JP2010046855A - 流体噴射装置およびメンテナンス方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス動作(ワイピング動作)時に、流体を記録紙の搬送経路上に飛散させることなく、記録紙の印刷品質の低下を防止できる流体噴射装置およびメンテナンス方法を提供する。
【解決手段】本実施形態のインクジェットプリンタは、記録紙に対してインクを噴射する複数のノズル17を形成したノズル形成面13Aを有した記録ヘッド13と、記録紙の搬送経路10を介して記録ヘッド13と反対側に配置されるメンテナンス装置(メンテナンスユニット7)と、記録ヘッド13と記録紙の搬送経路10のどちらか一方を移動させて記録ヘッド13をメンテナンス位置に配置させる第1移動機構と、を備え、メンテナンス位置において、記録ヘッド13のノズル形成面13Aが記録紙の搬送経路10よりもメンテナンス装置(メンテナンスユニット7)側に突出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、流体噴射装置およびメンテナンス方法に関するものである。
流体噴射装置は、流体を噴射可能な噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の流体を被記録材等に向けて噴射する装置である。流体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッド(噴射ヘッド)のノズルから液体状のインク(流体)をインク滴として記録紙等の被記録材に向けて吐出、着弾させてドットを形成することで記録を行うインクジェット式記録装置がある。
このような流体噴射装置では、ノズルから噴射される液滴の良好な吐出状態を維持又は回復するためのメンテナンス処理を定期的に行っている。その具体的なメンテナンス動作としては、例えば、インクの増粘が進まないように各ノズルからインクを噴射させるフラッシング動作や、ノズルを吸引することによってノズル内の増粘したインクを除去する吸引動作、噴射によりノズル形成面に付着してしまったインク(流体)等をワイプ部材で払拭することによってノズル形成面に付着した付着物を除去するワイピング動作などがある。
ワイピング動作には、ゴム製等の弾性を持ったワイプ部材が一般に用いられる。このようなワイプ部材を記録ヘッドのノズル形成面上で摺動させることによって、ノズル形成面に付着した余剰のインク滴等を払拭する(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−008462号公報
ワイピング動作では、ワイプ部材が、記録ヘッドのノズル形成面に当接して撓み変形しながらノズル形成面上を摺動し、ノズル形成面の端部から離れた途端に弾性反発力によって原形復帰する。この復帰する際の振動によってワイプ部材の先端に付着したインクの一部が飛散し、プリンタ内部の諸部材を汚してしまうという問題がある。
特に、ライン型の記録ヘッドの場合は、その位置が固定されているので、ワイピング装置が上昇してラインヘッドのノズル形成面に対するワイピング動作を行うことになる。そのため、記録ヘッドのノズル形成面より下方にある記録紙の搬送経路(プラテン)上に飛散したインクが付着してしまう。すると、インクで汚れたプラテン上を記録紙が通過することで該記録紙が汚れてしまい、印刷物の品質を損なわせるおそれがある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、搬送経路への流体の飛散等の不具合を生じさせることなく、流体噴射ヘッドのメンテナンス動作を実行することができる流体噴射装置と、そのメンテナンス方法を提供することを目的としている。
本発明の流体噴射装置は、上記課題を解決するために、媒体に対して流体を噴射する複数のノズルを形成したノズル形成面を有した流体噴射ヘッドと、前記媒体の搬送経路を介して前記流体噴射ヘッドと反対側に配置されるメンテナンス装置と、前記流体噴射ヘッドと前記搬送経路のうち少なくとも一方を移動させて前記流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に配置する移動機構と、を備え、前記メンテナンス位置において、前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面が前記媒体の前記搬送経路よりも前記メンテナンス装置側に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、流体噴射ヘッドと媒体の搬送経路とを相対的に移動させて流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に配置させる移動機構を備えており、メンテナンス位置において、流体噴射ヘッドのノズル形成面が媒体の搬送経路よりもメンテナンス装置側に配置されているので、流体噴射ヘッドのノズル形成面に対するメンテナンス動作を搬送経路の下方で実施することが可能である。これにより、メンテナンス動作時にノズル形成面から除去された流体が、搬送経路上に付着してしまうのを回避することができる。したがって、搬送経路上に付着した流体によって、搬送経路に沿って通過する媒体が汚れてしまうのを防止することができるので、媒体の印刷品質が低下するのを防止することができる。
また、前記移動機構が、前記流体噴射ヘッドを移動させることが好ましい。
本発明によれば、移動機構が流体噴射ヘッドを移動させることにより、そのノズル形成面が媒体の搬送経路よりもメンテナンス装置側へ突出するメンテナンス位置に確実に配置させることが可能になる。
また、前記移動機構が、前記搬送経路を移動させることが好ましい。
本発明によれば、移動機構が搬送経路を移動させることにより、流体噴射ヘッドをそのノズル形成面が媒体の搬送経路よりもメンテナンス装置側へ突出するメンテナンス位置に配置させることが可能になる。流体噴射ヘッドを移動させることなく、流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に配置することができる。
また、前記移動機構が、前記流体噴射ヘッドおよび前記搬送経路を移動させることが好ましい。
本発明によれば、移動機構が、流体噴射ヘッドおよび搬送経路を移動させることにより、流体噴射ヘッドをメンテナンス位置により迅速に配置させることができる。
また、前記メンテナンス装置が、前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に摺接可能なワイピング部と、前記ノズル形成面に当接可能なキャッピング部と、を備えることが好ましい。
本発明によれば、ワイピング部により、流体噴射ヘッドのノズル形成面に対するワイピング動作を実施することが可能である。これにより、ノズル形成面に付着した流体(付着物)を除去することができるので、良好な噴射が可能となり、媒体に対して高品位な記録を行うことができる。
また、キャッピング部により、流体噴射ヘッドのノズル形成面をキャッピングすることが可能になる。これにより、ノズル形成面を保湿することができるので、ノズル内の流体の乾燥および固化が防止され、良好な噴射特性を長期的に維持することが可能になる。なお、キャッピング部とノズル形成面との間の空間を減圧することで、ノズルから増粘した流体などを強制的に吐出させることも可能である。
また、前記流体噴射ヘッドが複数設けられ、前記メンテナンス装置は、前記複数の流体噴射ヘッドの一部に対して選択的に前記ワイピング部を昇降させる昇降機構を備えている
ことが好ましい。
本発明によれば、昇降機構によって、複数の流体噴射ヘッドの一部に対して選択的にワイピング部を昇降させることができるので、メンテナンスが必要な流体噴射ヘッドに対してのみメンテナンス処理を実施することが可能になる。これにより、メンテナンスにかかる時間を大幅に短縮することができるようになる。
また、前記媒体の下面を支持するプラテンを有し、該プラテンには、前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面を挿通可能な開口部が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、媒体の下面を支持するプラテンは、搬送経路を構成すべく、流体噴射ヘッドに対向して配置される。そして、プラテンに流体噴射ヘッドのノズル形成面を挿通可能な開口部を設けておくことにより、プラテン又は流体噴射ヘッドを上下方向(流体噴射ヘッドとメンテナンス装置との配置方向)に移動させたときに流体噴射ヘッドのノズル形成面をプラテンの開口部内に挿入させることができる。これにより、流体噴射ヘッドのノズル形成面が媒体の搬送経路よりもメンテナンス装置側に突出した状態を、構成部材の移動距離を最小限に抑えつつ容易に実現することができる。
本発明の流体噴射装置のメンテナンス方法は、上記課題を解決するために、媒体に対して流体を噴射する複数のノズルを形成したノズル形成面を有した流体噴射ヘッドと、前記媒体の搬送経路を介して前記流体噴射ヘッドと反対側に配置されるメンテナンス装置と、前記流体噴射ヘッドと前記搬送経路のうち少なくとも一方を移動させて前記流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に配置させる移動機構と、を備えた流体噴射装置のメンテナンス方法であって、流体噴射装置のメンテナンス方法であって、流体噴射ヘッドと媒体の搬送経路とを相対的に移動させて、前記ノズル形成面が前記媒体の前記搬送経路よりもメンテナンス装置側に位置するメンテナンス位置に前記流体噴射ヘッドを配置する移動工程と、前記メンテナンス位置に配置された前記流体噴射ヘッドに対してメンテナンス処理を実施するメンテナンス処理工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、流体噴射ヘッドと搬送経路のうち少なくとも一方を移動させて、流体噴射ヘッドのノズル形成面が媒体の搬送経路よりもメンテナンス装置側に突出するメンテナンス位置に流体噴射ヘッドを配置し、その後、流体噴射ヘッドに対するメンテナンス処理を実施することから、メンテナンス動作時にノズル形成面から除去された流体が、搬送経路上に付着してしまうのを回避することができる。これにより、搬送経路に沿って通過する媒体が流体によって汚れてしまうのを防止することができるので、媒体の品質を維持することができる。
また、前記移動工程において、前記移動機構により前記流体噴射ヘッドを前記メンテナンス位置へ移動させることが好ましい。
本発明によれば、流体噴射ヘッドのみを移動させればよいことから制御が容易である。
また、前記移動工程において、前記移動機構により前記搬送経路を移動させることで前記流体噴射ヘッドを前記メンテナンス位置に配置することことが好ましい。
本発明によれば、搬送経路のみを移動させればよいことから制御が容易である。
また、前記移動工程において、前記移動機構により前記流体噴射ヘッドおよび前記搬送経路を移動させることで前記流体噴射ヘッドを前記メンテナンス位置に配置することが好ましい。
本発明によれば、流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に配置する際に流体噴射ヘッドおよび搬送経路の両方を移動させることから、流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に迅速に配置することが可能である。
以下、本発明に係る流体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。実施形態では、本発明に係る流体噴射装置として、インクジェット式プリンタを例示する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のインクジェット式プリンタ(以下、インクジェットプリンタ100と称す)の概略構成図、図2は、ヘッドユニット4の周辺の要部平面図である。
インクジェットプリンタ100は、図1及び図2に示すように、インク滴を噴射して記録紙12に画像形成するヘッドユニット4と、ヘッドユニット4に供給するインク(流体)を貯留したインク貯留部15と、記録紙12を搬送する記録紙搬送機構35と、記録紙12を支持するプラテン6と、ヘッドユニット4に対してメンテナンスを行うメンテナンス装置11とを有している。記録紙搬送機構35によりプラテン6のヘッドユニット4側の面を経由して図示左右方向(X方向)に搬送される記録紙12の経路が、搬送経路10である。ヘッドユニット4とメンテナンス装置11とは、プラテン6を介して図示上下方向(Z方向)に対向配置されている。
ヘッドユニット4は、その噴射部4A側が記録紙12の搬送経路10に対向し、その長さ方向(図示Y方向)が記録紙12の搬送方向と直交する方向に配置されている。そして、搬送経路10に沿って搬送される記録紙12に対してインクを噴射することにより記録紙12に画像を記録する。このヘッドユニット4は、インクジェットプリンタ100が対象とする最大サイズの記録紙12の少なくとも一辺を越える長さ(最大記録紙幅W)に亘って記録ヘッド13(流体噴射ヘッド)が多数配列された、所謂ラインヘッドモジュールである。
ヘッドユニット4は、図3に示すように、取付板5に形成された複数の開口部5A内に、記録紙12に対して印刷を行う記録ヘッド13を多数整列配置した構成である。ここで図3は、ヘッドユニット4の概略構成を示す斜視図であって、噴射部4A側から見た図である。各々の記録ヘッド13のノズル形成面13Aは、開口部5Aを介して取付板5の上面5aよりも上側(図1ではメンテナンス装置11側)に突出して配置されている。
ヘッドユニット4は、長さ方向(図示Y方向)に配列された複数の記録ヘッド13からなるヘッド列(ライン)を複数有しており、各ラインを構成する記録ヘッド13の数は適宜設定される。本実施形態では、5つの記録ヘッド13によって1ラインが構成されている。なお、記録ヘッド13によるラインの数や1ラインを構成する記録ヘッド13の数を増やすことにより、一度に広範囲の記録が可能になる。
記録ヘッド13のノズル形成面13Aには、インク滴を噴射する複数のノズル17からなるノズル列(1列のライン)が形成されている。ラインを構成するノズル17の数(密度)を増やすことによって解像度を向上させることが可能である。
このようなヘッドユニット4は、取付板5が不図示のキャリッジに固定されることでプリンタに搭載される。
本実施形態におけるヘッドユニット4は、図1に示すように、第1移動機構71(図6参照)によって図中上下方向(Z方向)に移動可能とされている。具体的には、印刷位置と、ワイピング位置(図8(b):メンテナンス位置)と、キャッピング位置(図9:メンテナンス位置)との間において昇降移動可能となっている。
印刷位置は、搬送経路10の第1面10Aよりも上側(図1におけるインク貯留部15側)に噴射部4Aが配置される位置であって、ヘッドユニット4のノズル17から記録紙12へインクを噴射することによって記録を行う位置である。
キャッピング位置およびワイピング位置は、メンテナンス装置11によりヘッドユニット4の記録ヘッド13に対するキャッピング処理あるいはワイピング処理が行われる位置であって、いずれも搬送経路10の第2面10B(第1面10Aとは反対の面)よりも下側(メンテナンス装置11側)に噴射部4Aが配置される位置である。
本実施形態では、キャッピング位置およびワイピング位置において、ヘッドユニット4の噴射部4A(記録ヘッド13のノズル形成面13A)が記録紙12の搬送経路10よりもメンテナンス装置11側に突出した状態となる。後述するメンテナンス装置11は、キャッピング動作やワイピング動作を含むクリーニング処理を実行する。
インク貯留部15は、プリンタ本体16の一側に配置されている。インク貯留部15とヘッドユニット4との間は、不図示のインク供給手段を介して接続されており、このインク供給手段により各記録ヘッド13へインクが供給される。インク貯留部15には、インクジェットプリンタ100の印刷色に対応する1色又は複数色のインクが貯蔵されている。
記録紙搬送機構35は、紙送りモータ(不図示)や、この紙送りモータによって回転駆動される紙送りローラなどを有しており、記録(印字・印刷)動作に連動させて記録紙12をヘッドユニット4に対向するようにその搬送経路10に沿って順次送り出すことができるようになっている。
プラテン6は、記録紙搬送機構35によって送り出された記録紙12の下面を支持するもので、ヘッドユニット4の噴射部4A側においてヘッドユニット4と対向する位置に配置されている。プラテン6は、平面視における面積が、ヘッドユニット4の噴射部4A側の面積よりも大きい板状部材から構成されている。
ここで図4は、プラテン6の概略構成を示す平面図である。
プラテン6には、ヘッドユニット4に設けられた記録ヘッド13の各々に対応する複数の開口部6Aが形成されている。開口部6Aは、記録ヘッド13の噴射部4Aを挿通可能な大きさに形成されている。
プラテン6上において、複数の開口部6Aは2列のライン6L、6Lを構成している。1つのライン6Lに属する複数の開口部6Aがライン延在方向(X方向)に等間隔に配列される一方、異なるライン6Lに属して隣り合う開口部6A同士は、ライン延在方向においてずらされた位置に配置されている。すなわち、個々の開口部6Aは、プラテン6の幅方向(X方向)に対してジグザグに配置されている。
プラテン6の媒体支持面6a(図1においてヘッドユニット4側となる面)には、プラテン6の短手方向(Y方向)に延びる凸条である複数のリブ6Bが形成されている。複数のリブ6Bは、プラテン6の幅方向(X方向)に沿って配列されている。リブ6Bは、プラテン6の側辺6f,6fから、一方のライン6Lを構成する開口部6A同士の間を通って他方のライン6Lを構成する開口部6Aの中央部へと延びている。プラテン6の幅方向(X方向)の両端部近傍に配置された2本のリブ6B(1)は、プラテン6の短手方向全体に亘って延在している。
この構成により、実際にはこれら複数のリブ6B上で記録紙12を支持することになり、搬送されてきた記録紙12を開口部65に詰まらせることなくスムーズに通過させることができる。
次に、メンテナンス装置11は、図1に示すように、記録紙12の搬送経路10を介してヘッドユニット4とは反対側に配置されており、ヘッドユニット4に設けられた各記録ヘッド13に対するメンテナンス処理を実行する。メンテナンス装置11は、メンテナンスユニット7と、メンテナンスユニット7に接続される吸引ポンプ34と、廃インクタンク39とを含んでいる。メンテナンスユニット7は、第2移動機構72(図6)により記録紙12の搬送方向に交差する方向(Y方向)に沿って移動可能とされている。
図5は、メンテナンスユニット7の概略構成を示す斜視図であって、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。
メンテナンスユニット7は、図5(a)に示すように、複数のメンテナンス部73をユニット化することで構成されており、ヘッドユニット4に対してメンテナンス処理を行うものである。各メンテナンス部73は、ヘッドユニット4に設けられた記録ヘッド13の各々に対応するものである。複数のメンテナンス部73は、記録ヘッド13と同様の2列のライン7L,7Lを構成している。
メンテナンス部73は、記録ヘッド13のノズル形成面13Aに付着している異物(残留したインク等)を拭き取ったり払い落としたりするワイピング部20と、ノズル形成面13Aを封止してノズルの乾燥を防止するキャッピング部30と、ワイピング部20およびキャッピング部30を一体に保持する筐体部76とを備えている。
キャッピング部30は、図5(b)に示すように、記録ヘッド13のノズル形成面13Aに当接されるシール部材31と、シール部材31の周囲を囲む枠部32とを有している。
ワイピング部20は、支持部21と、記録ヘッド13のノズル形成面13Aに摺接される平面視U字状のワイプ部材22と、ワイプ部材22の内側に配置されワイプ部材22によって除去したインクを回収する筒状のインク回収部23とを有している。ワイプ部材22は、ゴム等の弾性部材から構成されており、その先端がキャッピング部30のシール部材32よりも上側(図1におけるヘッドユニット4側)に突出している。
次に、図6は、インクジェットプリンタ100の電気的な構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるインクジェットプリンタ100は、全体の動作を制御する制御装置58を備えている。制御装置58には、インクジェットプリンタ100の動作に関する各種情報を入力する入力装置59、インクジェットプリンタ100の動作に関する各種情報を記憶した記憶装置60、記録紙を搬送する記録紙搬送機構35、ヘッドユニット4に対してメンテナンス処理を実行するメンテナンス装置11などが接続されている。また、インクジェットプリンタ100は、圧電素子25を含む駆動ユニットに入力する駆動信号を発生する駆動信号発生器62を備えている。駆動信号発生器62は、制御装置58に接続されている。
駆動信号発生器62には、記録ヘッド13の圧電素子25に入力する吐出パルスの電圧値の変化量を示すデータ、及び吐出パルスの電圧を変化させるタイミングを規定するタイミング信号が入力される。駆動信号発生器62は、入力されたデータ及びタイミング信号に基づいて吐出パルス等の駆動信号を発生する。
本実施形態においては、制御装置58にはさらに、ヘッドユニット4を上下方向に移動させる第1移動機構71と、メンテナンスユニット7を記録紙の搬送方向に交差する方向に移動させる第2移動機構72とが接続されている。
第1移動機構71は、ヘッドユニット4を、印刷位置、キャッピング位置、ワイピング位置に適宜移動させる。第2移動機構72は、ワイピング位置とされたヘッドユニット4に対してメンテナンスユニット7を所定の方向へ移動させる。
以下、インクジェットプリンタ1の動作のメンテナンス動作の一実施形態としてワイピング動作を中心に説明する。
(ワイピング動作)
図7および図8は、ワイピング動作の説明図である。ワイピング動作は、ワイプ部材22により記録ヘッド13のノズル形成面13Aを払拭することで残留インク等を除去する動作である。
ワイピング動作が開始されると、先ず制御装置58は、第1移動機構71により、図7(a)に示す印刷位置にあるヘッドユニット4を下降させて、図7(b)に示すようなワイピング位置に配置する。上述したように、ワイピング位置に配置されたヘッドユニット4は、各記録ヘッド13の先端側がプラテン6の対応する開口部6A内に挿入されていて、各記録ヘッド13のノズル形成面13Aがプラテン6の下面6bよりもメンテナンスユニット7側へ突出した状態となっている。このとき、記録ヘッド13のノズル形成面13Aは、ワイプ部材22の上端22aよりも低い位置まで下降されるが、メンテナンスユニット7のキャッピング部30には接触しない位置に配置される。
次に、制御装置58は、第2移動機構72により、メンテナンス装置11のメンテナンスユニット7を図8(a)中の矢印Aで示す方向(記録紙12の搬送方向に交差する方向)に沿って移動させる。そして、メンテナンスユニット7をある程度移動させると、各ワイピング部20のワイプ部材22が対応する記録ヘッド13の側面に当接する。
その後、さらにメンテナンスユニット7を移動させると、図8(b)に示すように、ワイプ部材22は記録ヘッド13により押圧されて変形し、記録ヘッド13の側面を乗り越えて記録ヘッド13のノズル形成面13Aに接触する。ワイプ部材22はその変形の程度に応じた所定の圧力でノズル形成面13Aに接触する。そして、メンテナンスユニット7の移動に伴って弾性変形したワイプ部材22がノズル形成面13A上を摺動し、その上端22aがノズル形成面13Aに付着したインクを掻き取る。図中の矢印A方向へ向かうメンテナンスユニット7のさらなる移動により、弾性変形したワイプ部材22がノズル形成面13A上を摺動しながら通過する。
そして、図8(c)に示すように、ノズル形成面13Aを払拭し終えたワイプ部材22は、その弾性力によって瞬間的に直立状態に復帰する。ワイプ部材22によって掻き取られたインクは、ワイプ部材22の内面に沿って重力方向に流れてインク回収部23内に回収される。なお、インク回収部23内のインクが廃インクタンク39(図1)へと排出されるような構成としてもよい。
このようにしてヘッドユニット4に対してワイピング処理が実施される。
(キャッピング/吸引動作)
次に、図9を参照してメンテナンスユニット7によるキャッピング動作について説明する。
図9は、キャッピング位置に配置されたヘッドユニット4を示す断面図である。
メンテナンスユニット7のキャッピング部30により記録ヘッド13のノズル形成面13Aを保湿する場合、制御装置58は、第2移動機構72によりヘッドユニット4を下降させて所定のキャッピング位置に配置させる。キャッピング位置は、図7(b)に示したワイピング位置からさらにヘッドユニット4をメンテナンスユニット7側に下降させた位置であって、キャッピング位置において、ノズル形成面13Aはキャッピング部30と当接する。こうすることで、ノズル形成面13Aがキャッピング部30によって封止され、ノズル形成面13Aとキャッピング部30との間に密閉空間Kが形成される。これにより、ノズル形成面13Aが保湿され、ノズル17内のインクの乾燥を防止することができる。
また、キャッピング位置において、メンテナンス装置11の吸引ポンプ34を駆動させることにより、密閉空間Kを減圧して各ノズル17から増粘したインクなどを強制的に吐出させる吸引動作を行うことも可能である。
以上詳細に説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタ1によれば、ヘッドユニット4を下降させてメンテナンス位置に配置させる第1移動機構71を備えており、メンテナンス位置において、ヘッドユニット4の各記録ヘッド13のノズル形成面13Aが記録紙12の搬送経路10よりもメンテナンス装置11側に突出して配置される。したがって、記録ヘッド13のノズル形成面13Aに対するワイピング動作を、搬送経路10の下方、すなわちプラテン6の下方で実施することが可能である。これにより、メンテナンス動作時にノズル形成面13Aから除去されたインクが、ワイプ部材22の弾性復帰によって飛散したとしても、搬送経路10上に付着してしまうのを回避することができる。よって、搬送経路10に沿ってプラテン6上を通過する記録紙12がプラテン6上に付着したインクによって汚れてしまうのを防止することができるので、記録紙12の印字品質を良好なものとすることができる。
なお、本実施形態では記録ヘッド13のラインを2列としたが1列であってもよい。その場合には、プラテン6やメンテナンスユニット7の構成をヘッドユニット4に合わせて適宜変更する。
また、図10に示すように、プラテン6に、ワイピング部20およびキャッピング部30を挿入可能とする大きさの開口部63を形成してもよい。このような構成とすれば、記録ヘッド13のノズル形成面13Aがプラテン6の開口部63内に挿入されるまでヘッドユニット4を下降させれば、記録紙12の搬送経路10を構成するプラテン6の媒体支持面6aよりも各記録ヘッド13のノズル形成面13Aがそれぞれメンテナンス装置11側に突出した状態となるので、搬送経路10上すなわちプラテン6上にインクを飛散させることなく、各記録ヘッド13のノズル形成面13Aを好適にワイピングすることが可能となる。したがって、この構成によれば、印刷位置からワイピング位置までの距離が短くなるので、ヘッドユニット4の移動時間を短縮することができる。
ただし、図8(b)に示したワイピング位置にあるヘッドユニット4に対してワイピング処理を実施する場合に比べて、ワイプ部材22によって除去されたインクが、開口部63の内面やプラテン6の下面6bに付着しやすくなるので、より確実に印刷物の品質低下を防止するには、各記録ヘッド13のノズル形成面13Aをプラテン6の下面6bよりもメンテナンスユニット7側に突出させておくことが好ましい。
以下、本発明の第2及び第3実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、先の実施形態と共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において図1〜図6と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態のインクジェットプリンタについて図11および図12を用いて説明する。図11は、ヘッドユニット42およびプラテン46の概略構成を示す斜視図である。図12は、メンテナンス装置におけるメンテナンスユニット47の概略構成を示す斜視図であって、(a)は全体図、(b)部分拡大図である。
本実施形態のインクジェットプリンタは、図1に示したインクジェットプリンタ100のヘッドユニット4、及びプラテン6に代えて、図11に示すヘッドユニット42及びプラテン46を備えたものであり、さらに、図1に示したメンテナンス装置11に、図12に示すメンテナンスユニット47を備えたものである。
本実施形態のヘッドユニット42は、図11に示すように、記録ヘッド43による複数列(4列)のライン4Lを有して構成されている。各ライン4Lは、ヘッドユニット42の短手方向(Y方向)に沿って配列されている。1つのライン4Lに属する複数の記録ヘッド43がライン延在方向(X方向)に等間隔に配列される一方、異なるライン4Lに属して隣り合う記録ヘッド43同士は、ライン延在方向においてずらされた位置に配置されている。すなわち、個々の記録ヘッド43は、ヘッドユニット42の幅方向(X方向)に対してジグザグに配置されている。ここでは、各ライン4Lがインクジェットプリンタの各色(Y,M,C,B)に対応した印字部41となっている。
各記録ヘッド43のノズル形成面43Aには、インク滴を噴射する複数のノズル17よる複数列(2列)のラインが形成されている。
プラテン46は、図11に示すように、ヘッドユニット42に対向して配置され、ヘッドユニット42における印字部41の数に応じて4つの開口部46Aを有している。開口部46Aは、例えば平面視矩形状を呈し、印字部41を構成している複数の記録ヘッド43を全て挿通可能とする大きさで形成されている。
図12(a)に示すように、メンテナンスユニット47は、メンテナンス部48による複数列(4列)のラインを有して構成されている。各メンテナンス部48は、ヘッドユニット42の各記録ヘッド43に対応しており、キャッピング部80とワイピング部90とを備えている。
図12(b)に示すように、キャッピング部80は、記録ヘッド43のノズル形成面43Aを封止可能な大きさで形成されており、キャップ部材81と、キャップ部材81の上面において図11に示したノズル17のラインの配置に対応してメンテナンスユニット47の短手方向(Y方向)に並んで配置された2つのシール部材82とを有している。シール部材82は、枠状に形成され記録ヘッド43のノズル形成面43Aに当接される。
なお、キャップ部材81の内側には不図示の凹部が形成されており、該凹部内に、記録ヘッド43の各ノズル17から排出されたインクを吸収するインク吸収体84が収容されている。
ワイピング部90は、キャッピング部80に隣接してその一側に配置されており、起立した姿勢に支持されたワイプ部材91を有している。本実施形態のワイプ部材91は、ゴム状の弾性部材により薄板状に形成され、先端がキャッピング部80側に向けて若干湾曲した形状となっている。そして、キャッピング部80とワイピング部90とは、これらを一体に保持する筐体部102を介してベース部材103に固定されている。
本実施形態のメンテナンス装置によるワイピング動作は、まず、制御装置58(図6)により、ヘッドユニット42をワイピング位置に配置する。ワイピング位置とされたヘッドユニット42は、各印字部41に対応したプラテン46の各開口部46Aから、印字部41を構成する複数の記録ヘッド43のノズル形成面43Aがメンテナンスユニット47側に突出した状態となる。この状態において、制御装置58は、メンテナンスユニット47を記録紙の搬送方向に沿うように、図12中Y方向手前側(矢印で示す方向)へ向かって移動させる。メンテナンスユニット47の移動に伴い、メンテナンス位置とされたヘッドユニット42の各記録ヘッド43のノズル形成面43Aをワイプ部材91によって払拭することが可能である。
本実施形態では、ワイプ部材91によって掻き出したインクが、ワイプ部材91の払拭方向前方に配置されているキャッピング部80のインク吸収体84に吸収されるようになっている。ワイプ部材91は、その先端が屈曲形状とされているので、ノズル形成面43Aに当接して撓み変形したワイプ部材91が弾性復帰する際に、掻き出したインクがキャッピング部80以外の範囲に飛散してしまうのを抑えることが可能である。
なお、ワイプ部材91の材質、厚み、高さなどを変えることでノズル形成面43Aに対する摺接力を強めることができる。これにより、ノズル形成面43Aに付着したインクが残留するのを低減させることが可能となり、ワイプ部材91による払拭効率を向上させることができる。
本実施形態によれば、記録紙12を支持するプラテン46に、ヘッドユニット42の各印字部41に対応して4つの開口部46Aが形成されている。開口部46Aは、印字部41を構成する複数の記録ヘッド43を全て挿通可能とする大きさで形成されている。そのため、ヘッドユニットの各記録ヘッドを対向するプラテンの各開口部内にそれぞれ個別に挿入する構成よりも、ヘッドユニット42とプラテン46との位置合わせが容易になり、組立時間を短縮することが可能となる。これは、ヘッドユニット42の記録ヘッド43の数が多い場合に特に有効となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図13を用いて説明する。図13は、本実施形態のメンテナンス装置におけるメンテナンスユニット56の概略構成を示す斜視図であって、(a)は全体図、(b)部分拡大図である。
本実施形態のメンテナンスユニット56は、図12に示した第2実施形態のメンテナンスユニット47に代えて用いられるものである。
本実施形態では、ヘッドユニット42における複数の記録ヘッド43のうち、一部の記録ヘッド43に対して選択的にワイピング処理を実施することが可能な点において先の実施形態と異なっている。メンテナンス装置におけるメンテナンスユニットの構成が上記第2実施形態と異なるため、以下では、メンテナンスユニットの構成について詳述する。
図13(a)に示すように、本実施形態のメンテナンスユニット56は、上述したヘッドユニット42の各印字部41に対応した複数(4つ)のメンテナンス部57を有して構成されている。メンテナンス部57は、ベース部材103の長手方向(X方向)に沿って複数のキャッピング部80をライン状に多数整列配置してなるキャップユニット80Aと、同じくベース部材103の長手方向(X方向)に沿って複数のワイピング部90をライン状に多数整列配置してなるワイプユニット90Aとを有している。そして、これら配列方向(Y方向)で隣り合うキャッピング部80とワイピング部90とが同一の記録ヘッド43に対応することになる。
4つのメンテナンス部57は、ベース部材103の短手方向(記録紙12の搬送方向)に沿って配列されており、その配列方向においてキャップユニット80Aとワイプユニット90Aとが交互に存在する。そして、1つのメンテナンス部57に属するキャッピング部80とワイピング部90は、ライン延在方向(X方向)に等間隔に配列される一方、異なるメンテナンス部57に属して隣り合うキャップユニット80Aとワイピングユニット90A同士は、ライン延在方向においてずらされた位置に配置されている。すなわち、個々のキャッピング部80およびワイピング部90は、メンテナンスユニット56の幅方向(X方向)に対してジグザグに配置されている。
ワイプ部材91は、湾曲した先端の向きを統一させ、その平面視における長手方向をベース部材103の短手方向(Y方向)に沿わせた状態で配置されている。
ベース部材103には、各メンテナンス部57のワイプユニット90Aに対応して4つの開口部103Aが形成されている。図13(b)に示すように、ワイプユニット90Aを構成する複数のワイピング部90同士は、ワイプ部材91を支持する支持部92に、ベース部材103に形成された開口部103Aから一部を露出させた連結部94が接続されることにより互いに連結されている。
本実施形態のメンテナンス装置は、各メンテナンス部57のワイプユニット90Aを個別に昇降可能な昇降機構95(図1)を備えている。昇降機構95は、各ワイピング部90を連結している連結部94に接続された伸縮部(不図示)を介して接続されており、この伸縮部が伸縮することによって、ベース部材103からのワイプユニット90Aの高さ位置を変化させることができる。
ワイピング処理を実施するには、まず、制御装置58は、ヘッドユニット42をメンテナンス位置に配置した後、メンテナンスの必要な印字部41を判定する。次に、昇降機構95を駆動して、メンテナンスが必要であると判定した印字部41に対応するワイプユニット90Aに接続された不図示の伸縮部を伸長させる。その状態で、制御装置58は、第2移動機構72によりメンテナンスユニット56を記録紙の搬送方向に交差する方向(図中矢印で示す方向)に移動させる。具体的には、ワイプ部材91の湾曲した先端が向かう方向(X方向手前)側に向かって移動させ、ワイプ部材91によって対向する記録ヘッド43のノズル形成面43Aを払拭する。
本実施形態では、各ワイプユニット90Aを独立して昇降可能な昇降機構95を備えているので、ヘッドユニット42における特定の印字部41に対して選択的に対応するワイプユニット90Aを昇降させることが可能である。これにより、メンテナンスが必要な印字部41に対応してのみワイピング処理を実施することが可能となり、メンテナンス時間を短縮することができる。
なお、昇降機構95が、ワイプユニット90Aを面方向(XY面)に移動させる移動機能を兼ねた構成としてもよい。これにより、メンテナンスユニット56全体を移動させる必要がなくなるため、駆動動力が小さくてすむ。
本実施形態では、ワイプユニット90A毎に昇降が可能な構成となっているが、ワイピング部90毎に昇降が可能な構成であってもよい。これにより、ヘッドユニット42全体においてメンテナンスが必要な記録ヘッド43に対してのみワイピング動作を実施することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
先の実施形態では、ヘッドユニット4が搬送経路10を構成するプラテン6に対して移動する構成となっていたが、ヘッドユニット4を固定して、プラテン6およびメンテナンスユニット7を移動させる構成としてもよい。これは、プラテン6を移動させる移動機構(不図示)を設けることで可能である。具体的には、上記移動機構によりヘッドユニット4に対するプラテン6の位置を変化させることによって、記録ヘッド13のノズル形成面13Aをプラテン6の開口部65からメンテナンス装置11側に突出させ、ヘッドユニットをメンテナンス位置(ワイピング位置、キャッピング位置)に配置するようにしても良い。
また、ヘッドユニット4およびプラテン6の両方を移動させる構成としてもよい。メンテナンス動作時において、ヘッドユニット4およびプラテン6の双方を同時に移動させることによって、各記録ヘッド13をそのノズル形成面13Aがプラテン6の開口部6Aからメンテナンス装置11側へ突出させることにより、ヘッドユニット4をメンテナンス位置に迅速に配置することが可能である。
上記実施形態は、インクジェット式のプリンタが採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置と、その流体を収容した流体容器を採用しても良い。
微小量の液滴を吐出させる流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記流体噴射装置から吐出される流体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう流体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての流体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。
また、流体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種流体組成物を包含するものとする。
流体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む流体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および流体容器に本発明を適用することができる。
第1実施形態のインクジェット式プリンタの概略構成図。 第1実施形態のヘッドユニットの周辺の要部平面図。 第1実施形態のヘッドユニットの概略構成斜視図。 第1実施形態のプラテンの概略構成を示す平面図。 第1実施形態のメンテナンスユニットの概略構成斜視図であって、(a)は全体図、(b)は部分拡大図。 第1実施形態のインクジェットプリンタの電気的な構成を示すブロック図。 第1実施形態のワイピング動作の説明図。 第1実施形態のワイピング動作の説明図。 第1実施形態においてキャッピング位置に配置されたヘッドユニットを示す断面図。 プラテンの変形例を示す断面図。 第2実施形態のヘッドユニットおよびプラテンの概略構成を示す斜視図。 第2実施形態のメンテナンス装置におけるメンテナンスユニットの概略構成を示す斜視図であって、(a)は全体図、(b)部分拡大図。 第3実施形態のメンテナンス装置におけるメンテナンスユニットの概略構成を示す斜視図。
符号の説明
100…インクジェットプリンタ(流体噴射装置)、13,43…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、11…メンテナンス装置、71…第1移動機構、20,90…ワイピング部、30,80…キャッピング部、95…昇降機構

Claims (11)

  1. 媒体に対して流体を噴射するノズルを形成したノズル形成面を有した流体噴射ヘッドと、
    前記媒体の搬送経路を介して前記流体噴射ヘッドと反対側に配置されるメンテナンス装置と、
    前記流体噴射ヘッドと前記搬送経路のうち少なくとも一方を移動させて前記流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に配置する移動機構と、を備え、
    前記メンテナンス位置において、前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面が前記媒体の前記搬送経路よりも前記メンテナンス装置側に配置される
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記移動機構が、前記流体噴射ヘッドを移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
  3. 前記移動機構が、前記搬送経路を移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
  4. 前記移動機構が、前記流体噴射ヘッドおよび前記搬送経路を移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
  5. 前記メンテナンス装置が、
    前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面に摺接可能なワイピング部と、
    前記ノズル形成面に当接可能なキャッピング部と、を備える
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  6. 前記流体噴射ヘッドが複数設けられ、
    前記メンテナンス装置は、前記複数の流体噴射ヘッドの一部に対して選択的に前記ワイピング部を昇降させる昇降機構を備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  7. 前記搬送経路には、前記流体噴射ヘッドの前記ノズル形成面を挿通可能な開口部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  8. 媒体に対して流体を噴射するノズルを形成したノズル形成面を有した流体噴射ヘッドと、前記媒体の搬送経路を介して前記流体噴射ヘッドと反対側に配置されるメンテナンス装置と、前記流体噴射ヘッドと前記媒体の搬送経路とを相対的に移動させて前記流体噴射ヘッドをメンテナンス位置に配置させる移動機構と、を備える流体噴射装置のメンテナンス方法であって、
    前記流体噴射ヘッドと前記搬送経路のうち少なくとも一方を移動させて、前記ノズル形成面が前記媒体の前記搬送経路よりもメンテナンス装置側に位置するメンテナンス位置に前記流体噴射ヘッドを配置する移動工程と、
    前記メンテナンス位置に配置された前記流体噴射ヘッドに対してメンテナンス処理を実施する処理工程と、を有する
    ことを特徴とする流体噴射装置のメンテナンス方法。
  9. 前記移動工程において、
    前記移動機構により前記流体噴射ヘッドを前記メンテナンス位置へ移動させる
    ことを特徴とする請求項8記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  10. 前記移動工程において、
    前記移動機構により前記搬送経路を移動させることで前記流体噴射ヘッドを前記メンテナンス位置に配置する
    ことを特徴とする請求項8記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
  11. 前記移動工程において、
    前記移動機構により前記流体噴射ヘッドおよび前記搬送経路を移動させることで前記流体噴射ヘッドを前記メンテナンス位置に配置する
    ことを特徴とする請求項8記載の流体噴射装置のメンテナンス方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014193537A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Brother Ind Ltd 液体吐出装置
JP2017081174A (ja) * 2017-01-26 2017-05-18 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置

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