JP2007332201A - マイクロカプセル含有フォーム及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な機能を有し、かつセルが微細で感触に優れたフォームを得る。
【解決手段】 機能性処理剤を内包するマイクロカプセルを含有するフォームであって、該フォーム中の該マイクロカプセルの含量が固形分換算で2重量%以上20重量%未満であることを特徴とする、フォーム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機能が付与されたフォーム、特に蓄熱性が付与されて調温機能を有するフォーム、その製法、及びその用途に関する。
従来、化粧用パフ材としてはポリウレタンフォームやNBRフォームなどが用いられている。最近、化粧用パフ材に対しては、化粧料との関係から吸水性、撥水性、撥油性などの機能が、化粧料を塗布した時の感触の関係から柔軟性、平滑性などの機能が、パフの製品寿命などの関係から防黴性、殺菌性、老化防止性、紫外線吸収性などの様々な機能が求められるようになってきている。
このような機能を化粧用パフに付与するため、このような機能を有する機能性処理剤を内包したマイクロカプセルをフォームの骨格表面に付着させたり骨格内部に入れたりする方法が知られている(特許文献1、2)。
特公平7−95964号公報 特開2001−299438号公報
上記に示した方法においては、フォームに良好な機能を付与するために、機能性処理剤を内包するマイクロカプセルをフォーム中に大量に添加することが必要であり、例えば、特許文献2では潜熱蓄熱剤を内包したマイクロカプセルの含有量が化粧用パフ材の全体重量に対して20重量%未満では蓄熱効果が不十分になることが記載されている。それ以外にも従来の方法で得られたマイクロカプセルを含有するフォームには、セルが粗く、感触に劣るなどの問題もある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、機能性処理剤を内包するマイクロカプセルをスラリーとし、これをフォーム原料に添加すれば、少量のマイクロカプセル添加量でも十分な機能を発揮でき、かつセルが微細で感触に優れたフォームが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、機能性処理剤を内包するマイクロカプセルを含有するフォームであって、該フォーム中の該マイクロカプセルの含量が固形分換算で2重量%以上20重量%未満であることを特徴とするフォーム、及びこのフォームの用途に関する。
また、本発明は、マイクロカプセルを含有するフォームの製造方法であって、マイクロカプセルのスラリーをフォーム原料に添加することを特徴とする製造方法にも関する。
本発明によれば、機能性処理剤を内包したマイクロカプセルをフォーム原料に少量添加してもフォーム中に均一に分散する。そのため、マイクロカプセルの含有量が少なくても、本発明のフォームは、機能性処理剤が有する機能を、良好に発揮することができる。例えば、機能性処理剤として潜熱蓄熱剤を内包したマイクロカプセルを使用した、本発明のフォームを含む化粧用パフは、少ないマイクロカプセル含有量でも、ひんやり感を使用者に与えられる。
その上、本発明では、上記のとおり、マイクロカプセルに内包される機能性処理剤のもたらす機能を減弱させずに、マイクロカプセル含有量を減らすことができるから、マイクロカプセルの高含有量によりもたらされる弊害(例えば、異物の混入など)を減らすことができる。また、本発明では、従来のマイクロカプセルを含有したフォームと比較して、マイクロカプセル含有量を減らすことで、セルをより微細にすることもできるので、感触に優れたフォームが得られる。
本発明の機能性処理剤を内包するマイクロカプセルは、機能性処理剤を芯物質として、この芯物質の周囲をマイクロカプセルの膜材が全部又は一部囲んだものである。
上記の機能性処理剤は、特に限定されず、フォームに付与する種々の機能に応じた機能を有する物質を利用すればよい。例えば、
蓄熱性を付与するため、潜熱蓄熱剤が利用できる。
自己洗浄性(フォーム自体が洗浄能力を有すること)や浸透性を付与するために、洗浄剤や浸透剤、例えば、洗浄性と浸透性のよい非イオン活性剤又はアニオン活性剤が利用できる。
脱汚性(洗剤のような洗浄能力はないが、フォームに付着した汚れを簡単に落せる性質)を付与するために、脱汚剤、例えば、親水性を有し、水で簡単に落ちる性質を有するもの、例として、水溶性ポリウレタン、CMC(カルボキシメチルセルロースのNa塩)、メチルセルロース、キトサン、キトサン誘導体、又はキチンなどが利用できる。
防汚性を付与するために、防汚剤、例えば、ポリエステル系防汚剤、フッ素系防汚剤、又はアルキルホスフェート系防汚剤が利用できる。
柔軟性を付与するために、柔軟剤、例えば、カチオン系柔軟剤又は非イオン系柔軟剤が利用できる。
平滑性を付与するために、平滑剤、例えば、アミノ変性シリコーンが利用できる。
吸水性を付与するために、吸水剤、例えば、ナイスポールPR−86(日華化学工業株式会社製品)、ルローテックスA−25(BASF社製品)、ラノゲンTNT(高松油脂株式会社製品)、ウエットシリコーン(日華化学工業株式会社製品)、又はパーマローズT(ICI社製品)などが利用できる。
保水性を付与するために、保水剤、例えば、CMC、アルギン酸ソーダ、澱粉−アクリル系高吸水剤、1,3・ブチレングリコール、プロピレングリコール、又はソルビトールなどが利用できる。
吸油性を付与するために、吸油剤、例えば、ポリエチレン多孔質粉粒体、ノーボルネン粉末、又はオルベンPが利用できる。
撥水性を付与するために、撥水剤、例えば、シリコーン系撥水剤、アルキルメチロールアマイド、アルキルエチレン尿素系撥水剤、又はパラフィンなどが利用できる。
撥油性を付与するために、撥油剤、例えば、フッ素系の高分子共重合体などが利用できる。
防黴性を付与するために、防黴剤、例えば、パラベン類、ジンクピリチオン、又はパラオキシ安息香酸エステルなどが利用できる。
殺菌性を付与するために、殺菌剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジングルコネート、又はカチオン系殺菌剤などが利用できる。
脱臭性を付与するために、脱臭剤、例えば、スメラル(環境科学開発株式会社製品)又はFS(白井松新薬株式会社製品)などが利用できる。
劣化防止性を付与するために、劣化防止剤、例えば、ラジカル連鎖禁止剤、酸化防止剤、熱劣化防止剤、又は金属害防止剤などが利用できる。
耐光性を付与するために、耐光剤、例えば、紫外線吸収剤などが利用できる。
その他、塩類やタンニンなどを含む生薬成分などといった、製剤の物性に影響を及ぼし、そのまま配合すると分離、凝集、増粘などを生じさせる成分;酵素やビタミンなどのように、製剤中で不安定であり、そのまま配合すると経時安定性に問題のある成分;保湿成分や生薬エキスなどの水性物質であって、そのままではフォームに配合できない成分なども、マイクロカプセルに内包させて利用してもよい。
本発明のフォームは、上記の機能を1つ又は複数有してもよく、その機能は長期間に亘って持続する。
2以上の機能をフォームに付与するには、異なる機能を有する機能性処理剤を2以上それぞれ別々のマイクロカプセルに内包させてフォームに含有させればよい。あるいは、異なる機能を有する機能性処理剤を2以上混合して、この混合物をマイクロカプセルに内包させてフォームに含有させることでも、2以上の機能をフォームに付与することができる。
本発明では、マイクロカプセルに内包される機能性処理剤として潜熱蓄熱剤が好適である。この潜熱蓄熱剤は、通常、液体−固体の相変化を利用して吸熱作用又は放熱作用を発揮するものであり、吸熱容量が比較的大きいものである。また、6〜35℃にて相変化する素材の潜熱蓄熱剤を用いるのも好ましい。かかる潜熱蓄熱剤を内包するマイクロカプセルは吸熱容量が比較的大きい。この潜熱蓄熱剤内包マイクロカプセルをフォーム材に分散させることにより、蓄熱性フォームが得られる。
潜熱蓄熱剤として、n−パラフィンなどのパラフィン系炭化水素、天然ワックス、石油ワックス、ポリエチレングリコール、無機化合物の水和物などが例示できるが、特にこれらに制限されるわけではなく、蓄熱性フォームの用途に応じて適切な融点を有する潜熱蓄熱剤を選択すればよい。
本発明の蓄熱性フォームを化粧用パフ材や寝具類用途として用いる場合、体温よりも若干低い温度、例えば6〜35℃の範囲内、特に約28℃付近に固体−液体の相転移温度を有する潜熱蓄熱剤を利用してもよい。また、精密OA機器などの吸音材、制振材、衝撃吸収用梱包材用途としても、この程度の常温に固体−液体の相転移温度を有する潜熱蓄熱剤が好適であるが、目的に応じて0〜110℃の幅広い範囲で固体−液体の相転移温度を有する潜熱蓄熱剤を利用してもよい。
上記の潜熱蓄熱剤として、ヘキサデカン(融点18℃)、オクタデカン(融点25℃)、ノナデカン(融点32℃)、テトラコラン(融点51℃)、オクタコサン(融点61℃)などが例示される。
マイクロカプセル中の機能性処理剤の含量は、目的とする用途、使用態様、剤型、製品形態などにより異なるが、機能性処理剤の有する機能をフォームが良好に発揮できる点から、マイクロカプセル全量に対して、10重量%以上、特に30重量%以上、とりわけ60重量%以上が好ましく、マイクロカプセルの強度を維持して破損を抑える点から、マイクロカプセル全量に対して、95重量%以下、特に90重量%以下、とりわけ80重量%以下が好ましく、最も好ましくは70重量%以下である。
機能性処理剤を内包したマイクロカプセルの製法として、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特開昭62−1452号公報)、機能性処理剤粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特開昭62−45680号公報)、機能性処理剤粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(特開昭62−149334号公報)、機能性処理剤粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(特開昭62−225241号公報)、又は界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2−258052号公報)などが例示でき、内包されるべき機能性処理剤の種類や性質及びフォームの用途などに応じて適切な方法を選択すればよい。
本発明においては、上記の方法などで製造されたマイクロカプセルから、場合により、マイクロカプセルに内包されなかった機能性処理剤を除去してもよく、あるいは予め内包されない機能性処理剤が生じないような条件でマイクロカプセルを製造してもよい。これにより、フリーフィル率が5重量%以下、好ましくは3重量%以下のマイクロカプセルを得ることができ、これを本発明のフォームの製造に使用することもできる。
本発明のマイクロカプセルの膜材として、界面重合法、インサイチュー(in−situ)法、又はラジカル重合法などの手法で得られる、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂が用いられるか、あるいはゼラチンと、カルボキシメチルセルロース又はアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した、合成又は天然の樹脂が用いられる。好ましくは、メラミンホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタンウレアが用いられ、特に好ましくは物理的、化学的に安定なインサイチュー法によるメラミンホルマリン樹脂皮膜、尿素ホルマリン樹脂皮膜を用いたマイクロカプセルが用いられる。
もっとも、膜材については、内包される機能性処理剤の種類や機能、フォームの用途に応じて適宜選択してもよい。例えば、機能性処理剤として潜熱蓄熱剤を含有する場合、マイクロカプセルの材料としては、その耐熱温度が上記潜熱蓄熱剤の融点に比べて十分に高い、例えば30℃以上、好ましくは50℃以上のものであって、フォームの用途に応じた強度を有するものを適宜選択することもできる。このようなものとして、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが例示できる。このうち特に好ましい膜材はポリオキシメチレンウレアである。
本発明において、マイクロカプセルの形態は特に制限されないが、一般的には球状であり、その外径は、特に制限されないが、通常0.5μm〜100μmである。本発明では、スラリー中で良好に分散できる点から、好ましくは1〜80μm、より好ましくは1〜50μm、特に好ましくは2〜10μmであるが、内包されるべき機能性処理剤の種類や含有するフォームの用途などにより外径を適宜選択することも可能である。
フォーム中におけるマイクロカプセルの含量は、機能性処理剤の有する機能をフォームが良好に発揮できる点から、固形分換算で、2重量%以上、特に4重量%以上、とりわけ6重量%以上であるのが好ましく、微細なセルのフォームが得られる点から、固形分換算で、20重量%未満、特に15重量%以下、とりわけ10重量%以下であるのが好ましい。
本発明で使用されるフォームは、材料の種類に特に制限はなく、フォームの用途に応じて適宜選択すればよい。
例えば、メカニカルフロスタイプポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、塩化ビニルフォーム、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)フォーム、SBR(スチレンブタジエンゴム)フォーム、NR(天然ゴム)フォーム、EPDMフォーム、フッ素フォーム、EVAフォーム、ABSフォーム、ナイロンフォーム、アクリルフォーム、フェノールフォーム、シリコンフォームなどが挙げられる。ポリウレタンフォームとしては、クッション性に優れるなどが挙げられる。
このうち、化粧用パフなどの用途のために好ましいフォームは、感触や使用性などに優れている点から、SBRフォーム、NBRフォーム、メカニカルフロスタイプポリウレタンフォーム、NRフォームなどである。
本発明は、フォーム原料にマイクロカプセルのスラリーを添加して混合し、得られた混合物を発泡させることを特徴とする、マイクロカプセル含有フォームの製造方法にも関する。
この方法により本発明のフォームを得ることができる。本発明では、マイクロカプセルのスラリーをフォーム原料に配合すること以外は、常法に従ってフォームを製造すればよい。
例えば、フォームがラテックスフォームの場合、ラテックスと、場合により起泡剤、気泡安定剤、加硫促進剤、老化防止剤などの慣用の添加剤とを含むラテックスフォーム原料に、マイクロカプセルのスラリーを添加して混合し、次いでこの混合物にエアーを混入し発泡させてから、架橋させて、製造することができる。もっとも、この方法に制限されるわけではない。
本発明においてマイクロカプセルのスラリーは、マイクロカプセルを、好ましくは分散剤と共に適切な溶媒、例えば水に加えて混合することで製造することができる。
上記分散剤は、マイクロカプセルの製造で慣用されているものであれば特に制限されず、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、及びアルギン酸塩などの天然高分子、ならびにポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、及びカルボキシメチルセルロースなどの合成水溶性高分子などが例示される。特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂又は尿素ホルムアルデヒド樹脂を皮膜に有するマイクロカプセルの分散剤として、スチレン、エチレン、イソブチレンなどのモノマーと無水マレイン酸との共重合体、スチレンスルフォン酸共重合体、アクリル酸とアクリルアミド、アクリルニトリルなどとの多元共重合体なども使用できる。
本発明において、スラリー中でのマイクロカプセルの含量は、5重量%以上、特に30重量%以上、とりわけ35重量%以上であるのが、スラリーの必要添加量が抑えられ、またスラリーの水分含量も下げられ、フォームのセルを微細にすることが可能となるので、好ましい。また、スラリー中でのマイクロカプセルの含量は、90重量%以下、特に80重量%以下、とりわけ50重量%以下であるのが、スラリーが低粘度化して、スラリー中のマイクロカプセルの分散が良好になるので、好ましい。
上記のスラリーのpHは、フォーム原料に添加した際に異物が発生せず良好な安定性を示す点から、特にpH6以上、とりわけpH8以上であり、pH13以下、特にpH11以下、とりわけpH10以下であるのが好ましい。
本発明においてスラリーのpHの調整は、適切な酸やアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア)を添加して行うことができる。
本発明のフォームの平均セル径は、100〜800μm、好ましくは100〜600μm、より好ましくは100〜380μmである。
平均セル径は慣用の方法で調整することができる。例えば、発泡に際して混入させるエアーの量又はゲル化時間を適宜変更することで、平均セル径を調整することができる。
なお、本発明では、マイクロカプセルに内包される機能性処理剤のもたらす機能を減弱させずにマイクロカプセル含有量を減らすことができ、それによって、平均セル径をより小さくすることができる。
なお、上記平均セル径は実施例に記載された方法で測定することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、実施例では%は特記のない限り重量%を意味する。
1.原料
実施例では原料として以下のものを使用した。
・NBRラテックス(固形分濃度65%、商品名:Nipol 531、製造元:日本ゼオン(株))
・起泡剤:オレイン酸カリウム(商品名:FR-14、製造元:花王(株))
・気泡安定剤:エチルクロリドホルムアルデヒドアンモニア反応生成物(商品名:トリメンベース、製造元:ユニロイヤルケミカルカンパニー)
・加硫促進剤:ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(商品名:ノクセラーBZ、製造元:大内新興化学工業株式会社)
・老化防止剤:テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:AO-60、製造元:株式会社アデカ)
・ゲル化剤:ケイフッ化ナトリウム(製造元:関東化学株式会社)
・蓄熱マイクロカプセルスラリー:n−パラフィン含有合成樹脂マイクロカプセルの分散液(固形分濃度40%、スラリー中に主成分としてn−パラフィン30〜45%、合成樹脂2〜10%、他に分散剤、水から成る。商品名:蓄熱材マイクロカプセル分散液、製造元:三菱製紙株式会社)
・蓄熱マイクロカプセル粉末:有機系蓄熱材含有マイクロカプセル固形物(造粒物中の主成分としてn−パラフィン約40〜90%、有機系樹脂1〜10%、合成樹脂系接着剤0〜20%、他に分散剤から成る。商品名:蓄熱材マイクロカプセル固形物、製造元:三菱製紙株式会社)
2.フォームの製造
実施例1
NBRラテックス100重量部(固形分換算すると65重量部)に、起泡剤0.9重量部、気泡安定剤1重量部、加硫促進剤3重量部、老化防止剤0.4重量部、蓄熱マイクロカプセルスラリー10重量部(固形分換算すると4重量部)を添加して、10分間以上攪拌して混合させた。この混合した原料に空気を混入して発泡させ、ゲル化剤を4重量部添加した。次いでこの発泡物を注型によりブロック状に成形してから、120℃、30分間加熱処理して加硫させてフォームブロックを得た。このフォームブロックをスライスして、フォームシート(60mm×50mm×8mm)を得た。
実施例2
蓄熱マイクロカプセルスラリーを16重量部(固形分換算すると6.4重量部)添加した以外は、実施例1と同様にしてフォームシートを得た。
比較例1
蓄熱マイクロカプセルスラリーの代わりに蓄熱マイクロカプセル粉末を4重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてフォームシートを得た。
比較例2
蓄熱マイクロカプセルスラリーの代わりに蓄熱マイクロカプセル粉末を17重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてフォームシートを得た。
3.試験
上記実施例及び比較例で製造されたフォームシートについて、以下の試験を行った。
(1)平均セル径の測定
走査電子顕微鏡を用いて、フォームシートの表面の中心部から直径20mmの範囲内に観察されるすべてのセルの直径を測定して、その平均値を計算し、平均セル径とした。なお、セルの直径は、セルの短径及び長径を測定して、両者の平均とした。
(2)使用性
市販のファンデーションを顔面頬部にフォームシートを使用して塗布した。ファンデーションの塗り具合を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○:塗布したファンデーションが均一になっている。
△:塗布したファンデーションがややむらになっている。
×:塗布したファンデーションがすじ、むらになっている。
(3)異物
製造したフォームシートの表面を指でなぞったときにしこりを感じれば「あり」と、感じなければ「なし」と評価した。
(4)ひんやり感
フォームシートを顔面頬部に当てて、ひんやり感があれば「○」と、なければ「×」と評価した。
上記の試験結果を表1に示す。
なお、表1のマイクロカプセル含有量は、固形分換算で算出する。すなわち、最終フォームに残る原料の固形分重量を元に計算する。
実施例では、フォームの製造工程中、洗浄工程などで最終フォーム中に残らない起泡剤及び気泡安定剤ならびに分散溶媒の重量を除外し、使用した蓄熱マイクロカプセルの重量(スラリーの場合は固形分換算重量)と、NBRラテックスの固形分換算重量と、加硫促進剤及び老化防止剤の重量とを合計した総重量を求めた。そして、この総重量で蓄熱マイクロカプセルの重量(スラリーの場合は固形分換算重量)を除し、百分率としてフォーム中のマイクロカプセル含有量を求めた。もっとも、本発明においてフォーム中のマイクロカプセル含有量の算出が実施例での計算方法に制限されるわけではない。
Figure 2007332201
実施例の製法によれば、マイクロカプセルの含有量が少なくても、ひんやり感のするフォームシートが得られるが、比較例の製法ではマイクロカプセルの含有量を増やさないとひんやり感のするフォームシートが得られない。
また、実施例のフォームシートは、比較例と比較して、セルが微細であり、異物も存在せず、化粧用パフとしての使用性にも優れている。
本発明のフォームは、枕、マットレス、敷き蒲団などの寝具、枕防寒着、スキーウェア、スポーツウェアなどの衣料、CPU周辺吸熱材料などのOA用途一般、手術用除圧材、医療用ベッドなどの医療用途一般、シートクッションなど、幅広い分野に有効に適用可能である。
特に好ましくは、蓄熱性を有し、良好な調温機能を有する化粧用パフ材である。

Claims (9)

  1. 機能性処理剤を内包するマイクロカプセルを含有するフォームであって、該フォーム中の該マイクロカプセルの含量が固形分換算で2重量%以上20重量%未満であることを特徴とする、フォーム。
  2. フォームの平均セル径が100〜380μmであることを特徴とする、請求項1記載のフォーム。
  3. マイクロカプセルの外径が0.5〜100μmである、請求項1又は2記載のフォーム。
  4. フォームがSBRフォーム、NBRフォーム、又はメカニカルフロスタイプポリウレタンフォームである、請求項1〜3のいずれか1項記載のフォーム。
  5. 機能性処理剤が潜熱蓄熱剤である、請求項1〜4のいずれか1項記載のフォーム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のフォームを含む、化粧用パフ。
  7. フォーム原料にマイクロカプセルのスラリーを添加して混合し、得られた混合物を発泡させることを特徴とする、マイクロカプセル含有フォームの製造方法。
  8. マイクロカプセルがスラリー中に5〜90重量%含有されている、請求項7記載の製造方法。
  9. スラリーのpHが6以上である、請求項7又は8記載の製造方法。
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