JP6080796B2 - キッチン用シンク - Google Patents

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Description

本発明は、システムキッチン等のキッチンキャビネットに組み込まれるキッチン用シンクに関するものである。
従来からキッチンでは、キッチンキャビネットにシンクが一体に組み込まれていて、かかるシンクにおいて食材の調理や食器の洗浄が行われる。例えば特許文献1に開示されているキッチンシンクでは、排水口側が低くなるようにシンク底面を傾斜させている。これにより、洗浄時の水が排水口に向かってシンク底面を流れていくため、水捌けの向上を図ることができ、ひいては作業性を高めることが可能となる。
特開平11−13101号公報
従来のキッチン用シンクでは、上述した特許文献1のように排水口に向かって底面が傾斜していることが一般的であり、シンク底面は排水口を中心にしてすり鉢状の傾斜を有している。ここで、シンクにおいて食材の調理や食器の洗浄を行うと、食器に付着していた食べ残しや、調理時の食材の野菜くず等(以下、野菜くず等と称する)が発生する。
このとき、従来のように排水口に向かって底面が傾斜するシンクであると、水栓からの吐水位置よりも排水口側にある野菜くず等は洗浄時の水流によって排水口に流れていくものの、吐水位置より排水口の反対側にある野菜くず等はそこに滞留してしまう。さらに加えて、従来のシンクにおいて排水口はシンクの奥側に配置されている。しかしながら調理によって野菜くず等はシンクの手前側に堆積する。したがって野菜くず等の滞留は、毎回のように発生する。このため、使用者は、滞留した野菜くず等を手でかき集めて排水口に流さなくてはならず、煩雑な手間が生じてしまうという課題があった。また野菜くず等が滞留しやすいと汚れが付着しやすくなるため、清掃に手間がかかり、清掃性の低下を招くという課題もあった。
本発明は、このような課題に鑑み、シンクの底面に野菜くず等の滞留が生じにくく、使用者の快適性および清掃性の向上を図ることが可能なキッチン用シンクを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるキッチン用シンクの代表的な構成は、シンクの底面が奥行き方向で手前側に向かうにしたがって下方に傾斜するほぼ平坦な傾斜面であって、水が傾斜面の上流側から手前側に向けて流れるように配置された水栓と、傾斜面の側縁に沿って配置された排水口と、傾斜面の手前側の縁から側縁に沿って延びて排水口まで連続する誘導溝と、を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、シンクの底面は、排水口ではなく手前側の縁に沿った誘導溝に向かうほぼ平坦な傾斜である。なお、「ほぼ平坦」とは、理想的には平坦であるが、成形上の理由から、厳密には(止む無く)若干のすり鉢状ないし太鼓状の湾曲を有する場合も含んでおり、溝等のような凹凸が意図的には形成されていないという意味である。なお、以下の説明では、「ほぼ平坦」を単に「平坦」と表現する。
上述したように傾斜面が平坦であることにより、野菜くず等が発生するシンク手前側の領域よりも、水栓からの吐水位置の方が底面の傾斜の上流側に位置することになる。したがって、野菜くず等は、シンクの底面である傾斜面を流れる水流によって誘導溝に向かって流される。また底面が平坦な傾斜であることから、すり鉢状の傾斜の場合よりも広い領域に水流が流れる。
そして、誘導溝に至った野菜くず等は、かかる誘導溝に流れ込んだ水によって排水口に向かって流れていく。したがって、例えば、皿を洗う水流によって自然に野菜くず等も流されることになり、皿を洗い終わる頃には野菜くず等の清掃も終了している。このため、使用者は従来のような野菜くずをかき集める作業を行う必要がなく、煩雑な手間が省かれ、高い快適性を得ることが可能となる。また野菜くず等の滞留が防がれることにより、シンク底面への汚れの付着が防がれ、常に清潔な状態が保たれる。このため、シンクの清掃を容易に行うことができ、高い清掃性を得ることが可能となる。
上記排水口は、傾斜面の左右方向において、キッチンの調理スペースが設けられる側に寄って配置されているとよい。キッチンの調理スペースでは野菜くず等が発生しやすい。このため、調理スペース側に排水口を配置することにより、野菜くず等を排水口に捨てやすくなり、調理時の作業性を高めることが可能となる。
上記排水口は、傾斜面の左右方向において、水栓が配置される側に寄って配置されているとよい。これにより、水栓からの水の流れによって野菜くず等が排水口に向かって流れやすくなるため、上述した効果を高めることが可能となる。
本発明によれば、シンクの底面に野菜くず等の滞留が生じにくく、使用者の快適性および清掃性の向上を図ることが可能なキッチン用シンクを提供することができる。
本実施形態にかかるキッチン用シンクの全体図である。 図1(b)の断面図である。 排水蓋の他の形状を説明する図である。 誘導溝の他の形状を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明にかかる給湯装置および給湯システムの好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかるキッチン用シンク(以下、単にシンク100と称する)の全体図であり、図1(a)は、シンク100の全体斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のシンク100を上方から観察した状態を示す図である。図2は、図1(b)の断面図であり、図2(a)は、図1(b)のA−A断面図であり、図2(b)は、図1(b)のB−B断面図であり、図2(c)は、図1(b)のC−C断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態にかかるシンク100は、傾斜面110、排水口120および誘導溝130を含んで構成される。傾斜面110は、シンク100の底面であり、その周囲の縁からは壁面140が立設している。また本実施形態では、シンク100の奥側の左隅に、壁面140から連続し、水栓(不図示)が取り付けられる取付孔152が設けられた水栓取付面150が設けられている。
更に本実施形態では、水栓取付面150の手前側に、傾斜面110の側縁112bに沿うように排水口120が配置されている。排水口120は、上方に配置される排水蓋160によって覆われる。これにより、排水口120が使用者の目にふれることがないため、シンク100における美観を向上させることができる。
図3は、排水蓋160の他の形状を説明する図であり、図1(b)に示すシンク100を模式的に図示している。本実施形態では、図1(b)に示すように略三角形状(直角三角形状)の排水蓋160を例示したが、これに限定するものではない。排水蓋160は、例えば図3(a)に示すように四角形状であってもよいし、図4(b)に示すように丸状であってもよい。
また本実施形態では、シンク100の形状を横長の四角形状としているが、これにおいても例示にすぎず、限定するものではない。シンク100は、例えば丸型やL字型等の他の形状としてもよい。更に本実施形態のシンク100では、水栓取付面150を備える構成を例示しているが、これにおいても限定されず、水栓取付面150を設けずに、シンク100の外側に水栓、すなわちそれが取り付けられる取付孔152を配置する構成とすることも可能である。水栓取付面150ひいては水栓(取付孔152)の位置においても、必ずしもシンク100の奥側の左隅とする必要はなく、中央や右隅等、任意の位置に配置してよい。
本実施形態の特徴として、図2(a)に示すように傾斜面110は、奥行き方向で手前側に向かうにしたがって下方に傾斜している。これにより、水栓からの水は、図1(a)および図2(a)に示す矢印D1方向、すなわちシンク100の手前側に向かって流れていくこととなる。
誘導溝130は、傾斜面110の手前側の縁(以下、手前縁112aと称する)から側縁112bに沿って延びて排水口120に連続している。説明の便宜上、本実施形態では、シンク100の手前側の左コーナーを境に、傾斜面110の手前縁112aに沿って延びる、すなわちシンク100の長手方向に延びる誘導溝を長手側誘導溝130aと称し、傾斜面110の側縁112bに沿って延びる、すなわちシンク100の短手方向に延びる誘導溝を短手側誘導溝130bと称する。またこれらの長手側誘導溝130aおよび短手側誘導溝130bの両方をさす場合には誘導溝130と称する。
図2(b)および(c)に示すように、誘導溝130である長手側誘導溝130aおよび短手側誘導溝130bは、傾斜面110よりも下方に窪んだ溝であり、排水口120(図1(a)参照)に向かうにしたがって下方に傾斜している。詳細には、図2(b)に示すように、長手側誘導溝130aは、左右方向において排水口120が設けられている側(本実施形態においては左側)に向かうにしたがって下方に傾斜している。図2(c)に示すように、短手側誘導溝130bは、奥行き方向において排水口120が設けられている側、すなわち奥側に向かうにしたがって下方に傾斜している。
上記説明したように、本実施形態のシンク100において、その底面となる傾斜面110は、従来のような排水口120に向かうすり鉢状の傾斜ではなく、かかる傾斜面110の手前側に設けられた誘導溝130(厳密には長手側誘導溝130a)に向かう平坦な傾斜である。そして、水栓が取り付けられる取付孔152がシンク100の奥側に設けられていることから、傾斜面110において、水栓からの吐水位置は、野菜くず等が発生する手前側の領域よりも上流側に位置することとなる。これにより、図1(b)に模式的に示す野菜くず等(以下、野菜くず102と称する)は、傾斜面110の奥側(上流側)からD1方向(図1(a)および図2(a)参照)に流れてきた水流によって長手側誘導溝130aに向かって流される。
そして、長手側誘導溝130aが排水口120に向かうにしたがって下方に傾斜していることにより、長手側誘導溝130aに流れこんだ野菜くず102は、それと一緒に長手側誘導溝130aに流れ込んだ水の水流によって、図1(a)および図2(b)に示す矢印D2方向、すなわち排水口120と連続している短手側誘導溝130bに向かって流れていく。このとき、短手側誘導溝130bにおいても排水口120に向かうにしたがって下方に傾斜していることにより、短手側誘導溝130bに流れ込んだ野菜くず102は、そこに流れ込んだ水によって矢印D3方向(図1(a)および図2(c))に流されて排水口120に至る。短手側誘導溝130bを流れる水は、排水蓋160の下に入り込むように排水口120へと導かれる。
上記構成によれば、食器等を洗浄する際に流れた水が傾斜面110を流れることにより、傾斜面110の手前側の領域にある野菜くず102が自然に誘導溝130に向かってながれ、排水口120に案内される。したがって、食器等の洗浄作業が終了する頃には野菜くず102の除去も完了することとなる。これにより、使用者は従来のような野菜くず102をかき集める作業が不要となり、高い快適性を得ることが可能となる。
また野菜くず102が洗浄作業時の水流によって自然に排水口120に移動することにより、シンク100の底面(傾斜面110)への野菜くずの滞留が防がれる。特に傾斜面110が平坦に傾斜していることにより、従来のようなすり鉢状の傾斜の場合よりも広い領域に水流が流れ、野菜くず102の滞留が一層抑制される。これにより、野菜くず102の滞留に起因するシンク100の底面への汚れの付着を好適に防ぐことができ、常に清潔な状態を保つことができる。したがって、使用者はシンク100の清掃を容易に行うことができ、高い清掃性を得ることが可能となる。
更に本実施形態では、排水口120を、傾斜面110の左右方向において、水栓が配置される側、すなわち取付孔152が設けられる側に寄せて配置している。これにより、水栓からの水の流れによって野菜くず102が排水口120に向かって流れやすくなり、上述した効果をより高めることが可能となる。
また排水口120は、傾斜面110の左右方向において、キッチンの調理スペース(不図示)が設けられる側に寄せて配置されているとよい。本実施形態では、キッチンの調理スペースがシンク100の左側に設けられることを想定し、排水口120をシンク100の左側に寄せて配置している。これにより、キッチンの調理スペースで発生した野菜くず102が排水口120側に落下するため、野菜くず102が流水によって流れやすくなる。
図4は、誘導溝130の他の形状を示す図であり、図1(b)に示すシンク100を模式的に図示している。図4(a)および図4(b)に示す例では、排水口(不図示)は、傾斜面の奥側の縁である奥縁112cに沿って配置されていて、上方に載置される160によって覆われている。そして、図4(a)では、誘導溝130は、傾斜面110の手前縁112aに沿って延びる長手側誘導溝130a、および側縁112bに沿って延びる短手側誘導溝130bに加え、傾斜面110の奥縁112cに沿って延び排水口120に連続する奥側誘導溝130cを含んで構成される。これにより、傾斜面110の野菜くず102(図2(b)参照)は、長手側誘導溝130aおよび短手側誘導溝130bを流れて奥側誘導溝130cに流れ込み、かかる奥側誘導溝130cを通過して排水口120に案内される。このため、図1に示すシンク100と同様の効果を得ることができる。
図4(b)では、長手側誘導溝130aおよび短手側誘導溝130bを、シンク100の左右方向で対称に2つずつ設けている。このような構成によっても、傾斜面110の野菜くず102を好適に排水口120まで導くことができ、上記と同様の効果を得ることができる。また図4(a)および図4(b)では、排水蓋160を長方形としている。これにより、シンク100の底面である傾斜面110への排水蓋160の張り出しを減らすことができ、かかる領域を効率的に使用することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、システムキッチン等のキッチンキャビネットに組み込まれるキッチン用シンクとして利用することができる。
100…シンク、102…野菜くず、110…傾斜面、112a…手前縁、112b…側縁、112c…奥縁、120…排水口、130…誘導溝、130a…長手側誘導溝、130b…短手側誘導溝、130c…奥側誘導溝、140…壁面、150…水栓取付面、152…取付孔、160…排水蓋

Claims (3)

  1. シンクの底面が奥行き方向で手前側に向かうにしたがって下方に傾斜するほぼ平坦な傾斜面であって、
    水が傾斜面の上流側から手前側に向けて流れるように配置された水栓と、
    前記傾斜面の側縁に沿って配置された排水口と、
    前記傾斜面の手前側の縁から側縁に沿って延びて前記排水口まで連続する誘導溝と、を備えていることを特徴とするキッチン用シンク。
  2. 前記排水口は、前記傾斜面の左右方向において、キッチンの調理スペースが設けられる側に寄って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のキッチン用シンク。
  3. 前記排水口は、前記傾斜面の左右方向において、水栓が配置される側に寄って配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキッチン用シンク。
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