JP6079717B2 - ポリエチレン被覆鋼管及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管表面にノンクロメート系表面処理層を有するポリエチレン被覆鋼管に関する。
鋼管表面に防食層としてポリエチレン樹脂層を被覆した防食被覆鋼管は、防食性に優れていることから、ガス管、水道管、ケーブル保護管、ラインパイプなどの各種配管や鋼管杭などの土木用途などに広く利用されている。特に、海底や地下での埋設用途が増大しており、その場合、電気防食が併用されることが多い。電気防食の効果によって鋼は防食されるが、一方で防食被覆が鋼界面から剥離しやすくなる問題があり、この問題は陰極剥離として知られている。また、ラインパイプにおいては、管内流送物が高温になるため、高温下でのポリエチレン被覆の耐水密着性(耐熱水性)の確保が要求される。
陰極剥離の抑制や耐熱水性を確保する方法として、クロメート処理が有効であることが知られている。従来、クロメート処理は有機被覆材の下地処理として広く使用されてきたが、近年では環境上の懸念から使用が控えられている。このため最近では、クロメート処理を施さない、すなわち、ノンクロメート処理を施した耐食性に優れた有機被覆鋼材が望まれている。
ノンクロメート処理としては、シランカップリング剤による処理が検討され、これに関して、例えば、以下のような技術が提案されている。
特許文献1には、鋼管外面に内側から順に、エポキシ系シランカップリング剤層、反応硬化型エポキシプライマー層、変性ポリオレフィン層、ポリオレフィン層を積層させたプラスチック被覆鋼管が開示されている。
また、特許文献2には、鋼材の表面にシランカップリング剤とモリブデン酸アンモニウムを含む水溶液を接触させる処理を施した重防食被覆鋼材が開示されている。
特開昭60−2354号公報 特開2003−34881号公報
特許文献1では、表面処理層としてエポキシ系シランカップリング剤層を、また、プライマー層として反応硬化型エポキシプライマー層を、それぞれ設けるとしている。しかし、表面処理層に、どのエポキシ系シランカップリング剤を使用しても陰極剥離の抑制や耐熱水性の向上に効果があるという訳ではない。また、プライマーについても、どのエポキシプライマーを使用しても陰極剥離の抑制や耐熱水性の向上に効果があるという訳ではない。特許文献1には、具体的にどのようなエポキシ系シランカップリング剤やエポキシプライマーが、陰極剥離の抑制や耐熱水性の向上に効果があるのかは示されていない。
また、特許文献2に示されるシランカップリング剤は、アミノ基やメルカプト基を有するため保存安定性が悪く、その効果が時間とともに失われやすい。また、処理液はモリブデン酸アンモニウムを含むため高価になる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、樹脂被覆層の耐陰極剥離性および耐熱水性に優れるポリエチレン被覆鋼管とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく実験と検討を重ねた結果、以下のような知見を得た。
まず、本発明者らは、鋼管表面に特定のシランカップリング剤水溶液により表面処理層を形成することが、ポリエチレン被覆層の陰極剥離の抑制、耐水密着性の向上に寄与することを見出した。シランカップリング剤は一つの分子中に有機官能基とアルコキシ基という異なる2つの官能基を持つが、これら官能基の種類によりシランカップリング剤の性質が異なる。有機官能基は表面処理層の上層の有機プライマー層中の官能基と反応する結果、表面処理層と有機プライマー層の接着性に寄与する。有機プライマー層としてはエポキシプライマーが好ましく、それとの接着性向上が期待できる点から有機官能基としてエポキシ基を有するシランカップリング剤が好ましい。また、アルコキシ基は加水分解によりシラノール基に変化し、これが鋼管表面のOH基と縮合反応してシランカップリング剤による表面処理層を形成する。加水分解反応速度はメトキシ基が最も速いことからメトキシ基が好適である。以上のことから、表面処理層を形成するシランカップリング剤としては、有機官能基としてエポキシ基、アルコキシ基としてメトキシ基を有する3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましいことを見出した。
また、上記のように特定のシランカップリング剤水溶液により鋼管表面に形成される表面処理層は、適切な処理効果を得るために、ケイ素(Si)の表面元素分率を最適化する必要があることが判った。
さらに、エポキシプライマーとしては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂の1種以上を主剤としたものが好適である。これらのエポキシ樹脂は、対称性が高く、しかも剛直なビスフェノール骨格を持つため、安定した高温特性(耐熱水性)を有する。また、骨格中にエーテル結合を有するため適度の可撓性を有する。さらに、エポキシ基が反応した結果、水酸基(OH基)が生成することから、シランカップリング剤による表面処理層との接着性が向上する。また、エポキシプライマーのガラス転移点は、耐陰極剥離性と耐熱水性の観点から70℃以上であることが好ましい。
ポリエチレン被覆鋼管は、鋼管の表面にポリエチレンを押出被覆することにより製造される。通常、ポリエチレン被覆は押出機から溶融した状態で円筒状または帯状に押し出され、それが引き伸ばされながら鋼管外面に被覆され、その状態で冷却固化される。その際、ポリエチレン被覆には歪が残留し、ポリエチレン被覆と鋼管の間に残留応力が発生する。この残留応力の存在がポリエチレン被覆が鋼管から剥離する要因の一つとなるため、耐陰極剥離性や耐水密着性が劣化する。これを抑えるには、ポリエチレン被覆の残留歪を5%以下とすることが好ましい。
また、鋼管表面に特定のシランカップリング剤水溶液による表面処理層を適正に形成するために、さらには、アンカー効果によりエポキシプライマー層との接着性を向上させるために、シランカップリング剤水溶液を接触させる前の鋼管表面の表面清浄度と表面粗さを最適化することが必要である。
以上の結果、クロメート処理材とほぼ同等の優れた耐陰極剥離性および耐熱水性を有するポリエチレン被覆鋼管が得られる。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]鋼管の表面側から順に、シランカップリング剤処理層(A)、エポキシプライマー層(B)、接着性ポリエチレン層(C)、ポリエチレン層(D)を被覆した被覆鋼管であって、
鋼管表面は、表面粗さが最大高さRzで30〜100μmであり、且つ下記計測方法で計測される輝度が220以上となる表面清浄度を有し、
シランカップリング剤処理層(A)形成用のシランカップリング剤が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであり、
シランカップリング剤処理層(A)におけるケイ素(Si)の表面元素分率が0.5〜8.0atomic%であり、
エポキシプライマー層(B)形成用のエポキシプライマーが、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂の中から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂を主剤とする、ガラス転移点が70℃以上のエポキシプライマーであり、
接着性ポリエチレン層(C)とポリエチレン層(D)からなるポリエチレン被覆の残留歪が5%以下であることを特徴とするポリエチレン被覆鋼管。
計測方法: 鋼管表面に、透明なポリプロピレンを基材とし、その片面にアクリル系粘着層を有するテープを貼り付けた後、鋼管表面から剥離し、該テープを白紙に貼り付け、この白紙上のテープ貼り付け部をデジタル画像化し、その輝度を計測する。
[2]上記[1]のポリエチレン被覆鋼管において、エポキシプライマー層(B)形成用のエポキシプライマーに含まれる硬化剤が、ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの誘導体の中から選ばれる1種以上であることを特徴とするポリエチレン被覆鋼管。
[3]上記[2]のポリエチレン被覆鋼管において、硬化剤を、エポキシプライマーの主剤100質量部に対して1.5〜8.5質量部含むことを特徴とするポリエチレン被覆鋼管。
[4]上記[1]のポリエチレン被覆鋼管において、エポキシププライマー層(B)形成用のエポキシプライマーに含まれる硬化剤が、キシレンジアミンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルとの反応生成物である変性ポリアミンとエチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンとの混合物であり、前記不飽和カルボン酸をアクリル酸またはメタクリル酸とし、若しくは、前記不飽和カルボン酸アルキルエステルをアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルとすることを特徴とするポリエチレン被覆鋼管。
[5]上記[4]のポリエチレン被覆鋼管において、エポキシプラマーの主剤中のエポキシ基のモル数(w)と硬化剤中の全活性水素のモル数(x)との比[x/w]が0.7〜1.2、硬化剤中の変性ポリアミン量が60質量%以上100質量%未満であることを特徴とするポリエチレン被覆鋼管。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかのポリエチレン被覆鋼管において、エポキシプライマー層(B)形成用のエポキシプライマーは、主剤100質量部に対して、シリカ、酸化チタンの中から選ばれる1種以上を5〜30質量部含むことを特徴とするポリエチレン被覆鋼管。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかのポリエチレン被覆鋼管の製造方法であって、
接着性ポリエチレン層(C)とポリエチレン層(D)を共押出被覆する際の延伸倍率が5〜10倍であることを特徴とするポリエチレン被覆鋼管の製造方法。
[8]上記[7]の製造方法において、シランカップリング剤濃度が0.1〜5.0質量%のシランカップリング剤水溶液(但し、水とアルコールの混合物を溶媒とするものを含む。)で鋼管表面を処理することにより、シランカップリング剤処理層(A)を形成することを特徴とするポリエチレン被覆鋼管の製造方法。
本発明のポリエチレン被覆鋼管は、陰極剥離と高温下での耐水密着性の低下が効果的に抑制され、クロメート処理材とほぼ同等の優れた耐陰極剥離性と耐熱水性が得られる。また、本発明の製造方法によれば、そのような優れた性能を有するポリエチレン被覆鋼管を安定して製造することができる。
本発明のポリエチレン被覆鋼管は、鋼管表面に特定のシランカップリング剤処理層(A)を有し、この表面処理層の上に複層の樹脂被覆層を有する。シランカップリング剤処理層(A)とその上層に形成される樹脂被覆層は、クロムを含まない。
まず、鋼管表面に形成されるシランカップリング剤処理層(A)について説明する。
このシランカップリング剤処理層(A)は、シランカップリング剤の水溶液(但し、水とアルコールの混合物を溶媒とするものを含む。以下同様)で鋼管表面を処理する(すなわち、鋼管表面に水溶液を接触させた後、溶媒を蒸発させる)ことにより形成させたものである。
シランカップリング剤としては、有機官能基としてエポキシ基、アルコキシ基としてメトキシ基を有するシランカップリング剤である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用いる。さきに述べたように、このシランカップリング剤は、(i)そのエポキシ基がシランカップリング剤処理層(A)の上層のエポキシプライマー層(B)中の官能基と反応する結果、シランカップリング剤処理層(A)とエポキシプライマー層(B)の接着性に寄与する、(ii)加水分解反応速度が速いメトキシ基が加水分解によりシラノール基に変化し、これが鋼管表面のOH基と縮合反応してシランカップリング剤による表面処理層を速やかに形成する、という点において、シランカップリング剤処理層(A)を形成するシランカップリング剤として最適なものである。
シランカップリング剤の水溶液は、pHを4〜5に調整すると安定性が良くなるので、蟻酸、酢酸、乳酸などを添加して水溶液のpHを調整してもよい。
シランカップリング剤の水溶液中のシランカップリング剤濃度は、0.1〜5.0質量%とするのが好ましく、0.3〜2.0質量%とするのがより好ましい。シランカップリング剤濃度が0.1質量%未満では、処理効果が小さく、一方、5質量%を超えるとシランカップリング剤の加水分解により生じたシラノール基の縮合反応が進み、水に不溶なシロキサンオリゴマーが生じ、処理効果が低減する。
以上のようなシランカップリング剤濃度のシランカップリング剤水溶液でシランカップリング剤処理層(A)を形成すると、シランカップリング剤処理層(A)のケイ素(Si)の表面元素分率(シランカップリング剤処理層(A)表面に存在するケイ素の割合)は0.5〜8.0atomic%となる。このケイ素(Si)の表面元素分率はX線光電子分光分析(XPS)により測定することができる。
シランカップリング剤の水溶液の調製とシランカップリング剤処理層(A)の形成は、例えば、以下のような方法で行うことができる。
シランカップリング剤を溶媒である水(または水とアルコールの混合溶媒)に所定量加えて30〜60分間ほど撹拌し、シランカップリング剤を十分に溶解させた水溶液とし、これを鋼管表面に接触させる。
シランカップリング剤の水溶液を鋼管表面に接触させる方法は、スプレー法、鋼管表面に適量を滴下してシリコンゴムなどでしごく方法、など任意の方法でよい。その後、溶媒を蒸発させ、これにより鋼管表面にシランカップリング剤処理層(A)が形成される。溶媒を蒸発させるには、常温で風乾させてもよいが、40℃〜110℃の範囲で加熱するのが好ましい。
次に、上記シランカップリング剤処理層(A)の上に形成される複層の樹脂被覆層について説明する。
シランカップリング剤処理層(A)上に形成される樹脂被覆層は、下層側(鋼管表面側)から順に積層する、エポキシプライマー層(B)、接着性ポリエチレン層(C)及びポリエチレン層(D)からなる。
エポキシプライマー層(B)形成用のエポキシプライマー(樹脂組成物)としては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂の中から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂を主剤とするものを用いる。
先に述べたように、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂は、対称性が高く、しかも剛直なビスフェノール骨格を持つため、安定した高温特性(耐熱水性)を有する。また、骨格中にエーテル結合を有するため適度の可撓性を有する。さらに、エポキシ基が反応した結果、水酸基(OH基)が生成することから、シランカップリング剤処理層(A)との接着性が向上する。
また、ビスフェノールA系エポキシ樹脂としては、特に安定した高温特性(耐熱水性)が得られるという点でエポキシ当量が170〜280のものが好ましい。また、そのなかでも、取り扱い作業性の点からエポキシ当量が184〜194のもの(例えば、三菱化学(株)製「グレード828」)が特に好ましい。
また、ビスフェノールF系エポキシ樹脂としては、特に安定した高温特性(耐熱水性)が得られるという点でエポキシ当量が156〜280のものが好ましい。また、そのなかでも、取り扱い作業性の点からエポキシ当量が160〜175のもの(例えば、三菱化学(株)製「グレード807」)が特に好ましい。
エポキシプライマーのガラス転移点は、70℃以上とする。エポキシプライマーのガラス転移点が70℃未満であると、耐陰極剥離性と耐熱水性が不十分となる。
エポキシプライマーの硬化剤は、エポキシプライマーのガラス転移点が70℃以上となるようなものであれば、その種類や配合量は問わないが、特に、「ジシアンジアミド、グアニジン化合物などのジシアンジアミドの誘導体の中から選ばれる1種以上」、或いは、「キシレンジアミンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルを反応して得られる変性ポリアミンと、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンとの混合物」が硬化剤として好適であり、この硬化剤を主剤に添加し、エポキシプライマーを熱硬化性樹脂組成物とすることが好ましい。これらの硬化剤を適正量配合するとエポキシプライマーのガラス転移点が70℃以上となり、耐陰極剥離性と耐熱水性が良好になる。
ここで、硬化剤として、ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの誘導体の中から選ばれる1種以上を用いる場合、その添加量は、エポキシプライマーの主剤(上述したビスフェノール型エポキシ樹脂)100質量部に対して1.5〜8.5質量部が好ましく、3.0〜6.0質量部がより好ましい。この硬化剤の添加量が1.5質量部以上であれば、エポキシプライマーのガラス転移点は70℃以上となる。一方、硬化剤の添加量が8.5質量部を超えると、反応しきれない硬化剤が残留し、鋼管との密着性が低下しやすくなる。
また、キシレンジアミンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルを反応して得られる変性ポリアミンと、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンとの混合物からなる硬化剤は、前記不飽和カルボン酸をアクリル酸またはメタクリル酸とし、若しくは、前記不飽和カルボン酸アルキルエステルをアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルとすることが好ましい。この硬化剤を用いる場合、エポキシプラマーの主剤(上述したビスフェノール型エポキシ樹脂)中のエポキシ基のモル数(w)と硬化剤中の全活性水素のモル数(x)との比[x/w]が0.7〜1.2となるように配合することが好ましい。また、硬化剤(混合物)中の変性ポリアミン量は、60質量%以上100質量%未満(したがって、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタン量は0質量%超40質量%以下)が好ましく、70質量%以上90質量%以下(したがって、エチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタン量は10質量%以上30質量%以下)がより好ましい。比[x/w]および変性ポリアミン量が上記の範囲であれば、エポキシプライマーのガラス転移点は70℃以上となる。
また、エポキシプライマーには、顔料としてシリカ、酸化チタンの中から選ばれる1種以上を添加することが好ましい。シリカや酸化チタンの表面にはOH基が多数存在し、このOH基によりシランカップリング剤処理層(A)およびエポキシプライマーと反応することが可能となり、エポキシプライマー層(B)のバリア性が向上するだけでなく、鋼管面との耐水密着性が向上する。シリカ、酸化チタンの中から選ばれる1種以上の添加量は、エポキシプライマーの主剤(上述したビスフェノール型エポキシ樹脂)100質量部に対して5質量部〜30質量部が好ましい。添加量が5質量部未満では、その効果が十分に期待できず、一方、30質量部を超えて添加しても、その効果が飽和するため却って経済性を損なう。
エポキシプライマー層(B)の形成方法は特に制限はなく、従来公知の方法でよい。例えば、エポキシプライマー(溶媒として例えばトルエンなどを用いた樹脂組成物)をシランカップリング剤処理層(A)の上にスプレー法または適量を滴下してシリコンゴム等でしごく方法により塗布した後、加熱硬化させるなど、任意の方法でよい。
接着性ポリエチレン層(C)(変性ポリエチレン層)を形成する接着性ポリエチレン樹脂としては、従来公知のもの、例えば、ポリエチレン樹脂に無水マレイン酸を共重合またはグラフト重合させたものを用いることができる。
また、ポリエチレン層(D)を形成するポリエチレン樹脂としては、低密度、中密度、高密度のいずれのポリエチレン樹脂を用いてもよいが、特に高密度ポリエチレン樹脂が望ましい。
接着性ポリエチレン層(C)とポリエチレン層(D)は、通常、それらの押出被覆により形成されるが、この接着性ポリエチレン層(C)とポリエチレン層(D)からなるポリエチレン被覆は、残留歪が5%以下であることが必要となる。残留歪が5%を超えると残留応力により被覆が剥離しやすくなり、十分な耐陰極剥離性や耐水密着性を確保できなくなる。なお、残留歪は、ポリエチレン被覆鋼管の被覆を剥離し、剥離前後の被覆長さに基づき、「(剥離前の被覆長さ−剥離後の被覆長さ)/剥離前の被覆長さ」により求めることができる。
接着性ポリエチレン層(C)とポリエチレン層(D)からなるポリエチレン被覆の残留歪を5%以下とするには、それらを共押出被覆する際の延伸倍率(被覆形成後長さ/押出し時長さ)を5〜10倍とすることが好ましい。延伸倍率が10倍を超えると残留歪が5%を超えてしまい、一方、延伸倍率が5倍未満では鋼管と樹脂被覆層との間の密着性が不十分となる。なお、延伸倍率とは、押し出し機から吐出された樹脂がどの程度引き伸ばされて鋼管外面に被覆されるかを表すものであり、「被覆形成後長さ」を「押し出し時長さ」で除算することによって求められる。ここで、「押し出し時長さ」は押し出された溶融樹脂の時間当たりの吐出重量と、樹脂の密度と、押し出し機のダイス吐出面における樹脂の断面積より、時間当たり押し出された長さを算出して求める。また「被覆形成後長さ」は時間当たりの鋼管の進行速度(被覆速度、すなわちライン速度)に当たる。
陰極剥離や耐水密着性(耐熱水性)の低下による被覆の剥離は、プライマー層を透過する酸素および水などが引き起こす陰極反応や腐食反応の結果として生成するアルカリなどによる界面の破壊と、樹脂被覆の残留歪が原因で界面に生じる残留応力との相乗作用により発生すると考えられる。これに対して、本発明のポリエチレン被覆鋼管では、特定のシランカップリング剤により形成される表面処理層(シランカップリング剤処理層)が、特定のエポキシプライマー層と強固に密着するとともに、エポキシプライマー層が酸素や水などの透過を抑制し、さらに、樹脂被覆の残留歪が低く抑えられることで、耐陰極剥離や耐水密着性(耐熱水性)が向上するものと考えられる。
次に、シランカップリング剤処理層(A)を形成する鋼管表面の表面粗さと清浄度について説明する。
シランカップリング剤処理層(A)を形成する鋼管表面は、表面粗さが最大高さRz(JIS B0601 2001)で30〜100μmであり、且つ下記計測方法で計測される輝度が220以上となる表面清浄度を有する。
計測方法: 鋼管表面に、透明なポリプロピレンを基材とし、その片面にアクリル系粘着層を有するテープを貼り付けた後、鋼管表面から剥離し、該テープを白紙に貼り付け、この白紙上のテープ貼り付け部をデジタル画像化し、その輝度を計測する。
シランカップリング剤処理層(A)を形成する鋼管表面に適度な粗さを付与するのはアンカー効果によりエポキシプライマー層(B)との接着性を向上さるためであり、表面粗さが最大高さRzで30μm未満では、エポキシプライマー層(B)との接着性の向上効果が十分でない。一方、表面粗さが最大高さRzで100μmを超えてもその効果は変わらず、ブラスト処理などの面で却って経済性を損なう。
また、シランカップリング剤処理層(A)を形成する鋼管の表面清浄度を最適化するのは、シランカップリング剤による適切な処理効果を得るためである。表面清浄度を評価するための上述した計測方法で計測される輝度が200未満は非常に汚いレベルであり、200以上220未満が通常の状態、220以上が非常に清浄な状態と評価できる。輝度が220未満では、耐陰極剥離や耐水密着性(耐熱水性)が劣ったものとなる。
以上のような鋼管表面の表面粗さと表面清浄度を実現するための方法は任意であるが、ブラスト処理は鋼管表面の清浄化と表面粗さの付与を同時に行うことができるので、シランカップリング剤処理層(A)を形成するためにシランカップリング剤の水溶液を接触させる前の鋼管表面に、ブラスト処理を施すことが好ましい。さらに、ブラスト処理後の表面は、圧縮空気や高圧水の吹き付けなどでブラスト残渣を除去する処理を行い、上記のような表面清浄度(上記の計測方法により計測される輝度が220以上)まで清浄化するのが好ましい。
ここで、表面清浄度を評価する輝度の計測方法の詳細を説明すると、まず、シランカップリング剤処理層(A)を形成するためにシランカップリング剤の水溶液を接触させる前の鋼管表面(例えば、ブラスト処理およびブラスト残渣の除去処理後の鋼管表面)に、基材が透明なポリプロピレンからなり、その片面にアクリル系粘着層を有するテープ(アクリル粘着系ポリプロピレンテープ)を貼り付ける。このテープの厚さは500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。これは、光の透過性の観点から、テープがあまり厚くなると光の透過が阻害されるので、テープに転写される鋼管表面の汚れ(表面転写物)が見えにくくなるためである。一方、テープがあまりに薄いと貼り付けの際などに破損するおそれがあるので、テープの厚さは10μm以上が好ましい。したがって、テープの厚さは10〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。また、テープで汚れを採取するのは、10mm×10mm以上の範囲とするのが好ましい。これは、数ミリ単位の範囲では汚れが局在化していることが考えられるためであり、このような観点からは、50mm×50mm以上の範囲の汚れを採取することがより好ましい。したがって、これらに応じてテープのサイズを選択すればよい。
なお、テープを鋼管表面に貼り付けた後は、十分に密着させるため、テープの上からロールなどを当てて、鋼管表面によく馴染ませることが好ましい。
鋼管表面に貼り付けて表面の汚れを転写させたテープを剥離し、これを白紙に貼り付け、テープに転写された鋼管表面の汚れ(表面転写物)が、基準となる白色上で明確に捉えられるようにする。テープを貼り付ける紙は、グレースケール0レベルの色が好ましく、グレースケールが10以上では、汚れの判別が困難になる。白紙上のテープ貼り付け部では、テープに転写された鋼管表面の汚れ(表面転写物)が、透明なテープを通じて捉えられるので、これをデジタルデータ化(デジタル画像化)して、PC上にて画像解析を行ない、輝度を求める。現在では、これら汚れ情報をスキャナーにて取り込むことで簡便にデジタル化でき、一般市販ソフトウエアにて輝度を簡便に求めることが可能である。このようにして求められた輝度によって、鋼管のブラスト処理およびブラスト残渣の除去処理後の表面清浄度を評価する。
本発明において、表面処理層とポリエチレン被覆が形成される鋼管表面は、通常、鋼管外面であるが、鋼管内面でもよく、また、鋼管の外面・内面でもよい。
[表面処理剤(シランカップリング剤の水溶液)の調製]
ビーカーにイオン交換水を入れ、スターラーにより撹拌しながら、シランカップリング剤を一定濃度になるように徐々に滴下し、一時間程度撹拌して完全に溶解させた。シランカップリング剤としては、下記a〜cを用いた。
a:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製「KBM403」)
b:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製「KBE403」)
c:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製「KBM803」)
[ポリエチレン被覆鋼管の作製]
(1)鋼管の前処理
鋼管は、JIS SGP 200Aサイズであり、黒皮をブラスト処理で取り除き、次いで、エアブローによりブラスト残渣などを除去した後、表面粗度および清浄度を測定した。表面粗度は市販の表面粗さ計((株)ミツトヨ製「サーフテストSJ-210」)を用いて測定し、最大高さRz(JIS B0601 2001)を求めた。また、表面清浄度は、透明なアクリル粘着系ポリプロピレンテープ(住友3M(株)製,70mm×100mm×0.1mm)を鋼管表面に貼り付け、表面の汚れを転写した。その後テープを剥離して白紙(富士ゼロックス(株)製,A4白コピー上質紙)に貼り付けた。このテープ貼り付け部をデジタル画像化し、市販の画像解析ソフトウエア(ADOBE Photoshop)にて50mm×50mmの範囲の輝度を求めた。
(2)表面処理層(シランカップリング剤処理層)の形成
上記鋼管の外面に表面処理剤(シランカップリング剤の水溶液)をスプレー塗装により一定量塗布した後、誘導加熱により表面温度が50℃に達するまで加熱し、溶媒(水)を蒸発させることにより鋼管表面に表面処理層(シランカップリング剤処理層)を形成した。
ケイ素(Si)の表面元素分率は、上記と同じ方法で表面処理層を形成したダミー板を作製し、X線光電子分光分析(XPS)により測定した。
(3)エポキシプライマーの調製および塗布
市販の液状エポキシ樹脂と硬化剤(ジシアンジアミド)およびシリカ(平均粒径900nmの気相シリカ)を混合し、エポキシプライマーを得た。市販の液状エポキシ樹脂としては、下記d、eのいずれかを用いた。
d:ビスフェノールA系エポキシ樹脂(エポキシ当量:184〜194、三菱化学(株)製「グレード828」)
e:ビスフェノールF系エポキシ樹脂(エポキシ当量:160〜175、三菱化学(株)製「グレード807」)
また、他のエポキシプライマーでは、硬化剤として、下記f、gのいずれかの変性ポリアミンとエチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタン(活性水素当量80)との混合物を用い、上記d,eのいずれかの液状エポキシ樹脂と硬化剤と酸化チタンを混合し、エポキシプライマーを得た。
f:キシレンジアミンとアクリル酸とを反応生成させた変性ポリアミン(活性水素当量65)
g:キシレンジアミンとメタクリル酸とを反応生成させた変性ポリアミン(活性水素当量68)
エポキシプライマーのガラス転移点は、示差走査熱量測定(DSC)により求めた。
上記エポキシプライマー(トルエンを溶媒とする樹脂溶液)を膜厚が20μmとなるように表面処理層(シランカップリング剤処理層)の上にスプレー法により塗布し、誘導加熱により硬化させ、エポキシプライマー層を形成した。
(4)樹脂層の被覆
エポキシプライマー層が形成された鋼管に、市販の接着性ポリエチレン樹脂(三井化学(株)製「アドマーNE065」)とポリエチレン樹脂(プライムポリマー(株)製「HI-ZEX5100E」)を共押出被覆して接着性ポリエチレン層とポリエチレン層を形成し、ポリエチレン被覆鋼管を作製した。ポリエチレン被覆(接着性ポリエチレン層+ポリエチレン層)の膜厚は3mmとした。
作製したポリエチレン被覆鋼管の被覆を剥離し、剥離前後の被覆長さから残留歪を求めた。
(5)参考例の作製
参考例としてクロメート処理材によるポリエチレン被覆鋼管を作製した。上記の表面処理剤の代わりに、クロメート処理液(関西ペイント(株)製「コスマー100」)を純水で1/5に希釈したものを使用し、鋼管外面にCr換算付着量が300mg/mとなるようスプレー塗布し、鋼管到達温度が50℃となるよう加熱乾燥させてクロメート層を形成した。それ以外は、他の実施例と同様とし、ポリエチレン被覆鋼管を作製した。Cr換算付着量は、上記と同じ方法でクロメート層を形成したダミー板を作製し、所定面積のクロメート皮膜を10%NaOHで剥離した後、剥離溶液中のCr量を吸光光度法で測定し、これを元に1m当たりのCr換算付着量を算出した。
[ポリエチレン被覆鋼管の性能評価]
(1)耐陰極剥離性(陰極剥離距離)
ポリエチレン被覆鋼管から適当な大きさの試験片を採取し、以下の方法で陰極剥離距離を測定し、耐陰極剥離性を評価した。試験片の中央部に直径6mmφの円形の人工欠陥部を形成し、鋼材を露出させた。人工欠陥部を中心にして直径70mmφのアクリル製の円筒を樹脂被覆層上に縦に設置してシール材で樹脂被覆層に固定し、円筒内部を3質量%NaCl水溶液で満たし、セルを作成した。対極に白金を使用して、人工欠陥部の鋼材の電位を−1.5V vsSCEにポテンシオスタットを使用して保持した。このまま60℃の恒温槽内に試験片を静置し、28日間電位を保持した。次いで、試験片を回収後、セルをはずし、人口欠陥部の周囲をたがねとカッターを使用して強制的に剥離した。人工欠陥部の周辺部は樹脂被覆層が鋼管から剥離し、鋼材の表面が露出していたため、人工欠陥部からの剥離距離を調べるため、人工欠陥部を中心とした4方向(管軸方向を12時方向として、12時、3時、6時、9時方向)で人工欠陥端部からの剥離部の距離を測定して、その平均値を陰極剥離距離とした。この陰極剥離距離は、値が小さいほど良好であり、「20mm以下」を合格とした。
(2)耐熱水性(熱水浸漬後の剥離幅)
ポリエチレン被覆鋼管から適当な大きさの試験片を採取し、以下の方法で耐熱水性を評価した。試験片の端面のうち熱水に暴露する面を三つ山相当に研磨し、その他の端面および鋼材面をシール剤にてシールした。これを80℃に加熱された蒸留水または脱イオン水に48時間浸漬した。浸漬終了後、室温まで冷却してから被覆を剥離し、プライマー層と鋼管面の間で剥離した部分の幅を測定した。10点測定し、その平均値を算出した。剥離幅は値が小さいほど良好であり、「2mm以下」を合格とした。
以上の評価結果をポリエチレン被覆鋼管の製造条件とともに表1〜表6に示す。これによれば、本発明例は比較例に比べて優れた耐陰極剥離性および耐熱水性が得られている。また、本発明例は、クロメート処理材(参考例)とほぼ同等の優れた性能が得られている。
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Claims (8)

  1. 鋼管の表面側から順に、シランカップリング剤処理層(A)、エポキシプライマー層(B)、接着性ポリエチレン層(C)、ポリエチレン層(D)を被覆した被覆鋼管であって、
    鋼管表面は、表面粗さが最大高さRzで30〜100μmであり、且つ下記計測方法で計測される輝度が220以上となる表面清浄度を有し、
    シランカップリング剤処理層(A)形成用のシランカップリング剤が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであり、
    シランカップリング剤処理層(A)におけるケイ素(Si)の表面元素分率が0.5〜8.0atomic%であり、
    エポキシプライマー層(B)形成用のエポキシプライマーが、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂の中から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂を主剤とする、ガラス転移点が70℃以上のエポキシプライマーであり、
    接着性ポリエチレン層(C)とポリエチレン層(D)からなるポリエチレン被覆の残留歪が5%以下であることを特徴とするポリエチレン被覆鋼管。
    計測方法: 鋼管表面に、透明なポリプロピレンを基材とし、その片面にアクリル系粘着層を有するテープを貼り付けた後、鋼管表面から剥離し、該テープを白紙に貼り付け、この白紙上のテープ貼り付け部をデジタル画像化し、その輝度を計測する。
  2. エポキシプライマー層(B)形成用のエポキシプライマーに含まれる硬化剤が、ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの誘導体の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン被覆鋼管。
  3. 硬化剤を、エポキシプライマーの主剤100質量部に対して1.5〜8.5質量部含むことを特徴とする請求項2に記載のポリエチレン被覆鋼管。
  4. エポキシププライマー層(B)形成用のエポキシプライマーに含まれる硬化剤が、キシレンジアミンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸アルキルエステルとの反応生成物である変性ポリアミンとエチルトリス(アミノプロピルオキシメチル)メタンとの混合物であり、前記不飽和カルボン酸をアクリル酸またはメタクリル酸とし、若しくは、前記不飽和カルボン酸アルキルエステルをアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルとすることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン被覆鋼管。
  5. エポキシプラマーの主剤中のエポキシ基のモル数(w)と硬化剤中の全活性水素のモル数(x)との比[x/w]が0.7〜1.2、硬化剤中の変性ポリアミン量が60質量%以上100質量%未満であることを特徴とする請求項4に記載のポリエチレン被覆鋼管。
  6. エポキシプライマー層(B)形成用のエポキシプライマーは、主剤100質量部に対して、シリカ、酸化チタンの中から選ばれる1種以上を5〜30質量部含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン被覆鋼管。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエチレン被覆鋼管の製造方法であって、
    接着性ポリエチレン層(C)とポリエチレン層(D)を共押出被覆する際の延伸倍率が5〜10倍であることを特徴とするポリエチレン被覆鋼管の製造方法。
  8. シランカップリング剤濃度が0.1〜5.0質量%のシランカップリング剤水溶液(但し、水とアルコールの混合物を溶媒とするものを含む。)で鋼管表面を処理することにより、シランカップリング剤処理層(A)を形成することを特徴とする請求項7に記載のポリエチレン被覆鋼管の製造方法。
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