JP6084167B2 - 殺菌パッド、殺菌パッドの製造方法、殺菌パッドを有する便座、及び便器の殺菌方法 - Google Patents

殺菌パッド、殺菌パッドの製造方法、殺菌パッドを有する便座、及び便器の殺菌方法 Download PDF

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Description

本発明は、殺菌パッド、殺菌パッドの製造方法、殺菌パッドを備えた便座及び便器の殺菌方法に関し、特に、温度が上昇することによって殺菌物質の放出が促進される殺菌パッド、そのような殺菌パッドの製造方法、殺菌パッドを有する便座、及び便器の殺菌方法に関する。
一般に、トイレに入ったときに、トイレ自体の雰囲気が清潔であっても、多くの人が使用し、管理が乏しく、またトイレの特性上細菌が繁殖することから、トイレが汚染されている可能性があるので、直ぐに便器に座るのは気後れする。
便器をより清潔に使用するための技術として、従来は、トイレットペーパーを部分的にちぎって便座を拭いたり、トイレットペーパーを便座に敷いて座ることが選択されてきた。
また、紙と生分解合成樹脂を用いて便座の形に切り取って作った衛生シートがこれまで商業的に使用されていた。しかしながら、このような衛生シートは、非常に薄いので、便座の冷たい感触がユーザに伝わって、ユーザが不快感を感じることがある。
最近の研究によると、女性の90%以上が便座に直接座らないという。トイレットペーパーは広く使用されるようになってきており、ほとんどの各家庭で見ることができるが、便座カバーシートは、例えば病院や、空港、ホテルなど、限られた公共の所でしか見当たらない。
便座カバーシートの商業的な適用の拡散を阻害する要因は幾つかある。その一つには、個々に折り畳まれた便座カバーシートを包装して保管することから、一般にその製造費用が高くなることにある。また、便座カバーシートを収容するディスペンサーの体積が比較的大きいことから、この便座カバーシート用のディスペンサーを収容するためにトイレが十分なスペースを有していなければならないことにある。これらの理由により、一般の人や例えばレストランなどのような小規模の公共の場のオーナは、体積が大きくて高価である便座カバーシートを購入したがらない。
ところで、今日ではビデが益々普及してきており、そのために、ユーザは、トイレを快適に、清潔な環境で使用することができる。しかしながら、公共の場や家庭でビデを使用する場合、清浄度が問題視されている。
従って、便器または便器に設置されたビデを使用するときに、殺菌パッドを備えた便座を簡単により衛生的に殺菌処理できる方法が、依然として求められている。そのため、便座を容易に殺菌するために、殺菌物質を有する殺菌パッドが求められている。
韓国特許公開公報2003−0064126号
本発明は、前記従来問題点を解決するために提案されたもので、温度が上昇することによって殺菌物質の放出を促進して周辺器機を殺菌し、耐久性に優れて長い使用寿命を有する殺菌パッドと、殺菌パッドの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、殺菌パッドを便座カバーに付着することにより、特に殺菌装置がなくても、便座と便器に現れる細菌を殺菌することができる殺菌パッドを備えた便座と、便器の殺菌方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、切離すシートを使用することなく、殺菌パッドを備えた便座を使用する場合に、便器カバー、特にビデが設置された便器カバーに殺菌パッドを付着させることによって、所定の温度に便座カバーを加熱して殺菌物質の外部への放出を促進させて、放出された殺菌物質により、殺菌パッドを備えた便座及び便器を殺菌することができる殺菌パッドを備えた便座と、便器の殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明は、所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームと、気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進するマイクロカプセルと、からなることを特徴とする殺菌パッドを提供する。
前記シリカゲルは、3μm〜10μmの粒径を有することが好ましい。
前記殺菌物質は、プロポリス抽出物であることがより好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、10μm〜500μmの気孔空隙が形成されていることが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、10μm〜120μmの気孔空隙が形成されていることが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、80μm〜120μmの気孔空隙が形成されていることが好ましい。
一方、前記殺菌パッドは、耐久性を増加させるために、前記ポリウレタンフォームと前記マイクロカプセルの接着性を向上させる固着用バインダーをさらに含むことが好ましい。
前記固着用バインダーは、シランカップリング剤であることが好ましい。
このなかで、前記殺菌物質はプロポリス抽出物であり、前記マイクロカプセルは前記プロポリス抽出物を20,000ppm〜50,000ppmの含量量を含むことが好ましい。
また、他の側面として、本発明は、a)プロポリス抽出物を用いてゾルゲル反応法によりマイクロカプセルを生成する段階と、b)前記マイクロカプセルを所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームの表面にコーティングする段階と、を含み、前記マイクロカプセルは、気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部に充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進することを特徴とする殺菌パッドの製造方法を提供する。
一方、本発明は、a)プロポリス抽出物を用いてゾルゲル反応法によりマイクロカプセルを生成する段階と、b−1)前記マイクロカプセルと固着用バインダーを混合して混合溶液を生成し、前記混合溶液を所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームの表面にコーティングする段階と、を含み、
前記マイクロカプセルは、気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部に充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進することを特徴とする殺菌パッドの製造方法を提供する。
前記固着用バインダーは、シランカップリング剤であることが好ましい。
前記マイクロカプセルは、前記プロポリス抽出物を20,000ppm〜50,000ppmの含量で含むことがより好ましい。
前記プロポリス抽出物は、熱湯比重分離法によって蜂の巣から蜜蝋を除去した後、真空超音波抽出法により抽出されることが好ましい。
前記マイクロカプセルは、3μm〜10μmの粒径を有することが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、10μm〜120μmの気孔空隙を形成することが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、80μm〜120μmの気孔空隙を形成することが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、10μm〜500μmの気孔空隙を形成することが好ましい。
一方、前記マイクロカプセルは、プロポリス抽出物と、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)と、部分加水分解されたシラン化合物とを含む混合液を、酸またはアルカリが溶解されてプロポリス抽出物と反対の極性を有する溶液に乳化分散させて、界面でゾルゲル反応を起こさせてプロポリス抽出物をカプセル化することにより生成されることが好ましい。
前記b)段階またはb−1)段階は、噴射法または含浸法により行われることが好ましい。
前記b)段階は、前記ポリウレタンフォームに膨張剤を含むアルコールを噴射して前記ポリウレタンフォーム内の気孔空隙の大きさを拡張させる前処理段階と、前処理したポリウレタンフォームに前記マイクロカプセルを噴射または含浸させる段階と、前記噴射または含浸処理したポリウレタンフォームを乾燥させる段階と、を含むことが好ましい。
前記b−1)段階は、前記ポリウレタンフォームに膨張剤を含むアルコールを噴射して前記ポリウレタンフォーム内の気孔空隙の大きさを拡張させる前処理段階と、前処理したポリウレタンフォームに前記マイクロカプセルと前記シランカップリング剤の混合溶液を噴射または含浸させる段階と、前記噴射または含浸処理したポリウレタンフォームを乾燥させる段階と、を含むことが好ましい。
一方、さらに他の側面として、本発明は、便器に取付けられる構造を有する便座本体と、前記便座本体を開閉するように前記便座本体に連結されて、温度が上昇することによって殺菌物質の外部への放出が促進される殺菌パッドが備えられた便座カバーと、を含み、前記殺菌パッドは、一面が前記便座カバーの内面に付着され、所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームと、気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部に充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進するマイクロカプセルと、
を含む殺菌パッドを備えた便座を提供する。
前記ポリウレタンフォームは、10μm〜120μmの気孔空隙を有することが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、80μm〜120μmの気孔空隙を有することが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは、10μm〜500μmの気孔空隙を有することが好ましい。
一方、前記シリカゲルは、3μm〜10μmの粒径を有することが好ましい。
前記殺菌物質は、プロポリス抽出物であることが好ましい。
一方、前記シリカゲルは、気孔を有しており、前記便座本体に内蔵されたヒーター部により前記便座カバーが加熱されると、前記殺菌物質の外部への放出が促進されるように前記気孔が拡大する構造を有することが好ましい。
前記殺菌パッドは、耐久性を増加させるために、前記ポリウレタンフォームと前記マイクロカプセルの接着性を向上させる固着用バインダーをさらに含むことが好ましい。
このなかで、前記固着用バインダーは、シランカップリング剤であることが好ましい。
前記殺菌物質はプロポリス抽出物であり、前記マイクロカプセルは前記プロポリス抽出物を20,000ppm〜50,000ppmの含量で含むことがさらに好ましい。
一方、さらに他の側面として、本発明は、a)前記便座本体に連結された制御ユニットに殺菌動作命令が入力される段階と、b)前記制御ユニットに殺菌動作命令が入力されると、便座カバーに設けられる殺菌パッドが所定の温度に到逹し、前記殺菌パッドから殺菌物質が放出され、放出された殺菌物質が前記便器の内部に拡散されて、前記殺菌物質により前記便座本体及び便器が殺菌されるように、前記制御ユニットの作動により前記便座本体に内蔵されたヒーター部が加熱される段階と、を含み、前記殺菌パッドは請求項1〜9のいずれか一項に記載の殺菌パッドで設けられることを特徴とする便器の殺菌方法を提供する。
前記a)段階において、前記制御ユニットは、前記便座カバーが前記便座本体の上部に重ねられるように覆われた状態で殺菌動作を行い、前記便座カバーが前記便座本体に重ねられるように覆われていない状態では殺菌動作を行わないように作動することが好ましい。
便器の殺菌方法は、前記b)段階後に、c)前記ヒーター部の作動を中止して、前記制御ユニットに殺菌停止命令を入力するか、または前記制御ユニットに既設定の所定時間が経過した後に前記殺菌パッドからの殺菌物質の放出を停止させる段階を、さらに含むことが好ましい。
本発明の実施の一形態による殺菌パッドによれば、温度を上昇させることによって、殺菌物質の放出が促進されて周辺器機を殺菌することができる。
また、本発明の他の実施の形態による殺菌パッドの製造方法によれば、耐久性に優れると共に長い使用寿命を有する殺菌パッドを提供することができる。
さらに、本発明の他の実施の形態による殺菌パッドを備えた便座によれば、別途の殺菌装置がなくても、殺菌パッドを備えた便座及び便器に存在する細菌を殺菌することができる。
さらにまた、本発明の別の実施の形態による殺菌パッドを備えた便座を使用する前に、分離したシートを使用することなく、便器カバー、特にビデが設置された便器カバーに殺菌パッドを付着させて、便座シート本体の上部を便座カバーが覆った状態で、所定の温度に便座カバーを加熱して殺菌物質の外部への放出を促進させることによって、放出された殺菌物質で、殺菌パッドを備えた便座と便器を殺菌することができる。
本発明の上述したまたは他の見地や、特徴、および他の利点は、以下の詳細な説明と添付した図面から、より明確に理解されることであろう。
本発明の実施の一形態例に用いられる実際のマイクロカプセルの形状を電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真を示したものである。 本発明の実施の一形態に用いられるマイクロカプセルの構造とプロポリス成分の放出原理を示した図である。 本発明の方法により製造される殺菌パッドの試片の各段階別における実際の形状を示した写真である。 本発明による殺菌パッドの殺菌効果の試験結果を示したものである。 本発明による殺菌パッドが一定温度及び一定の距離で時間が経過したときに殺菌性能を示すか否かを調査した、殺菌パッドの殺菌物質放出の試験方法(a)と、及び試験結果(b)を示したものである。 本発明の実施の一形態により、便器に装着された殺菌パッドを備えた便座を概略的に示した斜視図である。 本発明の実施の一形態により、便器に装着され、内部に殺菌パッドが装着された殺菌パッドを備えた便座を概略的に示した断面図である。 本発明の実施の一形態により、殺菌パッドを備えた便座を加熱することによって、殺菌パッドから殺菌物質が放出される状態における、便器に装着された殺菌パッドを備えた便座を概略的に示した断面図である。 本発明の実施の一形態による殺菌パッドに固着用バインダーが装着された状態と化学結合を概略的に示した図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
先ず、以下で説明する例示的な実施の形態は、本発明の殺菌パッド、殺菌パッドの製造方法、殺菌パッドを備えた便座、及び便器の殺菌方法の特徴を理解させるのに適した実施の形態である。しかしながら、本発明の適用や特徴は、以下に例示的に示した実施の形態に限定されることはなく、本発明の技術範囲内で多様に変形させることができる。
最初に、本発明の殺菌パッドの実施の一形態を説明する。
本発明の殺菌パッド100は、プロポリス抽出物を収容しているマイクロカプセル110と、ポリウレタンフォーム120と、を含む。ここで、マイクロカプセル110は、ポリウレタンフォーム120の表面に備えられる。
図2に示したように、マイクロカプセル110は、ゾルゲル反応により形成されたシリカゲル111と、シリカゲル111の内部に充填された殺菌物質115とを含んでいる。
本発明の実施の形態では、マイクロカプセル110の外側を形成するシリカゲル111は、気孔113が形成された材質で、所定の温度(例えば、40℃〜50℃)に到逹すると、殺菌物質115が外部に放出されるように気孔113が拡大される構造を有する。
シリカゲル111は、3μm〜10μmの粒径を有し、内部が中空のカプセル形状であるが、これに限定されない。しかしながら、マイクロカプセル110の粒径が3μm未満では、その中に殺菌物質115(プロポリス抽出物)を収容する量が少なくなる。そのため、殺菌効果が低下する恐れがあり、マイクロカプセル110の耐久性が弱くなる恐れがある。さらに、粒径が10μmを超えるマイクロカプセル110は、工程上、製造が困難である。
本発明の実施の一形態において、マイクロカプセル110の量は、特に限定しないが、殺菌パッド100の総重量の約3重量%〜20重量%とすることができる。マイクロカプセル110の量が3重量%未満では殺菌効果が乏しくなる恐れがあり、20重量%を超えても殺菌効果を増加させることができず、相対的に費用がかかる恐れがあるためである。一方、殺菌パッド100の残り成分であるポリウレタンフォーム120は、残量、即ち、約80重量%〜97重量%とすることができる。
本発明の実施の一形態において、シリカゲル111は、通常、常温では内部物質である殺菌物質115を徐々に放出する特性を有しており、40℃〜50℃に加熱したとき、図2にの放出開始で示したように、殺菌物質115の外部への放出が促進される。
ここで、プロポリス抽出物を含有する物質は、殺菌物質115として用いることができる。特に、マイクロカプセル110は、プロポリス抽出物、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、及び部分加水分解されたシラン化合物を含む混合液を、酸またはアルカリが溶解されてプロポリス抽出物と反対の極性を有する溶液に乳化分散させて、界面でゾルゲル反応を起こさせてプロポリス抽出物をカプセル化することにより生成されることが好ましい。
一方、本発明の実施の一形態において、前記ポリウレタンフォーム120は、気孔空隙(多孔質セルともいう)を含んでおり、その内部にマイクロカプセル110を容易に閉じ込めることができる構造を有している。
本発明の実施の一形態において、本発明の殺菌パッド100が殺菌パッドを備えた便座の殺菌用に用いられる場合、ポリウレタンフォーム120は、約10μm〜500μm、好ましくは約10μm〜120μm、さらに好ましくは約80μm〜120μmの大きさの気孔空隙を有することができる。
しかしながら、ポリウレタンフォーム120の気孔空隙の大きさが10μm未満では、マイクロカプセル110が気孔空隙内に担持されず、殺菌効果が低下する恐れがある。また、ポリウレタンフォーム120の気孔空隙の大きさが500μmを超えると、マイクロカプセル110が気孔空隙内に担持されるが、再び漏れ出て殺菌効果が低下する恐れがある。
ポリウレタンフォーム120の気孔空隙の大きさが500μm以上の場合には、マイクロカプセル110がポリウレタンフォーム120の気孔空隙へ担持されやすい。ポリウレタンフォーム120の気孔空隙の大きさが120μm以下の場合には、ポリウレタンフォーム120に封入されたマイクロカプセル110の離脱が容易ではなく、殺菌効果を向上させることができる。
本発明の実施の一形態では、殺菌パッド100に用いられるポリウレタンフォーム120の気孔空隙の大きさを上述したように調節して、ポリウレタンフォーム120にコーティングされるマイクロカプセル110の含量を調節することにより、マイクロカプセル110に含有された殺菌物質115の殺菌寿命を調節することができる。
一方、本発明の実施の一形態によるポリウレタンフォーム120は、厚すぎると概観が美的に満足できず、薄すぎると、殺菌物質115の収容されたマイクロカプセル110の含量が少なくなって殺菌力が弱くなる。そのため、ポリウレタンフォーム120の厚さは、0.5mm〜5mm範囲内の厚さを有することが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。
本発明の実施の一形態では、マイクロカプセル110がコーティングされる材質の一例として、ポリウレタンフォーム120を挙げて説明したが、必ずしもこれに限定されることはなく、ポリウレタンフォームのように表面または内部に気孔空隙が形成されてマイクロカプセルを付着させることができる材料であればよい。
また、本発明の実施の一形態による殺菌パッド100は、耐久性を増加させるためにポリウレタンフォーム120とマイクロカプセル110の接着性を向上させる固着用バインダー130をさらに含んでもよい。
また、固着用バインダー130は、シランカップリング剤であってもよい。
即ち、ポリウレタンフォーム120のような高分子と、それに備えられた充填剤であるマイクロカプセル110は、性質が異なるため、界面が完全に付着されない場合が大半である。この場合、マイクロカプセル110がポリウレタンフォーム120の気孔空隙から漏れ出る可能性が高くなり、殺菌パッドの耐久性が弱くなるという問題が生じ得る。
従って、本発明の実施の一形態による殺菌パッド100は、図9に示した実施例のように、マイクロカプセル110をポリウレタンフォーム120に強固に結合させるために、固着用バインダー130として、シランカップリング剤を用いてもよい。これにより、ポリウレタンフォーム120の気孔空隙に閉じ込められたマイクロカプセル110が気孔空隙から漏れ出るのを防止し、したがって、殺菌パッド100の耐久性が向上することができ、殺菌パッドの使用寿命を長くすることができる。
シランカップリング剤は、例えば、アミン系シランカップリング剤、サルファー系シランカップリング剤、アルキル系シランカップリング剤など、特に制限されることはなく、多様なシランカップリング剤を用いることができる。上述した実施例の他にも、どのようなシランカップリング剤でも用いることができ、シランカップリング剤の種類を限定されることはない。アミン系シランカップリング剤の例には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(3−aminopropyltrimethoxysilane)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(3−aminopropyltriethoxysilane)、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(3−aminopropylmethyldiethoxysilane)、アミノプロピルシルラントリオール(aminopropylsilanetriol、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(N−(2−aminoethyl)−3−aminopropyltrimethoxysilane)などが含まれる。サルファー系シランカップリング剤の例には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(3−mercaptopropyltrimethoxysilane)及びビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−テトラスルフィド(bis[3−(triethoxysilyl)propyl]−tetrasulfide)などが含まれる。
しかしながら、固着用バインダー130は、シランカップリング剤に限定されることはなく、ポリウレタンフォーム120とマイクロカプセル110の結合を強化させることができる多様なバインダーを適用することができる。
次に、本発明の実施の一形態による殺菌パッドの製造方法を、以下に説明する。
本発明の殺菌パッド100の製造方法は、プロポリス抽出物を用いて、ゾルゲル反応法によりプロポリス抽出物含有マイクロカプセル110を生成する段階と、プロポリス抽出物含有マイクロカプセル110をポリウレタンフォーム120の表面にコーティングする段階と、を含む。
まず、プロポリス抽出物は、天然素材から有効成分を抽出する通常の抽出法により得ることができる。一例としては、熱湯比重分離後の真空超音波抽出による方法、超臨界流体抽出方法、水蒸気抽出方法、および溶媒抽出方法が含まれる。
前記プロポリス抽出物は、熱湯比重分離法によって蜂の巣から蜜蝋を除去した後、真空超音波抽出法により抽出してもよい。また、プロポリス抽出物は、商業的に購入して用いてもよい。プロポリス抽出物は、熱湯比重分離法によって蜂の巣から蜜蝋を除去した後、真空超音波抽出法により抽出されることが好ましい。
このようなプロポリス抽出物はマイクロカプセル化されており、マイクロカプセル110は一般的に知られている微細カプセル化工程により製造することができる。例えば、マイクロカプセル110は、この例に限定されることはないが、韓国特許公開公報2003−0064126号に開示されたゾルゲル反応法により製造することができる。
一例として、マイクロカプセル110は、プロポリス抽出物、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、及び部分加水分解されたシラン化合物が含まれた混合液を、酸またはアルカリが溶解され且つプロポリス抽出物と反対の極性を有する溶液に乳化分散させて、界面でゾルゲル反応を起こさせてプロポリス抽出物をカプセル化することで製造することができる。
このような微細カプセル化工程により生成されるプロポリス抽出物を収容しているマイクロカプセル110の粒子の大きさは、特に限定されないが、上述したように約3μm〜10μmであることが好ましい。
次に、プロポリス抽出物含有マイクロカプセル110をポリウレタンフォーム120の表面にコーティングする。
マイクロカプセル110は、一般的に知られている噴射法または含浸法によりポリウレタンフォーム120にコーティングされてもよい。一例として、コーティングは、ポリウレタンフォーム120に膨張剤を含有するエタノールようなアルコールを噴射してポリウレタンフォーム120内の気孔空隙の大きさを拡張させる前処理段階と、前処理したポリウレタンフォーム120にプロポリス抽出物含有マイクロカプセル110を噴射したり、含浸させる段階と、噴射または含浸処理したポリウレタンフォーム120を乾燥させる段階と、からなる。
前処理時として、アルコールには、膨張剤だけでなく必要に応じて硬化剤を含有させてもよい。このようにポリウレタンフォーム120をエタノールのようなアルコールで処理すると、アルコールとポリウレタンが反応して発泡し、ポリウレタンフォーム120の気孔空隙が拡張される。このようにしてポリウレタンフォーム120の気孔空隙を拡張させると、マイクロカプセル110の気孔空隙内への閉じ込めがさらに容易となる。
実際、本発明の実施の一形態で用いたポリウレタンフォーム120の材料シートの前処理前と前処理後の様子を撮影した写真を図3に示した(図3において、最左写真の左側は材料シートの10,000倍率の写真であり、残りは材料シートの実際の大きさの写真である)。
前記前処理を施した後、拡張された気孔空隙を有するポリウレタンフォーム120にマイクロカプセル110を噴射したり、含浸させることで、マイクロカプセル110をポリウレタンの気孔空隙内に閉じ込める。
その後、噴射処理または含浸処理したポリウレタンフォーム120を乾燥させると、拡張された気孔空隙が再び元の大きさに戻る。このとき、乾燥時の温度条件は、特に限定されないが、好ましくは20〜80℃で乾燥することが気孔空隙を元の状態に戻すのに有利である。
殺菌パッドを備えた便座を殺菌するために本発明の殺菌パッド100を製造する場合、ポリウレタンフォーム120は、10μm〜120μmの、さらに好ましくは80μm〜120μmの大きさの気孔空隙を有することができる。ポリウレタンフォーム120は、このように気孔空隙で構成されているため、マイクロカプセル110を気孔空隙内に閉じ込めやすい構造を有する。
ポリウレタンフォーム120の気孔空隙の大きさが10μm未満では、マイクロカプセル110が気孔空隙内に担持されない恐れがあるため、殺菌効果が低下することがあり、また、ポリウレタンフォーム120の気孔空隙の大きさが120μmを超えると、マイクロカプセル110が気孔空隙内にコーティングできても再び漏れ出る恐れがあるため、殺菌効果が低下することがある。
一方、耐久性を増加させるために、ポリウレタンフォーム120とマイクロカプセル110の接着性を向上させる固着用バインダー130を含む場合は、下記のような製造方法で製造される。
即ち、本発明の他の実施の形態による殺菌パッドの製造方法は、プロポリス抽出物を用いて、ゾルゲル反応法によりマイクロカプセル110を生成する段階と、前記マイクロカプセルと固着用バインダー130を混合して混合溶液を生成して、前記混合溶液をポリウレタンフォーム120の表面にコーティングする段階と、を含む。
前記本発明の他の実施の形態による殺菌パッドの製造方法は、上述した実施の一形態による殺菌パッドの製造方法と比べて、マイクロカプセル110と固着用バインダー130を混合した混合溶液をポリウレタンフォーム120の表面にコーティングする段階が異なるが、他の段階では両製造方法で同じである。
即ち、マイクロカプセル110と固着用バインダー130の混合溶液は、上述した一般的な噴射法または含浸法によりポリウレタンフォーム120にコーティングされてもよい。一具現例として、ポリウレタンフォーム120に膨張剤を含むアルコールを噴射して前記ポリウレタンフォーム120内の気孔空隙の大きさを拡張させる前処理段階と、前処理したポリウレタンフォームにマイクロカプセル110と前記シランカップリング剤との混合溶液を噴射しまたは含浸させる段階と、前記噴射または含浸処理したポリウレタンフォーム120を乾燥させる段階と、からなってもよい。
前記前処理段階は上記と同様で、前記前処理を施した後、マイクロカプセル110と固着用バインダー130との混合溶液を拡張された気孔空隙を有するポリウレタンフォーム120に噴射しまたは含浸させることで、マイクロカプセル110をポリウレタンフォーム120の気孔空隙内に閉じ込める。
その後、噴射処理または含浸処理したポリウレタンフォーム120を乾燥させると、拡張された気孔空隙は再び元の大きさに戻る。この乾燥段階は上述と同様であるため、詳しい説明は省略する。
このように、固着用バインダー130が含まれた混合溶液を前記ポリウレタンフォーム120にコーティングすることで、ポリウレタンフォーム120とマイクロカプセル110の結合が強化されて、マイクロカプセル110が前記気孔空隙から漏れ出るのを防止することができ、したがって、殺菌パッド100の耐久性が向上して前記殺菌パッドの使用寿命を長くすることができる。
ここで、固着用バインダー130としては、上述のようにシランカップリング剤を用いてもよい。マイクロカプセル110は、前記プロポリス抽出物を20,000ppm〜50,000ppmの量で含むことが好ましい。しかしながら、前記固着用バインダーの種類と前記プロポリス抽出物の濃度はこれに限定されない。
本発明の殺菌パッド100は、殺菌パッドを備えた便座の殺菌用であり、特に、ビデが設置された便器の殺菌パッドを備えた便座カバーとして用いてもよいが、これに限定されず、空気清浄機のフィルターなど多様な用途に用いてもよい。
本発明の殺菌パッド100を殺菌パッドを備えた便座の殺菌用に用いる場合、殺菌パッド100は、ビデが設置された便器の殺菌パッドを備えた便座カバーに付着されて使用される。殺菌パッドを備えた便座カバーに付着された殺菌パッド100は、殺菌パッド100内の殺菌物質115が活性化されることによって、殺菌パッドを備えた便座を殺菌する。殺菌物質115の活性化は、例えば、便座カバーを閉じて便座シートを覆った時、ビデの機能のうち、殺菌パッドを備えた便座のヒーター機能や乾燥機能の一つを作動させることで、請け負うことができる。
また、本発明の殺菌パッド100は、不織布及びポリウレタンフォームの形態で、空気清浄機のフィルターとして用いることもできる。不織布またはポリウレタンフォームに含浸された殺菌物質115は、自然にまたはファン(fan)の強い風により放出される。
従って、殺菌パッド100は、空気清浄フィルターの一種であって、不織布またはポリウレタンフォームにろ過された埃内のかびなどを死滅する機能を有するだけでなく、HEPAフィルターに積層されている埃内のかびまたはバクテリアを殺菌する機能もする。
実験例
実験例1.殺菌パッド100の製造
本実施例に用いられたマイクロカプセル110は、BIO CHEM KOREA社から購入したBacto Liquidである。この実施例のマイクロカプセル110は、3μm〜10μmの粒径を有しており、内部にプロポリス抽出物(100%)がマイクロカプセル110内に収容されている。この実施例に用いられたポリウレタンフォーム120は、平均100μmの大きさの気孔空隙を有している。
マイクロカプセル110の粒径は、3μm〜10μmであることが好ましい。マイクロカプセル110の粒径が3μm未満では、殺菌物質115(プロポリス抽出物)のコーティング量が減少して、殺菌効果が低下すると共にマイクロカプセル110の耐久性が弱くなることがある。さらに、粒径が10μmを超えるマイクロカプセル110は工程上、製造が困難である。マイクロカプセル110の前記粒径範囲内で耐久性を試験し、その結果を下記表1に示した。
上記の表1から、マイクロカプセル110の粒径が上記の範囲よりも小さい1μmでは、殺菌パッド使用寿命は30日であった。しかしながら、同じ条件でマイクロカプセル110の粒径を上記の範囲内である5μmにした場合には、使用寿命が120日以上であった。このように表1から、前記マイクロカプセルの粒径が上記の範囲内である場合に、殺菌パッド100の耐久性が向上した。
殺菌パッド100は、前記プロポリス抽出物含有マイクロカプセル110をポリウレタンフォーム120にスプレーで噴射する方式でコーティングした。
まず、マイクロカプセル110をポリウレタンフォーム120に閉じ込めるために、ポリウレタンフォーム120にエタノール混合剤を噴射して気孔空隙セルを拡張させる前処理を施した。
このとき用いられたエタノール混合剤は、水に溶解された40%濃度のエタノール90重量%、膨張剤(重炭酸ナトリウム)7重量%、及びアミン硬化剤3重量%で構成された溶液であり、エタノール混合剤の噴射は常温で行った。
次に、このように前処理したポリウレタンフォーム120にプロポリス抽出物含有マイクロカプセル110をスプレーで噴射する方式でコーティングした。
このとき、マイクロカプセル110が殺菌パッド100の総重量の約10重量%が含まれるようにコーティングし、マイクロカプセル110の噴射は常温で行った。次に、このように表面処理したポリウレタンフォーム120を常温(20℃)で60分間乾燥して殺菌パッド100の製造を完了した。このように製造された殺菌パッド100を、殺菌パッドを備えた便座の殺菌用に用いた。
上述したような殺菌パッドの製造方法を同様に用いるが、プロポリス抽出物含有マイクロカプセル110を固着用バインダー130と混合して前記ポリウレタンフォーム120にスプレーで噴射する方式でコーティングした。
即ち、殺菌パッド100の耐久性を増加させるために、固着用バインダー130を利用して殺菌パッド100を製造した。このとき、前処理段階と乾燥段階は、上述と同様に行った。
しかしながら、前記マイクロカプセル110を前記固着用バインダー130と混合して混合溶液を作り、前処理したポリウレタンフォーム120に前記混合溶液をスプレー方式でコーティングすることができる。
ここで、シランカップリング剤を固着用バインダー130として用いてもよく、また、マイクロカプセル110に収容されるプロポリス抽出物の含量は20,000ppm〜50,000ppmの濃度であってもよい。殺菌パッド100の耐久性を、固着用バインダー130の使用有無と前記プロポリス抽出物の含量について試験したが、その結果を表2に示す。
表2から、何も処理しない試験3の場合は、殺菌パッド100の使用寿命は30日で、プロポリス抽出物の濃度だけを上述した範囲内にした試験2の場合は、殺菌パッド100の寿命が15日であった。
しかしながら、固着用バインダー130を使用して殺菌パッド100を製造すると共に、プロポリス抽出物の濃度を30000ppmにした試験1の場合は、殺菌パッド100の使用寿命が136日以上に増加した。表2に示したように、本発明の実施の一形態による殺菌パッド100は、固着用バインダー130を使用し、且つ、プロポリス抽出物の濃度を上述した範囲にすることにより、耐久性に優れて折り長い使用寿命を有する。
実験例2.殺菌パッドの殺菌試験
1)ハローテスト(可視性試験)
ハローテスト法により殺菌パッドを備えた便座の殺菌用に製造された殺菌パッド100の殺菌性能を試験した。ハロー試験条件は、以下の通り、一般的な寒天培地で、培養条件は37℃で24時間以上であり、径10cm以上の殺菌パッド100で、大腸菌ATCC 25922を用いた。その結果を図4に示す。
図4に示したように、何も処理しない対照群は殺菌力を示さなかったが、本発明による殺菌パッド100では、試片において約0.5〜1cm周囲内の大腸菌が全て死滅し、非常に優れた殺菌力を示した。
2)定量試験
前記殺菌パッド100の殺菌性能に対して定量試験を行った。試験の条件は、以下の通り、一般的な寒天培地で、培養条件は37℃で24時間以上であり、径10cm以上の殺菌パッド100で、大腸菌を使用した。この試験を3回(試片1〜試片3)繰り返した。その結果を表3に示す。
表3から、何も処理しない対照群1〜対照群3は、処理時間(5分)が経過した後でも菌数の変化がなく、殺菌力がないことが示された。
しかしながら、試験1〜試験3において、殺菌パッド100の処理の前後で菌数の比較した結果は、本発明の殺菌パッド100の処理を5分経過した後の菌数が、殺菌パッド100の処理をする前の菌数と比較して、試片1で97%、試片2で100%、試片3で95.5%減少することが示された。よって、表3から、本発明の実施の一形態による殺菌パッド100は、非常に優れた殺菌性を有している。
3)殺菌パッドの殺菌物質放出試験
本発明による殺菌パッド100が一定の温度と距離で時間が経過した後も殺菌性能を示すかについて調査した。本試験では、殺菌パッドを備えた便座の殺菌用に製造された殺菌パッド100を対象に試験を行った。
試験1)のように大腸菌を培養した後、その上に13mmの間隔をおいて、殺菌パッド100をプレートの上に配置し、周囲温度40℃で、12時間放置した。大腸菌数を比較することにより殺菌性能を評価した。試験方法とその結果を図5に示した。
図5から、何も処理しない対照群は、殺菌力を示さなかった。しかしながら、本発明による殺菌パッド100を配置した試験群では、写真に示されているように、大腸菌が著しく死滅した。したがって、試験群が非常に優れた殺菌力を示した。
一方、以下では、図6〜図8を参照して、本発明の実施の一形態による殺菌パッドを備えた便座について説明する。
図6に示したように、本発明の実施の一形態による殺菌パッドを備えた便座1は、便器2上に設けられる構造となっている。ここで、殺菌パッドを備えた便座1は、便器2の上部に装着することができる。
本発明の実施の一形態による殺菌パッドを備えた便座1は、便器2上に配置される便座本体10と、便座本体10に連結された便座カバー30を含んでいる。ここで、便座本体10と便座カバー30は、回動ユニット40により連結されている。
本発明の実施の一形態による便座本体10の内部空間には、便座本体10の表面を暖めるヒーター部11が設けられてもよい。さらに、本発明の実施の一形態における便座本体10には、洗浄またはビデ機能のための多様な部品が設けられる内部空間を有していてもよい。
さらに、ノズルアセンブリー(不図示)が便座本体10の内部空間に備えられており、洗浄またはビデ機能の使用時にノズル部13が前進または後進することができるように構成されている。
一方、この実施の形態における便座1は、便座本体10の外側の一側方に、制御ユニット20を含んでいる。ここで、制御ユニット20は、ノズルアセンブリー、ノズル部13、及びヒーター部11の動作を制御する。制御ユニット20は、洗浄ボタン、ビデボタン、乾燥ボタン、及び殺菌ボタンなどを含むボタン部22を含んでいてもよい。
この実施の形態では、ヒーター部11の温度を制御ユニット20により制御することができ、制御ユニット20の殺菌ボタンが選択されると、ヒーター部11は一定温度(例えば、40℃以上)に加熱するよう作動されるされることができる。
この実施の形態では、便座カバー30は、回動ユニット40により便座本体10の上部と回動可能に連結されている。殺菌パッド100は、便座カバー30の内面に付着されている。
上述したように、殺菌パッド100は、加熱されて温度が(例えば、40℃以上に)上昇することにより、殺菌物質115の外部への放出が促進されて、便座1と便器2の内部を殺菌する部材である。
ここで、殺菌パッド100が一方の面に両面接着テープを有していて、両面接着テープが便座カバー30に接着されて固定されてもよく、或は、他の接着方式を用いるなど多様な方法を用いて殺菌パッド100と便座カバー30結合されてもよい。即ち、殺菌パッド100と便座カバー30の結合方式は、特に限定されない。
この実施の形態においては、殺菌パッド100は、便座カバー30の全内面に付着されてもよく、或は、図6に示したように、第2バッテリー10の角部に沿って、便座カバー30の一部のみに付着されてもよい。即ち、殺菌パッド100の形状は、この実施の形態で説明し示したものに限定されない。
便座1が設置された便器2を殺菌する便器の殺菌方法を、図7及び図8を参照しながら説明する。
まず、便座カバー30が便座本体10を覆い、便座カバー30に提供された殺菌パッド100を便座本体10と向かい合わせにする。次いで、便座本体10に連結された制御ユニット20に殺菌動作命令が入力される。
便座1において、制御ユニット20に殺菌動作命令が入力されると、ヒーター部11が加熱し始め、ヒーター部11の加熱によって便座カバー30の温度が40℃以上になると、便座カバー30に付着された殺菌パッド100にコーティングされたマイクロカプセル110とシリカゲル111の気孔113が拡大される。このようにして、マイクロカプセル110に閉じ込められていた殺菌物質115の外部への放出が促進される。
外部に放出された殺菌物質115が便座本体10及び/または便器2の内部に拡散されると、殺菌物質115が接触した便座本体10及び/または便器2が殺菌物質115により殺菌される。
所定時間の間、上記過程が維持されて、制御ユニット20に殺菌停止命令が入力されると、ヒーター部11の作動が中止される。ヒーター部11の作動が中止されることにより、便座カバー30の温度が低下し始め、シリカゲル111の気孔113は元の状態に戻る。
これにより、この実施の形態の便座1は、殺菌パッド100の温度を制御することによりマイクロカプセル110に閉じ込められた殺菌物質115の外部放出を制御することができ、温度低下に伴って便座本体10及び/または便器2の殺菌過程が中止される。
本発明の実施の一形態で(ビデなどの)便座1を例に挙げて説明したが、本発明の殺菌パッドは、空気清浄機用フィルターなど多様な用途に適用することができる。
上述した実施例は、本発明の全観点を説明するためのものであり、制限するためのものではない。従って、本明細書内に含まれた説明から本技術分野の当業者によって本発明の多くの変形と詳細な実行を行うことができる。添付の請求の範囲により限定されたように、これらの全ての変形及び変更は、本発明の範囲及び思想内であると考慮すべきである。
特に、本発明は、マイクロカプセルをコーティングする材料がポリウレタンフォームである場合で説明したが、これは例示に過ぎず、ポリウレタンフォームのように表面または内部に気孔空隙が形成されマイクロカプセルが付着できる材料も、ポリウレタンフォームの均等物あるいは代替物に該当し、本発明の範囲に属する。
以上、本発明は、例示的な実施の形態で図示し説明したが、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神や分野から外れない範囲内で、本発明が多様に改造及び変化できるということは、当業界で通常の知識を有する者にとって明白であろう。
100 殺菌パッド
110 マイクロカプセル
111 シリカゲル
115 殺菌物質
120 ポリウレタンフォーム
130 固着用バインダー

Claims (35)

  1. 所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームと、
    気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部に充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進するマイクロカプセルと、
    からなることを特徴とする殺菌パッド。
  2. 前記シリカゲルは、
    3μm〜10μmの粒径を有することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌パッド。
  3. 前記殺菌物質は、プロポリス抽出物であることを特徴とする、請求項2に記載の殺菌パッド。
  4. 前記ポリウレタンフォームは、10μm〜500μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌パッド。
  5. 前記ポリウレタンフォームは、10μm〜120μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌パッド。
  6. 前記ポリウレタンフォームは80μm〜120μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌パッド。
  7. 耐久性を増加させるために前記ポリウレタンフォームと前記マイクロカプセルとの接着性を向上させる固着用バインダーをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の殺菌パッド。
  8. 前記固着用バインダーは、シランカップリング剤であることを特徴とする、請求項7に記載の殺菌パッド。
  9. 前記殺菌物質は、プロポリス抽出物であり、
    前記マイクロカプセルは、前記プロポリス抽出物を20,000ppm〜50,000ppmの含量で収容することを特徴とする、請求項7に記載の殺菌パッド。
  10. a)プロポリス抽出物を用いてゾルゲル反応法によりマイクロカプセルを生成する段階と、
    b)前記マイクロカプセルを所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームの表面にコーティングする段階と、
    を含み、
    前記マイクロカプセルは、気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部に充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進することを特徴とする、殺菌パッドの製造方法。
  11. a)プロポリス抽出物を用いてゾルゲル反応法によりマイクロカプセルを生成する段階と、
    b−1)前記マイクロカプセルと固着用バインダーを混合して混合溶液を生成し、前記混合溶液を所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームの表面にコーティングする段階と、
    を含み、
    前記マイクロカプセルは、気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部に充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進することを特徴とする、殺菌パッドの製造方法。
  12. 前記固着用バインダーは、シランカップリング剤であることを特徴とする、請求項11に記載の殺菌パッドの製造方法。
  13. 前記マイクロカプセルは、前記プロポリス抽出物を20,000ppm〜50,000ppmの含量で収容することを特徴とする、請求項10に記載の殺菌パッドの製造方法。
  14. 前記プロポリス抽出物は、熱湯比重分離法によって蜂の巣から蜜蝋を除去した後、真空超音波抽出法により抽出されることを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  15. 前記マイクロカプセルは、3μm〜10μmの粒径を有することを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  16. 前記ポリウレタンフォームは、10μm〜500μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  17. 前記ポリウレタンフォームは10μm〜120μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  18. 前記ポリウレタンフォームは80μm〜120μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  19. 前記マイクロカプセルは、プロポリス抽出物、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、及び部分加水分解されたシラン化合物が含まれた混合液を、酸またはアルカリが溶解され且つプロポリス抽出物と反対の極性を有する溶液に乳化分散させて、界面でゾルゲル反応を起こさせてプロポリス抽出物をカプセル化することにより生成されることを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  20. 前記b)段階またはb−1)段階は、噴射法または含浸法により行われることを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  21. 前記b)段階は、
    前記ポリウレタンフォームに膨張剤を含むアルコールを噴射して前記ポリウレタンフォーム内の気孔空隙の大きさを拡張させる前処理段階と、
    前処理したポリウレタンフォームに前記マイクロカプセルを噴射し、または、含浸させる段階と、
    前記噴射または含浸処理したポリウレタンフォームを乾燥させる段階と、
    を含むことを特徴とする、請求項10に記載の殺菌パッドの製造方法。
  22. 前記b−1)段階は、
    前記ポリウレタンフォームに膨張剤を含むアルコールを噴射して前記ポリウレタンフォーム内の気孔空隙の大きさを拡張させる前処理段階と、
    前処理したポリウレタンフォームに前記マイクロカプセルと前記シランカップリング剤の混合溶液を噴射し、または、含浸させる段階と、
    前記噴射または含浸処理したポリウレタンフォームを乾燥させる段階と、
    を含むことを特徴とする、請求項11項に記載の殺菌パッドの製造方法。
  23. 便器に装着される構造を有する便座本体と、
    前記便座本体を開閉するように前記便座本体に連結され、温度が上昇すると、殺菌物質の外部への放出が促進される殺菌パッドが備えられた便座カバーと、
    を含み、
    前記殺菌パッドは、
    一面が前記便座カバーの内面に付着され、所定の大きさの気孔空隙を有するポリウレタンフォームと、
    気孔が形成されたカプセル形状であるシリカゲルと、前記シリカゲルの内部に充填された殺菌物質を収容し、前記ポリウレタンフォームの前記気孔空隙内に閉じ込められるよう前記ポリウレタンフォームの表面にコーティングされ、温度が上昇すると、前記シリカゲルの気孔が拡大されて前記殺菌物質の外部への放出を促進するマイクロカプセルと、
    を含む、殺菌パッドを備えた便座。
  24. 前記ポリウレタンフォームは、10μm〜500μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項23に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  25. 前記ポリウレタンフォームは、10μm〜120μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項23に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  26. 前記ポリウレタンフォームは、80μm〜120μmの気孔空隙を有することを特徴とする、請求項23に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  27. 前記シリカゲルは、
    3μm〜10μmの粒径を有することを特徴とする、請求項23に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  28. 前記殺菌物質は、プロポリス抽出物であることを特徴とする、請求項27に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  29. 前記シリカゲルは、気孔を有しており、
    前記便座本体に内蔵されたヒーター部により前記便座カバーが加熱されると、前記殺菌物質の外部への排出を促進するために前記気孔が拡大する構造を有することを特徴とする、請求項27に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  30. 前記殺菌パッドは、耐久性を増加させるために前記ポリウレタンフォームと前記マイクロカプセルとの接着性を向上させる固着用バインダーをさらに含むことを特徴とする、請求項23に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  31. 前記固着用バインダーは、シランカップリング剤であることを特徴とする、請求項30に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  32. 前記殺菌物質は、プロポリス抽出物であり、
    前記マイクロカプセルは、前記プロポリス抽出物を20,000ppm〜50,000ppmの含量で収容することを特徴とする、請求項30に記載の殺菌パッドを備えた便座。
  33. a)便座本体に連結された制御ユニットに殺菌動作命令が入力される段階と、
    b)前記制御ユニットに殺菌動作命令が入力されると、便座カバーに設けられる殺菌パッドが所定の温度に到逹し、前記殺菌パッドから殺菌物質が放出され、放出された殺菌物質が前記便器の内部に拡散されて、前記殺菌物質により前記便座本体及び便器が殺菌されるように、前記制御ユニットの作動により前記便座本体に内蔵されたヒーター部が加熱される段階と、
    を含み、
    前記殺菌パッドは請求項1〜9のいずれか一項に記載の殺菌パッドで設けられることを特徴とする、便器の殺菌方法。
  34. 前記a)段階において、
    前記制御ユニットは、
    前記便座カバーが前記便座本体の上部に重ねられるように覆われた状態で殺菌動作を行い、
    前記便座カバーが前記便座本体の上部に重ねられるように覆われていない状態では殺菌動作を行わないように作動することを特徴とする、請求項33に記載の便器の殺菌方法。
  35. 前記b)段階後、
    c)前記制御ユニットに殺菌停止命令を入力するか、または前記制御ユニットに既設定の所定時間が経過した後に、前記ヒーター部の作動を中止して前記殺菌パッドからの殺菌物質の放出を停止させる段階、
    をさらに含むことを特徴とする、請求項33に記載の便器の殺菌方法。
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