動性が適正で、熱圧着時に好適な接着性が得られる傾向にある。一方、10質量部以上であると、露光による光硬化後の耐溶剤性が高くなり、パターンを形成しやすくなる。つまり、現像前後の膜厚変化が小さくなり、残渣が少なくなる傾向にある。また、熱圧着時に溶融せず、パターンが変形しない傾向にある。
<(C)成分>
(C)成分としては、感度向上の点から、波長が365nmである光に対する分子吸光係数が1000ml/g・cm以上であるものが好ましく、2000ml/g・cm以上であるものがより好ましい。なお、分子吸光係数は、サンプルの0.001質量%アセトニトリル溶液を調製し、この溶液について分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:U−3310)を用いて吸光度を測定することによって求められる。
感光性樹脂組成物を膜厚30μm以上の接着剤層とする場合、(C)成分は、高感度の観点で、オキシムエステル骨格を有するものが好ましい。このような(C)成分としては、例えば、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]オクタン−1,2−ジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)やエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)」が挙げられる。
内部硬化性向上の観点から、光照射によってブリーチングするものも好ましい。このような(C)成分としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイドの中からUV照射によって光退色する化合物が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分は、放射線の照射によって後述する(D)エポキシ樹脂(以下(D)成分と呼ぶことがある。)や(E)エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物(以下(E)成分と呼ぶことがある。)の重合及び/又は付加反応の硬化反応を促進する機能を発現する光開始剤を含有していてもよい。このような光開始剤としては、例えば、放射線照射によって塩基を発生する光塩基発生剤、及び放射線照射によって酸を発生する光酸発生剤が挙げられ、光塩基発生剤が特に好ましい。
放射線としては、例えば、電離性放射線及び非電離性放射線が挙げられ、具体的にはArF、KrF等のエキシマレーザー光、電子線極端紫外線、真空紫外光、X線、イオンビーム、及びi線、g線等の紫外光が挙げられる。
光塩基発生剤を用いることで、生成した塩基が(D)成分や(E)成分の硬化触媒として効率よく作用する。その結果、感光性樹脂組成物の架橋密度がより一層高まり、上記感光性接着組成物の被着体への高温接着性、及び耐湿性が向上する。また、上記感光性樹脂組成物に光塩基発生剤を含有させることによって、高温放置時のアウトガスをより低減させることができる。さらに、硬化プロセス温度を低温化、及び短時間化させることができる。
また、上記塩基が、(A)成分と(D)成分及び/又は(E)成分との反応後に残存する(A)成分中のカルボキシル基及び/又は水酸基を低減させることができる。そのため、耐湿性、接着性、及びパターン形成性が向上する。
光塩基発生剤は、放射線照射時に塩基を発生する化合物であれば特に制限は受けず用いることができる。発生する塩基としては、反応性、及び硬化速度の点から強塩基性化合物が好ましい。
このような放射線照射時に発生する塩基としては、例えば、イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン誘導体、ピペリジン、1,2−ジメチルピペリジンのピペリジン誘導体、プロリン誘導体、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン誘導体、4−メチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の4位にアミノ基又はアルキルアミノ基が置換したピリジン誘導体、ピロリジン、N−メチルピロリジン等のピロリジン誘導体、ジヒドロピリジン誘導体、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデカ−7−エン(DBU)等の脂環式アミン誘導体、及びベンジルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等のベンジルアミン誘導体が挙げられる。
上述のような塩基を放射線照射によって発生する光塩基発生剤としては、例えば、Journal of Photopolymer Science and Technology 1999年、12巻、313〜314頁、及びChemistry of Materials 1999年、11巻、170〜176頁等に記載されている4級アンモニウム塩誘導体を用いることができる。これらは、放射線照射によって高塩基性のトリアルキルアミンを生成するため、エポキシ樹脂の硬化には最適である。
また、Journal of American Chemical Society 1996年、118巻 12925頁、及びPolymer Journal 1996年、28巻 795頁等に記載されているカルバミン酸誘導体も用いることができる。
さらに、放射線照射によって1級のアミノ基を発生するオキシム誘導体、光ラジカル発生剤として市販されている2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア369)、2−(ジメチルアミノ)−2−((4−メチルフェニル)メチル)−1−(4−(4−モルホリニル)フェニル)−1−ブタノン(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア379)、3,6−ビス−(2−メチル−2−モルホリノ−プロピオニル)−9−N−オクチルカルバゾール(ADEKA社製、商品名:オプトマーN―1414)、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体(ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等の置換基がフェニル基に置換されていてもよい)、ベンゾイソオキサゾロン誘導体等を用いることができる。
上記光塩基発生剤としては、高分子の主鎖及び/又は側鎖に塩基を発生する基を導入した化合物を用いても良い。この場合の分子量としては、接着剤としての接着性、流動性、及び耐熱性の観点から重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜30,000であることがより好ましい。
上記光塩基発生剤は、室温で放射線を照射しない状態では、後述する(D)成分や(E)成分と反応性を示さないため、室温での貯蔵安定性が非常に優れる。
<(D)成分>
さらに本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)エポキシ樹脂(以下(D)成分と呼ぶことがある。)を含有する。(D)成分としては、高温接着性、及び耐リフロー性の観点から、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を含むものが好ましく、パターン形成性、及び熱圧着性の点から、室温(25℃)で液状、又は半固形、具体的には軟化温度が50℃以下であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂がより好ましい。このような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型、AD型、S型、又はF型のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、3官能型、又は4官能型のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、並びに3官能型、又は4官能型のグリシジルアミンが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D)成分としては、5%質量減少温度が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、260℃以上であることが最も好ましい。5%質量減少温度が150℃以上であることで、低アウトガス性、高温接着性、及び耐リフロー性が向上する。
上記5%質量減少温度とは、サンプルを示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製、商品名:TG/DTA6300)を用いて、昇温速度10℃/min、窒素フロー(400ml/min)下で測定したときの5%質量減少温度である。
上記(D)成分として、下記構造式で表されるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。このようなエポキシ樹脂を用いることで5%質量減少温度、パターン形成性、高温接着性、耐リフロー性、及び耐湿信頼性を充分に付与できる。
Figure 0006085920
また、(D)成分としては、不純物イオンである、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、及びハロゲンイオン、特に塩素イオンを300ppm以下に低減した高純度品を用いることが好ましい。エレクトロマイグレーション防止及び金属導体回路の腐食防止が可能となる。
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して5質量部〜300質量部であることが好ましく、10質量部〜100質量部であることがより好ましい。この含有量が300質量部以下であると、アルカリ水溶液への溶解性が向上し、パターン形成性が向上する傾向がある。一方、上記含有量が5質量部未満であると、充分な熱圧着性、及び高温接着性が得にくくなる傾向がある。
(D)成分の含有量は、(D)成分と、後述する(E)エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物との総量が、(A)成分100質量部に対して20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。また、(A)成分が炭素数2〜15のアルキレン鎖を有するジカルボン酸誘導体から構成される場合は、特に30質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることが最も好ましい。(D)成分の含有量を上記範囲とすることで、パターン形成後の溶融粘度を低下させることができ、パターン形成性、熱圧着性、高温接着性、及び耐湿信頼性を向上させることができる。
<(E)成分>
さらに本実施形態の感光性樹脂組成物には、(E)エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物を含有させることもできる。(E)成分におけるエチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、プロパギル基、ブテニル基、マレイミド基、ナジイミド基、(メタ)アクリル基等が挙げられ、反応性の観点から、(メタ)アクリル基が好ましい。
(E)成分としては、特に限定はしないが、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、及び4−ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテルの他、エポキシ基と反応する官能基及びエチレン性不飽和基を有する化合物と、多官能エポキシ樹脂と、を反応させて得られる化合物等が挙げられる。上記エポキシ基と反応する官能基としては、特に限定されないが、イソシアネート基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、水酸基、酸無水物、アミノ基、チオール基、アミド基等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(E)成分は、例えば、トリフェニルホスフィン及び/又はテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下、1分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、エポキシ基1当量に対し0.1当量〜0.9当量の(メタ)アクリル酸とを反応させることによって得られる。また、ジブチルすずジラウレートの存在下、多官能イソシアネート化合物と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、ヒドロキシ基含有エポキシ化合物とを反応させることによって、又は多官能エポキシ樹脂と、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートとを反応させることによって、グリシジル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が得られる。
(E)成分は、5%質量減少温度が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、260℃以上であることが最も好ましい。上記温度が150℃以上であると、保存安定性、接着性、組み立て加熱時及び組み立て後のパッケージの低アウトガス性、耐熱性、並びに、耐湿性が向上する。
さらに、(E)成分としては、不純物イオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、及びハロゲンイオン、特には塩素イオンを1000ppm以下に低減した高純度品であることが、好ましい。エレクトロマイグレーション防止及び金属導体回路の腐食防止が可能となる。例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン等を低減した多官能エポキシ樹脂を原料として用いることで上記不純物イオン濃度を満足することができる。
上記耐熱性及び純度を満たす(E)成分としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型、AD型、S型、又はF型のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA及び/又はF型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA及び/又はF型のグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン樹脂のグリシジルエーテル、3官能型、又は4官能型のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官能型、又は4官能型のグリシジルアミン、ナフタレン樹脂のグリシジルアミン等を原料としたものが挙げられる。
熱圧着性、低応力性、及び接着性を改善し、パターン形成時には現像性を維持する観点から、(E)成分のエポキシ基及びエチレン性不飽和基の数は、それぞれ3つ以下であることが好ましく、特にエチレン性不飽和基の数は2つ以下であることが好ましい。このような(E)成分としては特に限定されないが、下記一般式(13)〜(18)で表される化合物等が好ましく用いられる。下記一般式(13)〜(18)において、R12及びR16は水素原子又はメチル基を示し、R10、R11、R13及びR14は2価の有機基を示し、R15、R17、R18及びR19はエポキシ基又はエチレン性不飽和基を有する有機基を示す。
Figure 0006085920
上記(E)成分としては、上記一般式(13)、(14)で表される化合物が好ましく用いられる。これらを用いることで、熱圧着性が向上する。
本実施形態において、(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して5質量部〜300質量部であることが好ましく、10質量部〜200質量部であることがより好ましく、20質量部〜100質量部であることがさらに好ましい。この含有量が300質量部以上であると、フィルム形成時にチキソ性が向上し、フィルム形成やすくなる傾向や、タック性が下降し、取り扱い性が充分となる傾向がある。また、パターン形成時には現像性が向上する傾向があり、光硬化後の溶融粘度が高くなることで熱圧着時にパターンが変形しない傾向もある。一方、上記(E)成分の含有量が5質量部以上であると、添加の効果が充分に得られる傾向がある。上記(E)成分はパターン形成性を維持しつつ光硬化時のスペーサとなり、架橋密度を低減することができるため、熱圧着性を大幅に向上させることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、硬化性成分として、(E)成分以外に、硬化剤を含んでもよい。
硬化剤としては、例えば、フェノール系化合物、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類、及び第3級アミンが挙げられる。
上記硬化剤の中でもフェノール系化合物が好ましく、分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物がより好ましい。フェノール系化合物を用いることでパターン形成性が向上する。このような化合物としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾールノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、キシリレン変性フェノールノボラック、ナフトール系化合物、トリスフェノール系化合物、テトラキスフェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、ポリ−p−ビニルフェノール、及びフェノールアラルキル樹脂が挙げられる。
上記フェノール系化合物の中でも、数平均分子量が400〜4,000の範囲内のものが好ましい。これによって、半導体装置組立加熱時に、半導体素子、装置等の汚染の原因となる加熱時のアウトガスを抑制できる。上記フェノール系化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して1質量部〜100質量部であることが好ましく、2質量部〜50質量部であることがより好ましく、2質量部〜30質量部であることが最も好ましい。この含有量が100質量部以下であると、露光時のエチレン性不飽和基、及びエポキシ基を有する化合物、並びに放射線重合性化合物の反応性が高くなる傾向がある。さらに、樹脂の酸価が低下することで現像後の膜厚が一定となる傾向がある。また、現像液の樹脂パターンへの浸透が大きくなることで、その後の加熱硬化時や組立熱履歴でのアウトガスが多くなり、耐熱信頼性及び耐湿信頼性が大きく低下する傾向がある。一方、上記含有量が1質量部未満であると、充分な高温接着性が得られなくなる傾向がある。
上記フェノール化合物として、5%質量減少温度が高く、パターン形成性を充分に付与できる点で、下記構造式で表されるフェノール化合物を用いることが好ましい。また、上記フェノール化合物は、樹脂組成物中のポリマー側鎖のカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基とフェノール性化合物のフェノール性水酸基のモル当量と、(D)成分及び(E)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基のモル当量との比[エポキシ基/(カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基)]が0.5〜1.5であることが好ましく、0.7〜1.4であることがより好ましく、0.9〜1.2であることが最も好ましい。上記エポキシ基/(カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基)の比が0.5以上であると高温接着性、耐リフロー性、及び耐湿信頼性が向上する傾向があり、1.5以下であるとパターン形成性、高温接着性、及び耐湿信頼性が向上する傾向がある。
Figure 0006085920
<(F)成分>
さらに本実施形態の感光性樹脂組成物には、適宜(F)フィラー(以下(F)成分と呼ぶことがある。)を含有させることもできる。(F)成分としては、例えば、銀粉、金粉、銅粉、ニッケル粉等の金属フィラー、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機フィラー、並びに、カーボン、ゴム系フィラー等の有機フィラーが挙げられ、種類、形状等にかかわらず特に制限なく使用することができる。
上記(F)成分は、所望する機能に応じて使い分けることができる。例えば、金属フィラーは、樹脂組成物に導電性、熱伝導性、チキソ性等を付与し、非金属無機フィラーは、接着剤層に熱伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等を付与する。また、有機フィラーは接着剤層に靭性等を付与する。
これら金属フィラー、無機フィラー、又は有機フィラーは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、金属フィラー、無機フィラー、又は絶縁性のフィラーが好ましい。半導体装置用接着材料に求められる、導電性、熱伝導性、低吸湿特性、絶縁性等が付与される。さらに無機フィラー、又は絶縁性のフィラーの中では、シリカフィラーがより好ましい。樹脂ワニスに対する分散性が良好で且つ、熱時の高い接着力を付与できる。
上記(F)成分は、平均粒子径が10μm以下、且つ、最大粒子径が30μm以下であることが好ましく、平均粒子径が5μm以下、且つ、最大粒子径が20μm以下であることがより好ましい。平均粒子径が10μm以下、且つ、最大粒子径が30μm以下であると、破壊靭性向上の効果が充分に得られる傾向がある。また、平均粒子径、及び最大粒子径の下限は特に制限はないが、取り扱い性の観点から、どちらも0.001μm以上が好ましい。
上記(F)成分の含有量は、付与する特性、又は機能に応じて決められるが、樹脂成分とフィラーとの質量の合計に対して0質量%〜50質量%が好ましく、1質量%〜40質量%がより好ましく、3質量%〜30質量%がさらに好ましい。フィラーを増量させることによって、低アルファ化、低吸湿化、及び高弾性率化が図れ、ダイシング性(ダイサー刃による切断性)、ワイヤボンディング性(超音波効率)、及び加熱時の接着強度を有効に向上させることができる。
上記(F)成分の含有量が50質量%以下であると、熱圧着性、及びパターン形成性が得られやすい傾向にある。求められる特性のバランスをとるべく、フィラーの最適な含有量を決定する。フィラーを用いた場合の混合及び混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。
<(G)成分>
さらに本実施形態の感光性樹脂組成物には、(G)硬化促進剤(以下(G)成分と呼ぶことがある。)を含有させることもできる。(G)成分としては、加熱によってエポキシの硬化及び/又は重合を促進するものであれば特に制限はない。例えば、芳香族含窒素化合物、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレートが挙げられる。中でもイミダゾール化合物やそれらの塩が促進効果と安定性が両立できる点で、好ましいものとして挙げられる。特に効果が高く、好ましいものとして、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレートなどを挙げることができる。
これら(G)成分の感光性樹脂組成物における硬化促進剤の含有量は、(D)エポキシ樹脂100質量部に対して0.01質量部〜50質量部が好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、各種カップリング剤を添加することもできる。上記カップリング剤を用いることで、異種材料間の界面結合性が向上する。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、及びアルミニウム系が挙げられ、中でも効果が高い点で、シラン系カップリング剤が好ましく、エポキシ基等の熱硬化性基、並びに、メタクリレート及び/又はアクリレート等の放射線重合性基を有する化合物がより好ましい。また、上記シラン系カップリング剤の沸点及び/又は分解温度は150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。つまり、200℃以上の沸点及び/又は分解温度で、且つエポキシ基等の熱硬化性基やメタクリレート及び/又はアクリレート等の放射線重合性基を有するシラン系カップリング剤が最も好ましく用いられる。上記カップリング剤の使用量は、その効果、耐熱性、及びコストの面から、使用する(A)成分100質量部に対して、0.01質量部〜20質量部とすることが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、さらにイオン捕捉剤を添加することもできる。上記イオン捕捉剤によって、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性が向上する。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、フェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するための銅害防止剤として知られる化合物、粉末状のビスマス系、アンチモン系、マグネシウム系、アルミニウム系、ジルコニウム系、カルシウム系、チタン系、及びすず系、並びに、これらの混合系の無機化合物が挙げられる。
上記イオン捕捉剤の具体例としては、特に限定はしないが東亜合成株式会社製の無機イオン捕捉剤、商品名:IXE−300(アンチモン系)、IXE−500(ビスマス系)、IXE−600(アンチモン、ビスマス混合系)、IXE−700(マグネシウム、アルミニウム混合系)、IXE−800(ジルコニウム系)、及びIXE−1100(カルシウム系)がある。これらは1種を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。上記イオン捕捉剤の使用量は、添加による効果、耐熱性、コスト等の点から、(A)成分100質量部に対して、0.01質量部〜10質量部が好ましい。
本実施形態では、必要に応じて増感剤を併用することができる。この増感剤としては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4,4’−ジメチルベンジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、及びアジド基を含む化合物が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態では、必要に応じて熱ラジカル発生剤を用いることができる。熱ラジカル発生剤としては、有機過酸化物であることが好ましい。有機過酸化物としては、1分間半減期温度が120℃以上であるものが好ましく、150℃以上であるものがより好ましい。有機過酸化物は、感光性樹脂組成物の調製条件、製膜温度、硬化(貼り合せ)条件、その他プロセス条件、貯蔵安定性等を考慮して選択される。
使用可能な有機過酸化物としては、特に限定はしないが、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシへキサン)、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及びビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートが挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
上記熱ラジカル発生剤の添加量は、エチレン性不飽和基を有する化合物の全量に対し、0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がさらに好ましく、0.5質量%〜5質量%が最も好ましい。0.01質量%以上であると硬化性が向上し、添加効果が大きくなる傾向がある。また、5質量%以下であるとアウトガス量が低下し、保存安定性が向上する傾向にある。
上記熱ラジカル発生剤としては、半減期温度が120℃以上の化合物であれば特に限定はしないが、例えば、パーヘキサ25B(日油社製)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシへキサン)(1分間半減期温度:180℃)、パークミルD(日油社製)、及びジクミルパーオキサイド(1分間半減期温度:175℃)が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、キノン類、多価フェノール類、フェノール類、ホスファイト類、イオウ類等の重合禁止剤、又は酸化防止剤を、硬化性を損なわない範囲でさらに添加してもよい。保存安定性、プロセス適応性、又は酸化防止性が付与される。
(フィルム状接着剤)
上記感光性樹脂組成物をフィルム状に成形することによって、フィルム状接着剤を得ることができる。図1は、本発明のフィルム状接着剤の一実施形態を示す端面図である。図1に示すフィルム状接着剤1は、上記感光性樹脂組成物をフィルム状に成形したものである。
フィルム状接着剤1は、例えば、図2に示す基材3上に上記感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥させることによってフィルム状に成形される。このようにして、基材3と、基材3上に形成された上記フィルム状接着剤からなる接着剤層1とを備える接着シート100が得られる。図2は、本発明の接着シート100の一実施形態を示す端面図である。図2に示す接着シート100は、基材3と、これの一方面上に設けられたフィルム状接着剤からなる接着剤層1とから構成される。
図3は、本発明の接着シートの他の一実施形態を示す端面図である。図3に示す接着シート110は、基材3と、これの一方面上に設けられたフィルム状接着剤からなる接着剤層1とカバーフィルム2とから構成される。
フィルム状接着剤1は、例えば、以下の方法で得ることができる。まず、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び必要に応じて添加される他の成分を、有機溶媒中で混合し、混合液を混練してワニスを調製する。次に、基材3上にこのワニスを塗布してワニスの層を形成し、加熱によってワニス層を乾燥した後に基材3を除去する。このとき、基材3を除去せずに、接着シート100の状態で保存、又は使用することもできる。また、接着剤層1の基材3が設けられている面とは反対の面にカバーフィルム2を積層した上で、接着シート110の状態で保存、又は使用することもできる。
ワニスの調製に用いる有機溶媒、すなわちワニス溶剤は、材料を均一に溶解、又は分散できるものであれば、特に制限はない。例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、及びN−メチル−ピロリジノン(N−メチル−2−ピロリドン)が挙げられる。
上記混合、及び混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜組み合わせて行うことができる。上記加熱による乾燥は、(B)成分が充分には反応しない温度で、且つ、溶媒が充分に揮散する条件で行う。上記「(B)成分が充分には反応しない温度」とは、具体的には、DSC(例えば、パーキンエルマー社製、商品名:DSC−7型)を用いて、サンプル量:10mg、昇温速度:5℃/min、測定雰囲気:空気、の条件で測定したときの反応熱のピーク温度以下の温度である。具体的には、通常60℃〜180℃で、0.1分〜90分間加熱することによってワニス層を乾燥させる。乾燥前のワニス層の厚みは、1μm〜200μmが好ましい。この厚みが1μm以上であると、接着固定機能が充分となる傾向があり、200μm以下であると、後述する残存揮発分が少なくなる傾向がある。
得られたワニス層の残存揮発分は10質量%以下が、好ましい。この残存揮発分が10質量%以下であると、組立加熱時の溶媒揮発による発泡が原因となる接着剤層内部にボイドが残存しにくくなり、耐湿性が向上する傾向がある。また、加熱時に発生する揮発成分によって、周辺材料、又は部材が汚染される可能性も低くなる傾向がある。なお、上記の残存揮発成分の測定条件は次の通りである。すなわち、50mm×50mmサイズに切断したフィルム状接着剤1について、初期の質量をM1とし、このフィルム状接着剤1を160℃のオーブン中で3時間加熱した後の質量をM2とし、以下の式により残存揮発分(%)を求める。
残存揮発分(%)=[(M1−M2)/M1]×100
基材3は、上述の乾燥条件に耐えるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、及びメチルペンテンフィルムを基材3として用いることができる。基材3としてのフィルムは2種以上組み合わせた多層フィルムであってもよく、表面がシリコーン系、シリカ系等の離型剤で処理されたものであってもよい。
(接着剤層付半導体ウェハ)
図4は、本発明の接着剤層付半導体ウェハの一実施形態を示す上面図であり、図5は図4のIV−IV線に沿った端面図である。図4及び図5に示す接着剤層付半導体ウェハ20は、半導体ウェハ8と、これの一方面上に設けられたフィルム状接着剤(接着剤層)1と、を備える。
接着剤層付半導体ウェハ20は、半導体ウェハ8上に、フィルム状接着剤1を加熱しながらラミネートすることによって得られる。フィルム状接着剤1は、例えば、室温(25℃)〜150℃程度の低温で半導体ウェハ8に貼付けることが可能である。
(半導体装置)
図6は、本発明の半導体装置の一実施形態を示す端面図である。図6に示す半導体装置230は、接続電極部(第1の接続部:図示せず)を有する支持部材(第1の被着体)13と、接続用端子(第2の接続部:図示せず)を有する半導体チップ(第2の被着体)14と、絶縁材からなる接着剤層1と、導電材からなる導電層9とを備えている。支持部材13は、半導体チップ14と対向する回路面18を有しており、半導体チップ14と所定の間隔をおいて配置されている。接着剤層1は、支持部材13、及び半導体チップ14の間において、それぞれと接して形成されており、所定のパターンを有している。導電層9は、支持部材13、及び半導体チップ14の間における、接着剤層1が配置されていない部分に形成されている。半導体チップ14の接続用端子は、導電層9を介して支持部材13の接続電極部と電気的に接続されている。
以下、図7〜図12を用いて、図6に示す半導体装置230の製造方法について詳述する。図7、8及び10〜12は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す端面図であり、図9は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を示す断面図である。本実施形態の半導体装置の製造方法は、以下の(第1工程)〜(第5工程)を備える。
(第1工程)接続用電極部を有する半導体ウェハ12上に接着剤層1を設ける工程(図7及び図8)。
(第2工程)接着剤層1を露光、及び現像によって、接続端子が露出する開口11が形成されるようにパターニングする工程(図9及び図10)。
(第3工程)開口11に導電材を充填して導電層9を形成する工程(図11)。
(第4工程)半導体ウェハ12と接着剤層1及び導電層9との積層体を半導体チップ14ごとに切り分ける(ダイシング)工程(図12)。
(第5工程)接続用電極部を有する支持部材13を個片化された半導体チップ14と接着剤層1との積層体の接着剤層1側に直接接着すると共に、支持部材13の接続電極部と半導体チップ14の接続用端子とを導電層9を介して電気的に接続する工程(図6)。
以下、(第1工程)〜(第5工程)について詳しく説明する。
(第1工程)
図7に示す接続用電極部を有する半導体ウェハ12から構成される半導体ウェハの回路面上に、接着剤層1を積層する(図8)。積層方法としては、予めフィルム状に成形されたフィルム状接着剤を準備し、これを半導体ウェハに貼り付ける方法が簡便であるが、スピンコート法等を用いて、感光性樹脂組成物を含有する液状のワニスを半導体ウェハ上に塗布し、加熱乾燥する方法によって積層してもよい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、露光、及び現像によってパターニングされた後に被着体に対する接着性を有し、アルカリ現像が可能な感光性樹脂組成物である。より詳細には、感光性樹脂組成物を露光、及び現像によってパターニングして形成されるレジストパターンが、半導体チップ、基板等の被着体に対する接着性を有している。例えばレジストパターンに被着体を必要に応じて加熱しながら圧着することによって、レジストパターンと被着体とを接着することが可能である。
(第2工程)
半導体ウェハ12上に設けられた接着剤層1に対して、所定の位置に開口が形成されているマスク4を介して活性光線(典型的には紫外線)を照射する(図9)。これにより接着剤層1が所定のパターンで露光される。
露光後、接着剤層1のうち露光されなかった部分を、アルカリ現像液を用いた現像によって除去することで、半導体ウェハ12の接続端子が露出する開口11が形成されるように接着剤層1がパターニングされる(図10)。なお、ネガ型の感光性樹脂組成物の代わりに、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いることも可能であり、その場合は接着剤層1のうち露光された部分が現像によって除去される。
(第3工程)
得られたレジストパターンの開口11に導電材を充填して導電層9を形成する(図11)。導電材の充填方法は、グラビア印刷、ロールによる押し込み、減圧充填等の各種方法が採用できる。ここで使用する導電材は、半田、金、銀、ニッケル、銅、白金、パラジウム等の金属又は酸化ルテニウム等の金属酸化物からなる電極材料、あるいは、上記金属のバンプの他、例えば、導電性粒子と樹脂成分とを少なくとも含有してなるものが挙げられる。導電性粒子としては、例えば、金、銀、ニッケル、銅、白金、パラジウム等の金属、酸化ルテニウム等の金属酸化物及び有機金属化合物等の導電性粒子が用いられる。また、樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、その硬化剤等の上述した硬化性樹脂組成物が用いられる。
(第4工程)
半導体ウェハ12と接着剤層1及び導電層9との積層体をダイシングにより半導体チップ14ごとに切り分ける(図12)。
(第5工程)
接続用電極部を有する支持部材13を個片化された半導体チップ14と接着剤層1との積層体の接着剤層1側に直接接着すると共に、支持部材13の接続電極部と半導体チップ14の接続用端子とを導電層9を介して電気的に接続する。なお、半導体チップ14における接着剤層1と反対側の回路面上に、パターン化された接着剤層(バッファーコート膜)が形成されていてもよい。
半導体チップ14の接着は、例えば、接着剤層1(感光性樹脂組成物)が流動性を発現するような温度にまで加熱しながら熱圧着する方法によって行われる。熱圧着後、必要に応じて接着剤層1を加熱してさらに硬化反応を進行させてもよい。
半導体チップ14における接着剤層1と反対側の回路面(裏面)には、裏面保護フィルムを貼り付けることが好ましい。
以上の方法によって、図6に示す半導体装置230が得られる。本発明の半導体装置の製造方法は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、上記製造方法は、第4の工程において、ウェハサイズの支持部材13上に半導体ウェハ12と接着剤層1との積層体を、半導体ウェハ12と接着剤層1との積層体の接着剤層1側に直接接着すると共に、支持部材13の接続端子と半導体ウェハ12の接続用電極部とを導電層9を介して電気的に接続し、第5の工程において、半導体ウェハ12と接着剤層1と支持部材13との積層体を半導体チップ14ごとに切り分けてもよい。
上記製造方法では、半導体ウェハ12と支持部材13との接続までの工程(第4の工程)をウェハサイズでできるので作業効率の点において好ましい。なお、半導体ウェハ12における接着剤層1と反対側の回路面(裏面)には、裏面保護フィルムを貼り付けることが好ましい。
また、支持部材13が半導体チップや半導体ウェハであっても良く、この場合は半導体ウェハ同士、半導体チップ14と半導体ウェハ(支持部材13)又は半導体チップ同士を接着することによって半導体装置(半導体積層体)を構成することができる。この積層体には、貫通電極を形成することも可能である。
また、上記製造方法は、第1工程において、接続用電極部に既に導電層9が形成されている半導体ウェハを使用することもできる。この場合は、第2工程において開口11を導電層9が露出するように行い、第3工程を省略して第4工程へ進むことができる。
以下、実施例を挙げて本発明について、より具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<(A)成分:アルカリ水溶液可溶性ポリアミド>
(合成例1)
撹拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g(60mmol)、N−メチル−2−ピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル23.9g(120mmol)を滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド溶液を得た。次いで、撹拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチル−2−ピロリドン87.5gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.30g(50mmol)を撹拌溶解した。その後、ピリジン9.48g(120mmol)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド溶液を30分間で滴下した後、30分間撹拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥してカルボキシル基末端のポリヒドロキシアミドを得た(以下、ポリマーIとする)。ポリマーIのGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は17,600、分散度は1.6であった。
(合成例2)
合成例1で用いたジフェニルエーテルジカルボン酸を、等モルのセバシン酸に置き換えた。他は合成例1と同様の条件にて、ポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーIIとする)を合成した。得られたポリマーIIの標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は28,700、分散度は2.2であった。
(合成例3)
合成例1で用いたジフェニルエーテルジカルボン酸を、等モルのドデカン二酸に置き換えた。他は合成例1と同様の条件にて、ポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーIIIとする)を合成した。得られたポリマーIIIの標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は27,200、分散度は1.9であった。
(合成例4)
合成例1において、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとともに、さらにm−アミノフェノール2.183g(20mmol)を加え、撹拌溶解した。他は合成例1と同様の条件にて合成を行った。得られたポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーIVとする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は15,800、分散度は2.1であった。ポリマーIVはH−NMRの測定により残存するカルボキシル基がなく、アルカリ可溶性基はフェノール性水酸基のみであることを確認した。
(合成例5)
合成例2において、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとともに、さらにm−アミノフェノール2.183g(20mmol)を加え、撹拌溶解した。他は合成例2と同様の条件にて合成を行った。得られたポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーVとする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は24,100、分散度は2.0であった。ポリマーVはH−NMRの測定により残存するカルボキシル基がなく、アルカリ可溶性基はフェノール性水酸基のみであることを確認した。
(合成例6)
合成例3において、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンとともに、さらにm−アミノフェノール2.183g(20mmol)を加え、撹拌溶解した。他は合成例3と同様の条件にて合成を行った。得られたポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーVIとする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は22,700、分散度は2.1であった。ポリマーVIはH−NMRの測定により残存するカルボキシル基がなく、アルカリ可溶性基はフェノール性水酸基のみであることを確認した。
(合成例7)
N−メチル−2−ピロリドン150mlにp−フェニレンジアミン10.8g(100mmol)を添加して溶解させた後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.4g(100mmol)を添加して重合させ、標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量が41,400のポリアミド酸を得た。これをポリマーXとする。なお、ポリマーI〜VIはアルカリ水溶液(2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)に可溶であったのに対し、ポリマーXは不溶であった。
(GPC法標準ポリスチレン換算による重量平均分子量の測定条件)
測定装置;検出器 株式会社日立製作所製L4000 UV
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5 ×2本
溶離液:THF/DMF=1/1 (容積比)
LiBr(0.03mol/l)、HPO(0.06mol/l)
流速:1.0ml/min、検出器:UV270nm
試料0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mlの溶液を用いて測定した。
測定温度:23℃
<(E)成分:エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物>
(E−1)
撹拌機、温度計、及び窒素置換装置を備えた500mLフラスコ内に、撹拌しながら液状の高純度ビスフェノールAビスグリシジルエーテルエポキシ樹脂(東都化成製、商品名:YD−825GS、エポキシ当量178g/eq)178g(1.0当量)、アクリル酸36g(0.5当量)、トリフェニルホスフィン0.5g、及びヒドロキノン0.15gを仕込み、100℃で7時間反応させ、分子内に炭素−炭素二重結合及びエポキシ基を有する化合物E−1を得た。E−1を水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定し、酸価が0.3KOHmg/g以下であることを確認した。(5%質量減少温度:300℃、エポキシ基数:約1、(メタ)アクリル基数:約1)
<感光性樹脂組成物の調製>
上記で得られた樹脂及び他の化合物を用いて、下記表1及び表3に示す組成比(単位:質量部)にて各成分を配合し、実施例4〜6、9〜11、参考例1〜3、7、8及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物(接着剤層形成用ワニス)を得た。
表1及び表3において、各記号は下記のものを意味する。
M−313:東亜合成社製、イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート(放射線重合性基当量:約160g/eq、5%質量減少温度:>400℃)。
YDF−870GS:東都化成社製、ビスフェノールF型ビスグリシジルエーテル(エポキシ当量:165g/eq、5%質量減少温度:270℃)。
R−972:日本アエロジル社製、疎水性フュームドシリカ(平均粒径:約16nm)
I−819:チバ・ジャパン社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(5%質量減少温度:210℃、365nmでの分子吸光係数:2300ml/g・cm)。
I−OXE02:チバ・ジャパン社製、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)。
G−1:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール。
G−2:2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン。
なお、5%質量減少温度は以下の条件で測定した。すなわち、サンプルを、示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、商品名「TG/DTA6300」)を用いて、昇温速度10℃/min、窒素フロー(400ml/分)下で5%質量減少温度を測定した。また、分子吸光係数は、サンプルの0.001質量%アセトニトリル溶液を調製し、この溶液について分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、「U−3310」(商品名))を用いて吸光度を測定して求めた。
また、後述する評価試験に記載の方法により、実施例4〜6、9〜11、参考例1〜3、7、8及び比較例1〜3で得られた感光性樹脂組成物を評価した。その結果を、表2及び表4に示す。
Figure 0006085920
Figure 0006085920
ここで、アルカリ水溶液可溶性ポリアミドにおけるアルカリ可溶性基がフェノール性水酸基のみである実施例4〜6及び9〜11の感光性樹脂組成物は、ライン幅/スペース幅=30μm/30μm以下の細線パターンが形成可能で、かつ接続端子付き基板の埋め込み性も良好であることから、半導体素子同士の接続用材料及び/又は半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接続用材料として好適に用いることができる。またG成分を加えた実施例〜11及び参考例7、8の感光性樹脂組成物は耐リフロー性がより良好で、ボイドレスでの接着が可能となった。
Figure 0006085920
Figure 0006085920
<接着シート>
得られた感光性樹脂組成物を、乾燥後の膜厚が40μmとなるように、それぞれ基材(剥離剤処理PETフィルム)上に塗布し、オーブン中にて80℃で20分間加熱し、続いて120℃で20分間加熱して、基材上に感光性樹脂組成物からなる接着剤層を形成した。このようにして、基材、及び基材上に形成された接着剤層を有する接着シートを得た。
<評価試験>
支持台上にシリコンウェハ(6インチ径、厚さ400μm)を載せ、その上に、上記接着シートを、接着剤層がシリコンウェハの裏面(支持台と反対側の面)と接するように、ロール加圧(温度80℃、線圧39N/cm(4kgf/cm)、送り速度0.5m/分)によって積層した。基材(PETフィルム)を剥離除去した後、露出した接着剤層上に、厚み80μm、幅10mm、長さ40mmのポリイミドフィルム(宇部興産社製、商品名:ユーピレックス)を、上記と同様の条件でロール加圧して積層した。このようにして、シリコンウェハ、接着剤層、及びポリイミドフィルムからなり、これらがこの順に積層する積層体のサンプルを得た。
上記で得られた積層体について、以下の評価試験を行った。
(高温接着性)
得られた積層体を、接着シート側から、高精度平行露光機(オーク製作所製、商品名:EXM−1172−B−∞)によって1000mJ/cmで露光し、80℃のホットプレート上で30秒間加熱した。基材(PETフィルム)を剥離除去した後、コンベア現像機(ヤコー社製)を用いて、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38質量%溶液を現像液とし、温度26℃、スプレー圧0.18MPaの条件でスプレー現像した後、温度25℃の純水にてスプレー圧0.02MPaの条件で6分間水洗し、120℃で1分間乾燥させた。このようにして、シリコンウェハ上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化物層を形成した。
得られたシリコンウェハ、及び硬化物層からなる積層体を、3mm×3mmの大きさに個片化した。個片化した積層体をホットプレート上で、120℃で10分間乾燥させた後、ガラス基板(10mm×10mm×0.55mm)上に、硬化物層がガラス基板と接するようにして積層し、20N(2kgf)で加圧しながら、150℃で10秒間圧着した。このようにして、シリコンウェハ、硬化物層、及びガラス基板がこの順で積層された積層体のサンプルを得た。
得られたサンプルを、オーブン中で180℃、3時間の条件で加熱し、さらに、260℃の熱盤上で10秒間加熱した後、せん断接着力試験機(Dage社製、商品名:Dage−4000)を用いて接着力を測定した。またガラス越しに観察し、硬化物層とガラス基板の界面にボイドが発生していないか確認した。ボイドが全く生じていないものをA、小さなボイドの発生が見られるものをB、大きなボイドの発生又は多数のボイドが見られるものをCとして、評価を行った。
(パターン形成性)
上記高温接着性の評価試験と同様にして、シリコンウェハ上に接着シートを積層した。得られた積層体を、接着シート側から、ネガ型パターン用マスク(日立化成社製、商品名:No.G−2)を介して、上記試験と同様に露光した。次いで、上記試験と同様に、ホットプレート上で放置後、基材を除去し、現像、水洗、及び乾燥を行った。このようにして、シリコンウェハ上に、感光性樹脂組成物の接着剤パターンを形成した。
形成された接着剤パターンを目視にて観察し、ライン幅/スペース幅=30μm/30μm未満の細線パターンが形成されていた場合をA、30μm/30μm以上60μm/60μm未満の細線パターンが形成されていた場合をB、60μm/60μm以上400μm/400μm未満の細線パターンが形成されていた場合をC、パターンが形成されていなかった場合をDとして、パターン形成性の評価を行った。
(フィルム安定性試験)
パターン形成性の評価試験と同様にして、シリコンウェハ上に接着シートを積層した。この状態で室温下、2週間放置してからパターン形成性の評価試験と同様にして、シリコンウェハ上に、感光性樹脂組成物の接着剤パターンの形成を試みた。このとき形成された接着剤パターンを目視にて観察し、パターン形成性の評価試験と同様にライン幅/スペース幅=30μm/30μm未満の細線パターンが形成されていた場合をA、30μm/30μm以上60μm/60μm未満の細線パターンが形成されていた場合をB、60μm/60μm以上400μm/400μm未満の細線パターンが形成されていた場合をC、パターンが形成されていなかった場合をDとして、パターン形成性の評価を行った。
(耐リフロー性)
上記高温接着性の評価試験と同様にして、シリコンウェハ、及び硬化物層からなる積層体を、5mm×5mmの大きさに個片化した。ガラス基板の代わりにプリント基板(ガラスエポキシ基板15mm×15mm×0.15mm)を用いて、個片化したシリコンチップ、接着剤パターン、及びプリント基板からなり、これらがこの順に積層する積層体のサンプルを得た。得られたサンプルを、オーブン中で180℃、3時間の条件で加熱した。加熱後のサンプルを、温度85℃、湿度60%の条件下で168時間処理した後、温度25℃、湿度50%の環境下に置いた後、250℃、10秒のIRリフローを行い、剥離の有無を外観観察及び超音波探査装置(SAT)で観察した。全く剥離が見られなかったものをA、SAT撮像により剥離が見られたものをB、外観観察で明らかな剥離が見られたものをCとして、耐リフロー性の評価を行った。
(接続端子付き基板の埋め込み性)
支持台上に接続端子付きシリコンチップ(1cm×1cm、厚さ400μm、端子部は40μm×40μm、高さ40μm、100μmピッチでチップのペリフェラル部に沿って2列等間隔に存在)を載せ、その上に、上記接着シートを、接着剤層がシリコンウェハの端子側と接するように、真空ラミネーター(温度80℃、圧力0.5MPa、時間30秒)によってラミネートした。基材(PETフィルム)を剥離除去した後、露出した接着剤層の外観を光学顕微鏡により観察し、ボイドの発生なくラミネートできたか確認した。端子周囲にボイドの発生のない良好なものをA、端子周辺部にのみボイドが観察されたものをB、端子周囲のみならず全面にボイドが顕著なものをC(不可)とした。
(硬化後のTg)
支持台上にテフロン(登録商標)シートを載せ、その上に、上記接着シートを、ロール加圧(温度60℃、線圧39N/cm(4kgf/cm)、送り速度0.5m/分)によって積層した。得られた積層体を、基材付き接着シート側から、高精度平行露光機(オーク製作所製、商品名:EXM−1172−B−∞)によって1000mJ/cmで露光し、80℃のホットプレート上で30秒間加熱した。基材(PETフィルム)を剥離除去した後、コンベア現像機(ヤコー社製)を用いて、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38質量%溶液を現像液とし、温度26℃、スプレー圧0.18MPaの条件で1分間晒した後、温度25℃の純水にてスプレー圧0.02MPaの条件で6分間水洗した。得られたフィルムをホットプレート上で、120℃で10分間乾燥させた後、厚さが80μmとなるようにロール加圧(温度100℃、線圧39N/cm(4kgf/cm)、送り速度0.5m/分)によって積層し、テフロン(登録商標)シート、接着剤層、及びテフロン(登録商標)シートがこの順で積層された積層体のサンプルを得た。片側のテフロン(登録商標)シートを剥離除去した後、オーブン中で180℃、3時間の条件で加熱した。加熱後のサンプルを、5mm幅の短冊状に切断し、粘弾性アナライザー(レオメトリックス社製、商品名:RSA−2)を用いて、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、測定温度−50℃〜300℃の条件で測定し、得られたtanδピーク温度をTgとした。
本発明の感光性樹脂組成物は、充分な耐湿信頼性を有する接着剤パターンを形成できるため、高精細な半導体パッケージの製造に用いる接着剤として好適に用いられる。また、本発明のフィルム状接着剤及び接着シートは、基板、ガラス、シリコンウェハ等の被着体、又は支持部材上に適用したときに、液状の樹脂組成物を用いる場合よりも位置合わせ精度に優れる上に、露光によるパターン化の解像度を向上させることができ、さらに、パターン形成後の基板、ガラス、半導体素子等の被着体との低温熱圧着性を有すると共に、熱硬化後の優れた耐熱性を有するため、半導体素子、光学素子、固体撮像素子等の保護の用途、微細な接着領域が求められる接着剤、並びに、バッファーコート用途に好適に使用できる。
1…フィルム状接着剤(接着剤層)、2…カバーフィルム、3…基材、4…マスク、8…半導体ウェハ、9…導電層、11…開口、12…半導体ウェハ、13…支持部材、14…半導体チップ、18…回路面、20…接着剤層付半導体ウェハ、100,110…接着シート、230…半導体装置。

Claims (15)

  1. (A)下記一般式(I)で表される構造単位を有するアルカリ水溶液可溶性ポリアミド、(B)放射線重合性化合物、(C)光開始剤、及び(D)エポキシ樹脂を含有し、
    前記アルカリ水溶液可溶性ポリアミドが、アルカリ可溶性基としてフェノール性水酸基のみを有するポリアミドである、感光性樹脂組成物。
    Figure 0006085920
    [式中、Uは4価の有機基を示し、Vは2価の有機基を示す。]
  2. 前記アルカリ水溶液可溶性ポリアミドが、
    フェノール性水酸基含有ジアミンと、
    ジカルボン酸誘導体と、
    を反応させて得られるポリアミドであって、
    前記ジカルボン酸誘導体全体の10モル%〜100モル%が、炭素数2〜15のアルキレン鎖を有するジカルボン酸誘導体である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記ジカルボン酸誘導体が、下記一般式(II)で表されるジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸誘導体である、請求項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0006085920
    [式中、nは、1〜14の整数を示す。]
  4. 前記フェノール性水酸基含有ジアミンが、下記一般式(A−1)で表されるフェノール性水酸基含有ジアミンを含む、請求項又はに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0006085920
    [式中、R21は、単結合、又は2価の有機基を示す。]
  5. 前記放射線重合性化合物が、3官能以上の(メタ)アクリレートを少なくとも1種含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち少なくとも1種を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. (E)エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する化合物をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. (F)フィラーをさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. (G)硬化促進剤をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 半導体素子同士の接続及び/又は、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接続に使用される接着剤用の、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物をフィルム状に成形することによって得られる、フィルム状接着剤。
  12. 基材と、該基材上に形成された請求項11に記載のフィルム状接着剤からなる接着剤層と、を備える、接着シート。
  13. 被着体上に積層された請求項11に記載のフィルム状接着剤からなる接着剤層を露光する工程と、露光後の前記接着剤層をアルカリ現像液で現像処理する工程と、を備える、接着剤パターンの製造方法
  14. 半導体ウェハと、
    該半導体ウェハ上に積層された請求項11に記載のフィルム状接着剤からなる接着剤層と、
    を備える接着剤層付半導体ウェハ。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて、半導体素子同士が接着された構造、及び/又は、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とが接着された構造を有する、半導体装置。
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