JP2018109173A - エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】直径が200μm以下の微小なフィッシュアイの発生を極めて高いレベルで抑制できるエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットであって、当該ペレット表層部の共役ポリエンの含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、かつホウ素化合物の含有量が当該ペレット重量あたり10〜250ppmであることを特徴とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルム成形したときに、フィッシュアイの発生が少ないフィルムを提供できるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(以下、「EVOH」と称することがある)のペレットに関し、さらに詳しくは、ペレット表面に存在する共役ポリエンの含有量を調整し、所定量のホウ素化合物を含有するEVOHペレットおよびその製造方法に関する。
EVOHは、分子鎖に含まれる水酸基が強固に水素結合して結晶部を形成し、かかる結晶部が外部からの酸素等の気体の侵入を防止するため、酸素バリア性をはじめとして、優れたガスバリア性を示すものである。このような特性を生かして、EVOHは、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、あるいはボトル等の包装容器等に成形されて利用されている。
EVOHは、通常、溶融成形によって、フィルム状、シート状、ボトル状、カップ状、チューブ状、パイプ状等の形状に成形、加工されて、実用に供される。したがって、EVOHの成形性、加工性は重要である。
しかし、EVOHは分子内に比較的活性な水酸基を有するため、酸素がほとんど無い状態の押出成形機内部でも、高温溶融状態で酸化・架橋反応が起こり、熱劣化物を生じるおそれがある。そして、この熱劣化物は、フィッシュアイの原因となるゲル状塊を発生させるという不都合があることが知られている。
かかる不都合を改善するために、EVOHに共役ポリエンを含有させることで溶融成形によるゲル状塊等のフィッシュアイの発生を抑制したEVOH組成物が特許文献1に提案されている。
特許文献1では、酢酸ビニル系共重合体の製造方法において、酢酸ビニル等のモノマーを共重合した後、沸点20℃以上の共役ポリエンを添加し、さらには得られた酢酸ビニル系共重合体をケン化する方法が開示されている。当該方法により製造されるEVOH組成物として、EVOHに沸点20℃以上の共役ポリエンを0.00002〜1重量%(0.2ppm〜10000ppm)、好ましくは0.0001〜0.2重量%(1ppm〜2000ppm)を含有する組成物(段落0034)が提案されている。
特許文献1では、ポリエン化合物が最終ケン化物に残存すると、臭気の発生、滲み出し等の原因となるため、包装容器等に用いる観点から、残存量が多すぎるのは望ましくないと説明されている。そして、ケン化後の水洗により洗浄除去されやすいポリエン化合物を用いることが好ましいと説明されている(段落0011)。
具体的には、酢酸ビニルをエチレン加圧下で重合させた後、共役ポリエンを添加し、エチレンを除去後、ケン化することによりEVOHを製造し、EVOH粒子を大量の水で洗浄して、目的とするEVOH粒子を得ている(実施例1)。
こうして得られたEVOH粒子を用いて作製したフィルムは、着色が少なく、100μm以上のゲル状塊の数は、100cm2あたり3〜10個であることが示されている(表1参照)。
また、特許文献2では、成形時のフィッシュアイが少なく、着色も抑制され、さらには臭気も抑制されたビニルアルコール系重合体の製造方法として、酢酸ビニル系化合物を重合し、蒸留塔で未反応の酢酸ビニルを除去した後、重合禁止剤として、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、スチレン誘導体、ハイドロキノン誘導体、キノン誘導体、ピペリジン誘導体、共役ポリエンの少なくとも1種を供給することが開示されている。
特開平9−71620号公報 特開2003−89706号公報
近年、包装材料の外観および臭気に対する要求は益々厳しくなっており、溶融成形性を確保しつつ、さらなるフィッシュアイの発生を抑制することが望まれている。特に、直径が200μm以下の微小なフィッシュアイの発生についても充分抑制することができるEVOHペレットが求められるようになっている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、直径が200μm以下の微小なフィッシュアイの発生を極めて高いレベルで抑制できるEVOHペレットおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、共役ポリエンを含有するEVOHペレットについて、フィッシュアイの発生との関係を調べた。種々検討した結果、ペレット表層に所定量以上に共役ポリエンを存在させることで、フィッシュアイの発生を抑制できることを見出した。そのメカニズムについては明らかでないが、共役ポリエンを含有するEVOHペレットを押出機にて溶融させる際に、バレルやスクリュー等の高温の金属とペレットとの接触部分となるペレット表面に、共役ポリエンが所定量以上、存在することで、ペレット表面近傍で局所的に発生したラジカルをトラップし、フィッシュアイの発生を抑制できるためではないかと考えられる。
さらに発明者らは、EVOHペレットに含有させるホウ素化合物と、フィッシュアイの発生との関係について研究を重ねた結果、共役ポリエンを含有するEVOHペレットにホウ素化合物を含有させることで極めて高いフィッシュアイの発生抑制効果を発現することを見出した。そのメカニズムについては明らかではないが、EVOH中に存在するホウ素化合物はEVOHの水酸基と緩やかな架橋構造を形成し、溶融状態のEVOH全体の粘度を均一化する働きをするためと推測される。
一般的に高温の金属部と接したEVOHは分子切断等によりラジカルを発生するが、そのラジカルが別の分子鎖と架橋し、移動したラジカルが更に別の分子鎖と架橋することが連続的に起こることでフィッシュアイの原因となる。共役ポリエンはラジカルを捕捉する為、連続的な架橋反応を抑制するが、分子切断したEVOHはラジカルをトラップされ架橋することなく、分子量が低下して低粘度化する。そして、EVOH中にホウ素化合物が存在しないと、粘度の不均一化が起こり、低粘度化したEVOHが流路の内壁側に排斥され更に熱を受け劣化し、フィッシュアイの原因となると推測される。一方、EVOH中にホウ素化合物が存在すると、溶融状態のEVOH全体の粘度が均一化してフィッシュアイの発生を抑制できるものと推測される。また、ホウ素化合物が多すぎると、ホウ素化合物が凝集しEVOHが局所的に架橋してフィッシュアイの原因となる。
かかる認識の下、本発明者らは、ペレット表層部の共役ポリエンの含有量、さらにホウ素化合物の含有量に着目し、ペレット表層部の共役ポリエンの含有量およびEVOH中のホウ素化合物の含有量を所定範囲にすることにより、フィッシュアイが減少することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するEVOHペレット(以下、単に「共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット」と称する場合がある)であって、当該ペレット表層部の共役ポリエンの含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、かつホウ素化合物の含有量がホウ素換算で当該ペレット重量あたり10〜250ppmであるEVOHペレットを第1の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを製造する方法であって、EVOHのペレットと共役ポリエンを含有する処理液とを接触させる工程、EVOHのペレットとホウ素化合物とを接触させる工程を備える共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの製造方法を第2の要旨とする。
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットは、当該ペレット表層部の共役ポリエンの含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、かつホウ素化合物の含有量がホウ素換算で当該ペレット重量あたり10〜250ppmである。そのため、この共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを用いた溶融成形物は、フィッシュアイの発生を抑制する効果に優れる。
また、本発明のなかでも、特に、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット全体の共役ポリエン全含有量が、上記ペレット重量あたり0.1〜10000ppmであると、よりフィッシュアイの発生を抑制する効果に優れるものとなる。
さらに、本発明のなかでも、特に、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット全体の共役ポリエン全含有量に対するペレット表層部の共役ポリエン含有量の重量比(表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量)が、1.5×10-5以上であると、より一層フィッシュアイの発生を抑制する効果に優れるものとなる。
そして、本発明のなかでも、特に、共役ポリエンが、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、およびソルビン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であると、EVOHのペレット表面への付着量の調整が容易となる。
また、本発明の、EVOHのペレットと共役ポリエンを含有する処理液とを接触させる工程、EVOHのペレットとホウ素化合物とを接触させる工程を備える共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの製造方法によると、従来の製造設備を利用して、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを製造することができる。
そして、本発明の製法において、上記EVOHのペレットが、EVOHのアルコール溶液または水/アルコール混合溶液を凝固してペレット化したものであると、ペレットを多孔質のEVOHのペレットとすることができる。
さらに、本発明の製法において、上記EVOHのペレットが、多孔質ペレットであると、効率的に共役ポリエンをEVOHのペレットの表層部に取り込ませることができる。
また、本発明の製法において、上記EVOHをケン化する前の、エチレン−ビニルエステル系共重合体の製造工程が、重合禁止剤として共役ポリエンを添加する工程を備えると、得られる共役ポリエンおよびアルカリ土類金属含有EVOHペレットを溶融成形した際にフィッシュアイ等の発生を抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、これらの内容に特定されるものではない。
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットは、当該ペレット表層部の共役ポリエン含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、かつホウ素化合物の含有量がホウ素換算で当該ペレット重量あたり10〜250ppmである。
ここで、「ペレット表層部の共役ポリエン含有量」とは、共役ポリエンおよびホウ素下合物含有EVOHペレット表層近くに存在している共役ポリエンの量をいい、具体的には、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット20gを、蒸留水:メタノール=1:1(体積比)の混合液30mL中で10分間撹拌して得られる溶液中の共役ポリエン含有量を、液体クロマトグラフを用いて定量し、上記EVOHペレット重量(20g)で除することによって得られる、共役ポリエンの含有量を意味する。
また、本発明において「ホウ素化合物の含有量」とは、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの表面、または内部、またはその両方に含有するホウ素化合物の量をいう。具体的には、ホウ素化合物が、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット表面に添着されている場合は、ホウ素化合物(ホウ素換算)の添加量を含有量とみなすことができる。また、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット内部にホウ素化合物を含有する場合は、例えば、乾燥状態の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを濃硝酸とともにマイクロウェーブ分解法にて処理して得られた溶液に、純水を加えて定容したものを検液とし、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)で測定される値をペレット重量あたりのホウ素含有量に換算する等によって求めることができる。
以下、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの説明に先立って、各構成成分、および、共役ポリエンを含有させる前のEVOHペレットの製造方法について説明する。
<EVOH>
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを構成するEVOHは、通常、エチレンとビニルエステルモノマーとの共重合体(エチレン−ビニルエステル系共重合体)をケン化させることにより得られる樹脂であり、一般的にエチレン−ビニルアルコール系共重合体やエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物と称される非水溶性の熱可塑性樹脂である。
上記ビニルエステルモノマーとしては、市場からの入手のしやすさや製造時の不純物の処理効率がよい点から、代表的には酢酸ビニルが用いられる。他のビニルエステルモノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等があげられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルを用いることができる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
上記エチレンおよび上記ビニルエステルモノマーは、通常はナフサ等の石油由来の原料が用いられているが、シェールガス等天然ガス由来の原料や、さとうきび、テンサイ、トウモロコシ、ジャガイモ等に含まれる糖、デンプン等の成分、またはイネ、麦、キビ、草植物等に含まれるセルロース等の成分から精製した植物由来の原料からのモノマーを用いてもよい。
本発明で用いられるEVOHには、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば10モル%以下)で、以下に示すコモノマー(「その他のコモノマー」と称する)が共重合されていてもよい。
その他のコモノマーとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類;3−ブテン−1−オール、3−ブテン−1,2−ジオール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、アシル化物などの誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類;メタアクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類;アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物類;トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類;酢酸アリル、塩化アリル等のハロゲン化アリル化合物類;アリルアルコール、ジメトキシアリルアルコール等のアリルアルコール類;トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のコモノマーがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
エチレンとビニルエステルモノマー、必要に応じて用いるその他のコモノマーの共重合は、公知の重合法、すなわち溶液重合、懸濁重合、乳化重合、バルク重合等により行うことができ、均一拡散の観点から、溶液重合が好ましく用いられる。また、重合方式は、連続式、回分式のいずれであってもよい。
上記溶液重合は、通常、重合缶にビニルエステルモノマー、溶媒および重合触媒を含有させた溶液を投入し、当該溶液を撹拌しながら、エチレンを圧入し加温して重合させることにより行う。エチレン圧は、通常20〜80kg/cm2程度である。
上記溶媒としては、アルコール類が好ましいが、その他エチレン、酢酸ビニルおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキシド等)を用いることができる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜10の脂肪族アルコールを用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらのなかでも特にメタノールが好ましい。
溶液重合に使用する触媒としては、ラジカル開始剤であれば特に制限なく用いることができるが、好ましくは2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(2,4,4−トリメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(2−メチルイソブチラート)等のアゾ化合物;t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキノエート等のアルキルパーエステル類;ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ−ジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシ−ジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)ジ−sec−ブチルパーオキシ−ジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシ−ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ジデカノイルパーオキシド、ジオクタノイルパーオキシド、ジプロピルパーオキシド等のパーオキシド類等のアゾニトリル系開始剤および有機過酸化物系開始剤等の開始剤を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。ただし、回分式の重合方法において、半減期が短い触媒を用いる場合には、触媒の一括仕込みはできず、連続投入する必要がある。
重合温度は、通常20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃である。重合時間は、通常2〜15時間、好ましくは3〜11時間である。連続式重合の場合には重合缶内の平均滞留時間が同程度の時間であることが好ましい。
溶液重合の場合、所定の重合率に達したら、重合を停止させる。重合率は、仕込みビニルエステルモノマーに対して、通常10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%である。また、重合後の溶液中の樹脂分は、通常5〜85重量%、好ましくは20〜70重量%である。
上記重合の停止は、通常、重合禁止剤を添加することにより行われる。重合禁止剤としては、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、スチレン誘導体、ハイドロキノン誘導体、キノン誘導体、ピペリジン誘導体、共役ポリエン等を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらのうち、共役ポリエンが好ましく用いられる。共役ポリエンは、最終的に得ようとするペレットの表層部の含有量との関係で、残存していても、フィッシュアイ等の発生抑制に寄与することができるからである。
重合禁止剤として用いられる共役ポリエンとしては、後述の共役ポリエンで列挙する化合物を用いることができる。
上記重合禁止剤として用いられる共役ポリエンは、重合に用いた溶媒等に溶解させて共役ポリエン溶液として添加することが、均一拡散の観点から好ましい。
重合禁止剤として共役ポリエンを用いる場合、その添加量は、ビニルエステルモノマーの仕込み量100重量部に対して、通常0.0001〜3重量部、好ましくは0.0005〜1重量部、さらに好ましくは0.001〜0.5重量部である。
重合終了後のエチレン−ビニルエステル系共重合体溶液は、未反応のエチレンガス、未反応のビニルエステルモノマーを除去し、ついで、ケン化を行う。
上記未反応のエチレンガスは、例えば、蒸発除去等によって除去することができる。また、エチレン−ビニルエステル系共重合体溶液から未反応のビニルエステルモノマーを除去する方法としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部から該エチレン−ビニルエステル系共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下部よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み、塔頂部よりメタノール等の有機溶剤と未反応ビニルエステルモノマーとの混合蒸気を流出させ、塔底部より未反応ビニルエステルモノマーを除去したエチレン−ビニルエステル系共重合体溶液を取り出す方法等を採用することができる。
ケン化は、公知の方法により行うことができる。通常、上記未反応ビニルエステルモノマーを除去したエチレン−ビニルエステル系共重合体溶液に、ケン化用触媒を添加することによりケン化反応が開始する。
また、ケン化の方式としては、連続式、回分式いずれも可能である。
上記ケン化用触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラート等のアルカリ触媒が用いられる。
ケン化条件は、使用するケン化用触媒、エチレン−ビニルエステル系共重合体のエチレン含有率、所望のケン化度等により異なるが、例えば、回分式の場合の好適なケン化条件は次の通りである。
ケン化反応温度は30〜60℃、ケン化用触媒の使用量は通常0.001〜0.6当量(ビニルエステル基当り)が好ましい。ケン化時間は、ケン化条件、目的とするケン化度に依存するが、通常1〜6時間から選択される。
このようにしてEVOHの溶液またはスラリーが得られる。EVOHの溶液またはスラリーにおけるEVOHの含有率は、10〜50重量%程度とすることが好ましい。また、このEVOHの溶液またはスラリーは、溶媒を用いて含有率を調整することも可能であり、溶媒としては、通常、メタノール等のアルコール、水/アルコール混合液が好ましく用いられる。
本発明で用いるEVOHは、さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等の「後変性」が施されていてもよい。
以上のようなEVOHは、エチレン由来の構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、必要に応じてケン化されずに残存した若干量のビニルエステル構造単位が通常含まれる。その他のコモノマーを共重合した場合、当該コモノマーに由来する構造単位が、さらに含まれる。
本発明で用いられるEVOHは、以下のような組成を有することが好ましい。
EVOHにおけるエチレン構造単位の含有量は、ISO14663に基づいて測定した値で、通常20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%である。かかる含有量が低すぎる場合は、高湿下のガスバリア性、溶融成形性が低下する傾向があり、逆に高すぎる場合は、ガスバリア性が低下する傾向がある。
EVOHにおけるビニルエステル成分のケン化度は、JIS K6726(ただし、EVOHは水/メタノール溶媒に均一に溶解した溶液としてもちいる)に基づいて測定した値で、通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%である。かかるケン化度が低すぎる場合にはガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下する傾向がある。
<共役ポリエン>
本発明で用いられる共役ポリエンとは、炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造であって、炭素−炭素二重結合の数が2個以上である、いわゆる共役二重結合を有する化合物である。共役ポリエンは、2個の炭素−炭素二重結合と1個の炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役ジエン、3個の炭素−炭素二重結合と2個の炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役トリエン、あるいはそれ以上の数の炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役ポリエンであってもよい。ただし、共役する炭素−炭素二重結合の数が8個以上になると共役ポリエン自身の色により成形物が着色する懸念があるので、共役する炭素−炭素二重結合の数が7個以下であるポリエンであることが好ましい。また、2個以上の炭素−炭素二重結合からなる上記共役二重結合が互いに共役せずに1分子中に複数組あってもよい。例えば、桐油のように共役トリエンが同一分子内に3個ある化合物も共役ポリエンに含まれる。
このような共役ポリエンとしては、例えば、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−ニトロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、フルベン、トロポン、オシメン、フェランドレン、ミルセン、ファルネセン、センブレン、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、アビエチン酸等の炭素−炭素二重結合2個の共役構造よりなる共役ジエン;1,3,5−ヘキサトリエン、2,4,6−オクタトリエン−1−カルボン酸、エレオステアリン酸、桐油、コレカルシフェロール等の炭素−炭素二重結合3個の共役構造からなる共役トリエン;シクロオクタテトラエン、2,4,6,8−デカテトラエン−1−カルボン酸、レチノール、レチノイン酸等の炭素−炭素二重結合4個以上の共役構造からなる共役ポリエン等があげられる。なお、1,3−ペンタジエン、ミルセン、ファルネセンのように、複数の立体異性体を有するものについては、そのいずれを用いてもよい。かかる共役ポリエンは単独でもしくは2種類以上のものを併用することもできる。
これらのうち、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、およびソルビン酸塩は、カルボキシル基を有しており、水との親和性が高いことから、EVOHペレット表面への付着量の調整が容易となり、特に好ましい。
<ホウ素化合物>
本発明で用いるホウ素化合物としては、ホウ酸またはその金属塩、例えば、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ビスマス、等の他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物等があげられ、好適にはホウ砂、ホウ酸があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記、ホウ素化合物としては、固形状(粉末、微粉末、フレーク等)、半固体状、液体状、ペースト状、溶液状、エマルジョン状(水分散液)等の任意の性状のものが使用可能であるが、なかでも粉末状が好ましい。粉末状のホウ素化合物の粒径は、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜75μm、特に好ましくは5〜50μmである。
<その他の成分>
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットには、本発明の効果を阻害しない範囲内(例えば20重量%以下、好ましくは10重量%以下)において、一般的にEVOH組成物に用いられるEVOH以外の樹脂を混合して得られる樹脂組成物も含まれる。
また、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットには、必要に応じて、一般にEVOHに配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤、充填剤、各種繊維等の補強材等が含有されていてもよい。特に、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸等の酸または多塩基酸の部分塩を含有してもよい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
<EVOHのペレットの製造>
EVOHからペレットを製造する方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば、
a)流動状のEVOHを押出機の吐出口から押し出し、溶融状態でカットした後、冷却固化してペレットを作製するホットカット方式、
b)流動状EVOHを凝固浴中に押し出し、冷却固化により得られたEVOHストランドをカットするストランドカット方式、
等があげられる。なかでも、後述する多孔質ペレットが得られる点で、b)ストランドカット方式が好ましい。
上記a)ホットカット方式、b)ストランドカット方式のいずれであっても、ペレット原料として使用するEVOHとしては、(α)上述のEVOHの製造方法において、ケン化により得られたEVOHの溶液またはスラリーまたは、EVOH含水組成物(以下、「EVOH溶液・含水組成物」と称することがある);あるいは(β)EVOH(乾燥EVOH組成物)のペレットを溶融し、かかる溶融状態のEVOHを用いることができる。
上記EVOH含水組成物とは、EVOHの溶液またはスラリーの含水率を、溶媒を用いて適宜調整したものであり、EVOH含水組成物中におけるEVOHの濃度は、20〜60重量%である。
上記の溶媒としては、アルコール、水/アルコール混合溶媒等を用いることができる。これらのうち、水/アルコール混合溶媒が好ましい。上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜10の脂肪族アルコールを用いることができ、特にメタノールが好ましい。また、水/アルコール混合重量比は、80/20〜5/95が好ましい。
上記EVOH含水組成物は、EVOH100重量部に対し、アルコールを0〜10重量部、水を10〜500重量部含有することが好ましい。
上記EVOHの溶液またはスラリーの含水率を調整する方法としては特に限定しないが、含水率を上げるためには、EVOHの溶液またはスラリーに上記の溶媒をスプレーする方法、EVOHの溶液またはスラリーを上記溶媒とを混合する方法、EVOHの溶液またはスラリーを上記の溶媒の蒸気と接触させる方法等を採用できる。含水率を下げるためには、適宜乾燥すればよく、例えば流動式熱風乾燥機あるいは静置式熱風乾燥機を用いて乾燥することができる。
つぎに、a)ホットカット方式および、b)ストランドカット方式について説明する。
a)ホットカット方式
EVOH溶液・含水組成物をペレット原料として押出機に投入する場合、押出機内でのEVOH溶液・含水組成物の温度は、70〜170℃が好ましく、より好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは90〜170℃である。EVOH溶液・含水組成物の温度が低すぎる場合は、EVOHが完全に溶融しない傾向があり、高すぎる場合は、EVOHが熱劣化を受けやすくなる傾向がある。
また、乾燥EVOH組成物をペレット原料として押出機に投入する場合、押出機内での乾燥EVOH組成物の温度は150〜300℃が好ましく、より好ましくは160〜280℃、さらに好ましくは170〜250℃である。
なお、上記EVOH溶液・含水組成物および乾燥EVOHの押出機内での温度は、押出機シリンダーに設置した温度センサーにより押出機先端部吐出口付近で検出した温度をいう。
押出機のダイスから押し出されるEVOH溶液・含水組成物または乾燥EVOH組成物、すなわち溶融状態にあるEVOHは、冷却固化する前にカットされる。カット方式は、大気中でカットするホットカット方式(空中ホットカット方式)、冷却水で満たされたカッター設置容器内に押出され冷却水中でカットする水中カット方式のいずれでもよい。
水中カット方式における冷却水の温度は、溶融状態で押し出されたEVOHが瞬時に固化(凝固)しない程度の温度であり、EVOH溶液・含水組成物を原料として用いる場合の冷却水の温度は−20〜50℃とすることが好ましく、より好ましくは−5〜30℃である。
また、乾燥EVOH組成物を原料とする場合、EVOH含水組成物を原料として用いる場合よりも凝固しやすいことから、水中カット方式における冷却水の温度は、EVOH含水組成物を原料とする場合よりも高く、通常0〜90℃であり、好ましくは20〜70℃である。
上記冷却水は、水に限定されず、水/アルコール混合溶液;ベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の有機エステル類等も用いることができる。これらのうち、取扱い性が容易という点から、水、または水/アルコール混合溶液が用いられる。水/アルコール混合溶液において、水/アルコール(重量比)は通常90/10〜99/1である。なお、上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールを用いることができ、工業上、メタノールが好ましく用いられる。
b)ストランドカット方式
EVOH溶液・含水組成物をペレット原料として押出機に投入する場合、凝固浴に押出されるEVOHの温度は、通常、10〜100℃、凝固浴の温度は、押し出されたEVOHが冷却固化できる温度で、通常、−10〜40℃であり、滞留時間は、通常、10〜400秒間程度である。
また、乾燥EVOH組成物をペレット原料として押出機に投入する場合、凝固浴に乾燥EVOH組成物が押し出される温度は、通常、150〜300℃、凝固浴の温度は通常0〜90℃であり、滞留時間は2〜400秒間程度である。
凝固浴に用いる凝固液としては、上記a)ホットカット方式の冷却水と同様の溶液を採用することができる。
このようにして、EVOHのペレットが得られる。
以上のようなEVOHのペレットのうち、後述する共役ポリエンの含有処理の点から、多孔質ペレットとすることが好ましい。上記多孔質ペレットは、上記b)ストランドカット方式において、ペレット原料としてEVOHのアルコールまたは水/アルコール溶液(EVOH含水組成物)を用いることで得ることができる。EVOHのペレットが多孔質である場合、この孔内へ共役ポリエンを浸透させることで、共役ポリエンをペレット中に保持しやすくなり、効率的に共役ポリエンをペレット表層部へ取り込ませることができる。そして、多孔質ペレットの孔の大きさは、その孔内へ共役ポリエンが浸透できる範囲であればよく、特に制限されない。
EVOHのペレットの形状は、通常、ペレットの製造方法に依存し、種々の形状のものを用いることができ、上記各方法によって得られるEVOHのペレットおよび本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの形状は任意である。ペレットの形状としては、例えば、球形、オーバル形、円柱形、立方体形、直方体形、不定形等があるが、通常、オーバル形、または円柱形であり、その大きさは、後に成形材料として用いる場合の利便性の観点から、オーバル形の場合は長径が通常1〜10mm、好ましくは2〜7mmであり、短径は通常1〜6mm、好ましくは2〜5mmであり、円柱形の場合は底面の直径が通常1〜10mm、特には2〜7mmであり、長さは通常1〜10mm、好ましくは3〜8mmである。
上記ペレット原料として用いられるEVOH溶液・含水組成物は、通常、ケン化時に用いられたアルカリ触媒、副生塩類、その他不純物等を含有している。このため、かかるEVOH溶液・含水組成物をペレット原料として製造したEVOHのペレットには、通常、これらの不純物等が含有されている。したがって、このようにして得られる多孔質ペレットは、水洗処理に供してもよい。
また、前述のEVOHの製造工程において、重合禁止剤として共役ポリエンを用いて得られたEVOHのペレットを、水洗処理する場合、共役ポリエンも除去されうることになるが、除去されやすさは共役ポリエンの極性等により異なり、一定量の共役ポリエンがEVOHのペレット中に残存することになる。
<共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの製造>
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットは、下記の、共役ポリエン含有EVOHペレットの製造と、ホウ素化合物含有EVOHペレットの製造工程とを経ることにより得ることができる。これらの工程は、どちらの工程を先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。
<共役ポリエン含有EVOHペレットの製造>
上記共役ポリエン含有EVOHペレットは、前記EVOHのペレット表面に共役ポリエンを含有させることにより製造することができる。
共役ポリエンをEVOHのペレット表面に含有させる方法としては、例えば、予め作製したEVOHのペレットと共役ポリエンとを接触させる方法の他、EVOHのペレット製造段階で共役ポリエンを含有させる方法等がある。
すでに述べたとおり、共役ポリエンは重合禁止剤として用いることができることから、重合終了時に、重合禁止剤として共役ポリエンを添加することで、共役ポリエンを含有するEVOHのペレットを製造することができる。しかしながら、かかる方法で製造されるEVOHのペレットの場合、ペレット全体に共役ポリエンがほぼ均等に含有されるため、表層部における共役ポリエンの含有量が低くなる傾向にある。また、重合禁止剤として添加する共役ポリエン量を増大させると、ペレットの着色の原因ともなるため、ペレット製造後に水洗が必要となる場合もある。このため、EVOHのペレット製造段階でペレット表層部の共役ポリエン量を、フィッシュアイの発生抑制に効果的な量に調節することは一般に困難である。
したがって、EVOHのペレットの表層部に共役ポリエンを含有させるには、予め作製したEVOHのペレットと共役ポリエンとを接触させる方法が好ましい。
予め作成したEVOHのペレットと共役ポリエンとを接触させる方法としては、EVOHのペレットと共役ポリエンを含有する処理液(以下、「共役ポリエン含有処理液」と称することがある)とを接触させる方法が好ましいが、他の接触方法として、共役ポリエンをEVOHのペレットに直接添加して混ぜ合わせてもよい。
上記EVOHのペレットと共役ポリエン含有処理液とを接触させる方法としては、例えば、共役ポリエン含有処理液をEVOHのペレットに噴霧する方法;共役ポリエン含有処理液にEVOHのペレットを浸漬する方法;EVOHのペレットを共役ポリエン含有処理液で洗浄する方法;表面を特定の高温に調節したEVOHのペレットに共役ポリエン含有処理液をスプレー等して溶液コーティングする方法等により実施することができる。これらのうち、共役ポリエン含有処理液に浸漬する方法や、共役ポリエン含有処理役で洗浄する方法が好ましく用いられる。
上記EVOHのペレットを共役ポリエン含有処理液と接触させる方法は、EVOHのペレット表層部の共役ポリエン含有量を効率よく増大させることができる。さらに、処理液の共役ポリエン濃度を調整することで、ペレット表層部の共役ポリエン含有量を高精度に調整することが可能という有利な点がある。
共役ポリエン含有処理液における共役ポリエンの濃度は、共役ポリエン含有処理液の重量あたり、通常0.01〜500ppm、好ましくは0.1〜50ppmである。かかる濃度が低すぎると、所定量の共役ポリエンを含有させることが困難となる傾向があり、高すぎると共役ポリエンの析出物がペレット表面に付着することにより、塊状の凝集物が成形フィルム中に発生するおそれがある。
共役ポリエン含有処理液との接触処理において、共役ポリエンの濃度、接触処理時間、接触処理温度、接触処理時の撹拌速度や処理されるEVOHのペレットの含水率等を変更することにより、表層部における共役ポリエン含有量をコントロールすることが可能である。
共役ポリエンとの接触処理後のEVOHのペレットは、そのまま次の工程に供してもよいが、通常、ペレットを乾燥することが好ましい。かかる乾燥に際しては公知の方法を採用することができ、例えば、円筒・溝型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等を用いた流動乾燥や回分式箱型乾燥器、バンド乾燥器、トンネル乾燥器、縦型サイロ乾燥器等を用いた静置乾燥等により乾燥すればよい。80〜150℃の窒素ガス等の気体を乾燥器内を通過させることで、効率よく乾燥させることができる。
以上のようにして共役ポリエン含有EVOHペレットが得られる。
<ホウ素化合物含有EVOHペレットの製造>
上記ホウ素化合物含有EVOHペレットは、前記EVOHのペレットにホウ素化合物を含有させることにより製造することができる。
ホウ素化合物をEVOHのペレットに含有させる方法としては、例えば、予め作製したEVOHのペレットとホウ素化合物とを接触させる方法、EVOHのペレット製造段階でホウ素化合物を含有させる方法等があげられる。なかでも予め作成したEVOHのペレットとホウ素化合物とを接触させる方法が好ましい。
上記予め作成したEVOHのペレットとホウ素化合物とを接触させる方法としては、EVOHのペレットとホウ素化合物を含有する処理液(以下、「ホウ素化合物含有処理液」と称することがある)とを接触させる方法が好ましいが、他の接触方法として、ホウ素化合物をEVOHのペレットに直接添加して混ぜ合わせる方法で接触させてもよい。
上記EVOHのペレットとホウ素化合物含有処理液とを接触させる方法としては、例えば、ホウ素化合物含有処理液をEVOHのペレットに噴霧する方法;ホウ素化合物含有処理液にEVOHのペレットを浸漬する方法;EVOHのペレットをホウ素化合物含有処理液で洗浄する方法;表面を特定の高温に調節したEVOHのペレットに溶媒に溶解させたホウ素化合物をスプレー等して溶液コーティングする方法などにより実施することができる。これらのうち、ホウ素化合物を効率よく含有させることができる点で、EVOHのペレットをホウ素化合物含有処理液で洗浄する方法が好ましく用いられる。
上記、ホウ素化合物含有処理液におけるホウ素化合物の濃度は、ホウ素化合物含有処理液の重量あたり、通常0.001〜1重量%、好ましくは0.003〜0.5重量%である。かかる濃度が低すぎると、所定量のホウ素化合物を含有させることが困難となる傾向があり、高すぎると最終的に得られる成形物の外観が低下する傾向にある。
ホウ素化合物含有処理液との接触処理において、ホウ素化合物の濃度、接触処理時間、接触処理温度、接触処理時の撹拌速度や処理されるEVOHのペレットの含水率等により、ホウ素化合物の含有量をコントロールすることが可能である。
ホウ素化合物との接触処理後は、そのまま次の工程に供してもよいが、通常、ペレットを乾燥することが好ましい。かかる乾燥に際しては、前記共役ポリエン含有EVOHペレットの製造と同様の方法を採用することができる。
上記工程により、ホウ素化合物含有EVOHペレットが得られる。
上記共役ポリエンを含有させる工程と、ホウ素化合物を含有させる工程とを経ることにより、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを得ることができる。
本発明においては、作業効率の点から共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有する処理液を用いて、上記共役ポリエンを含有させる工程と、ホウ素化合物を含有させる工程とを、同時に行うことが好ましい。
またさらに、EVOHのペレットを共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有する処理液と接触させることによる、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有処理は、他の好ましい添加剤、特に酢酸、酢酸塩の濃度調節処理を兼ねることもできる。具体的には、共役ポリエンと共に、酢酸、酢酸塩の添加剤を含有する処理液を用いればよい。かかる方法により、他の添加成分と共役ポリエンおよびホウ素化合物との含有比率を容易に調整することができる。
<共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット>
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット表層部の共役ポリエン含有量は、当該ペレット重量あたり30ppb以上、好ましくは34ppb以上、さらに好ましくは38ppb以上である。ペレット表層部の共役ポリエン含有量を、上記の数値以上とすることにより、直径200μm以下の微小なフィッシュアイ発生についても効果的に抑制することができる。また、共役ポリエンの含有量が少ないとフィッシュアイが多く発生する。なお、表層部の共役ポリエンの含有量の上限は、通常10000ppb(10ppm)、好ましくは8000ppb(8ppm)、特に好ましくは5000ppb(5ppm)である。
上記表層部の共役ポリエン含有量は、先に記載したとおり、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット20gを、水/メタノール=1/1(体積比)の混合液30mL中で10分間撹拌して得られる溶液について、液体クロマトグラフを用いて共役ポリエンの含有量を定量し、上記EVOHペレットの重量(20g)で除することによって得られる。
なお、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットは、少なくとも上記測定方法で測定される上記ペレット表層部の共役ポリエンの存在量が当該ペレット重量あたり30ppb以上であればよい。かかる共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット内部には共役ポリエンがほとんど存在しない場合であってもよいし、当該ペレット内部にさらに多量の共役ポリエンが含有されている場合であってもよい。
例えば、前記EVOHの製造工程において、重合禁止剤として共役ポリエンを添加した場合のように、ペレット原料(EVOH溶液・含水組成物)を用いた場合、ペレット内部の共役ポリエンの含有量は高くなる傾向にある。
共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット内部にも共役ポリエンが含有されている場合、共役ポリエンの全含有量は、当該ペレット重量あたり、通常0.1〜10000ppm、より好ましくは0.5〜8000ppm、さらに好ましくは1〜5000ppm、特に好ましくは1〜2000ppmである。共役ポリエンの全含有量が少なすぎると、相対的にペレット表層部における共役ポリエンの含有量が少なくなり、フィッシュアイが増加する傾向にある。また、共役ポリエンの含有量が多くなりすぎると、共役ポリエン自身の色により成形物が着色するおそれがある。
上記「共役ポリエンの全含有量」とは、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットが含有する共役ポリエンの含有量をいい、具体的には、かかる共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを粉砕した後、溶媒抽出を行い、抽出液中の共役ポリエンの量を、液体クロマトグラフを用いて測定される値から換算される量である。
共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット表層部における共役ポリエンの含有量の重量比(表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量)は、通常1.5×10-5以上、好ましくは3×10-5以上、さらに好ましくは5×10-5以上である。当該ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する当該ペレット表層部における共役ポリエンの含有量の重量比が少なすぎると、フィッシュアイ発生の抑制効果が充分に得られない傾向がある。なお、上限値は、通常1×10-2である。
また、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットのホウ素化合物の含有量は、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり、10〜250ppmであり、好ましくは15〜230ppm、さらに好ましくは18〜200ppmである。かかる含有量が少なすぎるとフィルム中に微小フィッシュアイの発生が見られ、多すぎてもフィルム中に微小フィッシュアイの発生が見られる。
上記「ホウ素化合物の含有量」は、具体的には、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット表面にホウ素化合物を含有する場合は、上記EVOHのペレット表面へのホウ素化合物(ホウ素換算)の添加量を含有量としてもよく、上記共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット内部にホウ素化合物を含有する場合は、例えば、上記共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを濃硝酸とともにマイクロウェーブ分解法にて処理して得られた溶液に、純水を加えて定容したものを検液とし、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)で測定し、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット重量あたりのホウ素含有量に換算する等によって求めることができる。
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの含水率は、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。含水率が少なすぎると水分子によるEVOHの可塑化が起こらず、押出成形時に上記共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットが溶融しづらくなって、未溶融物に起因するフィッシュアイが生じやすくなる傾向があり、多すぎると押出成形時に発泡現象が起こり、成形物の外観が悪化しやすくなる傾向がある。
また、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHのメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は、通常0.5〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは2〜35g/10分である。かかるMFRが大きすぎる場合には、成膜性が不安定となる傾向があり、小さすぎる場合には粘度が高くなり過ぎて溶融押出しが困難となる傾向がある。
<用途>
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットは、溶融成形法により、例えばフィルム、シート、カップやボトル等に成形することができる。かかる溶融成形方法としては、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法等があげられる。溶融成形温度は、通常150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。また、フィルム、シート、繊維等を一軸または二軸延伸することも可能である。
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物EVOHペレットは、単独でそのまま溶融成形に供してもよいし、他の熱可塑性樹脂ペレットを適宜配合して溶融成形に供してもよい。また、共役ポリエンおよびホウ素化合物EVOHペレットとして、2種類以上の共役ポリエンおよびホウ素化合物EVOHペレットの混合物を用いてもよい。2種類以上の共役ポリエンおよびホウ素化合物EVOHペレットの混合物とは、EVOHのエチレン含有率、ケン化度、MFR、構成が異なる種類のEVOHペレットの混合物をいう。
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、各種ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、またはこれらを不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィン等)、各種ナイロン(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体等)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタールおよび変性ポリビニルアルコール樹脂等を用いることができる。
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットから得られたEVOHフィルムは、単層フィルムまたは、上記EVOHフィルムを少なくとも1層有する多層構造体として実用に供することができる。また、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを、紙、プラスチックフィルムおよび金属箔等の基材フィルムに共押出しコートあるいは溶液コートすることも可能である。
以下、上記多層構造体について説明する。
上記多層構造体を製造するにあたっては、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを用いて成形された層の片面または両面に、他の基材(熱可塑性樹脂等)を積層するのであるが、積層方法としては、例えば、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット等を用いて成形されたフィルム、シート等に他の基材を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材に本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット等を溶融押出ラミネートする方法、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット等と他の基材とを共押出する方法、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット等を用いてなるフィルム、シート等(層)と他の基材(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等があげられる。上記の溶融押出時の溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
かかる他の基材としては、熱可塑性樹脂が有用で、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の各種ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独または共重合体、あるいはこれらのオレフィンの単独または共重合体を不飽和カルボン酸またはそのエステルでグラフト変性したもの等の広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂(共重合ポリアミドも含む)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、芳香族または脂肪族ポリケトン、さらにこれらを還元して得られるポリアルコール類、さらには本発明に用いられるEVOH以外の他のEVOH等があげられる。多層構造体の物性(特に強度)等の実用性の点から、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好ましく用いられる。
さらに、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット等を用いて成形されたフィルムやシート等の成形物に、他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を、接着剤を用いてラミネートしたりする場合、かかる基材としては、前記の熱可塑性樹脂以外に、任意の基材(紙、金属箔、一軸または二軸延伸プラスチックフィルムまたはシートおよびその無機物蒸着物、織布、不織布、金属綿条、木質等)も使用可能である。
本発明の多層構造体の層構成は、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを用いて成形された層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、かかるa層を最内層とする構成で、[内側]a/b[外側](以下同様)の二層構造のみならず、例えば、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、a1/b1/a2/b2、a1/b1/b2/a2/b2/b1等任意の組み合わせが可能であり、さらには、少なくとも本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOH組成物等と熱可塑性樹脂の混合物からなるリグラインド層をRとするとき、例えば、a/R/b、a/R/a/b、a/b/R/a/R/b、a/b/a/R/a/b、a/b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能である。
なお、上記の層構成において、それぞれの層間には、必要に応じて接着性樹脂層を設けることができる。かかる接着性樹脂としては、種々のものを使用することができるが、延伸性に優れた多層構造体が得られる点において、例えば不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体(上述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られる、カルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体をあげることができる。
具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとしてあげられる。このときの、熱可塑性樹脂に含有される不飽和カルボン酸またはその無水物の量は、0.001〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中の変性量が少なすぎると接着性が低下する傾向があり、逆に多すぎると架橋反応を起こし、成形性が低下する傾向がある。
また、これらの接着性樹脂には、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットに由来するEVOH、他のEVOH、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、さらにはb層の樹脂等をブレンドすることも可能である。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることにより、接着性が向上することがあり有用である。
多層構造体の各層の厚みは、層構成、b層の種類、用途や成形物の形態、要求される物性等により一概にいえないが、通常は、a層は5〜500μm、好ましくは10〜200μm、b層は10〜5000μm、好ましくは30〜1000μm、接着性樹脂層は5〜400μm、好ましくは10〜150μm程度の範囲から選択される。
多層構造体は、そのまま各種形状のものに使用されるが、上記多層構造体の物性を改善するためには加熱延伸処理を施すことも好ましい。ここで、「加熱延伸処理」とは、熱的に均一に加熱されたフィルム、シート、パリソン状の積層体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、ブロー等の成形手段により、カップ、トレイ、チューブ、フィルム状に均一に成形する操作を意味する。そして、かかる延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好で、延伸時にピンホールやクラック、延伸ムラや偏肉、デラミ(delamination:層間剥離)等の生じない、ガスバリア性に優れた延伸成形物が得られる。
上記多層構造体の延伸方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空圧空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。延伸が終了した後、熱固定を行うことも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、上記延伸フィルムを、緊張状態を保ちながら80〜170℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度熱処理することによって、熱固定を行うことができる。
また、生肉、加工肉、チーズ等の熱収縮包装用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行わずに製品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ等を該フィルムに収納した後、50〜130℃、好ましくは70〜120℃で、2〜300秒間程度の熱処理を行って、該フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
このようにして得られる多層構造体の形状としては、任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、異型断面押出物等が例示される。また、上記多層構造体は、必要に応じて、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液または溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
このようにして得られたフィルム、シート、延伸フィルムからなる袋およびカップ、トレイ、チューブ、ボトル等からなる容器や蓋材は、着色が少なく、かつフィッシュアイ等がほとんどない外観に優れたものであることから、ガスバリア性を要しかつ外観に対する要求が厳しい、包装材料として好適に用いることができる。具体的には、一般的な食品の他、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、飲料、化粧品、医薬品等の各種の包装材料容器として有用である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」とあるのは、重量基準を意味する。
まず実施例および比較例で用いるペレットの測定評価方法について説明する。
<測定評価方法>
(1)ペレットの共役ポリエン(ソルビン酸)全含有量
共役ポリエンをEVOHのペレット表面に直接添加した場合は添加量を含有量とみなした。また、共役ポリエンが共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレットの内部に存在する場合は、以下の測定方法で共役ポリエンの含有量を定量した。
上記共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレットを凍結粉砕した粉末1gに対して、抽出溶媒(蒸留水:メタノール=1:1、体積比)8mLを添加した。この溶液を温度20℃、静置状態で超音波処理を1時間行い、樹脂中のソルビン酸を抽出し、冷却後に抽出溶媒で10mLに定容した。この溶液をポアサイズ0.45μmのフィルターで濾過後、液体クロマトグラフ−紫外分光検出器で抽出溶液中のソルビン酸を定量した。
[HPLC測定条件]
LCシステム :Agilent1260/1290[Agilent Technologies社製]
検出器 :Agilent1260 infinity ダイオードアレイ検出器[Agilent Technologies社製]
カラム :Cadenza CD−C18(100×3.0mm、3μm)[Imtakt社製]
カラム温度 :40℃
移動相A :0.05%ギ酸含有 5%アセトニトリルの水溶液
移動相B :0.05%ギ酸含有 95%アセトニトリルの水溶液
タイムプログラム:0.0→5.0分 B%=30%
5.0→8.0分 B%=30%→50%
8.0→10.0分 B%=50%
10.0→13.0分 B%=50%→30%
13.0→15.0分 B%=30%
流量 :0.2mL/分
UV検出波長 :190〜400nm
定量波長 :262nm
なお、上記HPLC測定条件における「%」は、体積%を意味する。
(2)ペレット表層部の共役ポリエン(ソルビン酸)含有量
共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット20gを、抽出溶媒(蒸留水:メタノール=1:1、体積比)30mL中で10分間撹拌して抽出を実施した。得られた抽出液を2mLにまで濃縮した後、ポアサイズ0.45μmのフィルターで濾過した。得られた濾液を検液として使用し、液体クロマトグラフにより共役ポリエンを定量した。濾液中の共役ポリエン量を測定し、上記共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット重量(20g)で除してペレット表層部の共役ポリエン含有量を求めた。液体クロマトグラフの測定は上記のペレットの共役ポリエン全含有量の測定と同様の条件で行った。
(3)ペレットのホウ素化合物の含有量
共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット表面にホウ素化合物が添加されたものである場合は、上記共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット表面へのホウ素化合物の添加量を含有量とみなした。また、上記共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット内部にホウ素化合物を含有する場合は、下記の方法によりホウ素化合物含有量を算出した。
EVOHペレット0.1gを濃硝酸とともにマイクロウェーブ分解法にて処理して得られる溶液を純水にて定容(0.75mg/mL)したものを検液とし、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)(アジレント・テクノロジー社製、720−ES型)で測定した。当該測定されるホウ素含有量は、ホウ素化合物に由来するホウ素量に該当する。
(4)ペレットの含水率(重量%)
乾燥前の共役ポリエン含有共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレットの重量と、温度150℃、5時間乾燥後の上記共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレットの重量から揮発分を求め、これを共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレットの含水率とした。具体的には、下記式により含水率が得られる。
含水率(重量%)=〔(乾燥前の共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット重量−乾燥後の共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット重量)/乾燥前の共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレット重量〕×100
(5)フィッシュアイ
共役ポリエン(およびホウ素化合物)含有EVOHペレットを用いて下記成膜条件で、成膜することにより厚み30μmの単層フィルムを得た。
上記厚み30μmの単層フィルムについて、デジタル欠陥検査装置(マミヤオーピー社製、GX−70LT)を用いて、フィッシュアイを計測した。
フィッシュアイの計測は、単層フィルムの下面から光を当て、光透過しなかった部分(直径0.1〜0.2mm)をフィッシュアイ1個として、100cm2(サイズ:10cm×10cm)あたりのフィッシュアイ個数をカウントすることにより行った。
なお、計測時の読み取り速度は3m/分である。
[成膜条件]
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュー:フルフライトタイプ圧縮比=2.5
スクリーンパック:60/90/60メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=180/200/220/220/210/210℃
スクリュー回転数:40rpm
ロール温度:80℃
<共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットの製造>
[実施例1]
冷却コイルを備えた重合缶に酢酸ビニルを500部、メタノール100部、アセチルパーオキシド0.0585部、クエン酸0.015部を仕込み、重合缶内を、窒素ガスで一旦置換した後、ついでエチレンで置換して、エチレン圧が40kg/cm2となるまで圧入した。エチレン加圧下、撹拌しながら、67℃まで昇温することにより重合を開始した。重合開始から6時間後、重合率が60%に達した時点で、ソルビン酸0.0525部を添加した。これにより、エチレン含有率32.5モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得た。ついで、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する反応液を蒸留塔に供給し、塔下部からメタノール蒸気を導入することで未反応酢酸ビニルを除去し、エチレン−酢酸ビニル共重合のメタノール溶液を得た。該エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液に、該共重合体中の残存酢酸基に対して、0.007当量の水酸化ナトリウムを含むメタノール溶液を供給することによりケン化を行い、EVOHのメタノール溶液(EVOH30重量%、メタノール70重量%)を得た。かかるEVOHのケン化度は99.7モル%であった。
得られたEVOHのメタノール溶液に水蒸気を吹き込むとともに、発生したメタノールの蒸気を系外に除くことで、EVOH40重量%の水/メタノール=40/60(重量比)の混合溶液を得た。このEVOHの水/メタノールの混合溶液を、冷水中にストランド状に押し出し、得られたストランド状物(含水多孔質体)をカッターで切断し、直径3.8mm、長さ4mmで、EVOH分35重量%の多孔質ペレットを得た。
この多孔質ペレット100部に対し酢酸ナトリウム0.1部/酢酸0.1部/ホウ酸0.003部(ホウ素換算)/ソルビン酸0.0008部を含有する洗浄用処理液300部(処理液中のソルビン酸濃度2.7ppmおよびホウ素化合物濃度(ホウ素換算)1.8ppmに該当)にて、当該多孔質ペレットを1時間洗浄した。また、当該洗浄処理は合計5回行った。次いで、得られた多孔質ペレットを、酸素濃度0.5体積%以下の窒素気流下で110℃で8時間乾燥を行い、EVOHあたり含水率0.15重量%/ナトリウム分0.06重量%/ホウ酸0.015重量%(ホウ素換算)を含有するEVOHペレットを得た。当該ペレットのMFRは3.8g/10分(210℃、荷重2160g)であった。得られたEVOHペレット(共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレット)について、上記評価方法に基づいて、共役ポリエンおよびホウ素化合物量を測定したところ、共役ポリエン全含有量は150ppm、表層部の共役ポリエン含有量は39ppb、ホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)は170ppmであった。
得られた共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを、単層Tダイ押出装置を用いて、最高温度220℃、スクリュー回転数40rpmで成膜し、厚み30μmの単層フィルムを製造した。この単層フィルムについて、上記方法によりフィッシュアイの発生個数について評価した。結果を後記の表1に示す。
[実施例2]
冷却コイルを備えた重合缶に酢酸ビニルを575部、メタノール100部、アセチルパーオキシド0.0621部、クエン酸0.012部を仕込み、重合缶内を、窒素ガスで一旦置換した後、つぎにエチレンで置換して、エチレン圧が40kg/cm2となるまで圧入した。エチレン加圧下、撹拌しながら、67℃まで昇温することにより重合を開始した。重合開始から3.5時間後、重合率が38%に達した時点で、重合禁止剤としてソルビン酸0.1978部を添加した。これにより、エチレン含有率32.0モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得た。つぎに、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する反応液を蒸留塔に供給し、塔下部からメタノール蒸気を導入することで未反応酢酸ビニルを除去し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液を得た。該エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液に、該共重合体中の残存酢酸基に対して、0.010当量の水酸化ナトリウムを含むメタノール溶液を供給することによりケン化を行い、EVOHのメタノール溶液(EVOH37.6重量%、メタノール42.4重量%)を得た。かかるEVOHのケン化度は99.7モル%であった。
得られたEVOHのメタノール溶液に水蒸気を吹き込むとともに、発生したメタノールの蒸気を系外に除くことで、EVOH42重量%の水/メタノール=40/60(重量比)の混合溶液を得た。このEVOHの水/メタノールの混合溶液を、冷水中にストランド状に押し出し、得られたストランド状物(含水多孔質体)をカッターで切断し、直径3.5mm、長さ3.7mmで、EVOH分35重量%の多孔質ペレット(EVOHペレット)を得た。
この多孔質ペレット100部に対し酢酸ナトリウム0.1部/酢酸0.1部/ホウ酸0.003部(ホウ素換算)/ソルビン酸0.0008部を含有する洗浄用処理液300部(処理液中のソルビン酸濃度2.7ppmに該当)にて、当該多孔質ペレットを2.5時間洗浄した。つぎに、得られた多孔質ペレットを、酸素濃度0.5体積%以下の窒素気流下で105℃で8時間乾燥を行い、EVOHあたり含水率0.15重量%/ナトリウム分0.06重量%/ホウ酸0.015重量%(ホウ素換算)を含有するEVOHペレットを得た。当該ペレットのMFRは12.0g/10分(210℃、荷重2160g)であった。得られた共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットについて、上記評価方法に基づいて、共役ポリエンおよびホウ素化合物量を測定したところ、共役ポリエン全含有量は260ppm、表層部の共役ポリエン含有量は250ppb、ホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)は20ppmであった。
つぎに、このペレットを用いて、実施例1と同様にしてフィッシュアイの発生個数を評価した。結果を後記の表1に示す。
[実施例3]
冷却コイルを備えた重合缶に酢酸ビニルを962部、メタノール100部、アセチルパーオキシド0.1106部、クエン酸0.016部を仕込み、重合缶内を、窒素ガスで一旦置換した後、次いでエチレンで置換して、エチレン圧が43.8kg/cm2となるまで圧入した。エチレン加圧下、撹拌しながら、67℃まで昇温することにより重合を開始した。重合開始から3.5時間後、重合率が38%に達した時点で、重合禁止剤としてソルビン酸0.2886部を添加した。これにより、エチレン含有率34.0モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得た。ついで、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する反応液を蒸留塔に供給し、塔下部からメタノール蒸気を導入することで未反応酢酸ビニルを除去し、エチレン−酢酸ビニル共重合のメタノール溶液を得た。該エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液に、該共重合体中の残存酢酸基に対して、0.010当量の水酸化ナトリウムを含むメタノール溶液を供給することによりケン化を行い、EVOHのメタノール溶液(EVOH37.6重量%、メタノール72.4重量%)を得た。かかるEVOHのケン化度は99.7モル%であった。
得られたEVOHのメタノール溶液に水蒸気を吹き込むとともに、発生したメタノールの蒸気を系外に除くことで、EVOH42重量%の水/メタノール=40/60(重量比)の混合溶液を得た。このEVOHの水/メタノールの混合溶液を、冷水中にストランド状に押し出し、得られたストランド状物(含水多孔質体)をカッターで切断し、直径3.5mm、長さ3.7mmで、EVOH分35重量%の多孔質ペレットを得た。
この多孔質ペレット100部に対し酢酸ナトリウム0.1部/酢酸0.1部/ホウ酸0.003部(ホウ素換算)/ソルビン酸0.0008部を含有する洗浄用処理液300部(処理液中のソルビン酸濃度2.7ppmに該当)にて、当該多孔質ペレットを2.5時間洗浄した。ついで、得られた多孔質ペレットを、酸素濃度0.5体積%以下の窒素気流下で105℃で8時間乾燥を行い、EVOHあたり含水率0.15重量%/ナトリウム分0.06重量%/ホウ酸0.015重量%(ホウ素換算)を含有するEVOHペレットを得た。当該ペレットのMFRは3.8g/10分(210℃、荷重2160g)であった。
得られた共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットについて、上記評価方法に基づいて、共役ポリエンおよびホウ素化合物量を測定したところ、共役ポリエン全含有量は340ppm、表層部の共役ポリエン含有量は350ppb、ホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)は170ppmであった。
つぎに、このペレットを用いて、実施例1と同様にしてフィッシュアイの発生個数を評価した。結果を後記の表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、共役ポリエン全含有量、表層部の共役ポリエン含有量および、ホウ素化合物含有量を後記の表2のように調整し、共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを作製した。得られた共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットについて、上記評価方法に基づいて、共役ポリエンおよびホウ素化合物量を測定したところ、共役ポリエン全含有量は60ppm、表層部の共役ポリエン含有量は280ppb、ホウ素化合物の含有量(ホウ素換算)は170ppmであった。
つぎに、このペレットを用いて、実施例1と同様にしてフィッシュアイの発生個数を評価した。結果を後記の表2に示す。
[比較例1]
洗浄処理液を多孔質ペレット100部に対し酢酸ナトリウム0.1部/酢酸0.1部/ソルビン酸0.0008部となる様に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、EVOHペレットを作製した。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生個数について評価した。結果を後記の表1に示す。
[比較例2]
実施例1で得られたEVOHペレットに対して、ホウ素換算で500ppmになるようにして、共役ポリエンならびにホウ素含有量を調製したEVOHペレットを得た。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生個数について評価した。結果を後記の表1に示す。
[比較例3]
表層部の共役ポリエンの含有量が下記の表1のようになるように、洗浄処理液を多孔質ペレット100部に対し酢酸ナトリウム0.1部/酢酸0.1部/ホウ酸0.003部(ホウ素換算)となる様に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、EVOHペレットを作製した。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生個数について評価した。結果を下記の表1に示す。
Figure 2018109173
表1からわかるように、EVOHペレット表層部の共役ポリエン含有量、すなわちソルビン酸含有量が当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、かつホウ素化合物の含有量が当該ペレット重量あたり10〜250ppmである実施例1〜4では、フィッシュアイの発生が抑制されていた。
一方、ソルビン酸量は実施例1と等しいが、ホウ素化合物を含有していない比較例1およびホウ素化合物の含有量が所定の範囲より多い比較例2は、フィッシュアイの抑制が不充分であった。
また、ソルビン酸含有総量は実施例1と等しいが、表層部のソルビン酸含有量が30ppb未満である比較例3のEVOHペレットは、フィッシュアイの発生抑制が不充分であった。
本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットは、フィッシュアイの発生を防止できるため、フィルム外観に対する要求が厳しい包装材料として好適に用いることができる。また、本発明の製造方法によれば、ペレットの洗浄液の組成を変更するだけでよいため、既存の製造設備を利用して、本発明の共役ポリエンおよびホウ素化合物含有EVOHペレットを製造することができる。

Claims (8)

  1. 共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットであって、当該ペレット表層部の共役ポリエンの含有量が、当該ペレット重量あたり30ppb以上であり、かつホウ素化合物の含有量がホウ素換算で当該ペレット重量あたり10〜250ppmであることを特徴とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
  2. 上記共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット全体の共役ポリエン全含有量が、上記ペレット重量あたり0.1〜10000ppmであることを特徴とする請求項1記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
  3. 上記共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット全体の共役ポリエン全含有量に対する上記ペレット表層部の共役ポリエン含有量の重量(表層部共役ポリエン含有量/共役ポリエン全含有量)比が、1.5×10-5以上であることを特徴とする請求項1または2記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
  4. 上記共役ポリエンが、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、およびソルビン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットを製造する方法であって、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットと共役ポリエンを含有する処理液とを接触させる工程、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットとホウ素化合物とを接触させる工程を備えることを特徴とする共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法。
  6. 上記エチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットが、エチレン−ビニルアルコール系共重合体のアルコール溶液または水/アルコール混合溶液を凝固してペレット化したものであることを特徴とする請求項5記載の共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法。
  7. 上記エチレン−ビニルアルコール系共重合体のペレットが、多孔質ペレットであることを特徴とする請求項5または6記載の共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法。
  8. 上記エチレン−ビニルアルコール系共重合体のケン化前の、エチレン−ビニルエステル系共重合体の製造工程において、重合禁止剤として共役ポリエンを配合する工程を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法。
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