JP6078109B2 - 鮮度保持方法 - Google Patents

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Description

この発明は、青果物の鮮度保持方法及び鮮度保持装置、例えば、収穫後のイチゴやトマトの貯蔵時又は店頭陳列時に用いられる鮮度保持方法及び鮮度保持装置に関する。
野菜や果物等の青果物の鮮度は、販売価格、歩留まり、出荷調整又は食味等に大きく影響を与える。そのため、青果物の鮮度を保持することは、生産、流通、小売及び消費のどの段階においても重要である。
青果物の鮮度を判定する要素としては、色艶やしおれの有無、硬さや弾力性等が挙げられる。例えば緑色野菜等の鮮度は、色調や重量減少等を指標として判定される。また、例えば果菜の鮮度は、果皮硬度等を指標として判定される。
ここで、収穫後の青果物は、呼吸作用の代謝物として生成されるエチレンや水分蒸散によって熟成及び老化し、鮮度が低下する。
そこで、従来は、5℃程度の低温で青果物を貯蔵する低温貯蔵、低酸素かつ高二酸化炭素とした庫内に青果物を貯蔵するCA(Controlled Atmosphere)貯蔵、又は鮮度保持フィルムでの包装等によって、収穫後の青果物の呼吸量や水分蒸散量を抑制し、鮮度を保持していた。しかしながら、低温貯蔵やCA貯蔵には、設備費及び維持費によってコストが増大するという問題がある。また、鮮度保持フィルムでの包装には、作業量が増大するという問題がある。
このような問題を解消する技術として、光を利用して青果物の鮮度を保持する技術が提案されている。
青果物を収容する庫内に、鮮度低下の原因となるエチレンを酸化分解する機構が設けられた装置がある(例えば特許文献1及び2参照)。この装置では、エチレンの酸化分解によって発生するエチレン酸化物をさらに酸化分解するために、エチレン酸化物の酸化分解を促進させる光触媒が追加的に庫内に収容される。さらに、この装置では、紫外線ランプを用いて光触媒を照射することによって、光触媒の触媒効果を向上させる。
また、緑色野菜に対して白色光や赤色光を照射することによって、クロロフィル濃度低下による緑色野菜の色調低下を抑制する方法がある(例えば特許文献3及び4参照)。この方法では、照射する光の波長が、緑色色素であるクロロフィルの吸収帯(約400〜700nm)に合わせて設定される。
また、乾燥処理過程において、スダチに対して遠赤外光を照射する方法がある(例えば特許文献5参照)。この方法では、遠赤外光の照射によって、スダチの果皮が加熱される。その結果、スダチの呼吸量が抑制され、鮮度が保持される。
また、10℃の暗所下において、850〜1000nm付近の近赤外光を5分間照射した後、同条件(10℃の暗所下)で放置した場合、レタス等の葉物野菜、果実及び切り花等の水分蒸散量が低下し、鮮度が保持されることが報告されている(例えば非特許文献1)。また、700〜2500nmの範囲の波長の光を照射することによって、農作物の蒸散、変色及び軟化等を抑制できることが記載されている(特許文献6)。
施設栽培の分野では、長日植物に対して青色光及び遠赤色光を照射することによる開花促進作用、並びに長日植物に対して赤色光を照射することによる開花抑制作用が報告されている(例えば非特許文献2及び3参照)。また、植物に対して、赤色光と青色光とを交互に照射することによって、植物の成長を促進する技術がある(例えば特許文献7参照)。さらに、これら青色光、赤色光及び遠赤色光の混合光を利用して、長日植物の開花率や開花までの日数を制御する方法がある(例えば特許文献8参照)。
また、遠赤色光を照射することによる、植物の葉柄や茎の伸長及び葉面積の増大が報告されている(例えば非特許文献4)。このような作用を利用し、栽培中において遠赤色光を照射することによって、コマツナ等の可食部増量やイチゴの収量増加を図る技術がある(例えば特許文献9及び10)。
特開平05−103588号公報 特開2002−65152号公報 特開平09−28363号公報 特開2010−48550号公報 特開平06−90659号公報 国際特許出願公開2013/031925号明細書 特開2013−201903号公報 特開2011−101616号公報 特開平08−275681号公報 特開2012−165665号公報
高附亜矢子、垣渕和正、石田豊、「近赤外光を使用した青果物鮮度保持技術の研究」、農業電化、65巻、6号、34-36(2012) Eskins,K., Light-quality effects on Arabidopsis development: Red, blue and far-red regulation of flowering and morphology. Physiol. Plant. 86, 439-444 (1992) Todd, M., Hongyun,Y., XuHong,Y., Dhavan,P., Ying-chia,C.,Sarah,D. and Chentao,L., Regulation of photoperiodic flowering by Arabidopsis photoreceptors. Proc. Natl. Acad. Sci. USA100, 2140-2145 (2003) 村上克介、洞口公俊、森田政明、相賀一郎、「遠赤色光付加照射によるヒマワリ幼植物の伸長成長制御」、生物環境調節、29(2)、73-79(1991)
特許文献1及び2の装置では、エチレンを酸化分解する機構、エチレン酸化物の酸化分解を促進させる光触媒及び紫外線ランプを用意して適宜設置する必要がある。そのため、装置の複雑化やコストの増大が問題となる。また、特許文献3及び4の方法は、緑色野菜の色調低下を抑制することに有効であると考えられる。しかしながら、例えば果菜や果実等の果皮硬度の低下(軟化)による鮮度低下については考慮されていない。また、特許文献5の方法は、果皮の加熱に適さない種類の青果物に対しての適用が困難である。また、非特許文献1の方法では、低温の暗所下における近赤外光照射によって、植物の気孔閉鎖が促進する。その結果、水分蒸散が抑制される。従って、店頭等の蛍光灯照明下や自然光存在下、又は常温下に放置した場合には、植物の気孔が開口するため、鮮度の保持が困難であると考えられる。また、特許文献6では、特定の農作物に対する蒸散抑制については、様々な条件での試験によって、好適な条件が見出されている。しかしながら、軟化抑制や変色抑制については、近赤外光を照射する場合の効果しか開示されておらず、改善の余地があると考えられる。
また、特許文献7〜10及び非特許文献2〜4の方法は、植物の栽培に対しては有効であるが、収穫後の青果物の鮮度保持という観点が考慮されていない。そのため、青果物の鮮度保持の効果について確認されていない。そして、鮮度保持に際しては、植物栽培とは異なる条件を設定する必要があると考えられる。
そこで、発明者らが検討を行ったところ、収穫後の青果物に対して、赤色光及び遠赤色光の双方を照射することで、鮮度を保持できることを見出した。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、例えば貯蔵時又は店頭陳列時において、収穫後の青果物(主に果菜類)の鮮度保持をより簡便に行う方法及び装置を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の鮮度保持方法は、青果物に対して、赤色光及び遠赤色光の双方を、同時にあるいは交互に照射する。
また、この発明の鮮度保持装置は、上述した鮮度保持方法において用いられる。この発明の鮮度保持装置は、青果物を収容する貯蔵庫と、貯蔵庫内に設けられた、青果物に赤色光を照射する第1光源、及び青果物に遠赤色光を照射する第2光源を含む照明装置とを備える。
この発明の鮮度保持方法及び鮮度保持装置によれば、赤色光及び遠赤色光の双方を照射することで、青果物の鮮度を保持することができる。
以下、この発明の実施形態について説明するが、数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更を行うことができる。
この発明の鮮度保持方法は、青果物に赤色光及び遠赤色光の双方を照射する過程を備える。ここでは、赤色光は、波長が約670nmの波長域の光である。また、遠赤色光は、波長が約735〜780nmの範囲の波長域の光である。なお、赤色光と遠赤色光とを同時に、又は赤色光と遠赤色光とを交互に照射することができる。
ここでの青果物は、例えば、収穫後の果菜(イチゴやトマト等)を指す。果菜は、例えば貯蔵時や店頭陳列時に常温下に置かれると、軟化等が生じ、鮮度が低下する。このとき、赤色光及び遠赤色光を照射すると鮮度が保持される。
従って、赤色光及び遠赤色光の双方を照射することによって、収穫後の果菜の、貯蔵されている間及び店頭に陳列されている間の、鮮度の低下を抑えることができる。
また、この発明の鮮度保持装置は、上述した鮮度保持方法を実施するに当たり好適な構成を有しており、貯蔵庫とこの貯蔵庫内に設けられた照明装置とを備えている。貯蔵庫は、青果物を収容する。照明装置は、青果物に赤色光を照射する第1光源、及び青果物に遠赤色光を照射する第2光源を含んでいる。これら各光源として、例えばLEDを用いることができる。後述する各実施例は、この鮮度保持装置を用いて行った。
(実施例1)
実施例1は、15℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるイチゴの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜7を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。イチゴの検体として「きたのさち」を12個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜7の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「きたのさち」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「きたのさち」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。試験区−1〜7における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表1に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置(LI−COR社製のLI−1800)を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2〜5は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用い、試験区−2〜5でそれぞれ異なる波長にピークを示す遠赤色光を照射した。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。試験区−2の遠赤色光は、約735nmにピークを示した。試験区−3の遠赤色光は、約750nmにピークを示した。試験区−4の遠赤色光は、約760nmにピークを示した。試験区−5の遠赤色光は、約780nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−6は、赤色光及び遠赤色光の併用照射(同時照射)を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各4W/m(合わせて8W/m)、容器外周付近の底面において各0.8W/m(合わせて1.6W/m)とした。
また、試験区−7は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜7とも、試験期間を3日とした。試験区−1〜6では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。また、試験期間中の試験区−1〜7では、温度が約14.5〜15.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜65%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(3日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表2に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−7(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表2に示すように、照射を行った試験区−1〜6の検体は、暗所とした試験区−7の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を照射することによってイチゴの軟化が抑制される、すなわち鮮度が保持されることが確認された。特に、赤色光及び遠赤色光を同時照射した試験区−6では、検体の軟化抑制が顕著であった。
ここで、果皮の軟化は、検体の成熟に伴う、果皮の細胞壁を構成するペクチンの分解に起因すると考えられる。表2から、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方が照射された検体では、ペクチンの分解の抑制又はペクチンの合成の促進が起こり、その結果、果皮硬度の低下が抑えられたと考えられる。特に、試験区6では、試験開始時に比べて、検体の果皮硬度が高くなった。これは、試験区6の検体において、ペクチンの合成の促進が生じ、試験開始時の状態からさらに細胞壁が構成された結果と考えられる。
また、目視評価によって、硬度が高い試験区の検体ほど、外観状態が良好であることが確認された。特に、試験区−6では、検体の約8割が、試験開始時の外観状態を保持していた。
一方、暗所とした試験区−7の検体は、軟化が著しく、外観状態についても劣化が確認された。
(実施例2)
実施例2は、15℃に設定した貯蔵庫内において、赤色光及び遠赤色光を断続的に照射した場合のイチゴの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜5を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。イチゴの検体として「きたのさち」を10個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜5の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「きたのさち」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「きたのさち」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。試験区−1〜5における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表3に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
試験区−1及び2では、1日の照射時間を、4時間の照射を2回行う合計8時間とし、残りの16時間は暗所とした。なお、試験期間を通して、各照射の間隔(暗所とする時間)を8時間とした。
また、試験区−3及び4は、赤色光及び遠赤色光の照射を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各4W/m(合わせて8W/m)、容器外周付近の底面において各0.8W/m(合わせて1.6W/m)とした。
試験区−3では、1日の照射時間を、4時間の照射を2回行う合計8時間とし、残りの16時間は暗所とした。また、試験区−3では、2回の照射をともに赤色光及び遠赤色光の同時照射とした。そして、試験期間を通して、各照射の間隔(暗所とする時間)を8時間とした。
一方、試験区−4では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とを2回ずつ、交互に単独で照射する合計16時間とし、残りの8時間は暗所とした。ここでは、赤色光及び遠赤色光の順に4時間ずつ続けて照射した後、暗所とする時間を4時間設けた。そして、再び赤色光及び遠赤色光の順に4時間ずつ続けて照射した後、再び、暗所とする時間を4時間設けた。
また、試験区−5は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜5とも、試験期間を3日とした。また、試験期間中の試験区−1〜5では、温度が約14.5〜15.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜65%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(3日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表4に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−5(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表4に示すように、照射を行った試験区−1〜4の検体は、暗所とした試験区−5の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を断続的に照射する場合においてもイチゴの軟化が抑制される、すなわち鮮度が保持されることが確認された。特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−4では、検体の軟化抑制が顕著であった。
また、目視評価によって、硬度が高い試験区の検体ほど、外観状態が良好であることが確認された。
また、この実施例2では、実施例1とは異なり、赤色光又は遠赤色光の単独照射(試験区−1及び2)と、赤色光及び遠赤色光の同時照射(試験区−3)との結果に、明確な差が認められなかった。これは、実施例1の連続照射時間が12時間であったのに対し、実施例2では、照射時間が合計8時間と短かったことが要因と考えられる。
なお、この実施例2で検体とした「きたのさち」は、収穫最終期に収穫されたものであったため、試験期間中において熟成が進行した。そのため、この実施例2では、試験期間(3日)満了後において、各試験区の検体に腐敗果が含まれていた。試験区−1〜4では、それぞれ1個程度の検体が腐敗果となった。一方、暗所とした試験区−5では、3個の検体が腐敗果となった。
また、各試験区について、Brix糖度には差が見られなかった。
(実施例3)
実施例3は、15℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるイチゴの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜5を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。イチゴの検体として「きたのさち」を12個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜5の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「きたのさち」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「きたのさち」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。
この実施例3では、実施例1及び2よりも、使用する赤色光及び遠赤色光の容器中央付近の底面における光強度を低く設定した。試験区−1〜5における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表5に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において4W/m、容器外周付近の底面において0.8W/mとした。
また、試験区−2は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において4W/m、容器外周付近の底面において0.8W/mとした。
また、試験区−3は、赤色光及び遠赤色光の併用照射(同時照射)を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各2W/m(合わせて4W/m)、容器外周付近の底面において各0.4W/m(合わせて0.8W/m)とした。すなわち、赤色光と遠赤色光の強度比を1:1とした。
また、試験区−4は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射する試験区である。赤色光及び遠赤色光の分光特性及び光強度は、試験区−3と同様である。試験区−4では、赤色光と遠赤色光とを1日のうちに交互に単独で照射した。
また、試験区−5は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜5とも、試験期間を3日とした。試験区−1〜3では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。一方、試験区−4では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とをこの順に12時間ずつ交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。また、試験期間中の試験区−1〜5では、温度が約14.5〜15.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜65%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(3日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表6に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−5(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表6に示すように、照射を行った試験区−1〜4の検体は、暗所とした試験区−5の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、照射する赤色光及び遠赤色光の光強度を低くしても、イチゴの鮮度が保持されることが確認された。従って、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方の照射による鮮度保持は、省電力の観点においても有効である。
また、赤色光又は遠赤色光を単独照射した試験区−1及び2と比べ、赤色光及び遠赤色光の双方を照射した試験区−3及び4は、軟化抑制が顕著であった。特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−4の検体は、赤色光及び遠赤色光を同時照射した試験区−3と比べ、軟化抑制が顕著であった。光強度を低くしても顕著な軟化抑制の効果を得られることから、赤色光及び遠赤色光の双方の照射、特に赤色光と遠赤色光との交互照射は、鮮度保持及び省電力の双方の観点において好適である。
また、目視評価によって、硬度が高い試験区の検体ほど、外観状態が良好であることが確認された。また、各試験区について、Brix糖度には差が見られなかった。
(実施例4)
実施例4は、19℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるトマトの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜8を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。トマトの検体として「千果」を10個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜8の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「千果」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「千果」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。なお、この実施例では、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を照射する試験区の他に、比較用として近赤外光を照射する試験区を設定した。そのため、ここでは、赤色光を照射する第1光源及び遠赤色光を照射する第2光源の他に、鮮度保持装置に近赤外光を照射する光源を追加して設けた。試験区−1〜8における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表7に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2〜5は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用い、試験区−2〜5でそれぞれ異なる波長にピークを示す遠赤色光を照射した。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。試験区−2の遠赤色光は、約735nmにピークを示した。試験区−3の遠赤色光は、約750nmにピークを示した。試験区−4の遠赤色光は、約760nmにピークを示した。試験区−5の遠赤色光は、約780nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−6は、赤色光及び遠赤色光の併用照射(同時照射)を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各4W/m(合わせて8W/m)、容器外周付近の底面において各0.8W/m(合わせて1.6W/m)とした。
また、試験区−7は、近赤外光の照射を行う試験区である。近赤外光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。近赤外光は、約890nmにピークを示した。近赤外光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−8は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜8とも、試験期間を6日とした。試験区−1〜7では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。また、試験期間中の試験区−1〜8では、温度が約17.5〜19.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜65%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(6日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表8に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−8(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表8に示すように、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方の照射を行った試験区−1〜6の検体は、近赤外光の照射を行った試験区−7及び暗所とした試験区−8の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。また、試験区−7の検体と試験区−8の検体とには、明確な差が見られなかった。このことから、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を照射することによってトマトの軟化が抑制される、すなわち鮮度が保持されることが確認された。特に、赤色光及び遠赤色光を同時照射した試験区−6では、検体の軟化抑制が顕著であった。一方、近赤外光の照射では、トマトの軟化抑制の効果が確認されなかった。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度にも差が見られなかった。一方、検体の重量減少率は、試験開始から3日経過時において全体で約4〜6%、及び試験期間(6日)満了時において全体で約7〜10%となった。試験区−7の検体の重量減少率が最も大きかった。
(実施例5)
実施例5は、19℃に設定した貯蔵庫内において、赤色光及び遠赤色光を断続的に照射した場合のトマトの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜6を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。トマトの検体として「千果」を10個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜6の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「千果」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「千果」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。試験区−1〜6における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表9に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2及び3は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用い、試験区−2及び3でそれぞれ異なる波長にピークを示す遠赤色光を照射した。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。試験区−2の遠赤色光は、約750nmにピークを示した。試験区−3の遠赤色光は、約760nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
試験区−1〜3では、1日の照射時間を、4時間の照射を2回行う合計8時間とし、残りの16時間は暗所とした。なお、試験期間を通して、各照射の間隔(暗所とする時間)を8時間とした。
また、試験区−4及び5は、赤色光及び遠赤色光の照射を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各4W/m(合わせて8W/m)、容器外周付近の底面において各0.8W/m(合わせて1.6W/m)とした。
試験区−4では、1日の照射時間を、4時間の照射を2回行う合計8時間とし、残りの16時間は暗所とした。また、試験区−4では、2回の照射をともに赤色光及び遠赤色光の同時照射とした。そして、試験期間を通して、各照射の間隔(暗所とする時間)を8時間とした。
一方、試験区−5では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とを2回ずつ、交互に単独で照射する合計16時間とし、残りの8時間は暗所とした。ここでは、赤色光及び遠赤色光の順に4時間ずつ続けて照射した後、暗所とする時間を4時間設けた。そして、再び赤色光及び遠赤色光の順に4時間ずつ続けて照射した後、再び、暗所とする時間を4時間設けた。
また、試験区−6は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜6とも、試験期間を6日とした。また、試験期間中の試験区−1〜6では、温度が約17.5〜19.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜70%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(6日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表10に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−6(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表10に示すように、照射を行った試験区−1〜5の検体は、暗所とした試験区−6の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を断続的に照射する場合においてもトマトの軟化が抑制される、すなわち鮮度が保持されることが確認された。特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−5の検体の軟化抑制が顕著であった。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度及び重量減少率にも差が見られなかった。
(実施例6)
実施例6は、19℃に設定した貯蔵庫内において、赤色光及び遠赤色光を断続的に照射した場合のトマトの鮮度保持効果を調べる試験である。
上述した実施例5と同様に試験区−1〜6を設定した。この実施例6では、実施例5から、試験期間及び1日の照射時間を変更した。その他の条件は、実施例5と同様である。試験区−1〜6における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表11に示す。
Figure 0006078109
試験区−1〜4では、1日の照射時間を、6時間の照射を2回行う合計12時間とし、残りの12時間は暗所とした。そして、試験期間を通して、各照射の間隔(暗所とする時間)を6時間とした。
また、試験区−5では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とで6時間の照射を2回ずつ、交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。ここでは、赤色光及び遠赤色光の順に6時間ずつ続けて照射した後、再び赤色光及び遠赤色光の順に6時間ずつ続けて照射した。
試験区−1〜6とも、試験期間を7日とした。また、試験期間中の試験区−1〜6では、温度が約17.5〜19.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜70%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(7日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表12に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−6(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表12に示すように、この実施例6においても実施例5と同様に、照射を行った試験区−1〜5の検体は、暗所とした試験区−6の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を断続的に照射する場合において、貯蔵期間及び照射時間を変更しても、トマトの鮮度が保持されることが確認された。特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−5の検体の軟化抑制が顕著であった。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度及び重量減少率にも差が見られなかった。
(実施例7)
実施例7は、19℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光又は遠赤色光の単独照射、赤色光及び遠赤色光の同時照射、並びに赤色光と遠赤色光との交互の単独照射によるトマトの鮮度保持効果を比較する試験である。
試験区−1〜6を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。トマトの検体として「千果」を10個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜6の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「千果」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「千果」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。試験区−1〜6における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表13に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2及び3は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用い、試験区−2及び3でそれぞれ異なる波長にピークを示す遠赤色光を照射した。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。試験区−2の遠赤色光は、約750nmにピークを示した。試験区−3の遠赤色光は、約760nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−4は、赤色光及び遠赤色光の併用照射(同時照射)を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各4W/m(合わせて8W/m)、容器外周付近の底面において各0.8W/m(合わせて1.6W/m)とした。
また、試験区−5は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射する試験区である。赤色光及び遠赤色光の分光特性及び光強度は、試験区−4と同様である。試験区−5では、赤色光と遠赤色光とを1日のうちに交互に単独で照射した。
また、試験区−6は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜6とも、試験期間を7日とした。試験区−1〜4では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。一方、試験区−5では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とを12時間ずつ交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。また、試験期間中の試験区−1〜6では、温度が約17.5〜19.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜70%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(7日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表14に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−6(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表14に示すように、照射を行った試験区−1〜5の検体は、暗所とした試験区−6の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。また、赤色光又は遠赤色光を単独照射した試験区−1〜3と比べ、赤色光及び遠赤色光を同時照射した試験区−4の検体は、軟化抑制が顕著であった。さらに、赤色光及び遠赤色光を同時照射した試験区−4と比べ、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−5の検体は、軟化抑制が顕著であった。
このことから、1日の照射時間を12時間の連続照射とする場合には、好ましくは赤色光及び遠赤色光を同時照射することで、顕著にトマトの鮮度を保持できることが確認された。また、赤色光及び遠赤色光の双方を照射する場合には、赤色光と遠赤色光とを12時間ずつ交互に単独照射することで、顕著にトマトの鮮度を保持できることが確認された。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度及び重量減少率にも差が見られなかった。
(実施例8)
実施例8は、19℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光と遠赤色光との交互の単独照射によるトマトの鮮度保持効果について、赤色光及び遠赤色光の好適な強度比を調べる試験である。
試験区−1〜6を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。トマトの検体として「千果」を10個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜6の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「千果」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「千果」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。試験区−1〜6における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表15に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2及び3は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用い、試験区−2及び3でそれぞれ異なる波長にピークを示す遠赤色光を照射した。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。試験区−2の遠赤色光は、約750nmにピークを示した。試験区−3の遠赤色光は、約760nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−4及び5は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射する試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において合わせて8W/m、容器外周付近の底面において合わせて1.6W/mとした。そして、試験区4では、赤色光と遠赤色光との強度比を1:2とした。一方、試験区5では、赤色光と遠赤色光との強度比を2:1とした。試験区−4及び5では、赤色光と遠赤色光とを1日のうちに交互に単独で照射した。
また、試験区−6は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜6とも、試験期間を7日とした。試験区−1〜3では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。一方、試験区−4及び5では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とを12時間ずつ交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。また、試験期間中の試験区−1〜6では、温度が約17.5〜19.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜70%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(7日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表16に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−6(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表16に示すように、赤色光又は遠赤色光を単独照射した試験区−1〜3と比べ、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−4及び5の検体は、軟化抑制が顕著であった。また、赤色光と遠赤色光との強度比を1:2とした試験区−4と比べ、赤色光と遠赤色光との強度比を2:1とした試験区5の検体は、若干果皮硬度が大きく、軟化が抑制された。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度及び重量減少率にも差が見られなかった。
(実施例9)
実施例9は、19℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるトマトの鮮度保持効果を調べる試験である。
上述した実施例8と同様に試験区−1〜6を設定した。この実施例9では、実施例8から、赤色光及び遠赤色光の容器中央付近の底面における光強度(及び試験区−4及び5については強度比)を変更した。その他の条件は、実施例8と同様である。試験区−1〜6における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表17に示す。
Figure 0006078109
試験区−1〜3では、赤色光又は遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において4W/m、容器外周付近の底面において0.8W/mとした。
また、試験区−4では、赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各2W/m(合わせて4W/m)、容器外周付近の底面において各0.4W/m(合わせて0.8W/m)とした。すなわち、赤色光と遠赤色光の強度比を1:1とした。
また、試験区−5では、赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各1W/m(合わせて2W/m)、容器外周付近の底面において各0.2W/m(合わせて0.4W/m)とした。すなわち、赤色光と遠赤色光の強度比を1:1とした。
試験区−1〜6とも、試験期間を7日とした。また、試験期間中の試験区−1〜6では、温度が約17.5〜19.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜70%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(7日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表18に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−6(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表18に示すように、この実施例9においても実施例8と同様に、照射を行った試験区−1〜5の検体は、暗所とした試験区−6の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、照射する赤色光及び遠赤色光の光強度を低くしても、トマトの鮮度が保持されることが確認された。従って、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方の照射による鮮度保持は、省電力の観点においても有効である。
また、表18に示すように、特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−4及び5の検体の軟化抑制が顕著であった。そして、赤色光又は遠赤色光の光強度を4W/mとした試験区−1〜3と比べて、赤色光及び遠赤色光の光強度の合計を2W/mとした試験区−5の検体は、果皮硬度が大きく、より良好に軟化が抑制された。従って、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射することが、鮮度保持及び省電力の双方の観点において好適である。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度及び重量減少率にも差が見られなかった。
(実施例10)
実施例10は、19℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるトマトの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜5を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。トマトの検体として「アイコ」を10個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜5の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「アイコ」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「アイコ」は、秋期に収穫された完熟状態のものであった。
この実施例10では、実施例7及び8よりも、使用する赤色光及び遠赤色光の容器中央付近の底面における光強度を低く設定した。試験区−1〜5における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表19に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約660nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において4W/m、容器外周付近の底面において0.8W/mとした。
また、試験区−2は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約760nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において4W/m、容器外周付近の底面において0.8W/mとした。
また、試験区−3は、赤色光及び遠赤色光の併用照射(同時照射)を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約760nmにピークを示した。また、赤色光は、約660nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各2W/m(合わせて4W/m)、容器外周付近の底面において各0.4W/m(合わせて0.8W/m)とした。すなわち、赤色光と遠赤色光の強度比を1:1とした。
また、試験区−4は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射する試験区である。赤色光及び遠赤色光の分光特性及び光強度は、試験区−3と同様である。試験区−4では、赤色光と遠赤色光とを1日のうちに交互に単独で照射した。
また、試験区−5は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜5とも、試験期間を7日とした。試験区−1〜3では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。一方、試験区−4では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とをこの順に12時間ずつ交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。また、試験期間中の試験区−1〜5では、温度が約17〜18℃の範囲で、及び湿度が約50〜65%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(7日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表20に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−5(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表20に示すように、照射を行った試験区−1〜4の検体は、暗所とした試験区−5の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、照射する赤色光及び遠赤色光の光強度を低くしても、トマトの鮮度が保持されることが確認された。従って、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方の照射による鮮度保持は、省電力の観点においても有効である。
また、赤色光又は遠赤色光を単独照射した試験区−1及び2と比べ、赤色光及び遠赤色光の双方を照射した試験区−3及び4は、軟化抑制が顕著であった。特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−4の検体は、赤色光及び遠赤色光を同時照射した試験区−3と比べ、軟化抑制が顕著であった。光強度を低くしても顕著な軟化抑制の効果を得られることから、赤色光及び遠赤色光の双方の照射、特に赤色光と遠赤色光との交互照射は、鮮度保持及び省電力の双方の観点において好適である。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度にも差が見られなかった。また、検体の重量減少率は、試験期間(7日)満了時において全体で約3〜4%であり、各試験区での差は見られなかった。
(実施例11)
実施例11は、10℃の低温に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるトマトの鮮度保持効果を調べる試験である。
上述した実施例7と同様に試験区−1〜6を設定した。この実施例11では、実施例7から、試験期間及び貯蔵庫の設定温度を変更した。その他の条件は、実施例7と同様である。試験区−1〜6における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表21に示す。
Figure 0006078109
試験区−1〜6とも、試験期間を10日とした。また、試験期間中の試験区−1〜6では、温度が約9〜11℃の範囲で、及び湿度が約55〜70%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(10日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表22に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−6(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表22に示すように、他の実施例と同様に、照射を行った試験区−1〜5の検体は、暗所とした試験区−6の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−5の検体は、軟化抑制が顕著であった。このことから、貯蔵庫の設定温度を10℃とすることによって、貯蔵期間を10日とした場合であっても、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を照射することによって、トマトの鮮度を保持できることが確認された。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度及び重量減少率にも差が見られなかった。
(実施例12)
実施例12は、19℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光又は遠赤色光の単独照射、及び種々の波長の赤色光と遠赤色光との交互の単独照射によるトマトの鮮度保持効果を比較する試験である。
試験区−1〜6を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。トマトの検体として「アイコ」を10個ずつプラスチック製トレイに入れ、トレイ上部をラップフィルムで被覆した。このようなトレイを試験区−1〜6の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「アイコ」を生産者から入手して試験を行った。検体とした「アイコ」は、夏期に収穫された完熟状態のものであった。試験区−1〜6における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表23に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約660nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約760nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−3〜5は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射する試験区である。赤色光の光源としてそれぞれLEDを用い、試験区−3〜5でそれぞれ異なる波長にピークを示す赤色光を照射した。分光分析装置を用いて、使用した赤色光の光源の分光特性を評価した。試験区−3の赤色光は、約640nmにピークを示した。試験区−4の赤色光は、約660nmにピークを示した。試験区−5の赤色光は、約680nmにピークを示した。一方、遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用い、試験区−3〜5でそれぞれ共通の波長にピークを示す遠赤色光を照射した。分光分析装置を用いて、使用した遠赤色光の光源の分光特性を評価したところ、遠赤色光は、約760nmにピークを示した。試験区−3〜5において、赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各4W/m(合わせて8W/m)、容器外周付近の底面において各0.8W/m(合わせて1.6W/m)とした。
また、試験区−6は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜6とも、試験期間を8日とした。試験区−1及び2では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。一方、試験区−3〜5では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とをこの順に12時間ずつ交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。また、試験期間中の試験区−1〜6では、温度が約17.5〜18.5℃の範囲で、及び湿度が約55〜65%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(8日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表24に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験開始時の果皮硬度を100とした場合の、各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−6(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
表24に示すように、照射を行った試験区−1〜5の検体は、暗所とした試験区−6の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。
また、赤色光又は遠赤色光を単独照射した試験区−1及び2と比べ、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−3〜5は、軟化抑制が顕著であった。特に、約660nmにピークを示す赤色光を使用した試験区−4の検体は、試験区−3及び5と比べ、軟化抑制が顕著であった。このことから、約640〜660nmの範囲内にピークを示す赤色光を使用し、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射することによって、顕著にトマトの鮮度が保持されることが確認された。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度にも差が見られなかった。また、検体の重量減少率は、試験期間(8日)満了時において全体で約6〜7%であり、各試験区での差は見られなかった。
(実施例13)
実施例13は、15℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるブロッコリーの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜5を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ29cm、33cm、42cmのダンボール製容器を設置した。ブロッコリーの検体として「ピクセル」を4株ずつガラス製容器に入れた。このようなガラス製容器を試験区−1〜5の各ダンボール製容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日の朝に収穫された「ピクセル」を生産者から入手して試験を行った。
試験区−1〜5における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表25に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において1.8W/m、容器外周付近の底面において0.4W/mとした。
また、試験区−2は、遠赤色光の照射を行う試験区である。遠赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において1.8W/m、容器外周付近の底面において0.4W/mとした。
また、試験区−3は、赤色光及び遠赤色光の併用照射(同時照射)を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約750nmにピークを示した。また、赤色光は、約670nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各0.9W/m(合わせて1.8W/m)、容器外周付近の底面において各0.2W/m(合わせて0.4W/m)とした。すなわち、赤色光と遠赤色光の強度比を1:1とした。
また、試験区−4は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射する試験区である。赤色光及び遠赤色光の分光特性及び光強度は、試験区−3と同様である。試験区−4では、赤色光と遠赤色光とを1日のうちに交互に単独で照射した。
また、試験区−5は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜5とも、試験期間を7日とした。試験区−1〜3では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。一方、試験区−4では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とをこの順に12時間ずつ交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。
さらに、この実施例13では、各試験区について、ガラス製容器に給水を行った条件(給水条件)及びガラス製容器に給水を行わなかった条件(無給水条件)の2通りの条件下において試験を行った。
なお、試験期間中の試験区−1〜5では、温度が約14.5〜15.5℃の範囲で、及び湿度が約65〜80%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(7日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、検体の可食部である花蕾部について、緑色色素であるクロロフィルの含有量を測定することによって行った。クロロフィルの含有量が大きいほど、黄化が抑制され、鮮度が保持されていると考えられる。
結果を表26及び表27に示す。表26は給水条件についての結果を、また、表27は無給水条件についての結果を、それぞれ示している。なお、ここでは、各試験区の検体のクロロフィル含有量の平均値、及び試験開始時のクロロフィル含有量を100とした場合の、各試験区の検体の相対クロロフィル含有量を示してある。また、試験期間満了後における、試験区−5(暗所)の検体のクロロフィル含有量を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対クロロフィル含有量についても括弧で括って示してある。
Figure 0006078109
Figure 0006078109
表26及び表27に示すように、給水条件及び無給水条件ともに、照射を行った試験区−1〜4の検体は、暗所とした試験区−5の検体と比べてクロロフィル含有量が大きく、試験開始時からの黄化が抑えられた。このことから、赤色光及び遠赤色光の一方又は双方を照射することによってブロッコリーの黄化が抑制される、すなわち鮮度が保持されることが確認された。
また、赤色光又は遠赤色光を単独照射した試験区−1及び2と比べ、赤色光及び遠赤色光の双方を照射した試験区−3及び4は、黄化抑制が顕著であった。特に、赤色光と遠赤色光とを同時照射した試験区−3の検体は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射した試験区−4と比べ、黄化抑制が顕著であった。
また、各試験区において、給水条件下の検体では、無給水条件下の検体と比べて、クロロフィル含有量が大きく、黄化が抑えられた。
なお、給水条件下の検体は、試験開始時に対して重量が8〜10%程度増加した。一方、無給水条件下の検体は、試験開始時に対して重量が17%程度減少した。給水条件及び無給水条件ともに、各試験区間での重量変化の差は見られなかった。
(実施例14)
実施例14は、14℃に設定した貯蔵庫内における、赤色光及び遠赤色光の照射によるブドウの鮮度保持効果を調べる試験である。
試験区−1〜4を設定し、各試験区には、縦、横、高さが、それぞれ34cm、25cm、21cmのダンボール製容器(以下、単に容器とも称する。)を設置した。ブドウの検体として「スチューベン」を1房ずつ透明な袋に入れた。このような袋を試験区−1〜5の各容器内にそれぞれ収容した。ここでは、試験当日に小売店に入荷された「スチューベン」を購入して試験を行った。
試験区−1〜4における、赤色光及び遠赤色光の照射条件を表28に示す。
Figure 0006078109
試験区−1は、赤色光の照射を行う試験区である。赤色光の光源としてLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。赤色光は、約660nmにピークを示した。赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において8W/m、容器外周付近の底面において1.6W/mとした。
また、試験区−2は、赤色光及び遠赤色光の併用照射(同時照射)を行う試験区である。赤色光及び遠赤色光の光源としてそれぞれLEDを用いた。分光分析装置を用いて、使用した光源の分光特性を評価した。遠赤色光は、約760nmにピークを示した。また、赤色光は、約660nmにピークを示した。赤色光及び遠赤色光の光強度は、光源直下の容器中央付近の底面において各4W/m(合わせて8W/m)、容器外周付近の底面において各0.8W/m(合わせて1.6W/m)とした。すなわち、赤色光と遠赤色光の強度比を1:1とした。
また、試験区−3は、赤色光及び遠赤色光を交互に単独照射する試験区である。赤色光及び遠赤色光の分光特性及び光強度は、試験区−2と同様である。試験区−3では、赤色光と遠赤色光とを1日のうちに交互に単独で照射した。
また、試験区−4は、照射を行わない試験区であり、暗所とした。
試験区−1〜4とも、試験期間を24日とした。試験区−1及び2では、1日の照射時間を12時間連続とし、残りの12時間は暗所とした。一方、試験区−3では、1日の照射時間を、赤色光と遠赤色光とをこの順に12時間ずつ交互に単独で照射する合計24時間とし、暗所とする時間を設けなかった。また、試験期間中の試験区−1〜4では、温度が約14〜15℃の範囲で、及び湿度が約45〜65%の範囲で推移しており、各試験区間での差は見られなかった。
このような条件において、試験期間(24日)満了後の各試験区の検体について鮮度の評価を行った。鮮度の評価は、果実硬度計を用いて、検体の果皮硬度を測定することによって行った。結果を表29に示す。なお、ここでは、各試験区の検体の果皮硬度の平均値、及び試験期間満了後における、試験区−4(暗所)の検体の果皮硬度を1とした場合の、他の各試験区の検体の相対果皮硬度を示してある。
Figure 0006078109
表29に示すように、照射を行った試験区−1〜3の検体は、暗所とした試験区−4の検体と比べて果皮硬度が大きく、試験開始時からの果皮硬度の低下が抑えられた。このことから、赤色光を単独で、又は赤色光及び遠赤色光の双方を照射することによってブドウの軟化が抑制される、すなわち鮮度が保持されることが確認された。
また、赤色光を単独照射した試験区−1と比べ、赤色光及び遠赤色光の双方を照射した試験区−2及び3は、軟化抑制が顕著であった。特に、赤色光と遠赤色光とを交互に単独照射した試験区−3の検体は、赤色光及び遠赤色光を同時照射した試験区−2と比べ、軟化抑制が顕著であった。
目視評価によれば、各試験区について、外観状態には差が見られなかった。また、各試験区について、Brix糖度にも差が見られなかった。また、検体の重量減少率は、試験期間(24日)満了時において約10〜11%であり、各試験区での差は見られなかった。

Claims (11)

  1. 収穫後のイチゴ、トマト、ブロッコリー又はブドウに対して、赤色光及び遠赤色光の双方を照射する
    ことを特徴とする鮮度保持方法。
  2. 収穫後のイチゴ、トマト、ブロッコリー又はブドウに対して赤色光及び遠赤色光を交互に照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の鮮度保持方法。
  3. 前記赤色光及び前記遠赤色光を合わせた光強度を、光源直下において最小でも1.8W/mとする
    ことを特徴とする請求項2に記載の鮮度保持方法。
  4. 前記赤色光に対する前記遠赤色光の光強度比を0.5〜2の範囲内の値とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の鮮度保持方法。
  5. 1回当たり少なくとも4時間の照射を、1日に前記赤色光と前記遠赤色光とで交互に複数回行う
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の鮮度保持方法。
  6. 前記収穫後のイチゴ、トマト、ブロッコリー又はブドウに対して赤色光及び遠赤色光を同時に照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の鮮度保持方法。
  7. 前記赤色光及び前記遠赤色光の光強度比を1:1とし、前記赤色光及び前記遠赤色光を合わせた光強度を、光源直下において最小でも1.8W/mとする
    ことを特徴とする請求項6に記載の鮮度保持方法。
  8. 前記赤色光及び前記遠赤色光を、1日当たり少なくとも12時間連続で同時照射する
    ことを特徴とする請求項7に記載の鮮度保持方法。
  9. 1回当たり少なくとも4時間の、前記赤色光及び前記遠赤色光の同時照射を、1日に複数回行う
    ことを特徴とする請求項7に記載の鮮度保持方法。
  10. 前記収穫後のイチゴ、トマト、ブロッコリー又はブドウに対する照射が、9〜11℃の範囲内の低温下で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の鮮度保持方法。
  11. 前記収穫後のイチゴ、トマト、ブロッコリー又はブドウに対する照射が、14.5〜19.5℃の範囲内の常温下で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の鮮度保持方法。
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