JP6081782B2 - リチウムイオン二次電池用電極材料、リチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極材料、リチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、レート特性に優れたリチウムイオン二次電池を与える電極材料及びこの電極材料を用いた正極を備えたリチウムイオン二次電池に関する。本発明はまた、上記電極材料の製造に適したリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法に関する。
携帯電話やノート型パソコンなどの情報機器の電源として、エネルギー密度が高い非水系電解液を使用したリチウムイオン二次電池が広く使用されているが、これらの情報機器の高性能化や取扱う情報量の増大に伴う消費電力の増加に対応するために、リチウムイオン二次電池の放電容量の向上が望まれている。また、石油消費量の低減、大気汚染の緩和、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量の低減などの観点から、ガソリン車やディーゼル車に代わる電気自動車やハイブリッド自動車などの低公害車に対する期待が高まっており、これらの低公害車のモーター駆動電源として、高い放電容量を有する大型のリチウムイオン二次電池の開発が望まれる。
現在の非水系電解液を使用したリチウムイオン二次電池は、コバルト酸リチウム(LiCoO)を正極活物質とし、黒鉛を負極活物質とし、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)などのリチウム塩をエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの非水系溶媒に溶解させた液を電解液としたものが主流である。しかし、正極活物質であるコバルト酸リチウムに関しては、コバルトが高価であるため大量使用が困難であるという問題がある。そこで、資源的に豊富で安価なMnを主体とし、約4Vの高い電池電圧を得ることができるLiMnが、次世代の正極活物質として注目されてきた。スピネル型構造を有するLiMnは、結晶構造中にリチウムイオンが移動可能な通路を有するため、リチウムイオンの速い拡散が可能であり、良好な出力特性を示す。しかしながら、LiMnは、充放電を繰り返すにつれてヤーン・テーラー歪により結晶構造変化が生じやすく、また、Mn3+イオンが電解液に溶出されやすいため、サイクル安定性が悪いという問題を有している。
この問題を解決するため、LiMnにおける(16d)サイトのMn3+をLi、Mg、Al等の金属のイオンで置換した正極活物質の検討が行われてきた(例えば、特許文献1(特開平11−71115号公報)、特許文献2(特開2002−104827号公報)、特許文献3(特開2002−226214号公報)、特許文献4(特開2006−114408号公報)、特許文献5(特開2011−108406号公報)、特許文献6(特開2011−219354号公報)参照)。金属置換により結晶構造が安定化し、サイクル特性が改善される。この置換された酸化物は、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、Xは置換量を表わす。以下、単に「スピネル型酸化物」という。)で表わすことができる。
これらのスピネル型酸化物は一般に、固相反応法又は噴霧熱分解法により製造される。特許文献1は、平均凝集粒子径が0.5〜50μmであるマンガン化合物と、リチウム化合物と、他の金属を含む化合物とを混合し、焼成することにより、平均凝集粒子径が1〜50μmであり、BET比表面積が0.1〜5m/gであるスピネル型酸化物を得る方法を提案している。特許文献2は、一次粒子の平均粒径が0.01μm以上、0.2μm以下である酸化マンガンを主成分とする微粒子と、リチウム含有化合物と、マンガン、リチウムを除く金属の化合物とを加熱処理することにより、一次粒子の平均粒径が0.01μm以上、0.2μm以下であり、二次粒子の平均粒径が0.2μm以上、100μm以下であるスピネル型酸化物を得る方法を提案している。特許文献3は、マンガンの平均酸化数が8/3以上のマンガン化合物と、リチウム化合物と、他の金属を含む化合物との混合物を、500℃以下の温度で第1の焼成を行った後に、500℃を超えて950℃以下の温度で第2の焼成を行い、その後に500℃まで冷却するのに1時間当たり20℃以下の速度で行うことにより、平均粒子径が5〜20μm、BET比表面積が1.0m/g以下であり、且つ、平均結晶子径が1000オングストローム以上であるスピネル型酸化物を製造する方法を提案している。
特許文献4は、噴霧熱分解法により得られた中実状のスピネル型酸化物粒子を空気雰囲気下で650〜850℃、1〜24時間焼成することにより、結晶子サイズが30〜150nmの一次粒子が凝集したナノ構造から構成されるスピネル型酸化物を製造する方法を提案している。特許文献5は、リチウム化合物と、マンガン化合物と、他の金属の化合物を増粘剤で分散させた溶液を生成し、得られた溶液を噴霧し、噴霧されたミストを加熱して前駆体を生成し、この前駆体を焼成することにより、凝集した二次粒子から成るスピネル型酸化物を製造する方法を提案している。特許文献6は、他の金属とマンガンを含むマンガン複合水溶液、アンモニア水溶液及びシュウ酸水溶液を混合反応してマンガン複合シュウ酸塩を製造し、このマンガン複合シュウ酸塩を乾燥した後熱処理してマンガン複合酸化物を製造し、次いで、得られたマンガン複合酸化物とリチウム化合物とを混合して高温で焼成することにより、100〜2000nmの一次粒子が凝集して5〜20μmの二次粒子を形成したスピネル型酸化物を製造する方法を提供している。
上記特許文献1〜6の方法により得られたスピネル型酸化物から成る正極活物質は、導電性カーボン粉末と混合され、リチウムイオン二次電池の正極のための電極材料として使用される。スピネル型酸化物と混合される導電性カーボン粉末は、導電性の低い活物質と併用されて電極材料に導電性を付与する役割を果たすが、これだけでなく、活物質のリチウムの吸蔵・放出に伴う体積変化を吸収するマトリックスとしても作用し、また、活物質が機械的な損傷を受けても電子伝導パスを確保するという役割も果たしている。
上述したように活物質を製造した後に導電性カーボン粉末と混合する方法が一般的であるが、導電性カーボン粉末の共存下で活物質を製造する方法も存在する。出願人は、金属酸化物から成る活物質の生成と共に、導電剤としての導電性カーボン粉末に生成した金属酸化物を担持させる方法として、特許文献7(特開2007−160151号公報)において、旋回する反応器内で反応物にずり応力と遠心力を加えて化学反応を進行させる反応方法を提案している。
特開平11−71115号公報 特開2002−104827号公報 特開2002−226214号公報 特開2006−114408号公報 特開2011−108406号公報 特開2011−219354号公報 特開2007−160151号公報
上述したように、LiMnにおける(16d)サイトのMn3+をLi、Mg、Al等の金属のイオンで置換したスピネル型酸化物から成る正極活物質の使用により、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が改善されるが、リチウムイオン二次電池に要求されているのは優れたサイクル特性だけでなく、高レートでの充放電においても高い放電容量を示すことも要求されている。特に、ハイブリッド自動車用のリチウムイオン二次電池にとって、自動車が発進する際や加速する際のパワーアシスト性能、自動車が減速する際の運動エネルギーの回生性能が重要であり、正極活物質には短時間で大電流を出し入れする能力が要求され、10C或いはそれ以上のレートでの充放電における高い容量が要請されている。
特許文献4〜6には、得られたスピネル型酸化物を用いたリチウムイオン二次電池のレート特性についても記載されている。特許文献4の製造方法で得られたスピネル型酸化物を正極のために用いたリチウムイオン二次電池では、レート10Cでの充放電における容量がレート5Cでの充放電における容量の約60〜98%に低下しており、レート15C以上の充放電では容量が顕著に低下している(この文献の表3参照)。また、特許文献5の製造方法で得られたスピネル型酸化物を正極のために用いたリチウムイオン二次電池は、レート1Cでの充放電において120mAh/gの容量を示したものの、レート10Cでの充放電では容量が90mAh/gに低下している(この文献の図7参照)。特許文献6の製造方法で得られたスピネル型酸化物を正極のために用いたリチウムイオン二次電池は、レート1Cでの充放電において約107mAh/gの容量を示したが、レート4Cでの充放電では容量が約90〜100mAh/gに低下している(この文献の図11参照)。
したがって、上述した10C或いはそれ以上のレートでの充放電における高い容量の要請に答えることができるスピネル型酸化物から成る正極活物質は、これまで知られていなかった。
そこで、本発明の目的は、サイクル特性が改善されたスピネル型酸化物を基礎として、良好なサイクル安定性を保ちつつ上述した要請に答えることができる優れたレート特性を有するリチウムイオン二次電池へと導く電極材料を提供することである。
発明者らは、特許文献7に示されている反応方法の適用可能性を検討した。この反応方法は、一種又は二種以上の金属酸化物のナノ粒子を導電性カーボン粉末に担持させることができ、また、導電性カーボン粉末上に金属酸化物が担持されるため、導電剤をさらに混合する工程も不要であるか、或いは導電剤の量を減少させることができる。しかしながら、特許文献7に具体的に示されているのは、ずり応力と遠心力を加えて加速化したゾルゲル反応による酸化チタン、酸化ルテニウム等の生成反応だけであり、スピネル型酸化物の製造については示唆されておらず、この反応方法の応用が未だ十分に検討されていなかった。
発明者らが検討したところ、特許文献7の反応方法を利用することにより、導電性カーボン粉末上に微細なスピネル型酸化物の結晶が付着している電極材料が得られることがわかった。しかも、この微細なスピネル型酸化物の粒子は、多面体形状を有する結晶粒子であり、10〜50nmの粒径を有する一次粒子の形態で存在し、特許文献1〜6におけるスピネル型酸化物のような凝集した二次粒子を形成していなかった。そして、この電極材料を正極のために用いたリチウムイオン二次電池は、優れたレート特性を示し、上述した10C或いはそれ以上のレートでの充放電における高い容量の要請にも答えることができた。
したがって、本発明はまず、導電性カーボン粉末と、該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、を含み、上記スピネル型酸化物の粒子が、実質的に、10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極材料を提供する。xが0.15を超えると、充放電時の酸化還元反応に寄与する3価のMnが減少し、結果的にリチウムイオン二次電池の放電容量が低下するため好ましくない。ここで、「実質的に10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子である」とは、スピネル型酸化物の粒子の90%以上が10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子の形態で存在することを意味し、粒径はTEMによる観察結果から求めたものである。
本発明の電極材料では、多面体形状を有するスピネル型酸化物の結晶粒子が、10〜50nmの粒径を有する一次粒子の形態で存在している。したがって、荷電交換・荷電移動反応の有効反応面積を大きくすることができ、充放電時におけるリチウムイオンの移動距離を短くすることができる。また、特許文献7の反応方法を利用して製造されているため、スピネル型酸化物の微細な結晶粒子と導電性カーボン粉末とが均一に混合されており、しかも、上記結晶粒子が導電性カーボン粉末に密着性良く付着している。これらのことが、高レートでの充放電においても高い容量を有するリチウムイオン二次電池が得られる要因であると考えられる。
図1は、電極材料の動作を説明する概念図であり、この図を用いて本発明の電極材料の使用により高レートでの充放電においても高い容量を有するリチウムイオン二次電池が得られる理由をさらに詳細に説明する。従来の電極材料では、図1(b)に示すように、粒径の大きなスピネル型酸化物の二次粒子が導電性カーボン粉末によって接合された状態になっており、スピネル型酸化物の粒子とカーボン粉末との接合及びカーボン粉末同士の接合は密ではない。したがって、二次粒子のリチウムの固体内拡散に時間がかかり、さらにカーボン粉末を通して同時におこる集電体への電子伝導パスも良好ではない。これに対して、本発明の電極材料では、図1(a)に示すように、10〜50nmの粒径を有するスピネル型酸化物の結晶性一次粒子が導電性カーボン粉末に密に接合しており、カーボン粉末同士の接合も良好である。そのため、リチウムの固体内拡散が速く、さらに電子伝導パスも良好である。このことによって、本発明の電極材料の使用によりレート特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られると考えられる。
一般式LiMMn(2−x)におけるMは、Mg、Al、Co、Cr、Fe及びNiから選択された金属であるのが好ましい。これらの金属のイオンによる(16d)サイトのMn3+の置換により、サイクル安定性に優れたリチウムイオン二次電池へと導く電極材料が得られるからである。
特許文献7に示されている、反応液を旋回可能な反応器内に導入した後、反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加える反応方法は、導電性カーボン粉末上でスピネル型酸化物の粒子を形成するために適している。
したがって、本発明はまた、導電性カーボン粉末と、該導電性カーボン粉末に付着している一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、を含むリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
a1)Liを含む化合物とMnを含む化合物とを含む活物質原料を溶解させた溶液に導電性カーボン粉末を添加した反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b1)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、上記導電性カーボン粉末に上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる担持工程、及び、
c1)上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させた導電性カーボン粉末を、上記Mで表される金属を含む化合物と混合した後、加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含むことを特徴とする、第1の製造方法を提供する。第1の製造方法により、本発明の電極材料を好適に得ることができる。
b1)の担持工程において上記反応器の旋回により上記反応液に印加される遠心力は、一般に「超遠心力」といわれる範囲の遠心力であり、好ましくは1500kgms−2以上、特に好ましくは70000kgms−2以上の遠心力である。この範囲の遠心力により、スピネル型酸化物を構成するLiの化合物及びMnの化合物及び/又はその反応生成物が均一な大きさの微粒子として導電性カーボン粉末上に担持される。本明細書において、旋回する反応器内で反応液にずり応力と遠心力とを印加する処理を、「超遠心処理」ということがある。反応器としては、反応液に超遠心力を印加可能な反応器であれば特に限定なく使用することができるが、特許文献7の図1に記載されている、外筒と内筒の同心円筒からなり、旋回可能な内筒の側面に貫通孔が設けられ、外筒の開口部にせき板が配置されている反応器が好適に使用される。特許文献7における反応器に関する記載は、参照により本明細書に組み入れられる。上記反応器において、内筒外壁面と外筒内壁面との間隔は、5mm以下であるのが好ましく、2.5mm以下であるのがより好ましい。
そして、b1)工程の生成物をMで表される金属を含む化合物と混合した後、加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する。加熱処理は一般に酸素含有雰囲気中で行われる。加熱温度は一般に200〜300℃である。300℃を超える温度における長時間の加熱は、導電性カーボン粉末の燃焼及び消失を促進する。しかしながら、600〜700℃の高温で、短時間、例えば3〜5分間、フラッシュ加熱する方法により、加熱処理を行っても良い。ここで、「フラッシュ加熱処理」とは、600〜700℃の加熱温度まで急速に昇温し、加熱後は急速に冷却する処理を意味する。フラッシュ加熱を行う場合には、上記導電性カーボン粉末の表面を、酸化スズ、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムから成る群から選択された金属酸化物のナノ粒子及び/又は薄膜で部分的に被覆しておくのが好ましい。これらの酸化物が、電極材料作成時の加熱による導電性カーボン粉末の燃焼及び消失を抑制し、また、これらの酸化物はスピネル型酸化物の形成に悪影響をもたらさないからである。もっとも、上記金属酸化物の量が多すぎると、電極材料の導電率が低下してリチウムイオン二次電池の放電容量が低下するため好ましくない。電極材料の導電率は10−3S/cm以上であるのが好ましい。なお、「ナノ粒子」とは、球状粒子の場合には直径が200nm以下の粒子を意味し、針状、管状或いは繊維状の粒子の場合には粒子断面の直径(短径)が200nm以下の粒子を意味する。ナノ粒子は、一次粒子であっても二次粒子であっても良い。
本発明はまた、導電性カーボン粉末と、該導電性カーボン粉末に付着している一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、を含むリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
a2)Liを含む化合物とMnを含む化合物と上記Mで表される金属を含む化合物とを含む活物質原料を溶解させた溶液に導電性カーボン粉末を添加した反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b2)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、上記導電性カーボン粉末に上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる担持工程、及び、
c2)上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させた導電性カーボン粉末を加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含むことを特徴とする、第2の製造方法を提供する。この方法は、第1の製造方法においてc1)工程において用いられるMで表される金属を含む化合物を、予めa2)工程で調製する反応液中に含ませておく方法であり、第1の製造方法の変形方法とも言える。この場合にも、特許文献7の図1に記載されている反応器を用いて超遠心処理を好適に行うことができ、反応液に印加される遠心力の大きさ及び内筒外壁面と外筒内壁面との間隔に関する上述の記載は、この場合にも当てはまる。また、第1の製造方法における加熱処理に関する記載も、この場合にも当てはまる。第2の製造方法により、本発明の電極材料を好適に得ることができる。
本発明はまた、導電性カーボン粉末と、該導電性カーボン粉末に付着している一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、を含むリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
a3)水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b3)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、Mnの水酸化物の核を生成させ、この生成したMnの水酸化物の核と上記導電性カーボン粉末とを分散させると同時に上記導電性カーボン粉末にMnの水酸化物を担持させる担持工程、及び、
c3)上記Mnの水酸化物を担持させた導電性カーボン粉末と、Liを含む化合物と、上記Mで表される金属を含む化合物と、を混合して加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含むことを特徴とする、第3の製造方法を提供する。この方法は、第1の製造方法のa1)工程における反応液として、水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を調製する方法であり、第1の製造方法の変形方法とも言える。ここで、実在しないものの慣用的に水酸化物として表されるMn(OH)(Mn・nHO)も、上述の「水酸化物」の範囲に含まれる。b3)工程において、反応液に含まれるMnのほとんど全てが導電性カーボン粉末上に微粒子として担持されるため、効率よく電極材料を得ることができる。特許文献7の図1に記載されている反応器を用いて超遠心処理を好適に行うことができ、反応液に印加される遠心力の大きさ及び内筒外壁面と外筒内壁面との間隔に関する上述の記載は、この場合にも当てはまる。また、第1の製造方法における加熱処理に関する記載も、この場合にも当てはまる。第3の製造方法により、本発明の電極材料を好適に得ることができる。
本発明はまた、導電性カーボン粉末と、該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、を含むリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
a4)水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、上記Mで表される金属を含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b4)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、Mnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物の核を生成させ、この生成したMnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物の核と上記導電性カーボン粉末とを分散させると同時に上記導電性カーボン粉末にMnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物を担持させる担持工程、及び、
c4)上記Mnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物を担持させた導電性カーボン粉末と、Liを含む化合物と、を混合して加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含むことを特徴とする、第4の製造方法を提供する。この方法は、第3の製造方法においてc3)工程において用いられるMで表される金属を含む化合物を、予めa4)工程で調製する反応液中に含ませておく方法であり、第3の製造方法の変形方法と言うことができ、したがってまた第1の製造方法の変形方法と言うこともできる。第4の製造方法により、本発明の電極材料を好適に得ることができる。この方法は特に、MがFe、Ni、Coを含む場合に好適である。ここで、実在しないものの慣用的に水酸化物として表されるFe(OH)(Fe・nHO)、Co(OH)(Co・nHO)、Ni(OH)(Ni・nHO)のような酸化水酸化物或いは水和酸化物も、上述の「水酸化物」の範囲に含まれる。b4)工程において、反応液に含まれるMn及び存在する場合にはFe、Co及びNiのほとんど全てが導電性カーボン粉末上に微粒子として担持されるため、効率よく電極材料を得ることができる。特許文献7の図1に記載されている反応器を用いて超遠心処理を好適に行うことができ、反応液に印加される遠心力の大きさ及び内筒外壁面と外筒内壁面との間隔に関する上述の記載は、この場合にも当てはまる。また、第1の製造方法における加熱処理に関する記載も、この場合にも当てはまる。
本発明の電極材料により、高レートでの充放電においても高い容量を示す優れたレート特性を有するリチウムイオン二次電池が得られる。したがって、本発明はまた、本発明の電極材料を含む活物質層を有する正極を備えたリチウムイオン二次電池に関する。
本発明の電極材料では、実質的に10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子の形態で存在するスピネル型酸化物が導電性カーボン粉末に密着性良く且つ均一に付着しており、荷電交換・荷電移動反応の有効反応面積を大きくすることができ、充放電時におけるリチウムイオンの移動距離を短くすることができる。そのため、本発明の電極材料を正極のために使用することにより、10C或いはそれ以上のレートでの充放電においても高い容量を示す優れたレート特性を有するリチウムイオン二次電池が得られる。また、本発明の電極材料に含まれているスピネル型酸化物粒子が顕著に大きい比表面積を有しているにもかかわらず、本発明の電極材料の使用により優れたサイクル安定性を有するリチウムイオン二次電池が得られる。
電極材料の動作を説明するための概念図であり、(a)は本発明の電極材料に関する図であり、(b)は従来の電極材料に関する図である。 本発明の電極材料のTEM写真である。 本発明の電極材料を用いたリチウムイオン二次電池におけるレート特性を示した図である。 本発明の電極材料を用いたリチウムイオン二次電池におけるサイクル特性を示した図である。
(A)電極材料
本発明のリチウムイオン二次電池用電極材料は、導電性カーボン粉末と、該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表される微細なスピネル型酸化物の粒子と、を含む。そして、微細なスピネル型酸化物の粒子は、多面体形状を有する結晶粒子であり、しかも実質的に10〜50nmの粒径を有する一次粒子の形態で存在し、凝集した二次粒子を実質的に形成していない。
一般式LiMMn(2−x)において、MはMn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、好ましくは、平均価数が+3価以下である一種以上の金属を表わす。具体的には、Liの他、B、Mg、Ca、Ba、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Sn、In、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Hf、Ta、Pb、Te、Wが挙げられる。Mが、Mg、Al、Co、Cr、Fe及びNiから選択された金属であるのが特に好ましい。これらの金属による(16d)サイトのMn3+の置換により、サイクル安定性に優れたリチウムイオン二次電池へと導く電極材料が得られるからである。
導電性カーボン粉末と、該導電性カーボン粉末に付着しているスピネル型酸化物の粒子と、を含むリチウムイオン二次電池用電極材料は、以下に示す第1〜第4の製造方法により得ることができる。これらの方法により、本発明の電極材料を好適に得ることができる。
(i)第1の製造方法
第1の製造方法は、
a1)Liを含む化合物とMnを含む化合物とを含む活物質原料を溶解させた溶液に導電性カーボン粉末を添加した反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b1)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、上記導電性カーボン粉末に上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる担持工程、及び、
c1)上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させた導電性カーボン粉末を、上記Mで表される金属を含む化合物と混合した後、加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含む。
a1)の調製工程では、溶媒に、活物質原料としてのLiを含む化合物及びMnを含む化合物と、導電性カーボン粉末とを添加し、上記化合物を溶媒に溶解させることによって、反応液を得る。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない液であれば特に限定なく使用することができ、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを好適に使用することができる。2種以上の溶媒を混合して使用しても良い。水を好適に使用することができる。
活物質原料としてのLiを含む化合物及びMnを含む化合物としては、上記溶媒に溶解可能な化合物を特に限定なく使用することができる。例としては、上記金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。一種の金属について、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良い。
導電性カーボン粉末としては、導電性を有しているカーボンであれば特に限定なく使用することができる。例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、活性炭、メソポーラス炭素などを挙げることができる。また、気相法炭素繊維を使用することもできる。これらのカーボン粉末は、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。カーボン粉末の少なくとも一部がカーボンナノファイバであるのが好ましい。導電性の高い電極材料が得られるからである。導電性カーボンが球状の粒子である場合には、粒子の直径が10nm〜300nmの範囲であるのが好ましく、10〜100nmの範囲であるのがより好ましく、10〜50nmの範囲であるのが特に好ましい。導電性カーボンが針状、管状或いは繊維状の粒子である場合には、粒子断面の直径(短径)が10nm〜300nmの範囲であるのが好ましく、10〜100nmの範囲であるのがより好ましく、10〜50nmの範囲であるのが特に好ましい。
旋回可能な反応器としては、反応液に超遠心力を印加可能な反応器であれば特に限定なく使用することができるが、特許文献7(特開2007−160151号公報)の図1に記載されている、外筒と内筒の同心円筒からなり、旋回可能な内筒の側面に貫通孔が設けられ、外筒の開口部にせき板が配置されている反応器が好適に使用される。以下、この好適な反応器を使用する形態について説明する。
超遠心力場での反応に付すための反応液は、上記反応器の内筒内に導入される。予め調製した反応液を内筒内に導入しても良く、内筒内で反応液を調製することにより導入しても良い。活物質原料が溶媒に溶解しており且つ導電性カーボン粉末が液に分散している反応液が得られれば良く、溶媒に対する、Liを含む化合物、Mnを含む化合物及び導電性カーボン粉末の添加順序には限定がない。溶媒にMnを含む化合物と導電性カーボン粉末とを添加し、得られた液を攪拌して導電性カーボン粉末を液に分散させた後、リチウムを含む化合物を添加するのが好ましい。導電性カーボン粉末の分散性を高めることによって、以下の担持工程において活物質原料及び/又はその反応生成物がより均一且つ微細にカーボン粉末上に担持されるからである。攪拌は、ホモジナイザー等の攪拌手段を用いて行っても良く、反応器内で反応液を調製する場合には反応器を旋回させることによって行っても良い。反応液にはさらに、以下の担持工程において目的の反応生成物を導電性カーボンに担持させるために、反応促進剤を添加することができる。反応促進剤としては、加水分解反応を促進するNaOH、KOH、NHOH、Na、NaHCO等が挙げられる。
b1)の担持工程では、反応器を旋回させて反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、上記導電性カーボン粉末に、活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる。反応液の種類に依存して、活物質原料が多く担持されることもあり、水酸化物等の反応生成物が多く担持されることもある。
活物質原料から反応生成物への転化、及び、活物質原料及び/又はその反応生成物の導電性カーボン粉末への担持は、反応液に加えられるずり応力と遠心力の機械的エネルギーによって実現されると考えられるが、このずり応力と遠心力は内筒の旋回により反応液に加えられる遠心力によって生じる。内筒の反応液に加えられる遠心力は、一般に「超遠心力」といわれる範囲の遠心力であり、一般には1500kgms−2以上、好ましくは70000kgms−2以上、特に好ましくは270000kgms−2以上である。
上述した外筒と内筒とを有する好適な反応器を使用する形態について説明すると、反応液を導入した反応器の内筒を旋回させると、内筒の旋回による遠心力によって、内筒内の反応液が貫通孔を通じて外筒に移動し、内筒外壁と外筒内壁の間の反応液が外筒内壁上部にずり上がる。その結果、反応液にずり応力と遠心力が加わり、この機械的なエネルギーにより、内筒外壁面と外筒内壁面の間で、反応液の種類に依存して、活物質原料から反応生成物への転化、及び、活物質原料及び/又はその反応生成物の導電性カーボン粉末への担持が生じる。活物質原料及び/又はその反応生成物は、この超遠心力場での反応により、極めて微細な粒として、分散性良く導電性カーボン粉末に担持される。
上記反応において、内筒外壁面と外筒内壁面との間隔が狭いほど、反応液に大きな機械的エネルギーを印加できるため好ましい。内筒外壁面と外筒内壁面との間隔は、5mm以下であるのが好ましく、2.5mm以下であるのがより好ましく、1.0mm以下であるのが特に好ましい。内筒外壁面と外筒内壁面との間隔は、反応器のせき板の幅及び反応器に導入される反応液の量によって設定することができる。
内筒の旋回時間には厳密な制限がなく、反応液の量や内筒の旋回速度(遠心力の値)によっても変化するが、一般的には0.5分〜10分の範囲である。反応終了後に、内筒の旋回を停止し、活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させた導電性カーボン粉末を回収して乾燥する。
c1)の熱処理工程では、回収物をMで表される金属を含む化合物と混合した後、加熱処理することにより、導電性カーボン粉末上でスピネル型酸化物を形成する。ここで、Mで表される金属を含んでいる化合物を特に限定なく使用することができ、例えば、水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。これらの化合物は、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
上記b1)工程で得られた回収物と、Mで表わされる金属を含む化合物とを、必要に応じて適量の分散媒とを組み合わせ、必要に応じて分散媒を蒸発させながら混錬することにより、混錬物を得る。混錬のための分散媒としては、複合体に悪影響を及ぼさない媒体であれば特に限定なく使用することができ、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを好適に使用することができ、水を特に好適に使用することができる。
次いで、加熱処理を施すことにより、上記導電性カーボン粉末に担持された活物質原料及び/又はその反応生成物をMで表わされる金属を含む化合物と反応させ、スピネル型酸化物の粒子に転化させる。加熱処理は一般に酸素含有雰囲気中で行われる。酸素を含まない雰囲気中で加熱すると、反応生成物が還元されて目的のスピネル型酸化物が得られない場合がある。反応温度は一般に200〜300℃である。加熱時間は一般的に0.5〜5時間の範囲である。300℃を超える温度における長時間の加熱は、導電性カーボン粉末の燃焼及び消失を促進するため好ましくない。
上記担持工程において、活物質原料及び/又はその反応生成物が微粒子として分散性良く導電性カーボン粉末に担持されているため、熱処理工程で生成するスピネル型酸化物は微細で均一な大きさの粒子となる。
加熱処理はまた、600〜700℃の高温で短時間、例えば3〜5分間、フラッシュ加熱する方法により行っても良い。フラッシュ加熱処理の前に、低温で予備加熱を行うこともできる。予備加熱は必須ではない。予備加熱の雰囲気には厳密な制限がなく、真空中での予備加熱でも良く、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中での予備加熱でも良く、酸素、空気等の酸素含有雰囲気中での予備加熱でも良い。一般には、酸素含有雰囲気中又は不活性雰囲気中での加熱処理は200〜300℃の温度で3分〜2時間、真空中での予備加熱は常温〜200℃の温度で3分〜2時間の範囲で行われる。
フラッシュ加熱は、公知のフラッシュ加熱装置、例えばフラッシュランプを備えたフラッシュ加熱装置を用いて行うことができる。フラッシュ加熱の条件は、酸素含有雰囲気中600〜700℃で3〜5分間である。酸素を含まない雰囲気中でのフラッシュ加熱では、スピネル型酸化物が還元されて、目的の活物質が得られない。フラッシュ加熱温度が700℃よりも高温であると、またフラッシュ加熱時間が5分より長いと、導電性カーボン粉末の燃焼及び消失が進行しすぎて、電極材料の導電率が低下する。
フラッシュ加熱を行う場合には、a1)の調製工程に先立って、
p)上記導電性カーボン粉末の表面を、酸化スズ、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムから成る群から選択された金属酸化物のナノ粒子で部分的に被覆する工程、を実施するのが好ましい。これらの酸化物が電極材料作成時のフラッシュ加熱による導電性カーボン粉末の燃焼及び消失を抑制する。
上記p)工程は、溶媒と、Sn、Fe、Al、Ti、Si、Zrから成る群から選択された金属を含む化合物と、必要に応じて加水分解促進剤と、導電性カーボン粉末と、を含む液を用いて行うことができる。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない液であれば特に限定なく使用することができ、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどを好適に使用することができる。2種以上の溶媒を混合して使用しても良い。水を好適に使用することができる。
Sn、Fe、Al、Ti、Si、Zrを含む化合物としては、上記溶媒に溶解可能な化合物を特に限定なく使用することができる。例としては、上記金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良い。
加水分解促進剤としては、NaOH、KOH、NHOH、Na、NaHCO等を使用することができる。
溶媒に、Sn、Fe、Al、Ti、Si、Zrから成る群から選択された金属を含む化合物と、必要に応じて加水分解促進剤と、導電性カーボン粉末とを添加した後、ホモジナイザー、超音波照射等により攪拌・均一化した後、導電性カーボン粉末をろ過して乾燥し、加熱処理を施すことにより、表面が上記金属酸化物のナノ粒子で部分的に被覆された導電性カーボン粉末を得ることができる。
また、表面が上記金属酸化物のナノ粒子で部分的に被覆された導電性カーボン粉末は、上述したa1)〜c1)に類似した工程により得ることができる。この場合には、反応液の調製において、活物質原料の代わりに上述したSn、Fe、Al、Ti、Si、Zrを含む化合物を使用する。この場合には、真空中での加熱処理でも良く、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中での加熱処理でも良く、酸素、空気等の酸素含有雰囲気中での加熱処理でも良い。この場合にも、特許文献7の図1に記載されている反応器を用いて超遠心処理を好適に行うことができ、反応液に印加される遠心力の大きさ及び内筒外壁面と外筒内壁面との間隔に関する上述の記載は、この場合にも当てはまる。
また、上記a1)の調製工程に先立って、
p)´上記導電性カーボン粉末の表面に、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤、及びジルコネートカップリング剤から成る群から選択されたカップリング剤を結合させる工程、を実施することもできる。導電性カーボン粉末の表面に結合したカップリング剤が上記c1)工程において薄膜状の酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムに変化して、導電性カーボン粉末の表面を被覆する。
上記p)´工程において、シランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤として、公知のカップリング剤を特に限定なく使用することができる。例としては、メチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムエチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムジイソプロポキシモノエチルアセトアセテート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテートを挙げることができる。
上記カップリング剤を溶解可能なイソプロピルアルコール等の有機溶媒に、カップリング剤と導電性カーボン粉末とを添加し、ホモジナイザー、超音波照射等により攪拌・均一化した後、導電性カーボン粉末をろ過して乾燥することにより、上記カップリング剤が表面に結合した導電性カーボン粉末を得ることができる。
(ii)第2の製造方法
第2の製造方法は、
a2)Liを含む化合物とMnを含む化合物と上記Mで表される金属を含む化合物とを含む活物質原料を溶解させた溶液に導電性カーボン粉末を添加した反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b2)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、上記導電性カーボン粉末に上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる担持工程、及び、
c2)上記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させた導電性カーボン粉末を加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含む。
第2の製造方法は、第1の製造方法においてc1)工程において用いられるMで表される金属を含む化合物を、予めa2)工程で調製する反応液中に含ませておく方法であり、第1の製造方法の変形方法とも言える。
a2)の調製工程では、溶媒に、活物質原料としてのLiを含む化合物、Mnを含む化合物及びMで表される金属を含む化合物と、導電性カーボン粉末とを添加し、上記化合物を溶媒に溶解させることによって、反応液を得る。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない液であれば特に限定なく使用することができ、活物質原料としてのLiを含む化合物及びMnを含む化合物及びMで表わされる金属を含む化合物としては、溶媒に溶解可能な化合物を特に限定なく使用することができる。例としては、上記金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。一種の金属について、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を混合して使用しても良い。導電性カーボン粉末としては、導電性を有しているカーボンであれば特に限定なく使用することができる。この場合にも、活物質原料が溶媒に溶解しており且つ導電性カーボン粉末が液に分散している反応液が得られれば良く、溶媒に対する、Liを含む化合物、Mnを含む化合物、Mで表わされる金属を含む化合物及び導電性カーボン粉末の添加順序には限定がない。溶媒にMnを含む化合物及びMで表わされる金属を含む化合物と導電性カーボン粉末とを添加し、得られた液を攪拌して導電性カーボン粉末を液に分散させた後、リチウムを含む化合物を添加するのが好ましい。導電性カーボン粉末の分散性を高めることによって、以下の担持工程において活物質原料及び/又はその反応生成物がより均一且つ微細にカーボン粉末上に担持されるからである。攪拌は、ホモジナイザー等の攪拌手段を用いて行っても良く、反応器内で反応液を調製する場合には反応器を旋回させることによって行っても良い。
b2)の担持工程では、反応器を旋回させて反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、上記導電性カーボン粉末に、活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる。この場合にも、特許文献7の図1に記載されている反応器を用いて超遠心処理を好適に行うことができ、反応液に印加される遠心力の大きさ及び内筒外壁面と外筒内壁面との間隔、及び旋回時間に関する上述の記載は、この場合にも当てはまる。
c2)の熱処理工程では、回収物を加熱処理することにより、スピネル型酸化物の粒子に転化する。第1の製造方法における加熱処理に関する記載は、この場合にも当てはまるため、これ以上の説明を省略する。
(iii)第3の製造方法
第3の製造方法は、
a3)水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b3)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、Mnの水酸化物の核を生成させ、この生成したMnの水酸化物の核と上記導電性カーボン粉末とを分散させると同時に上記導電性カーボン粉末にMnの水酸化物を担持させる担持工程、及び、
c3)上記Mnの水酸化物を担持させた導電性カーボン粉末と、Liを含む化合物と、上記Mで表される金属を含む化合物と、を混合して加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含む。
第3の製造方法は、第1の製造方法のa1)工程における反応液として、水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を調製する方法に相当し、第1の製造方法の変形方法とも言える。
Mnを含む化合物としては、水溶性の化合物を特に限定なく使用することができる。例としては、Mnのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。単独の化合物を使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
Mnを含む化合物を水に溶解させた液のpHを上げていくと、MnにOHが配位するようになり、さらにpHを上げると、やがてはMnの水酸化物が不溶化する。a3)の調製工程では、pHを9〜11の範囲に調整した反応液を旋回可能な反応器内に入れ、或いは、旋回可能な反応器内で上記反応液を調製する。反応液中に不溶化したMnの水酸化物が認められる場合があるが、a3)の調製工程では、反応液中のMnのほとんどは導電性カーボン粉末上に担持されていない。
この反応液のpHの調整は、Liの水酸化物により行う。反応液は、Mnを含む化合物が水に溶解しており且つ導電性カーボン粉末が液に分散している液と、水にLiの水酸化物を溶解させた液と、を混合することにより容易に調製することができる。水にMnを含む化合物と導電性カーボン粉末とを添加し、得られた液を攪拌して導電性カーボン粉末を液に分散させた後、水にLiの水酸化物を溶解させた液と混合するのが好ましい。導電性カーボン粉末の分散性を高めることによって、以下の担持工程においてMnの水酸化物がより均一且つ微細にカーボン粉末上に担持されるからである。攪拌は、ホモジナイザー等の攪拌手段を用いて行っても良く、反応器内で反応液を調製する場合には反応器を旋回させることによって行っても良い。
次いで、b3)の担持工程において、反応器を旋回させる。この場合にも、特許文献7の図1に記載されている反応器を用いて超遠心処理を好適に行うことができ、反応液に印加される遠心力の大きさ及び内筒外壁面と外筒内壁面との間隔、及び旋回時間に関する上述の記載は、この場合にも当てはまる。反応器の旋回によるずり応力と遠心力により、すなわち、機械的エネルギーにより、Mnの水酸化物の核が生成する。この核は、旋回している反応器内で、分散されつつ均一に成長し、均一な大きさの微粒子として導電性カーボン粉末上に担持される。また、反応液中のMnのほとんど全てが水酸化物として導電性カーボン粉末上に担持されるため、効率が良い。反応液のpHが9未満では、担持工程における水酸化物の核の生成効率及び生成した水酸化物の導電性カーボン粉末への担持効率が低く、pHが11を超えると、担持工程における水酸化物の不溶化速度が速すぎて、微細な水酸化物が得られにくい。したがって、反応液のpHを9〜11の範囲に調整した上で、この反応液に旋回する反応器中で機械的エネルギーを印加することにより、反応液中に水酸化物の核を効率よく生成させることができ、ひいては水酸化物を均一な大きさの微粒子として導電性カーボン粉末に担持させることができる。
そして、c3)の熱処理工程において、Mnの水酸化物が均一な大きさの微粒子として担持された導電性カーボン粉末を、Liを含む化合物及びMで表わされる金属を含む化合物と混合した後、加熱処理を行う。
Liを含む化合物としては、Liを含んでいれば特に限定なく使用することができ、例えば、Liの水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。Mで表わされる金属を含む化合物としては、Mで表される金属を含んでいれば特に限定なく使用することができ、例えば、水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。これらの化合物は、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
上記b3)の担持工程で得られたMnの水酸化物の微粒子を担持させた導電性カーボン粉末と、Liを含む化合物と、Mで表わされる金属を含む化合物とを、必要に応じて適量の分散媒とを組み合わせ、必要に応じて分散媒を蒸発させながら混錬することにより、混錬物を得る。混錬のための分散媒としては、複合体に悪影響を及ぼさない媒体であれば特に限定なく使用することができる。
次いで、加熱処理を施すことにより、上記導電性カーボン粉末に担持されたMnの水酸化物をLiを含む化合物及びMで表わされる金属を含む化合物と反応させ、スピネル型酸化物の粒子に転化させる。第1の製造方法における加熱処理に関する記載は、この場合にも当てはまるため、これ以上の説明を省略する。
(iv)第4の製造方法
第4の製造方法は、
a4)水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、上記Mで表される金属を含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
b4)上記反応器を旋回させて上記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、Mnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物の核を生成させ、この生成したMnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物の核と上記導電性カーボン粉末とを分散させると同時に上記導電性カーボン粉末にMnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物を担持させる担持工程、及び、
c4)上記Mnの水酸化物及び上記Mで表される金属の水酸化物を担持させた導電性カーボン粉末と、Liを含む化合物と、を混合して加熱処理することにより、上記導電性カーボン粉末上で上記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
を含む。
第4の製造方法は、第3の製造方法においてc3)工程において用いられるMで表される金属を含む化合物を、予めa4)工程で調製する反応液中に含ませておく方法であり、第3の製造方法の変形方法と言うことができ、したがってまた第1の製造方法の変形方法と言うこともできる。この方法は特に、MがFe、Ni、Coを含む場合に好適である。
a4)の工程では、水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、Mで表される金属を含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を調製する。
Mnを含む化合物及びMで表わされる金属を含む化合物としては、水溶性の化合物を特に限定なく使用することができる。例としては、Mn又はMで表わされる金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機金属塩、ギ酸塩、酢酸塩等の有機金属塩、或いはこれらの混合物を使用することができる。一種類の金属について、単独の化合物を使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
反応液のpHの調整は、Liの水酸化物により行う。反応液は、Mnを含む化合物及びMで表わされる金属を含む化合物が水に溶解しており且つ導電性カーボン粉末が液に分散している液と、水にLiの水酸化物を溶解させた液と、を混合することにより容易に調製することができる。水にMnを含む化合物とMで表わされる金属を含む化合物と導電性カーボン粉末とを添加し、得られた液を攪拌して導電性カーボン粉末を液に分散させた後、水にLiの水酸化物を溶解させた液と混合するのが好ましい。導電性カーボン粉末の分散性を高めることによって、以下の担持工程においてMnの水酸化物及びMで表わされる金属の水酸化物がより均一且つ微細にカーボン粉末上に担持されるからである。攪拌は、ホモジナイザー等の攪拌手段を用いて行っても良く、反応器内で反応液を調製する場合には反応器を旋回させることによって行っても良い。
次いで、b4)の担持工程において、反応器を旋回させる。この場合にも、特許文献7の図1に記載されている反応器を用いて超遠心処理を好適に行うことができ、反応液に印加される遠心力の大きさ及び内筒外壁面と外筒内壁面との間隔、及び旋回時間に関する上述の記載は、この場合にも当てはまる。反応器の旋回によるずり応力と遠心力により、すなわち、機械的エネルギーにより、Mnの水酸化物及びMで表わされる金属の水酸化物の核が生成する。この核は、旋回している反応器内で、分散されつつ均一に成長し、均一な大きさの微粒子として導電性カーボン粉末上に担持される。
そして、c4)の熱処理工程において、Mnの水酸化物及びMで表わされる金属の水酸化物が均一な大きさの微粒子として担持された導電性カーボン粉末を、Liを含む化合物と混合した後、加熱処理を行う。Liを含む化合物としては、Liを含んでいれば特に限定なく使用することができる。
上記b4)の担持工程で得られたMnの水酸化物及びMで表わされる金属の水酸化物の微粒子を担持させた導電性カーボン粉末と、Liの化合物とを、必要に応じて適量の分散媒とを組み合わせ、必要に応じて分散媒を蒸発させながら混錬することにより、混錬物を得る。混錬のための分散媒としては、複合体に悪影響を及ぼさない媒体であれば特に限定なく使用することができる。
次いで、加熱処理を施すことにより、上記導電性カーボン粉末に担持されたMnの水酸化物及びMで表わされる金属の水酸化物をLiを含む化合物と反応させ、スピネル型酸化物の粒子に転化させる。第1の製造方法における加熱処理に関する記載は、この場合にも当てはまるため、これ以上の説明を省略する。
上記第1〜第4の製造方法により好適に得ることができる本発明の電極材料を用いてリチウムイオン二次電池の正極を形成すると、高レートでの充放電においても高い放電容量を示し、ハイブリッド自動車用のリチウムイオン二次電池に対して要請されている10C或いはそれ以上のレートでの充放電における高い容量の要請にも十分に答えうる、優れたレート特性を有するリチウムイオン二次電池が得られる。本発明の電極材料はまた、50nmより大きな一次粒子径又は二次粒子径を有するスピネル型酸化物の粒子、例えば特許文献1〜6の製造方法で得られたスピネル型酸化物の粒子、と混合して使用することもできる。大きな粒径を有するスピネル型酸化物と混合することにより、高いエネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が得られる。
(B)リチウムイオン二次電池
本発明の電極材料は、リチウムイオン二次電池の正極のために好適である。したがって、本発明はまた、本発明の電極材料を含む活物質層を有する正極と、負極と、負極と正極との間に配置された非水系電解液を保持したセパレータとを備えたリチウムイオン二次電池を提供する。
正極のための活物質層は、必要に応じてバインダを溶解した溶媒に、本発明の電極材料を分散させ、得られた分散物をドクターブレード法などによって集電体上に塗工し、乾燥することにより作成することができる。また、得られた分散物を所定形状に成形し、集電体上に圧着しても良い。
集電体としては、白金、金、ニッケル、アルミニウム、チタン、鋼、カーボンなどの導電材料を使用することができる。集電体の形状は、膜状、箔状、板状、網状、エキスパンドメタル状、円筒状などの任意の形状を採用することができる。
バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニル、カルボキシメチルセルロースなどの公知のバインダが使用される。バインダの含有量は、混合材料の総量に対して1〜30質量%であるのが好ましい。1質量%以下であると活物質層の強度が十分でなく、30質量%以上であると、負極の放電容量が低下する、内部抵抗が過大になるなどの不都合が生じる。
負極としては、一般的なリチウムイオン二次電池において使用されている黒鉛電極の他、公知の負極活物質を含む活物質層を備えた負極を特に限定無く使用することができる。負極活物質の例としては、Fe、MnO、MnO、Mn、Mn、CoO、Co、NiO、Ni、TiO、TiO、SnO、SnO、SiO、RuO、WO、WO、ZnO等の酸化物、Sn、Si、Al、Zn等の金属、LiVO、LiVO、LiTi12などの複合酸化物、Li2.6Co0.4N、Ge、Zn、CuNなどの窒化物を挙げることができる。
負極のための活物質層は、必要に応じてバインダを溶解した溶媒に、上記負極活物質と導電剤とを分散させ、得られた分散物をドクターブレード法などによって集電体上に塗工し、乾燥することにより作成することができる。また、得られた分散物を所定形状に成形し、集電体上に圧着しても良い。
集電体及びバインダについては、正極のための集電体及びバインダについての記載が負極においてもあてはまる。導電剤としては、カーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛などの炭素粉末を使用することができる。
セパレータとしては、例えばポリオレフィン繊維不織布、ガラス繊維不織布などが好適に使用される。セパレータに保持される電解液は、非水系溶媒に電解質を溶解させた電解液が使用され、公知の非水系電解液を特に制限なく使用することができる。
非水系電解液の溶媒としては、電気化学的に安定なエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル及びジメトキシエタン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド又はこれらの混合物を好適に使用することができる。
非水系電解液の溶質としては、有機電解液に溶解したときにリチウムイオンを生成する塩を、特に限定なく使用することができる。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(CFSO、LiCFSO、LiC(SOCF、LiN(SO、LiAsF、LiSbF、又はこれらの混合物を好適に使用することができる。非水系電解液の溶質として、リチウムイオンを生成する塩に加えて、第4級アンモニウムカチオン又は第4級ホスホニウムカチオンを有する第4級アンモニウム塩又は第4級ホスホニウム塩を使用することができる。例えば、R又はRで表されるカチオン(ただし、R、R、R、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す)と、PF 、BF 、ClO 、N(CFSO 、CFSO 、C(SOCF 、N(SO 、AsF 又はSbF からなるアニオンとからなる塩、又はこれらの混合物を好適に使用することができる。
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(i)電極材料の製造
実施例1:LiAl0.05Mn1.95を含む電極材料
特開2007−160151号公報の図1に示されている、外筒と内筒の同心円筒からなり、内筒の側面に貫通孔が設けられ、外筒の開口部にせき板が配置されている反応器の内筒に、1.54gのMn(CHCOO)・4HO及び0.21gの質量比でケッチェンブラック(粒径約40nm):カーボンナノファイバ(直径約20nm、長さ数百nm)=1:1に混合したカーボン混合物を水75mLに添加した液を導入し、70000kgms−2の遠心力が反応液に印加されるように内筒を300秒間旋回させ、Mn(CHCOO)・4HOを溶解させると共にカーボン混合物を分散させた。一旦内筒の旋回を停止し、内筒内に0.6gのLiOH・HOを水に溶解させた液を添加した。液のpHは10であった。次に、再び70000kgms−2の遠心力が反応液に印加されるように内筒を300秒間旋回させた。この間に、外筒の内壁と内筒の外壁との間でMn水酸化物の核が形成され、この核が成長してカーボン混合物の表面に担持された。内筒の旋回停止後に、カーボン混合物をろ過して回収し、空気中100℃で12時間乾燥した。ろ液をICP分光分析により確認したところ、Mn(CHCOO)・4HO原料に含まれるMnの95%以上が担持されていることがわかった。次いで、乾燥後の粉末と、Mn:Liが1.95:1になる量のLiOH・HOとMn:Alが質量比で1.95:0.05になる量のAl(NO・9HOとを含む水溶液を混合して混練し、乾燥後に、空気中300℃で1時間加熱処理し、電極材料を得た。図2に、得られた電極材料のTEM写真を示す。粒径が約20〜約30nmのLiAl0.05Mn1.95の一次粒子が分散性良く形成されていることがわかる。また、一次粒子は、多面体形状を有する結晶粒子であり、凝集して二次粒子を形成していないこともわかる。
実施例2:LiAl0.10Mn1.90を含む電極材料
Mn:Liが1.95:1になる量のLiOH・HOとMn:Alが質量比で1.95:0.05になる量のAl(NO・9HOとを含む水溶液の代わりに、Mn:Liが1.90:1になる量のLiOH・HOとMn:Alが質量比で1.90:0.10になる量のAl(NO・9HOとを含む水溶液を用いたことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。実施例1と同様に、粒径が約20〜約30nmの結晶性一次粒子が分散性良く形成されていた。
(ii)半電池として評価
実施例1及び2の電極材料にポリフッ化ビニリデンを全体の10質量%加えて成形したものを正極とし、1MのLiPFのエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート1:1溶液を電解液とし、対極をリチウムとした半電池を作成した。この評価は半電池としての評価であるが、負極を用いた全電池においても同様の効果が期待できる。
得られた半電池について、常温で広範囲の電流密度の条件下でLi/Liに対して3.0〜4.3Vの範囲で充放電特性を評価した。図3は、実施例1及び実施例2の電極材料を用いた半電池についてのレートと放電容量との関係を示した図である。
図3から把握されるように、実施例1の電極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、レート1Cにおいて122mAhg−1の高い容量を示し、レート10Cにおいても117mAhg−1(レート1Cにおける容量の96%)を示し、レート30Cにおいても111mAhg−1(レート1Cにおける容量の91%)を示した。実施例2の電極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、レート1Cにおいて116mAhg−1の高い容量を示し、レート10Cにおいても112mAhg−1(レート1Cにおける容量の97%)を示し、レート30Cにおいても103mAhg−1(レート1Cにおける容量の89%)を示した。これらの結果を、本明細書の冒頭部分に示した特許文献4〜6のリチウムイオン二次電池におけるレート特性と比較すると、実施例1及び実施例2の電極材料の使用により顕著に優れたレート特性を有するリチウムイオン二次電池が得られたことがわかる。この結果は、実施例1及び実施例2の電極材料において、実質的に約20〜約30nmの粒径を有する結晶性一次粒子の形態で存在するスピネル型酸化物が導電性カーボン粉末に密着性良く且つ均一に付着しており、荷電交換・荷電移動反応の有効反応面積を大きくすることができ、充放電時におけるリチウムイオンの移動距離を短くすることができたことを反映したものである。本発明の電極材料及びこれを用いたリチウムイオン二次電池は、特にハイブリッド自動車用のリチウムイオン二次電池に対して要請されている、10C或いはそれ以上のレートでの充放電における高い容量の要請にも十分に答えうるものであった。
次いで、レート1Cの条件下で、Li/Liに対して3.0〜4.3Vの範囲での充放電を100サイクル繰り返すサイクル試験を行った、図4にその結果を示す。図4から把握されるように、本発明の電極材料の使用により、優れたサイクル安定性を有するリチウムイオン二次電池が得られていることがわかる。一般に、スピネル型酸化物の比表面積の増加がサイクル安定性について不利な結果をもたらすと言われている。実施例1及び実施例2の電極材料において、スピネル型酸化物が実質的に約20〜約30nmの粒径を有する結晶性一次粒子の形態で存在するため、従来のリチウムイオン二次電池用のスピネル型酸化物、例えば特許文献1〜6のスピネル型酸化物に比較して、比表面積が著しく大きい。このような著しく大きな比表面積においても優れたサイクル安定性が得られた原因は現在のところ明確ではないが、実施例1及び実施例2の電極材料において微細で結晶性の高いスピネル型酸化物が導電性カーボン粉末に密着性良く且つ均一に付着しているため、結果的に結晶の安定化が図られているためであると思われる。
本発明により、レート特性に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。

Claims (8)

  1. 導電性カーボン粉末と、
    該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、
    を含み、
    前記スピネル型酸化物の粒子の90%以上が10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子である
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極材料。
  2. 前記一般式LiMMn(2−x)におけるMが、Mg、Al、Co、Cr、Fe及びNiから選択された金属を表わす、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極材料。
  3. 導電性カーボン粉末と、
    該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、
    を含み、前記スピネル型酸化物の粒子の90%以上が10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子であるリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
    a1)Liを含む化合物とMnを含む化合物とを含む活物質原料を溶解させた溶液に導電性カーボン粉末を添加した反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
    b1)前記反応器を旋回させて前記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、前記導電性カーボン粉末に前記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる担持工程、及び、
    c1)前記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させた導電性カーボン粉末を、前記Mで表される金属を含む化合物と混合した後、加熱処理することにより、前記導電性カーボン粉末上で前記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
    を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法。
  4. 導電性カーボン粉末と、
    該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、
    を含み、前記スピネル型酸化物の粒子の90%以上が10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子であるリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
    a2)Liを含む化合物とMnを含む化合物と前記Mで表される金属を含む化合物とを含む活物質原料を溶解させた溶液に導電性カーボン粉末を添加した反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
    b2)前記反応器を旋回させて前記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、前記導電性カーボン粉末に前記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させる担持工程、及び、
    c2)前記活物質原料及び/又はその反応生成物を担持させた導電性カーボン粉末を加熱処理することにより、前記導電性カーボン粉末上で前記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
    を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法。
  5. 導電性カーボン粉末と、
    該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、
    を含み、前記スピネル型酸化物の粒子の90%以上が10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子であるリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
    a3)水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
    b3)前記反応器を旋回させて前記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、Mnの水酸化物の核を生成させ、この生成したMnの水酸化物の核と前記導電性カーボン粉末とを分散させると同時に前記導電性カーボン粉末にMnの水酸化物を担持させる担持工程、及び、
    c3)前記Mnの水酸化物を担持させた導電性カーボン粉末と、Liを含む化合物と、前記Mで表される金属を含む化合物と、を混合して加熱処理することにより、前記導電性カーボン粉末上で前記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
    を含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法。
  6. 導電性カーボン粉末と、
    該導電性カーボン粉末に付着している、一般式LiMMn(2−x)(式中、Mが、Mn以外の金属から成る群から選択された一種以上の金属を表わし、0<x≦0.15である。)で表されるスピネル型酸化物の粒子と、
    を含み、前記スピネル型酸化物の粒子の90%以上が10〜50nmの粒径を有する結晶性一次粒子であるリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法であって、
    a4)水と、Liの水酸化物と、Mnを含む化合物と、前記Mで表される金属を含む化合物と、導電性カーボン粉末とを含み、9〜11の範囲のpHを有する反応液を、旋回可能な反応器内に導入する調製工程、
    b4)前記反応器を旋回させて前記反応液にずり応力と遠心力とを加えることにより、Mnの水酸化物及び前記Mで表される金属の水酸化物の核を生成させ、この生成したMnの水酸化物及び前記Mで表される金属の水酸化物の核と前記導電性カーボン粉末とを分散させると同時に前記導電性カーボン粉末にMnの水酸化物及び前記Mで表される金属の水酸化物を担持させる担持工程、及び、
    c4)前記Mnの水酸化物及び前記Mで表される金属の水酸化物を担持させた導電性カーボン粉末と、Liを含む化合物と、を混合して加熱処理することにより、前記導電性カーボン粉末上で前記スピネル型酸化物を形成する熱処理工程
    を含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法。
  7. 前記熱処理工程における加熱処理を、酸素含有雰囲気中で200〜300℃の温度で行う、請求項3〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用電極材料の製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載の電極材料を含む活物質層を有する正極を備えたリチウムイオン二次電池。
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