JP6083293B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
かかるインクジェット記録装置において、ヘッドの下面からインクの液滴が用紙に吐出された後に、インクが浸透した用紙上の領域が収縮して用紙が反り、その結果、用紙がヘッドの下面に接触して、該下面に傷が付くことがある。これでは、インクの液滴が用紙に正しく吐出されず、液滴噴射特性が変化する可能性がある。
そこで、用紙の反りを防止すべく、ヘッドの下面に開口を設け、該開口に用紙を押さえるローラ体を出没自在に設けた装置が提案されている(特許文献1参照)。
本発明の目的は、液体がローラ体に付着する可能性を更に低減することができる液体吐出装置を提供することにある。
前記プラテンには、前記プラテンとローラ体とが互いに接近した状態で、前記ローラ体の少なくとも前記一部分を覆う凹部が設けられている。
筐体10の内側上部にて、ヘッド4に干渉しない位置には、筐体10内の各機構及び電気回路の動作を司る制御部8が配置されている。筐体10の内部下側には、ヘッド4に供給するインクが収納されたタンク14が配置されている。該タンク14とヘッド4とはチューブ(図示せず)によって接続されている。
筐体10の側面には、外部のパーソナルコンピュータから送信される画像記録ジョブを含む信号が入力される端子13が設けられている。端子13から入力された信号は制御部8に入力される。筐体10の上面には、使用者が情報を入力する操作パネル12が設けられている。
搬送ユニット5は、図1中の用紙Pを左から右に搬送する機構である。以下の記載では、プラテン3上にて用紙Pを搬送する方向を副走査方向又は第1方向、水平面内において該副走査方向と直交する方向を主走査方向又は第2方向と呼ぶ。
前記給紙ユニット6は、用紙Pが収納される給紙トレイ60と、給紙ローラ61と、該給紙ローラ61と搬送ユニット5との間に配備された第6及び第7搬送ローラ対62、63と、内部を用紙Pが通過する2つのガイド64、65を有して構成される。給紙ローラ61は給紙トレイ60内から1枚の用紙Pを送り出した後に、次の用紙Pを所定の時間間隔を空けて取り出し、該ガイド64、65及び第6及び第7搬送ローラ対62、63によって該用紙Pを搬送ユニット5の上流側に搬送する。
ヘッド4により画像が記録された用紙Pは第2乃至第5搬送ローラ対52、53、54、55及びガイド56、57、58によりトレイ11に排出される。
長時間に亘って印字を行わないときに、吐出面40が露出したままであると、該吐出面40に残存したインクが乾燥する。この対策として、長時間に亘って印字を行わないときは、ヘッド4の下端部をプラテン3を通してキャップ70に当接させ、吐出面40とキャップ70上面との間に、封止空間を形成する。これにより、吐出面40が露出したままであることを防いでいる。
図2(a)は、ヘッド4の下面図であり、第2方向を横向きに示している。図2(b)は、(a)をA1方向から見た図である。即ち、図2(b)は、図1のヘッド4の左側面図であって、上下を反転して示している。ヘッド4は、ヘッド筐体44上に、複数、図2(a)では6つのヘッド要素41を第2方向に沿って千鳥状に配置して形成されている。各ヘッド要素41は、インク吐出特性の均一化や製造コストの低減等のために、同一構造に形成されている。各ヘッド要素41は略直方体の箱体42の下面に、下面が箱体42の下面よりも小面積に形成された突体43を設けて2段に構成され、該突体43の下面が、前記の吐出面40を形成する。尚、ヘッド4は、6つのヘッド要素41を第2方向に沿って千鳥状に配置して形成されているが、ヘッド要素41の数は1〜5、7以上でもよく、千鳥状の配置でなくても良い。
吐出面40上には、多数の吐出口を第2方向に連ねて構成された吐出口列45が第1方向に沿って複数形成されている。図示の便宜上、吐出口列45を長方形で示す。また、各ヘッド要素41上に4つの吐出口列45が形成されているが、吐出口列45の数は4つに限定されない。
尚、ヘッド要素41は、複数枚の金属板を積層して形成された流路ユニットと、その上面に接合されたアクチュエータユニットとから構成され、該アクチュエータユニットに通電されることにより、流路ユニット内のインクが吐出される。流路ユニットの最下位に位置する金属板の下面が前記の吐出面40を構成するが、本構成は公知であり、詳細な記載を省く。
ヘッド筐体44は各ヘッド要素41及びローラ体2とともに昇降可能に設けられ、図2(b)に示すように、該ヘッド筐体44の側部には、ヘッド筐体44を昇降させる移動機構85が設けられている。移動機構85は例えばヘッド筐体44の側面に設けられたラック86と、該ラック86に噛合してモータM(図7参照)によって回転駆動されるギア87を備えて構成される。しかし、移動機構85はこの構成に限定されない。ギア87の回転により、ヘッド筐体44が昇降する。
プラテン3の下側には、ヘッド要素41の吐出面40に沿って第2方向に移動するワイパ9が設けられている。ワイパ9は上下に延びた弾性体から形成され、上端部が凹部30の裏側又は開口31に嵌まった吐出面40に接して撓み変形した状態で、第2方向に移動する。これにより、ワイパ9は凹部30の裏側又は吐出面40に付着したインクを払拭する。
この空吐出動作には、キャップ70又はヘッド要素41の一方がプラテン3の開口31を通過して他方に合わさった状態で、ヘッド要素41の吐出面40からインクを強制的に吸引するパージ動作、又はヘッド要素41とキャップ70とが上下に離間した状態でヘッド要素41から開口31を通してインクをキャップ70に向けて吐出するフラッシング動作とがある。該パージ動作とフラッシング動作及び前記のワイパ9によるヘッド要素41の吐出面40の払拭動作を、ヘッド4のメインテナンス動作と呼ぶ。
尚、キャップ70はチューブを介して廃インク回収タンク(図示せず)に接続されており、空吐出動作によりキャップ70に受けられたインクは廃インク回収タンクに回収される。
また、上述した制御部8は、図7のブロック図に示すように、ヘッド4のインク吐出動作を制御し、搬送ユニット5及び給紙ユニット6による用紙搬送動作、モータMを含む移動機構85によるヘッド筐体44の昇降動作、キャップ70の昇降動作、ワイパ9の動作、後述するパージ動作で用いられるポンプを制御する。
本実施形態では、ヘッド要素41とローラ体2を設けたヘッド筐体44及びキャップ70が昇降し、プラテン3は昇降しない。用紙Pに画像を形成するとき、即ちプラテン3上に用紙Pが支持されている状態では、図4(a)に示すように、ヘッド筐体44はプラテン3から離れるように上昇し、ローラ体2の下端部が用紙Pの上面に接する。即ち、ローラ体2は凹部30の上方に位置している。
ヘッド要素41の吐出面40からプラテン3上の用紙Pにインクが吐出される。ローラ体2は用紙Pの搬送に従動して回転しつつ、拍車円板21が用紙Pを押さえ、該用紙Pが反って吐出面40に接することを防ぐ。このとき、キャップ70はプラテン3から離れて下方に位置している。
用紙Pがプラテン3を通過し、インクの空吐出動作、即ちフラッシング動作又はパージ動作を行う場合は、図4(b)に示すように、移動機構85(図2(b)参照)が作動して、ヘッド筐体44をプラテン3に向けて下降させる。ヘッド要素41の吐出面40が開口31に嵌まり、ローラ体2のプラテン側端部が凹部30の内側に嵌まる。即ち、吐出面40と凹部30の裏側との上下間隔が短くなる。また、ローラ体2とプラテン3との上下間隔が短くなる。尚、吐出面40は開口31の上面と同一面内にあっても、開口31を通過してもよい。
フラッシング動作時には、キャップ70がプラテン3から下方に離れた状態で、ヘッド要素41の吐出面40からインクが開口31を通って吐出され、該インクがキャップチップ71に受けられる。凹部30がローラ体2のプラテン側端部を覆っているから、吐出面40からインクを吐出した際にインクが飛び散ったとしても、該インクは凹部30の裏側に付着し、ローラ体2には付着しない。凹部30の裏側にインクが付着したとしても、凹部30の裏側は、搬送される用紙Pとは接触しないため、用紙Pが汚れるのを抑制することができる。一方、ローラ体2は、搬送される用紙Pと接触するため、ローラ体2にインクが付着してしまうと用紙Pが汚れてしまう。即ち、凹部30がローラ体2のプラテン側端部を覆うことで、ローラ体2にインクが付着するのを抑制している。尚、該凹部30の裏側に付着したインクは表面張力又は毛細管現象によって凹部30の裏面を伝って上昇することがあるが、前記のリブ32によって凹部30内にインクが侵入することは防止される。これにより、ローラ体2にインクが付着するのをより一層抑制している。
このとき、ワイパ9の下端部にて、キャップ70のキャップチップ71上のインクを払拭してもよい。1つのワイパ9にて凹部30、吐出面40、キャップ70の払拭ができるので、払拭作業が効率化される。
尚、パージ動作時には、図4(b)に示す状態から、キャップ70が上昇して、開口31内の吐出面40に接する。キャップ70と吐出面40との間に、閉鎖空間が形成されて、吐出面40からキャップ70にインクが吸引される。尚、パージ動作は、これに限らず、吐出面40からインクが強制的に排出される動作であればよい。具体的には、図4(b)に示すように、キャップ70がプラテン3から下方に離れた状態で、タンク14とヘッド4との間に配置されたポンプ(図示せず)によって各ヘッド要素41の吐出面40に強制的にインクを供給することによって、吐出面40からインクを強制的に排出させてもよい。吐出面から排出されたインクは開口31を通って、キャップチップ71に受けられる。
また、インクの空吐出動作時には、吐出面40と凹部30の裏側とは、高さ位置が接近するから、ワイパ9の一方向の移動によって吐出面40と凹部30の裏側の両方を払拭することができる。これにより、ワイパ9を水平移動させる機構を簡素化することができる。
本実施形態にあっては、ローラ体2とキャップ70が昇降し、ヘッド要素41、ヘッド筐体44及びプラテン3は昇降しない。即ち、ヘッド要素41の吐出面40とプラテン3の間の上下間隔は変化しない。
図5は、本実施形態に係るヘッド筐体44を上下反転して示す図である。各ローラ体2は、ヘッド要素41の側方に設けられ下面が開口した箱体であるローラ体保持部22に収納されている。該ローラ体保持部22によりローラ体2は凹部30に覆われてない部分が覆われる。即ち、ローラ体保持部22は、ローラ体2のうちのプラテン3から遠い側の部分を覆う。ローラ体2は中心軸20の両端部がローラ体保持部22の側壁に支持されて、第2方向に直交する面内を回転する。夫々のローラ体保持部22は互いに接続されており、ヘッド筐体44の側方に設けられた移動機構85によって、ヘッド筐体44に対して昇降する。移動機構85の構成は、図2(b)に示した構成と同様である。また、プラテン3の構成は、図3(a)に示した構成と同様である。尚、図5にあっては、ローラ体2は1枚の拍車円板21のみを備えているが、これは図示の便宜上であって、ローラ体2は複数枚の拍車円板21を備えていてもよい。
図6(a)、(b)は、ヘッド4とプラテン3とキャップ70の位置関係を示す側面図であり、図6(a)は画像形成時を、図6(b)はフラッシング動作又はパージ動作時を示す。用紙Pに画像を形成するとき、即ちプラテン3上に用紙Pが支持されている状態では、図6(a)に示すように、ローラ体保持部22はプラテン3から離れるように上昇しており、ローラ体2の拍車円板21が用紙Pの上面に接する。即ち、ローラ体2は凹部30の上方に位置している。ヘッド要素41の吐出面40からプラテン3上の用紙Pにインクが吐出される。ローラ体2は用紙Pの搬送に従動して回転しつつ、拍車円板21が用紙Pを押さえ、該用紙Pが反って吐出面40に接することを防ぐ。このとき、キャップ70はプラテン3から離れて下方に位置している。
用紙Pがプラテン3を通過し、インクの空吐出動作、即ちフラッシング動作又はパージ動作を行う場合は、図6(b)に示すように、移動機構85を作動させて、ローラ体保持部22をプラテン3に向けて下降させる。ローラ体保持部22の下端が凹部30の周縁部上端に接し、又は接近する。ローラ体2のプラテン側端部が凹部30の内側に嵌まる。吐出面40と凹部30の裏側との上下間隔が短くなる。また、ローラ体2とプラテン3との上下間隔が短くなる。
フラッシング動作時には、キャップ70がプラテン3から下方に離れており、ヘッド要素41の吐出面40からインクが開口31を通って吐出される。該インクがキャップチップ71に受けられる。凹部30がローラ体2のプラテン側端部を覆っており、かつ、ローラ体保持部22がローラ体2のプラテン3から遠い側の部分を覆っているから、吐出面40からインクを吐出した際にインクが飛び散ったとしても、該インクは凹部30の裏側又はローラ体保持部22の裏側に付着し、ローラ体2には付着しない。凹部30の裏側又はローラ体保持部22の裏側は、搬送される用紙Pとは接触しないため、用紙Pが汚れるのを抑制することができる。一方、ローラ体2は、搬送される用紙Pと接触するため、ローラ体2にインクが付着してしまうと用紙Pが汚れてしまう。即ち、凹部30及びローラ体保持部22がローラ体2を覆うことで、ローラ体2にインクが付着するのを抑制している。
尚、パージ動作時には、図6(b)に示す状態から、キャップ70が上昇して、開口31内の吐出面40に接する。キャップ70と吐出面40との間に、閉鎖空間が形成されて、吐出面40からキャップ70にインクが吸引される。尚、パージ動作は、これに限らず、吐出面40からインクが強制的に排出される動作であればよい。具体的には、キャップ70がプラテン3から下方に離れた状態で、タンク14とヘッド4との間に配置されたポンプ(図示せず)によって各ヘッド要素41の吐出面40に強制的にインクを供給することによって、吐出面40からインクを強制的に排出させてもよい。吐出面から排出されたインクは開口31を通って、キャップチップ71に受けられる。
また、ローラ体保持部22が、凹部30によって覆われていないローラ体2の部分を覆うことで、フラッシング動作及ぶパージ動作時にインクが飛び散っても、凹部30に覆われていない箇所にインクが付着するのを抑制することができる。
2 ローラ体
3 プラテン
4 ヘッド
22 ローラ体保持部
30 凹部
31 開口
40 吐出面
41 ヘッド要素
Claims (12)
- 液体を吐出する吐出面が形成されたヘッド要素を備えたヘッド筐体と、
搬送される記録媒体を支持するとともに、前記ヘッド要素に対向して配備されたプラテンと、
前記ヘッド筐体内にてヘッド要素に重ならないように設けられて、少なくとも一部分が前記吐出面と直交する方向において前記吐出面から前記プラテンに向けて突出し、搬送される記録媒体を前記プラテンに向けて押さえるローラ体と、
前記プラテンとローラ体とが接近離間するように相対移動させる移動機構を備え、
前記プラテンには前記ヘッド要素の吐出面から吐出された液体が通過する開口が開設され、
前記プラテンには、前記プラテンとローラ体とが互いに接近した状態で、前記ローラ体の少なくとも前記一部分を覆う凹部が設けられた、液体吐出装置。 - 前記凹部の周縁部には、前記ヘッド要素に向けて突出するリブが形成されている、請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記移動機構は、前記ヘッド要素のメインテナンス動作時に、前記プラテンとローラ体とを接近させる、請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
- 前記プラテンに対して、前記ヘッド要素の反対側には、該ヘッド要素から前記開口を通って吐出された液体を受けるキャップが、前記ヘッド要素に対して接近離間可能に設けられ、
前記メインテナンス動作は、前記ヘッド要素から液体を強制的に排出させるパージ動作、又はヘッド要素と前記キャップとが離間した状態で前記ヘッド要素から液体を前記キャップに向けて吐出するフラッシング動作の少なくとも1つである、請求項3に記載の液体吐出装置。 - 前記ヘッド要素の吐出面に沿って移動し、該吐出面を払拭するワイパが設けられ、前記メインテナンス動作は該ワイパによる前記吐出面の払拭動作である、請求項3に記載の液体吐出装置。
- 前記ワイパは、前記凹部の外面をも払拭する、請求項5に記載の液体吐出装置。
- 前記移動機構は、前記パージ動作又はフラッシング動作時には、前記ヘッド要素及びローラ体を前記プラテンに接近するように相対的に移動させ、前記ヘッド要素は、前記プラテンに接近した状態において、前記吐出面が前記開口と同一位置、又は前記開口を通過する位置に達する、請求項4に記載の液体吐出装置。
- 前記移動機構は、前記払拭動作時に、前記ヘッド要素及びローラ体を前記プラテンに接近するように相対的に移動させ、
前記ヘッド要素は、前記プラテンに接近した状態において、前記吐出面が前記開口と同一位置、又は前記開口を通過する位置に達し、
前記ワイパは、前記ヘッド要素の吐出面に沿って移動する際に、前記吐出面及び前記凹部の裏側を払拭する、請求項6に記載の液体吐出装置。 - 前記移動機構は、前記ヘッド要素を、前記プラテンに対して移動させず、前記ローラ体を前記プラテンに対して接近離間可能に移動させる、請求項1乃至6の何れかに記載の液体吐出装置。
- 前記移動機構は、前記ヘッド要素を、前記プラテンに対して移動させず、前記ローラ体を前記プラテンに対して接近離間可能に移動させ、
前記ワイパは、前記ヘッド要素の吐出面から離隔した状態から、前記吐出面と当接した状態となるように前記吐出面に向けて移動し、その後、前記吐出面に沿って移動し該吐出面を払拭する、請求項5又は6に記載の液体吐出装置。 - 前記ローラ体の前記一部分以外の部分を覆うように、前記ローラ体を保持するローラ体保持部をさらに備える請求項9又は10に記載の液体吐出装置。
- 前記ヘッド筐体は、複数の前記ヘッド要素を有しており、
前記複数のヘッド要素は、記録媒体が搬送される搬送方向に沿って配置されており、
前記複数のヘッド要素の間に、前記ローラ体が設けられている、請求項1乃至11の何れかに記載の液体吐出装置。
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