以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、遊技盤5等が上部側に、遊技盤5の前側の遊技領域5aに向けて遊技球を発射する発射手段6等が下部側にそれぞれ配置され、また遊技盤5等の前側に対応してガラス扉7が、発射手段6等の前側に対応して前面板8がそれぞれヒンジ3と同じ側のヒンジ9により開閉自在に枢支されている。もちろん、ガラス扉7と前面板8とを一つの扉体で構成してもよい。
ガラス扉7には、遊技領域5aの前側に対応して窓孔10が形成されており、その窓孔10を後側から略塞ぐようにガラスユニット11(図2)が着脱自在に装着されている。前面板8の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段6に供給する上皿12が上部側に配置され、またその上皿12の下側には、例えば上皿12が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿13が配置されており、更にその下皿13の右側には、発射手段6を作動させるための発射ハンドル14が設けられている。
また、上皿12等を前側から覆う上皿カバー15上には、第1チャンスボタン16,第2チャンスボタン17,方向操作手段18,CR操作手段19等が設けられている。第1,第2チャンスボタン16,17は、例えば互いに形状が異なる押しボタン式の操作手段で、例えば上皿12の前側の左右方向略中央に第1チャンスボタン16が、その第1チャンスボタン16の左側に第2チャンスボタン17が夫々配置されている。方向操作手段18は、例えば1つの実行キー18aと、その実行キー18aの周囲に配置された前後左右の4つの方向キー18b〜18eとを備え、例えば第1チャンスボタン16の右側に配置されている。CR操作手段19は、遊技機本体1に隣接して配置されるCRユニット(図示省略)を操作するためのもので、残高表示部19a,球貸しボタン19b,返却ボタン19c等を備え、例えば方向操作手段18の右側に配置されている。
なお、第1チャンスボタン16,第2チャンスボタン17及び方向操作手段18は演出用の操作手段で、後述する演出制御基板44(図4)に接続されており、それら各操作手段が操作されたときに、その操作に応じた操作信号が演出制御基板44に入力されるようになっている。
遊技盤5には、その前面側に、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール21が環状に装着されると共に、そのガイドレール21の内側の遊技領域5aに、センターケース22、普通図柄始動手段23、特別図柄始動手段24、大入賞手段25、普通入賞手段26等の各種遊技部品が配置されている。センターケース22は、例えば遊技領域5aの左右方向略中央の上部側に配置されており、液晶式等の画像表示手段27に対応する表示窓28aを備え、その表示窓28aを取り囲む装飾枠28上に、例えば左右一側に設けられたワープ入口29aに入球した遊技球を自由に転動させた後に前側に落下させるステージ29等が設けられている。なお、画像表示手段27は、図1,図8に示すように演出図柄表示手段30、第1特別保留個数表示手段31、切替操作表示手段32、設定情報報知手段33等を構成している。
また、例えば遊技領域5aの外側には遊技情報表示装置38が配置されている。この遊技情報表示装置38は、図3に示すように例えば二つの7セグメント表示手段39,40を備えており、普通図柄表示手段34、特別図柄表示手段35、普通保留個数表示手段36、第2特別保留個数表示手段37等を構成している。
普通図柄始動手段23は、普通図柄表示手段34による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、例えばセンターケース22の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
普通図柄表示手段34は、普通図柄を変動表示するためのもので、図3に示すように例えば7セグメント表示手段40の複数の発光部40a〜40hのうちの二つの発光部40e,40fにより構成されており、普通図柄始動手段23が遊技球を検出することを条件にそれら発光部40e,40fが所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段23による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する例えば発光部40eが発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば発光部40fが発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段34の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段23が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、普通保留個数表示手段36がその当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)に関する普通保留個数情報を表示することにより、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。ここで、普通保留個数表示手段36は、図3に示すように例えば7セグメント表示手段40の複数の発光部40a〜40hのうちの二つの発光部40c,40dにより構成されており、それら発光部40c,40dの夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせによって0〜4個の5種類の普通保留個数を表現するようになっている。
特別図柄始動手段24は、特別図柄表示手段35による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口24a,24bと、下特別始動口24bを開閉する開閉手段41と、特別始動口24a,24bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えばセンターケース22の下側に配置されている。上特別始動口24aは、開閉手段等を有しない非開閉式入賞口である。下特別始動口24bは、開閉手段41により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態より入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞口で、普通図柄表示手段34の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段41が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段(図柄表示手段)35は、特別図柄を変動表示するためのもので、図3に示すように例えば7セグメント表示手段39により構成されており、特別図柄始動手段24が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口24a,24bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口24a,24bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別図柄始動手段24が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1特別保留個数表示手段(保留個数情報表示手段)31と第2特別保留個数表示手段(第2保留個数情報表示手段)37とがその大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)に関する特別保留個数情報(保留個数情報)を表示することにより、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
ここで、第1特別保留個数表示手段31は、画像表示手段27の表示画面27aに表示する保留表示画像(保留表示体)Aの個数により0〜4個の5種類の特別保留個数を表現するようになっている。また、第2特別保留個数表示手段37は、図3に示すように例えば7セグメント表示手段40の複数の発光部40a〜40hのうちの二つの発光部40a,40bにより構成されており、それら発光部40a、40bの夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせによって0〜4個の5種類の特別保留個数を表現するようになっている。
演出図柄表示手段30は、例えば特別図柄表示手段35による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段27の表示画面27aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段24が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口24a,24bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字を含む図柄が用いられ、「6・6・6」、「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。
大入賞手段25は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板42を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段35の特別図柄が変動後に大当たり態様(特定態様)で停止した場合に発生する特別利益状態(利益状態)中に、開閉板42が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図4は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図4において、43は主制御基板、44は演出制御基板で、これら各制御基板43,44は、遊技盤5に装着されたセンターケース22、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤5を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板43は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通図柄表示制御手段55、普通保留個数表示制御手段56、普通利益状態発生手段57、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別図柄表示制御手段65、第2特別保留個数表示制御手段66、特別利益状態発生手段67、特別遊技状態発生手段68、制御コマンド送信手段69等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段23による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段23が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段54a、普通停止図柄選択手段54b、変動時間選択手段54c等を備えている。当たり判定手段54aは、普通図柄表示手段34の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否か、即ち普通利益状態を発生させるか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段34が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段54bは、当たり判定手段54aによる当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄表示手段34の変動後の停止図柄態様を選択するものである。また、変動時間選択手段54cは、普通図柄の変動時間を選択するものである。
普通図柄表示制御手段55は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段34の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段34が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段34による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段54cによって選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段54bによって選択された停止図柄態様で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通保留個数表示制御手段56は、普通保留個数表示手段36の表示制御を行うもので、普通図柄始動手段23による遊技球の検出、及び普通図柄表示手段34による普通図柄の変動に基づく普通保留個数の変動に応じて、普通保留個数表示手段36の表示態様を変更するようになっている。
普通利益状態発生手段57は、下特別始動口24bの開閉手段41が所定の開閉パターンに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるもので、普通図柄表示手段34の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに普通利益状態を発生させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段24による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、先読み判定手段62a等を備え、特別図柄始動手段24が遊技球を検出すること(図柄始動条件の成立の一例)、即ち特別始動口24a,24bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段(乱数記憶手段)63に記憶させるように構成されている。
また先読み判定手段62aは、特別図柄始動手段24が遊技球を検出したときに取得される乱数値の判定を、大当たり判定手段64a等による判定よりも前の所定時点、例えば乱数値を取得した時点で行うもので、所定の先読み実行条件を満たす場合に、特別図柄始動手段24による遊技球の検出時に取得した大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致するか否か、及び同じく特別図柄始動手段24による遊技球の検出時に取得した大当たり図柄乱数値が高確率判定値と一致するか否かを判定し、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しない「外れ保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が高確率判定値と一致しない「通常大当たり保留記憶」、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が高確率判定値と一致する「高確率大当たり保留記憶」の何れであるかを決定するようになっている。
ここで、所定の先読み実行条件は任意であるが、本実施形態では後述する高確率状態中(所定対象期間中)は原則として先読み実行条件を満たし、後述する保留表示ON/OFFの設定に拘わらず先読み判定手段62aによる先読み判定が行われるものとする。なお、例えば特別利益状態中でないことを先読み実行条件の一つとしてもよい。
また本実施形態では、変動パターン乱数及び外れ図柄乱数は特別図柄始動手段24が遊技球を検出した時点では取得せず、特別図柄の変動開始時に取得することとするが、それら変動パターン乱数、外れ図柄乱数等についても大当たり判定乱数値等と同様に特別図柄始動手段24が遊技球を検出した時点で取得し、特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成してもよい。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段64a、特別停止図柄選択手段64b、変動パターン選択手段64c等を備えている。大当たり判定手段(変動開始時判定手段)64aは、乱数抽選により大当たり/外れの判定、即ち特別利益状態(利益状態)を発生させるか否かの判定を行うもので、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に(変動開始条件の成立の一例)、特別乱数記憶手段63に記憶されている大当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
特別停止図柄選択手段64bは、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するもので、例えば大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たりであった場合には、特別乱数記憶手段63に記憶されている大当たり図柄乱数値に基づいて例えば複数種類の大当たり態様の何れかを選択し、大当たり判定手段64aによる判定結果が外れであった場合には例えば新たに取得された外れ図柄乱数値に基づいて複数種類の外れ態様の何れかを選択するように構成されている。変動パターン選択手段64cは、演出図柄の変動パターンを選択するもので、大当たり判定手段64aによる大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択するように構成されている。
特別図柄表示制御手段65は、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段35の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段35が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に特別図柄表示手段35による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段64cによって選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択手段64bによって選択された停止図柄態様で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
第2特別保留個数表示制御手段66は、第2特別保留個数表示手段(第2保留個数情報表示手段)37の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段24による遊技球の検出、及び特別図柄表示手段35による特別図柄の変動に基づく特別保留個数の変動に応じて、第2特別保留個数表示手段37の表示態様を変更するようになっている。なお、第2特別保留個数表示制御手段66は、少なくとも後述する高確率状態中(所定対象期間中)については、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示が行われているか否か(後述する保留表示ON/OFFの何れに設定されているか)に拘わらず、第2特別保留個数表示手段37による特別保留個数情報の表示を行うようになっている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)67は、大入賞手段25を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、特別図柄表示手段(図柄表示手段)35による変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段25の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段25を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別遊技状態発生手段(高確率状態発生手段)68は、特別利益状態発生後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるもので、例えば特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致しない場合には時短状態を、一致する場合には高確率状態を夫々発生させるように構成されている。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段35の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口24bの開閉手段41の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後における特別図柄表示手段35による特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)に達するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
高確率状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも例えば大当たり判定値の数が増加することにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り替えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、本実施形態の高確率状態は、いわゆる「ST」「回数切り確変」などと称されるもので、その開始後における特別図柄表示手段35による特別図柄の変動回数が特定回数(例えば70回)に達するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
制御コマンド送信手段69は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板44等のサブ制御基板に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を指定する保留減少コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、演出図柄の変動後の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板44に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板44に送信する機能、特別図柄始動手段24による遊技球検出時に特別保留個数の増加を指定する保留増加コマンドを演出制御基板44に送信する機能、特別図柄表示手段35による図柄変動が終了し且つその時点で特別保留個数が0である場合に客待ちデモコマンドを演出制御基板44に送信する機能、高確率状態の開始時/終了時等の利益状態の変化時にその変化に応じた遊技状態コマンドを演出制御基板44に送信する機能等を備えている。
ここで、保留増加コマンドは、例えば図5に示すように、増加後の特別保留個数を示す保留1〜保留4に対応する4種類が、外れ保留記憶、通常大当たり保留記憶、高確率大当たり保留記憶の3種類の先読み判定結果及び先読みなしの計4種類に対応して4組設けられている。また、保留減少コマンドは、例えば減少後の特別保留個数を示す保留0〜保留3に対応する4種類が設けられている(図示省略)。
演出制御基板44は、画像表示手段27、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、図柄変動演出制御手段73、第1特別保留個数表示制御手段74、保留個数表示切替手段75等を備えている。
図柄変動演出制御手段73は、演出図柄表示手段30の変動表示制御及びそれに伴う音声出力手段71、電飾手段72等の制御を行うもので、主制御基板43から変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄の変動後の停止図柄態様を抽選により決定すると共に変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて演出図柄表示手段30により所定の演出画像と共に演出図柄の変動を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄態様で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、電飾手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
第1特別保留個数表示制御手段74は、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数の表示制御を行うもので、表示態様選択手段74a等を備えており、特別図柄始動手段24により新たに遊技球が検出され、主制御基板43から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、第1特別保留個数表示手段31により画像表示手段27の表示画面27aに保留表示画像Aを1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板43から保留減少コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留表示画像Aを消去すると共に第2番目以降の保留に対応する各保留表示画像Aを前側にシフトさせるようになっている。
なお、第1特別保留個数表示制御手段74は、後述する保留表示ON/OFF制御手段75dの制御により、上述した第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数の表示を実行し、或いはその実行を停止するようになっている。
また本実施形態では、保留表示画像Aの表示態様として、図5に示すように1種類の先読み非表示態様と3種類の先読み表示態様とが設けられており、主制御基板43から受信した保留増加コマンドに基づいて、表示態様選択手段74aによりそれらの表示態様の何れかが選択されるようになっている。
先読み表示態様は、先読み判定手段62aによる先読み判定結果に対応するもので、外れ保留記憶に対応する例えばゾウのキャラクターよりなる外れ表示態様、通常大当たり保留記憶に対応する例えばライオンのキャラクターよりなる通常大当たり表示態様、高確率大当たり保留記憶に対応する例えばキリンのキャラクターよりなる高確率大当たり表示態様の3種類が設けられている。また、先読み非表示態様は、先読み判定手段62aによる先読み判定結果を表示しない表示態様で、例えば先読み表示態様の何れとも異なる「○(白丸)」となっている。
表示態様選択手段74aは、主制御基板43から保留増加コマンドを受信すると、例えば保留表示画像Aを先読み表示態様で表示する先読み演出を行うか否かを抽選し、先読み演出を行う場合には、例えば図5に示すような選択率で先読み表示態様の何れかを選択し、先読み演出を行わない場合、及び先読みなしの場合には先読み非表示態様を選択するようになっている。
なお本実施形態では、図5に示すように、外れ保留記憶に対しては、真の表示である外れ表示態様(ゾウ)の選択率が49/50と非常に高い値に設定されている一方、偽の表示である通常大当たり表示態様(ライオン)、高確率大当たり表示態様(キリン)の選択率が夫々1/100,1/100に設定されている。また、通常大当たり保留記憶、高確率大当たり保留記憶に対しては、通常大当たり表示態様(ライオン)又は高確率大当たり表示態様(キリン)と外れ表示態様(ゾウ)との選択率が夫々1/2,1/2に設定されており、通常大当たり保留記憶又は高確率大当たり保留記憶であっても、大当たりに対応する表示態様となるのは1/2の確率となっている。このように、外れ保留記憶の場合でも僅かながら通常大当たり表示態様等が選択される可能性があり、また通常大当たり保留記憶等の場合でも一定の確率で外れ表示態様が選択されるようになっている。
保留個数表示切替手段75は、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数の表示を行うか否かの切り替えを行うもので、設定管理手段75a、操作報知制御手段75b、設定情報報知制御手段75c、保留表示ON/OFF制御手段75d等を備えている。
設定管理手段75aは、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数の表示を行うか否かの設定を管理するもので、例えば定期割り込み毎に図6に示す設定管理処理を実行するように構成されている。なお本実施形態では、高確率状態(所定対象期間の一例)中における第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数の表示に限り、遊技者による第1チャンスボタン(所定操作手段)16の操作に基づいてそのON/OFF(表示を行うか否か)を切り換え可能となっている。
設定管理手段75aによる設定管理処理(図6)では、まず設定切替可能期間に関する状況、即ち設定切替可能期間の開始時又は終了時、設定切替可能期間中、或いはそれら以外の何れであるかを判定する(S1,S5,S11)。ここで、「設定切替可能期間」とは、高確率状態中に第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数の表示を行うか否かの設定(以下、保留表示ON/OFFの設定という)を変更することが可能な期間であって、本実施形態では、高確率状態中の他、通常確率状態中における客待ちデモ期間中もこの設定切替可能期間に含まれている。
ここで、客待ちデモ期間は、例えば主制御基板43から客待ちデモコマンドを受信した時点、又はそれから所定時間経過後に開始され、例えば特別図柄表示手段35による図柄変動が開始された時点で終了するようになっている。客待ちデモ期間中は、画像表示手段27に客待ちデモ画像が表示される。
設定切替可能期間の開始時であると判定した場合には(S1:Yes)、保留表示フラグを判定する(S2)。ここで、「保留表示フラグ」は、保留表示ON/OFFの設定を示すフラグであり、保留表示ONの場合にはON、保留表示OFFの場合にはOFFに設定される。なお、保留表示フラグは、初期状態ではOFFに設定されているものとする。
保留表示フラグがOFFの場合には、操作報知制御手段75bの制御により切替操作表示手段32によるON操作報知画像32aの表示を開始し(S3)、また保留表示フラグがONの場合には、同じく操作報知制御手段75bの制御により切替操作表示手段32によるOFF操作報知画像32bの表示を開始し(S4)、設定管理処理を終了する。ここで、ON操作報知画像32aは、遊技者に保留表示ONへの切替操作を報知するためのもので、例えば図8(a)に示すように、第1チャンスボタン16を例えば長押しすることにより保留表示をONにできることを示す内容となっている。また、OFF操作報知画像32bは、遊技者に保留表示OFFへの切替操作を報知するためのもので、例えば図8(b)に示すように、第1チャンスボタン16を例えば長押しすることにより保留表示をOFFにできることを示す内容となっている。
また、設定切替可能期間中であると判定した場合には(S5:Yes)、遊技者による切替操作が成立したか否か、即ち例えば第1チャンスボタン16の押下状態が所定時間(例えば2秒間)維持されたか否かを判定し(S6)、遊技者による切替操作が成立していない場合には設定管理処理を終了する。遊技者による切替操作が成立した場合には(S6:Yes)、保留表示フラグを判定し(S7)、保留表示フラグがOFFの場合には保留表示フラグをONに切り替え(S8)、設定管理処理を終了する。
一方、保留表示フラグがONの場合には、高確率状態終了までの特別図柄の残り変動回数(以下、単に残り変動回数という)がN回(例えば5回)以下でないことを条件に(S9:No)、保留表示フラグをOFFに切り替え(S10)、設定管理処理を終了する。このように、設定切替可能期間中に遊技者による保留表示OFFへの切替操作が成立した場合であっても、高確率状態終了までの残り変動回数がN回以下の期間(高確率状態が終了する前の所定期間の一例)については保留表示OFFへの切り替えはできないようになっている。
なお、設定切替可能期間中に遊技者による保留表示OFFへの切替操作が成立したにも拘わらず保留表示OFFへの切り替えができない場合には、その旨を遊技者に報知することが望ましい。また、高確率状態終了までの残り変動回数がN回以下の期間(高確率状態が終了する前の所定期間)については設定切替可能期間から外し、切替操作表示手段32によるOFF操作報知画像32bの表示を行わないようにしてもよい。また、高確率状態終了までの残り変動回数は、「残り49」のように例えば画像表示手段27に表示するようにしてもよい。
また、設定切替可能期間の終了時であると判定した場合には(S11:Yes)、切替操作表示手段32によるON操作報知画像32a又はOFF操作報知画像32bの表示を終了し(S12)、設定管理処理を終了する。設定切替可能期間の開始時及び終了時、設定切替可能期間中の何れでもない場合には(S11:No)、そのまま設定管理処理を終了する。このように、設定切替可能期間中は、保留表示OFF/ONの設定状態に応じて切替操作表示手段32によりON/OFF操作報知画像32a,32bが表示され、その期間中に遊技者による切替操作が成立する毎に、高確率状態が終了する前の所定期間を除き、保留表示ON/OFFに切り替えられるようになっている。
設定情報報知制御手段75cは、保留表示ON/OFFの設定情報の報知を制御するもので、例えば保留表示フラグがOFFの場合には、設定情報報知手段33によりOFF設定報知画像33aを表示し、保留表示フラグがONの場合には、設定情報報知手段33によりON設定報知画像33bを表示するようになっている。ここで、OFF設定報知画像33aは、遊技者に高確率状態中における保留表示がOFFであることを報知するためのもので、例えば図8(a)に示すように「保留表示OFF」等の文言を含む画像により構成されている。また、ON設定報知画像33bは、遊技者に高確率状態中における保留表示がONであることを報知するためのもので、例えば図8(b)に示すように「保留表示ON」等の文言を含む画像により構成されている。
保留表示ON/OFF制御手段75dは、第1特別保留個数表示制御手段74による特別保留個数に関する表示のON/OFFを制御するもので、例えば定期割り込み毎に図7に示す保留表示ON/OFF制御処理を実行するように構成されている。
保留表示ON/OFF制御手段75dによる保留表示ON/OFF制御処理(図7)では、まず高確率状態中(所定対象期間中)であるか否かを判定する(S21)。そして、高確率状態中であると判定した場合には(S21:Yes)、保留表示フラグを判定する(S22)。そして、保留表示フラグがOFFの場合には、高確率状態終了までの残り変動回数がM回(例えば5回)以下でないことを条件に(S23:No)、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を引き続き又は新たにOFFにするべく第1特別保留個数表示制御手段74に指示し(S24)、保留表示ON/OFF制御処理を終了する。
一方、S22において保留表示フラグがONの場合、及び保留表示フラグがOFFで且つ高確率状態終了までの残り変動回数がM回(例えば5回)以下の場合(S23:Yes)には、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を引き続き又は新たにONにするべく第1特別保留個数表示制御手段74に指示し(S25)、保留表示ON/OFF制御処理を終了する。このように、保留表示OFFに設定されている場合であっても、高確率状態終了までの残り変動回数がM回以下の期間(高確率状態が終了する前の特定期間の一例)については、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行うようになっている。
また、S21において高確率状態中(所定対象期間中)でないと判定した場合には(S21:No)、保留表示ON/OFFの設定に拘わらず、予め定められた設定に従って第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示のON/OFFを行うべく第1特別保留個数表示制御手段74に指示し(S26)、保留表示ON/OFF制御処理を終了する。
図9は、保留表示OFFの状態で発生した高確率状態中に、保留表示ON/OFFの切替操作(第1チャンスボタン16の長押し操作)が2回行われた場合の、第1特別保留個数表示手段31の作動状態の一例を示している。保留表示OFFに設定されていても、高確率状態が発生するまでは第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示は行われているが、高確率状態が発生した時点(図9のT1)で、第1特別保留個数表示手段31は非作動となって特別保留個数情報の表示は画像表示手段27から消去される。
高確率状態中に保留表示OFFの状態で第1チャンスボタン16が長押しされると(図9のT2)、保留表示ONに切り替えられると共に、第1特別保留個数表示手段31が作動して画像表示手段27に特別保留個数情報が表示される。また、その保留表示ONの状態で第1チャンスボタン16が長押しされると、例えばその時点での高確率状態終了までの残り変動回数がN回(例えば5回)以下であれば(図9のT3)、保留表示OFFへの切り替えは行われず(図6のS9参照)、第1特別保留個数表示手段31は作動状態のまま、即ち画像表示手段27に特別保留個数情報が表示された状態が維持される。
また図10は、保留表示ONの状態で発生した高確率状態中に、保留表示ON/OFFの切替操作が2回行われた場合の、第1特別保留個数表示手段31の作動状態の一例を示している。保留表示ONの状態で高確率状態が発生すると(図10のT11)、例えば第1特別保留個数表示手段31は作動状態のまま、即ち画像表示手段27に特別保留個数情報が表示された状態が維持される。
高確率状態中に保留表示ONの状態で第1チャンスボタン16が長押しされると、例えばその時点での高確率状態終了までの残り変動回数がN回(例えば5回)より大であれば(図10のT12)、保留表示OFFに切り替えられると共に、第1特別保留個数表示手段31は非作動となって特別保留個数情報の表示は画像表示手段27から消去される。また、保留表示OFFであっても、高確率状態終了までの残り変動回数がM回(例えば5回)以下となった場合には(図10のT13)、例えば保留表示OFFのまま、第1特別保留個数表示手段31が作動して画像表示手段27に特別保留個数情報が表示される。
また、保留表示OFFであって、高確率状態終了までの残り変動回数がM回(例えば5回)以下の期間中に第1チャンスボタン16が長押しされた場合には(図10のT14)、例えば保留表示ONに切り替えられるが、第1特別保留個数表示手段31は既に作動状態にあるため、特別保留個数情報の表示はそのまま維持される。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、高確率状態中(所定対象期間中)は、保留表示ONに設定されている場合には第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行い、保留表示OFFに設定されている場合には第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行わないように構成し、第1チャンスボタン(所定操作手段)16が操作されることに基づいて保留表示ON/OFFの設定を切り替える保留個数表示切替手段75を備えているため、特別保留個数情報の表示の有無に関して遊技者の意向を反映することが可能である。
図11は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行わない場合であっても、先読み判定手段62aによる判定を行うと共に、第1特別保留個数表示手段31によって特別保留個数情報を表示したとすれば何れかの保留表示画像Aの表示態様が先読み表示態様(特定表示態様)となる場合には切替誘導報知(特定報知)を行うように構成した例を示している。なお、本実施形態は図11に示す保留表示ON/OFF制御処理以外の構成は第1の実施形態と共通である。
本実施形態では、第1の実施形態と同様、高確率状態中(所定対象期間中)には第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行うか否かに拘わらず、即ち保留表示ON/OFFの設定に拘わらず先読み判定手段62aによる先読み判定が行われ、また各保留記憶に対して表示態様選択手段74aによる表示態様の選択が行われる。
また、本実施形態の保留表示ON/OFF制御処理(図11)が第1の実施形態の図7と異なるのは、S24の後にS24a,S24bが追加されている点のみである。即ち、本実施形態の保留表示ON/OFF制御処理(図11)では、第1特別保留個数表示手段31による表示がOFF(S24)の場合には、何れかの保留記憶に対して先読み表示態様が選択されたか否かを判定し(S24a)、先読み表示態様が選択された場合には(S24a:Yes)、遊技者に保留表示ON/OFFの切替操作(第1チャンスボタン16の長押し操作)を促す切替誘導報知(特定報知)を行う(S24b)ようになっている。
ここで、切替誘導報知は、例えば画像表示手段27に「第1チャンスボタンを長押し!」、「保留表示をONに!」等の文言を含む画像を表示することが考えられる。
図12〜図14は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、第1特別保留個数表示手段31によって表示されている保留表示画像Aのうちの少なくとも一つの表示態様が先読み判定手段62aによる判定結果に基づいて先読み表示態様(特定表示態様)となっている場合には、高確率状態中(所定対象期間中)に保留表示OFFに切り替えられたとしても、先読み表示態様となっている保留表示画像Aに対応する乱数値が特別図柄表示手段35による図柄変動に供されるまでは第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行うように構成した例を示している。
本実施形態の設定管理処理(図12)が第1の実施形態の図6と異なるのは、S10aの処理が追加された点のみである。即ち、本実施形態の設定管理処理(図12)では、保留表示フラグがONからOFFに切り替えられた場合には(S10)、OFF切替待ちフラグをONに設定する(S10a)ようになっている。
また、本実施形態の保留表示ON/OFF制御処理(図13)が第1の実施形態の図7と異なるのは、S22a〜S22cの処理が追加された点のみである。即ち、本実施形態の保留表示ON/OFF制御処理(図13)では、高確率状態中であって保留表示フラグがOFFの場合には(S21:Yes→S22:OFF)、OFF切替待ちフラグがONであるか否かを判定し(S22a)、OFF切替待ちフラグがONでなければそのままS23以降の処理を実行する。
一方、OFF切替待ちフラグがONであれば(S22a:Yes)、第1特別保留個数表示手段31により表示されている保留表示画像Aの中に先読み表示態様が含まれているか否かを判定する(S22b)。そして、先読み表示態様が含まれている場合には(S22b:Yes)、第1特別保留個数表示手段31による保留表示画像Aの表示をそのまま維持し(S25)、先読み表示態様が含まれていない場合には(S22b:No)、OFF切替待ちフラグをOFFに設定する(S22c)と共に、S23以降の処理を実行するようになっている。
また、表示態様選択手段74aは、例えば保留表示フラグがOFFの場合には、新たな保留記憶に対して先読み表示態様を選択しない(先読み非表示態様を選択する)ようになっている。
以上のような構成により、例えば図14の例のように、高確率状態中に保留表示ONの状態で保留表示ON/OFFの切替操作(第1チャンスボタン16の長押し操作)が行われた場合(図14のT12)、その時点で保留表示OFFに切り替えられるが、第1特別保留個数表示手段31により表示されている保留表示画像Aの中に「ゾウ」等の先読み表示態様が含まれている間(図14のT12〜T12a)は、第1特別保留個数表示手段31による表示はそのまま維持され、先読み表示態様の保留表示画像Aに対応する保留記憶が全て図柄変動に供され、保留表示画像Aの中に先読み表示態様が存在しなくなった時点で(図14のT12a)、第1特別保留個数表示手段31は非作動となって特別保留個数情報の表示は画像表示手段27から消去される。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、保留表示ON/OFFの切替操作に用いる操作手段は、遊技者が遊技中に容易に操作可能なものであればよく、第2チャンスボタン17や方向操作手段18であってもよい。また、その操作手段の操作態様も任意であり、長押しに限られるものではない。
所定対象期間は任意であり、高確率状態中の他、時短状態中、特別遊技状態中等を所定対象期間としてもよい。高確率状態は、いわゆるSTに限られるものではなく、図柄変動回数による制限のない高確率状態を所定対象期間としてもよい。
実施形態では初期状態で保留表示OFFに設定するように構成したが、保留表示ONに切り替えられた後も、客待ちデモの開始から所定時間経過後等の所定のタイミングで保留表示OFFに切り替えるようにしてもよい。また、初期状態で保留表示ONに設定してもよい。
設定切替可能期間は所定対象期間と同じでもよいし、実施形態のように所定対象期間以外の期間(実施形態では客待ちデモ中)を含んでもよい。例えば、特別利益状態の終了後に必ず高確率状態が発生するように構成する場合には、特別利益状態中を設定切替可能期間に含めてもよい。所定対象期間の一部を設定切替可能期間から外してもよい。
第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行わない場合には先読み判定手段62aによる判定を行わないようにしてもよい。この場合、先読み判定手段62aを有する主制御基板43側で第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行うか否かを認識する必要があるため、保留個数表示切替手段75を主制御基板43に設けることが望ましい。
実施形態では、高確率状態が終了する前の一定期間(所定期間、特定期間)は、保留表示ON/OFFの設定等に拘わらず第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示を行うように構成したが、高確率状態の開始から終了まで保留表示ON/OFFに応じて第1特別保留個数表示手段31による特別保留個数情報の表示/非表示を切り替え、また高確率状態の開始から終了まで保留表示OFFへの切り替えを可能としてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。