JP6084090B2 - ポリビニルアルコール系フィルム - Google Patents
ポリビニルアルコール系フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6084090B2 JP6084090B2 JP2013067783A JP2013067783A JP6084090B2 JP 6084090 B2 JP6084090 B2 JP 6084090B2 JP 2013067783 A JP2013067783 A JP 2013067783A JP 2013067783 A JP2013067783 A JP 2013067783A JP 6084090 B2 JP6084090 B2 JP 6084090B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polyvinyl alcohol
- alcohol film
- tends
- thickness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
PTP包装は、硬質ポリ塩化ビニル樹脂やポリプロピレン樹脂からなるフィルムを基材フィルムとして用い、該基材フィルムをポケット形状に成形し、その中に固形剤(錠剤、カプセル等)を充填し、アルミ箔からなる蓋剤で密封した包装体であり、広く普及している。
即ち、PTP包装に用いる包装体を成形するに際しては、通常130〜160℃で成形しているところ、かかる成形温度よりやや低い温度及び成形温度よりやや高い温度でのフィルムの粘弾性挙動が、外観が良好で膜厚の均一な成形物を得るという点で非常に重要であり、従って、その温度の代表として上記の通り110℃及び180℃での粘弾性挙動を確認し、両者を比較することにより、フィルムを特定したものである。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、乾燥雰囲気条件下におけるフィルム幅方向の、110℃でのフィルムの貯蔵弾性率(α)と180℃でのフィルムの貯蔵弾性率(β)との比(α/β)が5以上のポリビニルアルコール系フィルムである。更に、かかる比(α/β)の好ましい範囲は5〜7であり、特に好ましくは5〜6である。かかる比(α/β)が小さすぎるとフィルムの柔軟性が低下するなど成形性が低下することとなる。
即ち、ポリビニルアルコール系フィルムの貯蔵弾性率は、フィルムに特定周波数の振動を与えたときに測定される値で、本発明においては、例えば、粘弾性測定装置(ユ―ビーエム社製 レオスペクトラー DVE−V4)を用いて、乾燥雰囲気条件下にて、測定周波数10Hzで、−30〜200℃まで昇温速度3℃/minでフィルムを昇温しながら、連続的に貯蔵弾性率を測定して、110℃における測定値を貯蔵弾性率(α)とし、180℃における測定値を貯蔵弾性率(β)とした。
「乾燥雰囲気」とは、水分率1000ppm以下の状態のことをいう。
尚、上記平均ケン化度はJIS K 6726に準じて測定されるものである。
尚、上記平均重合度は、JIS K 6726に準じて測定されるものである。
尚、上記粘度はJIS K 6726に準じて測定されるものである。
以下、二軸延伸されたポリビニルアルコール系フィルムについて説明する。
かかる二軸延伸については、通常行われる同時二軸延伸、逐次二軸延伸など、公知方法に従い行うことができるが、延伸操作の自由度の点で逐次二軸延伸が好ましく、特には縦一軸延伸後に横一軸延伸を行う逐次二軸延伸が好ましい。
かかる接着剤の厚みとしては、通常0.3〜8μmであり、好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは1〜3μmである。
そして、本発明の積層体は、医薬品、化粧品及び食品等の包装体に有用であり、とりわけ、固形剤包装用として用いられるプレススルーパック(PTP)包装用に非常に有用である。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
以下のフィルムを用意した。
〔基材フィルム(A)〕
・硬質ポリ塩化ビニルフィルム(厚み230μm、住友ベークライト社製「VSS−8142タイプ」)
ポリビニルアルコール(平均ケン化度99.7モル%、平均重合度1700、4%水溶液粘度(25℃)40mPa・s、酢酸ナトリウム含有量0.3%)40部を水60部に溶解させたポリビニルアルコール水溶液を定量ポンプにより、ジャケット温度を60〜150℃に設定した二軸押出型混錬機(スクリューL/D=40)に供給し、吐出量500kg/hrの条件で吐出した。この吐出物を直ちに、一軸押出機(スクリューL/D=30)に圧送し、温度85〜140℃にて、混錬後、Tダイより5℃に冷却されたキャストロールに流延固化させ、キャストロールから冷却されたフィルムを剥離し、90℃に調整された連続した10個の回転加熱ロールを用いて30秒間乾燥し、次いで、かかるポリビニルアルコールフィルムを縦方向の3倍延伸した後に、テンター延伸機で横方向に3.5倍延伸して、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルムとし、次いで145℃で8秒間熱処理(一段目熱処理)を行い、続いて、180℃で8秒間熱処理(二段目熱処理)を行い、含水率0.8%の二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(B−1)(厚み30μm)を得た。
得られた二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(B−1)について、以下の通り物性測定を行った。測定結果を表1に示す。
粘弾性測定装置(ユ―ビーエム社製 レオスペクトラー DVE−V4)を用いて、乾燥雰囲気条件下にて、測定周波数10Hzで、−30〜200℃まで昇温速度3℃/minでフィルムを昇温しながら、連続的に貯蔵弾性率を測定して、110℃における測定値を貯蔵弾性率(α)とし、180℃における測定値を貯蔵弾性率(β)とした。
「乾燥雰囲気」とは、水分率1000ppm以下の状態のことである。
・PCTFEフィルム(23μm、ダイキン工業社製「DF−0025C1」)
上記の二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(B)と上記のPCTFEフィルム(C)とを、ポリエステル系/ポリイソシアネート二液型接着剤(DIC社製「ディックドライLX−703VL」/DIC社製「ディックドライKR−90」=15/1(重量比))により70℃で貼合した後、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルムの露出面側に、上記接着剤により硬質ポリ塩化ビニルフィルム(A)を70℃で貼合し、その後、40℃の環境で2日間エージングして積層体を得た。
得られた積層体について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
JIS Z 0208に規定の透湿カップを用いて、40℃×90%RHの環境下にて、JIS Z 0208に準じて透湿度を測定した。
ブリスターパッキングマシンPF−D1型PTP包装機(マルホ発條工業株式会社製)を用い、加熱温度130〜160℃、加工速度30〜40ショット/分の条件の範囲内でPTP包装を行い、下記の基準にて成形性を評価した。
○・・・設計通りの形状を有していた。
△・・・設計通りの形状から少し外れていた。
×・・・設計通りの形状から大きく外れていた。
表1に示す通り、実施例1において、二軸延伸ポリビニルアルコール系フィルムの熱処理条件を変更した以外は同様に行い、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(B−2)を得た。
得られたポリビニルアルコールフィルム(B−2)について、実施例1と同様の物性測定を行い、更に、実施例1と同様にして積層体を得、実施例1と同様の評価を行った。
表1に示す通り、実施例1において、二軸延伸ポリビニルアルコール系フィルムの熱処理条件を変更した以外は同様に行い、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(B′−1)を得た。
得られたポリビニルアルコールフィルム(B′−1)について、実施例1と同様の物性測定を行い、更に、実施例1と同様にして積層体を得、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1において、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(B)を用いなかった以外は同様に行い、積層体を得、実施例1と同様の評価を行った。
ポリビニルアルコール(平均ケン化度99.7モル%、平均重合度1700、4%水溶液粘度(25℃)40mPa・s、酢酸ナトリウム含有量0.3%)100部にグリセリン12部、ソルビタンエステルエーテル0.5部及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.5部及び水を加えて、固形分濃度23%の樹脂組成物の水分散液を得た。この樹脂組成物の水分散液(80℃脱泡済み)を80℃のエンドレスベルトの金属表面にTダイから流延し、110℃−120℃−115℃−100℃の4つの乾燥工程を各45秒ずつ通過して合計3分間乾燥して、含水率5%、厚さ60μmのポリビニルアルコールフィルム(B′−2)を得た。
得られたポリビニルアルコールフィルム(B′−2)について、実施例1と同様の物性測定を行い、更に、実施例1と同様にして積層体を得、実施例1と同様の評価を行った。
実施例、参考例及び比較例の測定結果を表1に、性能評価結果を表2に示す。
一方、中間層としてポリビニルアルコール系フィルム(B)を用いない比較例1や所望の物性を有しないポリビニルアルコール系フィルム(B)を用いた比較例2では、実施例よりも水蒸気バリア性に劣るものであることが分かる。
なお、所望の物性を有しない二軸延伸ポリビニルアルコールフィルムを用いた参考例では、非常に優れたガスバリア性を有するものである一方、成形性の点では実施例よりも若干劣るものであった。
Claims (4)
- 乾燥雰囲気条件下におけるフィルム幅方向の、110℃でのフィルムの貯蔵弾性率(α)と180℃でのフィルムの貯蔵弾性率(β)との比(α/β)が5以上であることを特徴とするポリビニルアルコール系フィルム。
- 乾燥雰囲気条件下におけるフィルム幅方向の、110℃でのフィルムの貯蔵弾性率(α)が、5×108Pa以上であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- 乾燥雰囲気条件下におけるフィルム幅方向の、180℃でのフィルムの(β)が、3×108Pa以下であることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルム。
- ポリビニルアルコール系フィルムが、二軸延伸されたポリビニルアルコール系フィルムであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013067783A JP6084090B2 (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | ポリビニルアルコール系フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013067783A JP6084090B2 (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | ポリビニルアルコール系フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014189690A JP2014189690A (ja) | 2014-10-06 |
JP6084090B2 true JP6084090B2 (ja) | 2017-02-22 |
Family
ID=51836291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013067783A Active JP6084090B2 (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | ポリビニルアルコール系フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6084090B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6992253B2 (ja) * | 2015-09-11 | 2022-01-13 | 三菱ケミカル株式会社 | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 |
WO2017043514A1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 日本合成化学工業株式会社 | フィルムロール及び薬剤包装体 |
WO2017043506A1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 日本合成化学工業株式会社 | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS492986B1 (ja) * | 1970-03-09 | 1974-01-23 | ||
JPS52136278A (en) * | 1976-05-11 | 1977-11-14 | Nippon Synthetic Chem Ind | Successive two dimensional elongation of polyuinylalcohol film |
JPS54111580A (en) * | 1978-02-21 | 1979-08-31 | Unitika Ltd | Preparation of simultaneously biaxially oriented polyvinyl alcohol film |
JPS5579267A (en) * | 1978-12-11 | 1980-06-14 | Kuraray Co | Packing material |
JP2003245971A (ja) * | 2003-03-10 | 2003-09-02 | Dainippon Ink & Chem Inc | 乳酸系ポリマーから成る耐熱性シート及び成形品の製造方法 |
US7939150B2 (en) * | 2005-08-16 | 2011-05-10 | Honeywell International Inc. | Lid stock using oriented fluoropolymers |
JP5234690B2 (ja) * | 2006-12-31 | 2013-07-10 | 三菱樹脂株式会社 | 成型同時転写用ポリエステルフィルム |
US20150125676A1 (en) * | 2012-06-26 | 2015-05-07 | The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. | Laminate, and packaging material and press-through pack employing the same |
-
2013
- 2013-03-28 JP JP2013067783A patent/JP6084090B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014189690A (ja) | 2014-10-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2014028508A (ja) | 積層体、及びそれを用いた包装体並びにプレススルーパック | |
JPWO2017043509A1 (ja) | 水溶性フィルム、薬剤包装体及び水溶性フィルムの製造方法 | |
WO2006035516A1 (ja) | エチレン−ビニルアルコール共重合体組成物およびそれを用いた多層構造体 | |
JPH11106592A (ja) | 樹脂組成物およびその積層体 | |
JP6084090B2 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム | |
JP4549270B2 (ja) | 多層シュリンクフィルム | |
JP2015143342A (ja) | エチレン−ビニルエステル系共重合体の製造方法、及びエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物 | |
JP2018131543A (ja) | エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法 | |
JP4620560B2 (ja) | 多層延伸フィルム | |
JP2007261074A (ja) | 多層延伸フィルム | |
JP4705209B2 (ja) | エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ペレットの処理方法 | |
JP4758265B2 (ja) | 多層シュリンクフィルム | |
JP2013056457A (ja) | 二軸延伸ポリブチレンテレフタレート系フィルムを含む冷間成形用プレススルーパック包材 | |
TW201811567A (zh) | 聚醯胺系薄膜、使用其之積層體及容器、以及其製造方法 | |
JP2005512843A (ja) | エチレン−アクリル酸メチル共重合体およびポリエステルから製造された積層体 | |
TWI728210B (zh) | 乙烯-乙烯醇系共聚物丸粒、樹脂組成物及多層結構體 | |
EP2902192B1 (en) | Molded product and process for producing same | |
JP4017275B2 (ja) | 樹脂組成物およびその用途 | |
JP2018109173A (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP2006123527A (ja) | 多層延伸フィルム | |
JP5041693B2 (ja) | ラミネート用原反フィルム | |
JP2007290379A (ja) | 多層延伸フィルム | |
JP2001162678A (ja) | 多層容器の製造方法 | |
JPWO2017043512A1 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
KR101578320B1 (ko) | 성형체 및 그 제조 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170124 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6084090 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R157 | Certificate of patent or utility model (correction) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |