JP6079915B2 - プログラマブルコントローラおよび電源切断対処方法 - Google Patents

プログラマブルコントローラおよび電源切断対処方法 Download PDF

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Description

本発明は、被制御機器に対する制御処理をプログラミング可能なプログラマブルコントローラ、および、電源切断時における電源切断対処方法に関する。
プログラマブルコントロールシステムでは、上位の管理装置に、1または複数のプログラマブルコントローラが接続され、プログラマブルコントローラが、それぞれ複数の被制御機器を制御する。したがって、プログラマブルコントローラは、上位の管理装置から制御指令を受けて、その制御指令を解析し、下位の被制御機器を制御するとともに、制御に要するパラメータやステータス情報を保持しなければならない。
また、下位の被制御機器は動力を有する場合も多いので、プログラマブルコントローラにおいて被制御機器を適切に制御することで、プログラマブルコントロールシステム全体として、様々な制御動作を安全かつ確実に遂行しなければならない。例えば、プログラマブルコントロールシステムの稼働中にその電源が切断されたとしても、プログラマブルコントローラは、切断された時点の動作状態を示すデータを確実にバックアップし、安全に被制御機器を停止させなければならない。また、電源が再投入されると、プログラマブルコントローラは、バックアップされたデータを再配置し、速やかに元の動作状態に復帰させるべきである。
そこで、電源の切断を検知すると、プロセッサ(CPU)が、SRAMに蓄積されている一部のデータをフラッシュメモリにバックアップする技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、そのような電源の切断を、電源電圧に基づいて検出し、バックアップ処理のための十分な処理可能期間を確保する技術も開示されている(例えば、特許文献2)。
特開2000−305610号公報 特開2009−193371号公報
このような従来の技術では、電源が切断され、電源電圧が降下しだすと、同時に、コンデンサに蓄積された電荷に基づく電力が主回路に供給され始め、コンデンサより電圧が低くなる電源からは主回路に電力が供給されなくなる。したがって、電源が切断された以後、コンデンサの電圧が電源電圧より高い状態が継続するので、電源電圧が降下し始めた後は、主回路が電源から電力の供給を受けることはない。すなわち、電源電圧に関する電圧降下時におけるエネルギーは、無駄に消費されてしまう。
そのため、バックアップが必要なデータを確実にバックアップするために、バックアップの電力源であるコンデンサの容量を増大しなければならず、占有面積やコスト面で問題が生じることとなる。
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、バックアップ処理の手順を工夫し、コンデンサの容量の不要な増大化を回避可能なプログラマブルコントローラおよび電源切断対処方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のプログラマブルコントローラは、プロセッサと、電源からプロセッサまでの電力供給ラインに、逆流防止用ダイオードおよびスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部と、を備え、電源電圧が第1閾値未満となると、プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、スイッチは、電源電圧が第2閾値以上である間、コンデンサとプロセッサとを非接続に維持し、電源電圧が第2閾値未満となると、コンデンサとプロセッサとを接続することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他のプログラマブルコントローラは、プロセッサと、電源からプロセッサまでの電力供給ラインにスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部と、を備え、電源電圧が第1閾値未満となると、プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、スイッチは、電源電圧が第1閾値未満かつ第2閾値以上である間、コンデンサとプロセッサとを非接続に維持し、電源電圧が第1閾値以上または第2閾値未満である間、コンデンサとプロセッサとを接続することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の電源切断対処方法は、プロセッサと、電源からプロセッサまでの電力供給ラインに、逆流防止用ダイオードおよびスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部とを備えるプログラマブルコントローラにおいて、電源電圧が第1閾値未満となると、プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、スイッチは、電源電圧が第2閾値以上である間、コンデンサとプロセッサとを非接続に維持し、電源電圧が第2閾値未満となると、コンデンサとプロセッサとを接続することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の電源切断対処方法は、プロセッサと、電源からプロセッサまでの電力供給ラインにスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部と、を備えるプログラマブルコントローラにおいて、電源電圧が第1閾値未満となると、プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、スイッチは、電源電圧が第1閾値未満かつ第2閾値以上である間、コンデンサとプロセッサとを非接続に維持し、電源電圧が第1閾値以上または第2閾値未満である間、コンデンサとプロセッサとを接続することを特徴とする。
本発明によれば、バックアップ処理の手順を工夫し、コンデンサの容量の不要な増大化を回避することが可能となる。
プログラマブルコントロールシステムを構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。 プログラマブルコントローラの概略的な構成を示したブロック図である。 電源の切断時における電力の推移を示した説明図である。 プログラマブルコントローラの主回路の概略的な構成を示すブロック図である。 電源切断対処方法の処理の流れを示したフローチャートである。 データ転送の詳細なタイミングを示したタイミングチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(プログラマブルコントロールシステム100)
図1は、プログラマブルコントロールシステム100を構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。プログラマブルコントロールシステム100は、管理装置110と、1または複数のプログラマブルコントローラ120と、1または複数の被制御機器130とを含んで構成される。また、管理装置110と1または複数のプログラマブルコントローラ120とは、例えば、ギガ(G)ベース等のEthernet(登録商標)によるネットワーク配線140によって接続される。プログラマブルコントローラ120と1または複数の被制御機器130とは、例えば、専用の接続配線142を通じて接続されている。
管理装置110は、1または複数のプログラマブルコントローラ120からステータス情報を読み出し、プログラマブルコントロールシステム100全体における工程の流れに沿うように、1または複数のプログラマブルコントローラ120に各種制御指令を出力する。
プログラマブルコントローラ120は、電源モジュール、CPUモジュール、入出力モジュール、通信モジュール等の複数のモジュールからなり、PLC(Programmable Logic Controller)とも呼ばれる。例えば、CPUモジュールは、ラダー図等を通じて生成されたシーケンス制御のための制御プログラムを有し、管理装置110から制御指令と、入出力モジュールを通じて入力された被制御機器130のセンサ検出結果とに基づいて被制御機器130を制御する。
被制御機器130は、FA(Factory Automation)における様々な状態を検知するセンサ、そのセンサの検知結果に応じて動作する電動機、エンコーダ等の電気機器で構成される。
このようなプログラマブルコントロールシステム100は、様々な制御対象に適用できる。例えば、生産実行システム(MES:Manufacturing Execution System)にプログラマブルコントロールシステム100を適用した場合、被制御機器130としての、センタシーラユニット(Center Sealer Unit)やフィルムユニット(Film Unit)等の生産機器にプログラマブルコントローラ120を接続する。
プログラマブルコントローラ120は、入出力モジュール等から生産機器の動作状態を読み出し、モータドライバ等を通じて生産機器内の電動機を回転制御する。管理装置110は、各プログラマブルコントローラ120単位の情報の収集および制御指令の送信を実行する。こうして、プログラマブルコントロールシステム100全体として、工程管理、品質管理、製造量管理等の生産支援管理を総合的に行うことが可能となる。
以下、プログラマブルコントローラ120の具体的な動作について、電源が切断された場合の電力供給と、バックアップ処理とに分けて説明する。
(電源が切断された場合の電力供給)
プログラマブルコントローラ120は、上位の管理装置110および下位の被制御機器130にそれぞれ接続され、上位の管理装置110からの制御指令に関するパラメータやステータス情報、および、下位の被制御機器130の制御のためのパラメータやステータス情報を、それぞれのメモリに保持している。
このようなメモリは、動作状態に応じて書き換えを要する。すなわち、読み出し専用のメモリ(単なるROM)を適用できない。また、被制御機器130が動力を有する場合があり、その駆動制御の反応性を高めるため、メモリへのデータの読み書きが迅速に為される必要がある。したがって、メモリとして比較的高速であり揮発性のSRAMが用いられる場合が多い。
しかし、SRAM等の揮発性のRAMは、電源が切断されると、その記憶内容が消去されてしまい、電源を再投入したときにパラメータやステータス情報が意図していない値となることがある。すると、被制御機器130の安全かつ確実な制御動作に支障を来すおそれがある。そこで、プログラマブルコントローラ120では、電源の切断を検知すると、SRAM等の被バックアップメモリから、電源が切断されている間でもデータを維持することが可能なバックアップメモリに、パラメータやステータス情報を示す一部のデータを転送する。こうして、パラメータやステータス情報の維持を図る。そして、電源が再投入されると、プログラマブルコントローラ120は、バックアップされたデータを再配置し、速やかに元の動作状態に復帰させる。
図2は、プログラマブルコントローラ120の概略的な構成を示したブロック図である。プログラマブルコントローラ120は、第1ダイオード150と、電圧変換部152と、主回路154と、コンデンサユニット156と、電力検出部158とを含んで構成される。
第1ダイオード150は、アノード150aが電源148と接続され、カソード150bが電圧変換部152に接続され、コンデンサユニット156からの電力の逆流を防止する。電圧変換部152は、出力電圧を一定に安定化させるレギュレータ等で構成され、電源電圧V(例えば24V)を主回路154で利用可能な電圧V(例えば3.3V)に変換する。主回路154は、管理装置110および被制御機器130に接続され、プログラマブルコントローラ120の主たる制御が実行される。主回路154の具体的な構成は後ほど詳述する。
コンデンサユニット156は、主回路154の通常動作時において、電源148から電力の供給を受けて蓄電するとともに、電源148が切断されると、電源148の代わりに主回路154に電力を供給する。電力検出部158は、電源148が切断されたことを、例えば、電源電圧Vの低下を通じて検出し、主回路154に対してバックアップ契機となる割込信号を出力する。主回路154では、電力検出部158によって電源148の切断が検出されると、それに応じて、被バックアップメモリのデータをバックアップメモリに転送し、電力供給が途絶えることに対するバックアップ処理を行う。
このように、プログラマブルコントローラ120では、電源148からの電力の供給が途絶えそうになると、電源148の切断を早期に検出し、まだ電力の利用が可能な状態でデータを転送しなければならない。したがって、電力検出部158は、主回路154が動作不能となる前段階、すなわち、電源電圧Vが、定格よりは低いが主回路154が動作不能となる電源電圧より高い第1閾値V未満となったことをもって電源148が切断されることを検出し、主回路154にその旨伝達することとなる。
一方、電源148が切断されたとしてもデータを転送する間の電力供給を確実に行うため、上述したコンデンサユニット156が設けられている。コンデンサユニット156としては、比較的容量の大きいコンデンサ156aが用いられ、従来では、第1ダイオード150から電圧変換部152に至る電力供給ライン160にコンデンサ156aの一端部を直接接続していた。しかし、コンデンサ156aを電力供給ライン160に直接接続するだけでは、以下のように、電力の有効利用が図られない場合がある。
図3は、電源148の切断時における電力の推移を示した説明図である。仮に、従来同様、電力供給ライン160にコンデンサ156aを直接接続したとすると、図3(a)に示すように電圧が推移する。すなわち、電源148が切断され、電源電圧Vが降下しだすと、コンデンサ156aに蓄積された電荷に基づく電力が主回路154に供給され始め、コンデンサ156aより電圧が低くなる電源148からは主回路154に電力が供給されなくなる。したがって、コンデンサ156aの電圧Vは、コンデンサ156aの電荷に基づく電力の消費に伴い下降し、電源電圧Vが第1閾値V未満となってから時間t経過後に、主回路154が動作不能となる電圧より高い第2閾値Vに達することとなる。
図3(a)においては、電源148が切断された以後、コンデンサ156aの電圧Vが電源電圧Vより高い状態が継続するので、電源電圧Vが降下し始めた後は、主回路154が電源148から電力の供給を受けることはない。すなわち、図3(a)においてハッチングで示した、電源電圧Vに関する電圧降下時から第2閾値Vまでのエネルギーは、無駄に消費されてしまう。主回路154は、第2閾値Vに至るまで、コンデンサ156aからのみ電力の供給を受ける。
したがって、バックアップが必要なデータが増加した場合、バックアップメモリへの退避に要する時間が長時間化したり、それに伴って、バックアップ時の電力を確保するためのコンデンサ156aの容量を増大しなければならなかった。
そこで、本実施形態では、コンデンサユニット156の構成を工夫して、電力の供給態様を改善する。コンデンサユニット156は、図2の如く、逆流防止用の第2ダイオード(逆流防止用ダイオード)156bおよびON/OFFが可能なスイッチ156cを備え、コンデンサ156aは、第2ダイオード156bおよびスイッチ156cを介して電力供給ライン160に接続される。第2ダイオード156bは、電力供給ライン160からコンデンサ156aへの電力の流れを許容するので、通常時にはコンデンサ156aに電力が蓄積される。
そして、電力検出部158は、電源電圧Vが、第1閾値V(例えば19V)未満になったこと、および、第1閾値Vより小さい第2閾値V(例えば3.5V)未満になったことを検出し、それぞれ割込信号を出力する。ここでは、1の電力検出部158によって相異なる2つの電圧を検出しているが、検出電圧の異なる2つの電力検出部158を設けてそれぞれ割込信号を出力するとしてもよい。こうして電源電圧Vの降下を2段階に分けて検出することができる。
電源電圧Vが第1閾値V未満となると、電力検出部158は、主回路154に設けられた後述するアクセス素子に割込信号を出力し、主回路154におけるプロセッサの動作モードを、通常モードより消費電力の少ない省電力モードに移行させる。ここで、通常モードは、プログラマブルコントローラ120が想定される動作を実行しているモードである。省電力モードは、プログラマブルコントローラ120が本来の動作を停止しているが、少なくとも割込信号を受け付けることができる等の最低限の機能を果たしているモード(レジュームモード、待機モード)である。
また、電源電圧Vが第1閾値V未満となると、主回路154では、データのバックアップ処理が実行される。バックアップ処理については後ほど詳述する。電源電圧Vが第1閾値V未満となった直後では、コンデンサユニット156のスイッチ156cは、コンデンサ156aと電力供給ライン160とを非接続に設定されており、電源電圧Vが第2閾値V未満になるまで非接続の状態を維持する。
したがって、コンデンサ156aと主回路154とがスイッチ156cによって接続されず、また、電源電圧Vよりコンデンサ156aの電圧Vの方が高いので、第2ダイオード156bによって、コンデンサ156aから電力供給ライン160へは電力が流れない。そうすると、主回路154には、電源148からの電力が供給され、図3(b)にハッチングで示した、電源電圧Vが第2閾値V未満となるまでのエネルギーが有効に利用されることとなる。
そして、電源電圧Vが第2閾値V未満となると、電力検出部158は、スイッチ156cに出力している状態信号(割込信号)を反転する(例えば、LowからHighに反転する)。スイッチ156cは、状態信号の反転に応じて、コンデンサ156aと主回路154との非接続状態を接続状態に切り換える。電源電圧Vが第2閾値V未満となると、最早、電源148から電力の供給を受けることはできない。しかし、そのタイミングで、コンデンサ156aと電力供給ライン160とを接続することで、主回路154は、電源148から電力の供給を受けた後に、コンデンサ156aの電荷に基づく電力の供給を受けることが可能となる。
したがって、主回路154は、電源電圧Vが第2閾値V未満となるまで、電源148から電力の供給を受け、電源電圧Vが第2閾値V未満となった後、はじめてコンデンサ156aの電荷に基づく電力の供給を受ける。こうして、電源電圧Vが第2閾値V未満となるまでの間、電源148によるエネルギーを有効活用することができる。その結果、電源148およびコンデンサ156aのいずれからも電力供給を受けることができなくなるまで、すなわち、図3(a)で示した時間tに加え、電源148分の時間tを加えた時間がバックアップに許容される最大時間となる。
電源電圧Vが第2閾値V未満となった後、コンデンサ156aの電圧Vは、電源電圧Vより高い。しかし、第1ダイオード150により、コンデンサ156aから電源148への電力の逆流は防止されるので、コンデンサ156aに蓄積された電力は主回路154のみで費やされることとなる。この間に主回路154では、バックアップ処理を完了し、プロセッサは、省電力モードへの移行を完了する。
以上、説明したように、本実施形態のコンデンサユニット156によって、バックアップに許容される最大時間を延長することができる。したがって、バックアップが必要なデータが増加した場合においても、コンデンサ156aの容量を増やすことなく安定かつ確実にバックアップが可能となる。また、バックアップが必要なデータの増加がない場合、逆に、コンデンサ156aの容量を小さく変更することができ、占有面積やコストの低減を図ることも可能となる。
(変形例)
上記では、コンデンサ156aは、第2ダイオード156bとスイッチ156cとを介して電力供給ライン160に接続されている例を挙げて説明したが、コンデンサ156aをスイッチ156cのみを介して電力供給ライン160に接続することもできる。
この場合、スイッチ156cは、電源電圧Vが第1閾値V未満かつ第2閾値V以上である間、コンデンサ156aと電力供給ライン160とを非接続に維持する。また、スイッチ156cは、電源電圧Vが第1閾値V以上または第2閾値V未満である間、コンデンサ156aと電力供給ライン160とを接続する。
スイッチ156cのみの構成であっても、第2ダイオード156bを含む構成同様、図3(b)のような電圧推移を得ることができる。また、この構成では、第2ダイオード156bが不要になるばかりでなく、第2ダイオード156bによる電圧降下を無視することが可能となる。
(バックアップ処理)
図4は、プログラマブルコントローラ120の主回路154の概略的な構成を示すブロック図である。主回路154は、プロセッサ170と、第1通信素子172と、第1メモリ(専用メモリ)174と、共通バス176と、アクセス素子178と、第2通信素子180と、第2メモリ(被バックアップメモリ)182と、第3メモリ(バックアップメモリ)184とを含んで構成される。
プロセッサ(マイコン)170は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM等を含む半導体集積回路で構成され、バスマスタ機能を有する。そして、プロセッサ170は、主回路154全体を制御するとともに、ROMに格納されたシーケンス制御のための制御プログラムに基づいて1または複数の被制御機器130を制御する。
第1通信素子172は、ギガ(G)ベース等のEthernet(登録商標)によるネットワーク配線140を通じて管理装置110や他のプログラマブルコントローラ120との通信を行う。第1メモリ174は、プロセッサ170と直接接続された(共通バス176を通じて接続されていない)揮発性のSDRAMであり、プロセッサ170のワークエリアとして機能する。第1メモリ174には、少なくとも、管理装置110や他のプログラマブルコントローラ120との通信における通信状態や異常履歴等のRAS(Reliability, Availability, Serviceability)情報を格納している。
アクセス素子178は、共通バス176に接続された、例えば、PGA(Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路で構成され、主回路154内の論理計算を担う。また、アクセス素子178は、バスマスタ機能を有し、第2メモリ182および第3メモリ184に共通バス176を通じてアクセスすることができる。
第2通信素子180は、専用の接続配線142を通じて被制御機器130との通信を行う。第2メモリ182は、共通バス176に接続された揮発性かつ比較的高速のSRAMである。第2メモリ182には、少なくとも、被制御機器130との通信における通信状態や異常履歴等のRAS情報や入出力モジュールを通じて取得した被制御機器130の動作状態を示す情報を格納している。
第3メモリ184は、共通バス176に接続された不揮発性のRAMである。第3メモリ184は、電源148が切断された場合に、第1メモリ174や第2メモリ182に格納されたデータの一部をバックアップするために用いられる。したがって、少なくとも、電源148が切断されている間、データを保持する機能を有している。ここでは、不揮発性のRAMを挙げているが、内蔵または外付けのコンデンサ等を用い、メモリの記憶内容を想定される時間保持可能な揮発性のRAMを用いることもできる。以下、主回路154の機能部によってバックアップを行う電源切断対処方法の流れを説明する。
(電源切断対処方法)
図5は、電源切断対処方法の処理の流れを示したフローチャートである。電力検出部158は、電源電圧Vが第1閾値V未満であるか否か監視し(S1)、電源電圧Vが第1閾値V以上の間(S1におけるNO)、監視処理を繰り返す。ここで、電源電圧Vが第1閾値V未満となると(S1におけるYES)、電力検出部158は、アクセス素子178に割込信号を送信する(S2)。
アクセス素子178は、電力検出部158から電源電圧Vが第1閾値V未満となったことを受けると、その旨をプロセッサ170に伝達するとともに、プロセッサ170、アクセス素子178、第1メモリ174、第2メモリ182、および、第3メモリ184以外の素子を停止する(S3)。
プロセッサ170は、自己の制御プログラムに基づいて、第1メモリ174の情報をバックアップすべく、第1メモリ174に格納された、バックアップが必要なデータを第3メモリ184に転送し、転送が完了するとアクセス素子178に完了信号を伝達する(S4)。バックアップ処理の開始契機は第1閾値Vであり、主回路154では、第2閾値Vを意識する必要はない。
また、プロセッサ170は、第2メモリ182内においてバックアップの対象となるデータのアドレスやサイズ、また、第3メモリ184に格納すべきアドレスについて、アクセス素子178に伝達し、アクセス素子178は、それらの情報を保持する(S5)。
第1メモリ174から第3メモリ184へのデータの転送が完了すると(完了信号を受信すると)、アクセス素子178は、動作モードの変更信号を出力して、プロセッサ170の動作モードを、通常モードから省電力モードに移行させる(S6)。また、プロセッサ170を起動、停止可能な別途の監視装置が設けられている場合、アクセス素子178は、プロセッサ170を停止することもできる。そして、アクセス素子178は、第2メモリ182に格納された、バックアップが必要なデータを第3メモリ184に転送する(S7)。
このとき、アクセス素子178は、第2メモリ182および第3メモリ184に共通バス176を通じて接続されており、プロセッサ170と独立して第2メモリ182から第3メモリ184にデータを転送する。プロセッサ170と独立して転送とは、プロセッサ170から制御指令を受けたり、プロセッサ170に処理を委ねることなく、アクセス素子178のみの判断でデータを転送することである。
アクセス素子(PGAやASIC)178は、論理回路やその動作タイミングを任意に設定することができる。したがって、第1閾値V未満となった旨の割込信号と、プロセッサ170からの完了信号とに基づいて論理回路を有効化し、第2メモリ182や第3メモリ184への制御信号を適切なタイミングで生成することができる。第2メモリ182や第3メモリ184への制御信号は後ほど詳述する。
このように第1メモリ174に引き続き、第2メモリ182のデータも第3メモリ184に転送される。このとき、第2メモリ182から第3メモリ184へのデータ転送には、プロセッサ170が関与しておらず、プロセッサ170より消費電力の少ないアクセス素子178(ハードウェア)のみで実現しているので、プロセッサ170を迅速に省電力モードに移行することができる。したがって、従来のように、すべてのメモリのバックアップ処理にプロセッサ170が関与する場合と比較して、バックアップ処理に要する電力消費の低減を図ることが可能となる。
また、本実施形態において、アクセス素子178は、第2メモリ182から第3メモリ184へデータを転送する際、第2メモリ182のデータの読み出しを行い、データが共通バス176に出力されている間に、データを第3メモリ184に書き込む。
図6は、データ転送の詳細なタイミングを示したタイミングチャートである。例えば、第2メモリ182の任意のアドレスAに格納されたデータBを、第3メモリ184に転送する例を挙げる。ここでは、第3メモリ184の記憶容量を第2メモリ182の記憶容量以上とし、第2メモリ182と第3メモリ184とのアドレス空間(メモリマップ)を等しくしている。
アクセス素子178は、共通バス176のアドレス線にアドレスAを出力することで第2メモリ182および第3メモリ184の任意のアドレスAを指定し、第2メモリ182の/RD信号のみを直接制御することで、第2メモリ182のデータBを共通バス176のデータ線に読み出す。ただし、ここでは、CS(Chip Select)等の他の許可信号を省略している。
そして、共通バス176のアドレス線にアドレスAが出力され、かつ、共通バス176のデータ線にデータBが出力されている間に、アクセス素子178は、第3メモリ184の/WR信号のみを直接制御することで、共通バス176のデータ線に出力されているデータBを第3メモリ184に書き込むことができる。
データの読み出しと書き込みを、従来では、別のタイミングで行っていたところ、本実施形態では、同タイミングで行うことができるので、データ転送を高速化することができ、バックアップ処理の短縮化を図ることができる。また、短縮化に伴う時間を他のバックアップ処理に利用することも可能となる。さらに、データの転送負荷も削減できるので、バックアップ処理に費やす電力も大幅に削減することができる。したがって、コンデンサ156aの容量を小さくすることができ、専有面積やコスト面で有利になる。
以上、説明した、プログラマブルコントローラ120によると、バックアップ処理の手順を工夫し、コンデンサ156aの容量の不要な増大化を回避することが可能となる。
具体的に、電源148が切断された場合の電力供給について、コンデンサ156aから電力の供給を受けるタイミングを遅らせることで、バックアップに許容される最大時間を延長することができる。また、バックアップが必要なデータが増加した場合においてもコンデンサ156aの容量を増やすことなく安定かつ確実にバックアップが可能となる。また、バックアップが必要なデータの増加がない場合、逆に、コンデンサ156aの容量を小さく変更することができ、占有面積やコストの低減を図ることも可能となる。
また、バックアップ処理においても、アクセス素子178がプロセッサ170と独立してデータの転送処理を行うことで、プロセッサ170を省電力モードに移行させ、消費電力の低減を図ることができる。また、そのバックアップ処理において、読み出しと書き込みのタイミングを合わせることで、さらなる時間短縮と消費電力の低減を図ることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書の電源切断対処方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、被制御機器に対する制御処理をプログラミング可能なプログラマブルコントローラ、および、電源切断時における電源切断対処方法に利用することができる。
100 …プログラマブルコントロールシステム
110 …管理装置
120 …プログラマブルコントローラ
130 …被制御機器
148 …電源
156a …コンデンサ
156b …第2ダイオード(逆流防止用ダイオード)
156c …スイッチ
158 …電力検出部
160 …電力供給ライン
170 …プロセッサ
176 …共通バス
178 …アクセス素子
182 …第2メモリ(被バックアップメモリ)
184 …第3メモリ(バックアップメモリ)

Claims (4)

  1. プロセッサと、
    電源から前記プロセッサまでの電力供給ラインに、逆流防止用ダイオードおよびスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、
    電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、該第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部と、
    を備え、
    電源電圧が前記第1閾値未満となると、前記プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、
    前記スイッチは、電源電圧が前記第2閾値以上である間、前記コンデンサと前記プロセッサとを非接続に維持し、電源電圧が前記第2閾値未満となると、前記コンデンサと前記プロセッサとを接続することを特徴とするプログラマブルコントローラ。
  2. プロセッサと、
    電源から前記プロセッサまでの電力供給ラインにスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、
    電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、該第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部と、
    を備え、
    電源電圧が前記第1閾値未満となると、前記プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、
    前記スイッチは、電源電圧が前記第1閾値未満かつ第2閾値以上である間、前記コンデンサと前記プロセッサとを非接続に維持し、電源電圧が前記第1閾値以上または前記第2閾値未満である間、前記コンデンサと前記プロセッサとを接続することを特徴とするプログラマブルコントローラ。
  3. プロセッサと、電源から該プロセッサまでの電力供給ラインに、逆流防止用ダイオードおよびスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、該第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部とを備えるプログラマブルコントローラにおいて、
    電源電圧が前記第1閾値未満となると、前記プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、
    前記スイッチは、
    電源電圧が前記第2閾値以上である間、前記コンデンサと前記プロセッサとを非接続に維持し、
    電源電圧が前記第2閾値未満となると、前記コンデンサと前記プロセッサとを接続することを特徴とする電源切断対処方法。
  4. プロセッサと、電源から該プロセッサまでの電力供給ラインにスイッチを介して接続された、電力を蓄積するコンデンサと、電源電圧が、予め定められた第1閾値未満となったこと、および、該第1閾値より小さい第2閾値未満になったことを検出する電力検出部と、を備えるプログラマブルコントローラにおいて、
    電源電圧が前記第1閾値未満となると、前記プロセッサの動作モードを、通常より消費電力の少ない省電力モードに移行させ、
    前記スイッチは、
    電源電圧が前記第1閾値未満かつ第2閾値以上である間、前記コンデンサと前記プロセッサとを非接続に維持し、
    電源電圧が前記第1閾値以上または前記第2閾値未満である間、前記コンデンサと前記プロセッサとを接続することを特徴とする電源切断対処方法。
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