以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に押しボタン式の演出用操作手段12が設けられている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、センターケース24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。また、センターケース24には、液晶式等の画像表示手段29の他、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段31の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段25が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段33がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口26a,26bと、下特別始動口26bを開閉する開閉手段39とを備え、例えばセンターケース24の下側に配置されている。上特別始動口26aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口26bは、開閉手段39により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段39が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段(図柄表示手段)32は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄
(図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口26a,26bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値(図柄変動情報の一例)が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様(大当たり態様とは異なる態様)で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口26a,26bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段29上に大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板40を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段32の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板40が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
また、画像表示手段29には、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄34が変動表示される他、特別保留個数を示す保留表示画像35、演出用操作手段12の操作が有効な操作有効期間中であることを示す操作有効期間報知画像36等の各種演出画像が遊技状態に応じて表示されるようになっている。
ここで、演出図柄34は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
また、演出図柄34では、例えば3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄34も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄34も外れ態様となるものとする。なお、特別図柄の変動中、画像表示手段29上では特別図柄の変動とは無関係の演出を行う場合があってもよい。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着されたセンターケース24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、遊技の進行を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通利益状態発生手段55、普通図柄表示制御手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段(保留記憶手段)63、特別図柄処理手段64、特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)65、特別図柄表示制御手段(図柄表示制御手段)66、特別遊技状態発生手段67、先読み判定手段68、コマンド送信手段69等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段54a、普通停止図柄選択手段54b、変動時間選択手段54c等を備えている。当たり判定手段54aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段54bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。変動時間選択手段54cは、普通図柄の変動時間を選択するものである。
普通利益状態発生手段55は、当たり判定手段54aによる判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段26を構成する下特別始動口26bの開閉手段39を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
普通図柄表示制御手段56は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段54cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段54bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち特別始動口26a,26bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値(図柄変動情報)を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段(保留記憶手段)63に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段64a、特別停止図柄選択手段64b、変動パターン選択手段64c、遊技モード切替手段64d、遊技モード変更パターン記憶手段64e等を備えている。大当たり判定手段(変動開始時判定手段)64aは、乱数抽選により大当たり/外れの判定を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に(所定の変動開始条件の成立の一例)、特別乱数記憶手段63に記憶されている大当たり判定値の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
特別停止図柄選択手段64bは、特別図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するもので、例えば大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たりであった場合には、特別乱数記憶手段63に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値に基づいて例えば複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段64aによる判定結果が外れであった場合には例えば複数種類の外れ態様の何れかを抽選等により選択するように構成されている。
変動パターン選択手段64cは、演出図柄の変動パターンを複数種類の中から選択するもので、所定の変動パターン選択テーブルを用いて、変動パターン乱数による抽選により変動パターンを択一的に選択するようになっている。演出図柄の変動パターンには、例えばリーチ状態を経由して大当たり態様又は外れ態様となるリーチ大当たり/外れ変動パターンと、リーチ状態を経由することなく外れ態様となる通常変動パターンとがあり、またそれらリーチ大当たり/外れ変動パターンと通常変動パターンとが夫々複数種類設けられており、大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たりの場合にはリーチ大当たり変動パターンの何れかが、大当たり判定手段64aによる判定結果が外れの場合にはリーチ外れ変動パターンと通常変動パターンのうちの何れかが、変動パターン選択テーブルを用いた抽選により選択されるようになっている。
また、変動パターン選択テーブルは複数種類用意されており、例えば後述する確変遊技状態中(特別遊技期間の一例)は、所定の遊技モード変更パターンに従って変化する遊技モード毎に予め定められた変動パターン選択テーブルが用いられるようになっている。なお、確変遊技状態中以外については、常に同一の変動パターン選択テーブルを用いてもよいし、所定のタイミングで変動パターン選択テーブルを変更するようにしてもよい。例えば後述する時短遊技状態中についても、確変遊技状態中と同様、遊技モードの変更に応じて変動パターン選択テーブルを変更してもよい。
ここで、確変遊技状態中の遊技モードは、遊技モード変更パターン記憶手段64eに予め記憶された遊技モード変更パターンに従って、遊技モード切替手段64dによって切り替えられるようになっている。遊技モード変更パターンは、例えば確変遊技状態中(特別遊技期間中)における複数種類の遊技モードの切り替え順序と、特別図柄表示手段32による図柄変動回数で規定される各遊技モードの継続期間とを規定するものである。本実施形態の確変遊技状態は、いわゆる「ST」、「回数切り確変」などと称されるもので、その発生後に特別図柄表示手段32による図柄変動回数が所定回数(ここでは70回)に達するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了するように設定されているものとする。
また、その確変遊技状態中の遊技モードとして、図5に示すように「ST前半モード」、「ST中盤モード」、「ST後半モード」の3種類が設けられており、確変遊技状態が開始されてから特別図柄表示手段32が33回変動するまでの期間が「ST前半モード」、そこから特別図柄表示手段32が30回変動するまでの期間が「ST中盤モード」、更にそこから最後まで、即ち特別図柄表示手段32が7回変動するまでの期間が「ST後半モード」となっている。
各遊技モードに対しては、例えば図3に示すような各1つの変動パターン選択テーブルが設定されており、それら各遊技モードに対応する3種類の変動パターン選択テーブルは、例えば各変動パターンの選択率の設定が異なるのはもちろん、選択対象となる変動パターンの種類も異なっていてもよい。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)65は、大入賞手段27を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態における大入賞手段27の開放パターンは、大入賞手段27の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段27を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別図柄表示制御手段(図柄表示制御手段)66は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に(所定の変動開始条件の成立の一例)、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段64cにより選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段64bにより選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の確変判定値と一致しない場合には時短遊技状態を、一致する場合には確変遊技状態(特別遊技期間の一例)を夫々発生させるように構成されている。
時短遊技状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段32の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り替えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率から高確率へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、下特別始動口26bの開閉手段39の開閉パターンが通常開閉パターンから延長開閉パターンへ、夫々切り替えられるようになっている。なお、時短遊技状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了するようになっている。
また確変遊技状態(特別遊技期間)中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が増加することにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率よりも高い高確率に切り替えられると共に、例えば時短遊技状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変遊技状態は、上述したように例えばその開始後に特別図柄が所定回数(ここでは70回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了するようになっており、その期間中、遊技モード変更パターンに従って「ST前半モード」、「ST中盤モード」、「ST後半モード」の3種類の遊技モードに順次切り替えられるようになっている(図5)。
先読み判定手段68は、特別図柄始動手段26が遊技球を検出したときに取得される大当たり判定乱数値等(変動記憶情報)の内容を、大当たり判定手段64aによる判定よりも前の所定時点、例えばそれらの乱数値を取得した時点で事前に判定するもので、例えばその大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致するか否か、及び大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致するか否かに応じて、例えば大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しない「外れ保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致しない「通常大当たり保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が確変判定値と一致する「確変大当たり保留記憶」の何れであるかを判定するようになっている。
コマンド送信手段69は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、減算後の特別保留個数を指定する保留減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄の変動後の停止図柄を指定する停止図柄コマンドを例えばこの順序で演出制御基板42側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に増加後の特別保留個数等を指定する保留増加コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、確変遊技状態中における遊技モードの状況を示す遊技モードコマンドを、確変遊技状態中における特別図柄の変動毎、即ち例えば特別図柄の変動開始毎に演出制御基板42側に送信する機能等を備えている。
保留減算コマンドは、図4に示すように、例えば減算後の特別保留個数(ここでは0〜3個)に応じて複数種類(ここでは4種類)設けられている。また、保留増加コマンドは、図4に示すように、例えば増加後の特別保留個数(ここでは1〜4個)に応じた複数種類(ここでは4種類)のコマンドが、先読み判定手段68による外れ保留記憶、通常大当たり保留記憶、確変大当たり保留記憶の3種類の判定結果に応じて3組設けられている。
また、遊技モードコマンドは、図5に示すように、各遊技モードに対応して、ST前半モードに対応するST前半モードコマンド、ST中盤モードに対応するST中盤モードコマンド、ST後半モードに対応するST後半モードコマンドの3種類設けられており、例えば上位バイトの値(FBH、FCH、FDHの3種類)で区別されるようになっている。また、それら各遊技モードコマンドには、対応する遊技モードが終了するまでの残り変動回数の値が、例えば下位バイトに設定されるようになっている。例えばコマンド“FB03H”であれば、ST前半モードコマンドであって、そのST前半モードが終了するまでの残り変動回数が3回であることを示している。
確変遊技状態中における特別図柄の変動開始時には、その時点で進行中の遊技モード
(現遊技モード)に対応する遊技モードコマンド(現遊技モードコマンド)の他、その現遊技モードの次の遊技モード(次遊技モード)に対応する遊技モードコマンド(次遊技モードコマンド)を含むそれ以降の全ての遊技モードに対応する遊技モードコマンドが、夫々の遊技モードにおける残り変動回数の値をセットした状態で、各遊技モードの出現順序通りに演出制御基板42側に送信されるようになっている。その際、現遊技モード以外の遊技モードに対応する遊技モードコマンドについては、例えばその遊技モードにおける残り変動回数の最大値がセットされる。
例えば、確変遊技状態の開始後3回目(残り変動回数68回)の図柄変動開始時(ST前半モード中)には、残り変動回数31回に対応するST前半モードコマンドである“FB1FH”(現遊技モードコマンド)と、残り変動回数30回に対応するST中盤モードコマンドである“FC1EH”(次遊技モードコマンド)と、残り変動回数7回に対応するST後半モードコマンドである“FD07H”がその順序で送信される。また例えば、確変遊技状態の開始後38回目(残り変動回数33回)の図柄変動開始時(ST中盤モード中)には、残り変動回数26回に対応するST中盤モードコマンドである“FC1AH”(現遊技モードコマンド)と、残り変動回数7回に対応するST後半モードコマンドである“FD07H”(次遊技モードコマンド)がその順序で送信される。
なお本実施形態では、遊技モードコマンドは特別図柄の変動開始時(変動開始直前)に送信されるため、進行中の遊技モードに対応する遊技モードコマンドに設定される残り変動回数の値は、その直後に開始される図柄変動を含めた変動回数となっている。従って、遊技モードコマンドの送信直後に特別図柄の変動が開始された後は、その最初の遊技モードコマンドで指定された残り変動回数から1を減算した値が、進行中の遊技モードにおける実際の残り変動回数となる。
演出制御基板42は、画像表示手段29、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するもので、演出制御手段73、特別保留個数表示制御手段74、図柄演出制御手段75、予告演出制御手段(遊技演出制御手段)76等を備えている。
演出制御手段73は、各種演出手段を制御するもので、画像表示手段29による画像表示を制御する画像表示制御手段73a、音声出力手段71からの音声出力を制御する音声制御手段73b、電飾手段72等の発光を制御する発光制御手段73c等を備えている。
特別保留個数表示制御手段74は、画像表示制御手段73aを介して特別保留個数の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドに基づいて、画像表示手段29の表示画面上の所定位置に増加後の特別保留個数分の保留表示画像35を表示し、例えば主制御基板41から保留減算コマンドを受信することに基づいて、表示中の保留表示画像35の数を1個減少させて待ち行列の前側にシフトさせるように構成されている。
図柄演出制御手段75は、特別図柄の変動に関する演出を制御するもので、例えば主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信し且つその後所定時間以内に停止図柄コマンドを受信することに基づいて、演出図柄の停止図柄を選択する停止図柄抽選処理を実行した後、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて、演出制御手段73を介して演出図柄を変動させるように構成されている。なお、演出図柄の変動中は、後述する予告演出制御手段76によって選択された予告演出が実行される。
予告演出制御手段76は、特別図柄の変動中に行う予告演出(遊技演出)を制御するもので、遊技モード管理手段76a、残り変動回数記憶領域76b、予告演出選択手段(遊技演出選択手段)76c、テーブル記憶領域76d等を備えている。
遊技モード管理手段76aは、確変遊技状態中等における遊技モードの変化状況を管理するもので、例えば特別図柄の変動が開始される毎、即ち例えば主制御基板41から保留減算コマンド等を受信する毎に、図6に示す残り変動回数格納処理を実行することにより、進行中の遊技モード及びその残り変動回数の他、それに続く全ての遊技モードとそれら各遊技モードの継続期間(図柄変動回数)を認識することが可能となっている。
図6に示す残り変動回数格納処理では、まずRAM上に設けられた残り変動回数記憶領域76bの先頭アドレス(図9参照)をセットした後(S1)、ST前半モードコマンドを受信したか否かを判定し(S2)、ST前半モードコマンドを受信したことを条件に
(S2:Yes)、そのST前半モードコマンドの下位バイトの値、即ちST前半モードの残り変動回数の値を「ST前半残り変動回数」として残り変動回数記憶領域76b(図9)に格納する(S3)。
続いて、残り変動回数記憶領域76bのアドレスに1を加算した後(S4)、ST中盤モードコマンドを受信したか否かを判定し(S5)、ST中盤モードコマンドを受信したことを条件に(S5:Yes)、そのST中盤モードコマンドの下位バイトの値、即ちST中盤モードの残り変動回数の値を「ST中盤残り変動回数」として残り変動回数記憶領域76b(図9)に格納する(S6)。
更に、残り変動回数記憶領域76bのアドレスに1を加算した後(S7)、ST後半モードコマンドを受信したか否かを判定し(S8)、ST後半モードコマンドを受信したことを条件に(S8:Yes)、そのST後半モードコマンドの下位バイトの値、即ちST後半モードの残り変動回数の値を「ST後半残り変動回数」として残り変動回数記憶領域76b(図9)に格納する(S9)。
以上の残り変動回数格納処理により、図9に示す残り変動回数記憶領域76b上のST前半残り変動回数、ST中盤残り変動回数、ST後半残り変動回数の値が、特別図柄の変動開始毎に更新される。このように、残り変動回数記憶領域76b上に格納されているST前半残り変動回数、ST中盤残り変動回数、ST後半残り変動回数の値は、図柄変動開始時(図柄変動開始直前)のものであるから、進行中の遊技モードに対応する残り変動回数については、図柄変動が開始された後は、残り変動回数記憶領域76b上の値から1減算した値が実際の残り変動回数となる。
予告演出選択手段(遊技演出選択手段)76cは、所定のタイミングで、その時点の遊技モードに対応する予告演出を選択するもので、例えば特別保留個数の増加時、即ち主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、図7に示すテーブル選択処理、及び図8に示す予告演出抽選処理を実行するように構成されている。
ここで、本実施形態では、確変遊技状態中に出現可能な予告演出として、図10に示すようにA〜Eの5種類が設けられている。これら5種類の予告演出A〜Eは、例えば何れも先読み判定手段68による先読み判定結果に基づく予告演出(遊技演出)であり、その先読み判定に係る保留記憶が図柄変動に供されるまでの例えば4回(所定上限回数)を限度とする1又は複数回の図柄変動にわたって実行されるいわゆる連続予告である点では共通するが、予告演出Aは例えば保留表示画像35の表示態様(色、形状等)を変化させるものであり、予告演出Bは例えば演出図柄の変動中に登場するキャラクターの表示態様を変化させるものであり、予告演出Cは例えば可動体を各種パターンで作動させるものである等、その演出の態様が夫々異なっている。
また、これら5種類の予告演出A〜Eは、各遊技モードにおける図柄演出と整合するか否か等により、遊技モード毎に出現可能なものと出現不可能なものとが予め分類されている。本実施形態では、図10に示すように、ST前半モードでは予告演出A〜Cのみが、ST中盤モードでは予告演出A,C,Dのみが、ST後半モードでは予告演出A,D,Eのみが夫々出現可能であり、それら以外は出現不可能となっている。即ち、ST前半モードとST中盤モードとの両方で出現可能な予告演出はA,Cのみであり、ST中盤モードとST後半モードとの両方で出現可能な予告演出はA,Dのみであり、全ての遊技モードで出現可能な予告演出はAのみとなっている。
この遊技モードと予告演出との対応関係については、ROM上のテーブル記憶領域76dに先読みテーブルとして予め記憶されている。本実施形態では、図11に示すように、6種類の先読みテーブル1〜6が設定されている。先読みテーブル1は、ST前半モード中であって、その時点で開始された予告演出が次のST中盤モードに跨る可能性がない場合、即ちその遊技モードにおける残り変動回数が特別保留個数の最大値(ここでは4)以上である場合に用いられるもので、ST前半モードにおいて出現可能な予告演出A〜Cに対応する予告演出抽選テーブルのアドレスが設定されている。また先読みテーブル2は、ST前半モード中であって、その時点で開始された予告演出が次のST中盤モードに跨る可能性がある場合、即ちその遊技モードにおける残り変動回数が4未満である場合に用いられるもので、ST前半モードとST中盤モードとの両方で出現可能な予告演出A,Cに対応する予告演出抽選テーブルのアドレスが設定されている。
同様に、先読みテーブル3は、ST中盤モード中であって、その時点で開始された予告演出が次のST後半モードに跨る可能性がない場合、即ちその遊技モードにおける残り変動回数が4以上である場合に用いられるもので、ST中盤モードにおいて出現可能な予告演出A,C,Dに対応する予告演出抽選テーブルのアドレスが設定されている。また先読みテーブル4は、ST中盤モード中であって、その時点で開始された予告演出が次のST後半モードに跨る可能性がある場合、即ちその遊技モードにおける残り変動回数が4未満である場合に用いられるもので、ST中盤モードとST後半モードとの両方で出現可能な予告演出A,Dに対応する予告演出抽選テーブルのアドレスが設定されている。
また、先読みテーブル5は、ST後半モード中であって、その時点で開始された予告演出が途中で終了する可能性がない場合、即ちその遊技モードにおける残り変動回数が4以上である場合に用いられるもので、ST後半モードにおいて出現可能な予告演出A,D,Eに対応する予告演出抽選テーブルのアドレスが設定されている。更に、先読みテーブル6は、例えばST前半モード中であって、その時点で開始された予告演出が最後のST後半モードまで跨る可能性がある場合に用いられるもので、ST前半モードからST後半モードまでの全てにおいて出現可能な予告演出Aに対応する予告演出抽選テーブルのアドレスが設定されている。
また、予告演出抽選テーブルは、予告演出A〜Eの何れかが選択された場合に、その選択された予告演出に対応する複数種類の予告演出シナリオを選択するためのもので、先読みテーブルと同じくROM上のテーブル記憶領域76dに予め記憶されている(図11)。例えば図12に示す予告演出A抽選テーブルでは、先読み判定結果毎に、予告演出Aに属する予告演出シナリオAa〜Aeの選択率が設定されている。なお、各予告演出シナリオは、例えば画像表示手段29、音声出力手段71、電飾手段72等の演出データと、その演出データの実行タイミングとの組み合わせによって規定されている。
続いて、予告演出選択手段(遊技演出選択手段)78によって例えば特別保留個数の増加時、に実行されるテーブル選択処理(図7)、及び予告演出抽選処理(図8)について説明する。
図7に示すテーブル選択処理では、まずその時点の遊技モードを例えば遊技モード管理手段76aから取得し(S11)、その遊技モードの種類を判定する(S12,S20)。そして、遊技モードがST前半モードであれば(S12:Yes)、そのST前半モードにおける残り変動回数が、特別保留個数の最大値である4未満であるか否かを判定する(S13,S14)。
ここで、本実施形態では、上述したように残り変動回数記憶領域76d上に格納されているST前半残り変動回数等の値は図柄変動開始時のものであり、実際の残り変動回数はその直後に1減少するため、残り変動回数記憶領域76dからST前半残り変動回数を取得し(S13)、そのST前半残り変動回数から1減算して得られる値を、そのST前半モードにおける残り変動回数として、特別保留個数の最大値である4と比較している(S14)。もちろん、例えば残り変動回数記憶領域76dから取得したST前半残り変動回数と、特別保留個数の最大値である4に1を加算した5とを比較する処理もS14と実質的に同一である。
ST前半モードの残り変動回数が4以上であれば(S14:No)、その時点で開始された予告演出が次のST中盤モードに跨る可能性はないため、ST前半モードにおいて出現可能な予告演出A〜Cに対応する予告演出A抽選テーブル、予告演出B抽選テーブル及び予告演出C抽選テーブルのアドレスが設定された先読みテーブル1(図11)を選択し(S14a)、テーブル選択処理を終了する。
一方、ST前半モードの残り変動回数が4未満であれば(S14:Yes)、残り変動回数記憶領域76dからST中盤残り変動回数を取得し(S15)、ST前半モードにおける残り変動回数(即ちST前半残り変動回数から1減算して得られる値)と、ST中盤残り変動回数との和を、特別保留個数の最大値である4と比較する(S16)。そして、その値が4以上であれば(S16:No)、その時点で開始された予告演出が次のST中盤モードを超えてST後半モードに跨る可能性はないため、ST前半モードとST中盤モードとの両方で出現可能な予告演出A,Cに対応する予告演出A抽選テーブル及び予告演出C抽選テーブルのアドレスが設定された先読みテーブル2(図11)を選択し(S16a)、テーブル選択処理を終了する。
また、ST前半モードにおける残り変動回数(即ちST前半残り変動回数から1減算して得られる値)と、ST中盤残り変動回数との和が4未満であれば(S16:Yes)、それに続くST後半モード(継続遊技モード)について残り変動回数記憶領域76dからST後半残り変動回数を取得し(S17)、ST前半モードにおける残り変動回数(即ちST前半残り変動回数から1減算して得られる値)と、ST中盤残り変動回数と、ST後半残り変動回数との和を、特別保留個数の最大値である4と比較する(S18)。そして、その値が4以上であれば(S18:No)、その時点で開始された予告演出は必ず最後のST後半モード中に終了するため、ST前半モードからST後半モードまでの全てにおいて出現可能な予告演出Aに対応する予告演出A抽選テーブルのアドレスが設定された先読みテーブル6(図11)を選択し(S18a)、テーブル選択処理を終了する。
ST前半モードにおける残り変動回数(即ちST前半残り変動回数から1減算して得られる値)と、ST中盤残り変動回数と、ST後半残り変動回数との和が4未満であれば
(S18:Yes)、その時点で開始された予告演出がこの確変遊技状態中に終了しない可能性があるため、予告演出禁止を選択し(S19)、テーブル選択処理を終了する。
S11で取得した進行中の遊技モードがST中盤モードであれば(S20:Yes)、そのST中盤モードにおける残り変動回数、即ちST中盤残り変動回数から1減算して得られる値が、特別保留個数の最大値である4未満であるか否かを判定する(S21,S22)。
ST中盤モードの残り変動回数が4以上であれば(S22:No)、その時点で開始された予告演出が次のST後半モードに跨る可能性はないため、ST中盤モードにおいて出現可能な予告演出A,C,Dに対応する予告演出A抽選テーブル、予告演出C抽選テーブル及び予告演出D抽選テーブルのアドレスが設定された先読みテーブル3(図11)を選択し(S22a)、テーブル選択処理を終了する。
一方、ST中盤モードの残り変動回数が4未満であれば(S22:Yes)、残り変動回数記憶領域76dからST後半残り変動回数を取得し(S23)、ST中盤モードにおける残り変動回数(即ちST中盤残り変動回数から1減算して得られる値)と、ST後半残り変動回数との和を、特別保留個数の最大値である4と比較する(S24)。そして、その値が4以上であれば(S24:No)、その時点で開始された予告演出は必ず最後のST後半モード中に終了するため、ST中盤モードとST後半モードとの両方で出現可能な予告演出A,Dに対応する予告演出A抽選テーブル及び予告演出D抽選テーブルのアドレスが設定された先読みテーブル4(図11)を選択し(S24a)、テーブル選択処理を終了する。
ST中盤モードにおける残り変動回数(即ちST中盤残り変動回数から1減算して得られる値)と、ST後半残り変動回数との和が4未満の場合(S24:Yes)、次の遊技モード(継続遊技モード)は存在しないため、その時点で開始された予告演出がこの確変遊技状態中に終了しない可能性があることから、予告演出禁止を選択し(S25)、テーブル選択処理を終了する。
S11で取得した遊技モードがST後半モードであれば(S20:No)、そのST後半モードにおける残り変動回数、即ちST後半残り変動回数から1減算して得られる値が、特別保留個数の最大値である4未満であるか否かを判定する(S26,S27)。そして、その値が4以上であれば(S27:No)、その時点で開始された予告演出は必ずそのST後半モード中に終了するため、ST後半モードにおいて出現可能な予告演出A,D,Eに対応する予告演出A抽選テーブル、予告演出D抽選テーブル及び予告演出E抽選テーブルのアドレスが設定された先読みテーブル5(図11)を選択し(S27a)、テーブル選択処理を終了する。
ST後半モードにおける残り変動回数(即ちST後半残り変動回数から1減算して得られる値)が4未満であれば(S27:Yes)、その時点で開始された予告演出がこの確変遊技状態中に終了しない可能性があるため、予告演出禁止を選択し(S28)、テーブル選択処理を終了する。
また、図8に示す予告演出抽選処理では、予告演出禁止に設定されているか否かを判定し(S31)、予告演出禁止に設定されていれば(S31:Yes)、ここで予告演出抽選処理を終了する。予告演出禁止に設定されていなければ(S31:No)、テーブル選択処理(図7)で選択された先読みテーブルに基づいて、例えば予告演出を行うか否か、及び行う場合には予告演出の種類を抽選により決定する(S32)。そして、予告演出に当選した場合には(S33:Yes)、選択された予告演出に対応する予告演出抽選テーブル(図12等)に基づいて予告演出シナリオを抽選すると共に(S34)、その予告演出が終了するまでの間、新たな予告演出が開始されないように予告演出禁止に設定し(S35)、予告演出抽選処理は終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、遊技モード管理手段76aが、主制御基板41から受信した現遊技モードコマンド等に基づいて、遊技モードの変化状況と共に、進行中の遊技モードの終了までの特別図柄表示手段32の残り変動回数を管理するように構成され、予告演出選択手段76cが、遊技モード管理手段76aによって管理されている進行中の遊技モードにおける残り変動回数が所定上限回数未満であってその遊技モードが遊技モード変更パターンにおける最終の遊技モードでない場合には、その進行中の遊技モードとその次の遊技モードとの両方に共通に対応する演出を選択するように構成されているため、複数の遊技モードに跨る演出を不整合なく出現させることが可能である。
また、進行中の遊技モードにおける残り変動回数が所定上限回数未満であってその遊技モードが遊技モード変更パターンにおける最終の遊技モードである場合には予告演出を開始しないように構成されているため、予告演出の途中で確変遊技状態(特別遊技期間)が終了する可能性を排除できる。
また、コマンド送信手段69は、確変遊技状態(特別遊技期間)中、現遊技モードが遊技モード変更パターンにおける最終の遊技モードでない場合には、現遊技モードに対応する現遊技モードコマンドと共に、少なくとも現遊技モードの次の次遊技モードに対応する次遊技モードコマンドを、その順序で演出制御基板42に送信するように構成されており、しかも次遊技モードコマンドには、次遊技モードの種類と、その次遊技モードの開始後における残り変動回数との各情報が付与されているため、演出制御基板42側で、進行中の遊技モードだけでなくそれに続く遊技モードとその継続期間を把握することができ、進行中の遊技モードとその次の遊技モードとに跨る予告演出に関する判断を正しく行うことが可能である。
また、予告演出選択手段76cは、遊技モード管理手段76aによって管理されている進行中の遊技モードにおける残り変動回数と、その進行中の遊技モードに続く一以上の遊技モードにおける残り変動回数との和が所定上限回数未満であってその一以上の遊技モードに続く継続遊技モードが存在する場合には、その進行中の遊技モードから継続遊技モードまでの全ての遊技モードに共通に対応する予告演出を選択するように構成されているため、例えば継続期間が短い遊技モードを含む場合のように、予告演出が3以上の遊技モードに跨る場合であっても不整合なく出現させることが可能である。
また、進行中の遊技モードにおける残り変動回数と、その進行中の遊技モードに続く一以上の遊技モードにおける残り変動回数との和が所定上限回数未満であってその一以上の遊技モードに続く継続遊技モードが存在しない場合には演出を開始しないように構成されているため、3以上の遊技モードに跨る予告演出の途中で確変遊技状態(特別遊技期間)が終了する可能性を排除できる。
また、コマンド送信手段69は、確変遊技状態(特別遊技期間)中、現遊技モード以降の全ての遊技モードについて、それら各遊技モードの種類と、その遊技モードにおける残り変動回数とを示す遊技モードコマンドを演出制御基板42に送信するように構成されているため、演出制御基板42側で、常に残りの遊技モードの出現順序とそれらの継続期間とを把握することができ、複数の遊技モードに跨る予告演出に関する判断を正しく行うことが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、特別遊技期間中における現遊技モード以降の全ての遊技モードに対応する遊技モードコマンドを主制御基板41から演出制御基板42に送信するように構成したが、演出が3つ以上の遊技モードに跨る可能性がない場合には、現遊技モードとそれに続く次遊技モードとに対応する遊技モードコマンドのみを送信するようにしてもよい。また、例えば演出制御基板42側で遊技モード変更パターンを記憶している場合には、現遊技モードコマンドのみを送信してもよい。
遊技演出は、一又は複数回の図柄変動にわたって実行されるものであればよく、先読み判定結果に基づく予告演出以外の演出であってもよい。
実施形態では、先読み判定手段68により、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致するか否か等、特別図柄に関する先読み判定を行うように構成したが、当たり判定乱数値が当たり判定値と一致するか否か等、普通図柄に関する先読み判定を行うように構成してもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。